JP2011101621A - 植生緑化用固化複合材及び植生緑化用固砂工法 - Google Patents

植生緑化用固化複合材及び植生緑化用固砂工法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線放射量が多い地域においても、風食を防止し、砂漠を植生緑化できる植生緑化用固化複合材及び植生緑化用固砂工法を提供すること。
【解決手段】本発明の植生緑化用固化複合材は、(a)親水性ポリウレタン樹脂、(b)水、及び(c)紫外線吸収剤、及び光安定剤から成る群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。本発明の植生緑化用固砂工法は、植生緑化用固化複合材を砂に散布することで、固化した多孔質砂層を形成することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、砂漠等の植生緑化を行うときに、表面砂層を固化し、砂の流動を防止し、固化された砂層面の保水性を改善・確保するために用いられる、砂漠に適用可能な植生緑化用固化複合材及び植生緑化用固砂工法に関する。
現在、世界の陸地の中で砂漠化した土地は約30%前後を占めるに至っており、その面積は現在も増加している。その一方で世界の人口は年々増加し、この人口増加に伴い将来は食料危機を生じる恐れがあり、この状況を回避するためにも、土地の砂漠化を防止するとともに、砂漠化し枯死した土地を植生緑化して生き返らせる必要がある。
砂漠化とは、乾燥地帯、半乾燥地帯、乾燥半湿潤地帯において、気候変化、人類の活動などさまざまな要因に起因して起こる土地の劣化を指すが、砂漠化が生じる土地の特徴は、強い風が年間を通じて吹き荒れることである。この強い風に伴い、地表の砂粒子が飛砂となり、風によって運ばれ、地表のあらゆるものを埋め尽くしてしまう(このような現象を風食と呼ぶ)。この風食は、植物の生育を妨げるため、砂漠の植生緑化を阻害する大きな要因となる。よって、砂漠化した土地を植生緑化するためには、風食を防止する必要がある。また、砂漠化した土地では紫外線の放射照度が大きく、地表面温度が高く、砂表面の蒸散が極めて大きいため、植生緑化するためには、保水性を高める必要がある。すなわち、砂漠化を防止し、植生緑化を行うためには、風食の防止と保水性の確保を同時に行うことが必要である。
風食を防止し、砂漠を植生緑化する方法としては、親水性ポリウレタン樹脂を含む固化用複合材を砂に散布し、固化した多孔質砂層を形成する方法が提案されている。この方法において、固化した多孔質砂層の厚みを5〜50mmとし、多孔質砂層における空隙率を20%程度とすることが好ましい。また、植物の種子を含む植生緑化組成物を砂に散布する工程を加えると、植生も可能となる(特許文献1参照)。
特開2009-27933号公報
しかしながら、上記の方法を、卓越した紫外線放射量、著しい乾燥地帯がある地域に適用しようとする場合、十分に植物が根付く前に親水性ポリウレタンが紫外線分解して多孔質砂層における砂の固定が弱体化したり、多孔質砂層が損傷したりする場合がある。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、紫外線放射量が多い地域や、著しい乾燥地帯においても、風食の防止と砂表面の保水性の確保を行い、砂漠を植生緑化できる植生緑化用固化複合材及び植生緑化用固砂工法を提供することを目的とする。
本発明の植生緑化用固化複合材は、(a)親水性ポリウレタン樹脂、(b)水、及び(c)紫外線吸収剤、及び光安定剤から成る群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。
本発明の植生緑化用固化複合材を、例えば、砂の表面に散布することにより、表面からある程度の深さまでの砂または流動砂(砂丘)を、短時間で多孔質状に結合・固化し、固化した多孔質砂層を形成することができる。この固化した多孔質砂層は、強度が高く、耐久性・耐凍性を有し、砂または砂丘の移動を阻止する。また、固化した多孔質砂層は、多孔質構造体(例えば、積層マット状、ネット積層状、ゴム積層状)であることにより、緑化のための植生等を安定して根付かせる(種子の発芽と初期の植生を可能にする)ための機能、すなわち、透水性・保水性・保肥性・水分蒸発抑制性をも有する。
よって、本発明の植生緑化用固化複合材を用いれば、例えば、豊富な地下水がなく、風食が著しく、砂表面からの蒸散が大きい等、砂漠特有の特殊環境においても、植生緑化を安定的、機能的、経済的に実現することができる。また、本発明の植生緑化用固化複合材は、広い面積にわたって散布することができ、経済性にも優れているので、広大な砂漠地帯に適用することができる。
また、本発明の植生緑化用固化複合材は、砂に対する浸透性が高いので、施工性が良い。
さらに、本発明の植生緑化用固化複合材は、上記(c)成分を含むので、親水性ポリウレタンの紫外線分解速度をコントロールすることができ、保水性も向上でき、植生が一層確実に可能となる。
すなわち、本発明の植生緑化用固化複合材は、紫外線吸収剤、及び光安定剤から成る群から選ばれる1種以上を含むので、親水性ポリウレタンの紫外線分解を防止することができる。そのため、本発明の植生緑化用固化複合材を用いて形成した多孔質砂層は、紫外線が照射されても、砂の固定が弱体化したり、損傷したりしにくい。その結果、紫外線放射量が多い地域においても、透水性・保水性・保肥性・水分蒸発抑制性を維持することができる。
本発明の植生緑化用固化複合材において、親水性ポリウレタン樹脂の濃度は、2〜7重量%の範囲にあることが好ましい。2重量%以上であることにより、親水性ポリウレタン樹脂の反応固化時間が短くて済み、固化した多孔質砂層の強度が一層高くなり、風食のきわめて著しい地域においても砂または砂丘の移動を阻止することができる。また、7重量%以下であることにより、固化した多孔質砂層において、植生緑化に必要とする空隙(植物の生育環境(棲家))を確保することができ、植生緑化を促進する効果が一層著しくなる。
本発明の植生緑化用固化複合材の剤型は、例えば、液状、コロイド状、顆粒状とすることができる。親水性ポリウレタン樹脂は、短時間で水と反応し、砂粒子または他の固体粒子を網糸繊維状に結合・固化し、固化した多孔質砂層を形成する。
前記親水性ポリウレタン樹脂は、例えば、次にようにして製造することができる。すなわち、末端に2個以上のヒドロキシル基を有し、ポリオキシエチレン鎖を有する分子量1000〜20000の化合物(通称ポリエチレンオキサイド化合物とも言うもの)と、そのヒドロキシル基数と同モル数以上のポリイソシアネート化合物とを30〜120℃の温度で、30分〜7日間、必要に応じてジブチルチンジラウレート或いはトリエチレンジアミンのごとき触媒を使用し反応させ、ポリエチレンオキサイド化合物の両端にイソシアネート基を導入することによって製造することができる。かくして得られる親水性ポリウレタン樹脂は常温で液状〜ペースト状であり、親水性ポリウレタン樹脂100重量部に対し98〜85重量%の水に溶解する。なお、この水溶液は20秒〜2時間で強固な弾性のある不水溶性抱水プラスチック状となる。
前記紫外線吸収剤とは、有害な紫外線を吸収し、プラスチックの長期耐候性、安定性を向上させるものである。紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸基を持つサリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン基を持つベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート基を持つシアノアクリレート系紫外線吸収剤などがあるが,本発明の課題解決のためにはベンゾトリアゾール基を持つベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。この場合、本発明の植生緑化用固化複合材における紫外線吸収剤の濃度は、0.1〜1重量%の範囲にあることが好ましい。紫外線吸収剤の濃度が0.1重量%以上であることにより、紫外線分解を一層低減させることができ、砂漠での砂の移動を一層阻止することができる。また、1重量%以下であることにより、固化した多孔質砂層を数十年後に分解させることができ、植生緑化ならびに周辺環境に与える影響を抑制できる。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の使用量の抑制により、経済性にも優れているので、広大な砂漠地帯に適用することができる。
前記紫外線安定剤とは、プラスチックを紫外線から保護するものとして、自身は紫外線をほとんど吸収しないが、紫外線エネルギーによって生じる有害なフリーラジカルを効率良く補足することにより安定化させるものである。光安定剤としては、ヒンダードアミン基を有するヒンダードアミン光安定剤が好ましい。この場合、本発明の植生緑化用固化複合材における紫外線安定剤の濃度は、0.005〜0.5重量%の範囲にあることが好ましい。0.005重量%以上であることにより、紫外線分解を一層低減させることができ、砂漠での砂の移動を一層阻止することができる。また、0.5重量%以下であることにより、固化した多孔質砂層を数十年後に分解させることができ、植生緑化ならびに周辺環境に与える影響を抑制できる。また、ヒンダードアミン系光安定剤の使用量を抑えることにより経済性にも優れているので、広大な砂漠地帯に適用することができる。
本発明の植生緑化用固砂工法は、上述した植生緑化用固化複合材を砂に散布することで、固化した多孔質砂層を形成することを特徴とする。
本発明の植生緑化用固砂工法は、親水性ポリウレタン樹脂を含む植生緑化用固化複合材を砂の表面に散布することにより、表面からある程度の深さまでの砂または流動砂(砂丘)を、短時間で多孔質状に結合・固化し、固化した多孔質砂層を形成する。この固化した多孔質砂層は、強度が高く、耐久性・耐凍性を有し、砂または砂丘の移動を阻止する。また、固化した多孔質砂層は、多孔質構造体(例えば、積層マット状、ネット積層状、ゴム積層状)であることにより、緑化のための植生等を安定して根付かせる(種子の発芽と初期の植生を可能にする)ための機能、すなわち、透水性・保水性・保肥性・水分蒸発抑制性をも有する。
よって、本発明の植生緑化用固砂工法によれば、例えば、豊富な地下水がなく、風食が著しい等、砂漠特有の特殊環境においても、植生緑化を安定的、機能的、経済的に実現することができる。また、本発明は、広い面積にわたって施工することができ(施工性が良く)、経済性にも優れているので、広大な砂漠地帯に適用することができる。
また、本発明の植生緑化用固砂工法は、水(含塩分水であってもよい)に容易に溶ける親水性ポリウレタン樹脂を用い、その親水性ポリウレタン樹脂を含む植生緑化用固化複合材は砂に対する浸透性が高いので、施工性が良い。
さらに、本発明の植生緑化用固砂工法は、紫外線吸収剤、及び光安定剤から成る群から選ばれる1種以上を含む植生緑化用固化複合材を用いるので、親水性ポリウレタンの紫外線分解を防止することができる。そのため、本発明の植生緑化用固砂工法を用いて形成した多孔質砂層は、紫外線が照射されても、砂の固定が弱体化したり、損傷したりしにくい。その結果、紫外線放射量が多い地域においても、透水性・保水性・保肥性・水分蒸発抑制性を維持することができる。
本発明の植生緑化用固砂工法において、植物の種子を含む植生緑化組成物を砂に散布する工程を、前記植生緑化用固化複合材の散布の前及び/又は後に有することが好ましい。植生緑化組成物は、例えば、適量の化学肥料を含むことが好ましい。こうすることにより、種子の発芽と初期の植生を促進することができる。また、植生緑化組成物は、大量の水を含むことが好ましい。こうすることにより、植生緑化組成物を、砂中深くまで浸透させることができる。なお、浸透した水は、保水性を有する、固化した多孔質砂層により保持され、植物の初期成長に寄与することができる。植生緑化組成物に含まれる肥料としては、例えば、動物(牛、羊等)糞、化学肥料等があげられる。また、植生緑化組成物に含まれる種子としては、例えば、耐候性・耐塩分・耐乾性を有する種子2〜3種(例えば、油蒿、檸条、アルテミシア、カラガナ等)が挙げられる。
植生緑化組成物は、例えば、保水性を持つ保水剤を含んでいてもよい。保水剤としては、例えば、PVA(ポリビニ−ルアルコール)、MC(メチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)などの保水性ポリマーや、アクリル系高分子の吸水性ポリマー、或いは無機系のパーライト、モンモリロナイト、バーミキュライト、さらに現地発生黄土、粘土などが挙げられる。また、保水剤は、保水性を有する高分子化合物であってもよい。高分子化合物は、天然高分子であっても合成高分子であってもよいが、使用する砂漠環境を破壊しないものがよい。特に乾燥が激しい砂漠地域では、保水性が良好でかつ自重の数百倍以上の水を吸収できるいわゆる吸水性ポリマーを保水剤として用いることが好ましい。
植生緑化組成物は、例えば、保肥性を持つ材料(保肥剤)を含むことが好ましい。このような材料としては、例えば、現地産出・分布された動物(牛、羊)糞をほぐして、液状にしたもの、黄土等が挙げられる。特に牛糞は、繊維質のものが多く含まれ、固砂または植生に効果的である。
前記固化した多孔質砂層の厚みは、5〜50mmの範囲が好適である。5mm以上であることにより、風食の著しい地域においても、砂または砂丘の移動を阻止する効果が一層高く、また、50mm以下であることにより、使用する親水性ポリウレタン樹脂の量が少なくて済み、施工性、経済性において優れている。
前記固化した多孔質砂層の圧縮強度は、例えば、0.5〜1.5Kg/cm2の範囲が好適であり、引っ張り強度は0.2〜0.5Kg/cm2の範囲が好適であり、空隙率は25〜10%の範囲が好適である。これら範囲内であることにより、植生緑化を促進する効果が一層高い。上記の各特性値は、植生緑化用固化複合材における親水性ポリウレタン樹脂の濃度を調整すること等により、変化させることができる。
植生緑化用固化複合材や植生緑化組成物は、例えば、通常の土木工事に使用する機械(例えば、モルタル吹付機、種子或いは水散布機等)を用いて砂漠面に散布、浸透させることができる。また、Y字管方式の特殊ノズル付の機械により、砂の表面に吹き付け散布することができる。また、農業用散水機のノズルにニードルバルブ(流量調節バルブ)のついた吸込口を取付けて、一定割合で吸込みながら、ノズルで水と混合し、散布する方法をとってもよい。
本発明の実施形態を説明する。
表1および表2に示す配合比にて、親水性ポリウレタン樹脂、水、及びヒンダードアミン系光安定剤を混合し、実施例1A〜1Gおよび3A〜3Gの植生緑化用固化複合材を製造した。
Figure 2011101621
Figure 2011101621
なお、表1および表2におけるJCK−W−USは、JCK株式会社製のヒンダードアミン系光安定剤である。また、表1および表2におけるJCK−OH1Aは、JCK株式会社製の、水を硬化剤として固化する親水性ポリウレタン樹脂の商品名である。JJCK−W−US及びJCK−OH1Aの物性は、それぞれ、以下のとおりである。
(JCK−W−US)
外観:淡黄色液体
化学名:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート
比重(25℃):0.991
屈折率(25℃):1.447
分子量:509
(JCK−OH1A)
外観:無色〜淡黄色液体
主成分:親水性ポリウレタン樹脂
粘度(20℃mPa・s):300〜600
比重(20℃/4℃):1.08±0.05
硬化時間(20℃):配合JCK−OH1A/水=10/90、3〜6分
表3および表4に示す配合比にて、親水性ポリウレタン樹脂、水、及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を混合し、実施例2A〜2Eおよび4A〜4Eの植生緑化用固化複合材を製造した。
Figure 2011101621
Figure 2011101621
なお、表3および表4におけるJCK−W−UAは、JCK株式会社製のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。JCK−W−UAの物性は以下のとおりである。
(JCK−W−UA)
外観:淡黄色結晶性粉末
化学名:2-(2'−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
融点:126〜132℃
分子量:225
以下のようにして、植生緑化用固砂工法を実施した。
(1)砂漠模型の作成
円柱型モールド(直径50mm×深さ100mm)に豊浦標準砂(豊浦硅石鉱業株式会社産、比重d=2.60)を充填し、適度な締め固めにより、砂の厚みを50cmとし、間隙比を40%として、砂漠模型を作成した。
(2)植生緑化用固化複合材の散布
実施例1A〜1G、2A〜2E、3A〜3G、4A〜4Eと同様の組成の植生緑化用固化複合材を、それぞれ、砂漠模型における砂の表面に散布した。具体的には、植生緑化用固化複合材における水以外の成分(親水性ポリウレタン樹脂、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)を予め混合しておき、その混合物と水とをY字管方式の特殊ノズル付きの機械により混合し、砂漠模型における砂の表面に散布した。砂の表面に散布される水溶液の組成は、実施例1A〜1G、2A〜2E、3A〜3G、4A〜4Eにおける植生緑化用固化複合材と同様となるようにした。散布量は、砂漠模型の表面1m2当たり3.0Lとした。
植生緑化用固化複合材は、砂の表面から所定の深さまで浸透し、それに含まれる親水性ポリウレタン樹脂が砂の粒子同士を結合することにより、砂の表面から所定深さまでの間に、固化した多孔質砂層を形成した。なお、水は固化した多孔質砂層における空隙に保持される。
(3)本発明の効果を確かめるための試験
植生緑化用固化複合材を散布した後の砂漠模型(以下、試験体とする)を、CO.FO.ME.GRA社製の強エネルギー型キセノンウェザーメータ(Solarbox1500e)(以下、試験機とする)に入れ、1000W/m2の平均紫外線照射量で紫外線を照射した。なお、このときの環境設定温度は45℃とし、試験中の計測値で44±1℃であった。
試験開始から24時間ごとに試験機を停止させ、(X)そのままの状態での試験体の重量測定、及び(Y)固定されておらず試験体表面に溜まった砂を粉塵吸引機で吸引したうえでの試験体の受領測定を行った。n回目の試験機の停止における上記(X)の測定結果をWnxとし、上記(Y)の測定結果をWnyとする。
n回目の停止から、n+1回目の停止までに蒸散した水分量は、Wny−W(n+1)xにより算出される。表2、4に、蒸散水分量の試験開始からの積算値を示す。
また、n回目の停止から、n+1回目の停止までに、紫外線照射により遊離した砂の量は、W(n+1)x−W(n+1)yにより算出される。表1、表3に、遊離した砂の量の試験開始からの積算値(表1、表3では「重量の減少量」と表示)を示す。
また、比較例として、砂漠模型に、親水性ポリウレタン樹脂と水のみからなる水溶液(親水性ポリウレタン樹脂の濃度は、各実施例の植生緑化用固化複合材と同じ)を散布した試験体についても、同様に試験を行った。その結果を上記表1〜表4に示す。
表1、表3から明らかなように、実施例1A〜1G、2A〜2Eと同様の組成の植生緑化用固化複合材を散布した試験体については、吸引前後における重量の減少量が小さかった。それに対し、親水性ポリウレタン樹脂と水のみからなる水溶液を散布した比較例の試験体では、吸引前後における重量の減少量が顕著に大きかった。
また、表2、表4明らかなように、実施例3A〜3G、4A〜4Eと同様の組成の植生緑化用固化複合材を散布した試験体については、蒸散水分量が小さかった。それに対し、親水性ポリウレタン樹脂と水のみからなる水溶液を散布した比較例の試験体では、蒸散水分量が顕著に大きかった。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、ヒンダードアミン系光安定剤として、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートの代わりに、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等を用いても、略同様の効果を奏することができる。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2-(2'−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの代わりに、2-(2'−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5’ −メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2-(2'−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2-(2'−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール等を用いても、略同様の効果を奏することができる。

Claims (6)

  1. (a)親水性ポリウレタン樹脂、(b)水、及び(c)紫外線吸収剤、及び光安定剤から成る群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする植生緑化用固化複合材。
  2. 前記親水性ポリウレタン樹脂の濃度が、2〜7重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の植生緑化用固化複合材。
  3. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール基を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、
    前記紫外線吸収剤の濃度が、0.1〜1重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の植生緑化用固化複合材。
  4. 前記光安定剤が、ヒンダードアミン基を有するヒンダードアミン系光安定剤であり、
    前記光安定剤の濃度が0.005〜0.5重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の植生緑化用固化複合材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の植生緑化用固化複合材を砂に散布することで、固化した多孔質砂層を形成することを特徴とする植生緑化用固砂工法。
  6. 植物の種子を含む植生緑化組成物を砂に散布する工程を,前記の植生緑化用固化複合材の散布の前及び/又は後に有することを特徴とする請求項5記載の植生緑化用固砂工法。
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