JP2011098423A - マルチソーマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤを走行させてワークを切断するマルチソーマシンにおいて、ワイヤ周方向の摩耗を均等にすることを目的とし、簡易な装置によってワイヤを周方向に回転させる手段を提供する。
【解決手段】ワイヤとワークとが接触するスライス部よりワイヤ走行方向上流側に、該ワイヤの走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも1本のローラが、前記ワイヤと接触する位置に設ける。あるいは前記のローラがワイヤに対して互いに対向する位置に設けられて、且つワイヤの走行方向とローラの軸とがなす角度が共に同じで、且つ互いに異なる向きに設けることでワイヤに回転を付与する。
【選択図】図3
【解決手段】ワイヤとワークとが接触するスライス部よりワイヤ走行方向上流側に、該ワイヤの走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも1本のローラが、前記ワイヤと接触する位置に設ける。あるいは前記のローラがワイヤに対して互いに対向する位置に設けられて、且つワイヤの走行方向とローラの軸とがなす角度が共に同じで、且つ互いに異なる向きに設けることでワイヤに回転を付与する。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体材料、セラミックス等の高硬脆性材料(以下ワークという)を多数のウエハに切断する遊離砥粒式切断装置(以下マルチソーマシンという)に関する。
従来技術における遊離砥粒式ソーワイヤ(以下「ワイヤ」という)Wは、ピアノ線などの硬鋼線にブラスメッキを施したものが一般的である。例えばピアノ線などのスチール線にブラスメッキしたものを伸線加工して、これを0.1〜0.3mmの細線にしたものがある。このワイヤWを図6のように、2〜4本からなる溝ローラ2間に多重に巻き掛ける。この状態で当該ローラを回転させると、前記ワイヤWが所定の速度で走行する。この状態でワイヤにワークPを押し付けて切断する。ワークPを押し付けたとき、ワイヤWの溝ローラ間における撓みをできるだけ少なくするために、ワイヤWには強い張力が加えられる。
ワークPはワイヤWと前記ワークの切断面との間に介在したスラリ中の砥粒によって切断される(図7(a)参照)。その切断面fは巨視的には比較的平滑であるが、微視的には図8に示すような大きなうねりNと微小波形nとが重なったような表面形状をしており、その加工面の平面精度は高くない。その現象や理由の詳細は特許文献1に記載されている。概略的にいえば、切断作業中に溝ローラの表面樹脂の温度が高温になり、そのワイヤガイド溝の位置が徐々に変化することが主な原因と考えられる。
また、微小波形nはワイヤ表面の摩耗進行に伴ってワイヤの断面形状が楕円に変化する(図7(b)参照)。したがって図7(b)に示すように、ワイヤによる被切削面の向きが徐々に変化することが原因であると考えられている。すなわち、ワイヤWの全周の1/2が切削面となって、この切削面が偏摩耗し、ワイヤが繰り返し使用されるにつれて、その真円断面の形状が崩れ、略楕円形状に変形するものと考えられている。
前記の現象を回避するためには、ワイヤの硬度を高めて耐摩耗性を高くすればよい。しかし、そうすると極めて細いワイヤは靭性が低下して破断に対する耐久性が著しく損なわれる。つまり適度な靭性を有しつつ、ワイヤ自体の硬度を高くすることは極めて困難である。
そこで、前記現象を回避する別の手段としては、ワイヤを周方向に回転させる手段がある。ワイヤを回転させる装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されたワイヤを回転させる装置は、図9に示す構造で、溝ローラ2aと溝ローラ2bとの中間位置に配設されたワイヤWと直交する方向に軸心を配置してなる第1のローラ101とワイヤWを挟んでこの第1のローラ101に対設した第2のローラ102とで、ワイヤを挟み、図示しない駆動モータによって、前記第1のローラ101、第2のローラ102を矢印103あるいは矢印104に示すように軸心に沿い、しかも相反する方向に移動させることによってワイヤWの軸心を中心に正転あるいは逆転させる(回転させる)というものである。
しかし、引用文献1に開示されたワイヤの回転装置は、駆動モータを必要とするもので、第1のローラ101と第2のローラ102を相反する方向に移動させる等、装置が非常に複雑になる。
また、第1のローラ101と第2のローラ102をワイヤの走行方向と直交する方向に移動させると、ローラとの摩擦によりワイヤの走行位置が移動させられる。すると、溝ローラにおいて、ワイヤが隣の溝に移ったり、互いに走行するワイヤ同士が接触したりすることで、最悪には断線を引き起こしてしまう。
さらには、第1のローラ101と第2のローラ102の平行移動が反転するとき、つまりワイヤが正転から逆転に切り替わるとき、ワイヤWを回転させることができない領域が生じる。第1及び第2のローラが十分に大きければ、その頻度を少なくすることができるが、設備として過大になる上に、回転させることができない領域は根本的に解消することはできず、結果としてワイヤの切断品質としては不均一にならざるを得ない。
そこで、本発明は、ワイヤ周方向の摩耗を均等にすることを目的とし、簡易な装置によってワイヤを周方向に回転させる手段を提供することを目的とする。
本発明は、複数の溝ローラの外周に所定ピッチで捲回されたワイヤを、スラリを供給しながら走行させるとともに、ワークを前記ワイヤに押し付けて該ワークをスライス加工するマルチソーマシンにおいて、前記ワイヤと前記ワークとが接触するスライス部よりワイヤ走行方向上流側に、該ワイヤ走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも1本のローラが、前記ワイヤと接触する位置に設けられた、
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
さらには、ワイヤ走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも2本のローラが、ワイヤに対して互いに対向する位置に設けられて、且つ前記ワイヤの走行方向と前記ローラのなす角度が共に同じで、且つ互いに異なる向きに設けることで、より効率よくワイヤを周方向に回転させることができる。
本発明をより効率よく発揮するポイントとしては、
ワイヤの走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも1本の前記ローラが、複数の前記溝ローラに捲回されてなるワイヤの周の外側に設置され、ワイヤを前記ワイヤの周の内側に向かって押し込んで設置されていることが望ましい。
ワイヤの走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも1本の前記ローラが、複数の前記溝ローラに捲回されてなるワイヤの周の外側に設置され、ワイヤを前記ワイヤの周の内側に向かって押し込んで設置されていることが望ましい。
本発明によれば、ワイヤとワークが接触するスライス部より上流側で前記ワイヤと接触する位置に設けた、ワイヤ走行方向と直交しない少なくとも1本のローラとワイヤが接触することで、ワイヤに軸芯を中心とする方向への回転が生じ、捻れを有したままワークに到達し、捻り戻りつつ、ワークを切断するため、ワイヤの偏磨耗が防止できる。つまり、より平滑な切断面を得ることができる。
また、従来のようにワイヤへ回転を付与するための機構としてローラを平行移動させるような駆動装置を必要とせず、簡素な方法で行うことができる。さらにワイヤの走行位置を変移させることなく、回転を確実に付与することができる。
さらに前記ローラの設置位置が複数の溝ローラに捲回されてなるワイヤの周の外側から内に向かって押し付けられるように設置されていることで、ワイヤが溝ローラで溝から外れることを防止することができる。
本発明の代表的な例を図1〜3を用いて説明する。図1は本発明の要部の斜視図、図2は正面図、図3は右側面図を示す。尚、以下の実施の形態においては全て溝ローラの本数としては3本を例に記載しているが、本発明の実施においては特に限定されるものではない。
本発明の最大の特徴は、ワイヤWの走行方向と直交しない回転軸を有しつつ、溝ローラ2aと溝ローラ2bとの間に張設されたワイヤWの全てに接触しながら回転をするようなローラ(以下、傾斜ローラと称す)が設置されていることである。この傾斜ローラ1の回転によりワイヤに実質的な回転を加えている。
傾斜ローラ1の回転軸はワイヤWの走行方向と直交しないため、ワイヤは走行しつつも傾斜ローラとの接触時の摩擦により、傾斜ローラの回転方向への力を受ける。こうしてワイヤの中心を軸とした回転が生まれる。
ここでワイヤが「回転」するとは、ワイヤの中心軸に対して捩れる、あるいは捩れ戻ることを意味する。つまり前記傾斜ローラ1により回転を付与された(つまり捻られた)ワイヤWは溝ローラ2bに接触する。この時、一時的に付与されたに過ぎない「回転」は溝ローラ2bとの接触により固定され、捩り戻らなくなる。その後、溝ローラ2bを通過し溝ローラ2cに向かうまでの間で徐々に捩り戻される。この間に切断を行うことで、ワークPとワイヤ周面とがより広域で、より好ましくは全周で接触し、均一な磨耗が生じると共に、平滑な切断面が得られる加工を行うことができる。
傾斜ローラを傾斜させる角度としては、傾斜ローラ軸と、ワイヤ走行方向に対して垂直な直線とが成す角度θが40°±10程度が好ましい。これ以下の角度の場合、ワイヤを回転させるだけの十分な効果が得難くなり、また角度が前記範囲以上となると、効果的な回転が付与し難くなる他、ワイヤの走行に対する摩擦が大きくなり、ワイヤはスムーズな走行が行えなくなる。
傾斜ローラとしては回転自在に保持されたのみの傾斜ローラであっても良いし、外付け、あるいは内蔵する駆動モータにより自転する傾斜ローラであっても良い。前者の傾斜ローラを設置した場合は、傾斜する角度を高めつつ、ワイヤと傾斜ローラとの接触力を高めた方が望ましい。そうすることでより互いの摩擦力を高めワイヤに回転を付与し易くなる。また後者の傾斜ローラを使用する場合は傾斜ローラを設置する角度は小さくても良く、自転の速度により適切な回転を付与するようにコントロールすることができる。
また傾斜ローラ1の設置位置としては溝ローラ2bに近い方が良い。そうすることで傾斜ローラにより回転を付与されたワイヤが捩り戻るのを防ぐことができる。
尚、図4のように、傾斜ローラは複数本設置しても良い。その場合、より大きな回転を付与することができる。さらに図5のようにワイヤに対して互いに対向する位置に設置し、且つワイヤの走行方向と傾斜ローラのなす角度が共に同じで、且つ互いに異なる向きに設けるようにすることで、ワイヤを把持しつつ効率よく確実に回転を付与することができる。
さらに傾斜ローラ1の設置位置としては、図2のように捲回されてなるワイヤの周の外側に設置されるのが良い。且つ溝ローラ2aと溝ローラ2bとで張設されたワイヤを前記ワイヤの周の内側に押し込むように設置されるのがより好ましい。そうすることで溝ローラ2aと傾斜ローラ1と溝ローラ2bとを走行するワイヤは蛇行するようになり、ワイヤに回転を付加するときに溝ローラ2a、あるいは溝ローラ2bでワイヤが溝から外れるといった現象を防止することができる。
従来のマルチソーマシンに、ワイヤ走行方向と直交する直線と成す角度が35°となるように傾斜ローラを設置した。傾斜ローラとしては駆動源を有しない回転自在なもので、材質がウレタン製、直径30mmのものを使用し、ワイヤを僅かに押し込む程度に接触させて設置した。この状態でワイヤを走らせ、砥粒を有するスラリを吹きかけつつ100mm角柱状のガラス塊(ワーク)の切断を行った。切断後の、ワイヤの表面状態を確認するとワイヤ円周方向に対して約260°のワークとの接触跡が見られた。
その後、少しずつワイヤと傾斜ローラとの接触力を強めるように調整した跡に再度切断を行う、という操作を繰り返したところ、ワイヤ表面に見られるワークとの接触跡が円周方向に広がるとともに、加工面の粗さも良好になる(平滑になる)という相関性がみられた。
1・・・・・傾斜ローラ
2・・・・・溝ローラ
W・・・・・ワイヤ
P・・・・・ワーク
2・・・・・溝ローラ
W・・・・・ワイヤ
P・・・・・ワーク
Claims (3)
- 複数の溝ローラの外周に所定ピッチで捲回されたワイヤを、スラリを供給しながら走行させるとともに、ワークを前記ワイヤに押し付けて該ワークをスライス加工するマルチソーマシンにおいて、
前記ワイヤと前記ワークとが接触するスライス部よりワイヤ走行方向上流側に、該ワイヤ走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも1本のローラが、前記ワイヤと接触する位置に設けられたマルチソーマシン。 - ワイヤ走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも2本のローラが、ワイヤに対して互いに対向する位置に設けられて、且つ前記ワイヤの走行方向と前記ローラの軸とがなす角度が共に同じで、且つ互いに異なる向きに設けられた請求項1に記載のマルチソーマシン。
- ワイヤの走行方向と交差しつつ、且つ直交しない少なくとも1本の前記ローラが、複数の前記溝ローラに捲回されてなるワイヤの周の外側に設置され、且つ前記ローラによりワイヤが前記周の内側に向かって押し込まれる位置に設置された請求項1または2に記載のマルチソーマシン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009255892A JP2011098423A (ja) | 2009-11-09 | 2009-11-09 | マルチソーマシン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009255892A JP2011098423A (ja) | 2009-11-09 | 2009-11-09 | マルチソーマシン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011098423A true JP2011098423A (ja) | 2011-05-19 |
Family
ID=44190030
Family Applications (1)
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JP2009255892A Pending JP2011098423A (ja) | 2009-11-09 | 2009-11-09 | マルチソーマシン |
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JP (1) | JP2011098423A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6412284B1 (ja) * | 2017-10-17 | 2018-10-24 | 株式会社Tkx | マルチワイヤソー装置 |
-
2009
- 2009-11-09 JP JP2009255892A patent/JP2011098423A/ja active Pending
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JP6412284B1 (ja) * | 2017-10-17 | 2018-10-24 | 株式会社Tkx | マルチワイヤソー装置 |
WO2019077790A1 (ja) * | 2017-10-17 | 2019-04-25 | 株式会社Tkx | マルチワイヤソー装置 |
JP2019075531A (ja) * | 2017-10-17 | 2019-05-16 | 株式会社Tkx | マルチワイヤソー装置 |
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