JP2011098401A - ブレード装着補助工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】工具マウントの中心に対して環状ブレードの外周が真円となるように装着することができるブレード装着補助工具を提供する。
【解決手段】工具マウント12は、回転スピンドルに嵌合する嵌合孔とスピンドルの回転軸線方向に延在する円筒形状の装着面を有する装着部と装着部の基端から半径方向外方に延出する環状受面を有する環状受部とを備える。環状ブレード2は、工具マウント12の装着部の装着面に装着される装着孔を有する。ブレード装着補助工具は、工具マウント12の嵌合孔が嵌合する嵌合凸部46と、嵌合凸部46に嵌合された工具マウント12の装着部の半径方向外方に等角度間隔をおいて配設され且つ嵌合凸部46の中心からの半径方向離間長さが同一に設定された3個の当接部材60と、嵌合凸部46の中心からの半径方向離間長さを同一に維持したまま3個の当接部材60を半径方向に縮径及び拡径移動する駆動手段とを含む。
【選択図】図5
【解決手段】工具マウント12は、回転スピンドルに嵌合する嵌合孔とスピンドルの回転軸線方向に延在する円筒形状の装着面を有する装着部と装着部の基端から半径方向外方に延出する環状受面を有する環状受部とを備える。環状ブレード2は、工具マウント12の装着部の装着面に装着される装着孔を有する。ブレード装着補助工具は、工具マウント12の嵌合孔が嵌合する嵌合凸部46と、嵌合凸部46に嵌合された工具マウント12の装着部の半径方向外方に等角度間隔をおいて配設され且つ嵌合凸部46の中心からの半径方向離間長さが同一に設定された3個の当接部材60と、嵌合凸部46の中心からの半径方向離間長さを同一に維持したまま3個の当接部材60を半径方向に縮径及び拡径移動する駆動手段とを含む。
【選択図】図5
Description
本発明は、回転スピンドルに嵌合する嵌合孔とスピンドルの回転軸線方向に延在する円筒形状の装着面を有する装着部と装着部の基端から半径方向外方に延出する環状受面を有する環状受部とを備える工具マウントに、装着部の装着面に装着される装着孔を有する環状ブレードを装着し、マウントナットで環状ブレードを工具マウントに締結するためのブレード装着補助工具に関する。
下記特許文献1に開示されているように、半導体パッケージ基板等の被加工物をダイシングするための切削装置においては、高速回転される回転スピンドルに工具マウントを装着し、この工具マウントに導電性環状ブレードを装着している。工具マウントは、スピンドルの回転軸線方向に延在する円筒形状の装着面を有する装着部と装着部の基端から半径方向外方に延出する環状受面を有する環状受部とを備えている。環状ブレードは、円環形状で中心に工具マウントの装着面に嵌合される装着孔が形成されている。
工具マウントの装着部に環状ブレードを装着した場合、工具マウントの装着面と環状ブレードの装着孔のクリアランスに起因して必ずしもスピンドルの回転中心に対して環状ブレードの外周が充分精密に真円状態に設定されないことが少なくない。そこで、スピンドルに装着された工具マウントに環状ブレードを装着した際には、下記特許文献2に開示されているように、工具マウントに装着後の環状ブレードでツルーイング用のドレッシングボードを切削し、これによって環状ブレードの外周形状をスピンドルの回転中心に対して真円に修正するツルーイング作業を行っている。
工具マウントと環状ブレードの装着具合によっては、環状ブレードの外周を削る量が大幅に増えてしまい、その分加工に寄与できる環状ブレードの量が減ってしまうという問題がある。また、刃先形状がV形状に成型されているベベルカット用のVブレードの場合には、上記のように環状ブレードの外周を削るとV形状が崩れるため、ツルーイング作業が出来ない。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ツルーイング作業を行うことなく、スピンドルの回転中心、即ち工具マウントの中心に対して、環状ブレードの外周が充分精密に真円となるように工具マウントに環状ブレードを装着することを可能にする新規且つ改良されたブレード装着補助工具を提供することである。
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成するブレード装着補助工具として、回転スピンドルに嵌合する嵌合孔と該スピンドルの回転軸線方向に延在する円筒形状の装着面を有する装着部と該装着部の基端から半径方向外方に延出する環状受面を有する環状受部とを備える工具マウントに、該装着部の該装着面に装着される装着孔を有する環状ブレードを装着し、マウントナットで該環状ブレードを該工具マウントに締結するためのブレード装着補助工具であって、
該工具マウントの該嵌合孔が嵌合する嵌合凸部と、該嵌合凸部に嵌合された該工具マウントの該装着部の半径方向外方に等角度間隔をおいて配設され且つ該嵌合凸部の中心からの半径方向離間長さが同一に設定された3個の当接部材と、該嵌合凸部の中心からの半径方向離間長さを同一に維持したまま3個の該当接部材を半径方向に縮径及び拡径移動する駆動手段とを含むことを特徴とするブレード装着補助工具が提供される。
該工具マウントの該嵌合孔が嵌合する嵌合凸部と、該嵌合凸部に嵌合された該工具マウントの該装着部の半径方向外方に等角度間隔をおいて配設され且つ該嵌合凸部の中心からの半径方向離間長さが同一に設定された3個の当接部材と、該嵌合凸部の中心からの半径方向離間長さを同一に維持したまま3個の該当接部材を半径方向に縮径及び拡径移動する駆動手段とを含むことを特徴とするブレード装着補助工具が提供される。
好ましくは、該当接部材の各々には、該当接部材が該環状ブレードの外周縁に接触したことを検出する検出手段が付設されており、該当接部材と該環状ブレードとは共に導電性であり、該検出手段は、該当接部材の各々と該環状ブレードの外周縁とが電気的に導電されたことを検出することによって、該当接部材の各々が該環状ブレードの外周縁に接触したことを検出し、該当接部材の全てが該環状ブレードの外周縁に接触したことが検出されると、該駆動手段による該当接部材の縮径が停止されるのが好適である。
本発明に係るブレード装着補助工具においては、嵌合凸部に嵌合された工具マウントの装着部の半径方向外方に等角度間隔をおいて配設され且つ嵌合凸部の中心からの半径方向離間長さが同一に設定された3個の当接部材で、工具マウントの装着部に装着された環状ブレードの外周を揃えるので、工具マウントの回転中心に対して環状ブレードの外周が真円となるように装着することができる。
以下、本発明のブレード装着補助工具を図示している添付図面を参照して更に詳細に説明する。
図1には、環状ブレード2が装着されるスピンドル機構4が図示されている。スピンドル機構4はハウジング6とこのハウジング6内にエアー軸受け構造(図示しない)で回転可能に支持されたスピンドル8とを含み、スピンドル8の先端部はハウジング6から突出している。スピンドル8の先端部は先端に向かって細くなるテーパ形状に形成され、先端部には先端面に開口した雌ネジ孔10が形成されている。
工具マウント12は、図1及び図2に図示するように、スピンドル8の軸線方向に延出し且つ円筒形状の装着面14を外周面に有する装着部16とこの装着部16から前方(図2において左方)へ突出して形成され装着部16の外径よりも小さい外径を有する円筒形状の前端部17と、装着部16の外径よりも大きい外径の環状受部18とを有する。環状受部18の前端面は、装着面14から半径方向外方に延出して、環状ブレード2を受ける環状受面20を構成している。環状受部18の内部にはスピンドル8の先端のテーパ部に嵌合する嵌合孔22が形成されている。また、前端部17の先端の外周面にはマウントナット24が螺合する雄ネジ26が形成されている。前端部17の内部には固定ボルト13が挿入される挿入孔28が形成され、挿入孔28は嵌合孔22に連通している。このように構成された工具マウント12は、嵌合孔22がスピンドル8の先端テーパ部に嵌合され、固定ボルト13がワッシャ15を介して挿入孔28に挿入されスピンドル8の先端部の雌ネジ孔10に螺合されスピンドル8に固定される。
工具マウント12に装着される環状ブレード2は、図1に図示するように、工具マウント12の装着面14に装着される装着孔30を有する。環状ブレード2の装着孔30の内径と工具マウント12の装着面14の外径の嵌合公差は、通常5μm〜30μm程度に設定されている。環状ブレード2の装着孔30を工具マウント12の装着面14上に装着し、環状ブレード2の片面を工具マウント12の環状受面20に当接させて、工具マウント12に環状ブレード2が装着される。環状ブレード2の外径は、工具マウント12の環状受部18の外径よりも大きい。
次いで、図1及び図2に図示するように、工具マウント12の環状受部18の外径と実質上同一の外径を有し中央部に工具マウント12の前端部17に係合する係合孔32を有した略円錐台形状の固定プレート34が工具マウント12に装着される。固定プレート34の片面(図2において右面)には、工具マウント12の装着部16に嵌合し装着部16に装着されている環状ブレード2の側面に当接する当接面36が形成されている。固定プレート34の係合孔32が工具マウント12の前端部17に嵌合され当接面36を環状ブレード2の側面に当接させる。その後、円環形状に形成され内周部に雌ネジ38が形成されているマウントナット24が、工具マウント12の前端部17の雄ネジ26に螺合され、固定プレート34及び環状ブレード2は工具マウント12に固定される。
次いで、工具マウント12の中心に対して環状ブレード2の外径を真円に装着するための、本発明に従って構成されたブレード装着補助工具40の構成を、図3及び図4を参照して説明する。ブレード装着補助工具40は、直方体状の基台42と、基台42上に配設された中空形状の筐体44を具備している。筐体44の下端は基台42上に図示しないボルト等で固定されている。枠体44の上壁には、図4に図示するように、その中心部に後述する嵌合凸部46を挿入する開口48が形成されているとともに、開口48を中心として等角度間隔をおいて放射状に3個の案内溝50が形成されている。
上記基台42の中央部には支持柱52が立設されており、この支持柱52の上端部に円盤状の回転体54が回転自在に支持されている。回転体54の中心には上記工具マウント12の嵌合孔22が嵌合されるテーパ形状の嵌合凸部46が固定されている。回転体54の回転中心と嵌合凸部46の中心Cは合致している(図5)。嵌合凸部46はステンレスなどの剛性部材で形成されている。また、回転体54の上面には更に嵌合凸部46の半径方向外方に、上記3個の案内溝50に対応した3個のアーム56の一端部が回動可能に装着されている。具体的には、アーム56は、その一端部が支軸58によって回転体54に軸支され、支軸58を中心として水平面内で回動可能に構成されている。3個のアーム56の他端部にはそれぞれ当接部材60が回転可能に装着されている。3個の当接部材60が上記案内溝50に摺動可能に挿入されると共に、嵌合凸部46も上記開口48に挿入される。
上記3個のアーム56をそれぞれ回転体54に軸支する3個の支軸58は回転体54の回転中心から同一半径上に配設されており、また、3個のアーム56にそれぞれ装着される3個の当接部材60の装着位置は上記各支軸58からの長さが同一に設定されている。即ち、嵌合凸部46の中心Cからの半径方向離間長さが同一に設定されている。従って、回転体54が図4において矢印62aで示す方向に回転すると、アーム56が支軸58を中心として矢印62aと反対方向に回動し、アーム56に装着された当接部材60が案内溝50に沿って中心方向に、即ち嵌合凸部46の中心Cからの半径方向離間長さを同一に維持したまま3個の当接部材60が半径方向に縮径移動せしめられる。一方、回転体54が図4において矢印62bで示す方向に回転すると、アーム56が支軸58を中心として矢印62bと反対方向に回動し、アーム56に装着された当接部材60が案内溝50に沿って外周方向に、即ち嵌合凸部46の中心Cからの半径方向離間長さを同一に維持したまま3個の当接部材60を半径方向に拡径移動せしめられる。
上記基台42上の支持柱52の近傍には、上記回転体54を回転駆動せしめる駆動手段64を具備している。駆動手段64は、正転・逆転可能なモータ66と、モータ66の駆動軸に取り付けられた駆動プーリ68と、駆動プーリ68に捲回された伝動ベルト70と、伝動ベルト70が捲回される従動プーリ72と、従動プーリ72を備えた従動回転体74と、回転体74の回転軸に装着された駆動歯車76と、駆動歯車76と噛み合い上記回転体54の下面に固定された被駆動歯車78とから構成されている。モータ66の正転・逆転により回転体54が矢印62a及び62bの方向に回転せしめられる。また、モータの回転を制御する図示しない制御手段を有する。
続いて、上記のように構成されたブレード装着補助工具40の使用方法を図3及び図5を参照して説明する。最初に、図3に図示するように、工具マウント12の嵌合孔22(図2参照)をブレード装着補助工具40の嵌合凸部46に嵌合装着する。工具マウント12の環状受面18は水平面をなす。次いで、環状ブレード2の装着孔30を工具マウント装着面14に装着し、かかる水平面となった環状受面18に環状ブレード2を載置する。この時、環状ブレード2の装着孔30の内径と工具マウント12の装着面14の外径の嵌合公差は、5μm〜30μm程度に設定されているので、図5(a)の上面図に示すように、環状ブレード2は嵌合凸部46の中心Cに対して若干偏心した状態で工具マウント12に載置される。次いで、3個の当接部材を嵌合凸部46の中心Cからの半径方向離間長さを同一に維持したまま半径方向に低速で縮径していく。環状ブレード2の外径に合わせて所定量モータが正転するように制御され、従って3個の当接部材は所定量縮径し、当接部材60が環状ブレード2の外周縁2aに当接する位置で停止する。その結果、図5(b)に示すように、工具マウント12の中心に対して環状ブレード2の外周縁2aが真円となるように装着することができる。
上記には、3個の当接部材を嵌合凸部46の中心Cからの半径方向離間長さを同一に維持したまま半径方向に所定量縮径して、環状ブレードの外周に当接する構成を示したが、環状ブレードの厚さが薄い場合には、所定量で一律に当接させると載置した際の偏心が大きい場合等にブレードにダメージを与える可能性がある。その為環状ブレードの厚さが薄い場合には、図6に図示する他の実施形態であるブレード装着補助工具82を使用するのが好適である。ブレード装着補助工具82は上記ブレード装着工具40の構成に加えて、当接部材84の各々には、当接部材84が環状ブレード3の外周縁3aに接触したことを検出する検出手段86が付設されている。図示の実施形態においては、環状ブレード3は導電性であり、また当接部材84は例えばステンレス等の導電性部材で形成されている。検出手段86は、当接部材84の各々と環状ブレード3の外周縁3aとが電気的に導電されたことを検出することによって、当接部材84の各々が環状ブレード3の外周縁3aに接触したことを検出する。
具体的には、図6に示すように、ブレード装着補助工具82の当接部材84aの下端は配線88aを介して嵌状凸部46の下端に接続され、当接部材84bの下端は配線88bを介して嵌状凸部46の下端に接続され、当接部材84cの下端は配線88cを介して嵌状凸部46の下端に接続されている。それぞれの配線84a、84b、84c上には直流電源90a、90b、90cと、配線84a、84b、84cに電流が流れたことを検出する検出手段86a、86b、86cとがそれぞれ配設されている。環状ブレード3は導電性を有し、更に工具マウント12はステンレス製で形成されているため、当接部材84a、84b、84cの各々が環状ブレード3の外周縁3aに当接すると、当接した配線に電流が流れ、検出手段86a、86b、86cにより電流を検出する。3個の検出手段86a、86b、86c全てに電流が検出され、当接部材84a、84b、84cの全てが環状ブレード3の外周縁3aに接触したことが検出されると、駆動手段64による当接部材の縮径が停止する。従って、環状ブレード3の外周縁に余分な力が附加されず、薄い厚みの環状ブレードであっても環状ブレードにダメージを与えずに装着することができる。
また、環状ブレードが導電性を有さない場合等には、図4を参照して説明すると、当接部材60に生じるトルクが所定以上に達すると駆動プーリが電動ベルト70に対してカラ回りするように設定して、環状ブレードに過剰な負荷がかからないような構成にしてもよい。
3 環状ブレード
8 回転スピンドル
12 工具マウント
16 装着部
22 嵌合孔
42 ブレード装着補助工具
46 嵌合凸部
50 案内溝
54 回転体
60、84 当接部材
64 駆動手段
86 検出手段
8 回転スピンドル
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16 装着部
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42 ブレード装着補助工具
46 嵌合凸部
50 案内溝
54 回転体
60、84 当接部材
64 駆動手段
86 検出手段
Claims (4)
- 回転スピンドルに嵌合する嵌合孔と該スピンドルの回転軸線方向に延在する円筒形状の装着面を有する装着部と該装着部の基端から半径方向外方に延出する環状受面を有する環状受部とを備える工具マウントに、該装着部の該装着面に装着される装着孔を有する環状ブレードを装着し、マウントナットで該環状ブレードを該工具マウントに締結するためのブレード装着補助工具であって、
該工具マウントの該嵌合孔が嵌合する嵌合凸部と、該嵌合凸部に嵌合された該工具マウントの該装着部の半径方向外方に等角度間隔をおいて配設され且つ該嵌合凸部の中心からの半径方向離間長さが同一に設定された3個の当接部材と、該嵌合凸部の中心からの半径方向離間長さを同一に維持したまま3個の該当接部材を半径方向に縮径及び拡径移動する駆動手段とを含むことを特徴とするブレード装着補助工具。 - 該当接部材の各々には、該当接部材が該環状ブレードの外周縁に接触したことを検出する検出手段が付設されている、請求項1記載のブレード装着補助工具。
- 該当接部材と該環状ブレードとは共に導電性であり、該検出手段は、該当接部材の各々と該環状ブレードの外周縁とが電気的に導電されたことを検出することによって、該当接部材の各々が該環状ブレードの外周縁に接触したことを検出する、請求項2記載のブレード装着補助工具。
- 該当接部材の全てが該環状ブレードの外周縁に接触したことが検出されると、該駆動手段による該当接部材の縮径が停止される、請求項2又は3記載のブレード装着補助工具。
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