JP2011097981A - 画像信号処理装置および画像信号処理方法 - Google Patents

画像信号処理装置および画像信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】量子雑音を多く含む画像信号において、簡単な方法で信号成分を識別することができる画像信号処理装置を提供する。
【解決手段】画像信号処理装置1の時間平均化部10は、現フレームまでの複数フレームの入力画像信号Sin(t)を用いて、時間平均化された画像信号<Sin(t)>を生成する。補正量算出部21は、時間平均化された画像信号<Sin(t)>のバックグラウンドを平坦化するために、現フレームの入力画像について画素ごとの補正量を算出する。この場合、いずれか第1の画素についての補正量は、現フレームの入力画像内で第1の画素を含む局所的な領域の画素値を平均することによって得られる。補正演算部22は、画素ごとの補正量を用いて、時間平均化された画像における対応の画素の画素値を補正する。画像2値化部30は、予め定める閾値を超えるか否かによって補正後の画像信号Seq(t)を2値化する。
【選択図】図20

Description

この発明は、バックグラウンドレベルを補正することによって画像信号を改善する画像信号処理装置および画像信号処理方法に関する。
入力画像信号を改善する手法として、たとえば、以下の文献に記載の技術が知られている。
特公平6−50523号公報(特許文献1)は、工業用、医用X線テレビなどにおいて、放射線画像の量子雑音を低減させるための技術を開示する。この文献に記載された第1の画像処理装置は、画像信号を画素ごとに逐次積算する2次元積算器と、この2次元積算器の出力を指数変換する指数関数器と、この指数関数器の出力と入力画像信号との差を対応する画素ごとにとる減算器とを設け、上記減算器の出力を上記2次元積算器の対応する要素に入力するようにしたものである。この文献に記載された第2の画像処理装置は、ディジタル画像信号を逐次記憶する2次元記憶器と、この2次元記憶器の出力からその指数変換値を減算する関数変換器と、この関数変換器の出力と入力画像信号との和を対応する画素毎にとる加算器とを設け、上記加算器の出力を上記2次元記憶器の対応する要素に入力するようにしたものである。上記の第1および第2の画像処理装置によれば、画面のどの位置についても出力画像の量子雑音の相対的標準偏差を一定にすることができる。
特開平10−51661号公報(特許文献2)は、入力映像信号のコントラストを改善すると共にノイズを抑制し画質を改善するための方法を開示する。この文献に記載された画質改善方法は、入力映像信号を低域フィルタリングし、低域フィルタリングされた信号を出力するステップと、低域フィルタリングされた信号をヒストグラム等化してコントラストを改善し、改善された信号を出力するステップと、入力映像信号と低域フィルタリングされた信号との差を求めるステップと、求められた差値を上記のコントラストが改善された信号に加算して、加算結果を出力するステップとを含む。
ここで、ヒストグラム等化とは、画像の濃度値の出現頻度をできる限り均等にすることによって、コントラストを強調する手法をいう(たとえば、特開2006−41744号公報(特許文献4)の段落[0003]、[0004]参照)。具体的には、画像全体を対象にしてヒストグラムを作成し、そのグレイレベルの出現頻度が均等化されるように濃度値を変化させる。しかしながら、この手法では対象とする領域が画像全体となるので、コントラスト強調の度合いが低いという問題がある。そこで、コントラスト強調に局所性を与え、同時に、コントラスト強調が過度になることを抑制するため、CLAHE(Contrast Limited Adaptive Histogram Equalization)法が提案されている。このCLAHE法は、濃度値をクリッピングして過度のコントラスト強調を抑制するものである。
特開2004−153826号公報(特許文献3)は、ダイナミック濃度最適化もしくはダイナミックレンジコントロールと呼ばれる画像処理方法をさらに改善した技術を開示する。ダイナミック濃度最適化は、画像が全体として平坦になりコントラストが低減するという問題がある。この文献に記載の画像システムは、先に行なわれたダイナミック濃度最適化の後に、グレー値範囲の中心を規定するC値を維持しながら、グレー値信号およびそれに伴なうグレー値ダイナミックレンジを新たに補正することによってコントラスト強調を行なう。
特公平6−50523号公報 特開平10−51661号公報 特開2004−153826号公報 特開2006−41744号公報
ところで、工業用、医療用のX線画像では、量子雑音が大きく信号の識別が困難な場合がある。このような例として、X線透視によって鋳造品の微小欠陥を検出する場合や、電子部品パッケージを3次元CT(Computed Tomography)を用いて非破壊検査を行なう場合などが挙げられる。後者の3次元CT画像は、500〜1000枚の2次元画像を3次元合成したものであるが、視覚性に優れた3次元合成画像であっても構成する各2次元画像の画質は悪く、量子雑音を多く含む定量化の難しい画像となっている。医用診断の分野においても、たとえば、血管造影剤を用いた3次元CT画像では、目視診断では有用な画像でも、測長など自動定量化する場合には、量子雑音が多く血管の識別が困難な場合がある。さらに、可視光を用いた天体画像において星の位置を識別する場合にも量子雑音がしばしば問題となる。
ここで、量子雑音とは、光子(X線粒子)と物質との相互作用に基づく確率的な変動に基づくノイズをいう。光子(X線粒子)を平均N個検出する場合には、計数値の分布はポアソン分布になるので、量子雑音の標準偏差σnはNの平方根で与えられる。
画像信号の検出能力は、一般に空間分解能およびコントラスト分解能で表わされる。信号強度に比較して量子雑音が無視できない場合には、コントラスト分解能は量子雑音によって決定される。したがって、隣接した画素と見分けがつくためには、ぎりぎり上記のσnのコントラスト差があればよいはずであるが、実際に識別するためにはσnの何倍かが必要である。その倍率はRoseの視認係数κと呼ばれる。目視検査の場合の視認係数κは2〜5であると言われ、機械による自動検査の場合の視認係数κは5〜10が必要であると言われる。人間の場合には視覚系の明順応や暗順応で適応できるので、一般に機械による自動検査に比べて視認係数が小さい。
上記の視認係数の値は、バックグラウンド(背景画像)が平坦な場合であるが、背景部分の強度変化が大きいと、それに重畳した微弱強度の信号の識別はさらに困難になる。このため、画像の識別力を向上させるためにはバックグラウンドの平坦化が重要になる。
画像全体の強度分布が平坦でない例として、シェーディング(口径蝕)が挙げられる。シェーディングとは、撮像素子の特性やレンズ収差の影響などによって発生する入力画像の濃度レベルのむらのことを言う。たとえば、レンズの収差に起因したシェーディングでは周辺部のレベル低下が生じる。この場合は、パラボリック関数に従った補正量を用いて画像信号を補正することによって画面全体の強度を均一化することができる。
しかしながら、バックグランウンドの濃淡レベルの変化を単純な関数で表わせない場合も多い。このような場合のバックグランウンド補正の方法として、バックグラウンドの大まかな濃度変化を最小2乗法を使った2次元n次多項式近似で与え、全体の濃度変換から得られた2次元近似関数を差し引く方法がある。ただし、このような背景画像の補正処理は計算時間を要するので、オフライン処理には好適であるが実時間処理には不向きである。
なお、前述の特許文献に記載されているヒストグラム等化によってコントラストを強調する手法は、量子雑音が多い画像の場合には有効ではない。なぜなら、ヒストグラム等化による信号処理では、信号ばかりでなく背景画像やノイズも強調されるからである。特にCLAHE法は、局所領域で累積ヒストグラムを作成するので、処理時間がかかるという問題も生じる。
この発明の目的は、量子雑音を多く含む画像信号において、従来よりも簡単な方法で信号成分を識別することができる画像信号処理装置および画像信号処理方法を提供することである。
この発明は要約すれば画像信号処理装置であって、補正量算出部と、補正演算部と、画像2値化部とを備える。補正量算出部は、入力画像のバックグラウンドを平坦化するために画素ごとの補正量を算出する。この場合、補正量算出部は、いずれか第1の画素についての補正量を算出するときに、入力画像内の第1の画素を含む局所的な領域の画素値を平均することによって第1の画素についての補正量を算出する。補正演算部は、各画素について算出された補正量を用いて各画素の画素値を補正する。画像2値化部は、前記補正量によって補正された各画素値を、予め定める閾値を超えるか否かによって2値化する。
この発明によれば、各画素を含む局所的な領域で画素値を平均するという従来よりも簡単な方法で画素ごとのバックグラウンド補正量を算出する。そして、画素ごとに算出された補正量を用いて入力画像のバックグラウンドの平坦化を行なうので、容易に信号成分の識別を行なうことができる。
この発明の実施の形態1による画像信号処理装置1の構成を示すブロック図である。 図1の入力画像信号Sin(t)の一例を示す図である。 図2に示す入力画像信号に対してバックグラウンド補正を行なった後の信号波形を示す図である。 図1のバックグラウンド補正部20によるバックグラウンド補正の原理を説明するための図である。 図1の画像信号処理装置1への入力画像の一例を示す3次元図である。 図5を等高線によって示した2次元図である。 図6のSC1−SC1線およびSC2−SC2線に沿った信号強度を示す図である。 入力画像全体にわたって平均化することによって補正量を算出した場合の補正後の画像を示す3次元図である。 図8を等高線により示した2次元図である。 図9のSC3−SC3線およびSC4−SC4線に沿った信号強度を示す図である。 図5に示す入力画像のうちの一部の領域を示す3次元図である。 図11を等高線により示した2次元図である。 実施の形態1の方法で補正量を算出した場合の補正後の画像を示す3次元図である。 図13を等高線により示した2次元図である。 (A)は図12のX方向の信号強度を示す図であり、(B)は図14のX方向の信号強度を示す図である。 入力画像信号およびそのバックグラウンド補正後の信号の他の例を示す図である。 入力画像信号およびそのバックグラウンド補正後の信号のさらに他の例を示す図である。 図1の時間平均化部10の詳細な構成を示すブロック図である。 時間平均化された画像信号<Sin(t)>の一例を示す図である。 図1のバックグラウンド補正部20の構成を示すブロック図である。 図20の補正量算出部21の構成を示すブロック図である。 図21の行データ処理部SRの構成を示すブロック図である。 図21の入力制御部91の動作を説明するための図である。 図20の画像信号処理装置1による入力画像信号Sin(t)の処理手順を示すフローチャートである。 図24のステップS2の処理手順をさらに詳しく示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による画像信号処理装置2の構成を示すブロック図である。 図26のX平均化部31の構成を示すブロック図である。 図26のY平均化部32の構成を示すブロック図である。 図26のXY平均化部33の構成を示すブロック図である。 入力画像信号の一例を示す図である(信号強度Isが比較的小さい場合)。 入力画像信号の一例を示す図である(信号強度Isが比較的大きい場合)。 この発明の実施の形態3による画像信号処理装置3の構成を示すブロック図である。 バックグラウンド補正後の信号強度の一例を示す図である(データ信号強度が比較的小さい場合)。 バックグラウンド補正後の信号強度の一例を示す図である(データ信号強度が比較的大きい場合で、補正量を制限していない場合)。 バックグラウンド補正後の信号強度の一例を示す図である(データ信号強度が比較的大きい場合で、補正量を制限している場合)。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
<実施の形態1>
[信号処理装置の全体構成]
図1は、この発明の実施の形態1による画像信号処理装置1の構成を示すブロック図である。図1を参照して、画像信号処理装置1は、量子雑音を多く含む入力画像信号Sin(t)から信号成分を識別するための回路である。入力画像信号Sin(t)は、イメージセンサ5などで検出された2次元画像を点順次走査で読み出すことによって一次元化されている。図1に示すように、画像信号処理装置1は、時間平均化部10と、バックグラウンド補正部20と、画像2値化部30とを含む。
時間平均化部10は、現フレームまでの複数フレームの入力画像信号Sin(t)を用いて、時間平均化された画像信号<Sin(t)>を生成する。具体的に、時間平均化された画像信号<Sin(t)>は、予め定めるフレーム数の入力画像を画素ごとに加算平均することによって、あるいは、現フレームまでの複数フレームの入力画像を画素ごとに加重平均することによって得られる。加重平均の重みは、現フレームよりも前に読み出されたフレームほど小さく設定される。図18を参照して後述するように、加重平均を行なう場合は、時間平均化部10を再帰型フィルタとして構成することができるので、平均化の演算に必要なメモリを削減することができる。なお、入力画像信号Sin(t)が時間的に変化する場合には、時間平均化を行なわないほうが望ましい場合もある。
バックグラウンド補正部20は、時間平均化された画像信号<Sin(t)>のバックグラウンドを平坦化するために、入力画像信号Sin(t)を用いて画素ごとの補正量を算出する。バックグラウンド補正部20は、算出された画素ごとの補正量を用いて、時間平均化された画像信号<Sin(t)>に対して対応の画素の画素値を補正し、補正後の画像信号Seq(t)を出力する。
画像2値化部30は、補正後の画像信号Seq(t)の各画素値を、予め定める閾値LVLを超えるか否かによって2値化し、2値化された画像信号Sout(t)を出力する。この場合の閾値LVLは2次元画像全体で一定の値を用いることができる。
[バックグラウンド補正の原理]
図2は、図1の入力画像信号Sin(t)の一例を示す図である。図2は、入力画像信号Sin(t)で表わされる2次元画像において、ある1行分の信号強度を示したものである。図2の横軸がX方向(主走査方向)の座標で、縦軸は信号強度を任意スケールで表わしたものである。図2に示すように、画像信号は、背景信号Ibgにデータ信号Isおよび量子雑音σnが重畳したものとなっている。
図2の場合、Roseの視認係数κを用いると、視認条件は、
と表わされる。コントラストが低いためにIs<Ibgの関係が成立する場合には、上式(1)の右辺の分母のIsを無視することできる。図1の時間平均化部10でN個のフレーム画像が平均化された場合には、式(1)は、
と表わされる。
図3は、図2に示す入力画像信号に対してバックグラウンド補正を行なった後の信号波形を示す図である。
図3を参照して、図1のバックグラウンド補正部20は、アナログ回路における直流再生器(BLR:Base Line Restorer)と同様の機能を有し、ベースラインがほぼ0になるように入力画像信号を補正する。この結果、図1の画像2値化部30によって閾値LVLを超えているか否かを判定することによって、補正後の入力画像信号を2値化することができる。
なお、実際には、図3に示すように、ベースラインは0からシフトする。このベースラインシフトBLSの絶対値が大きくなると、画像2値化部30による2値化判定結果が誤差を含むことになるので、ベースラインシフトBLSを抑制する必要がある。具体的な手法については実施の形態3で説明する。
図4は、図1のバックグラウンド補正部20によるバックグラウンド補正の原理を説明するための図である。
図4を参照して、入力画像信号Sin(t)に対応した2次元画像は、主走査方向(X方向、行方向とも称する)および副走査方向(Y方向、列方向とも称する)に沿って並ぶ画素アレイによって表わされる。以下の説明では、主走査方向の画素数をn個とし、副走査方向の画素数をm個とする。すなわち、2次元画像はm行n列の画素アレイによって構成される。
図1のバックグラウンド補正部20は、2次元画像の各画素に対してバックグラウンド補正のための補正量を算出する。具体的に、第i行、第j列目(1≦i≦m、1≦j≦n)の画素M(i,j)に対する補正量は、画素M(i,j)を含む局所的な領域で2次元画像を平均することによって求められる。
より詳しくは、バックグラウンド補正部20は、画素M(i,j)に対して第1〜第3のベースレベルLx,Ly,Lxyを算出する。実施の形態1の場合には、第1のベースレベルLx(i,j)は、画素M(i,j)を含んでX方向(主走査方向)に並ぶ所定の数Δx(図4の場合、Δx=5)の画素71の画素値の加算平均である。第2のベースレベルLy(i,j)は、画素M(i,j)を含んでY方向(副走査方向)に並ぶ所定の数Δy(図4の場合、Δy=5)の画素72の画素値の加算平均である。第3のベースレベルLxy(i,j)は、画素M(i,j)を含んでX方向およびY方向に行列状に並ぶ所定の数Δx×Δyの画素73の画素値の加算平均である。具体的に数式を用いて表わすと、
のようになる。ただし、上式(3)〜(5)のxs、ysは、i,jによって決まる数である。図4の場合、入力画像の端部の画素を除いて、
xs=j−2、ys=i−2 …(6)
で表わされる。
バックグラウンド補正部20は、算出された第1〜第3のベースレベルLx,Ly,Lxyを用いて画素M(i,j)に対する補正量Mod(i,j)を求める。補正量Mod(i,j)は、
Mod(i,j)=Lx(i,j)+Ly(i,j)−Lxy(i,j) …(7)
と表わされる。バックグラウンド補正部20は、時間平均化された画像信号の対応の画素M(i,j)の画素値から補正量Mod(i,j)を減じることによって、時間平均化された画像に対してバックグラウンド補正を行なう。
上記のバックグラウンド補正方法の特徴は、画像全体でなく局所的な領域での画素値の平均量を用いて各画素値を補正している点にある。たとえば、背景画像を最小2乗法を使った2次元n次多項式で近似した場合、画像全体の背景画像は高次の多項式まで用いないと正確に近似することができない。これに対して、局所範囲の背景画像は、低次の多項式でも精度よく近似できると考えられる。したがって、上記のような簡単なアルゴリズムを用いることによっても十分な精度でベースレベルを再現することができる。実際に空間的に平均する範囲は、背景画像の変化率やデータ信号密度に応じて設定する必要がある。
特に、上記のバックグランウンド補正は、背景画像上にデータ信号がスポット状に点在している場合に好適に用いることができる。したがって、たとえば、X線透視によって鋳造品の微小欠陥を検出する場合や、電子部品パッケージのボンディングワイヤの接続状態を3次元CT(Computed Tomography)を用いて非破壊検査を行なう場合などに好適に用いることができる。3次元で線状の像は、輪切りにされた2次元画像ではスポット状になる。また、可視光を用いた天体画像において星の位置を識別する場合にも好適に用いることができる。
また、上記のバックグラウンド補正方法のその他のメリットとして、イメージセンサの感度ムラによって背景画像に濃度変化が生じている場合には、局所範囲の画像を平均化することによって感度ムラの影響を抑制することができる。
[バックグラウンド補正の具体例]
図5は、図1の画像信号処理装置1への入力画像の一例を示す3次元図である。
図6は、図5を等高線によって示した2次元図である。図5、図6を参照して、入力画像信号は、X方向に100画素、Y方向に100画素の画素アレイによって表わされる。各画素に対する信号強度(画素値)は、背景信号とデータ信号との和で表わされる。データ信号は、画像内にスポット状に4箇所存在する。
図7は、図6のSC1−SC1線およびSC2−SC2線に沿った信号強度を示す図である。図7の実線のグラフが図6のSC1−SC1線に沿った信号強度を示し、破線のグラフが図6のSC2−SC2線に沿った信号強度を示す。図7から明らかなように、背景信号の変化のほうがデータ信号強度よりも大きいためにこのままでは、閾値を超えるか否かを判定することによってデータ信号を識別することは不可能である。
まず、本実施の形態の場合と異なり、図5〜図7で表わされる入力画像に対して、画像全体にわたって画像信号を平均化することによって補正量を算出した場合について説明する。この場合、第1〜第3のベースレベルLx,Ly,Lxyを算出する算出式(3)〜(5)において、xs=ys=1であり、Δx=n(X方向の画素数)、Δy=m(Y方向の画素数)である。算出した補正量によって入力画像を補正した場合の補正後の画像を図8〜図10に示す。
図8は、入力画像全体にわたって平均化することによって補正量を算出した場合の補正後の画像を示す3次元図である。
図9は、図8を等高線により示した2次元図である。
図10は、図9のSC3−SC3線およびSC4−SC4線に沿った信号強度を示す図である。図8〜図10を参照して、背景信号の強度は全体として0付近になるように改善されてはいるが、補正後の背景信号にはデータ信号の大きさと同程度の濃度変化が残っている。したがって、補正後の画像を閾値判定により2値化することによってデータ信号を識別することは不可能である。
そこで、実施の形態1の画像信号処理装置1では、図5〜図7で表わされる入力画像のうちいずれか第1の画素についての補正量を算出する場合、第1の画素を含む局所的な領域で画像を平均することによって補正量が算出される。以下、図11〜図17を参照して、具体例を説明する。以下の具体例では、X方向に30画素(Δx=30)、Y方向に30画素(Δy=30)の範囲で平均化することによって補正量が算出される。
図11は、図5に示す入力画像のうちの一部の領域を示す3次元図である。
図12は、図11を等高線により示した2次元図である。図11、図12は、画像全体での座標X,Yをローカルの座標XL,YLに置換えて図示している。図11、図12に示すような局所的な範囲では、背景信号をほぼ一様と考えることができる。
図13は、実施の形態1の方法で補正量を算出した場合の補正後の画像を示す3次元図である。
図14は、図13を等高線により示した2次元図である。図13、図14は、図11、図12と同じ領域における補正後の信号強度を示す図である。図13、図14に示すように、データ信号には影響を及ぼさずに、背景信号がほぼ0になるように補正されている。
図15(A)は図12のX方向の信号強度を示す図であり、(B)は図14のX方向の信号強度を示す図である。図15(A)、(B)ではローカル座標YL=14に対するX方向の分布が示される。バックグラウンドの補正前(図15(A))には背景信号強度が40程度であったのに対して、バックグラウンドの補正後(図15(B))には背景信号強度がほぼ0になっている。
図16、図17は、入力画像信号およびそのバックグラウンド補正後の信号の他の例を示す図である。図16、図17は、図5〜図7に示す入力画像において、図11〜図15の場合とは異なる局所領域における画像信号波形を示したものである。(A)は補正前の信号強度を示し、(B)は補正後の信号強度を示す。図16、図17のいずれの場合も、補正後の背景信号はほぼ0で一様になっているので、閾値と比較することによってデータ信号を容易に2値化することができる。
次に、図1の画像信号処理装置1の各部の構成を詳しく説明する。
[時間平均化部10の構成]
図18は、図1の時間平均化部10の詳細な構成を示すブロック図である。図18の時間平均化部10は再帰型フィルタとして構成される。時間平均化部10は、画像データ記憶部11と、演算部12と、加算器13と、係数部14とを含む。時間平均化部10には、点順次走査によって2次元画像が一次元化された入力画像信号Sin(t)が入力される。2次元画像は、X方向(主走査方向)にn個、Y方向(副走査方向)にm個のm行n列の画素アレイで表わされる。
画像データ記憶部11は、加算器13による演算結果を画素ごとに一時的に記憶する。記憶された画素ごとのデータは、次に同じ画素についての加算結果が加算器13から出力されたときに更新される。画像データ記憶部11は、1フレーム分の画像信号を記憶することができる。
演算部12は、加算器13が点順次走査の順で新たな画素の画素値を受ける度に、新たに受けた画素と同じ画素について画像データ記憶部11に記憶されているデータを読み出して係数Kt倍する。係数Ktは0より大きく1より小さい実数に予め設定される。
加算器13は、点順次走査の順で受けた新たな画素の画素値と演算部12の演算結果とを加算し、加算結果を画像データ記憶部11に出力する。
係数部14は、画像データ記憶部11に新たな加算結果が出力されたとき、その値を(1/(1−Kt))倍して、時間平均化された画像信号<Sin(t)>として外部に出力する。
ここで、現フレームのいずれか第1の画素の画素値をD(t)とし、画素値D(t)による更新後に画像データ記憶部11に記憶されている値をC(t)する。さらに、1フレーム前の第1の画素の画素値D(t−1)に対応して画像データ記憶部11の記憶されている値をC(t−1)とする。そうすると、
C(t)=D(t)+Kt×C(t−1) …(8)
の関係が成立つ。この場合、時間平均化された画像の第1の画素の画素値<D(t)>は、
<D(t)>=[D(t)+Kt×D(t−1)+Kt2×D(t−2)+…]/(1−Kt) …(9)
のように表わされる。
時間平均化部10において時間平均化を行なわない場合、Kt=0に設定される。Ktが1に近付くほど単純加算平均に近くなるとともに平均化されるフレーム数も増加する。
係数Ktを固定値でなく、入力された画素値に応じた関数としてもよい。たとえば、指数関数に設定すれば、対数積算特性を与えることができ、画像のガンマ補正が可能になる。指数関数処理の実現にはルックアップテーブルによる数値変換が好適である。
図19は、時間平均化された画像信号<Sin(t)>の一例を示す図である。図19は、入力画像信号Sin(t)で表わされる2次元画像において、ある1行分の信号強度を示したものである。図2の横軸がX方向(主走査方向)の座標であり、縦軸は信号強度を任意スケールで表わしたものである。太い実線のグラフは現フレームの入力画像信号を示し、細い実線のグラフは10フレーム加算に相当する加重平均結果を示し、破線のグラフは、20フレーム加算に相当する加重平均結果を示す。実効的なフレーム加算数が増加するにつれてデータ信号強度が増加し、これによってSNR(Signal to Noise Ratio)が向上していることがわかる。
[バックグラウンド補正部20の構成]
図20は、図1のバックグラウンド補正部20の構成を示すブロック図である。図20を参照して、バックグラウンド補正部20は、入力画像信号Sin(t)に対して画素ごとの補正量を算出する補正量算出部21と、時間平均化された画像信号<Sin(t)>に対して補正演算を行なう補正演算部22とを含む。既に説明したように、補正量算出部21は、各画素に対して第1のベースレベルXo、第2のベースレベルYo、および第3のベースレベルXYoを算出する。補正演算部22は、補正量算出部21で画素ごとに算出された第1〜第3のベースレベルを用いて、時間平均化された入力画像信号<Sin(t)>の各画素の画素値を補正する。
図20に示すように補正演算部22は、第1〜第3の加減算部221,222,223を含む。第1の加減算部221は、時間平均化された入力画像信号<Sin(t)>から補正量算出部21で算出された第1のベースレベルXoを減じる。第2の加減算部222は、第1の加減算部221の演算結果から補正量算出部21で算出された第2のベースレベルYoを減じる。第3の加減算部223は、第2の加減算部222の演算結果に補正量算出部21で算出された第3のベースレベルXYoを加算する。これによって、バックグラウンドの補正された画像信号Seq(t)が生成される。
図21は、図20の補正量算出部21の構成を示すブロック図である。図21に示すように補正量算出部21は、入力制御部91と、行データ処理部SR1〜SR30と、出力切替部92と、X係数部93と、Y加算部94と、Y係数部95と、シフトレジスタ96と、XY加算部97と、XY係数部98とを含む。行データ処理部SR1〜SR30の個数は、第2のベースレベルYoを算出するときに加算される画素数Δyに等しい。図21の場合、Δy=30である。行データ処理部SR1〜SR30について総称する場合または不特定のものを示す場合に行データ処理部SRと記載する。
図22は、図21の行データ処理部SRの構成を示すブロック図である。図22に示すように、行データ処理部SRは、データ選択部901と、シフトレジスタ902と、X加算部903とを含む。シフトレジスタ902は、入力される多ビットのデータ列をFIFO(First In First Out:先入れ先出し)で記憶するデジタル回路である。シフトレジスタ902は最大で入力画像の1行分の画像信号を記憶することができる。
以下、図21、図22を参照して、補正量算出部21を構成する各要素について説明する。以下の説明では、入力画像信号Sin(t)で表わされる2次元画像は、行方向(X方向)に510個、列方向(Y方向)に510個の行列状の画素アレイによって構成されるものとする。バックグラウンド補正を行なうために、各画素の補正量を算出するときには、行方向(X方向)に30個、列方向(Y方向)に30個の画素数のデータが加算されるものとする。
図21の入力制御部91は、点順次走査によって一次元化された入力画像信号Sin(t)を受けて、2次元画像の各行のデータを所定の行データ処理部SRに画像信号を振り分ける。
図23は、図21の入力制御部91の動作を説明するための図である。図23に示すように、2次元画像を構成する最初の第1行目〜第30行目までの画像信号は、行データ処理部SR1〜SR30にそれぞれ入力される。次の第31行目から第60行目までの画像信号は、再び行データ処理部SR1〜SR30にそれぞれ入力される。このように、30行ごとに循環するようにして画像信号の入力先が切替えられる。入力先の切替のために、入力制御部91は、点順次走査の順で入力された画素値に入力先の行データ処理部SRの識別情報を付加した入力データ信号Xinを生成して、全ての行データ処理部SRに出力する。
図22のデータ選択部901は、入力制御部91から自己宛の入力データ信号Xinを受けた場合には、入力データ信号Xinのデータ部分をシフトレジスタ902に入力する。一方、データ選択部901は、入力制御部91から受けた入力データ信号Xinが自己宛でない場合には、シフトレジスタ902の末端のデータXrtnを再びシフトレジスタの先頭に入力する。このように、自己宛の入力データ信号Xinが与えられていない場合にシフトレジスタ902に記憶されたデータを循環させる理由は、第2のベースレベルYoを算出するときに同一列の画素の画素値を平均する必要があるからである。
図22のX加算部903は、シフトレジスタ902の先頭の30個分のデータを加算する。X加算部903は、加算結果Xsumを出力切替部92に出力する。
図21の出力切替部92は、入力制御部91から出力された選択信号SELに応じて、各行データ処理部SRから出力された加算結果XsumのいずれかをX係数部93に出力する。たとえば、入力制御部91は、入力画像信号Sin(t)を行データ処理部SR1に入力しているときには、行データ処理部SR1の加算結果Sumが出力切替部92から出力されるように選択信号SELを切替える。
X係数部93は、出力切替部92の出力に(1/Δx)を乗算して、乗算結果を第1のベースレベルXoとして出力する。Δxは、第1のベースレベルXoを算出するときに加算される画素数である。
Y加算部94は、各データ処理部SRのデータ選択部901から出力される信号Din(Din_1〜Din_30)を加算する。信号Dinは、各行データ処理部SRを構成するシフトレジスタ902の先頭に入力される信号である。
Y係数部95は、Y加算部94の加算結果Ysumに(1/Δy)を乗算して、乗算結果を第2のベースレベルYoとして出力する。Δy(Δy=30)は、第2のベースレベルYoを算出するときに加算される画素数である。
シフトレジスタ96は、Y加算部94の出力データYsumをFIFO(First In First Out:先入れ先出し)で記憶するデジタル回路である。シフトレジスタ96は最大でΔx個(Δx=30)のデータを記憶することができる。
XY加算部97は、シフトレジスタ96に記憶されたΔx個のデータを加算する。これによって、Δx×Δy個の画素の画素値が加算されることになる。
XY係数部98は、XY加算部97の加算結果に(1/(Δx×Δy))を乗算して、乗算結果を第3のベースレベルXYoとして出力する。
[まとめ]
図24は、図20の画像信号処理装置1による入力画像信号Sin(t)の処理手順を示すフローチャートである。
図25は、図24のステップS2の処理手順をさらに詳しく示すフローチャートである。以下、図20、図24、図25を参照して、画像信号処理装置1の処理手順を総括する。
図24のステップS1で、時間平均化部10は、現フレームまでの複数フレームの入力画像信号Sin(t)を用いて、時間平均化された画像信号<Sin(t)>を生成する。
次のステップS2で、補正量算出部21は、ステップS1で時間平均化された画像信号<Sin(t)>のバックグラウンドを平坦化するために、現フレームの入力画像信号Sin(t)の画素ごとの補正量を算出する。ステップS2の具体的な手順は図25に示される。
図25において、現フレームの入力画像のうちいずれか第1の画素についての補正量を算出する場合、補正量算出部21は、ステップS11で、第1の画素を含んで主走査方向(X方向)に並ぶ所定の数の画素の画素値を加算平均する。さらにステップS12で、補正量算出部21は、第1の画素を含んで副走査方向(Y方向)に並ぶ所定の数の画素の画素値を加算平均する。さらにステップS13で、補正量算出部21は、X方向およびY方向に行列状に並ぶ所定の数の画素の画素値を加算平均する。ステップS11の平均値が第1のベースレベルXoであり、ステップS12の平均値が第2のベースレベルYoであり、ステップS13の平均値が第3のベースレベルXYoである。
次に、図24のステップS3で、補正演算部22は、時間平均化された画像信号<Sin(t)>の対応の画素値に対してステップS2で算出された第1および第2のベースレベルXo,Yoを減算し、第3のベースレベルXYoを加算する。これによって、バックグラウンド補正後の画像信号Seq(t)が生成される。言替えると、各画素の補正量(Xo+Yo−XYo)を対応の画素値から減じることによってバックグラウンドが補正される。
次のステップS4で、画像2値化部30は、ステップS3で生成された補正後の画像信号Seq(t)と閾値LVLを比較することによって2値化された画像信号Sout(t)を生成する。以上で、画像信号処理装置1による信号処理が終了する。
上記の画像信号処理装置1によれば次のようなメリットがある。
第1に、時間平均化部10および補正量算出部21のいずれにおいても、画像信号を所定の係数倍する以外は画像信号の加減算処理しか行なっていない。したがって、スプリアスな雑音の発生を回避できる。
第2に、ヒストグラム等化の手法を用いていないので、量子雑音を強調することなくバックグラウンドを平坦化できる。ダイナミックレンジの制約もない。
第3に、バックグラウンド補正部20による背景画像の平坦化は、局所領域で画像信号を平均することによって画素ごとの補正量を算出し、算出した補正量を対応の画素から減じるというシンプルなアルゴリズムによっている。したがって、画像信号処理装置1を構成するハードウェアの規模を従来よりも小さくすることができ、実時間での画像信号処理が可能となる。
<実施の形態2>
実施の形態1の画像信号処理装置1では、入力画像信号を局所領域で加算平均することによって補正量(第1〜第3のベースレベル)が算出された。実施の形態2の画像信号処理装置2では、加重平均を用いて補正量が算出される。この場合、再帰演算によって加重平均を算出することができるので、補正量の算出に必要なメモリの容量を実施の形態1の場合よりも少なくすることができる。
図26は、この発明の実施の形態2による画像信号処理装置2の構成を示すブロック図である。図26の画像信号処理装置2は、バックグラウンド補正部20Aの補正量算出部21Aの構成が図20の画像信号処理装置1と異なる。図26のその他の構成は、実施の形態1の画像信号処理装置1と同じであるので、同一部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図26に示すように補正量算出部21Aは、第1のベースレベルXoを算出するX平均化部31(第1のベースレベル算出部)と、第2のベースレベルYoを算出するY平均化部32(第2のベースレベル算出部)と、第3のベースレベルXYoを算出するXY平均化部33(第3のベースレベル算出部)とを含む。X平均化部31およびY平均化部32は、点順次走査によって一次元化された入力画像信号Sin(t)を受ける。XY平均化部33は、Y平均化部32による演算結果Cjを受ける。以下、図27〜図29を参照して、これらの構成要素31〜33について順に説明する。以下の説明では、入力画像信号Sin(t)によって表わされる2次元画像のX方向(主走査方向)の画素数をn個とし、Y方向(副走査方向)の画素数をm個とする。すなわち、2次元画像はm行n列の画素アレイによって構成される。X平均化部31およびY平均化部32には、第1行目から順に各行の画素値が入力される。また、第i行、第j列目(1≦i≦m、1≦j≦n)の画素M(i,j)の画素値をD(i,j)とすれば、第i行目の画素値は、D(i,1)、D(i,2)、…、D(i,n)の順でX平均化部31およびY平均化部32に入力される。X平均化部31、Y平均化部32、およびXY平均化部33は、このような点順次走査の順で第1〜第3のベースレベルXo,Yo,XYoを算出する。
図27は、図26のX平均化部31の構成を示すブロック図である。図27を参照して、X平均化部31は、Xレジスタ311とX演算部312と加算器313とX係数部314とを含む。
Xレジスタ311は、加算器313の加算結果を一時的に記憶する。Xレジスタ311の記憶内容は、加算器313から出力された次の加算結果によって更新される。さらに、Xレジスタ311の記憶内容は、加算器313に各行の最後の画素の画素値が入力された後、次の行の先頭の画素の画素値を受けるまでの間にリセットされる。
X演算部312は、Xレジスタ311の記憶内容を読み出して係数Ka倍する。係数Kaは0より大きく1より小さい実数に予め設定される。
加算器313は、点順次走査の順で受けた新たな画素の画素値と、新たな画素の画素値によって更新される前のXレジスタ311の記憶内容に基づいたX演算部312の演算結果とを加算し、加算結果をXレジスタ311に出力する。
X係数部314は、Xレジスタ311に新たな加算結果が記憶されたとき、その値を係数Kx倍して、第1のベースレベルXoとして出力する。係数Kxは、後述の式(12)で表わされる。
ここで、加算器313に入力された第i行、第j列目の画素値D(i,j)によって更新された後に、Xレジスタ311に記憶されている値をCx(j)とすれば、Cx(j)は、
Cx(j)=D(i,j)+Ka×Cx(j−1) …(10)
のように再帰的に表わされる。この場合、第i行、第j列目の画素M(i,j)についての第1のベースレベルXo(i,j)は、第i行の第1番目から第j番目までの画素M(i,1)〜M(i,j)の画素値D(i,1)〜D(i,j)の加重平均になる。すなわち、
Xo(i,j)=Kx×[D(i,j)+Ka×D(i,j−1)+…+Kaj-1×D(i,1)] …(11)
と表わされる。ただし、上式(11)において、
Kx=1/[1+Ka+Ka2+…+Kaj-1] …(12)
である。
図28は、図26のY平均化部32の構成を示すブロック図である。図28を参照して、Y平均化部32は、Yレジスタ群321と書込回路322と読出回路323とY演算部324と加算器325とY係数部326とを含む。
Yレジスタ群321は、入力画像信号Sin(t)によって表される2次元画像の列にそれぞれ対応する複数のYレジスタによって構成される。各Yレジスタは、対応の列についての加算器325による加算結果を一時的に記憶する。各Yレジスタの記憶内容は、対応の列に属する画素について新たな加算結果が加算器325から出力されたとき更新される。さらに、各Yレジスタの記憶内容は、対応の列の最後の画素の画素値が加算器325に入力された後、次のフレームで対応の列の先頭の画素の画素値が加算器325に入力されるまでの間にリセットされる。
書込回路322は、点順次走査の順で新たな画素の画素値が加算器325に入力される度に、入力された新たな画素値を用いた加算器325の加算結果CjをYレジスタ群321のうちの対応のYレジスタおよびXY平均化部33に出力する。
読出回路323は、Y係数部326およびXY平均化部33に要求されたYレジスタの記憶内容をY係数部326およびXY平均化部33に出力する。
Y演算部324は、点順次走査の順で新たな画素の画素値が加算器325に入力される度に、入力された新たな画素によって更新される前に、対応のYレジスタに記憶されている値を、読出回路323を通じて読み出す。Y演算部324は、Yレジスタから読み出した値を係数Kb倍して加算器325に出力する。係数Kbは0より大きく1より小さい実数に予め設定される。
加算器325は、点順次走査の順で受けた新たな画素の画素値とY演算部324の演算結果とを加算し、加算結果を書込回路322に出力する。
Y係数部326は、点順次走査の順で新たな画素の画素値が加算器325に入力される度に、新たな画素の画素値に基づいて更新されたYレジスタの記憶内容を、読出回路323を通じて読み出す。Y係数部326は、Yレジスタから読み出した値を係数Ky倍して、第2のベースレベルYoとして出力する。係数Kyは、後述の式(15)で表される。
ここで、加算器325に入力された第i行、第j列目の画素値D(i,j)によって更新された後に、第j列に対応したYレジスタに記憶されている値をCj(i)とすれば、Cj(i)は、
Cj(i)=D(i,j)+Ka×Cj(i−1) …(13)
のように再帰的に表わされる。この場合、第i行、第j列目の画素M(i,j)についての第2のベースレベルYo(i,j)は、第j列の第1番目から第i番目までの画素M(1,j)〜M(i,j)の画素値D(1,j)〜D(i,j)の加重平均になる。すなわち、
Yo(i,j)=Ky×[D(i,j)+Kb×D(i-1,j)+…+Kbi-1×D(1,j)] …(14)
と表わされる。ただし、上式(11)において、
Ky=1/[1+Kb+Kb2+…+Kbi-1] …(15)
である。
図29は、図26のXY平均化部33の構成を示すブロック図である。図29を参照して、XY平均化部33は、XYレジスタ331とXY演算部332と加算器333とXY係数部334とを含む。
XYレジスタ331は、加算器333の加算結果を一時的に記憶する。XYレジスタ331の記憶内容は、加算器333から出力された次の加算結果によって更新される。さらに、XYレジスタ331の記憶内容は、加算器333に各行の最後の画素の画素値が入力された後、次の行の先頭の画素値を受けるまでの間にリセットされる。
XY演算部332は、XYレジスタ331の記憶内容を読み出して係数Ka倍して加算器333に出力する。係数KaはX演算部312の場合と同じ値である。
加算器333は、点順次走査の順で入力された新たな画素の画素値に基づく演算結果Cj(対応の列のYレジスタの記憶内容と同じ)をY平均化部32から受けたとき、その演算結果Cjと、更新前のXYレジスタ331の記憶内容によるXY演算部332の出力とを加算し、加算結果をXYレジスタ331に出力する。
XY係数部334は、XYレジスタ331に新たな加算結果が記憶されたとき、その値を係数Kxy倍して、第3のベースレベルXYoとして出力する。係数Kxyは、Kx×Kyに等しい。
ここで、画像信号処理装置2に第i行、第j列目の画素値D(i,j)が入力されて更新された後にXYレジスタ331に記憶されている値をCxy(j)とすれば、Cxy(j)は前述の式(13)のCj(i)を用いて、
Cxy(j)=Cj(i)+Ka×Cxy(j−1) …(16)
と表わされる。この場合、第i行、第j列目の画素M(i,j)についての第3のベースレベルXYo(i,j)は、第i行の第1番目から第j番目までの画素M(i,1)〜M(i,j)についてそれぞれ既に算出された第2のベースレベルYo(i,1)〜Yo(i,j)の加重平均になる。すなわち、
XYo(i,j)=Kx×[Yo(i,j)+Ka×Yo(i,j−1)+…+Kaj-1×Yo(i,1)] …(17)
と表わされる。ただし、上式(17)のKxは前述の式(12)で与えられる。
上記の第1〜第3のベースレベルXo,Yo,XYoの算出において、係数Ka,Kbを0に近づけるほど、第1〜第3のベースレベルXo,Yo,XYoの算出対象である画素M(i,j)から離間した画素値に対する加重平均の重みが小さくなる。この結果、算出対象の画素M(i,j)により近い局所的な範囲での平均値が得られる。
<実施の形態3>
実施の形態3では、図3で述べたベースラインシフトBLSを抑制する方法について説明する。最初にベースラインが0からシフトする原因について説明する。
図30、図31は、入力画像信号の一例を示す図である。図30、図31において、バックグラウンドを補正するための補正量(第1〜第3のベースレベル)を算出するために設定された局所領域73の画素数をWとし、局所領域73におけるデータ信号の画素数をWsとし、データ信号の強度をIsとする。図31の場合のデータ信号強度Isは図30の場合に比べて大きい。
第1〜第3のベースレベルは、データ信号Isも含めて局所領域73内の画像信号を平均することによって求められるので、図30、図31の場合のベースラインのシフト量BLSは、
BLS=Is×Ws/W …(18)
で与えられる。したがって、データ信号の画素数Wsおよびデータ信号強度Isが大きくなるほどベースラインシフトBLSが大きくなる。具体的に図30の場合と図31の場合とを比較すると、図30の場合に比べてデータ信号強度Isが大きい図31のほうが、ベースラインシフトBLSが大きくなる。
そこで、実施の形態3の画像信号処理装置3では、現フレームのいずれか第1の画素について補正量(第1〜第3のベースレベル)を算出するとき、現フレームの第1の画素について算出された補正量と、1フレーム前に第1の画素について実際に補正に用いられた補正量とを比較し、その差の絶対値が基準値を超える場合には現フレームの第1の画素を1フレーム前の補正量を用いて補正する。すなわち、通常の状態ではデータ信号の画素数Wsおよびデータ信号強度Isとも小さいことを前提とし、データ信号の画素数Wsまたはデータ信号強度Isが急激に増加した場合に補正量が制限される。以下、図32〜図35を参照して具体的に説明する。
図32は、この発明の実施の形態3による画像信号処理装置3の構成を示すブロック図である。図32の画像信号処理装置3は、バックグラウンド補正部20Bの補正演算部22Aの構成が図26の補正演算部22の構成と異なる。その他の点については、図32の画像信号処理装置3は図26の画像信号処理装置2と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、図32では、画像2値化部30の図示が省略されている。
図32の補正演算部22Aは、加減算器41と補正量記憶部42と比較器43(判定部)と切替器44と減算器45とを含む。
加減算器41は、補正量算出部21Aによって画素ごとに算出された第1〜第3のベースレベルXo,Yo,XYoを受けて、現フレームの補正量Smod(t)を算出する。具体的に、加減算器41は、第1および第2のベースレベルXo,Yoの和から第3のベースレベルXYoを減ずることによって、現フレームの補正量Smod(t)を算出する。
補正量記憶部42は、現フレームよりも1フレーム前の画像信号の補正に用いられた補正量Smod(t−1)を画素ごとに記憶する。補正量記憶部42は、加減算器41で算出された現フレームの補正量Smod(t)と後述の切替信号SWとを受け、切替信号SWがLレベルのときは、入力された現フレームの補正量Smod(t)で対応の画素についての記憶内容を更新する。
比較器43は、加減算器41で算出された現フレームの補正量Smod(t)と、補正量記憶部42に記憶された同じ画素についての1フレーム前の補正量Smod(t−1)とを比較する。比較器43は、比較結果に応じた切替信号SWを切替器44および補正量記憶部42に出力する。具体的に比較器43は、現フレームの補正量Smod(t)と1フレーム前の補正量Smod(t−1)との差の絶対値が基準値を超える場合は切替信号SWをHレベルにし、基準値LVL1以下の場合は切替信号SWをLレベルにする。
切替器44は、加減算器41で算出された現フレームの補正量Smod(t)と補正量記憶部42に記憶された同じ画素についての1フレーム前の補正量Smod(t)とを受ける。切替器44は、切替信号SWがHレベルの場合は1フレーム前の補正量Smod(t−1)を減算器45に出力し、切替信号SWがLレベルの場合は現フレームの補正量Smod(t)を減算器45に出力する。
減算器45は、時間平均化された画像信号<Sin(t)>から切替器44の出力を減じることによって補正後の画像信号Seq(t)を生成する。
図33〜図35は、バックグラウンド補正後の信号強度の一例を示す図である。図33は、図34、図35に比べてデータ信号強度が小さい場合を示す。図34は図33に比べてデータ信号強度が大きい場合であるが、補正量が制限されていない場合を示し、図35は補正量が制限されている場合を示す。
図33に示すように、データ信号強度が比較的小さい場合には、補正後の画像信号Seq(t)を所定の閾値LVLによって2値化することができる。これに対して、図34のに示すように、データ信号強度が比較的大きい場合で補正量を制限していない場合にはベースラインシフトが大きくなるので、補正後の画像信号Seq(t)を所定の閾値LVLによって2値化することができない。一方、図35に示すように、データ信号強度が比較的大きい場合でも上述のように補正量を制限している場合にはベースラインシフトが抑制されるので、補正後の画像信号Seq(t)を所定の閾値LVLによって2値化することができる。
<変形例>
実施の形態1〜3の画像信号処理装置1〜3では、現フレームの入力画像信号Sin(t)に対してバックグラウンドの平坦化のための補正量(第1〜第3のベースレベル)を算出した。これに対して、時間平均化された画像信号<Sin(t)>を用いて補正量を算出することも可能である。しかしながら、時間平均化された画像信号<Sin(t)>では、データ信号が強調されるのでベースラインシフト量が大きくなることが予想される。したがって、バックグラウンド補正のための補正量の算出には現フレームの入力画像信号Sin(t)を用いるほうが好ましいと考えられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2,3 画像信号処理装置、10 時間平均化部、11 画像データ記憶部、12 演算部、13 加算器、14 係数部、20,20A,20B バックグラウンド補正部、21,21A 補正量算出部、22,22A 補正演算部、30 画像2値化部、31 X平均化部、32 Y平均化部、33 XY平均化部、41 加減算器、42 補正量記憶部、43 比較器(判定部)、44 切替器、45 減算器、91 入力制御部、92 出力切替部、93 X係数部、94 Y加算部、95 Y係数部、96 シフトレジスタ、97 XY加算部、98 XY係数部、221,222,223 加減算部、311 Xレジスタ、312 X演算部、313 加算器、314 X係数部、321 Yレジスタ群、322 書込回路、323 読出回路、324 Y演算部、325 加算器、326 Y係数部、331 XYレジスタ、332 XY演算部、333 加算器、334 XY係数部、901 データ選択部、902 シフトレジスタ、903 X加算部、SR 行データ処理部。

Claims (13)

  1. 入力画像のバックグラウンドを平坦化するために画素ごとの補正量を算出する補正量算出部を備え、前記補正量算出部は、いずれか第1の画素についての前記補正量を算出するときに、入力画像内の前記第1の画素を含む局所的な領域の画素値を平均することによって前記第1の画素についての前記補正量を算出し、
    さらに、各画素について算出された前記補正量を用いて各画素の画素値を補正する補正演算部と、
    前記補正量によって補正された各画素値を、予め定める閾値を超えるか否かによって2値化する画像2値化部とを備える、画像信号処理装置。
  2. 現フレームまでの複数フレームの入力画像信号を用いて、時間平均化された画像を生成する時間平均化部と、
    前記時間平均化された画像のバックグラウンドを平坦化するために、現フレームの入力画像について画素ごとの補正量を算出する補正量算出部とを備え、前記補正量算出部は、いずれか第1の画素についての前記補正量を算出するときに、現フレームの入力画像内で前記第1の画素を含む局所的な領域の画素値を平均することによって前記第1の画素についての前記補正量を算出し、
    さらに、各画素について算出された前記補正量を用いて、前記時間平均化された画像における対応の画素の画素値を補正する補正演算部と、
    前記補正量によって補正された各画素値を、予め定める閾値を超えるか否かによって2値化する画像2値化部とを備える、画像信号処理装置。
  3. 前記画像信号処理装置は、点順次走査によって一次元化された画像信号を受け、
    前記補正量算出部は、前記点順次走査の順番で入力画像信号の画素ごとの前記補正量を算出する、請求項1または2に記載の画像信号処理装置。
  4. 前記補正量算出部は、いずれか第1の画素についての前記補正量を算出するとき、前記第1の画素を含んで主走査方向に並ぶ複数の画素の画素値の平均値を、第1のベースレベルとして算出し、前記第1の画素を含んで副走査方向に並ぶ複数の画素の画素値の平均値を、第2のベースレベルとして算出し、前記第1の画素を含んで前記主走査方向および前記副走査方向に行列状に並ぶ複数の画素の画素値の平均値を、第3のベースレベルとして算出し、
    前記補正演算部は、前記第1のベースレベルと前記第2のベースレベルとを加えた値から前記第3のベースレベルを減じた値を、画素ごとの前記補正量として対応の画素値から減じる、請求項3に記載の画像信号処理装置。
  5. 各フレームの入力画像は、前記主走査方向にn個および前記副走査方向にm個並ぶm行n列の画素アレイによって表され、
    前記補正量算出部は、前記第1の画素である第i行かつ第j列目(2≦i≦m、2≦j≦n)の画素M(i,j)に対する前記第1のベースレベルとして、第i行の第1番目から第j番目までの画素M(i,1)〜M(i,j)の画素値の加重平均を算出し、
    前記補正量算出部は、前記第1の画素である第i行かつ第j列目(2≦i≦m、2≦j≦n)の画素M(i,j)に対する前記第2のベースレベルとして、第j列の第1番目から第i番目までの画素M(1,j)〜M(i,j)の画素値の加重平均を算出し、
    前記補正量算出部は、前記第1の画素である第i行かつ第j列目(2≦i≦m、2≦j≦n)の画素M(i,j)に対する前記第3のベースレベルとして、第i行の第1番目から第j番目までの画素M(i,1)〜M(i,j)の各々について既に算出された前記第2のベースレベルの加重平均を算出し、
    各画素に対する加重平均の重みは、前記第1〜第3のベースレベルの算出対象である前記第1の画素から離間するにつれて次第に小さくなる、請求項4に記載の画像信号処理装置。
  6. 前記補正量算出部は、前記第1〜第3のベースレベルをそれぞれ算出する第1〜第3のベースレベル算出部を含み、
    前記第1のベースレベル算出部は、
    前記第1のベースレベルを算出する際に演算結果を一時的に記憶するための第1のレジスタと、
    前記画像信号処理装置が前記点順次走査の順で新たな画素の画素値を受ける度に、予め定める第1の数と前記第1のレジスタに記憶されている値との積を、新たな画素の画素値に加算し、加算結果を前記第1のレジスタに出力して記憶させる第1の加算部とを有し、
    前記第2のベースレベル算出部は、
    前記入力画像の列にそれぞれ対応し、各々が、対応の列の画素値に対して前記第2のベースレベルを算出する際に演算結果を一時的に記憶するための複数の第2のレジスタと、
    前記画像信号処理装置が前記点順次走査の順で新たな画素の画素値を受ける度に、予め定める第2の数と新たな画素の属する列に対応する第2のレジスタに記憶されている値との積を、新たな画素の画素値に加算し、加算結果を対応する第2のレジスタに出力して記憶させる第2の加算部とを有し、
    前記第3のベースレベル算出部は、
    前記第3のベースレベルを算出する際に演算結果を一時的に記憶するための第3のレジスタと、
    前記画像信号処理装置が前記点順次走査の順で新たな画素の画素値を受ける度に、予め定める第3の数と前記第3のレジスタに記憶されている値との積に、前記第2の加算部の出力を加算し、加算結果を前記第3のレジスタに出力して記憶させる第3の加算部とを有し、
    前記第1〜第3の数の各々は0より大きく1より小さい値に設定される、請求項5に記載の画像信号処理装置。
  7. 前記第1のベースレベルは、前記第1の画素を含んで前記主走査方向に並ぶ予め定める数の画素についての画素値の加算平均であり、
    前記第2のベースレベルは、前記第1の画素を含んで前記副走査方向に並ぶ予め定める数の画素についての画素値の加算平均であり、
    前記第3のベースレベルは、前記第1の画素を含んで前記主走査方向および前記副走査方向に行列状に並ぶ予め定める数の画素についての画素値の加算平均である、請求項4に記載の画像信号処理装置。
  8. 前記補正演算部は、
    1フレーム前の各画素の画素値の補正に用いた前記補正量を画素ごとに記憶する補正量記憶部と、
    前記補正量算出部によって算出された現フレームのいずれか第1の画素についての前記補正量と、前記補正量記憶部に記憶された1フレーム前の前記第1の画素についての前記補正量との差の絶対値が予め定める基準値を超えるか否かを判定し、前記基準値を超えた場合に前記補正量算出部によって算出された前記補正量に代えて前記補正量記憶部に記憶された前記第1の画素についての前記補正量を用いるように指令する判定部とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像信号処理装置。
  9. 前記時間平均化部は、現フレームまでの複数フレームの入力画像を画素ごとに加重平均することによって前記時間平均化された画像を生成し、
    各フレームに対する加重平均の重みは、現フレームよりも前のフレームほど小さくなる、請求項2に記載の画像信号処理装置。
  10. 前記時間平均化部は、
    前記時間平均化された画像を生成する際に演算結果を画素ごとに一時的に記憶する記憶部と、
    前記点順次走査の順で新たな画素の画素値を受ける度に、新たな画素の画素値に、予め定める第4の数と前記記憶部に記憶された対応の画素の画素値との積を加算し、加算結果を前記記憶部の対応の画素値に出力して記憶させる第4の加算部とを含み、
    前記第4の数は0より大きく1より小さい値に設定される、請求項9に記載の画像信号処理装置。
  11. 前記時間平均化部は、現フレームまでの予め定めるフレーム数の画像を画素ごとに加算平均することによって前記時間平均化された画像を生成する、請求項2に記載の画像信号処理装置。
  12. 入力画像信号を処理する装置によって実行される画像信号処理方法であって、
    入力画像のバックグラウンドを平坦化するために画素ごとの補正量を算出するステップを備え、前記補正量を算出するステップにおいて、いずれか第1の画素についての前記補正量を算出するときに、入力画像内の前記第1の画素を含む局所的な領域の画素値を平均することによって前記第1の画素についての前記補正量を算出し、
    さらに、各画素について算出された前記補正量を用いて各画素の画素値を補正するステップと、
    前記補正量によって補正された各画素値を、予め定める閾値を超えるか否かによって2値化するステップとを備える、画像信号処理方法。
  13. 入力画像信号を処理する装置によって実行される画像信号処理方法であって、
    現フレームまでの複数フレームの入力画像信号を用いて、時間平均化された画像を生成するステップと、
    前記時間平均化された画像のバックグラウンドを平坦化するために、現フレームの入力画像について画素ごとの補正量を算出するステップとを備え、前記補正量を算出するステップにおいて、いずれか第1の画素についての前記補正量を算出するときに、現フレームの入力画像内で前記第1の画素を含む局所的な領域の画素値を平均することによって前記第1の画素についての前記補正量を算出し、
    さらに、各画素について算出された前記補正量を用いて、前記時間平均化された画像における対応の画素の画素値を補正するステップと、
    前記補正量によって補正された各画素値を、予め定める閾値を超えるか否かによって2値化するステップとを備える、画像信号処理方法。
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