JP2011096937A - 真空励起管の洗浄方法及び真空処理装置 - Google Patents

真空励起管の洗浄方法及び真空処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】真空励起管の洗浄に際し、該真空励起管の真空状態を維持しつつ、該真空励起管を洗浄する方法、及び、この方法を用いる真空処理装置を提供する。
【解決手段】
真空処理装置は、真空チャンバ20と石英を構成材料とする放電管10aを備えるマイクロ波アプリケータ10とを備えて構成され、該放電管10aにてアンモニアガスを励起し、その励起種を真空チャンバ内へ供給して、基板の自然酸化膜を除去するものである。また、放電管10aにおける真空チャンバ20の反対側からこれを排気しつつ、三フッ化窒素ガスと塩素ガスとを放電管10aの真空チャン20バ側からこれに供給して、同放電管10a内にフッ化塩素を生成し、放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素とフッ化塩素とを反応させて、窒化ケイ素を放電管10aの内表面から排気除去する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば窒素含有ガスに高周波を照射して窒素含有ガスを励起する高周波アプリケータを構成する放電管などのガスを励起する真空励起管の内表面に形成される反応生成物を除去して真空励起管を洗浄する洗浄方法、及びこの洗浄方法が適用される真空処理装置に関する。
例えば、ケイ素(Si)を母材とする半導体材料からなる基板の表面は、大気中の酸素に曝されることにより酸化され、これにより二酸化ケイ素(SiO)膜、いわゆる自然酸化膜が形成される。この自然酸化膜が基板表面に残る上記ケイ素基板を所望の機能を有する素子等に加工する際に障害となる虞があることから、その加工工程に先立ちこうした自然酸化膜を除去することが必要とされている。そのため従来から、例えば特許文献1に記載のように、自然酸化膜の除去方法が確立され、また、実用化されている。
こうした自然酸化膜の除去方法としては、まず、以下式1に示されるように、アンモニアガス(NH)を例えばマイクロ波等の高周波により励起して、アンモニアガスから乖離した励起種である水素ラジカル(H)を生成する。次いで、式2に示されるように、この水素ラジカルを三フッ化窒素と反応させて自然酸化膜のエッチャントである窒素フッ化物(NHxFy)を生成する。続いて、式3に示されるように、このエッチャントと自然酸化膜を構成する二酸化ケイ素とを反応させ、これにより揮発性の高いケイフッ化アンモニウム(Si(NH)を生成する。こうした一連の反応により、ケイ素基板の表面に形成された自然酸化膜が除去されることになる。
NH → NH + H… (式1)
+ NF → NH… (式2)
NH + SiO → Si(NH + HO … (式3)
特開2003−133284号公報
ところで、上述の自然酸化膜の除去処理が実施される装置には、例えばマイクロ波をプラズマ源とするマイクロ波放電管等の放電管が搭載され、こうした放電管の内部において上記アンモニアガスの励起が行われている。このような方式でプラズマを生成する放電管には高い高周波伝播性や高い耐熱性が求められることから、その構成材料としては、一般に石英(SiO)等の酸化物が広く用いられている。
一方、こうしたアンモニアガスの励起時には、同アンモニアガスによる放電管の内表面の還元反応も同時に進行することになる。より正確には、放電管の内表面を構成する酸化物がアンモニアガスによって還元され、その内表面に窒化ケイ素(SiN、あるいはSi)膜等の窒化物が形成されることになる。このようにして内表面に窒化物が形成された放電管では、それの構成材料が酸化物のみからなる場合よりも誘電率が高くなってしまい、該放電管に供給される高周波に対して誘電損失が発生することになる。その結果、窒化ケイ素膜が形成される以前と同じ電力でマイクロ波が照射されるとしても、その窒化ケイ素膜が形成される以前と比較して、放電管そのものにて消費されるマイクロ波の消費
量が大きくなってしまう。そのため、マイクロ波がアンモニアガスの励起反応が行われる放電管の内部に伝播して、該アンモニアガスの励起に利用されるマイクロ波の電力量が減少してしまい、自ずとアンモニアガスが励起されて発生する上記水素ラジカルの量も減少することとなってしまう。
また、上記窒化ケイ素膜の形成量が増大し続け、その量が所定量以上となれば、放電管におけるプラズマの発生そのものが起こり難くなり、放電管そのものを交換する、若しくは放電管の内表面を機械的に研磨して窒化ケイ素膜を除去する必要が生じる。その結果、これらいずれの方法を選択するにしろ、放電管を上記真空処理装置が備える真空チャンバから取り外す作業が不可避となり、該真空処理装置の稼働率の大幅な低下が免れ得ないことになる。
なお、こうした問題は、上述のように石英にて構成される放電管に限って生じるものではなく、他の材料、例えばサファイア(Al)によって構成される放電管においても概ね共通するものである。また、同問題は、こうした酸化物によって構成される放電管に限らず、例えばアルミニウム等の金属や、石英等からなる管状の部材であって、その外部に設けられた加熱手段から供給される熱により上記アンモニア等の処理ガスを励起する真空励起管においても概ね共通して生じるものである。
この発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、真空励起管の洗浄に際し、該真空励起管の真空状態を維持しつつ、該真空励起管を洗浄する真空励起管の洗浄方法、及び、この方法を用いる真空処理装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するため手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の真空励起管の洗浄方法は、一端から導入される処理ガスを管内で励起させ、この励起された前記処理ガスを他端から処理対象に向けて導出させる真空励起管に対してなされる、前記真空励起管の内表面と励起された前記処理ガスとの反応によって前記内表面に生成された反応生成物を前記内表面から除去する真空励起管の洗浄方法であって、前記真空励起管の前記一端から前記管内を排気しつつ、前記反応生成物との反応によって前記反応生成物を揮発性の物質に変換する洗浄ガスを前記真空励起管の前記他端から導入して前記反応生成物を排気除去することをその要旨とする。
請求項6に記載の真空処理装置は、基板を収容する真空チャンバと、一端から導入される処理ガスを管内で励起させ、他端に連通した前記真空チャンバへ励起された前記処理ガスを導出する真空励起管とを備え、前記真空チャンバへ導出された前記励起された処理ガスにより同真空チャンバに収容された前記基板に対して所定の処理を施す真空処理装置において、前記真空励起管の前記一端から該真空励起管内を排気する排気系と、前記真空励起管の内表面と励起された前記処理ガスとの反応によって前記内表面に生成された反応生成物を該反応生成物との反応によって揮発性の物質に変換する洗浄ガスを前記真空励起管の前記他端から供給する供給部とを備え、前記真空励起管の前記一端から該真空励起管内を排気するとともに、前記真空励起管における前記真空チャンバ側から該真空励起管の他端に向けて前記洗浄ガスを供給して、前記反応生成物を前記真空励起管から除去することをその要旨とする。
上記方法、あるいは装置によれば、真空励起管を排気しつつ、つまり該真空励起管を真空の状態としつつ、その内部に供給される洗浄ガスと内表面に形成された反応生成物とを反応させて、該反応生成物を揮発性の物質として真空励起管内から排気除去することができる。すなわち、真空励起管の内表面を大気に開放することなく洗浄可能となる。しかも真空励起管の他端から洗浄ガスが供給されて真空励起管の他端から洗浄ガスや揮発性の物
質が排気されるため、真空励起管の一端側において洗浄ガスや揮発性の物質による汚染、つまり処理対象の汚染を抑制することが可能にもなる。
請求項2に記載の真空励起管の洗浄方法は、前記真空励起管が、石英あるいはサファイアからなる内表面を有して、該真空励起管の外部から供給される高周波によって前記処理ガスである窒素含有ガスを励起する放電管であり、前記反応生成物が、前記放電管の内表面である酸化物表面と励起された前記窒素含有ガスとの反応によって前記酸化物表面に生成された窒化物であり、フッ素含有ガスとフッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスとからなる前記洗浄ガスを前記放電管内に導入して、前記放電管内に生成されるフッ化ハロゲンと前記窒化物との反応によって前記窒化物を揮発性の物質に変換して前記放電管内から除去することをその要旨とする。
請求項7に記載の真空処理装置は、前記真空励起管が、石英あるいはサファイアからなる内表面を有して、該真空励起管の外部から供給される高周波によって前記処理ガスである窒素含有ガスを励起する放電管であり、前記反応生成物が、前記放電管の内表面である酸化物表面と励起された前記窒素含有ガスとの反応によって前記酸化物表面に生成された窒化物であり、前記供給部は、フッ素含有ガスと、フッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスとからなる前記洗浄ガスを前記放電管に対してその真空チャンバの側から供給して前記放電管内にフッ化ハロゲンを生成することをその要旨とする。
真空励起管の内表面が石英あるいはサファイアにて構成されている場合、該真空励起管内での窒素含有ガスの励起時には、該窒素含有ガスの乖離種が生成されることはもとより、石英の構成元素であるケイ素の窒化物、あるいはサファイアの構成元素であるアルミニウムの窒化物も生成される。このような窒化物は酸化物よりも一般に誘電率が高いため、真空励起管に供給される高周波がより多く真空励起管自体に吸収されてしまい、真空励起管での誘電損失、ひいては窒素含有ガスの励起効率の低下を招く虞がある。
この点、上記真空励起管の洗浄方法、あるいは真空処理装置によれば、酸化物よりも誘電率の高い窒化物を除去することができ、ひいては、窒化物に起因する窒素含有ガスの励起効率の低下を回復することができる。しかも窒化物に対するエッチング速度と酸化物に対するエッチング速度とが大きく異なるフッ化ハロゲンを洗浄ガスから生成するため、反応生成物である窒化物を洗浄することに際して、真空励起管の内表面に対する過剰なエッチングを抑制することもできる。
請求項3に記載の真空励起管の洗浄方法は、請求項2に記載の真空励起管の洗浄方法において、前記洗浄ガスを前記放電管内に供給しつつ、該放電管内に高周波を供給することによって前記フッ化ハロゲンを生成することをその要旨とする。
請求項8に記載の真空処理装置は、請求項7に記載の真空処理装置において、前記真空励起管に高周波を供給する高周波源を備え、前記高周波源は、前記放電管に供給された前記フッ素含有ガスと前記フッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスとに高周波を供給することによって前記フッ化ハロゲンを生成することをその要旨とする。
上記フッ素含有ガスとフッ素以外の元素を含有するガスとからフッ化ハロゲンを生成する際には、これらガス、特にフッ素含有ガスを励起することによりこうした生成反応の速度を高めることができるようになる。この励起により生じた励起種は一般に、その活性を長くは維持できず、こうした寿命が経過すれば、フッ化ハロゲンを生成するための活性を失ってしまう。そのため、フッ化ハロゲンの生成に用いられる励起種の量を増加させるためには、励起種の生成からより早い段階で該励起種とフッ化ハロゲンとを反応させることが望ましい。また、生成されたフッ化ハロゲンにおける上記窒化物の除去反応に寄与する
割合を上昇させようとすれば、該フッ化ハロゲンがその反応対象である窒化物のより近傍で生成されることが望ましい。
この点、上記真空励起管の洗浄方法、あるいは真空処理装置によれば、窒化物が形成された放電管内にてフッ素含有ガスが励起されるとともに、この励起種と反応するフッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスも放電管内に供給されて、該放電管内にてフッ化ハロゲンが形成される。そのため、フッ化ハロゲンの生成に寄与する励起種、及び窒化物の除去に寄与するフッ化ハロゲンが、これらの全生成量に占める割合を増大させることができ、ひいては放電管内の窒化物の除去効率が高められることともなる。
請求項4に記載の真空励起管の洗浄方法は、請求項2又は3に記載の真空励起管の洗浄方法において、前記フッ素含有ガスと前記フッ素以外のハロゲン元素を含有するガスとのうち、少なくとも前記フッ素含有ガスを加熱することにより前記フッ化ハロゲンを生成することをその要旨とする。
請求項9に記載の真空処理装置は、請求項7又は8に記載の真空処理装置において、前記供給部には、該供給部から供給される前記洗浄ガスを加熱する加熱部が更に設けられてなることをその要旨とする。
フッ化ハロゲンを真空励起管に供給する際に該真空励起管に高周波を供給すると、その内部にてハロゲン元素の励起種、特にフッ素元素の励起種が生成されることになる。このように真空励起管の内部にてフッ素元素の励起種を生成することは、上述のような利点がある反面、こうして生成されたフッ素元素の励起種は反応性が高いため、フッ化ハロゲンの生成に寄与しなかった励起種は、酸化物からなる真空励起管の内表面と反応し、これをエッチングする虞がある。
この点、上記真空励起管の洗浄方法、あるいは真空処理装置のように、真空励起放電管に供給する洗浄ガスを加熱するようにすれば、上述のような真空励起管に直接上記励起種が供給されることを抑制して、放電管のエッチングの可能性を最低限に抑えつつも、上記窒化物を除去して真空励起管を洗浄することができるようになる。
なお、加熱により上記ガスを励起する場合には、請求項10に記載の真空処理装置によるように、供給部が、フッ素含有ガスを供給する第1の供給部とフッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスを供給するガスを供給する第2の供給部とからなるようにし、上記加熱部を、第1の供給部に設けることで、フッ素含有ガスのみを励起するようにしても窒化物のエッチングを行うことができる。
請求項5に記載の真空励起管の洗浄方法、あるいは請求項11に記載の真空処理装置は、前記フッ素含有ガスが三フッ化窒素ガスであるとともに、前記フッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスが塩素ガスであることをその要旨とする。
上記真空励起管の洗浄方法、あるいは真空処理装置によれば、三フッ化窒素ガスと塩素ガスとにより、上記フッ化ハロゲンのなかでも反応性が高い、すなわち真空励起管の内表面に形成された窒化物との反応性も高いフッ化塩素が生成されるため、該窒化物の除去効率が向上されることになる。
請求項12に記載の真空処理装置は、請求項6〜11のいずれか1項に記載の真空処理装置において、前記チャンバと前記真空励起管とを連通と非連通とに切り替えるバルブを更に備え、前記バルブは、前記真空励起管の前記一端から該真空励起管内を排気するときに前記真空チャンバと前記真空励起管とを非連通とすることをその要旨とする。
上記構成によるように、真空チャンバと真空励起管とを連通、及び非連通とすることが可能なバルブを設け、反応生成物の除去時には、該バルブによって真空チャンバと真空励起管とを非連通の状態とすることにより、除去処理に用いられる上記洗浄ガスや上記揮発性の物質が真空チャンバ内に流入することを回避でき、これらによる真空チャンバ内やその内部に収容された基板の汚染が回避できるようになる。
請求項13に記載の真空処理装置は、請求項6〜12のいずれか1項に記載の真空処理装置において、前記真空励起管から排気される成分に基づき該真空励起管内に前記反応生成物があるか否かを検出する検出部を備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、真空励起管の洗浄時に生成される物質、正確には、真空励起管の内表面に生成された反応生成物の除去時に生成される物質の成分を測定することで、該反応生成物の除去が完了したか否かが検出可能となり、ひいては、これに応じて反応生成物の除去処理を終了させることが可能となる。ここで、このように反応生成物の除去完了を検出することなく上記洗浄処理を実行する場合、予め洗浄時間を設定して反応生成物の除去を行うことになる。しかも、この洗浄時間は通常、予測される反応生成物の堆積量の最大値に応じて設定されることが多く、これにより反応生成物に対する真空励起管の洗浄時間が余剰となることも少なくない。この点、上記構成によればこうした余剰処理が抑制されることになり、余剰の洗浄処理に起因して放電管の構成材料そのものがエッチングされることを抑制可能ともなる。
本発明に係る真空処理装置の第1の実施の形態の概略構成を示す概略構成図。 本発明に係る真空処理装置の第2の実施の形態の概略構成を示す概略構成図。 本発明に係る真空処理装置の第3の実施の形態の概略構成を示す概略構成図。 本発明に係る真空処理装置の第4の実施の形態の概略構成を示す概略構成図。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る真空励起管の洗浄方法、及びこの方法が適用される真空処理装置を具現化した第1の実施の形態について、図1を参照して説明する。
図1は、同第1の実施の形態に係る真空処理装置の配管系統図をマイクロ波アプリケータと共に示している。同図1に示されるように、マイクロ波アプリケータ10は、真空励起管として石英からなる筒状の放電管10aを有するとともに、高周波源としてのマイクロ波発振器11から出力されるマイクロ波を該放電管10aに導く導波管10bとを備えている。マイクロ波アプリケータ10を構成する放電管10aの一端は、当該真空処理装置の処理対象となる基板が収容される真空チャンバ20と連絡配管31を介して連結されている。真空チャンバ20において基板が収容される内部空間には図示しない排気系が接続され、該排気系の排気動作によって該内部空間に真空雰囲気が形成される。
これらマイクロ波アプリケータ10と真空チャンバ20とを連結する連絡配管31の途中にはガス供給配管32が接続されている。このガス供給配管32は、連絡配管31との接続部の上流にて3つの配管に分岐しており、この分岐した配管には洗浄ガスの1つである三フッ化窒素ガスを供給する三フッ化窒素ガス供給部33(第1の供給部)、洗浄ガス
の1つである塩素ガスを供給する塩素ガス供給部34(第2の供給部)、及び窒素ガスを供給する窒素ガス供給部35がそれぞれ接続されている。なお、これら各ガス供給部33,34,35は、これらが上記連絡配管31側に供給する各ガスの流量を調量可能なマスフローコントローラで構成されるとともに、上記分岐した配管のそれぞれには、該分岐した配管における通路を開閉可能なバルブが設けられている。そしてガス供給配管32のバルブが開かれた状態で該バルブに対応するガス供給部からガスが供給されると、該ガス供給部から供給されるガスは、ガス供給配管32を通して連絡配管31における負圧側へ流れることになる。
また、上記真空チャンバ20には、これに窒素ガスを供給する窒素ガス供給部21が接続されており、該窒素ガス供給部21も供給するガスの流量を調量可能なマスフローコントローラで構成されている。また、窒素ガス供給部21と真空チャンバ20とを接続する配管の途中には、これの通路を開閉可能なバルブが設けられている。そして該バルブが開かれた状態で窒素ガス供給部21から窒素ガスが供給されると、該窒素ガス供給部21から供給される窒素ガスは、窒素ガス供給部21と真空チャンバ20とを接続する配管を通して真空チャンバ20の内部空間へ流れることになる。
上記マイクロ波アプリケータ10を構成する放電管10aには、その連絡配管31が連結された側とは反対側に、排気系を構成する排気配管41とエッチングガス供給配管44とが合流してなる1本の配管が連結されている。
上記排気配管41には、該排気配管41を通して放電管10aの内部のガスを吸引して排気系を構成する真空ポンプ42が接続されているとともに、同排気配管41が真空ポンプ42へと至る途中には、マイクロ波アプリケータ10内の圧力を検出する圧力計43が設けられている。また、該排気配管41には、これら真空ポンプ42と圧力計43との接続部位よりも上流に、これの通路を開閉可能なバルブが設けられている。また上記エッチングガス供給配管44も該エッチングガス供給配管44の通路を開閉可能なバルブを介して、例えば窒素含有ガスである窒素ガスやアンモニアガス等の処理ガスを、その流量を調量しつつ該エッチングガス供給配管44に供給するエッチングガス供給部45が接続されている。
そして真空ポンプ42が駆動されている状態で排気配管41の通路が開かれ、且つエッチングガス供給配管44の通路が閉じられると、該排気配管41に連結された放電管10aの内部が真空ポンプ42によって排気されることとなる。また排気配管41の通路が閉じられ、且つエッチングガス供給配管44の通路が開かれた状態でエッチングガス供給部45がエッチングガスを供給すると、エッチングガス供給部45から供給されるエッチングガスは、エッチングガス供給配管44を通して放電管10aの内部へ流れることになる。
こうした真空処理装置にて、上記真空チャンバ20内に収容された基板にエッチング処理を実施する際、特に半導体基板の表面に形成された自然酸化膜を除去する際にはまず、排気系が駆動された状態にある真空チャンバ20の内部空間に基板がセットされ、その後に上記排気配管41に設けられたバルブが閉じられることで該排気配管41が閉塞される。他方、排気配管41と分岐するエッチングガス供給配管44に設けられたバルブは開放され、該エッチングガス供給配管44も開放される。そして、エッチングガス供給部45からは、上記自然酸化膜の除去に用いられるアンモニアガスが供給されるとともに、上記マイクロ波アプリケータ10の内部を、プラズマの誘起に適した圧力とする目的で窒素ガスが供給される。
これらアンモニアガスと窒素ガスとはともに、マイクロ波アプリケータ10の備える放
電管10a内に供給される。これに伴い、マイクロ波発振器11からは、高周波の一種であるマイクロ波が発せられ、このマイクロ波は、導波管10bを介してこれも放電管10a内に供給される。こうして放電管10a内にマイクロ波が供給されることにより、放電管10a内に供給されたアンモニアガスが励起され、上記式1に示される反応が進行して励起種である水素ラジカルが生成される。
そして、こうして生成された水素ラジカルは、マイクロ波アプリケータ10と真空チャンバ20とを連結する連絡配管31内に流入する。ここで、自然酸化膜の除去時には、連絡配管31に接続された洗浄ガス供給配管32から分岐する配管のうち、三フッ化窒素ガス供給部33が接続された配管のみが開放され、他の2つの分岐配管はそのバルブにより閉塞される。そして、この三フッ化窒素ガス供給部33から供給された三フッ化窒素ガスと上記水素ラジカルとが連絡配管31内にて反応し、上記式2に示される反応が進行して基板に形成された自然酸化膜をエッチングするエッチャントが生成される。
この反応にて生成されたエッチャントであるアンモニアフッ化物(NH)が真空チャンバ20内に供給されると、その内部に収容された基板の表面に形成された自然酸化膜、正確には二酸化ケイ素(SiO)が、該エッチャントと反応することで上記式3に示される反応が進行し、揮発性の高いケイフッ化アンモニウム(Si(NH)が生成される。
こうして生成されたケイフッ化アンモニウムは揮発性が高く、その気化温度が低いため、基板を加熱することにより基板上に形成されたケイフッ化アンモニウムは蒸発し、これによりケイ素を母材とする半導体材料からなる基板に形成された自然酸化膜は除去されることになる。
こうした一連の自然酸化膜の除去処理においては、上記式1に示されるように、マイクロ波プラズマが誘起された放電管10a内にてアンモニアガスの励起による水素ラジカルの生成が行われる。一方、こうしたアンモニアガスの励起反応と同時に、下記式4で示されるように、石英にて形成された放電管10aの、特にその内表面にて石英の還元反応も進行する。
SiO + H + N → Si + NH + … … (式4)
こうした式4の反応にて生成された反応生成物である窒化ケイ素(Si)は、放電管10aの内表面に膜状に形成され、還元反応が進行するにつれてその被覆面積は、同内表面の全体に及ぶようになる。なお、上記式4における窒素元素(N)は、放電管10a内に供給されたアンモニアガスあるいは窒素ガスに由来するものである。
ここで、上記窒化ケイ素(Si)は、放電管10aの構成材料である石英(SiO)よりも誘電率が高い物質である。そのため、放電管10aの内表面に窒化ケイ素膜が形成されると誘電損失が発生することになる。つまり、こうして放電管10aの内表面に窒化ケイ素膜が形成されることにより、上記式4に示す還元反応により窒化ケイ素膜が形成される以前と比較して、放電管10aそのものにて消費されるマイクロ波の量が増加する。これにより、アンモニアガスの励起反応が行われる放電管10aの内部に導入されて、該アンモニアガスに供給されるマイクロ波の量が減少し、自ずとアンモニアガスが励起されて発生する上記水素ラジカルの量も減少することになる。また、上記窒化ケイ素膜の形成量が増大し続け、その量が所定量以上となれば、放電管10aにおけるプラズマの発生そのものが起こり難くなり、該放電管10aそのものを交換する、若しくは放電管10aの内表面を機械的に研磨して窒化ケイ素膜を除去せざるを得ないこととなる。
なお、こうした放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素に起因するプラズマ発生
効率は、上記式1〜式3にて表される自然酸化膜の除去処理の効率、換言すれば、単位時間あたりにエッチングされる自然酸化膜の厚さを示すエッチングレートにより評価することが可能である。これは、該エッチングレートを規定する一因としてエッチャントの生成量が挙げられるとともに、このエッチャントの生成量が、上記式1からも明らかなように、放電管10a内に供給されたアンモニアガスが水素ラジカルの生成量に依存し、ひいては、アンモニアを励起するマイクロ波プラズマの発生効率に依存するからである。
本実施の形態に係る真空処理装置では、該装置の備える放電管10aの使用初期であってその内表面に窒化ケイ素膜が形成される以前は、上記自然酸化膜の除去に係るエッチングレートが4〜6μm/minであった。これに対し、この真空処理装置にて上記式1〜式3にて示される自然酸化膜の除去処理を長時間実施したところ、基板処理実施後のエッチングレートは1μm/minであり、放電管10aの内表面への窒化ケイ素の堆積によるエッチングレートの低下、すなわち、プラズマ発生効率の低下が確認された。
そこで、本実施の形態に係る真空励起管の洗浄方法、及びこれを実施可能な上記真空処理装置では、こうしたプラズマ発生効率の低下を、放電管10a内での化学反応を利用して上記窒化ケイ素膜を除去することで、放電管10aの交換、及びその内表面の機械的な研磨を行うことなく解消するようにしている。
この洗浄方法による上記放電管10aの洗浄処理時には、まず真空チャンバ20の内部空間に基板がセットされてない状態から該真空チャンバ20の排気動作が停止される。次いで、真空ポンプ42が駆動され、放電管10aの上記連絡配管31とは反対側に接続された配管のうち、エッチングガス供給配管44はそのバルブにより閉塞され、他方、排気配管41はそのバルブが開放される。これにより放電管10aの内部が真空ポンプ42によって排気され、連絡配管31におけるマイクロ波アプリケータ10の側に負圧が形成される。
続いて、上記連絡配管31に接続された洗浄ガス供給配管32に連結された3つの分岐管のそれぞれが備えるバルブの全てが開放され、これら分岐管そのものも開放される。そして、これら分岐管のそれぞれに接続された三フッ化窒素ガス供給部33、塩素ガス供給部34、及び窒素ガス供給部35から、各種ガスが所定の流量にて連絡配管31側に供給される。上記洗浄ガス供給配管32から供給される各種ガス、つまり、三フッ化窒素ガス、塩素ガス、及び窒素ガスが連絡配管31に流入すると、排気配管41に設けられた真空ポンプ42の吸引により、上記真空チャンバ20側に流入することなく放電管10aに向かって連絡配管31内を流れることになる。なお、このとき、こうした各種ガスの真空チャンバ20内への流入を回避するために、該真空チャンバ20にはこれに接続された窒素ガス供給部21から窒素ガスが供給されるとともに、この窒素ガスが上記各種ガスとともども、マイクロ波アプリケータ10側に吸引されるようにしている。
このようにして放電管10aの内部に各種のガスが流れるようになると、マイクロ波アプリケータ10の放電管10aには、マイクロ波発振器11から導波管10bを介してマイクロ波が供給され、これにより当該放電管10a内にてマイクロ波プラズマが誘起され、式5に示されるようなフッ素ラジカルの生成反応と、式6に示されるフッ化塩素の生成反応とが順に進行することになる。
NF → NF + F … (式5)
+ Cl → FCl + Cl … (式6)
この式6の反応にて生成されたハロゲン間化合物の一種であるフッ化塩素は、放電管10aの内表面に形成された上記窒化ケイ素と反応し、揮発性の高い塩化フッ化ケイ素あるいは四フッ化ケイ素(SiF)が生成される(式7、式8、式9)。
Si +6FCl → 3SiFCl + 2N … (式7)
Si +9FCl → 3SiFCl + 2N … (式8)
Si + 12FCl → 3SiF + 2N + 6Cl … (式9)
このように放電管10aにおいては固体である窒化ケイ素がこれよりも揮発性の高い、還元すれば気化温度が低い塩化フッ化ケイ素や四フッ化ケイ素を含む気体となる。つまり、放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素が除去されることになる。なお、こうした放電管10aの洗浄処理は、予め設定された時間、例えば窒化ケイ素の予測堆積量に応じて、通常はこの予測堆積量の窒化ケイ素が完全に除去されるよりも長く設定された時間に渡り実行される。
なお、こうして、上記式5〜式9にて表される放電管10aの洗浄処理を実行し、その直後において、上記式1〜式3にて表される自然酸化膜の除去処理を実施し、そのエッチングレートを測定したところ、3μm/minであり、上記放電管10aの使用初期におけるエッチングレート近くまで向上したことが確認された。これにより、上記放電管10aの洗浄処理を実施することによって、放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素が除去され、該放電管10aにおけるプラズマ発生効率が回復されたことが認められた。
以上説明したように、この第1の実施の形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)放電管10aを真空ポンプ42により排気しつつ、つまり該放電管10aを真空の状態としつつ、その内部に生成されるフッ化塩素と内表面に形成された窒化ケイ素とを反応させるようにした。これにより、この窒化ケイ素を揮発性の高い反応生成物、例えば塩化フッ化ケイ素や四フッ化ケイ素として放電管10a内から排気除去することができる。すなわち、マイクロ波アプリケータ10に搭載される放電管10aの内表面を大気に開放することなく洗浄可能となる。なおこの際、放電管10aの構成材料である石英とフッ化塩素とが反応し難いことから、当該放電管10aの内表面においてはその窒化物である窒化ケイ素のみが排気除去されることともなる。
(2)三フッ化窒素ガスと塩素ガスとのそれぞれを供給する三フッ化窒素ガス供給部33と塩素ガス供給部34とを、マイクロ波アプリケータ10が接続される真空チャンバ20側から供給するようにした。これにより、これら三フッ化窒素ガス及び塩素ガスが真空チャンバ20内に流入し難くなり、同真空チャンバ20そのもの、あるいはこれに収容される基板が上記ガスによって汚染されることを抑制できるようにもなる。
(3)窒化ケイ素が形成された放電管10a内にて三フッ化窒素ガスが励起されるとともに、この励起種であるフッ素ラジカルと反応する塩素ガスも放電管10a内に供給されて、該放電管10a内にてフッ化塩素が生成されるようにした。これにより、活性時間の短いフッ素ラジカルであっても、これの全生成量に占めるフッ化塩素の生成に寄与する割合を増大させることができるとともに、こうして生成されたフッ化塩素が真空処理装置における放電管10a以外の部位にて消費されることを抑制して、該放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素の除去に寄与するフッ化塩素が、この全生成量に占める割合を増大させることができ、ひいては放電管10a内の窒化物の除去効率が高められることともなる。
(4)三フッ化窒素ガスと塩素ガスとにより、フッ化ハロゲンのなかでも反応性が高い、すなわち放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素との反応性も高いフッ化塩素が生成されるようにした。これにより、放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素の除去効率が向上されることになる。
(5)当該洗浄方法を石英が構成材料である放電管10aを備える真空処理装置に対して適用するようにした。これにより、放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素の除去によって同放電管10aにおけるプラズマ生成効率を回復させる効果が顕著なものとなる。
[第2の実施の形態]
以下に、本発明に係る真空励起管の洗浄方法及び、この方法が適用される真空処理装置を具現化した第2の実施の形態について、図2を参照して説明する。なお、本第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態と比較して、上記式5に示される三フッ化窒素ガスの励起方法を変更したものであり、以下では、特にこの変更点について説明する。
すなわち、上記第1の実施の形態では、三フッ化窒素ガスを、これと反応してフッ化塩素を生成する塩素ガス、及び窒素ガスとともに放電管10a内に供給するようにしている。そして、この放電管10a内に誘起されたマイクロ波プラズマによって三フッ化窒素を励起して励起種であるフッ素ラジカルを生成し、該放電管10aの内部にて塩素ガスと反応させて、窒化ケイ素と反応するフッ化塩素を生成する。そのため、上述したように、フッ素ラジカルの全生成量に占めるフッ化塩素の生成に寄与する割合を増大させることができるとともに、こうして生成されたフッ化塩素の全生成量に占める割合を増大させることもでき、ひいては放電管10a内の窒化物の除去効率が高められるようになる。
しかしながら、放電管10aにマイクロ波プラズマを誘起し、これにより三フッ化窒素が励起されると、放電管10aの内部に三フッ化窒素由来のフッ素ラジカル、あるいは塩素ガス由来の塩素ラジカル等、該放電管10aの構成材料である石英と反応性の高い励起種が生成されることになる。これにより、窒化ケイ素が除去されて石英が露出した部位や、そもそも窒化ケイ素の堆積がない部位にて、放電管10aそのものを構成する石英がエッチングされる虞がある。
そこで、本第2の実施の形態では、上記三フッ化窒素ガスの励起に際し、放電管10aに誘起されたマイクロ波プラズマを用いることなく、三フッ化窒素ガスを加熱することで励起を行う。
図2に示されるように、この第2の実施の形態に係る真空処理装置も、上記第1の実施の形態に係る真空処理装置と同様、マイクロ波発振器11が接続された導波管10bと真空励起管としての放電管10aとを備えるマイクロ波アプリケータ10が、窒素ガス供給部21が接続された真空チャンバ20と連絡配管31を介して連結されている。また、マイクロ波アプリケータ10における連絡配管31と反対側には、これも上記第1の実施の形態に係る真空処理装置と同様、真空ポンプ42が接続された排気配管41と、エッチングガス供給部45が接続されたエッチングガス供給配管44とに分岐する配管が接続されている。ただし、本実施の形態に係る真空処理装置は上述のように、放電管10aにおけるマイクロ波プラズマの誘起を伴うことなく放電管10aの洗浄を実施するため、このマイクロ波プラズマを誘起する際の放電管10a内における圧力を検出する圧力計43を使用していない。
また、上記連絡配管31には、三フッ化窒素ガス供給部33が接続された第1洗浄ガス供給配管36が接続されている。この第1洗浄ガス供給配管36の途中には、これを開放の状態、及び閉塞の状態に切り替え可能なバルブが設けられているとともに、該第1洗浄ガス供給配管36の近傍には、これを加熱することにより内部を流通する三フッ化窒素ガスを加熱する加熱部38が設けられている。
そして、同連絡配管31における上記第1洗浄ガス供給配管36よりも真空チャンバ2
0側には、第2洗浄ガス供給配管37が接続されており、該第2洗浄ガス供給配管37は、連絡配管31との接続部よりも上流にて分岐されている。この分岐配管のそれぞれには、塩素ガスを供給する塩素ガス供給部34と窒素ガスを供給する窒素ガス供給部35が接続されている。なお、これら分岐配管にも、上記第1洗浄ガス供給配管36と同様、これら配管を開放の状態、及び閉塞の状態に切り替え可能なバルブがそれぞれ設けられている。
こうした真空処理装置においても、上記第1の実施の形態に係る真空処理装置と同様、上記式1〜式3に示される反応が順次進行することによって、真空チャンバ20内に収容されたケイ素を母材とする半導体基板の自然酸化膜を除去する処理が実施される。なおこの際、上記第1の実施の形態に係る真空処理装置と異なり、三フッ化窒素ガスは、第1洗浄ガス供給配管36から供給されることになる。また、この自然酸化膜の除去処理によっても、上記式4に示されるように、放電管10aの内表面が還元されて、その表面に窒化ケイ素膜が形成されることになる。
また、本実施の形態に係る真空処理装置においても、上記第1の実施の形態と同様、放電管10aの使用初期における自然酸化膜の除去に係るエッチングレートが4〜6μm/minであるのに対し、該自然酸化膜の除去処理を長時間実施したところ、基板処理実施後のエッチングレートは1μm/minであった。つまり、放電管10aの内表面への窒化ケイ素の堆積によるエッチングレートの低下として、プラズマ発生効率の低下が確認された。
他方、放電管10aの洗浄、すなわち、放電管10aの内表面に形成された上記窒化ケイ素膜の除去処理においても、上記式5〜式9に示される反応が順次進行し当該窒化ケイ素膜が除去されることになる。ここで上述のように、本実施の形態においては、上記式5で示される三フッ化窒素ガスの励起反応が、放電管10aにおけるマイクロ波プラズマの誘起なしに進行する。つまり、三フッ化窒素ガス供給部33から連絡配管31側に向かって放出された三フッ化窒素ガスは、第1洗浄ガス供給配管36を流通する際に、加熱部38から発せられた熱により昇温され、これにより上記式5に示される反応が起こることとなる。
このように、本実施の形態に係る真空励起管の洗浄方法、及びこれが採用された真空処理装置においては、放電管10aにおけるマイクロ波プラズマの誘起なしに、該放電管10aから離間した位置にて三フッ化窒素ガスが励起される。そのため、励起種であるフッ素ラジカルは、その大部分が塩素ガスとの反応により生成されたフッ化塩素のかたちで上記放電管10aに供給されることになる。また仮に、このフッ素ラジカルが、塩素ガスと反応することなく上記連絡配管31内をマイクロ波アプリケータ10側に向かって流通したとしても、該フッ素ラジカルの活性期間は非常に短いため、マイクロ波アプリケータ10の備える放電管10a内に供給される以前に、連絡配管31内にて失活する可能性が高くなる。したがって、放電管10a内にフッ素ラジカル、あるいは塩素ラジカル等、該放電管10aの構成材料である石英との反応性が高い励起種が流入することが抑制され、放電管10aそのものがエッチングされることも抑制できるようになる。
なお、こうした真空励起管の洗浄方法によっても、上記第1の実施の形態と同様、その直後における自然酸化膜の除去処理のエッチングレートを測定したところ、3μm/minであり、上記放電管10aの使用初期におけるエッチングレート近くまで向上したことが確認された。これにより、上記放電管10aの洗浄処理を実施することによって、放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素が除去され、該放電管10aにおけるプラズマ発生効率が回復されたことが認められた。
以上説明したように、この第2の実施の形態によれば、上記(1)、(2)、(4)、及び(5)の効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(6)三フッ化窒素ガス等のガスを励起するに際し、該放電管10aにマイクロ波を供給することなく、三フッ化窒素の流通路である第1洗浄ガス供給配管36に設けられた加熱部38によって三フッ化窒素ガス加熱するようにした。これにより、励起種であるフッ素ラジカルを、放電管10aに到達する以前に塩素ガスと反応させることができ、放電管10aに直接、フッ素ラジカルや塩素ラジカル等の励起種が供給されることを抑制することが可能となる。つまり、放電管10aの構成材料である石英そのものがエッチングされる可能性を最低限に抑えつつも、放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素を除去することができるようになる。
[第3の実施の形態]
以下に、本発明に係る真空励起管の洗浄方法が適用される真空処理装置を具現化した第3の実施の形態について、図3を参照して説明する。なお、本第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態と比較して、上記連絡配管31及び真空チャンバ20の構成を変更したものであり、以下では、特にこの変更点について説明する。
図3に示されるように、本実施の形態では、真空チャンバ20とマイクロ波アプリケータとを連結する連絡配管31には、その真空チャンバ20との連結部位に、これら真空チャンバ20と真空励起管としての放電管10aとを連通の状態、あるいは非連通の状態に切り替え可能なバルブ39が設けられている。すなわち、このバルブ39が開放されることによって、上記真空チャンバ20とマイクロ波アプリケータ10とが連通の状態とされ、他方、バルブ39が閉塞されることによって、上記真空チャンバ20とマイクロ波アプリケータ10とが非連通となる。
こうした真空処理装置にて、上記式1〜式3にて示される基板の自然酸化膜の除去処理が実施される際には、上記バルブ39は開放され、該バルブ39を介して自然酸化膜のエッチャントである上記アンモニアフッ化物が真空チャンバ20内に供給される。
他方、上記式5〜式9にて示される放電管10aの洗浄処理が実施される際には、同バルブ39が閉塞されることで、上記真空チャンバ20とマイクロ波アプリケータ10とを非連通とする、つまり、当該真空処理装置の備える例えばマイクロ波アプリケータ10等の他の部材に対し、真空チャンバ20が密閉状態となる。これにより、洗浄処理時に使用される上記三フッ化窒素ガスや塩素ガス、あるいはこれらガスの励起種であるフッ素ラジカルや塩素ラジカルが、真空チャンバ20内に流入することを確実に回避できる。ここで、これら洗浄に用いられる三フッ化窒素ガスや塩素ガス、あるいは、これらの励起種であるフッ素ラジカルや塩素ラジカルは反応性の高いハロゲン元素を含んで構成されるものであることから、真空チャンバ20内に流入した場合、該真空チャンバ20そのものやその内部に収容された基板とも反応してこれらを汚染する虞がある。そのため、連絡配管31の真空チャンバ20との連結部に上記バルブ39を設けるとともに、該バルブ39を上記洗浄処理時に閉塞することにより、これら真空チャンバ20及びその内部に収容された基板の汚染を回避することができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態に係る真空処理装置によれば、上記(1)〜(5)の効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(7)真空チャンバ20とマイクロ波アプリケータ10、ひいては該マイクロ波アプリケータ10が備える放電管10aとを連通、及び非連通とすることが可能なバルブ39を設け、窒化ケイ素の除去時には、該バルブ39によって真空チャンバ20と放電管10aとを非連通の状態とすることとした。これにより、放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素の除去処理に用いられる三フッ化窒素ガス及び塩素ガスや、その励起種であるフッ素ラジカルあるいは塩素ラジカルが真空チャンバ20内に流入することを回避でき、こ
れらによる真空チャンバ20内やその内部に収容された基板の汚染が回避できるようになる。
[第4の実施の形態]
以下に、本発明に係る真空励起管の洗浄方法が適用される真空処理装置を具現化した第4の実施の形態について、図4を参照して説明する。なお、本第4の実施の形態は、上記第1の実施の形態と比較して、上記排気配管41にその内部を流通する物質の質量を分析することの可能な質量分析器を接続した点が異なり、以下では、特にこの点について説明する。
図4に示されるように、マイクロ波アプリケータ10におけるこれに接続された連絡配管31の反対側には、先の第1の実施の形態と同様、エッチングガス供給部45が接続されたエッチングガス供給配管44と、真空ポンプ42が接続された排気配管41とに分岐する配管が接続されている。また、本実施の形態に係る真空処理装置には、上述のように、上記排気配管41の途中であって且つ、該排気配管41を開放の状態と閉塞の状態とに切り替え可能なバルブよりも上記真空ポンプ42の側に、排気配管41内を流通する物質の質量を測定可能な検出部としての質量分析器46、例えば四重極形質量分析計、いわゆるQ−Massが設けられている。
ここで、上記第1の実施の形態においては、放電管10aの洗浄処理に際しては、その実施時間を、上記自然酸化膜の除去処理の実施回数等から試算した放電管10aの内表面への窒化ケイ素の堆積量と、当該洗浄処理における窒化ケイ素の除去速度とから算出するようにしている。また、この算出した時間に、上記試算した窒化ケイ素の堆積量や窒化ケイ素の除去速度の誤差等に鑑みた所定の時間を加算した時間を洗浄処理の実施時間として設定するようにしている。そのため、実際に放電管10aの洗浄処理を実施した場合、堆積した窒化ケイ素の除去を完了するまでの時間よりも、上記設定された実施時間が長いことが少なくない。このように、放電管10aの内表面に堆積した窒化ケイ素が除去されてもなお洗浄処理を行うと、フッ化塩素を用いた石英のエッチング速度が窒化ケイ素のそれよりも低いとはいえ、マイクロ波プラズマにより生成されたフッ素ラジカルや塩素ラジカル等が内表面に露出した石英に長時間にわたり供給されることとなれば、放電管10aそのものがエッチングされる虞がある。
これに対し、こうした真空処理装置にあっては、真空励起管としての放電管10aの洗浄処理に際し、該処理により放電管10aの内表面から除去される窒化ケイ素と、これをエッチングするフッ化塩素ガスとの反応により生じた物質の生成量を上記質量分析器46にて検出するようにしている。より正確には、上記式7〜式9に示されるSiFCl、SiFCl、及びSiFの少なくとも1つについて、上記排気配管41内を流通する量を上記質量分析器46によって監視するようにしている。これにより、放電管10a内の窒化ケイ素が除去されはじめてから、これが完了するまでを、ほぼ即時的に検出することができるようになる。つまり、こうして検出された窒化ケイ素の除去完了時に応じて、上記放電管10aの洗浄処理を終了することとすれば、同処理の余剰な実施を抑制することができる。また、こうして余剰処理を抑制することにより、窒化ケイ素の除去により露出した放電管10aの内表面を構成する石英と、マイクロ波プラズマにより生じた励起種であるフッ素ラジカル等が反応し、放電管10aそのものがエッチングされることが抑制可能ともなる。なお、本実施の形態に係る真空処理装置においても、上記第1の実施の形態と同様の方法にて真空チャンバ20内に収容された基板の自然酸化膜の除去処理が実施される。
以上説明したように、本実施の形態に係る真空処理装置によれば、上記(1)〜(5)の効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(8)排気配管41に設けられた質量分析器46により、放電管10aの洗浄時に生成
される物質、正確には、放電管10aの内表面に生成された窒化ケイ素の除去時に生成されるSiFCl、SiFCl、及びSiFの少なくとも1つを監視するようにした。これにより、上記窒化ケイ素の除去が完了したか否かが検出可能となり、これに応じて窒化ケイ素の除去処理、つまり放電管10aの洗浄処理を終了させることが可能となる。ここで、このように窒化ケイ素の除去完了を検出することなく上記洗浄処理を実行する場合、予め洗浄時間を設定することになる。しかも、この洗浄時間は通常、予測される窒化ケイ素の堆積量の最大値に応じて、且つこれを除去可能な時間よりも長く設定されることが多いため、これにより放電管10aの洗浄時間が余剰となることも少なくない。この点、上記構成によればこうした余剰となる洗浄処理が抑制されることになり、この余剰処理に起因して放電管10aの内表面を構成する石英そのものがエッチングされることを抑制可能ともなる。
[他の実施の形態]
なお、上記各実施の形態は、以下のように適宜変更して実施することも可能である。
・第4の実施の形態では、質量分析器46として四重極形質量分析計を採用したが、これに限らず他の質量分析計であってもよい。
・第1、第3、及び第4の実施の形態では、洗浄ガス供給配管32から分岐する3つの配管には、マイクロ波アプリケータ10側から順に、三フッ化窒素ガス供給部33、塩素ガス供給部34、及び窒素ガス供給部35を接続するようにした。これに限らず、これら各ガス供給部33,34,35の接続順は任意に変更可能である。
・第2の実施の形態では、連絡配管31におけるマイクロ波アプリケータ10側に三フッ化窒素ガス供給部33が接続された第1洗浄ガス供給配管36を設けるとともに、この第1洗浄ガス供給配管36よりも真空チャンバ20側に塩素ガス供給部34と窒素ガス供給部35とが接続された第2洗浄ガス供給配管37を設けるようにした。これに限らず、これらガス供給部33,34,35を含む配管36,37の配設位置は上記の逆、つまり、三フッ化窒素ガス供給部33が接続された第1洗浄ガス供給配管36を連絡配管31の真空チャンバ20側に設けるとともに、塩素ガス供給部34及び窒素ガス供給部35が接続された第2洗浄ガス供給配管37を、第1洗浄ガス供給配管36よりも上記マイクロ波アプリケータ10側に設けるようにしてもよい。
・放電管10aの洗浄処理時には、三フッ化窒素ガスと塩素ガスとを用い、これらの反応により生成されるフッ化塩素によって放電管10aの内表面に形成された窒化ケイ素をエッチング除去するようにした。これに限らず、三フッ化窒素ガスに代えて、他のフッ素元素を含むガス、例えば、四フッ化炭素(CF)、六フッ化エタン(C)、八フッ化プロパン(C)、及び六フッ化硫黄(SF)のいずれかを用いるようにしてもよい。また、塩素ガスに代えて、他のフッ素以外のハロゲン元素を含むガス、例えばヨウ素(I)、臭素(Br)、四塩化炭素(CCl)、三塩化リン(PCl)、三塩化ホウ素(BCl)、塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、塩化ヨウ素(ICl)、二塩化二フッ化メタン(CFCl)、三フッ化臭化メタン(CBrF)、二塩化二フッ化メタン(CBrCl)、及び三塩化臭化メタン(CBrCl)のいずれかを用いるようにしてもよい。
・第1の実施の形態及び第3の実施の形態では、マイクロ波アプリケータ10内に誘起されたマイクロ波プラズマによって三フッ化窒素ガスを励起し、励起種であるフッ素ラジカルを生成するようにした。これに限らず、第2の実施の形態によるように、三フッ化窒素ガスの流通経路を加熱する加熱部を設けるとともに、これによって三フッ化窒素ガスを加熱して上記励起種を生成するようにしてもよい。
・第4の実施の形態においても、マイクロ波アプリケータ10内に誘起されたマイクロ
波プラズマによって三フッ化窒素ガスを励起し、励起種であるフッ素ラジカルを生成するようにした。これに限らず、第2の実施の形態によるように、三フッ化窒素ガスの流通経路を加熱する加熱部を設けるとともに、これによって三フッ化窒素ガスを加熱して上記励起種を生成するようにしてもよい。この場合、排気配管41に接続された圧力計43は割愛することができる。ただし、上記第4の実施の形態によって実現可能となる余剰処理の抑制による効果は、マイクロ波プラズマを用いて三フッ化窒素を励起する構成の方がより得られやすい。
・第2の実施の形態では、連絡配管31に第1洗浄ガス供給配管36及び第2洗浄ガス供給配管37を設け、第1洗浄ガス供給配管36には三フッ化窒素ガス供給部33を接続し、第2洗浄ガス供給配管37には塩素ガス供給部34と窒素ガス供給部35とを接続するようにした。これに限らず、上記第1の実施の形態のように1つの洗浄ガス供給配管とし、これら3つのガス供給部33,34,35を接続するようにしてもよい。この場合、洗浄ガス供給配管から分岐するとともに、三フッ化窒素ガス供給部33が接続された配管の近傍に加熱部を設けて三フッ化窒素ガスのみを加熱するようにしてもよいし、同洗浄供給配管における連結配管との接続部側に加熱部を設けて、塩素ガス供給部34から供給される塩素ガスや窒素ガス供給部35から供給される窒素ガスとともども加熱するようにしてもよい。
・上記第1〜第4の実施の形態では、放電管10aに連結される排気配管41には、該排気配管41を通して放電管10aの内部のガスを吸引する真空ポンプ42が接続し、放電管10aの洗浄処理時には、この真空ポンプ42により該放電管10aを真空の状態とするようにした。これに限らず、上記真空チャンバ20が備える排気系と排気配管41とを接続し、上記放電管10aの洗浄処理時には、真空チャンバ20の排気系によって放電管10a内を排気するようにしてもよい。
・上記第1〜第4の実施の形態では、マイクロ波アプリケータ10と真空チャンバ20とを連絡配管31によって接続するようにした。これに限らず、マイクロ波アプリケータ10と真空チャンバ20とを直接接続するようにしてもよい。
・放電管10aの構成材料は石英としたが、これに限らず、例えばサファイア(Al)によって構成される放電管10aを備える真空処理装置であっても、上記式1〜式3に示される自然酸化膜の除去処理を実施した場合、該放電管の内表面が還元され、その表面に窒化アルミニウムが堆積する。また、こうして堆積された窒化アルミニウムも、上述のようなフッ化塩素を用いた洗浄方法により除去することができる。つまり、上記真空励起管の洗浄方法は、該放電管の構成材料がサファイアである場合であれ、適用することができる。
・上記第1〜第4の実施の形態では、窒素含有ガスであるアンモニアガスを励起する真空励起管としてマイクロ波アプリケータ10が有する放電管10aを採用するようにした。これに限らず、例えば該真空励起管としては、アルミニウム等の金属やケイ素等からなる管状の部材と、その内部に導入されたアンモニアガスを加熱する加熱手段とを備えるようにしてもよい。
・上記第1〜第4の実施の形態では、処理ガスをアンモニアガスに具体化し、洗浄ガスを三フッ化窒素と塩素ガスとの混合ガスに具体化した。これに限らず、処理ガスとは、真空励起管で励起されるガスであって真空励起管の内表面に反応生成物を生成するガスであればよく、洗浄ガスとは、この反応生成物との反応によって同反応生成物を揮発性の物質に変換するガスであればよい。
10…マイクロ波アプリケータ、10a…放電管、10b…導波管、11…マイクロ波発振器、20…真空チャンバ、21…窒素ガス供給部、31…連絡配管、32…洗浄ガス供給配管、33…三フッ化窒素ガス供給部、34…塩素ガス供給部、35…窒素ガス供給部、36…第1洗浄ガス供給配管、37…第2洗浄ガス供給配管、38…加熱部、39…バルブ、41…排気管、42…真空ポンプ、43…圧力計、44…エッチングガス供給配管、45…エッチングガス供給部、46…質量分析器。

Claims (13)

  1. 一端から導入される処理ガスを管内で励起させ、この励起された前記処理ガスを他端から処理対象に向けて導出させる真空励起管に対してなされる、前記真空励起管の内表面と励起された前記処理ガスとの反応によって前記内表面に生成された反応生成物を前記内表面から除去する真空励起管の洗浄方法であって、
    前記真空励起管の前記一端から前記管内を排気しつつ、前記反応生成物との反応によって前記反応生成物を揮発性の物質に変換する洗浄ガスを前記真空励起管の前記他端から導入して前記反応生成物を除去する
    ことを特徴とする真空励起管の洗浄方法。
  2. 前記真空励起管が、石英あるいはサファイアからなる内表面を有して、該真空励起管の外部から供給される高周波によって前記処理ガスである窒素含有ガスを励起する放電管であり、
    前記反応生成物が、前記放電管の内表面である酸化物表面と励起された前記窒素含有ガスとの反応によって前記酸化物表面に生成された窒化物であり、
    フッ素含有ガスとフッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスとからなる前記洗浄ガスを前記放電管内に導入して、前記放電管内に生成されるフッ化ハロゲンと前記窒化物との反応によって前記窒化物を揮発性の物質に変換して前記放電管内から除去する
    請求項1に記載の真空励起管の洗浄方法。
  3. 請求項2に記載の真空励起管の洗浄方法において、
    前記洗浄ガスを前記放電管内に供給しつつ、該放電管内に高周波を供給することによって前記フッ化ハロゲンを生成する
    ことを特徴とする真空励起管の洗浄方法。
  4. 請求項2又は3に記載の真空励起管の洗浄方法において、
    前記フッ素含有ガスと前記フッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスとのうち、少なくとも前記フッ素含有ガスを加熱することにより前記フッ化ハロゲンを生成する
    ことを特徴とする真空励起管の洗浄方法。
  5. 前記フッ素含有ガスは三フッ化窒素ガスであるとともに、前記フッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスは塩素ガスである
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の真空励起管の洗浄方法。
  6. 基板を収容する真空チャンバと、
    一端から導入される処理ガスを管内で励起させ、他端に連通した前記真空チャンバへ励起された前記処理ガスを導出する真空励起管とを備え、
    前記真空チャンバへ導出された前記励起された処理ガスにより同真空チャンバに収容された前記基板に対して所定の処理を施す真空処理装置において、
    前記真空励起管の前記一端から該真空励起管内を排気する排気系と、
    前記真空励起管の内表面と励起された前記処理ガスとの反応によって前記内表面に生成された反応生成物を該反応生成物との反応によって揮発性の物質に変換する洗浄ガスを前記真空励起管の前記他端から供給する供給部とを備え、
    前記真空励起管の前記一端から該真空励起管内を排気するとともに、前記真空励起管における前記真空チャンバ側から該真空励起管の他端に向けて前記洗浄ガスを供給して、前記反応生成物を前記真空励起管から除去することを特徴とする真空処理装置。
  7. 前記真空励起管が、石英あるいはサファイアからなる内表面を有して、該真空励起管の外部から供給される高周波によって前記処理ガスである窒素含有ガスを励起する放電管で
    あり、
    前記反応生成物が、前記放電管の内表面である酸化物表面と励起された前記窒素含有ガスとの反応によって前記酸化物表面に生成された窒化物であり、
    前記供給部は、
    フッ素含有ガスと、フッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスとからなる前記洗浄ガスを前記放電管に対してその真空チャンバ側から供給して前記放電管内にフッ化ハロゲンを生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載の真空処理装置。
  8. 請求項7に記載の真空処理装置において、
    前記真空励起管に高周波を供給する高周波源を備え、
    前記高周波源は、
    前記放電管に供給された前記フッ素含有ガスと前記フッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスとに高周波を供給することによって前記フッ化ハロゲンを生成する
    ことを特徴とする真空処理装置。
  9. 請求項7又は8に記載の真空処理装置において、
    前記供給部には、該供給部から供給される前記洗浄ガスを加熱する加熱部が更に設けられてなる
    ことを特徴とする真空処理装置。
  10. 請求項9に記載の真空処理装置において、
    前記供給部は、前記フッ素含有ガスを供給する第1の供給部と前記フッ素元素以外のハロゲン元素を含有するガスを供給するガスを供給する第2の供給部とからなり、前記加熱部は、前記第1の供給部に設けられてなる
    ことを特徴とする真空処理装置。
  11. 前記フッ素含有ガスは三フッ化窒素ガスであるとともに、前記フッ素以外のハロゲン元素を含有するガスは塩素ガスである
    請求項7〜10のいずれか一項に記載の真空処理装置。
  12. 請求項6〜11のいずれか1項に記載の真空処理装置において、
    前記真空チャンバと前記真空励起管とを連通と非連通とに切り替えるバルブを更に備え、
    前記バルブは、
    前記真空励起管の前記一端から該真空励起管内を排気するときに前記真空チャンバと前記真空励起管とを非連通とする
    ことを特徴とする真空処理装置。
  13. 請求項6〜12のいずれか1項に記載の真空処理装置において、
    前記真空励起管から排気される成分に基づき該真空励起管内に前記反応生成物があるか否かを検出する検出部を備える
    ことを特徴とする真空処理装置。
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