JP2011096481A - 間接水冷ランプユニット - Google Patents

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和之 森
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【課題】放電管の外周に外管が被嵌された二重管ランプと、該二重管ランプの外管の周囲を覆うように設けられた冷却管とを備え、該冷却管と二重管ランプの間に冷却水流路が形成された間接水冷ランプユニットにおいて、前記冷却管の修理等のメンテナンスを容易にした構造を提供することにある。
【解決手段】前記二重管ランプの外管の両端に保持ブロックが取り付けられ、該保持ブロックには、前記冷却管が着脱自在に取り付けられることにより、これらを一体化してユニットとし、前記保持ブロックには前記冷却水流路に連通する冷却水口が設たことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、間接水冷ランプユニットに関するものであり、特に、光化学反応用装置の紫外線照射光源や、半導体基板や液晶基板を露光する露光装置の紫外線照射光源として用いられる間接水冷ランプユニットに係わるものである。
従来、インクや塗料の乾燥、樹脂の硬化処理に使用する光化学反応用装置の紫外線照射光源や、半導体基板や液晶ディスプレイ用の液晶基板を露光する露光装置の紫外線照射光源としては、ロングアーク型高圧放電ランプが用いられている。
この種のランプにおいては、ランプ自体の破損防止のためや、被処理物への熱的影響を回避するために、冷却されて使用されることが通常である。
本出願人は、この冷却を効率的かつ効果的に行うことができる構造をもつロングアーク型高圧放電ランプとして、放電管の外周に外管を接触状態ないしは密着状態に設け、該外管の周囲を冷却することによって、放電管を間接的に冷却する間接水冷ランプを提案している。特開2008−146962号公報がそれである。
図4に該従来技術が示されている。同図において、二重管ランプ30は直管状の放電管31と、その外周に同心状に被嵌された外管35とからなる。前記放電管31は直管状の内管32と、その両端の封止部33、33とからなり、その放電空間S内には一対の電極34、34が対向配置されている。
前記放電管31は外管35内に挿通されており、その外表面は少なくとも一部で外管35の内表面に接触状態ないしは密着状態となるように配置されている。
上記放電管31と外管35とは、両端部において、接着剤36とベース37によって一体化されている。
一方、光照射装置40を構成する架台41、42には冷却管43が取り付けられており、前記架台41、42に形成された冷却水通路44、45が前記冷却管43と連通している。
前記二重管ランプ30は、冷却管43内に挿入されて、架台41、42に対して固着手段46、47によって着脱自在に取り付けられている。この構造によって、冷却管43とランプ30との間には冷却水流路48が形成される。
そして、ランプ30の上方には反射ミラー50が設けられ、ランプ30からの光は、下方のマスクステージ51に支持されたマスクMを介して、ワークステージ52上のワークWに照射されるものである。
上記構成において、冷却水は冷却水通路44から冷却管43に流入して、冷却水流路48を流れ、冷却水通路45に流出する。その間に、冷却水流路48を流れる冷却水によって、外管35を介してランプ30を構成する放電管31が間接的に冷却されるものである。
ランプ30の交換等のメンテナンスに当たっては、固着手段46、47を外し、当該ランプ30を架台41、42から取り外すことによって行われる。
該従来技術によれば、放電管31が外管35に接触状態もしくは密着状態に挿入されているため、外管35を介しての冷却が効率的に行われるものである。
ところで、上記従来技術においては、二重管ランプ30を構成する放電管31と外管35、およびその周囲に設けた冷却管43は、いずれも放電管31からの紫外光を透過するので、その紫外光による影響を受けることになるが、これらのうちで、特に、冷却管43が最も大きな影響を受け、紫外線歪によって破損するという事故が発生することがあった。
通常、同じ材料であれば温度が低いほど紫外線歪によるダメージが大きい。これは、温度が高くなる材料においては紫外線歪が緩和されるが、温度が低いと該紫外線歪が緩和されることがなく蓄積されていくからである。
上記従来の紫外線照射装置では、放電空間に直接曝される放電管31の温度が最も高くなり、次いでこれに当接する外管35の温度が高く、冷却管43は内部を冷却水が流れるため最も温度が低くなる。
放電管31から照射される光は、外管35、そして冷却管43を透過してワークWに照射されるが、温度の高くなる放電管31および外管35においては紫外線歪が緩和されるが、温度の低い冷却管43では紫外線歪が緩和されることがなく、計時的に蓄積されていく。
この紫外線歪の蓄積が所定量に達すると、冷却管43が破損するという事故が発生しており、ひとたび破損が発生すると、最悪の場合水漏れ事故を招くことがあった。
このように、冷却管43が破損した場合、その交換をすることになるが、上記構成では、ランプ30は架台41、42から容易に取り外すことができるが、冷却管43を架台41、42から取り外すことは簡単な作業ではなく、かつ、ランプ30を取り外した後に取り外すという煩雑な作業となり、長時間を要するという問題があった。
特開2008−146962号公報
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、発光管の外周に外管が被嵌されてなる二重管ランプを冷却管内に挿入配置したものにおいて、冷却管の交換作業を簡便化したランプユニットを提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、この発明では、発光管の外周に外管が被嵌された二重管ランプと、その周囲を覆うように設けられた冷却管と備え、該冷却管と二重管ランプの間に冷却水通路が形成された間接水冷ランプユニットにおいて、前記二重管ランプの外管の両端に保持ブロックが取り付けられ、該保持ブロックには前記冷却管が着脱自在に取り付けられるとともに、前記冷却水通路に連通する冷却水口が設けられていることを特徴とする。
また、前記保持ブロックにはICタグが埋設されていることを特徴とする。
更には、前記冷却水口には水栓プラグが取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、放電管と外管とより成る二重管ランプと、冷却管とを保持ブロックによって一体化し、ランプユニットとしたことにより、該ランプユニットを光照射装置の架台に着脱自在とすることができ、メンテナンス時には該ランプユニットごと取り外すことによって、最も交換頻度が高い冷却管のメンテナンスが容易に行えるという効果を奏する。
また、前記保持ブロックに、ランプの使用条件等の種々のランプ情報が書き込まれるICタグを埋設するようにしたので、冷却水によって冷却された保持ブロックにより該ICタグが冷却されて、温度上昇して動作不良を起こす事故を回避できるものである。
本発明に係る間接水冷ランプユニットの全体断面図。 図1の部分断面図。 図1のランプユニットを支持するブロックを示す側面図。 従来技術の断面図。
図1はこの発明の間接水冷ランプユニットを示し、図2はその要部の拡大図である。
図において、本発明のランプユニット1は、放電管4とその外周に被嵌された外管5とからなる二重管ランプ2と、該二重管ランプ2の外周に設けられた冷却管3とからなる。そして、前記外管5と前記冷却管3との間には冷却水流路6が形成されている。
前記二重管ランプ2の構成については、図4に示した従来技術のものと同様なものである。
前記二重管ランプ2の端部には、絶縁性材料、例えばプラスチックやセラミックからなる保持ブロック7が着脱自在に取り付けられている。該保持ブロック7には内径の異なる3つの段部8a、8b、8cからなる貫通孔8が形成されていて、前記ランプ2の外管5はその最小径段部8aに挿入されて、保持ブロック7の端面にネジ9aによって取り付けられるフランジ10aとOリング11aによって該保持ブロック7に水密状態に取り付けられる。
一方、前記保持ブロック7の最大径段部8cには冷却管3が挿入されて、同様に、ネジ9b、フランジ10b、Oリング11bによって該保持冷ブロック7に水密状態に取り付けられている。
また、保持ブロック7には、貫通孔8の中間段部8bに開口する冷却水口13が穿設されており冷却水流路6と連通状態となっている。該冷却水口13には水栓プラグ14が取り付けられていて、該水栓プラグ14には冷却水パイプ15が接続されている。
なお、この実施例では冷却水口13に取り付けた水栓プラグ14に冷却水パイプ15を接続するものとしたが、水栓プラグ14を設けずに、冷却水パイプ15を直接冷却水口13に接続する構成であってもよい。
また、図2においては冷却水の導入側を説明したが、図1における左端側、即ち導出側においても同様の構造である。
更に、保持ブロック7の外周には小さな凹所16が穿たれていて、その底部にICタグ17がシリコーンゴム18などによって埋設されている。
該ICタグ17にはランプの使用条件等のランプ情報が書き込まれる。このICタグ17への情報の書き込みは、別途説明するホルダー内に埋設されたICタグ用アンテナユニットによって行われる。
図3に、上記ランプユニット1を保持するためのホルダー19が示されている。
図において、ホルダー19は2分割構造の上部ホルダー19aと下部ホルダー19bとからなり、両者はランプユニット1の端部の保持ブロック7を上下から挟持するようにネジ20によって合体される。なお、21はランプユニット1における水栓プラグ14および冷却水パイプ15を挿通するための開口である。
そして、上部ホルダー19aにはICタグ用アンテナユニット22が埋設されていて、上下ホルダー19a、19bが保持ブロック7を挟んで合体されたとき、該水冷ブロック7に埋め込まれた前記ICタグ17と対向するように配置されている。この配置によって、ランプユニット1のICタグ17とホルダー19のICタグ用アンテナユニット22とが自動的に対向位置におかれて、アンテナユニット22とICタグ17とが通信可能となる。
なお、ICタグ17自体の機能に関しては、特開2008−269975号公報、特開2009−104942号公報などに開示されたものと同様の機能を有するものであり、各種のランプ情報が記録されるものである。
例えば、ランプの使用条件として、積算点灯時間、点灯回数、点灯電圧、照度維持率などが記録され、これらのデータから冷却管3や外管5などに蓄積された紫外線歪量を算出することができる。
上記ホルダー19は、図示しない光照射装置の架台に組み込まれていて、該ホルダー19にランプユニット1を保持することによって、該ランプユニット1は光照射装置内に組み込まれる。
上記構成において、ランプユニット1の修理等のメンテナンスを行う際には、まず水栓プラグ14から冷却水パイプ15を取り外し、次いでホルダー19の上部ホルダー19aと下部ホルダー19bの結合を解き、ランプユニット1を該ホルダー19から取り外す。そして、ランプユニット1全体を、新たに準備しておいたランプユニット1と交換し、装置を速やかに復旧させる。これにより装置のダウンタイムの大幅な短縮が図れる。
また、取り外したランプユニット1は、ネジ9a、9bを緩めてフランジ10a、10bを取り外し、保持ブロック7から二重管ランプ2と冷却管3とを個別に取り外して、これらに蓄積された紫外線歪量を解析して部分的な補修・交換で再利用可能と判断されれば、前記二重管ランプ2や冷却管3をそれぞれ補修・交換などの作業を行った後に再度使用しても構わない。
以上のように、本発明によれば、放電管と外管とからなる二重ランプと、その周囲に設けられた冷却管とを、保持ブロックによって一体化してランプユニットとし、前記保持ブロックに冷却水を導入して冷却間と二重ランプの外管との間の冷却水通路に流す構成としたので、ランプユニット全体を光照射装置から取り外せて、最も紫外線歪の影響を受けてダメージを受け易い冷却管のメンテナンスが容易に可能となるとういう効果を奏するものである。
また、ランプ情報が記録されるICタグを保持ブロック内に埋設したことにより、冷却水により冷却される保持ブロックによってICタグが冷却されることになるので、通常100℃程度で動作しなくなり通信不能となるICタグを、効果的に冷却して持続的な通信動作が維持できるようになる。
1 間接水冷ランプユニット
2 二重管ランプ
3 冷却管
4 放電管
5 外管
6 冷却水流路
7 保持ブロック
8 貫通孔
9 ネジ
10 フランジ
11 Oリング
13 冷却水口
14 水栓プラグ
15 冷却水パイプ
17 ICタグ
19 ホルダー
22 ICタグ用アンテナユニット


Claims (3)

  1. 放電管の外周に外管が被嵌された二重管ランプと、該二重管ランプの外管の周囲を覆うように設けられた冷却管とを備え、該冷却管と二重管ランプの間に冷却水流路が形成された間接水冷ランプユニットにおいて、
    前記二重管ランプの外管の両端に保持ブロックが取り付けられ、該保持ブロックには、前記冷却管が着脱自在に取り付けられとともに、前記冷却水流路に連通する冷却水口が設けられていることを特徴とする間接水冷ランプユニット。
  2. 前記保持ブロックにはICタグが埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の間接水冷ランプユニット。
  3. 前記冷却水口に水栓プラグが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の間接水冷ランプユニット。


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