JP2006260795A - 閃光放電ランプおよび光照射装置 - Google Patents

閃光放電ランプおよび光照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 特定波長域の紫外光に係る放射効率が高く、十分な使用寿命を有する閃光放電ランプおよび光照射装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の閃光放電ランプは、内部に希ガスが封入されると共に一対の電極が対向して配設された透光性セラミックス製の発光管を備え、当該発光管の外表面を冷却する水冷機構を有する閃光放電ランプであって、希ガスの封入圧が静圧で40〜360kPaであり、波長200〜300nmの紫外光の放射効率が5%以上となるようピーク電流密度が設定された条件で点灯されることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、波長200〜300nmの紫外光を放射する閃光放電ランプに関し、具体的には、例えば塗料の耐候試験または退色試験、紫外光による親水化処理または清浄化処理などの表面改質処理に利用される紫外光の擬似点状光源として用いられる閃光放電ランプおよび光照射装置に関する。
例えば塗料の耐候試験または退色試験、紫外光を利用して行われる物品表面の親水化処理または清浄化処理などの表面改質処理においては、波長200〜300nmの紫外光(以下、単に「特定波長域の紫外光」ともいう。)を照射する方法が利用されている。そして、このような特定波長域の紫外光を大きい強度で放射する光源ランプとしては、例えばカドミウム希ガス放電ランプが知られている(例えば特許文献1参照)。
然るに、近年においては、既述のような耐候試験、退色試験または表面改質処理において、処理効率の向上、その他の目的で更に大きい放射強度を有する特定波長域の紫外光が得られる光源ランプが要望されている。
カドミウム希ガス放電ランプにおいては、その発光メカニズムから、封入ガスの密度が高いほど発光効率は高くなるが、当該封入ガスの密度が過大である場合には、当該封入ガス自体による特定波長域の紫外光の吸収が顕著となるために、特定波長域の紫外光の放射効率は却って低下してしまうこととなる。このような理由から、封入ガスの封入圧を最適化しなければ、高い放射効率を得ることができない。
また、カドミウム希ガス放電ランプにおいては、アーク温度が高いほど高い発光効率が得られるが、アーク温度が過大である場合には、電極または発光管などの構成部材に対する負荷が過大となり、結局、カドミウム希ガス放電ランプの動作が不安定となる。このような理由から、実際のカドミウム希ガス放電ランプの使用に際しては、アーク温度を安定的な動作が保障される温度範囲とするために、入力電力を制限することが必要となる。
以上のように、カドミウム希ガス放電ランプにおいて、特定波長域の紫外光について高い放射効率を得るために、単に、例えば封入ガスの封入圧を高くし、または点灯電流を大きくすることは実際的ではなく、結局、特定波長域の紫外光について高い放射効率を実現することは困難である。
更に、カドミウムは環境汚染物質であるために、例えば破損などによって自然環境中に流出した場合に、環境に対する負荷が極めて大きく、この点からもカドミウム希ガス放電ランプに代わる光源ランプであって特定波長域の紫外光を高い放射効率で放射するものが望まれている。
一方、例えば発光管内に希ガスが充填された閃光放電ランプにおいて、高い電流密度の点灯電流を供給して高いプラズマ温度を実現することにより、200〜300nmの範囲に波長を有する強い輝線状イオン発光を得ることができることが知られている(例えば非特許文献1参照)。
しかしながら、閃光放電ランプを単に高い電流密度となる点灯電流で点灯させた場合には、特定波長域の紫外光を得ることはできても、当該閃光放電ランプの使用寿命が短くなり、通常要求される106 回の点灯寿命を実現することができない。
特開平7−50154号公報 アイ・エス・マルシャク(I. S. Marshak)著, 「パルスライトソース(Pulse light sources)」, (米国), コンサルタントビューロー(Cousultants bureau), 1984年, p. 211〜212
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、特定波長域の紫外光に係る放射効率が高く、十分な使用寿命を有する閃光放電ランプ並びに光照射装置を提供することを目的とする。
本発明の閃光放電ランプは、内部に希ガスが封入されると共に一対の電極が対向して配設された透光性セラミックス製の発光管を備え、当該発光管の外表面を冷却する水冷機構を有する閃光放電ランプであって、
希ガスの封入圧が静圧で40〜360kPaであり、
波長200〜300nmの紫外光の放射効率が5%以上となるようピーク電流密度が設定された条件で点灯されることを特徴とする。
上記において水冷機構は、前記発光管の外径より大きい内径を有する外套管内に発光管が配設されて構成され、
トリガー電極が外套管の外側に設置されていることが好ましい。
また、発光管を形成する透光性セラミックスがサファイアであり、希ガスがキセノンガスであることが好ましい。
本発明の光照射装置は、上記記載の閃光放電ランプが凹面反射鏡に配設されてなることを特徴とする。
本発明の閃光放電ランプによれば、発光管が熱伝導性に優れた透光性のセラミックスよりなり、しかも、その外表面が水冷機構により冷却される構成とされているため、基本的に、高いピーク電流密度となる点灯電流の供給が可能である。そして、発光管内に封入ガスが静圧で40〜360kPaで封入されると共に、高いピーク電流密度の点灯電流によって点灯されることにより、特定波長域の紫外光を5%以上という高い放射効率で安定的に得ることができ、しかも、実用上十分な使用寿命が実現される。
また、トリガー電極が外套管の外側に設置された構成によれば、当該トリガー電極が、水冷機構に係る水流に干渉することがないために高い冷却効果が確実に得られる。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の閃光放電ランプの一例における構成の概略を示す説明用断面図である。
この閃光放電ランプ10は、ランプ本体11と、水冷機構とにより構成されている。
ランプ本体11は、両端が封止部材104によって封止された直管状の透光性セラミックス製の発光管101を備えており、この発光管101内には、一対の電極102が対向配置されている。すなわち、電極102を先端に有する、例えばタングステンよりなる電極棒103が、発光管101内をその管軸方向に沿って内方に伸び、後端が発光管101の両端における封止部材104を気密に貫通して外方に突出するよう配置されている。
このランプ本体11は、その発光管101と平行に伸びる連結ビーム(図示せず)によって互いに連結された一対の肉厚円盤状の支持部材13によって支持されている。すなわち、支持部材13の中央に形成された貫通孔131内にランプ本体11の両端部が挿入されて保持され、更に、支持部材13の外面133aと、当該支持部材13の外面133aに接近するようネジ134aによって連結された平板リング状のO−リング締め付け板135aとの間にO−リング136aが挟圧されており、これにより、発光管101が支持されると共に、支持部材13との間における液密性が実現されている。
また、発光管101の外径より大きい内径を有する外套管12が、その両端部において支持部材13に支持されると共に、支持部材13の内面133bと、当該支持部材13の内面133bに接近するようネジ134bによって連結された平板リング状のO−リング締め付け板135bとの間にO−リング136bが挟圧されており、これにより、外套管12が支持されると共に、支持部材13との間における液密性が実現されている。
このようにしてランプ本体11が、外套管12の内部において、外套管12の内周面との間に円筒状ギャップ121が形成されるよう同軸状に配設された構成とされている。そして、この外套管12の外側には、その外表面に沿って、例えばコイル状に巻回された外部トリガー電極(図示せず)が設けられている。
支持部材13には、その外周壁面から貫通孔131に通ずる孔により冷却水流路部分部分132が形成されており、これが支持部材13の内面側において発光管101の外周面との間に形成された空隙を介して、円筒状ギャップ121に連通された状態とされている。
以上の構成においては、支持部材13に係る冷却水流路部分132、貫通孔131の内部において形成された空隙および、円筒状ギャップ121によって冷却水流通路が形成されている。そして、この冷却水流通路に図示しない冷却水供給系が接続されることにより、水冷機構が構成されている。
図1において、14は、一方の支持部材13に連結された灯具取付用部材である。
以上の閃光放電ランプ10において、電極を構成する材料としては、例えば二酸化ランタン(La2 3 )を含有するタングステン(La−W)、タングステン、トリウムを含有するタングステン(Th−W)、セリウムを含有するタングステン(Ce−W)などを用いることができる。
発光管を構成する透光性セラミックスとしては、高い耐熱性および熱伝導性を有し、特定波長域の紫外光を透過するものが用いられ、例えばサファイア、YAG、イットリア、窒化アルミニウムなどを用いることができ、特にサファイアを好ましく用いることができる。ここで、セラミックス製の発光管101の管壁の厚さは、加工の容易性および管壁負荷に対する耐久性の観点から、例えば0.5〜3mm、特に0.5〜1.5mmであることが好ましい。
発光管101内には、例えばアルゴン、キセノン、クリプトンなどの希ガスおよびこれらの混合ガスが発光物質として封入されており、特にキセノンが好ましく用いられる。この希ガスの封入圧は静圧で40〜360kPaの範囲とされる。希ガスの封入圧が上記の範囲とされることにより、高電流密度の点灯電流で発光させた場合に、5%以上の高い放射効率が実現される。
外套管を構成する材料としては、特定波長域の紫外光を透過する、例えば合成石英ガラス、溶融石英ガラス、サファイアなどが用いられる。ここで、外套管12の管壁の厚さは、例えば、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
以上の閃光放電ランプ10において、発光管101の外径は、例えば5mm〜12mmとされ、また、外套管12の内径は、例えば6mm〜14mmとされ、発光管101の外径と、外套管12の内径の差が、例えば1mm以上であることが好ましい。これにより、発光管101の外表面と外套管12の内表面との間に区画形成される円筒状ギャップ121による冷却水チャネルが、当該発光管101の外表面の冷却に必要とされる量の冷却水を流過させるのに十分なものとなる。
水冷機構における冷却条件は、閃光放電ランプ10に対して入力される点灯電流などの点灯条件に応じて適宜設定されればよく、冷却水の流量が、例えば2〜20L/minとされ、当該冷却水の温度が、例えば20〜40℃とされる範囲で設定されればよい。
上記の閃光放電ランプは、その希ガスの封入圧に応じた高いピーク電流密度となるような点灯電流が供給されることにより点灯される。
図2は、本発明の閃光放電ランプの他の例における構成の概略を示す説明用断面図である。
この閃光放電ランプ20は、ランプ本体21と、水冷機構とにより構成されている。
ランプ本体21は、両端が導電性の材質、例えば金属よりなる封止部材203によって封止された直管状の透光性セラミックス製の発光管201を備えており、この発光管201内には、一対の電極202が封止部材203の先端において保持された状態で対向配置されている。また、封止部材203の外端部が発光管201の外端から突出すると共に、その外端面には、管軸方向外方に突出する螺合用連結部材204が発光管201の中心軸と同一軸上に形成されている。
このランプ本体21は、その螺合用連結部材204が、各々、一対の給電ブロック22に設けられた円筒状の金属製螺合用連結部材221に螺合されることにより、当該一対の給電ブロック22と電気的に連結されている。そして、図示する構成においては、給電ブロック22の一方には、灯具取付用螺合用連結部材23が形成されており、この灯具取付用螺合用連結部材23が適宜の固定部材に装着されることにより、当該ランプ本体21および一方の給電ブロック22が一体的に支持されると共に、当該ランプ本体21によって他方の給電ブロック22が支持される。
この構成においては、一対の給電ブロック22を互いに連結する連結ビームは不要である。
発光管201の外径より大きい内径を有する外套管24は、その両端面に対接する円筒状の一対の対接部材25を介して、前記一対の給電ブロック22によって両端側から管軸方向内方に挟持されることにより支持されており、これにより、ランプ本体21が、外套管24の内部空間において、外套管24の内周面との間に円筒状ギャップ222が形成されるよう同軸状に配設され構成とされている。
給電ブロック22は導電性材料よりなる円柱状のものであり、その内端面には円筒状の螺合用連結部材221が、給電ブロック22の中心軸と同一軸上において内方に突出して設けられていると共に、その外端面には円筒状の灯具取付用螺合用連結部材23が、給電ブロック22の中心軸と同一軸上において外方に突出して設けられている。
そして、この給電ブロック22には、その外周壁面から屈曲して螺合用連結部材221の内部空間に通じる孔により冷却水流路部分223が形成されている。ここで、螺合用連結部材221の基端部には複数の貫通孔221aが形成されており、これにより、冷却水流路部分223が対接部材25の内部空間に連通すると共に、当該対接部材25の内部空間を介して、円筒状ギャップ222に連通された状態とされている。
以上において対接部材25は、その中央領域において外套管24の内径と等しい内径を有すると共に、この中央領域の両端に一体的に連続する端部領域が当該中央領域より大きい内径を有する円筒状のものとされており、その内周面における、中央領域および端部領域の境界には、軸方向に垂直な立ち上がり面が段状に形成された状態とされている。そして、この立ち上がり端面の一方が給電ブロック22の内面に対接されると共に、その他方が外套管24の端面に対接されている。
そして、給電ブロック22および対接部材25の間における液密性は、当該給電ブロック22および対接部材25の対接部に位置されたO−リング261と、このO−リング261を締め付けるO−リング締め付け部材271によって実現されている。このO−リング締め付け部材271は、具体的には、対接部材25の端部領域の外周面に螺合する二重筒状のものであり、この外筒壁の内面において対接部材25の外周面と螺合することにより、内筒壁の端面と対接部材25の段部端面との間でO−リング261を挟圧するものである。
また、対接部材25および外套管24の間における液密性は、当該外套管24および対接部材25の対接部に位置されたO−リング262と、このO−リング262を締め付ける、前記O−リング締め付け部材271と同様の構成を有するO−リング締め付け部材272によって実現されている。
以上の構成においては、給電ブロック22に係る冷却水流路部分223、対接部材25の内部空間および、円筒状ギャップ222によって冷却水流通路が形成されている。そして、この冷却水流通路に図示しない冷却水供給系が接続されることにより、水冷機構が構成されている。
図2に示す構成の閃光放電ランプ20によれば、一対の給電ブロック22を互いに連結する連結ビームが不要であることから、ランプ本体21から外周方向に放射される放射光が遮蔽されることがなく、従って、閃光放電ランプ20に係る特定波長域の紫外光の放射効率が不必要に低下されることがない。
なお、外套管24の外側には、その外表面に沿って、例えばコイル状に巻回された外部トリガー電極205が設けられており、これにより、水冷機構に係る冷却水の流れが当該外部トリガー電極205によって干渉されることがなく、従って、所期の冷却効果が確実に得られることとなる。また、電極202、発光管201、外套管24などの閃光放電ランプ20の構成部材に係る材料、寸法、および、発光管201内に封入される希ガスの種類並びに希ガスの封入圧などの構成は図1に示す閃光放電ランプ10に係る構成と同様である。
本発明において、以上の図1または図2に示す構成の閃光放電ランプは、特定波長域の紫外光の放射効率が5%以上となるよう、ピーク電流密度が設定された条件で点灯されるものである。
特定波長域の紫外光の放射効率が5%以上となるようなピーク電流密度の値は、発光管に封入された希ガスの封入圧によって異なり、例えば、希ガス封入圧が静圧で40kPaである場合には7000A/cm2 以上、希ガス封入圧が静圧で80kPaである場合には5400A/cm2 以上、希ガス封入圧が静圧で160kPaである場合には4400A/cm2 以上、希ガス封入圧が静圧で240kPaである場合には8400A/cm2 以上、希ガス封入圧が静圧で360kPaである場合には11000A/cm2 以上であり、このような点灯条件で点灯された場合、例えば10Hz以上の点灯周波数で最少発光回数が106 〜107 回と、実用上十分な使用寿命が得られる。そして、上記希ガス封入圧が40kPa未満である場合には、電流密度の高い点灯電流を供給しても、特定波長域の紫外光を高い放射効率で得ることができない。
ここで、ピーク電流密度とは、[ピーク電流/放電路の面積(発光管の断面積)]により算出される値である。
また、特定波長域の紫外光の放射効率とは、閃光放電ランプから放射される紫外放射光の分光照度分布[W/cm2 ]を、閃光放電ランプ中心軸から距離d[cm]離間した位置において紫外光分光器を用いて測定し、得られた分光照度分布から波長200〜300nmの成分を積分した照度I[W/cm2 ]を求めると共に、式:P=I×4πd2 により、光源点における波長200〜300nmの紫外光の放射強度P[W]を求め、更に、閃光放電ランプに対する電気入力Pin[W]により放射強度Pを除することにより得られる値η%(η%=P/Pin×100)である。
上記の点灯条件について具体的に説明する。
<実験例1>
例えば図2に示す構成の閃光放電ランプ(20)であって、内径が3mm、管壁厚さが0.75mmのサファイア製の発光管(201)と、内径が4mmの合成石英ガラス製の外套管(24)と、La2 3 を含有するタングステン(La−W)よりなる一対の電極(202)とを有してなり、電極間距離で示される発光長の大きさが25mmであると共に、当該発光管(201)内には、封入ガスとしてキセノンガスが、40kPaの封入圧で封入されているものを作製した。
また、閃光放電ランプ(20)に係る水冷機構において、冷却水の水温は20℃、流量を4L/minとした。
そして、この閃光放電ランプ(20)について、特定波長域の紫外光の放射効率を、ピーク電流密度値が各々異なる複数の点灯条件下において求めた。結果を図4のグラフに示す。
<実験例2〜5>
キセノンガスを、それぞれ80kPa、160kPa、240kPa、360kPaの封入圧で封入したこと以外は実験例1と同様に、合計4本の閃光放電ランプ(20)を作製し、その各々について特定波長域の紫外光の放射効率を求めた。結果を図4に示す。
<比較実験例1〜3>
また、キセノンガスを、それぞれ4kPa、13.3kPaおよび480kPaの封入圧で封入したこと以外は実験例1と同様に、合計3本の閃光放電ランプ(20)を作製し、その各々について特定波長域の紫外光の放射効率を求めた。結果を図4に示す。
図4に示されるように、発光管に封入されたキセノンガスの封入圧が40〜360kPa(実験例1〜5)の範囲である閃光放電ランプに対して、ピーク電流密度が、例えば6000A/cm2 程度以上の高い値となる点灯電流を入力した場合には、特定波長域の紫外光について5%以上の高い放射効率が得られることが明らかである。また、実験例1〜5に係る閃光放電ランプは、10Hzの点灯周波数で最大発光回数が107 〜108 回と、実用上十分な使用寿命が得られるものであった。
一方、発光管に封入されたキセノンガスの封入圧が、40〜360kPaの範囲外の値であって、4kPa、13.3kPaおよび480kPaである閃光放電ランプにおいては、最大で14000A/cm2 という高いピーク電流密度となる点灯電流を入力した場合においても、5%以上の特定波長域の紫外光に係る放射効率を得ることができず、上記希ガスの封入圧が技術的意味を有していることが確認された。
一般に、従来の石英ガラス製の閃光放電ランプは、ピーク電流密度が3000A/cm2 以下となる点灯電流で点灯動作されるものであり、このような値に比して高いピーク電流密度値となる既述のような点灯条件で点灯動作された場合には、例えば10Hzの点灯周波数で最少発光回数が103 回程度となり実用的でない。
このことを考慮すると上記の点灯条件は、ピーク電流密度の値が極めて高いものであることが理解される。すなわち、40〜360kPaの範囲で希ガスの封入圧が選択された閃光放電ランプに対して、高いピーク電流密度となる点灯電流を入力することにより、特定波長域の紫外光について5%以上という高い放射効率が得られるのである。しかも、上記の閃光放電ランプは、このように高いピーク電流密度となる条件で点灯動作された場合においても実用上十分な使用寿命を備えもつものである。
以上によれば、例えば図1または図2に示す構成を有してなる閃光放電ランプが、希ガスが40〜360kPaの封入圧で封入された発光管を備えた構成を有し、ピーク電流密度が当該希ガスの封入圧に対応して既述の範囲となる点灯電流で点灯されることにより、特定波長域の紫外光について5%以上という大きな放射効率が実現され、しかも、実用上十分な使用寿命が得られる。これは、発光管が高い熱伝導性を有するセラミックスにより形成されており、その外表面が水冷機構により冷却されるため、上記のような高いピーク電流密度となる点灯電流が入力された場合においても、負荷が実質的に軽減されるからである。その結果、当該閃光放電ランプにおいては、例えば10Hz以上の点灯周波数で最少発光回数が106 〜107 回と、実用上十分な使用寿命が得られる。従って、例えば塗料の耐候試験または退色試験、紫外光を利用して行われる物品表面の親水化処理または清浄化処理などの表面改質処理においても有用である。
また、発光管が透光性セラミックス製であることにより、高い管壁負荷に起因して白濁が発生することが防止され、その結果、高い照度が長期間にわたって維持される。
図3は、本発明に係る閃光放電ランプを備えてなる光照射装置の一例における構成の概略を示す説明用断面図である。
この光照射装置30は、図2に示す構成を有する閃光放電ランプ20が、この閃光放電ランプ20から放射された特定波長域の紫外光を一方向に反射して照射する凹面反射鏡31内に配設されることにより構成されている。
凹面反射鏡31は、例えば内表面に紫外光反射被膜が形成された、パイレックスガラス(登録商標)などの低膨張ガラスまたは金属製の基材により形成された椀状のものであって、前方(図3において右方)に光投射用開口311が形成されており、後方の頭頂部にランプ取り付け用開口312が形成されてなる。このような凹面反射鏡31は、光投射用開口311が、閃光放電ランプ20の電極間距離の5倍以上の径を有するものであることが好ましく、これにより、光照射装置30を擬似点光源として好適に使用することができる。
ランプ取り付け用開口312の後背面にはステージ33が設けられており、このステージ33に支持された、導電性部材よりなるランプ固定部材34に閃光放電ランプ20の当具取り付け用螺合用連結部材が螺合され、これにより、閃光放電ランプ20に係る発光管の大部分がランプ取り付け用開口312を介して凹面反射鏡31の内部に位置するよう当該閃光放電ランプ20が保持される。
ここで、ステージ33には、ランプ位置調整機構32が設けられており、これにより、閃光放電ランプ20に係る管軸の位置が、凹面反射鏡31に係る光軸と一致するよう調整することが可能である。
図示の例においては、閃光放電ランプ20の水冷機構に対して冷却水を供給する冷却水供給管351および閃光放電ランプ20に点灯電流を供給する一方のリード線361が光投射用開口311を介して閃光放電ランプ20の先端側(図3において右側)に伸び、また、水冷機構から冷却水を排出する冷却水排出管352および外部トリガー電極に電力を供給するリード線363がステージ33と凹面反射鏡31との間からランプ取り付け用開口312を介して閃光放電ランプ20の基端側(図3において左側)に伸び、それぞれ、閃光放電ランプ20に接続されている。また、閃光放電ランプ20に係る他方のリード線362は、ランプ固定部材34を介して閃光放電ランプ20に電気的に接続されている。
以上の構成を有する光照射装置においては、閃光放電ランプに対して、特定波長域の紫外光の放射効率が5%以上となるよう、ピーク電流密度が設定された条件において点灯電流が供給される。その結果、光照射装置において、点灯電流に係る入力エネルギー量に比して高い効率で特定波長域の紫外光を得ることができ、従って、例えば500W程度の比較的小型の電源装置を用いた場合においても、特定波長域の紫外光を、例えば25W以上という比較的大きい出力で得ることができる。しかも、光照射装置として実用上十分な使用寿命が実現される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
本発明の閃光放電ランプの一例における構成の概略を示す説明用断面図である。 本発明の閃光放電ランプの他の例における構成の概略を示す説明用断面図である。 本発明の閃光放電ランプを備えてなる光照射装置の一例における構成の概略を示す説明用断面図である。 本発明の閃光放電ランプに係る実験例の結果を示すグラフである。
符号の説明
10 閃光放電ランプ
101 発光管
102 電極
103 電極棒
104 封止部材
11 ランプ本体
12 外套管
121 円筒状ギャップ
13 支持部材
131 貫通孔
132 冷却水流路部分
133a 外面
133b 内面
134a ネジ
134b ネジ
135a O−リング締め付け板
135b O−リング締め付け板
136a O−リング
136b O−リング
14 灯具取付用部材
20 閃光放電ランプ
201 発光管
202 電極
203 封止部材
204 螺合用連結部材
205 外部トリガー電極
21 ランプ本体
22 給電ブロック
221 螺合用連結部材
221a 貫通孔
222 円筒状ギャップ
223 冷却水流路部分
23 灯具取付用螺合用連結部材
24 外套管
25 対接部材
261 O−リング
262 O−リング
271 O−リング締め付け部材
272 O−リング締め付け部材
30 光照射装置
31 凹面反射鏡
311 光投射用開口
312 ランプ取り付け用開口
32 ランプ位置調整機構
33 ステージ
34 ランプ固定部材
351 冷却水供給管
352 冷却水排出管
361、362、363 リード線

Claims (4)

  1. 内部に希ガスが封入されると共に一対の電極が対向して配設された透光性セラミックス製の発光管を備え、当該発光管の外表面を冷却する水冷機構を有する閃光放電ランプであって、
    希ガスの封入圧が静圧で40〜360kPaであり、
    波長200〜300nmの紫外光の放射効率が5%以上となるようピーク電流密度が設定された条件で点灯されることを特徴とする閃光放電ランプ。
  2. 水冷機構は、前記発光管の外径より大きい内径を有する外套管内に発光管が配設されて構成され、
    トリガー電極が外套管の外側に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の閃光放電ランプ。
  3. 発光管を形成する透光性セラミックスがサファイアであり、希ガスがキセノンガスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の閃光放電ランプ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の閃光放電ランプが凹面反射鏡内に配設されてなることを特徴とする光照射装置。
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