JP2006260795A - 閃光放電ランプおよび光照射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の閃光放電ランプは、内部に希ガスが封入されると共に一対の電極が対向して配設された透光性セラミックス製の発光管を備え、当該発光管の外表面を冷却する水冷機構を有する閃光放電ランプであって、希ガスの封入圧が静圧で40〜360kPaであり、波長200〜300nmの紫外光の放射効率が5%以上となるようピーク電流密度が設定された条件で点灯されることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
然るに、近年においては、既述のような耐候試験、退色試験または表面改質処理において、処理効率の向上、その他の目的で更に大きい放射強度を有する特定波長域の紫外光が得られる光源ランプが要望されている。
また、カドミウム希ガス放電ランプにおいては、アーク温度が高いほど高い発光効率が得られるが、アーク温度が過大である場合には、電極または発光管などの構成部材に対する負荷が過大となり、結局、カドミウム希ガス放電ランプの動作が不安定となる。このような理由から、実際のカドミウム希ガス放電ランプの使用に際しては、アーク温度を安定的な動作が保障される温度範囲とするために、入力電力を制限することが必要となる。
以上のように、カドミウム希ガス放電ランプにおいて、特定波長域の紫外光について高い放射効率を得るために、単に、例えば封入ガスの封入圧を高くし、または点灯電流を大きくすることは実際的ではなく、結局、特定波長域の紫外光について高い放射効率を実現することは困難である。
しかしながら、閃光放電ランプを単に高い電流密度となる点灯電流で点灯させた場合には、特定波長域の紫外光を得ることはできても、当該閃光放電ランプの使用寿命が短くなり、通常要求される106 回の点灯寿命を実現することができない。
希ガスの封入圧が静圧で40〜360kPaであり、
波長200〜300nmの紫外光の放射効率が5%以上となるようピーク電流密度が設定された条件で点灯されることを特徴とする。
トリガー電極が外套管の外側に設置されていることが好ましい。
図1は、本発明の閃光放電ランプの一例における構成の概略を示す説明用断面図である。
この閃光放電ランプ10は、ランプ本体11と、水冷機構とにより構成されている。
ランプ本体11は、両端が封止部材104によって封止された直管状の透光性セラミックス製の発光管101を備えており、この発光管101内には、一対の電極102が対向配置されている。すなわち、電極102を先端に有する、例えばタングステンよりなる電極棒103が、発光管101内をその管軸方向に沿って内方に伸び、後端が発光管101の両端における封止部材104を気密に貫通して外方に突出するよう配置されている。
このようにしてランプ本体11が、外套管12の内部において、外套管12の内周面との間に円筒状ギャップ121が形成されるよう同軸状に配設された構成とされている。そして、この外套管12の外側には、その外表面に沿って、例えばコイル状に巻回された外部トリガー電極(図示せず)が設けられている。
図1において、14は、一方の支持部材13に連結された灯具取付用部材である。
この閃光放電ランプ20は、ランプ本体21と、水冷機構とにより構成されている。
ランプ本体21は、両端が導電性の材質、例えば金属よりなる封止部材203によって封止された直管状の透光性セラミックス製の発光管201を備えており、この発光管201内には、一対の電極202が封止部材203の先端において保持された状態で対向配置されている。また、封止部材203の外端部が発光管201の外端から突出すると共に、その外端面には、管軸方向外方に突出する螺合用連結部材204が発光管201の中心軸と同一軸上に形成されている。
そして、この給電ブロック22には、その外周壁面から屈曲して螺合用連結部材221の内部空間に通じる孔により冷却水流路部分223が形成されている。ここで、螺合用連結部材221の基端部には複数の貫通孔221aが形成されており、これにより、冷却水流路部分223が対接部材25の内部空間に連通すると共に、当該対接部材25の内部空間を介して、円筒状ギャップ222に連通された状態とされている。
なお、外套管24の外側には、その外表面に沿って、例えばコイル状に巻回された外部トリガー電極205が設けられており、これにより、水冷機構に係る冷却水の流れが当該外部トリガー電極205によって干渉されることがなく、従って、所期の冷却効果が確実に得られることとなる。また、電極202、発光管201、外套管24などの閃光放電ランプ20の構成部材に係る材料、寸法、および、発光管201内に封入される希ガスの種類並びに希ガスの封入圧などの構成は図1に示す閃光放電ランプ10に係る構成と同様である。
特定波長域の紫外光の放射効率が5%以上となるようなピーク電流密度の値は、発光管に封入された希ガスの封入圧によって異なり、例えば、希ガス封入圧が静圧で40kPaである場合には7000A/cm2 以上、希ガス封入圧が静圧で80kPaである場合には5400A/cm2 以上、希ガス封入圧が静圧で160kPaである場合には4400A/cm2 以上、希ガス封入圧が静圧で240kPaである場合には8400A/cm2 以上、希ガス封入圧が静圧で360kPaである場合には11000A/cm2 以上であり、このような点灯条件で点灯された場合、例えば10Hz以上の点灯周波数で最少発光回数が106 〜107 回と、実用上十分な使用寿命が得られる。そして、上記希ガス封入圧が40kPa未満である場合には、電流密度の高い点灯電流を供給しても、特定波長域の紫外光を高い放射効率で得ることができない。
また、特定波長域の紫外光の放射効率とは、閃光放電ランプから放射される紫外放射光の分光照度分布[W/cm2 ]を、閃光放電ランプ中心軸から距離d[cm]離間した位置において紫外光分光器を用いて測定し、得られた分光照度分布から波長200〜300nmの成分を積分した照度I[W/cm2 ]を求めると共に、式:P=I×4πd2 により、光源点における波長200〜300nmの紫外光の放射強度P[W]を求め、更に、閃光放電ランプに対する電気入力Pin[W]により放射強度Pを除することにより得られる値η%(η%=P/Pin×100)である。
<実験例1>
例えば図2に示す構成の閃光放電ランプ(20)であって、内径が3mm、管壁厚さが0.75mmのサファイア製の発光管(201)と、内径が4mmの合成石英ガラス製の外套管(24)と、La2 O3 を含有するタングステン(La−W)よりなる一対の電極(202)とを有してなり、電極間距離で示される発光長の大きさが25mmであると共に、当該発光管(201)内には、封入ガスとしてキセノンガスが、40kPaの封入圧で封入されているものを作製した。
また、閃光放電ランプ(20)に係る水冷機構において、冷却水の水温は20℃、流量を4L/minとした。
そして、この閃光放電ランプ(20)について、特定波長域の紫外光の放射効率を、ピーク電流密度値が各々異なる複数の点灯条件下において求めた。結果を図4のグラフに示す。
キセノンガスを、それぞれ80kPa、160kPa、240kPa、360kPaの封入圧で封入したこと以外は実験例1と同様に、合計4本の閃光放電ランプ(20)を作製し、その各々について特定波長域の紫外光の放射効率を求めた。結果を図4に示す。
また、キセノンガスを、それぞれ4kPa、13.3kPaおよび480kPaの封入圧で封入したこと以外は実験例1と同様に、合計3本の閃光放電ランプ(20)を作製し、その各々について特定波長域の紫外光の放射効率を求めた。結果を図4に示す。
このことを考慮すると上記の点灯条件は、ピーク電流密度の値が極めて高いものであることが理解される。すなわち、40〜360kPaの範囲で希ガスの封入圧が選択された閃光放電ランプに対して、高いピーク電流密度となる点灯電流を入力することにより、特定波長域の紫外光について5%以上という高い放射効率が得られるのである。しかも、上記の閃光放電ランプは、このように高いピーク電流密度となる条件で点灯動作された場合においても実用上十分な使用寿命を備えもつものである。
また、発光管が透光性セラミックス製であることにより、高い管壁負荷に起因して白濁が発生することが防止され、その結果、高い照度が長期間にわたって維持される。
この光照射装置30は、図2に示す構成を有する閃光放電ランプ20が、この閃光放電ランプ20から放射された特定波長域の紫外光を一方向に反射して照射する凹面反射鏡31内に配設されることにより構成されている。
101 発光管
102 電極
103 電極棒
104 封止部材
11 ランプ本体
12 外套管
121 円筒状ギャップ
13 支持部材
131 貫通孔
132 冷却水流路部分
133a 外面
133b 内面
134a ネジ
134b ネジ
135a O−リング締め付け板
135b O−リング締め付け板
136a O−リング
136b O−リング
14 灯具取付用部材
20 閃光放電ランプ
201 発光管
202 電極
203 封止部材
204 螺合用連結部材
205 外部トリガー電極
21 ランプ本体
22 給電ブロック
221 螺合用連結部材
221a 貫通孔
222 円筒状ギャップ
223 冷却水流路部分
23 灯具取付用螺合用連結部材
24 外套管
25 対接部材
261 O−リング
262 O−リング
271 O−リング締め付け部材
272 O−リング締め付け部材
30 光照射装置
31 凹面反射鏡
311 光投射用開口
312 ランプ取り付け用開口
32 ランプ位置調整機構
33 ステージ
34 ランプ固定部材
351 冷却水供給管
352 冷却水排出管
361、362、363 リード線
Claims (4)
- 内部に希ガスが封入されると共に一対の電極が対向して配設された透光性セラミックス製の発光管を備え、当該発光管の外表面を冷却する水冷機構を有する閃光放電ランプであって、
希ガスの封入圧が静圧で40〜360kPaであり、
波長200〜300nmの紫外光の放射効率が5%以上となるようピーク電流密度が設定された条件で点灯されることを特徴とする閃光放電ランプ。 - 水冷機構は、前記発光管の外径より大きい内径を有する外套管内に発光管が配設されて構成され、
トリガー電極が外套管の外側に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の閃光放電ランプ。 - 発光管を形成する透光性セラミックスがサファイアであり、希ガスがキセノンガスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の閃光放電ランプ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の閃光放電ランプが凹面反射鏡内に配設されてなることを特徴とする光照射装置。
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