JP2011095659A - 表示性能を向上させた擬二色粒子 - Google Patents

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孝徳 高橋
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【課題】白黒に限らず、あらゆる色の組み合わせにおいて、従来の二色回転粒子よりもハイコントラストな粒子回転型表示が可能な粒子を提供すること。
【解決手段】外観上、中間領域を隔てて二分された擬二色粒子であって、二分された一方の部分1が地色を構成し、他方の部分2が地色以外の任意の色に着色されており、前記中間領域が、外観上、部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ実質的に無段階に、または段階的に変化するように着色されていることを特徴とする擬二色粒子。
【選択図】図2

Description

本発明は、擬二色粒子及び画像表示装置に関する。より詳しくは本発明は、粒子回転型画像表示装置の表示素子として好適に使用される擬二色粒子、および該粒子を表示素子として有する粒子回転型画像表示装置に関する。
画像の表示方法には、さまざまなものがある。たとえば、CRT(ブラウン管)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、LCD(液晶ディスプレイ)、FED(電解放出ディスプレイ)である。
CRTは、電子の収束した電子線を蛍光物質に走査することにより発光させるものであり、PDPは二つの電極間に挟まれた蛍光体層を有する領域に高圧の希ガスを封入し、この希ガスに電圧をかけて紫外線を発生させて光を発生させるものであり、LCDはバックライトからの光の偏光状態を、液晶に通すことにより液晶の配向に従って変化させて表示させるものであり、FEDは電子を真空中に放出し、蛍光体に衝突させることで発光させるものである。
上記のような表示装置のほかに、二色以上に色分けされた粒子を絶縁樹脂中に配置して、この複数色粒子を回転させる粒子回転型表示という表示方法がある。この表示方法は、二色以上の色の領域を有する粒子をシリコーンゴムなどの光透過性支持体に回転自在に分散させ、この光透過性支持体を電極で挟んで電圧を印加することにより、全ての粒子の特定の色の領域を同じ向きに向けるというものである。粒子のそれぞれの色の領域における帯電特性が異なるため、このようなことが可能である。また、粒子のそれぞれの色の領域の比重を合わせると、粒子の回転性能が上昇し、また、一度電圧をかけると粒子の向きがその向きで固定され、電圧をかける装置の電源を切ってもその状態が継続する(これをメモリー特性という)。そのため、粒子回転型表示は省電力性に優れた表示方法である。一方で、この方法では粒子が回転するのに時間がかかるため、表示する画像が目まぐるしく変化する表示装置、例えば動画を表示する表示装置には適してはいないが、前述のメモリー特性により、文字、図などの静止画を表示するのに適しており、いわゆる電子ペーパーなどへの応用が期待されている。
この粒子回転型表示に用いられる粒子として、さまざまな粒子が開発されている。例えば特許文献1(特開昭64−42683号公報)には、主たる材料としてワックス状物質を用い、これと顔料および染料からなる粒子が開示されている。
特許文献2(特開平11−352421号公報)には、ガラス、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニア、アルミナなどを材料として形成した白色の微小ボールの半球を、TiCなどでスパッタ法などにより着色することにより得られる粒子が開示されている。
特許文献3(特開2000−122103号公報)には、二酸化チタンを充填したガラスボールに黒色材料をコーティングすることにより得られる2色ボールが開示されている。
以上のように、粒子回転型表示に用いられる回転粒子は、白黒の二色を表示できれば多くの場合十分であるので、二色という二つの領域を有する回転粒子が多く提案されている。
ここで、粒子回転型表示において解像度を高めるために、回転粒子を小径化する動きがあるが、粒子を小径化すると、表示コントラストが低下する、という問題がある。そのような問題点を解決するため、特許文献4(特開2003−195360号公報)では、白黒等の複数の領域を有する粒子において、光学的な反射領域を内(白黒の二色であれば、白色領域と黒色領域との間)に設け、前記複数の領域のうち1つの領域では内側からの光反射を強めるように構成されてなる着色回転粒子が提案されている。この着色回転粒子は、特許文献4の図1などを参照すればわかるが、最低三つの領域を有している。
また、特許文献5(特許第3878216号公報)では、粒子回転型表示において多色画像を提供することを可能とするため、複数、たとえば三つのセグメント(領域)を有する多色ジャイリコンボールが提案されている。
特開昭64−42683号公報 特開平11−352421号公報 特開2000−122103号公報 特開2003−195360号公報 特許第3878216号公報
粒子回転型表示では、たとえば白黒の二色回転粒子で、粒子回転型表示装置のディスプレイで黒が表示されている場合に、表示画像を変更したいときは、電圧をかけて二色回転粒子を反転させて、白を表示するようにする。ここで、反転させられる二色回転粒子の数は膨大であるので、完全に反転しない粒子が存在すると考えられる。このとき、ディスプレイでは、完全に反転していない粒子の黒色の部分も表示されるため、白黒のコントラストが不十分となる。
そこで本発明は、白黒に限らず、あらゆる色の組み合わせにおいて、従来の二色回転粒子よりもハイコントラストな粒子回転型表示が可能な粒子を提供することを目的としている。
本発明者は、二色粒子において、その二色を、一方の色から他方の色へと、実質的に無段階に、または段階的に変化して、言いかえればグラデーション状につなぐ中間領域を設けることによって、よりハイコントラストな粒子回転型表示が可能となることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち本発明は、外観上、中間領域を隔てて二分された擬二色粒子であって、二分された一方の部分1が地色を構成し、他方の部分2が地色以外の任意の色に着色されており、前記中間領域が、外観上、部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ実質的に無段階に、または段階的に変化するように着色されていることを特徴とする擬二色粒子に係るものである。
前記中間領域の大きさについて、前記擬二色粒子を、前記部分1および2が見え、かつ前記中間領域が一筋の帯状に見える角度から正面視した場合において、前記中間領域の正面視面積が、前記擬二色粒子の正面視面積全体の1〜85%を占めることが好ましい。
また前記部分1および2の大きさについて、前記擬二色粒子を、前記部分1および2が見え、かつ前記中間領域が横方向の略一直線状の帯状に見える角度から正面視した場合において、前記部分1の正面視面積1と部分2の正面視面積2との比(正面視面積1:正面視面積2)が、1:5〜5:1の範囲にあることが好ましい。
本発明の擬二色粒子の断面形状は、擬二色粒子の製造方法によっても異なるが、たとえば、前記中間領域の前記部分1と接する部位により形成される略円1、および前記中間領域の前記部分2と接する部位により形成される略円2の面積を共に二等分する断面において、部分1が先細る形で部分2にめり込むか、または部分2が先細る形で部分1にめり込んでいる形状を有している。
前記の形状をより詳細に説明すると、部分2の両脇が部分1へせり出し、かつ部分1が略円孤を描くようにして部分2にめり込むか、または、部分1の両脇が部分2へせり出し、かつ部分2が略円弧を描くようにして部分1にめり込んでいる形状である。
本発明の擬二色粒子においては、粒子回転型画像表示装置に使用することを考慮すると、前記部分1の地色が白色であり、前記部分2の色が青色であることが好ましい。
本発明の擬二色粒子の平均粒子径は、30〜200μmであることが好ましい。
このような擬二色粒子を表示素子として備えた本発明の粒子回転型画像表示装置は、一対の電極間に擬二色粒子を回動自在に含有する絶縁樹脂からなる粒子回転型画像表示装置であって、該擬二色粒子が、外観上、中間領域を隔てて二分された擬二色粒子であって、二分された一方の部分1が地色を構成し、他方の部分2が地色以外の任意の色に着色されており、前記中間領域が、外観上、部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ実質的に無段階に、または段階的に変化するように着色されており、該電極間に印加する電圧によって、該擬二色粒子が該絶縁樹脂内で回動する構成をとっている。
前記絶縁樹脂中に含浸された絶縁性液体中に、前記擬二色粒子が回動自在に浮遊していることが好ましい。
上記一対の電極間に印加する電圧は、好ましくは50〜300Vの範囲内にある。
本発明によれば、あらゆる色の組み合わせにおいて、従来の二色回転粒子よりもハイコントラストな粒子回転型表示が可能な擬二色粒子、および該擬二色粒子を表示素子として有する粒子回転型画像表示装置が提供される。
図1は、本発明の擬二色粒子を、部分1および2が見え、かつ中間領域が一筋の帯状に見える角度から正面視した場合の正面視図を示す模式図である。なお、部分1および2、ならびに中間領域の着色は省略している。 図2は、本発明の擬二色粒子を、部分1および2が見え、かつ中間領域が横方向の略一直線状の帯状に見える角度から正面視した場合の正面視図を示す模式図である。なお、部分1および2、ならびに中間領域の着色は省略している。 図3は、本発明の擬二色粒子の、中間領域の部分1と接する部位により形成される略円1、および前記中間領域の部分2と接する部位により形成される略円2の面積をともに二等分する断面の形状の一例を示す模式図である。なお、部分1および2の着色は省略している。 図4は、特開2004−197083号公報に記載された二色粒子の製造方法を応用した本発明の擬二色粒子の製造方法において、着色連続相を移送する第1マイクロチャンネルおよび擬二色粒子を製造する第2マイクロチャンネルを示す概念図ならびに擬二色粒子の形成を表す図である。 図5は、特開2004−197083号公報に記載された二色粒子の製造方法を応用した本発明の擬二色粒子の製造方法において、着色連続相を形成させる一方式例を示す概念図である。 図6は、特開2004−197083号公報に記載された二色粒子の製造方法を応用した本発明の擬二色粒子の製造方法の、一方式を示す図である。 図7は、特開2003−195360号公報に記載された二色粒子の製造方法(切断法)を応用した、本発明の擬二色粒子の製造方法の方式を示す図である。 図8は、実施例2等で使用したマイクロチャンネルを示す図である。 図9は、実施例1で製造した擬二色粒子の写真の模式図である。 図10は、実施例2で製造した擬二色粒子の写真の模式図である。
以下本発明の擬二色粒子および該擬二色粒子を表示素子として有する粒子回転型画像表示装置について詳細に説明する。
[本発明の擬二色粒子]
本発明の擬二色粒子は、外観上、後述する中間領域を隔てて二分された擬二色粒子である。二分された一方の部分1は任意の色の着色材によって着色され、地色を構成している。他方の部分2は、前記地色以外の色の着色材によって着色されている。部分1および2を何色に着色するかは任意であるので、部分2は、部分1の色に合わせて適宜選択することができる。一般的には、部分1の色の反対色あるいはそれに近似した色で着色することにより、形成画像がより鮮明になる。
このような任意の色に着色されている本発明の擬二色粒子は、通常樹脂製であり、前記部分1および2は、前記樹脂、着色材およびその他の種々の成分を含む。これらの成分の導電性が異なることにより、前記部分1と2との間に電位差が生まれ、この電位差が、一対の電極間に置かれた本発明の擬二色粒子を、電極に印加される電圧に対応させて回転させる駆動力となる。
そして本発明の擬二色粒子において、外観上、部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、グラデーション状(実質的に無段階、または段階的)に色が変化するように着色されている中間領域が、前記部分1および2を二分している。このような特殊な領域は、後述する、種々の本発明の擬二色粒子の製造方法を実施することによって形成される。
このようなグラデーション状に色が変化する中間領域が存在することから、本発明の擬二色粒子が粒子回転型画像表示装置の表示素子として使用された場合には、高いコントラストが達成されるのであるが、その理由は、以下のように推測される。
まず説明を分かりやすくするため、部分1が白色であり、部分2が黒色であり、黒色から白色に反転する場合を考える。粒子を反転させるために電圧が印加された場合には、[発明が解決しようとする課題]において述べたように、当然本発明の擬二色粒子の中にも、完全に反転しないものがあると考えられる。しかしながら、ディスプレイ上では、そのような完全に反転しない粒子の白色の部分(部分1)および中間領域(白色から黒色に変化する部分)が表示され、黒色の部分(部分2)は中間領域で隠されて表示されないと考えられる。そのため、従来の二色がくっきりと分かれた二色粒子のように、黒色がはっきりと表示されることがないので、ディスプレイ上に表示される画像は、より白色に近づく、すなわちコントラストが高くなると考えられる。さらに、中間領域が実質的に無段階に色が変化するように着色されていると、段階的に着色されている場合よりも、中間領域のうち、黒色により近い部分がディスプレイ上に表示される確率が低くなると考えられ、好ましい。
このように反転して表示しない部分(前記の例では黒色の部分)が中間領域によって隠され、しかも部分1および2の色がはっきりと表示されるためには、本発明の擬二色粒子を、前記部分1および2が見え、かつ前記中間領域が一筋の帯状に見える角度から正面視した場合において(図1参照)、より詳細には、前記部分1および2が見え、かつ前記中間領域が横方向の略一直線状の帯状に見える角度から正面視した場合において(図2参照)、前記中間領域の正面視面積が、前記擬二色粒子の正面視面積全体の1〜85%を占めることが好ましく、10〜40%を占めることがより好ましい。
さらに、部分1および2の色がはっきりと表示され、擬二色粒子が電圧の印加によって容易に回転し、メモリー特性が効果的に発揮される観点からは、本発明の擬二色粒子を、前記部分1および2が見え、かつ前記中間領域が横方向の略一直線状の帯状に見える角度から正面視した場合において(図2参照)、前記部分1の正面視面積1と前記部分2の正面視面積2との比(正面視面積1:正面視面積2)が、1:5〜5:1の範囲にあることが好ましい。
[本発明の擬二色粒子の製造方法]
以上説明した構成を有する本発明の擬二色粒子は、種々の方法により製造することができるが、通常は、本発明の擬二色粒子の製造方法は大きく4つのタイプに分けられる。具体的にはマイクロチャンネル法(たとえば特開2004−197083号公報参照)、滴下法(たとえば、特開2004−199022号公報参照)、破砕法(たとえば特開2004−294628号公報参照)および切断法(たとえば特開2003−195360号公報参照)に大別される。以下これらの方法について説明する。
〔マイクロチャンネル法〕
このマイクロチャンネル法では、図4に示されるように、二色に分相した着色連続相6(擬二色粒子における部分1および2、ならびに中間領域となる)を第1マイクロチャンネル1内で移送し、流動性媒体が流れている第2マイクロチャンネル2内に連続的又は間欠的に順次吐出させる。前記着色連続相と前記流動性媒体とは、お互いにO/WまたはW/Oの、不溶の関係にあるため、吐出された着色連続相は第2マイクロチャンネル内を流れながら、界面張力により球状粒子12’となる。そしてこの着色連続相は樹脂またはそのモノマーを、後述するように特定の割合で含有しており、マイクロチャンネル内を流れながら二色に分相したそれぞれの相が、互いに混ざり合おうとする。そのような状態で、着色連続相に含有される樹脂またはそのモノマーは、着色連続相が吐出されて球状化されているときにUV照射および/または加熱することにより重合硬化し、これにより、外観上、中間領域によって二分され、かつ中間領域の色が、二分された一方の部分1から部分2にかけてグラデーション状に変化する、樹脂製の擬二色粒子が完成する。
このようにして作製された本発明の擬二色粒子の、前記中間領域の前記部分1と接する部位により形成される略円1、および前記中間領域の前記部分2と接する部位により形成される略円2の面積をともに二等分する断面の形状は、部分1が先細る形で部分2にめり込むか、または部分2が先細る形で部分1にめり込んだ形状になっている。より詳しく説明すると、図3に示すように、部分2の両脇が部分1へせり出し、かつ部分1が略円孤を描くようにして部分2にめり込むか、または、部分1の両脇が部分2へせり出し、かつ部分2が略円孤を描くようにして部分1にめり込んだ形状である。
このような断面形状を有する擬二色粒子では、中間領域の色が、外観上、部分1に接している部位から部位2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ実質的に無段階(別の言い方をすれば、実質的に連続的)に変化すると考えられる。たとえば部分1が部分2にめり込んでいる場合では、部分1が最もめり込んでいる部分では、部分1の量が少ないために、擬二色粒子の表面では部分1の色はほとんど表れずに部分2の色が強く表れ、一方部分1のめり込み始めている部分では、部分1の量が多いために、擬二色粒子の表面では部分1の色が強く表れ、部分2の色はほとんど表れないと考えられるからである。
<着色連続相>
上記着色連続相は、二色に分相しており、そのどちらの相も樹脂またはそのモノマー、染料や顔料などの着色材、およびその他の任意成分を含有する。本発明の擬二色粒子において地色を構成する部分1となる相(地色相)には、地色の着色材が含有され、地色以外の任意の色に着色された部分2となる相(地色以外の任意の着色相)には、地色を除く任意の色の着色材が含有されている。前記地色相及び地色以外の任意の着色相は、これらの含有成分を混合することで得られる。
(樹脂またはそのモノマー)
前記樹脂としてはアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられ、前記モノマーとしては、前記樹脂を形成しうるものが挙げられる。
前記モノマーの具体例として、
本発明に使用される主なモノマーとしては、(メタ)アクリル系モノマー、スチレン系モノマーおよびビニル系モノマーが挙げられる。
前記(メタ)アクリル系モノマーの例としては;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル等のアクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキル、アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸と2環式アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類が挙げられる。
前記スチレン系モノマーの例としては;スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン及びオクチルスチレン、フロロスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、クロルメチルスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−スチレンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
前記ビニル系モノマーの例としては;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルが挙げられる。
本発明に使用されるその他のモノマーの例としては;塩化ビニリデン、クロロヘキサンカルボン酸ビニル、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、パーフロオロエチレン、パーフロオロプロピレン、フッ化ビニリデン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
また、モノマー中への着色材の分散性を改善する為あるいは、擬二色粒子を構成するそれぞれの部分の誘電率の調整の為に、少なくとも1種類の官能基;例えばカルボキシル基、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、ニトリル基を分子内に有するモノマーを併用する事もできる。
分子内にカルボキシル基を有するモノマーの例としては、不飽和カルボン酸である;アクリル酸、メタアクリル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等が挙げられ、また、これらの誘導体としての無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、酸ハライドが挙げられる。
分子内にアミド基を有するモノマーの例としては、アミド基含有ビニル単量体である;アクリルアミド、メタクリルアミド、および、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシエチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド系誘導体、さらに、N-メチロール(メタ)アクリルアミド及びジアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、6−アミノヘキシルコハク酸イミド、2−アミノエチルコハク酸イミドが挙げられる。
分子内にアミノ基を有するモノマーの例としては、アミノ基含有ビニル単量体である;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン等のビニルアミン系誘導体、アリルアミン、メタクリルアミン、N−メチルアクリルアミン等のアリルアミン系誘導体、p−アミノスチレン等のアミノスチレン類が挙げられる。
分子内にヒドロキシル基を有するモノマーの例としては;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコールとのモノエステル、ラクトン類と(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルとの付加物が挙げられる。
分子内にエポキシ基を有するモノマーの例としては;(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸のモノ及びジグリシジルエステル、フマル酸のモノ及びジグリシジルエステル、クロトン酸のモノ及びジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸のモノ及びジグリシジルエステル、イタコン酸のモノ及びグシジルエステル、ブテントリカルボン酸のモノ及びジグリシジルエステル、シトラコン酸のモノ及びジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノ及びグリシジルエステル等のジカルボン酸モノ及びアルキルグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステルが挙げられる。
分子内にニトリル基を有するモノマーの例としては;アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。
本発明においては、このようなモノマーを1種単独又は2種以上の複数種を組合わせて使用することができる。
上記樹脂は、対応するモノマーを重合させることにより得られる。例えば前述の着色連続相が吐出されて球状化されているときに、UV照射および/または加熱することにより、モノマーまたは樹脂は、その界面張力により球状になりながら硬化して球状の形態を有する樹脂硬化体となる。
そして、地色相および地色以外の任意の着色相における樹脂またはそのモノマーの含有量を、それぞれ地色相および地色以外の任意の着色相全体(100重量%)の、通常20〜99重量%、好ましくは50〜95重量%にし、さらに後述するように着色材の含有量を設定することによって、着色連続相がマイクロチャンネル内を流れながら、地色相と地色以外の任意の着色相とが、互いに混ざり合おうとする。そしてこれを硬化することによって、中間領域を有する本発明の擬二色粒子が得られる。
(着色材)
上記着色材としては、無彩色染料、無彩色顔料、有彩色染料および有彩色顔料が挙げられる。
具体的には、黒・・・Olesolol Fast Black、BONJET BLACK CW-1、Solvent Black 27Cr(3価)5%含有、Pigment Black7、
水、赤・・・VALIFAST RED 3306、Olesolol Fast RED BL、Solvent RED 8Cr(3価)5.8%含有、Permanent Carmain FBB02-JP
青・・・カヤセットブルー、Solvent Blue 35、シアニンブルー
黄色・・・VALIFAST YELLOW 4120、Oil Yellow 129、Solvent Yellow 16、Solvent Yellow 33、Disperse Yellow 54、PV Fast Yellow H2G
レモン色・・・Piast Yellow 8005、
緑・・・Oil Green 502、Opias Green 502、Solvent Green 3、
マゼンダ・・・VALIFAST PINK 2310N、Plast RED D-54、Plast RED 8355、Plast RED 8360、Plast Vioiet 8850、Disperse Violet 28、Solvent RED 149、Solvent RED 49、Solvent RED 52、Solvent RED 218Cr(3価)4%含有、
シアン・・・VALIFAST BLUE 2610、VALIFAST BLUE 2606、Oil BLUE 650、Plast BLUE 8580、Plast BLUE 8540、Oil BLUE 5511、Solvent Blue 70 Cu4%含有、
オレンジ・・・Oil Orange 201、VALIFAST ORANGE 3210、Solvent Orange 70、カヤセットオレンジG、
ブラウン・・・VALIFAST BROWN 2402、Solvent Yellow 116、Kayaset Flavine FG等を挙げることができる。
また、例えば、ソルベントブルー、ソルベントレッド、ソルベントオレンジ、ソルベントグリーン、ルモゲンFオレンジー等も挙げられる。
また、例えば、クラリン系、ペリレン系、ジシアノピニル系、アゾ系、キノフタロン系、アミノピラゾール系、メチン系、ジシアノイミダゾール系、インドアニリン系、フタロシアニン系等の筆記記録液に通常使用されている染料、感熱記録紙または感温着色材として用いられるロイコ染料、さらに、ローダミンBステアレート(赤色215号)、テトラクロルテトラブロムフルオレセン(赤色218号)、テトラブロムフルオレセイン(赤色223号)、スダンIII(赤色225号)、ジブロムフルオレセイン(橙色201号)、ジヨードフルオレセイン(橙色206号)、フルオレセイン(黄色201号)、キノリンエローSS(黄色204号)、キニザリングリーンSS(緑色202号)、アズリンパープルSS(紫色201号)、薬用スカーレット(赤色501号)、オイルレッドXO(赤色505号)、オレンジSS(橙色403号)、エローAB(黄色404号)、エローOB(黄色405号)、スダンブルーB(青色403号)等の化粧品に使用されているタール系染料をも前記着色材として挙げることができる。
また、これらの染料は単独又は2種以上を混合して使用することができ、さらに、必要に応じて各種の直接染料、酸性染料、塩基性染料、アゾイック染料、反応性染料、蛍光染料及び蛍光増白剤、更には上記の(メタ)アクリル系モノマーへの分散が可能である。
さらに、例えば、イエロー顔料としてパーマネントイエローDHG、リオノールイエロー1212B、シムラーファーストイエロー4400、ピグメントイエロー12、
マゼンダ顔料としてピグメントレッド57:1、リオノールレッド6B−4290G、イルガライトルビン4BL、ファストゲンスーパーマゼンダRH、
シアン顔料としてリオノールブルー7027、ファストゲンブルーBB、クロモフタルブルー4GNP、
ブラック顔料としてカーボンブラック、ブラックパールズ430、ベンガラ、群青、
白色顔料として、導電性を有しないチタンホワイト、硫化亜鉛、酸化亜鉛、アルミナホワイト、炭酸カルシウム等の各種の無機・有機顔料等も使用することができる。
本発明においては、地色を構成する部分1となる相(地色相)および地色を除く任意の色に着色された部分2となる相(地色以外の任意の着色相)に含まれる着色材の含有量を、それぞれ地色相および地色以外の任意の着色相全体(100重量%)の、通常0.1〜40重量%、好ましくは1〜20重量%にし、前述のように樹脂またはそのモノマーの含有量を特定の範囲に設定することによって、マイクロチャンネル内を流れながら、地色相と地色以外の任意の着色相とが互いに混ざり合おうとし、中間領域が形成されることになる。
(重合開始剤)
本発明においては、地色相および地色以外の任意の着色相に重合開始剤を含有させることが好ましい。
具体的には前記重合開始剤は、重合して樹脂となる前記モノマーが重合反応を開始しやすくするために使用され、本発明においては重合開始剤を着色連続相に含有させることが好ましい。
重合開始剤としては、たとえば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリウム等の過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。また、着色・重合時に好ましく用いられる重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤としては、2,2´−アゾビス(2−メチルプロポピオニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロルニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−ジクロプロピルプロピオニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)が挙げられる。
これらの重合開始剤は、通常、前記モノマー100重量部当たり、0.01〜5重量部で、好ましくは、0.5〜2重量部使用される。
その他の重合開始剤として、たとえば光重合開始剤として、従来公知であるアセトフェノン類;例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン、
またケトン類;例えば、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p´−ジクロロベンゾフェノン、p,p´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、N,N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、
また、ベンゾインエーテル類;例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類を挙げることができる。
また、熱分解型の重合開始剤として、例えば、パーオキシエステル類、有機パーオキサイド類、有機ハイドロパーオキサイド類、有機パーオキシケタール類及びアゾ化合物類が挙げられる。
パーオキシエステル類としては:例えば、tert-ヘキシルパーオキシピバレート、tert-ブチルパーオキシネオデカネート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ヘキシルパーオキシネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが挙げられる。
有機パーオキサイド類としては:例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジアセチルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジイソノナイルパーオキサイド、2−メチルペンタノイルパーオキサイドが挙げられる。
また有機ハイドロパーオキサイド類としては:例えば、tert−ブチルハイドロパ−オキサイド、クミルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジハイドロパーオキシヘキサン、p−メタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイドが挙げられる。
また有機パ−オキシケタ−ル類としては:例えば、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。
またアゾ化合物類としては:例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2´−アゾビスシクロヘキシルニトリル、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2´−アゾビスイソブチレートが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種単独でも二種以上を組合わせて使用することもできる。
(多官能性モノマー)
本発明においては、地色相および地色以外の任意の着色相に2官能性以上の多官能性モノマーを配合して、前掲の本発明に使用される主なモノマーまたはその他のモノマーと反応させてもよい。
前記2官能性以上の多官能性モノマーの例としては、(ポリ)アルキレングリコールのジアクリル酸エステル類・トリアクリル酸エステル類・テトラアクリル酸エステル類、または、(ポリ)アルキレングリコールのジメタクリル酸エステル類・トリメタクリル酸エステル類・テトラメタクリル酸エステル類が挙げられる。
これらの例として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、N−メチロールアクリルアマイド、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートを挙げることができる。
前記2官能性以上の多官能性モノマーは、着色連続相に含まれるモノマーが重合して形成される樹脂に架橋構造を導入するために用いられる。架橋構造は必須ではないが、擬二色粒子が架橋構造を有することにより、後述する本発明の粒子回転型画像表示装置において、シリコーンオイルのような絶縁性液体と本発明の擬二色粒子とが接触しても、本発明の擬二色粒子が絶縁性液体によって膨潤することがなく、擬二色粒子を絶縁性樹脂中の絶縁性液体中に安定に浮遊させることができる。
また、このような多官能性モノマーは、前述の樹脂となるモノマー100重量部中、通常10〜90重量部の量で使用される。なお、多官能性モノマーは、それのみを用いて重合させると共に架橋構造を形成して、多官能性モノマーの重合体を本発明の擬二色粒子における樹脂とすることもできる。
(その他の任意成分)
上記着色連続相(すなわち地色相および地色以外の任意の着色相)に含有されるその他の任意成分としては、UV増感剤、帯電制御剤、導電性材料、顔料分散剤、熱安定剤、導電剤、防腐剤、表面張力調整剤、消泡剤、防錆剤、酸化防止剤、近赤外吸収剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
前記UV増感剤は、前記光重合開始剤の効果をより強く発揮させるために使用されるものであって、たとえば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
前記帯電制御剤は、これを前記地色相および/または地色以外の任意の着色相に含有させることで、得られる擬二色粒子の部分1および2の帯電特性を調節し、電圧を印加した際の擬二色粒子の回転性能を向上させるために使用される。ここで帯電制御剤の例としては、スチレンアクリル系ポリマー、カリックスアレン誘導体、ヒンダートアミン、アジン化合物、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、レシチン、パラロザリニン、ニグロシン系染料、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、リンおよびタングステンの単体および化合物、モリブデン酸キレート顔料、フッ素系活性剤、疎水性シリカ、モノアゾ染料の金属塩、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、オイルブラック、ナフテン酸金属塩、ベンジルトリブチルアンモニウム−4−ヒドロキシナフタレン−1−スルフォネート等の4級アンモニウム塩などが挙げられる。帯電制御剤が着色材をかねていてもかまわないし、着色材が帯電制御剤をかねていてもよい。
帯電制御剤は、前述の樹脂となるモノマー100重量部に対して、通常、0.05〜5重量部、好ましくは、0.5〜2重量部の量で使用される。
前記導電性材料は、これを地色相または地色以外の任意の着色相の一方に含有させることで一方の相の導電性を高め、二つの相の電位差を大きくし、本発明の擬二色粒子の回転性能を向上させるために用いられるものである。導電性材料の例としては、ET−500W(石原産業(株)製)などとして市販されている導電性白色顔料が挙げられる。
導電性材料は、前述の樹脂となるモノマー100重量部に対して、通常、1〜30重量部、好ましくは、1〜10重量部の量で使用される。
<流動性媒体>
マイクロチャンネル法において用いられる流動性媒体は、前述のように前記着色連続相とO/WまたはW/Oの関係にある、換言すれば流動性媒体に着色連続相を溶解させず、また着色連続相が球状になるために、この流動性媒体中で着色連続相が自由に変形できる媒体である。
流動性媒体としては、たとえばイオン交換水にポリビニルアルコールを溶解させたポリビニルアルコール水溶液、カルボキシメチルセルロース水溶液、ヒドロキシメチルセルロース水溶液が挙げられる。着色連続相は油性の相(O相)である場合が多いので、流動性媒体としては水性のもの(W相)が好ましい。
<擬二色粒子の製造方法>
本発明の擬二色粒子を形成する方法の一例であるマイクロチャンネル法においては、図4に示されるように、二色に分相した着色連続相6を第1マイクロチャンネル1内で移送し、流動性媒体が流れている第2マイクロチャンネル2内に連続的又は間欠的に順次吐出させる。前記着色連続相と前記流動性媒体とは、お互いにO/WまたはW/O状態を形成して存在するという、不溶の関係にあるため、吐出された着色連続相は第2マイクロチャンネル内を流れながら、界面張力により球状粒子12’となり、さらに着色連続相を構成する地色相と地色以外の任意の着色相とが互いに混じり合おうとする。そしてこの着色連続相は樹脂またはそのモノマーを含有しており、樹脂またはそのモノマーは、着色連続相が吐出されて球状化されているときにUV照射および/または加熱することにより重合して硬化することにより、通常は樹脂の硬化体を形成し、外観上、中間領域によって二分され、かつ中間領域の色が、二分された一方の部分1から部分2にかけてグラデーション状に変化する、樹脂製の擬二色粒子が形成される。
この方法において、着色連続相を第1マイクロチャンネル内において移送する際の速度は、着色連続相の粘度、表面張力、密度、液性(極性基)等にもよるが、通常フローF1=0.01〜10ml/hrの流速で、好ましくは0.01〜5ml/hrの流速とし、適宜移送又は第2マイクロチャンネル内へ吐出させることができる。
また、第2マイクロチャンネル内を流れる流動性媒体のフローF2ml/hrは、吐出される着色連続相が流れながら球状化される範囲であれば特に限定されないが、通常フローF2=1〜100ml/hrの流速で、好ましくは1〜50ml/hrの流速である。
F2/F1で表されるフロー比は、製造しようとする擬二色粒子の生成量、平均粒子径及び粒子単分散性、着色連続相及び流動性媒体の流体粘度、密度、表面張力等の液性を考慮して、適宜設定することができる。
第2マイクロチャンネル内に吐出された着色連続相は、吐出・分散・移送中に、二つの相が互いに拡散して混ざり合おうとし、グラデーション状の中間領域を形成しながら球状粒子化され、その吐出着色連続相中の樹脂またはそのモノマーはUV照射および/または加熱により重合硬化する。球状化後の吐出着色連続相の球状形状は安定しているので、この重合硬化は、必ずしもこの第2マイクロチャンネル内を流れる間に、着色連続相が完全に重合硬化しなくても、第2マイクロチャンネル系外に設ける擬二色粒子の回収槽である別容器内でのUV照射下及び/又は加熱下に適宜行うことができる。
UVを照射する際の照射量は、通常300〜1500mJ/cm2であり、加熱する際の加熱温度は、通常60〜100℃の温度で、加熱時間は20〜120分である。
なお、第1マイクロチャンネル1内に二色相[6a/6b]の着色連続相6を移送するために、第1マイクロチャンネルの液流入端口に、例えば、図5(a)に図示する方式で二色相[6a/6b]を供給させる。図5(a)に図示するように、第1マイクロチャンネル1の液流入端口に、第3マイクロチャンネル3と第4マイクロチャンネル4とをV字型を形成するように接合させる。この第3及び第4マイクロチャンネル4から地色相および地色以外の任意の着色相である6a及び6bを第1マイクロチャンネル1へ供給して、第1マイクロチャンネル1内に二色相[6a/6b]の着色連続相6を形成させる。この図5(a)に図示する方式においては、V字型を形成する第3マイクロチャンネル3及び第4マイクロチャンネル4は、好ましくは、第1マイクロチャンネル1と同一平面上になるように設ける。また、この接合部位におけるV字型を形成する交角θ5=90±80°、好ましくは交角θ5=90±60°である。
また、図5(b)に図示するような方式で、地色相と地色以外の任意の着色相とにより構成される着色連続相を第1マイクロチャンネル1に供給することができる。図5(b)に図示する方式では、例えば、色相6bが移送されている第1マイクロチャンネル1の途中部位に、色相6bの移送方向に、交角(又は開き角)θ6が鋭角の範囲となるように第3マイクロチャンネル8を接合させて、この第3マイクロチャンネル8から色相6aを供給させることで、第1マイクロチャンネル1内で二色相[6a/6b]の着色連続相6を形成することができる。
さらに、本発明の擬二色粒子は、図6に図示するような方式で製造することもできる。第1マイクロチャンネル1の液流出端口と、単位ml/hrで表わされる所定のフローFで流動性媒体7が流れている筒状の第2マイクロチャンネル2の液流入端口とが、互いに同軸直線方向に接合されている。
この連結部位近傍の同一面上の両側に、第1マイクロチャンネル内の着色連続相6の移送方向に向かって両サイド・マイクロチャンネル5aと5bとが、それぞれ交角θ3及びθ4=45±5〜40°の範囲で第2マイクロチャンネル2に接合されている。
図6から明らかなように、第1マイクロチャンネル1に移送される二色相[6a/6b]の着色連続相6は、この接合部位(又は連結部位)である第1マイクロチャンネル1の先端口(液流出端口)において、両サイド・マイクロチャンネル5aと5bから供給される流動性媒体7によって、もぎ取られるように第2マイクロチャンネル2内に吐出され、着色連続相6の球状化物12’が形成される。
両サイド・マイクロチャンネルと第1マイクロチャンネルとのなす交角θ3及びθ4は、好ましくはθ3=θ4であり、またこの交角θ3及びθ4は、前述のように図6において45±5〜40°の範囲の鋭角である。なお、図示されてはいないが、この交角θ3及びθ4を90°以上の直角または鈍角として実施することもできる。
上述した第1マイクロチャンネル〜第4マイクロチャンネル及びサイド・マイクロチャンネルの垂直切断口の形状としては、例えば、円形、楕円形及び四角形(正方形、矩形、台形)を挙げることができる。このような形状のマイクロチャンネルを、例えば、ガラス板、プラスチック板等の素材で形成する際の微細加工の観点からは、マイクロチャンネルの垂直切断口の形状としては、四角形(正方形、矩形)が好ましい。そして、これらのマイクロチャンネル切断口が矩形(又は長方形)の場合には、その切断口の長辺は0.5〜500μmで、その切断口の短辺は0.5〜500μmの範囲であることが好ましい。また、より好ましくは、それぞれの下限値は1μmである。
〔液滴法〕
液滴法では、地色の第1の液滴と、地色以外の任意の色相を有する第2の液滴とを、空気中または液中で接触させて一つの液滴とし、反応液に接触させ、瞬時に固めることによって本発明の擬二色粒子を製造する。
この反応液との接触の際に、前記第1の液滴と前記第2の液滴との接触面で、それぞれの液滴の成分が相互に拡散して中間領域が形成される。
前記第1の液滴及び第2の液滴を着色する着色材は、前記のマイクロチャンネル法で使用される着色材と同様の着色材を使用することができる。使用量もマイクロチャンネル法にて説明したのと同様である。
さらに液滴法では、マイクロチャンネル法で使用される成分のほかに、1,6ヘキサンジアミン等のアミン化合物、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコールを、前記第1の液滴および第2の液滴の含有成分として使用することができ、これらは前記反応液と反応する。また、第1の液滴及び第2の液滴の任意含有成分として、電荷制御剤や帯電制御剤が配合されていてもよい。
<空気中または液中で液滴とする方法>
まず、空気中で液滴とする方法について説明する。前記第1および第2の液滴は、それぞれの含有成分からなる液体(第1の液体および第2の液体)を、たとえばスプレーノズル、インクジェットノズルで噴出することにより、形成することができる。
次に、液中で液滴とする方法について説明する。前記第1および第2の液滴は、第1の液体および第2の液体が溶解しない液体中に吐出することによって形成することができる。たとえば、第1および第2の液体が親水性の液体である場合、これらを非親水性の溶媒、たとえばオイルなどに吐出すればよい。
<反応液>
前記反応液としては、たとえばセバコイルクロライドなどの酸クロライド、TDIなどのイソシアネート、塩化カルシウムなどの多価カチオン、硼砂、塩酸などの酸が挙げられる。これらは、形成した第1および第2の液滴の成分により適宜選択される。
<擬二色粒子の製造方法>
上記のように、たとえばインクジェットノズルで噴出することにより作成された第1および第2の液滴は空気中で接触して一つの液滴となり、該液滴が落下する場所に前記反応液を用意しておけば、液滴は反応液に接触して、各液滴の成分が相互に拡散して中間領域を形成しながら、瞬時に硬化する。このようにして本発明の擬二色粒子が製造される。
〔破砕法〕
破砕法では、熱可塑性樹脂地色組成物(a)からなる層(A)と、地色以外の任意の色に着色した熱可塑性樹脂着色組成物(b)からなる層(B)とを有し、さらに層(A)と層(B)との間に、以下に説明する積層体(C)または熱可塑性樹脂組成物層(D)を有する積層体(E)を、積層面と略垂直方向への点状の打撃により破砕して破砕片を得て、この破砕片を加熱し、球形化することにより、本発明の擬二色粒子を製造する。
前記積層体(C)とは、異なる色の複数の熱可塑性樹脂組成物層からなる積層体であって、層(A)から層(B)に近づくにつれて、層の色が層(A)の色から層(B)の色へと段階的に変化していくように構成されている。
前記熱可塑性樹脂組成物層(D)とは、層(A)と層(B)の中間色の熱可塑性樹脂組成物層である。
破砕法では、前記破砕片が加熱により球形に変形する必要があるので、擬二色粒子を構成する樹脂となる樹脂は、熱可塑性樹脂である必要がある。
前記熱可塑性樹脂地色組成物(A)、前記熱可塑性樹脂着色組成物(B)および前記積層体(C)もしくは樹脂組成物層(D)で用いる熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性の天然樹脂や合成樹脂を使用することができる。
具体的には、例えば、ロジン、ロジンのペンタエリスリトールエステル、ダンマルなどの天然樹脂;前記マイクロチャンネル法にて使用することができるアクリル系モノマーを(共)重合させて得られるアクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレン、マレイン酸樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタンなどの合成樹脂が使用できる。
上記樹脂類は、単独もしくは2種類以上を混合して使用することができる。しかしながら、破砕法では、上記熱可塑性樹脂組成物の層からなる積層体(E)を製造後、破砕し小片化したのち、加熱により粒子化するため、破砕力に適した可撓性を有し、ガラス転移温度が60℃以上である樹脂が好適である。
また熱可塑性樹脂組成物の着色には、マイクロチャンネル法の説明にて例示したのと同様の着色材を使用することができる。
<積層体(E)の製造方法>
積層体(E)を作成する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)基体上に熱可塑性樹脂地色組成物(A)を含有する塗料(A1)を塗工して乾燥させた後、積層体(C)となる樹脂組成物を含有する各塗料(C1〜Cn)(nは2以上の整数)を順に積層塗工、乾燥するか、もしくは、熱可塑性樹脂組成物層(D)となる樹脂組成物を含有する塗料(D1)を積層塗工、乾燥し、積層体(C)もしくは熱可塑性樹脂組成物層(D)の上に熱可塑性樹脂着色組成物(B)を含有する塗料(B1)を積層塗工し、乾燥後、基体から剥離する積層塗工法。
(2)基体上に塗料(A1)を噴霧して乾燥させた後、塗料(C1〜Cn)を順に噴霧、乾燥するか、もしくは塗料(D1)を噴霧、乾燥し、積層体(C)もしくは熱可塑性樹脂組成物層(D)の上に塗料(B1)を噴霧し、乾燥後基体から剥離する方法。
(3)熱可塑性樹脂地色組成物(A)と、積層体(C)もしくは熱可塑性樹脂組成物層(D)と、熱可塑性樹脂着色組成物(B)とを重ねた板状物やインゴットを加熱ローラーなどにより展延する方法。
なお、これらの方法においては、溶剤が必要となるが、溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類及びグリコールエーテルエステル類などを挙げることができる。
<擬二色粒子の製造方法>
破砕法では、上記の積層体(E)を、積層面と略垂直方向への点状の打撃により破砕して破砕片を得て、この破砕片を加熱する。
前記点状の打撃は、点状の狭い面積に衝撃を与えることができる形状、たとえば針状、錐状の形状を有し、積層体(E)の破壊強度以上の大きさの衝撃を与えることができる材料、たとえば鋼やステンレスなどでできた打撃子により与える。
前記の略垂直方向とは、具体的には垂直方向±15°である。
前記の打撃子により、積層体(E)に対して、積層面と略垂直方向への点状の打撃を与えて破砕し、得られた破砕片を加熱する。より具体的には、破砕片を熱風などにより、熱可塑性樹脂地色組成物(A)、積層体(C)もしくは熱可塑性樹脂組成物層(D)あるいは熱可塑性樹脂着色組成物(B)に含まれる熱可塑性樹脂のうち、融解開始温度の高い熱可塑性樹脂の融解開始温度以上に加熱して溶融させる。破砕片は熱可塑性樹脂の界面張力により真球状に球形化し、球形化した破砕片を冷却することにより、擬二色粒子が得られる。
〔切断法〕
切断法では、たとえば部分1、2、ならびに中間領域となる着色樹脂シートを押出機などにより作成する。これらを、図7に示すように、部分1と2とが中間領域により隔てられ、かつ中間領域の部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ変化するように積層し、積層シート30を切断して、前記積層体に含まれていたすべての層を含む積層シート片32を作成する。なお、多層押出機などを使用することで、着色樹脂シートを作成してそれからこれらを積層するのではなく、シートとなる原料の着色樹脂を多層押出機に供給し、樹脂シートとしながら積層も同時に行ってもよい。
この積層シート片32をカッターなどを用いて略正方体に切断し、ローラーミルや高速回転ミルなどを用いて本発明の擬二色粒子が製造される。
この方法で用いる樹脂、着色材は、マイクロチャンネル法の説明にて例示したものと同様である。
なお、図7では中間領域が2段階に色が変化する(中間領域が2層構造である)場合を例にとったが、色の変化する段階は2段階より少なくても多くてもよく、本発明の擬二色粒子の使用目的に応じて、適宜選択することができる。
〔本発明の擬二色粒子〕
例えば上述の方法により製造される本発明の擬二色粒子は、外観上、中間領域を隔てて二分されており、二分された一方の部分1が地色を構成し、他方の部分2が地色以外の任意の色に着色されており、前記中間領域が、外観上、部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ実質的に無段階に、または段階的に変化するように着色されている。
本発明の擬二色粒子は、部分1および部分2に含有される誘電性を有する成分の差異により、たがいの誘電率が異なるため、これらの帯電特性は異なる。したがって本発明の擬二色粒子は、電圧を印加することによって一定方向を向くように回転する。
また本発明の擬二色粒子は、その平均粒子径が、通常30〜200μm、好ましくは50〜100μmの範囲内にある。平均粒子径がこの範囲にある擬二色粒子は、電圧を印加したときに回転しやすい。なお、本明細書において平均粒子径とは、体積基準で表わした平均粒子径である。
また粒子径のバラツキは、均斉度をCv値で表して、通常20%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。
前記平均粒子径は、以下のようにして調整することができる。
マイクロチャンネル法を採用する場合には、吐出量の制限、ノズルの制限、樹脂粘度の制限などにより、得られる擬二色粒子の平均粒子径は小さくなる。
液滴法を採用する場合には、たとえばスプレーノズルなどにより噴出して第1および第2の液滴を作成する場合は、ノズルの孔径を小さくすることにより、両液滴の粒子径が小さくなるので、結果として擬二色粒子の粒子径も小さくなる。また、液滴法では、反応液と反応するアルギン酸ナトリウムなどは、溶媒に溶解した溶液として使用されるため、前記第1および第2の液滴も溶媒を含んでいる。擬二色粒子を作成し、乾燥すると、前記溶媒が蒸発して、溶媒が蒸発する前よりも粒子径が小さくなる。したがって、第1および第2の液滴の溶媒以外の成分の濃度を調節することにより、擬二色粒子の平均粒子径を調整することができる。
破砕法を採用する場合は、点状の打撃を与える打撃子を、針を束ねた束状物とし、針の密度を調整することにより、得られる擬二色粒子の大きさを制御することができる。すなわち、針の密度を変化させて擬二色粒子を得た後、その粒子径を測定することにより、所望の粒子径を効率よく得られる針の密度を決定することができる。粒子径と針の密度との関係は、打撃子によりひびが入り得られる破砕片の大きさの影響を受ける。
切断法を使用する場合は、各着色樹脂シートの厚み、積層体を切断する際の幅、ならびにローラーミルや高速回転ミルの条件を適宜調節することによって、擬二色粒子の平均粒子径を調整することができる。
さらに、マイクロチャンネル法では、着色連続相を構成する地色相および地色以外の任意の着色相の流速、または流路断面の形状を調整することによって、
液適法では、ノズル断面の形状、または第1の液滴及び第2の液滴の吐出速度を調整することによって、
破砕法では、積層体(E)を構成する各層の厚みを調整することによって、
切断法では、各着色樹脂シートの厚みを調整することによって、以下の二つの調整を行うことができる。
(1)本発明の擬二色粒子を、部分1および2が見え、かつ中間領域が一筋の帯状に見える角度から正面視した場合において、前記中間領域の正面視面積が、擬二色粒子の正面視面積全体の1〜85%を占めるように調整すること。
(2)本発明の擬二色粒子を、部分1および2が見え、かつ中間領域が横方向の略一直線状の帯状に見える角度から正面視した場合において、部分1の正面視面積1と部分2の正面視面積2との比(正面視面積1:正面視面積2)を、1:5〜5:1の範囲内に調整すること。
[粒子回転型画像表示装置]
上述したように、本発明の擬二色粒子は電圧を印加することにより一定方向を向くように回転するので、粒子回転型画像表示装置の表示素子として好適である。
本発明の擬二色粒子を表示素子として備える粒子回転型画像表示装置は、一対の電極間に擬二色粒子を回動自在に含有する絶縁樹脂からなる粒子回転型画像表示装置であって、該擬二色粒子が、外観上、中間領域を隔てて二分された擬二色粒子であって、二分された一方の部分1が地色を構成し、他方の部分2が地色以外の任意の色に着色されており、前記中間領域が、外観上、部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ実質的に無段階に、または段階的に変化するように着色されており、該電極間に印加する電圧によって、該擬二色粒子が該絶縁樹脂内で回動するように構成されている。
本発明の粒子回転型画像表示装置は、一般にはシート形状であり、次の工程を経て製造することができる。
(1)本発明の擬二色粒子を分散させた熱硬化性樹脂組成物を調製する工程。
(2)該熱硬化性樹脂組成物を基材に塗布した後熱硬化させることにより、前記擬二色粒子が分散した絶縁性透明樹脂シートを作製する工程。
(3)該絶縁透明樹脂シートを絶縁性液体中に浸漬することにより、該シートを膨潤させ、内部に分散している擬二色粒子を包むように絶縁性液体の液胞を形成させた表示部材を作製する工程。
(4)該表示部材の両面に電極部材を積層する工程。
(1)の工程における熱硬化性樹脂組成物に使用する熱硬化性樹脂としては、絶縁性と透明性がともに優れたものであれば特に限定されないが、表示シートとした際に柔軟性を有する二液硬化型シリコーン樹脂を好適に使用することができる。以下、熱硬化性樹脂として二液硬化型シリコーン樹脂を使用した粒子回転型画像表示装置について説明する。
熱硬化性樹脂組成物は、二液硬化型シリコーン樹脂に本発明の擬二色粒子を、その含有率が40〜60体積%となるように配合し、攪拌機で混合する。該擬二色粒子の含有率が40体積%より少ないと、得られる表示シートの隠蔽性が不十分となり、画像表示装置の表示特性が悪化する場合がある。一方60体積%を超えると、シリコーン樹脂量が不足することにより、シート作製時に、基材への熱硬化性樹脂組成物の均一な塗工が困難になる場合がある。
前記熱硬化性樹脂組成物は、公知慣用の手段で基材に塗布することができる。該熱硬化性樹脂組成物の粘度は、通常5000〜10000mPa・sと高く、これに適した塗工手段としては、例えば、ワイヤバー塗工、アプリケータ塗工、スピン塗工等の枚葉コーターのほかに、ナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター、リップコーターなどの連続式コーターなどが挙げられる。
このときに用いる基材については、後工程となる熱硬化性樹脂の硬化の際の温度で問題なく使用できるものであれば特に限定はないが、強度および寸法安定性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)が好適である。
熱硬化性樹脂組成物の塗膜厚は、本発明の擬二色粒子の平均粒子径の2〜5倍であることが好ましい。2倍より小さいと基板への塗工の際に粗大粒子等が原因となり、塗工ムラが生じやすくなるうえ、得られる表示シートの隠蔽性が不十分となる場合がある。逆に、5倍より大きいと、擬二色粒子が厚み方向に多層に配列することにより、表示シートの反射率が低下し、表示品質が悪化する場合がある。
前記熱硬化性樹脂組成物の塗膜を、加熱して硬化させる。硬化は、擬二色粒子に使用した熱可塑性樹脂のガラス転移温度を超えない範囲で、できるだけ高い温度で行うのが好ましい。
上記熱硬化性樹脂組成物の熱硬化塗膜を基材から剥離して、本発明の擬二色粒子が分散した絶縁性透明樹脂シートが得られる。該絶縁性透明樹脂シート中に分散した擬二色粒子は、硬化したマトリックス樹脂と密着しているため、電界を印加しても回転しない。そこで、該絶縁性透明樹脂シートを絶縁性液体に浸漬して、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物を膨潤させることによって、擬二色粒子の周囲に該絶縁性液体が満たされた液胞を形成することができる。
使用する絶縁性液体は、硬化後の熱硬化性樹脂を膨潤させうるものであり、かつ、本発明の擬二色粒子の部分1および部分2に用いる樹脂のいずれをも溶解、あるいは膨潤させないものでなければならない。このような絶縁性液体としては、例えば、シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル、ポリオレフィンエーテル、イソパラフィン、フッ素化ポリエーテルを挙げることができる。
熱硬化性樹脂が前記シリコーン樹脂である場合には、絶縁性液体として好適に使用できるのはシリコーンオイルである。シリコーンオイルは、シリコーン樹脂との親和性が高いので、シリコーン樹脂硬化物を膨潤させるが、前記部分1および部分2に用いる樹脂のいずれも溶解、あるいは膨潤させない。
シリコーンオイルとしては、例えば、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等を使用することができる。シリコーンオイルの25℃における粘度は100mPa・s以下であることが好ましい。粘度が100mPa・sを超えると液胞中の擬二色粒子の回転が困難になり、表示の応答速度が低下する場合がある。これを補うために電界強度を高めると、画像書き換え等に要する電力消費が大きくなるなどの問題が発生する傾向がある。また、シリコーンオイルの比重は、擬二色粒子の比重に近いものを選択することが好ましい。
擬二色粒子が分散した絶縁性透明樹脂シートを絶縁性液体中に浸漬する場合の条件は、使用する熱硬化性樹脂と絶縁性液体の種類、熱硬化性樹脂の硬化の度合いによって異なるが、上述の、熱硬化性樹脂が二液硬化型シリコーン樹脂であり、絶縁性液体がシリコーンオイルである場合には、室温において通常10〜36時間で液胞が形成される。この時間は、絶縁性透明樹脂シートを絶縁性液体中へ浸漬する温度を、擬二色粒子に使用した樹脂のガラス転移温度を超えない範囲で、できるだけ高い温度とすることによって短縮することができる。
次に、上記の方法によって得られたシート状表示部材の両面に、電極層を積層することで、本発明の粒子回転型画像表示装置が得られる。そのためには、該シート状表示部材の両面に、基材の片面に電極層を設けたシート状電極部材、例えば、片面に電極層を設けたプラスチックフィルムを基板として積層すればよい。その際、必ずしも該基板の電極面と該シート状表示部材の面とを密着させる必要はなく、該基板の電極面とは反対側の面を該シート状表示部材と密着させてもよい。さらに、該シート状表示部材と該基板との間などに、絶縁性液体の漏出を防ぐとともに、外気を遮断する目的で、ガスバリア性を有する単層または多層プラスチックフィルムを介在させてもよい。
前記電極層を積層する基材としては、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックのフィルムやシート、ガラス板などを使用することができる。電極層には、アルミニウム、銅、ニッケルなど電気抵抗値の低い金属の箔、蒸着やスパッタリングによって形成される薄膜、あるいは、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモン錫(ATO)酸化錫などからなる透明電極箔膜などが使用できる。
このような電極層を前記シート状表示部材の両面に積層することによって得られる本発明の粒子回転型画像表示装置において、装置の少なくとも視認側の電極層、電極層を積層する基材、および必要に応じて使用するプラスチックフィルム等はすべて透明でなければならない。透明でないと、装置が表示する画像が見えないからである。
シート状表示部材の両面に基板を積層する際には、接着剤や両面粘着シート等を使用してもよい。この場合も、表示シートの視認側の透明性を損なわないように材料を選択する必要がある。
上記の方法によって得られる本発明の粒子回転型画像表示装置は、その基板の電極間に、通常は50〜500Vの範囲内の電圧、好ましくは50〜300Vの範囲内の電圧を印加することにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化体中の絶縁性液体中に浮遊している擬二色粒子を回転させることができる。
また擬二色粒子の地色を構成する部分1の比重と、地色を除く任意の色に着色された部分2の比重とを略同一にすると(比重を合わせると)、擬二色粒子の重心が球の中心になりまたは中心に近づき、擬二色粒子が回転しやすくなる。さらに電圧を印加して擬二色粒子を回転させた後も、擬二色粒子が重力に従って回転して表示装置の表示が変わってしまうということもなく、メモリー特性が発揮される。なお、多少比重が異なっていても、擬二色粒子に対するシリコーンオイルなど絶縁性液体の粘度による拘束力により、擬二色粒子の無秩序な回動は抑制され、本発明の粒子回転型画像表示装置は、通常メモリー特性を有する。
部分1および部分2の比重合わせは、部分1および2に含まれる成分の種類、量を変更することにより、行うことができる。
より具体的には、金属系の着色材は比重が重く、たとえば部分1が金属系着色材を含み、部分2が含まない場合には、部分1における金属系着色材の含有量を減らしたり、部分1に含まれるその他の比重の軽い成分の含有量を増やすことにより、部分1の比重を軽くし、部分2の比重に合わせることができる。
一方、部分2においては、比重の重い着色材の含有量を増やしたり、部分2の色に影響を与えず、比重の重い比重調整剤を含有させることにより、部分2の比重を重くし、部分1の比重に合わせることができる。前記比重調整剤としては、たとえば部分2が黒色である場合には、マグネタイトなどが挙げられる。
このようにして部分1および2の比重を合わせることにより、電圧を印加した際の回転性能に優れ、メモリー特性を有する粒子回転型画像表示装置の表示素子となりうる擬二色粒子が得られる。
このように本発明の粒子回転型画像表示装置は、その表示素子である擬二色粒子が、グラデーション状に色が変化する中間領域を有し、さらに所定の調整によりメモリー特性も有するので、電子ペーパーなどへの応用が期待できる。本発明の擬二色粒子の部分1および2の色の組み合わせに特に制限はないが、電子ペーパーとしての表示色として好適であり、中間領域を有することの効果が最も強く奏され、ハイコントラストな画像表示が可能であることから、部分1の色が白色であり、部分2の色が青色であることが好ましい。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
<明色部用着色樹脂組成物の作製>
メチルメタクリレート(MMA)20重量部およびトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)80重量部、着色材としてチタンホワイト(石原産業株式会社製;CR−58−2)30重量部、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(ベンジルトリブチルアンモニウム−4−ヒドロキシナフタレン−1−スルフォネート)1重量部、熱重合開始剤としてt−ブチルパーオキシネオデカネート(PBND、商品名:パーブチルND、日油株式会社製)5重量部を溶融混練し、明色部用着色樹脂組成物を得た。
<中間領域用着色樹脂組成物の作製>
MMA 20重量部、TMPTA 80重量部、シアニンブルー3重量部、4級アンモニウム塩(ベンジルトリブチルアンモニウム−4−ヒドロキシナフタレン−1−スルフォネート)1重量部、およびPBND 5重量部を溶融混練し、中間領域用着色樹脂組成物を得た。
<暗色部用着色樹脂組成物の作製>
MMA 20重量部、TMPTA 80重量部、シアニンブルー6重量部、サリチル酸金属錯体(オリエント化学工業株式会社製;BONTRON E−84)1重量部、およびPBND 5重量部を溶融混練し、暗部用着色樹脂組成物を得た。
<擬二色粒子の作製>
明色部用着色樹脂組成物、中間領域用着色樹脂組成物および暗色部用着色樹脂組成物をこの順でバレル温度180〜220℃の多層押出機に供給した。230℃のTダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取って3層の着色樹脂シートからなる積層体を得た。
得られた3層の着色樹脂シートからなる積層体の総厚は120μmであり、明色部用着色樹脂組成物から構成される層の厚みが50μm、中間領域用着色樹脂組成物から構成される層の厚みが20μm、暗色部用着色樹脂組成物から構成される層の厚みが50μmであった。
ついで、得られた3層の着色樹脂シートからなる積層体を、ステップカッター(株式会社マルトー製)を用い、積層体の流れ方向および幅方向について各120μm間隔で切断し、一辺が120μmの略正方体の積層体が得られた。
次いで、得られた略正方体の積層体を、砥石(グラインダー)の間隔を100μmに設定したR&Dマルチミル(株式会社グローエンジニアリング製)に投入し、略正方体の積層体を相互に衝突させて面取りを行って粒子状の擬二色粒子が得られた。その平均粒子径は100μmで、CV値は20%であった。また、得られた擬二色粒子について顕微鏡写真を撮影した。その模式図を図9に示す。図9において、44の符号がつけられた部分が本発明の擬二色粒子でいう部分1であり、白色であった。42の符号がつけられた部分が中間領域であり、淡青色であった。40の符号がつけられた部分が部分2であり、青色であった。
〔電子ペーパーの作成〕
上記の擬二色粒子30gを二液硬化型シリコーン樹脂中に十分に分散させ、PET基材上に、硬化完了後に縦300mm×横400mm×高さ0.5mmとなるように塗布した後、60度で24時間かけて硬化を完了させ、粒子含有樹脂シートを得た。
次いで、得られた樹脂シートをPET基材から剥がし、シリコーンオイル(25℃における粘度:10mPa・s)に36時間浸漬することで、擬二色粒子がシリコーンオイルに包まれ、シリコーン樹脂中で自在に回動可能な液胞を得た。
この液胞を含むシリコーン樹脂を、多層プラスチックを介して、表面にITO電極を被覆処理したガラス板で挟むことにより、電子ペーパーを作成した。
<色差の評価>
前記電子ペーパーに、電極間に100Vの電位差を生じるように電圧を印加し、電極間の電圧の印加方法を正負反転させることによって、擬二色粒子を反転させた。それにより擬二色粒子が単一方向の向きに並んだ際の色差の測定を行った。
東京電色(有)製TC−8600Aを用いて、擬二色粒子が単一方向に向き並んだ明色時と暗色時の明るさ(L)および色度(aおよびb)を測定し、下記数式(1)にしたがって色差ΔEを求めた。
Figure 2011095659
以上の結果を下記表1に示す。
[実施例2]
<明色部用着色連続相用反応性溶液の調製>
重合性単量体として、MMA 20重量部および、TMPTA 80重量部に、着色材としてチタンホワイト(石原産業(株)製;CR−58−2)5重量部を、ボールミルを用いて分散させ、帯電制御剤として、サリチル酸系金属錯体(オリエント化学工業製:BONTRON E―84)を1重量部分散させ、熱重合開始剤としてヘキシルパーオキシネオデカネート1重量部を溶解させ、明色部用着色連続相用反応性溶液とした。
<暗色部用着色連続相用反応性溶液の調製>
次に、重合性単量体として、MMA 20重量部および、TMPTA 80重量部に、着色材としてクロモファインレッド(大日精化)3重量部を、ボールミルを用いて分散させ、帯電制御剤として、4級アンモニウム塩(ベンジルトリブチルアンモニウム−4−ヒドロキシナフタレン−1−スルフォネート)を0.5重量部分散させ、熱重合開始剤としてヘキシルパーオキシネオデカネート1重量部を溶解させ、明色層用着色連続相用反応性溶液とした。
<流動性媒体>
次に、イオン交換水100重量部に88%ケン化ポリビニルアルコール1重量部を溶解させたものを水性の流動媒体とした。
<擬二色粒子の作製>
図8に示すマイクロチャンネルの装置を用いて、明色部用着色連続相用反応性溶液および暗色部用着色連続相用反応性溶液(以下これらをまとめて単に「着色連続相用反応性溶液」とも言う)を合流させ、次に、3本の流路が交差したマイクロチャンネルの中央の第1マイクロチャンネルから、着色連続相用反応性溶液を1ml/hrで、その両側の第2および第3マイクロチャンネルを20ml/hrで流れる流動媒体中に吐出させ、その後、吐出物を管内径1mmのPTFEチューブに流しながら、70℃温水浴中を通して、前記吐出物における暗色部の成分と明色部の成分とが、暗色部と明色部の接合部分で相互に拡散するようにして重合を行なった(120分間の加熱)。以上の操作により赤色/白色の部分1および2を有し、赤色の部分に接している部位から白色の部分に接している部位にかけて、赤色から白色に実質的に無段階(連続的)に色が変化する、粒子径のそろったポリマー微粒子が得られた。その平均粒子径は100μmで、CV値は2%であった。また、得られた擬二色粒子について顕微鏡写真を撮影した。その模式図を図10に示す。図10において、線が引かれていない領域は白色であり、線が引かれ、その密度が大きくなるほど濃い赤色である。
この擬二色粒子を使用し、実施例1と同様にして色差を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3〜4、比較例1〜2]
明色部用着色樹脂組成物(明色部用着色連続相用反応性溶液)、中間領域用着色樹脂組成物および暗色部用着色樹脂組成物(暗色部用着色連続相用反応性溶液)の組成を表1に示すように変更し、表1に示す製造方法を採用した以外は、実施例1または2と同様にして(擬)二色粒子および電子ペーパーを作成し、実施例1と同様に色差の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、下記表1において、「部」は重量部を示す。
Figure 2011095659
上記表1における略号等の内容を以下に示す。
MMA・・・メチルメタクリレート
TMPTA・・・トリメチロールプロパントリアクリレート
CR−58−2・・・石原産業(株)製のチタンホワイト
PBND・・・t−ブチルパーオキシネオデカネート(商品名:パーブチルND、日本油脂(株)製)
シアニンブルー・・・大日精化工業(株)製:4920
CR−60−2・・・石原産業(株)製の酸化チタン
1,9−ND−A…1,9ノナンジオールジアクリレート
CR−58…石原産業(株)製のチタンホワイト
V−65・・・2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
PV Fast Yellow H2G・・・クラリアントジャパン(株)製の黄色着色材
ET−600W・・・石原産業(株)製の導電性チタン
KA−20…チタン工業(株)製のチタンホワイト
1 第1マイクロチャンネル
2 第2マイクロチャンネル
3 第3マイクロチャンネル
4 第4マイクロチャンネル
5a、5b サイド・マイクロチャンネル
6 着色連続相
7 流動性媒体
8 第3マイクロチャンネル
10 着色連続相の吐出物
11’ 球状化しつつある吐出物
12’ 擬二色粒子
20 部分1
22 中間領域
24 部分2
30 積層シート
32 積層シート片
40 部分2
42 中間領域
44 部分1

Claims (10)

  1. 外観上、中間領域を隔てて二分された擬二色粒子であって、
    二分された一方の部分1が地色を構成し、他方の部分2が地色以外の任意の色に着色されており、
    前記中間領域が、外観上、部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ実質的に無段階に、または段階的に変化するように着色されていることを特徴とする擬二色粒子。
  2. 前記擬二色粒子を、前記部分1および2が見え、かつ前記中間領域が一筋の帯状に見える角度から正面視した場合において、前記中間領域の正面視面積が、前記擬二色粒子の正面視面積全体の1〜85%を占めることを特徴とする請求項1に記載の擬二色粒子。
  3. 前記擬二色粒子を、前記部分1および2が見え、かつ前記中間領域が横方向の略一直線状の帯状に見える角度から正面視した場合において、
    前記部分1の正面視面積1と部分2の正面視面積2との比(正面視面積1:正面視面積2)が、1:5〜5:1の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の擬二色粒子。
  4. 前記中間領域の前記部分1と接する部位により形成される略円1、および前記中間領域の前記部分2と接する部位により形成される略円2の面積を共に二等分する断面において、
    部分1が先細る形で部分2にめり込むか、または部分2が先細る形で部分1にめり込んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の擬二色粒子。
  5. 前記中間領域の前記部分1と接する部位により形成される略円1、および前記中間領域の前記部分2と接する部位により形成される略円2の面積を共に二等分する断面において、
    部分2の両脇が部分1へせり出し、かつ部分1が略円孤を描くようにして部分2にめり込むか、または、
    部分1の両脇が部分2へせり出し、かつ部分2が略円弧を描くようにして部分1にめり込んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の擬二色粒子。
  6. 前記部分1の地色が白色であり、前記部分2の色が青色であることを特徴とする請求項1に記載の擬二色粒子。
  7. 平均粒子径が30〜200μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の擬二色粒子。
  8. 一対の電極間に擬二色粒子を回動自在に含有する絶縁樹脂からなる粒子回転型画像表示装置であって、
    該擬二色粒子が、外観上、中間領域を隔てて二分された擬二色粒子であって、
    二分された一方の部分1が地色を構成し、他方の部分2が地色以外の任意の色に着色されており、
    前記中間領域が、外観上、部分1に接している部位から部分2に接している部位にかけて、前記部分1の色から前記部分2の色へ実質的に無段階に、または段階的に変化するように着色されており、
    該電極間に印加する電圧によって、該擬二色粒子が該絶縁樹脂内で回動することを特徴とする粒子回転型画像表示装置。
  9. 前記絶縁樹脂中に含浸された絶縁性液体中に、前記擬二色粒子が回動自在に浮遊していることを特徴とする請求項8に記載の粒子回転型画像表示装置。
  10. 前記一対の電極間に印加する電圧が、50〜300Vの範囲内にあることを特徴とする請求項8または9に記載の粒子回転型画像表示装置。
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