JP2011095613A - 紙種判定装置、紙種判定方法、状態判定装置、及び画像形成装置 - Google Patents

紙種判定装置、紙種判定方法、状態判定装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成装置について、回収された紙粉を収容する回収箱とは異なる部材から搬送中の記録紙に紙粉を転移させることに起因する異常画像に関する異常前段状態になったことを判定する。
【解決手段】回収トレイ82における第1、2、3、4トレイの紙粉増加量をそれぞれ個別に算出する第1処理、各トレイについて紙粉増加量の統計的ばらつき値をそれぞれ個別に算出する第2処理、各トレイ間における紙粉増加量のばらつきを示す値である収集位置間ばらつき値を算出する第3処理、それら値について、正常であるか否かをそれぞれ個別に判別するための複数の弱判別値を、予め記憶している弱判別アルゴリズムによってそれぞれ個別に算出する第4処理、それぞれの前記弱判別値に対して固有の重み付け値を乗算する第5処理、及び、それぞれの乗算結果に基づいて異常前段状態であるか否かを判定するための指標値を算出する第6処理を実施する算出手段を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に使用される記録紙の紙種を判定する紙種判定装置や紙種判定方法に関するものである。また、画像形成装置について、搬送中の記録紙に紙粉を付着させることに起因する異常画像を発生させる直前の状態になったか否かを判定する状態判定装置や、これを備える画像形成装置に関するものである。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置においては、保守が疎かであると、何らかの不具合による異常画像を引き起こしてしまうことがある。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置のように、記録紙を搬送するレジストローラに付着した紙粉をブレードによってローラ表面から掻き落として回収箱に回収するものにおいて、回収箱からの紙粉の回収が疎かになったとする。すると、回収箱から溢れた紙粉を搬送中の記録シートに付着させて異常画像を引き起こすおそれがある。
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置においては、回収箱内の紙粉の堆積量を互いに異なる位置で検知する複数の紙粉検知センサを設けている。そして、何れか1つの紙粉検知センサでも、その検知結果が閾値を超えた場合には、ユーザーに対して回収箱の保守が必要になった旨を報知する。これにより、紙粉の落下に起因する異常画像を引き起こす前に、回収箱の保守が必要になったことをユーザーに知らせることができる。
本発明者らは、ユーザーによって画像形成装置にセットされる記録紙が紙粉を発生させ易いものであるほど、装置内で搬送中の記録紙に対して紙粉を付着させることに起因する異常画像を発生させ易くなるリスクが高くなることを経験的に見出している。具体的には、画像形成装置内において、搬送中の記録紙に紙粉を付着させるおそれのある部材は、上述した回収箱だけではない。記録紙に接触しながらその搬送方向をガイドするガイド部材や、紙搬送路内で記録紙に接触しながら回転する搬送ローラなども、経時的に自らの表面上に紙粉を堆積させていき、やがてその紙粉を搬送中の記録紙に逆転移させてしまうことがある。このため、上述した回収箱の中の紙粉を箱から溢れさせることのないタイミングで定期的に回収していても、やがてガイド部材表面上などで堆積させた紙粉を搬送中の記録紙に転移させて異常画像を発生させることがある。ユーザーによってセットされる記録紙が紙粉を発生させ易いものであるほど、この種の異常画像を発生させるリスクが高くなるのである。
ガイド部材などの回収箱とは異なる部材から搬送中の記録紙への紙粉の転移に起因する異常画像が発生するようになった場合、ユーザーはその原因を特定することが困難であるため、サービスマンを呼んで対処してもらうのが一般的である。サービスマンの派遣にはコストがかかるため、保守費用を節約するためには、紙粉を発生させ難い記録紙を使用することが望ましい。また、前述のような異常画像が発生するようになった場合には、ユーザーの要請によって現場に赴いたサービスマンに対して、ユーザーによって画像形成装置にセットされていた記録紙が紙粉の発生させ易いものであったことを知らせることが望ましい。このようにすることで、異常画像の発生原因をサービスマンに特定させ易くすることが可能になるからである。しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置においては、ユーザーによって画像形成装置にセットされる記録紙について、紙粉を発生させ易いものであるか否かを判断することができない。
また、ガイド部材などから搬送中の記録紙への紙粉の転移に起因する異常画像が発生したには、上述したように、サービスマンの派遣によって対応することが一般的であるが、サービスマンの都合がすぐにつくとは限らない。場合によっては、数日間も待たされることもある。よって、異常画像を実際に発生させる異常状態になるよりも少し前に、もうすぐ発生させる異常前段状態になったことを検知して、その旨をユーザー等に知らせることが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、そのような異常前段状態を検知することはできなかった。
本発明は、以上の問題点に鑑みなされたものであり、その第1の目的とするところは、ユーザーによって画像形成装置にセットされる記録紙について、紙粉を発生させ易い紙種であるか否かを判定することができる紙種判定装置や紙種判定方法を提供することである。
また、その第2の目的とするところは、次のような状態判定装置や、これを備える画像形成装置を提供することである。即ち、画像形成装置について、回収箱とは異なるガイド部材等の部材から搬送中の記録紙に紙粉を転移させることに起因する異常画像を発生させる異常状態より少し前の異常前段状態になったことを判定することができる状態判定装置等である。
上記第1の目的を達成するために、請求項1の発明は、画像形成装置の内部で搬送される記録紙から発生する紙粉を収集する紙粉収集手段と、前記紙粉収集手段における紙粉の堆積量を検知する堆積量検知手段と、前記堆積量検知手段による検知結果を定期的に取得して、前記紙粉収集手段における紙粉増加量を定期的に算出する算出手段と、該算出手段による算出結果に基づいて、ユーザーによって前記画像形成装置にセットされる記録紙について、紙粉を発生させ易い紙種であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、画像形成装置の内部で搬送される記録紙から発生する紙粉を収集する紙粉収集手段における紙粉の堆積量を検知する堆積量検知工程と、前記堆積量検知工程での検知結果を定期的に取得して、前記紙粉収集手段における紙粉増加量を定期的に算出する算出工程と、該算出工程での算出結果に基づいて、ユーザーによって前記画像形成装置にセットされる記録紙について、紙粉を発生させ易い紙種であるか否かを判定する判定工程とを実施することを特徴とするものである。
上記第2の目的を達成するために、請求項3の発明は、画像形成装置の内部で搬送される記録紙から発生する紙粉を画像形成装置内の互いに異なる位置で収集する複数の紙粉収集手段と、それぞれの紙粉収集手段における紙粉堆積量をそれぞれ個別に検知する複数の堆積量検知手段と、それら堆積量検知手段による検知結果を定期的に取得して複数の前記紙粉収集手段について紙粉増加量をそれぞれ個別に算出する第1処理、複数の前記紙粉収集手段について前記紙粉増加量の統計的ばらつき値をそれぞれ個別に算出する第2処理、複数の前記紙粉収集手段の間における前記紙粉増加量のばらつきを示す値である収集位置間ばらつき値を算出する第3処理、複数の前記紙粉収集手段についてそれぞれ算出した前記紙粉増加量の最新値及び前記統計的ばらつき値、並びに前記収集位置間ばらつき値について、正常であるか否かをそれぞれ個別に判別するための複数の弱判別値を、予め記憶している弱判別アルゴリズムによってそれぞれ個別に算出する第4処理、それぞれの前記弱判別値に対して固有の重み付け値を乗算する第5処理、及び、それぞれの乗算結果に基づいて、前記画像形成装置について、もうすぐ、搬送中の記録紙に対する紙粉の付着によって異常画像を発生させてしまうようになる異常前段状態であるか否かを判定するための指標値を算出する第6処理を実施する算出手段と、前記指標値に基づいて前記画像形成装置について前記異常前段状態であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の状態判定装置において、複数の前記紙粉収集手段をそれぞれ、互いの当接による搬送ニップに挟み込んだ記録紙を搬送する搬送ローラ対の近傍に配設したことを特徴とするものである
また、請求項5の発明は、画像情報に基づいて記録紙に画像を形成する作像手段を備える画像形成装置において、 自らを被検対象とする請求項3又は4の状態判定装置を設けたことを特徴とするものである。
請求項1又は2の発明においては、ユーザーによって画像形成装置にセットされる記録紙が紙粉を発生させ易いものであるほど、紙粉収集手段内での堆積紙粉の増加量が大きくなる。そして、このような増加量を、堆積量検知手段による検知結果を定期的に取得した結果に基づいて算出することで、ユーザーによって画像形成装置にセットされる記録紙について、紙粉を発生させ易い紙種であるか否かを判定することができる。
また、請求項3の発明や、請求項3の発明特定事項の全てを含む発明においては、次に説明する理由により、画像形成装置について異常前段状態であるか否かを判定することができる。即ち、本発明者らは、記録紙から発生する紙粉を互いに異なる位置で収集する複数の紙粉収集手段と、それぞれの紙粉収集手段における紙粉堆積量をそれぞれ個別に検知する複数の堆積量検知手段とを設けた画像形成装置の試験機を用意した。そして、この試験機を用いて、後述する実験を行った。この実験では、それら堆積量検知手段による検知結果を定期的に取得した結果に基づいて、第1処理〜第6処理を実施した。第1処理は、複数の紙粉収集手段について紙粉増加量をそれぞれ個別に算出する処理である。また、第2処理は、それら紙粉増加量についてそれぞれ統計的ばらつき値を個別に算出する処理である。また、第3処理は、複数の紙粉収集手段の間における紙粉増加量のばらつきを示す収集位置間ばらつき値を算出する処理である。また、第4処理は、複数の紙粉収集手段についてそれぞれ算出した紙粉増加量の最新値、統計的ばらつき値、前述の収集位置間ばらつき値について、正常であるか否かをそれぞれ個別に判別するための複数の弱判別値を、それぞれ固有の弱判別アルゴリズムによって個別に算出する処理である。また、第5処理は、それぞれの弱判別値に対して固有の重み付け値を乗算する処理である。また、第6処理は、それぞれの乗算結果に基づいて、画像形成装置について異常前段状態であるか否かを判定するための指標値を算出する処理である。このようにして指標値を算出したところ、この指標値が、画像形成装置について異常前段状態であるか否かを判定するための値として有用に機能することがわかった。よって、第1処理〜第6処理を実施する本発明においては、その指標値に基づいて画像形成装置について異常前段状態になったことを判定することができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機のレジストローラ対とその周囲とを示す拡大構成図。 同複写機における第1レジストローラaと紙粉収集手段と給紙ローラとの位置関係を説明するための模式図。 実施形態に係る状態判定システムを説明するためのブロック図。 紙粉増加量の経時変化を示すグラフ。 紙粉増加量の統計的ばらつき値の経時変化を示すグラフ。 紙粉増加量の収集位置間ばらつき値の経時変化を示すグラフ。 ブースティング法による学習に利用したコンディションデータを用いて指標値Fを計算した結果を示すグラフ。 テスト用コンディションデータセットを用いて、ブースティング法によって構築された弱判別処理及び重み付き多数決処理の判定精度を検証したグラフ。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式によって画像を形成するプリンタ部を搭載した複写機の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、実施形態に係る複写機は、記録紙Pに画像を形成するプリンタ部1と、原稿の画像を読み取るスキャナ100と、スキャナに対してシート状の原稿を自動搬送する自動原稿給紙装置(以下、ADFと言う)150とを備えている。
プリンタ部1は、給紙部10、中間転写ベルト21を具備する転写ユニット20、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)のトナー像を形成する画像形成部30Y,M,C,Kなどを本体筐体内に備えている。4つの画像形成部30Y,M,C,Kは、中間転写ベルト21の上方で、ベルト移動方向に沿って並ぶように配設されている。また、プリンタ部1は、各色の画像形成部30Y,M,C,Bkの上方に配設された光書込ユニット33や、プリンタ部内の各機器をコントロールする制御部50も備えている。
各色の画像形成部30Y,M,C,Kについて説明する。なお、ここでは、Bk用の画像形成部30Bkについて説明するが、Y、M,C用の画像形成部30Y,M,Cも、Bk用と同様の構成をしている。以下の説明においては、符号の末尾にY,M,C,Bkが付されたものはそれぞれ、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック用の部材であることを示す。
画像形成部30Bkは、図中時計回り方向に回転駆動されるドラム状の感光体31Bkの周囲に、帯電ブラシローラ等から構成される帯電部32Bk、現像装置34Bk、1次転写ローラ35Bk、ドラムクリーニング装置36Bk等を有している。
画像形成時には、感光体31Bkは、制御部50の制御下で図示しない駆動モータによって図中時計回り方向に120[mm/sec]の線速で回転駆動される。そして、高電圧の帯電バイアスを印加した帯電ブラシローラを感光体31Bkに当接させる帯電部32Bkにより、感光体31Bkの表面は−500[V]に一様に帯電せしめられる。帯電バイアスは、DCバイアスにACバイアスが重畳されたものであっても、DCバイアスだけからなるものであってもよい。
外部装置あるいは後述するスキャナ100から送られてくるカラー画像信号は、制御部50の図示しない画像信号発生回路で色変換処理などの画像処理が施され、Bk色の画像信号が光書込ユニット33に出力される。光書込ユニット33は、Bkの画像信号を光信号に変換し、この光信号に基づいてレーザーダイオードを点滅させながら、一様帯電後の感光体31Bk表面を光走査する。これにより、感光体33Bkの表面に静電潜像が形成される。
この感光体31Bk上の静電潜像は現像装置34Bkによって現像されてBkトナー像となる。現像装置34Bkは、感光体31Bkの表面上にトナーを付着させる現像ローラ、現像ローラを回転駆動する駆動源としての図示しない現像モータ、現像ローラに現像バイアスを印加する図示しない高圧電源などを具備している。現像ローラは、直径12[mm]のローラであり、現像モータによって160[mm/ses]の線速で回転駆動される。現像モータは、制御部50によって回転駆動が制御される。なお、現像装置34Bkは、トナーを主成分とするいわゆる一成分現像剤を用い、これを担持した現像ローラを感光体31Bkに接触させて静電潜像を現像する1成分接触現像を行うものである。一成分現像剤を構成するトナーとしては、正規帯電特性がマイナス極性であるものを用いている。現像装置34Bkは、初期状態にて、このようなトナーをケーシング内に180g収納している。
感光体31Bkの表面上で現像されたBkトナー像は、中間転写ベルト21における転写ローラ35Bkに対する掛け回し箇所と、感光体31Bkとが当接するBk用の1次転写ニップにて、転写ローラ35Bkに印加される1次転写バイアスやニップ圧の作用により、中間転写ベルト21の表面上に1次転写される。
Bk用の1次転写ニップを通過した後の感光体31Bk表面に付着している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置36Bkによって感光体31Bk表面から除去される。このようにして転写残トナーがクリーニングされた後の感光体31Bkの表面は、図示しない除電ランプによって除電されて次の画像形成に備えられる。
なお、感光体31Bk、帯電部32Bk、現像装置34Bk、1次転写ローラ35Bk、及びドラムクリーニング装置36Bkを具備する画像形成部30Bkにおいては、それら各部のうち、1次転写ローラ35Bkを除く部分がプロセスユニットとして構成されている。このプロセスユニットは、感光体31Bk、帯電部32Bk、現像装置34Bk及びドラムクリーニング装置36Bkを共通の保持体で保持しており、それらが1つのユニットとして画像形成装置本体に対して一体的に着脱されるものである。
同様にして、Y,M,C用の画像形成部30Y,M,Cは、感光体31Y,M,Cの周りに、帯電部、現像部、クリーニング部、除電ランプなどを備えている。そして、感光体31Y、31M、31Cの表面にY,M,Cトナー像を形成する。これらは、Y,M,C用の1次転写ニップにて、中間転写ベルト21上に重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト21の表面上には、4色重ね合わせトナー像が形成される。
画像形成部30Y,M,C,Bkの下方には、転写手段たる転写ユニット20が配設されている。この転写ユニット20は、無端状の中間転写ベルト21、テンションローラ22、クリーニング対向ローラ23、ニップ裏側ローラ24、ベルトクリーニング装置25、2次転写ローラ26などを備えている。テンションローラ22、クリーニング対向ローラ23、ニップ裏側ローラ24は、それぞれ中間転写ベルト21のループ内側で、自らの表面の一部にベルトを掛け回している。
2次転写ローラ26は、中間転写ベルト21のループ外側で、中間転写ベルト21におけるニップ裏側ローラ24に対する掛け回し領域に対してベルトおもて面側から当接して2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ26のローラ部は、ステンレス等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値を調整されたウレタン性の弾性体が被覆されたものである。
クリーニング対向ローラ23は、後述するベルトクリーニング装置25との間に中間転写ベルト21を挟み込むように、ベルトループ内側に配設され、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される。この回転駆動に伴って、中間転写ベルト21が図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。
テンションローラ22は、バネによって付勢されることで中間転写ベルト21に対してテンションを付与するようになっており、中間転写ベルト21の無端移動に伴って従動回転する。
ニップ裏側ローラ24は、ループ外側に配設された2次転写ローラ26との間に中間転写ベルト21を挟み込みながら、中間転写ベルト21の無端移動に伴って従動回転する。中間転写ベルト21のおもて面に当接して2次転写ニップを形成する2次転写ローラ26に対しては、図示しない電源によって2次転写バイアスが印加される。これにより、ニップ裏側ローラ24と2次転写ローラ26との間に電位差が発生して、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーからなる4色重ね合わせトナー像をベルト側から2次転写ローラ26側に静電移動させる2次転写電界が形成される。
ベルトクリーニング装置25は、ベルト表面に当接させた図示しないクリーニングブレードにより、2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21のおもて面に付着している転写残トナーをベルト表面から掻き落とす。このクリーニングブレードは、支持手段によって片持ち支持された状態で、自由端側をベルト移動方向上流側に向けながらベルトに当接させるいわゆるカウンター当接をするように配設されている。ベルトクリーニング装置25によってベルト表面から除去された転写残トナーは、ベルトクリーニング装置25の図示しない排出手段によってベルトクリーニング装置25から排出された後、図示しない廃トナー収容器内に自然落下する。また、ベルトクリーニング装置25は、中間転写ベルト21あるいは自らのクリーニングブレードに対してステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構を具備している。潤滑剤の塗布を実施することで、クリーニングブレードの捲れ上がりの発生を抑えるとともに、ベルト表面とトナーとの付着力を弱めてクリーニング性能を高めている。
光書込ユニット33は、光源としてレーザーダイオードを用いたレーザビームスキャナと呼ばれるものである。感光体31Y,M,C,Bkの表面をそれぞれY,M,C,Bk用のレーザー光で光走査することで、Y,M,C,Bkの静電潜像を形成する。レーザーダイオードに代えて、LEDを光源として設けてもよい。光書込ユニット33は、プリンタ部1の筺体に対し着脱自在となっており、離脱時には、画像形成部30Y,M,C,Bkのプロセスカートリッジをそれぞれ独立で筺体から取り出せるように、それらを上方に向けて露出させる。
給紙部10は、給紙カセット11内の記録紙Pを、給紙ローラ12と分離部材13とによって1枚ずつに分離しながら給紙路に送り出す。送り出された記録紙Pは、複数の搬送ローラ対を経由した後、レジストローラ対14におけるレジストニップに進入する。給紙カセット11から記録紙Pが送り出されると、レジストローラ対14における2つのレジストローラは、回転駆動を開始するが、レジストニップに記録紙Pを挟み込むと回転駆動を停止させる。そして、中間転写ベルト21上の4色トナー像に重ね合わせ得るタイミングで、回転駆動を再開して記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。2次転写ニップでは、中間転写ベルト21上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の作用によって記録紙P上に一括2次転写されて、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
このようにしてフルカラー画像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過した後、定着装置40に搬送される。定着装置40は、加圧ローラ42、定着ローラ43、定着ベルト44、加熱ローラ45などを有している。定着ベルト44は無端状に形成され、そのループ内側には定着ローラ43と加熱ローラ45とが配設されている。定着ローラ43は、図中反時計回り方向に回転駆動されるのに伴って、定着ベルト44を図中反時計回り方向に無端移動せしめる。また、加熱ローラ45は図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包しており、定着ベルト44を加熱する。また、定着ベルト44のループ外側に配設された加熱ローラ42は、定着ベルト44における定着ローラ43に対する掛け回し箇所にベルトおもて面側から当接して定着ニップを形成している。
また、定着装置40は、定着ニップに進入する直前の定着ベルト43の温度を検知する図示しない第1温度センサや、定着ニップに進入する直前の加圧ローラ45の表面温度を検知する図示しない第2温度センサを有している。また、定着装置40のケーシングには、2次転写ニップ通過後の記録紙を定着ニップに向けて案内する入口ガイド部や、定着ニップ通過後の記録紙をケーシング外に案内する出口ガイド部などが形成されている。
また、定着装置40は、定着装置40内に進入してきた記録紙の先端を検知する図示しない定着入口センサ、定着ニップを通過してケーシング外に排出される前の記録紙の先端を検知する図示しない定着出口センサなども有している。定着入口センサ、定着出口センサは何れも、反射型のフォトインタラプタによって構成されており、記録紙が通過しているときの反射光を検知することで記録紙の先端を検知する。定着入口センサ、定着出口センサは何れも、記録紙を検知している旨の信号を制御部50に出力する。このような定着装置40は、プリンタ部1の側板を開くと外部に露出して、外部への取り外しが可能な状態になる。また、加熱ローラ45の発熱源に対する電源のオンオフは、上述した2つの温度センサによる検知結果に基づいて制御される。これにより、定着ニップ内が一定の温度範囲に制御される。
定着装置40は、フルカラー画像が形成された記録紙Pを加熱ローラ41と加圧ローラ42とによる定着ニップに挟み込む。そして、記録紙Pを定着ニップ内で加熱・加圧することにより、各色のトナーを記録紙Pに定着させる。フルカラー画像が定着された記録紙Pは、定着装置40を出た後、排紙ローラ対を経由して機外のスタック部にスタックされる。スタックされた記録紙Pは、図中D1の方向に沿ってスタック部から取り出される。
プリンタ部1の上に載置されたスキャナ100は、軸101を中心にして回動することで、プリンタ部1の鉛直方向上方を向く保守点検口を開閉させるようになっている。開いたときのプリンタ部1に対する開放角度はおよそ90[°]である。スキャナ100の筺体には、前述の開閉操作のためにスキャナ100を把持するための把持部102が形成されている。
また、スキャナ100は、原稿を載置するコンタクトガラス103、第1走行体104、第2走行体105、結像レンズ106、読み取りセンサ107などを有している。
第1走行体104は、コンタクトガラス103の上面に載置された原稿に対して光を照射する図示しない光源、光源から原稿に照射され反射された光を反射する反射ミラーなどを具備しており、図中の左右方向に走行可能になっている。また、第2走行体105は、第1走行体104の反射ミラーによって反射された光を反射する複数の反射ミラーを具備しており、図中の左右方向に移動可能になっている。原稿の画像読取面で反射した反射光は、第1走行体104の反射ミラー、第2走行体105の反射ミラーで順次反射した後、結像レンズ106を経由して、読み取りセンサー107に至る。読み取りセンサー107は、入射された光を光電変換して、原稿の画像情報として出力する。
スキャナ100の上部に載置されたADF150は、軸151を中心にして回動することで、スキャナ100のコンタクトガラスを露出させたり覆ったりするように開閉する。ADF150の筐体には、前述の開閉操作のためにADF150を把持するための把持部152が形成されている。
また、ADF150は、原稿を載置する原稿台153、原稿台153に載置された原稿を給送する、図示しないモータ等を備えた駆動部などを有している。プリンタ部1を用いて複写を行うときには、原稿をADF150の原稿台153にセットするか、ADF150を開いてコンタクトガラス103上に原稿を載置してADFを閉じるかする。
以上のような構成の複写機において、フルカラー画像形成を行う場合、原稿をセットして操作パネルのコピースタートキーを押すか、あるいはパーソナルコンピュータのアプリケーションソフトからプリントスタート命令を送信する。すると、既に説明したプロセスで各色の感光体31Y,M,C,BkにY,M,C,Bkトナー像が形成され、これらが中間転写ベルト21に重ね合わせて転写される。これによってベルト上に得られた4色重ね合わせトナー像は、2次転写ニップで記録紙に一括2次転写された後、定着装置40によって記録紙に定着せしめられる。
次に、実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
図2は、レジストローラ対14とその周囲とを示す拡大構成図である。レジストローラ対14を構成するレジストローラのうち、鉛直方向下方に位置する第1レジストローラ13aの側方には、紙粉収集手段80が配設されている。この紙粉収集手段80は、片持ち支持された状態で自らの自由端側を第1レジストローラ13aに当接させながら、第1レジストローラ13aのローラ部の表面に付着した紙粉を掻き取るブレード部材81と、掻き取られた紙粉を受け入れて貯留する紙粉トレイ82とを有している。
図3は、第1レジストローラ14aと紙粉収集手段80と給紙ローラ12との位置関係を説明するための模式図である。給紙ローラ12は、回転可能に軸受けに受けられる回転軸部材12aと、回転軸部材12aに対して、軸線方向に所定のピッチで並ぶように固定された第1コロ12b、第2コロ12c、第3コロ12dとを有している。そして、それら3つのコロを給紙カセット内の記録シートに圧接させている。
紙粉収集手段80の紙粉トレイ82は、ローラ軸線方向に4つに仕切られている。これにより、紙粉トレイ82には、第1トレイ82a、第2トレイ82b、第3トレイ82c、第4トレイ82dが形成されている。第1トレイ82aは、第1レジストローラ14aにおける軸線方向の全領域のうち、給紙ローラ12の第1コロ12bと同じ位置にある領域から掻き取られた紙粉を受け入れる位置に形成されている。また、第2トレイ82bは、第1レジストローラ14aにおける軸線方向の全領域のうち、給紙ローラ12の第1コロ〜第2コロ間のコロ無し箇所と同じ位置ある領域から掻き取られた紙粉を受け入れる位置に形成されている。また、第3トレイ82cは、第1レジストローラ14aにおける軸線方向の全領域のうち、給紙ローラ12の第2コロ12cと同じ位置にある領域から掻き取られた紙粉を受け入れる位置に形成されている。また、第4トレイ82dは、第1レジストローラ14aにおける軸線方向の全領域のうち、第1〜第3トレイでは紙粉の受け入れがなされないその他の領域から掻き取られた紙粉を受け入れる位置に形成されている。
紙粉トレイ82の鉛直方向上方には、第1紙粉検知センサー83、第2紙粉検知センサー84、第3紙粉検知センサー85、第4紙粉検知センサー86がローラ軸線方向に並ぶように配設されている。これらセンサーは何れも、反射型フォトセンサーからなり、発光素子から発した光を紙粉トレイ82の底面に向けて照射する。そして、底面上に堆積した紙粉によって反射した反射光を自らの受光素子によって受光する。このような紙粉検知センサーから出力は、トレイ底面上における紙粉堆積量が増加するほど大きくなる。つまり、4つの紙粉検知センサーは何れも、紙粉トレイ82内の紙粉の堆積量を検知している。
第1紙粉検知センサー83は、第1トレイ82aの底面上での紙粉堆積量を検知する。その紙粉堆積量は、第1レジストローラ14aにおける軸線方向の全領域のうち、給紙ローラ12の第1コロ12bと同じ位置にある領域から掻き取られた紙粉量に相当する。また、第2紙粉検知センサー84は、第2トレイ82bの底面上での紙粉堆積量を検知する。その紙粉堆積量は、第1レジストローラ14aにおける軸線方向の全領域のうち、給紙ローラ12の第1コロ〜第2コロ間のコロ無し箇所と同じ位置にある領域から掻き取られた紙粉量に相当する。また、第3紙粉検知センサー85は、第3トレイ82cの底面上での紙粉堆積量を検知する。その紙粉堆積量は、第1レジストローラ14aにおける軸線方向の全領域のうち、給紙ローラ12の第2コロ12cと同じ位置にある領域から掻き取られた紙粉量に相当する。また、第4紙粉検知センサー83は、第4トレイ82dの底面のうち、給紙ローラ12の第3給紙コロ12dに対応する領域上での紙粉堆積量を検知する。その紙粉堆積量は、第1レジストローラ14aにおける軸線方向の全領域のうち、給紙ローラ12の第3コロ12dと同じ位置にある領域から掻き取られた紙粉量に相当する。
4つの紙粉検知センサー(83〜86)による出力は、制御部50に送られる。制御部50は、プリンタ部1によって1万枚のプリントが行われる毎に、4つの紙粉検知センサー(83〜86)からの出力に基づいて、第1トレイ〜第4トレイにおけるそれぞれの紙粉堆積量を求める。そして、第1トレイ〜第4トレイについてそれぞれ、前回の紙粉堆積量と今回の紙粉堆積量との差に基づいて紙粉増加量を算出する。つまり、算出手段としての制御部50は、堆積量検知手段たる4つの紙粉検知センサー(83〜86)による検知結果をそれぞれ定期的に取得して、紙粉収集手段たる第1トレイ〜第4トレイにおける紙粉増加量をそれぞれ定期的に算出する。その紙粉増加量が多くなるほど、ユーザーによって給紙カセット11にセットされた記録紙が紙粉を発生させ易いものであることになる。そこで、制御部50は、紙粉増加量について、予め所定の上限値を記憶している。そして、第1トレイ〜第4トレイにおける紙粉増加量のうち、何れか1つでも上限値を超えた場合には、記録紙について紙粉を発生させ易い紙種であると判定して、その旨を表示部に表示する。
なお、給紙カセット11から記録紙Pが送り出されるとき、記録紙Pの搬送方向に直交する全領域のうち、第1コロ12b、第2コロ12c、第3コロ12dが圧接せしめられている領域では、送り出される記録紙とその下の記録紙とが強く擦れる。このため、第1コロ12b、第2コロ12c、第3コロ12dが圧接せしめられている領域では、圧接せしめられていない領域に比べて、紙粉が発生し易い。このことに関連して、制御部50は、第1トレイ82a、第3トレイ82c、第4トレイ82dについては、それぞれ紙粉増加量の上限値としてそれぞれ同じ値を用いる。この一方で、第2トレイ82bについては、他のトレイよりも小さな値の上限値を用いる。
かかる構成の本複写機においては、ユーザーによって給紙カセット11にセットされる記録紙Pが紙粉を発生させ易いものであるほど、各トレイ内での紙粉増加量が大きくなる。そして、このような紙粉増加量に基づいて、ユーザーによって給紙カセット11にセットされる記録紙Pについて、紙粉を発生させ易い紙種であるか否かを判定することができる。
次に、本発明を適用した状態判定システムの実施形態について説明する。なお、この状態判定システムの被検対象となる画像形成装置は、実施形態に係る複写機1である。
図4は、実施形態に係る状態判定システムを説明するためのブロック図である。この状態判定システムは、複写機1内に配設された紙粉収集手段80、4つの紙粉検知センサー、及び演算手段の一部として機能する制御部50と、遠隔判定部200とからなる。遠隔判定部200は、インターネット回線を介して、実施形態に係る複写機1に接続されており、複写機1との間でインターネット回線を介してデータ通信が可能になっている。遠隔判定部200が配置されている場所は、複写機のメンテナンスを行うメンテナンス業者の施設である。この施設内では、遠隔判定部200に対して、パーソナルコンピュータ300が接続されている。
遠隔判定部200は、データ収集器201、状態データベース202、演算部203、システムコントローラ204などを有している。また、演算部203は、各種の演算プログラムを記憶しているROM、データ一時記憶手段たるRAM、演算処理を行うCPUなどを具備している。複写機1は、特定のタイミング(プリント枚数積算値が設定値以上増加しており、しかも動作電圧オン直後又はプリント作業を終了したとき)に、上述した第1トレイ〜第4トレイについての紙粉増加量をそれぞれ状態判定装置200に送信する送信する。状態判定装置200は、データ収集器201によって複写機1から収集した紙粉増加量を、状態データベース202に順次記憶していく。そして、状態データベース202のデータに基づいて演算部203が指標値の算出や状態の判定を行う。
遠隔判定部200に接続されているパーソナルコンピュータ300は、遠隔判定部200の状態データベース202にある各データに基づいて、後述する弱判別用のアルゴリズムを構築したり、遠隔判定部200に送ったりすることができる。
複写機1の制御部50は、実施形態に係る状態判定システムの演算手段の一部として機能する。具体的には、状態判定システムの演算手段は、後述する第1処理〜第6処理を実施するが、そのうち、制御部50は、第1処理を実施する。第1処理は、複写機1の第1紙粉検知センサー83、第2紙粉検知センサー84、第3紙粉検知センサー85、第4紙粉検知センサー86による紙粉堆積量の検知結果を定期的に取得する。この定期的な取得タイミングは、複写機1によって1万枚のプリントが行われる毎である。そして、その定期的な検知結果に基づいて、複写機1の第2紙粉収集手段80における第1トレイ〜第4トレイ(82a〜d)についての紙粉増加量をそれぞれ算出する。このような処理が第1処理である。
複写機1の制御部50は、第1処理を終えると、インターネット回線を介して遠隔判定部200に対して通信要求信号を送る。遠隔判定部200のデータ収集器201は、その通信要求信号を受け取ると、第1トレイ〜第4トレイの紙粉増加量をそれぞれ送るように複写機1に指令を出し、複写機1から送られてくる4つのトレイについての紙粉増加量を一括して受信する。そして受信後、状態データベース202に新たなデータとしてそれぞれの紙粉増加量を追加記録する。演算手段の一部として機能する演算部203は、状態データベース202のデータに基づいて、第2処理〜第6処理を実施する。
具体的には、まず、状態データベース202のデータに基づいて、第1トレイ〜第4トレイ(82a〜d)についてそれぞれ、データ記録当初から現時点に至るまでの統計的ばらつき値を個別に算出する(第2処理)。統計的ばらつき値としては、標準偏差を求めるようになっているが、標準偏差の代わりに、分散を統計的ばらつき値として求めてもよい。
演算部203は、第2処理を終えると、次いで、第1トレイ〜第4トレイにおけるそれぞれの最新の紙粉堆積量に基づいて、各トレイ間における紙粉増加量のばらつきを示す値である収集位置間ばらつき値を算出する(第3処理)。収集位置間ばらつき値としては、収集位置間(トレイ間)での紙粉増加量の標準偏差を求めるようになっている。標準編纂の代わりに、分散を収集位置間ばらつき値として算出してもよい。
このような第3処理を実施すると、演算部203は、第1、第2、第3、第4トレイにおけるそれぞれの紙粉増加量の最新値、及び統計的ばらつき値、並びに、収集位置間ばらつき値、という9つの値からなるコンディションデータセットCを構築する。コンディションデータCは、後述するように時系列上で漸次ずらした互いに異なる複数の紙粉増加量に基づいて複数算出され、これによってコンディションデータセットC1〜Cnが構成される。コンディションデータセットC1〜CnはコンディションデータCの時間的変化を示す。
演算部203は、コンディションデータC内の9つの値についてそれぞれ、正常であるか否かをそれぞれ個別に判別するための弱判別値を、それぞれに固有の弱判別アルゴリズムに基づいて個別に算出する(第4処理)。それぞれに固有の弱判別アルゴリズムは、それぞれ数1又は数2の式で表される。
Figure 2011095613
Figure 2011095613
弱判別値であるOut値は、「1」又は「−1」となる。また、数1や数2の式において、i=1〜nである。また、b、sgnはそれぞれ後述するブースティング法を用いて定められる判定条件である。bは、各コンディションデータCを構成する9つの値にそれぞれ固有の閾値である。また、sgnは、各コンディションデータCを構成する9つの値についての判別極性である。
各トレイそれぞれの紙粉増加量最新値及び統計的ばらつき値、並びに収集位置間ばらつき値、という9つの値のそれぞれについてのOut値は、9つの値についてそれぞれ異常さ度合いを示すものである。但し、9つの値は、複写機1の異常前段状態の判定に寄与する度合いがそれぞれ異なっている。このため、そのままの値では、それぞれ異常前段状態の判定を決定付けることはできない。このことが弱判別と言われる所以である(スタンプ弱判別)。そこで、第4処理によって求められた9つの弱判別値に対してそれぞれ、固有の重み付け値を乗算した後(第5処理)、れぞれの乗算結果に基づいて、複写機1について、もうすぐ、搬送中の記録紙に対する紙粉の付着によって異常画像を発生させてしまうようになる異常前段状態であるか否かを判定するための指標値を算出する(第6処理)。これら第5処理、第6処理は、具体的には、次の数3の式に示した重み付き多数決法によって行われる。
Figure 2011095613
この式においてFは指標値を示している。また、i=1〜nである。αは、後述するブースティング法を用いて定められる重み付き多数決の計算方法であって、各コンディションデータCを構成する9つの値に積算される値を持ち、各積算値の和によって指標値Fが算出される。
判定手段たる演算部203は、指標値が所定の閾値を上回った場合に、複写機1について異常前段状態であると判定して、アラームを鳴らして、施設内の作業員に知らせる。これにより、複写機1のユーザーのもとにサービスマンが派遣される。
なお、弱判別処理は、極めて高速な演算を可能にするというメリットがあり、しかも重み付き多数決を用いる本方法では、十分な精度が得られるので精度良くコストをかけずに故障危機状態判別技術を実現するには大変好適である。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。本発明者らは、複写機1の試験機を用意して、連続プリントテストを行った。そして、その連続プリントテストの間に取得した各種の紙粉増加量に基づいて、ブースティング法による弱判別アルゴリズムの構築を試みた。ブースティング法は教師付き学習アルゴリズムであって、数理科学、No.489,MARCH、2004「統計的パタン識別の情報幾何」に詳しく説明されている。ブースティング法を用いてb、sgn、αを定めるべく、まず、複写機の状態が正常であると予め解っているときにおけるコンディションデータセットと、異常前段状態であると予め解っているときにおけるコンディションデータセットとを得た。
この実験における紙粉増加量、統計的ばらつき値、収集位置間ばらつき値の時系列データを図5、図6、図7に示す。これらの図における縦軸数値の算出、及びグラフへのデータプロットについては、次のようにして行った。即ち、1〜10[千枚]のプリントにおける紙粉増加量を求めて最新値として、結果を図5のグラフにプロットする。次いで、1〜10[千枚]のプリントにおける紙粉増加量の標準偏差を算出し、結果を図6のグラフにプロットする。また、1〜10[千枚]のプリントにおけるトレイ間での紙粉増加量の標準偏差を算出し、結果を図7のグラフにプロットする。次に、算出対象とするデータ範囲をプリント1万枚ずつ枚数増加側にずらす。詳しくは、2〜11[千枚]の範囲を算出対象とする。この範囲で、紙粉増加量の最新値を図5に、紙粉増加量の標準偏差を図6に、トレイ間での紙粉増加量の標準偏差を図7にそれぞれプロットする。このような操作を、データ範囲が2000〜2009[千枚]になるまで繰り返す。
なお、実験においては、プリント枚数が200[千枚]に達した時点で、使用する記録紙を普通紙から再生紙に変更した。また、その後、始めからのプリント枚数の累積が600[千枚]に達した時点で、使用する記録紙を再生紙から普通紙に変更した。つまり、1〜200[千枚]では普通紙を使用し、201〜600[千枚]では再生紙を使用し、601〜900[千枚]では普通紙を使用している。
図5、図6、図7においてそれぞれ、200[千枚]や600[千枚]の付近でグラフが大きく変化しているのは、そのためである。普通紙に比べて再生紙の方が紙粉を発生させ易いので、図5では200[千枚]の時点で紙粉増加量が一気に上昇したり、600[千枚]の時点で紙粉増加量が一気に下降したりしている。
上述のようにして得られたコンディションデータセットから、ブースティング法によってb、sgn、αを求めた。そして、得られたb、sgn、αの正当性を確認するために、異常画像を発生している状態である異常状態に相当するコンディションデータを、学習用データとテスト用データのどちらにも含めるように2つにランダムに振り分けた。これにより、学習用コンディションデータセットと、テスト用コンディションデータセットとを作成した。次いで、ブースティング法による学習を行うにあたって、学習用コンディションデータセットにおける各データの変化をプリント枚数積算値を横軸とするグラフで表し、目視により異常期間の推定を行った。そして、学習用コンディションデータセットの異常期間に該当する区間のOutを−1(異常状態期間)とする一方で、それ以外のOutを1(正常期間)とした。次いで、ブースティング法による100回の繰り返し学習を行わせ、bi=1〜bi=100、sgni=1〜sgni=100、αi=1〜αi=100を決定した。なお、ブースティング法による100回の繰り返し学習を行わせるために、学習には、100個のコンディションデータを用いた。
学習に用いたコンディションデータを用いて指標値Fを計算した結果を図8に示す。ラベル(Out)のついた教師付きデータは適切に学習が行われ、これによって異常状態の期間だけで指標値Fの極性をマイナスにするような、弱判別処理及び重み付き多数決処理を行えることが確認された。
次に、テスト用コンディションデータセットを用いて、かかる弱判別処理及び重み付き多数決処理による判定精度を検証した結果を図9に示す。テストにおいても、学習用コンディションデータセットと同様に、100個のコンディションデータセットを用いている。先に決定したb、sgn、αに基づく指標値Fは、紙粉による異常画像が発生する直前で、プラスからマイナスに変化している。従って、実施形態に係る状態判定システムでは、予めブースティング法によって構築しておいたb、sgn、αを用いた弱判別アルゴリズムに基づいて指標値Fを求めることで、複写機1が異常前段状態になった際に、そのことを精度良く検出することができる。
なお、実験において、紙粉による異常画像が発生したとき、複写機1の第1トレイ〜第2トレイ(82a〜82d)は、何れもまだ紙粉収容可能量に相当の余裕があった。よって、異常画像は、紙粉トレイからの紙粉の溢れによるものではなく、レジストローラの軸や搬送路周辺の各種部材などに堆積した紙粉の飛散によるものである。ユーザーでは、プリンタ部1内のどの部材を清掃すればよいのかを判断するのは困難であるが、サービスマンであれば、紙粉の堆積箇所を容易に特定することができる。異常状態になる前の異常前段状態になったことを検出することで、異常状態になる直前でサービスマンの派遣を要請することができる。
これまで、遠隔判定部200を複写機1とは別体として遠隔地に設けた例について説明したが、複写機1内に、遠隔判定部に相当するものを内蔵してもよい。
P:記録紙
1:複写機(画像形成装置)
14:レジストローラ対(搬送ローラ対)
50:制御部(算出手段、判定手段)
82a〜d:トレイ(紙粉収集手段の一部)
83〜86:紙粉検知センサー(堆積量検知手段)
203:遠隔判定部(算出手段、判定手段)
特開2009−20370号公報

Claims (5)

  1. 画像形成装置の内部で搬送される記録紙から発生する紙粉を収集する紙粉収集手段と、前記紙粉収集手段における紙粉の堆積量を検知する堆積量検知手段と、前記堆積量検知手段による検知結果を定期的に取得して、前記紙粉収集手段における紙粉増加量を定期的に算出する算出手段と、該算出手段による算出結果に基づいて、ユーザーによって前記画像形成装置にセットされる記録紙について、紙粉を発生させ易い紙種であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする紙種判定装置。
  2. 画像形成装置の内部で搬送される記録紙から発生する紙粉を収集する紙粉収集手段における紙粉の堆積量を検知する堆積量検知工程と、前記堆積量検知工程での検知結果を定期的に取得して、前記紙粉収集手段における紙粉増加量を定期的に算出する算出工程と、該算出工程での算出結果に基づいて、ユーザーによって前記画像形成装置にセットされる記録紙について、紙粉を発生させ易い紙種であるか否かを判定する判定工程とを実施することを特徴とする紙種判定方法。
  3. 画像形成装置の内部で搬送される記録紙から発生する紙粉を画像形成装置内の互いに異なる位置で収集する複数の紙粉収集手段と、
    それぞれの紙粉収集手段における紙粉堆積量をそれぞれ個別に検知する複数の堆積量検知手段と、
    それら堆積量検知手段による検知結果を定期的に取得して複数の前記紙粉収集手段について紙粉増加量をそれぞれ個別に算出する第1処理、複数の前記紙粉収集手段について前記紙粉増加量の統計的ばらつき値をそれぞれ個別に算出する第2処理、複数の前記紙粉収集手段の間における前記紙粉増加量のばらつきを示す値である収集位置間ばらつき値を算出する第3処理、複数の前記紙粉収集手段についてそれぞれ算出した前記紙粉増加量の最新値及び前記統計的ばらつき値、並びに前記収集位置間ばらつき値について、正常であるか否かをそれぞれ個別に判別するための複数の弱判別値を、予め記憶している弱判別アルゴリズムによってそれぞれ個別に算出する第4処理、それぞれの前記弱判別値に対して固有の重み付け値を乗算する第5処理、及び、それぞれの乗算結果に基づいて、前記画像形成装置について、もうすぐ、搬送中の記録紙に対する紙粉の付着によって異常画像を発生させてしまうようになる異常前段状態であるか否かを判定するための指標値を算出する第6処理を実施する算出手段と、
    前記指標値に基づいて前記画像形成装置について前記異常前段状態であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする状態判定装置。
  4. 請求項3の状態判定装置において、
    複数の前記紙粉収集手段をそれぞれ、互いの当接による搬送ニップに挟み込んだ記録紙を搬送する搬送ローラ対の近傍に配設したことを特徴とする状態判定装置。
  5. 画像情報に基づいて記録紙に画像を形成する作像手段を備える画像形成装置において、
    自らを被検対象とする請求項3又は4の状態判定装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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