JP2011095408A - 赤外線定着用トナーおよび赤外線定着用トナー製造方法 - Google Patents

赤外線定着用トナーおよび赤外線定着用トナー製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
定着性に優れる赤外線定着用トナーおよび赤外線定着用トナー製造方法を提供する。
【解決手段】
赤外線定着用トナー粒子を、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に外添される多孔質シリカ粒子であって、該多孔質シリカ粒子の空孔に赤外線吸収剤を内包する多孔質シリカ粒子とによって構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外線定着用トナーおよび赤外線定着用トナー製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、たとえば感光体などの像担持体に静電潜像を形成し、トナーを含む現像剤で該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を記録用紙などの記録媒体に転写し定着することによって画像を形成する。
記録媒体にトナー像を定着する定着方法としては、たとえば、トナー像が転写された記録媒体に加熱ローラを圧接してトナー像を定着する熱圧定着法、トナー像が転写された記録媒体に赤外線を照射してトナー像を定着する赤外線定着法などが知られている。
熱圧定着法では、加熱ローラが記録媒体に接触するため、ホットオフセットによる画像汚れが生じるという問題がある。これに対して、赤外線定着法では、記録媒体に非接触で定着を行うためホットオフセットの問題は生じないものの、カラートナーの定着においては、カラートナーに含まれる着色剤の赤外線吸収量が少ないため、エネルギー効率が悪くなるという問題がある。
この問題を解決する赤外線定着用トナーとして、特許文献1,2は、トナー粒子表面に赤外線吸収剤が付着したトナーを開示している。特許文献1,2によれば、トナー粒子表面に赤外線吸収剤が付着した粒子は、赤外線吸収剤を含まないトナー粒子、および赤外線吸収剤が内添されただけのトナー粒子と比較して、効率的に赤外線を吸収するので、トナーの定着性が向上するとされる。
また特許文献3は、トナー粒子表面に、赤外線吸収剤を含む樹脂粒子が付着したトナーを開示している。特許文献3によれば、赤外線吸収剤によって定着性が向上するだけではなく、樹脂粒子によって流動性および帯電性が向上するとされる。
特開平6−118694号公報 特開2002−156779号公報 特開平6−348056号公報
しかしながら、赤外線吸収剤の粒度分布をシャープにすることが難しいため、特許文献1,2に記載のトナーのように、トナー粒子表面に赤外線吸収剤を付着させただけでは、トナー粒子表面に均一に赤外線吸収剤を付着させることが難しく、各トナー粒子に付着する赤外線吸収剤の量のばらつきにより定着むらが発生し、定着性が低くなってしまうという課題がある。また、特許文献3に記載のトナーは、トナーに外添される各樹脂粒子中に、赤外線吸収剤を均一に微分散させることが難しく、各トナー粒子に付着する赤外線吸収剤の量のばらつきにより、定着むらが発生し、定着性が低くなってしまうという課題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、定着性に優れる赤外線定着用トナーおよび赤外線定着用トナー製造方法を提供することである。
本発明は、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、
赤外線吸収剤と該赤外線吸収剤を空孔内に内包する多孔質シリカ粒子とを含む内包粒子であって、前記トナー母粒子の表面に外添される内包粒子とを含むことを特徴とする赤外線定着用トナーである。
また本発明は、前記多孔質シリカ粒子の粒子径が0.1μm以上0.9μm以下であることを特徴とする。
また本発明は、多孔質シリカ粒子を赤外線吸収剤溶液中に分散させて、該多孔質シリカ粒子の空孔に前記赤外線吸収剤溶液を含浸させる含浸工程と、
前記含浸工程後の赤外線吸収剤溶液を減圧状態で乾燥することによって、該赤外線吸収剤溶液の溶媒を除去し、赤外線吸収剤を内包した多孔質シリカ粒子を得る減圧乾燥工程と、
結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、前記減圧乾燥工程によって得られた多孔質シリカ粒子とを、気流中で流動させながら、赤外線を照射することによって、前記トナー母粒子に前記多孔質シリカ粒子を固着させる赤外線照射工程とを含むことを特徴とする赤外線定着用トナー製造方法である。
また本発明は、多孔質シリカ粒子を赤外線吸収剤溶液中に分散させて、該多孔質シリカ粒子の空孔に前記赤外線吸収剤溶液を含浸させる含浸工程と、
前記含浸工程後の赤外線吸収剤溶液を減圧状態で乾燥することによって、該赤外線吸収剤溶液の溶媒を除去し、赤外線吸収剤を内包した多孔質シリカ粒子を得る減圧乾燥工程と、
結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、前記減圧乾燥工程によって得られた多孔質シリカ粒子とを、機械的攪拌力によって混合攪拌する攪拌装置を用いて、混合し攪拌することにより、該多孔質シリカ粒子を前記トナー母粒子に付着させる混合攪拌工程とを含むことを特徴とする赤外線定着用トナー製造方法である。
本発明によれば、トナー母粒子は、赤外線吸収剤を内包した多孔質シリカ粒子である内包粒子が外添される。多孔質シリカ粒子は、赤外線吸収剤を均一に内包することができる。したがって、本発明に係るトナー粒子は、トナー母粒子の周囲に、均一に、赤外線吸収剤を配置することができるので、定着性が良好となる。よって、定着性に優れるトナーを実現することができる。
また本発明によれば、多孔質シリカ粒子の粒子径は0.1μm以上0.9μm以下である。よって、内包粒子は、トナー母粒子から遊離し難く、かつ、トナー母粒子表面に均一に付着することができる。したがって、トナーの定着性をより向上させることができる。
また本発明によれば、含浸工程によって、多孔質シリカ粒子に赤外線吸収剤溶液を含浸させる。したがって、多孔質シリカ粒子の空孔に赤外線吸収剤を内包させることができ、多孔質シリカ粒子に、赤外線吸収剤を均一に内包させることができる。これによって、定着性に優れるトナーを実現することができる。
また、赤外線照射工程において、トナー母粒子と、赤外線吸収剤を内包する多孔質シリカ粒子とを、気流中で流動させながら赤外線を照射する。これによって、多孔質シリカ粒子に内包される赤外線吸収剤が赤外線を吸収し発熱するので、トナー母粒子は、トナー母粒子表面に付着した多孔質シリカ粒子の周囲において局所的に溶融した後、固化する。したがって、多孔質シリカ粒子をトナー母粒子表面に強固に固着させることができる。よって、多孔質シリカ粒子がトナー母粒子から離脱することを防止できる。
また本発明によれば、含浸工程によって、多孔質シリカ粒子に赤外線吸収剤溶液を含浸させる。したがって、多孔質シリカ粒子の空孔に赤外線吸収剤を内包させることができ、多孔質シリカ粒子に、赤外線吸収剤を均一に内包させることができる。これによって、定着性に優れるトナーを実現することができる。
トナー製造工程を示す工程図である。 気流混合装置201の正面図である。 気流混合装置201を、図2に示す切断面線A200−A200で切断したときの断面図である。 気流混合装置201の側面図である。 画像形成装置100の構成を概略的に示す模式図である。 現像装置24の構成を概略的に示す模式図である。 定着部40の構成を概略的に示す模式図である。
1、トナー
(1)トナー
本発明に係るトナーは、赤外線定着用トナーであり、赤外線が照射されることによって記録媒体に定着する。本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子の表面に、赤外線吸収剤を内包した多孔質シリカ粒子である内包粒子が外添された粒子である。
本発明に係るトナーは、赤外線吸収剤がトナー母粒子表面に配置されるので、赤外線吸収効率が良好である。したがって、本発明に係るトナーは、定着性が良好である。また、本発明に係るトナーは、多孔質シリカ粒子に内包されることによって、赤外線吸収剤が他のトナー粒子と接触し難くなるので、流動性および帯電性が良好である。
本発明に係るトナーは、下記のトナー母粒子原料および内包粒子原料から、下記のトナー製造工程によって製造することができる。より詳細には、トナー母粒子原料から製造されるトナー母粒子と、内包粒子原料から製造される、内包粒子とから、トナー母粒子に内包粒子が外添されたトナー(本発明に係るトナー)を得ることができる。なお、本発明に係るトナーとしては、トナー母粒子に内包粒子が外添された粒子に、さらに外添剤が外添されたものであってもよい。
(2)トナー母粒子原料
トナー母粒子原料は、結着樹脂、着色剤、およびその他の添加剤を含む。
(2−1)結着樹脂
結着樹脂としては、従来公知のトナー用の結着樹脂を使用できる。トナー用の結着樹脂としては、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。結着樹脂は、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
(2−2)着色剤
着色剤としては、染料および顔料を挙げることができ、その中でも顔料を用いることが好ましい。顔料は、染料に比べて耐光性および発色性に優れるので、顔料を用いることによって耐光性および発色性に優れるトナーを得ることができる。
着色剤としては、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、ブラックトナー用着色剤などを挙げることができる。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などの有機系顔料、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料が挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86などが挙げられる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。
着色剤の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して4重量部以上20重量部以下である。着色剤の使用量が20重量部を超えると、トナーの透明性および定着性が低下してしまい、4重量部未満であると充分な画像濃度が得られなくなってしまう。
着色剤は、マスターバッチとして使用されることが好ましい。着色剤のマスターバッチは、たとえば、樹脂の溶融物と着色剤とを混練することによって製造できる。樹脂としては、トナー母粒子の結着樹脂と同種の樹脂またはトナー母粒子の結着樹脂に対して良好な相溶性を有する樹脂が使用される。マスターバッチにおける樹脂と着色剤との使用割合は特に制限されないけれども、好ましくは樹脂100重量部に対して、着色剤が30重量部以上100重量部以下である。マスターバッチは、たとえば粒径2mm〜3mm程度に造粒されて用いられる。
(2−3)その他の添加剤
トナー母粒子原料は、結着樹脂および着色剤以外の添加剤を含んでもよい。本実施形態では、トナー母粒子原料は、ワックスおよび帯電制御剤を含む。
(2−3−1)ワックス
ワックスは、記録媒体に定着したトナー像である定着画像に、平滑性を付与する目的で添加される。トナー母粒子にワックスを添加することにより、定着画像表面の凹凸が少なくなり、定着画像が平滑になる。
ワックスとしては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。ワックスとしては、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、低分子ポリプロピレンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックスおよびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸が挙げられる。
ワックスの使用量は特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.2重量部以上20重量部以下である。ワックスの使用量が20重量部を超えると、感光体フィルミング、キャリアスペントなどが起こってしまい、0.2重量部未満であると、ワックスの機能を充分発揮できなくなってしまう。
ワックスの融点は、特に制限されないけれども、30℃〜120℃であることが好ましい。ワックスの融点が120℃を超えると、ワックスの機能が充分発揮されなくなってしまい、30℃未満であるとトナーの保存性が損なわれてしまう。
(2−3−2)帯電制御剤
帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加される。帯電制御剤は、特に限定されるものではなく、公知の正電荷制御用または負電荷制御用の帯電制御剤を用いることができる。
正電荷制御用の帯電制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の帯電制御剤としては、たとえば、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の、金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸が挙げられる。
正電荷制御用の帯電制御剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上の正電荷制御用の帯電制御剤を併用して用いてもよい。同様に、負電荷制御用の帯電制御剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上の負電荷制御用の帯電制御剤を併用して用いてもよい。
帯電制御剤は、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上用いられることが好ましく、1重量部以上用いられることがより好ましい。帯電制御剤の含有量が0.5重量部未満であると、トナーに充分な帯電性を付与することができなくなってしまう。また、結着樹脂に対して非相溶性の帯電制御剤を用いる場合は、結着樹脂100重量部に対して、非相溶性帯電制御剤が5重量部以下で用いられることが好ましく、3重量部以下で用いられることがより好ましい。トナーとキャリアとを含む2成分現像剤の場合、トナー中の結着樹脂100重量部に対して非相溶性帯電制御剤が5重量部よりも多く含まれると、非相溶性帯電制御剤によってキャリアが汚染されてしまい、トナー飛散が発生してしまう。
(3)内包粒子原料
内包粒子原料は、多孔質シリカ粒子および赤外線吸収剤を含む。
(3−1)多孔質シリカ粒子
多孔質シリカ粒子としては、従来公知の多孔質シリカ粒子を使用できる。多孔質シリカ粒子は、たとえば特開昭61−227913に記載の方法で、作製できる。すなわち、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート(商標“レオドールTW−O320”、花王石鹸株式会社製)の濃度30g/lのトルエン溶液125mlと、濃度6.5モル/lの3号珪酸ソーダ125mlとを、1:1の割合で混合してW/O型乳濁液を調製し、一方、濃度1.5モル/lの(NH4)2CO3水溶液500mlを調製し、これを上記W/O型乳濁液に加えた後、撹拌下に30分間保持することにより得ることができる。
多孔質シリカ粒子は、それぞれの粒子径(直径)が0.1μm以上0.9μm以下であることが好ましい。多孔質シリカ粒子の粒子径がこの範囲内であると、内包粒子が小さくなり過ぎないため、内包粒子をトナー母粒子から遊離し難くすることができる。また、この範囲内であると、内包粒子が大きくなり過ぎないため、内包粒子をトナー母粒子表面に均一に付着させることができる。なお、多孔質シリカ粒子の粒子径は、電子顕微鏡(SEM)で測定し、個数平均粒径は多孔質シリカ粒子の粒子100個の直径の平均値とした。
(3−2)赤外線吸収剤
赤外線吸収剤は、赤外線を吸収することによって発熱する物質であり、赤外線定着用トナーの赤外線吸収効率を向上させるために、トナーに添加される。赤外線吸収剤は、多孔質シリカ粒子に内包された状態でトナー母粒子に外添される。赤外線吸収剤としては、電磁波の吸収ピークが、赤外線の波長域の中でも、波長780nm以上1000nm以下の範囲内にある赤外線吸収剤が特に好ましい。さらに、赤外線吸収剤としては、可視光線の吸収が少ない赤外線吸収剤であることが好ましい。このような赤外線吸収剤を用いることによって、トナーの色相への影響を抑えることができる。なお、本実施形態において、「赤外線」とは、波長が780nm以上10nm(1mm)以下の電磁波を指し、「可視光線」とは、波長が380nm以上780nm未満の電磁波を指す。
赤外線吸収剤としては、従来公知の赤外線定着用トナー用の赤外線吸収剤が使用できる。赤外線吸収剤としては、たとえば、シアニン化合物、カーボンブラック、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ポリメチン化合物、フタロシアニン化合物などが挙げられる。赤外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用して用いてもよい。
シアニン化合物としては、たとえば、KAYASORB CY−40MC(商品名、日本化薬株式会社製)、KAYASORB CYP−4646(F)(商品名、日本化薬株式会社製)、NK−4680(商品名、株式会社林原生物化学研究所製)、SD50−E05N(商品名、住友精化株式会社製)などが挙げられる。ジイモニウム化合物としては、たとえば、CIR−1085(商品名、日本カーリット株式会社製)、CIR−1085F(商品名、日本カーリット株式会社製)などが挙げられる。アミニウム化合物としては、たとえば、NIR−AM1(商品名、ナガセケムテックス株式会社製)が挙げられる。ポリメチン系化合物としては、たとえば、IRT(商品名、昭和電工株式会社製)が挙げられる。フタロシアニン化合物としては、たとえば、IR−10A(商品名、株式会社日本触媒製)、IR−12(商品名、株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
赤外線吸収剤としては、シアニン化合物を用いることが好ましい。シアニン化合物は、波長780nm以上1000nm以下の範囲内に電磁波の吸収ピークを有し、かつ、高い吸光度を有するため、トナーの赤外線吸収効率を充分に向上させることができる。これによって、トナーは、赤外線定着において充分な定着性を発揮できる。
赤外線吸収剤としてシアニン化合物を用いる場合、シアニン化合物の含有量は、トナー100重量部に対して、0.1重量部以上5.0重量部以下であることが好ましい。シアニン化合物の含有量を0.1重量部以上5.0重量部以下とすることで、トナーの定着性を向上させることができ、定着画像の白抜けおよび彩度の低下を防ぐことができる。
シアニン化合物の含有量が0.1重量部未満であると、赤外線の吸収による発熱量が少なくなり、トナーが充分に溶融せず、トナーの定着性が低下してしまう。シアニン化合物の含有量が5.0重量部を超えると、赤外線の吸収によるトナーの急激な溶融が起こり、突沸が生じてトナーが飛び散り、画像の白抜けが発生してしまう。また、シアニン化合物の含有量が5.0重量部を超えると、シアニン化合物による可視光線の吸収量が多くなるため、画像の彩度が低下してしまう。
赤外線吸収剤は、多孔質シリカ粒子に内包されるだけではなく、トナー母粒子に含まれていてもよい。トナー母粒子が赤外線吸収剤としてシアニン化合物を含む場合には、トナー母粒子内のシアニン化合物と、多孔質シリカ粒子に内包されるシアニン化合物との合計の量が、上記範囲内の含有量であることが好ましい。
(4)外添剤
本実施形態では、トナーには外添剤が外添される。外添剤は、トナーの流動性、摩擦帯電性、耐熱性、長期保存性、クリーニング特性、および感光体表面磨耗特性を向上させるために添加される。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタン、アルミナなどが挙げられる。外添剤は、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、有機ケイ素化合物などで処理されていることが好ましい。
外添剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用して用いてもよい。外添剤の使用量は、トナー100重量部に対して1重量部〜10重量部であることが好ましく、1重量部〜5重量部であることがより好ましい。
外添剤は、1次粒子の個数平均粒径が10nm〜500nmであることが好ましい。このような粒径の外添剤を用いることにより、トナーの流動性がさらに向上する。なお、外添剤の個数平均粒径は、電子顕微鏡(SEM)で、赤外線吸収剤の粒子100個の直径を測定し、その平均値とした。
(5)トナー製造工程
本発明に係る赤外線定着用トナー製造方法は、多孔質シリカ粒子を赤外線吸収剤溶液中に分散させて、該多孔質シリカ粒子の空孔に赤外線吸収剤溶液を含浸させる含浸工程と、含浸工程後の赤外線吸収剤溶液を減圧状態で乾燥することによって、該赤外線吸収剤溶液の溶媒を除去し、赤外線吸収剤を内包した多孔質シリカ粒子(内包粒子)を得る減圧乾燥工程と、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、減圧乾燥工程によって得られた内包粒子とを、気流中で流動させながら、赤外線を照射することによって、トナー母粒子に内包粒子を固着させる赤外線照射工程とを含む。
含浸工程において、多孔質シリカ粒子に赤外線吸収剤溶液を含浸させることによって、多孔質シリカ粒子の空孔に赤外線吸収剤を内包させることができ、多孔質シリカ粒子に、赤外線吸収剤を均一に内包させることができる。これによって、定着性に優れるトナーを実現することができる。
また、赤外線照射工程において、トナー母粒子と、内包粒子とを、気流中で流動させながら赤外線を照射することによって、内包粒子中の赤外線吸収剤が赤外線を吸収し発熱するので、トナー母粒子は、トナー母粒子表面に付着した内包粒子の周囲において局所的に溶融した後、固化する。したがって、内包粒子をトナー母粒子表面に強固に固着させることができる。よって、内包粒子がトナー母粒子から離脱することを防止でき、トナーの定着性が低下することを防止できる。
また、赤外線照射工程では、循環する気流である循環気流中で、トナー母粒子および内包粒子を流動させながら赤外線を照射し、かつ、循環気流中でトナー母粒子および内包粒子を流動させながら衝撃を付与することが好ましい。これによって、トナー母粒子は、トナー母粒子表面に付着した内包粒子の周囲において局所的に溶融した状態で、衝撃が与えられた後、固化することとなり、内包粒子をトナー母粒子表面により強固に固着させることができる。
以下に、本発明に係る赤外線定着用トナー製造方法の実施形態であるトナー製造工程について説明する。図1は、トナー製造工程を示す工程図である。トナー製造工程は、トナー母粒子および内包粒子を準備する準備工程S1と、トナー母粒子および内包粒子を気流中で流動させながら赤外線を照射して、トナー母粒子に内包粒子を固着させる赤外線照射工程S2と、トナー母粒子に内包粒子が固着した粒子に外添剤を添加する外添工程S3とを含む。
(5−1)準備工程S1
準備工程S1は、トナー母粒子を調製する母粒子調製工程S1Aと、内包粒子を調製する内包粒子調製工程S1Bとを含む。
(5−1−1)母粒子調製工程S1A
母粒子調製工程S1Aでは、トナー母粒子原料から、結着樹脂、着色剤、およびその他の添加剤を含むトナー母粒子を調製する。トナー母粒子の調製方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。トナー母粒子の調製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、または、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下では、粉砕法によるトナー母粒子の調製について説明する。
母粒子調製工程S1Aは、混合工程S1Aaと、混練工程S1Abと、粉砕工程S1Acと、分級工程S1Adとを含む。
(5−1−1−1)混合工程S1Aa
混合工程S1Aaでは、結着樹脂、着色剤、およびその他の添加剤を含むトナー母粒子原料を、混合機で乾式混合する。混合機としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などの混合機が挙げられる。
(5−1−1−2)混練工程S1Ab
混練工程S1Abでは、混合工程S1Aaによって得られた混合物を、混練機によって溶融混練し、溶融混練によって得られた混練物を冷却固化する。混練機としては、公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機が挙げられる。具体的な混練機としては、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87(商品名、株式会社池貝製)、PCM−30(商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。
(5−1−1−3)粉砕工程S1Ac
粉砕工程S1Acでは、混練工程S1Abによって得られた固化物を、粉砕機により粉砕する。粉砕機としては、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などが挙げられる。
(5−1−1−4)分級工程S1Ad
分級工程S1Adでは、粉砕工程S1Acによって得られた粉砕物に対して、分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。分級には、遠心力、風力などによって分級する公知の分級機を使用でき、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などが挙げられる。
(5−1−2)内包粒子調製工程S1B
内包粒子調製工程S1Bでは、含浸・乾燥工程S1Baによって、内包粒子原料から、多孔質シリカ粒子に赤外線吸収剤が内包された粒子である内包粒子を調製する。
(5−1−2−1)含浸・乾燥工程S1Ba
含浸・乾燥工程S1Baでは、イソプロピルアルコール(IPA)200ccに、赤外線吸収剤を5g溶解分散させて赤外線吸収剤溶液を用意し、該赤外線吸収剤溶液中に、多孔質シリカ粒子100gを投入し、5分間、超音波振動を行って、該多孔質シリカ粒子を均一に分散させる。その後、エバポレータ(商品名:ロータリーエバポレータN−1008、東京理化器械株式会社製)に、該多孔質シリカ粒子が分散した赤外線吸収剤溶液を移し、外部ポンプにてエバポレータ内を、常温下で、2mmHg〜10mmHgに減圧する。エバポレータ内を減圧状態とした後、10分間、温度を一定に保つ。多孔質シリカ粒子の空孔に存在していた空気は、外部が減圧されることによって、空孔から気泡となり放出される。
多孔質シリカ粒子の、空気が放出された空孔には、赤外線吸収剤溶液が浸み込む。その後、減圧状態のまま、エバポレータを50℃になるように、外部ヒータを用いて加温しながら、30rpmでエバポレータを回転させ、有機溶剤であるIPAを除去する。これによって、IPAを効率良く除去することができる。
(5−2)赤外線照射工程S2
赤外線照射工程S2では、トナー母粒子と内包粒子とを、気流中で流動させながら赤外線照射することによって、トナー母粒子に内包粒子を固着させる。赤外線照射工程S2では、以下において説明する図2,3,4に示す気流混合装置201を使用することができる。
<気流混合装置201>
図2は、気流混合装置201の正面図である。図3は、気流混合装置201を、図2に示す切断面線A200−A200で切断したときの断面図である。図4は、気流混合装置201の側面図である。気流混合装置201は、粉体流路202と、赤外線照射部203と、回転攪拌部204と、粉体投入部206と、粉体回収部207と、温度調整用ジャケット224とを備える。
粉体流路202は、トナー母粒子、内包粒子などの粉体が流動するための内部空間を有する。粉体流路202は、攪拌室208と、粉体流過部209とからなる。
攪拌室208は、内部空間を有する略円柱形の容器状部材である。攪拌室208には、開口部210,211が形成される。開口部210は、攪拌室208の軸線方向一端側の壁部である壁部208aの略中央において、壁部208aを厚み方向に貫通するように形成される。開口部211は、攪拌室208の壁部208aに垂直な壁部である壁部208bを厚み方向に貫通するように形成される。
攪拌室208には、貫通孔221が形成される。貫通孔221は、攪拌室208の壁部208aに平行な壁部である壁部208cを厚み方向に貫通するように形成される。攪拌室208内には、回転攪拌部204が設けられる。
回転攪拌部204は、回転軸部218と、円盤状の回転盤219と、複数の攪拌羽根220と、ガス排出部222とを含む。回転軸部218は、攪拌室208の軸線に一致する軸線を有し、かつ、貫通孔221に挿通されるように設けられる円柱棒状部材である。回転軸部218は、図示しないモータによって軸線回りに回転する。回転軸部218が回転することによって、回転攪拌部204の最外周における周速度を50m/sec以上に設定することが回転可能である。ここで、回転攪拌部204の最外周とは、回転攪拌部204の一部分であって、回転軸部218の軸線方向に垂直な方向において、回転軸部218の軸線との距離が最大となる一部分である。
回転軸部218は、攪拌室208内にキャリアガスを供給する。攪拌室208内に供給されるキャリアガスによって、粉体流路202内に気流が生じる。回転軸部218には、図示しないキャリアガス供給量制御部が設けられ、供給するキャリアガスの単位時間当たり供給量を調整することができる。また、回転軸部218には、図示しないフロート式の流量計が設けられ、キャリアガスの供給量を測定することができる。回転軸部218は、攪拌室208内にキャリアガスを送り込むことによって、トナー母粒子などの粉体がガス排出部222から粉体流路202外へ排出されるのを防ぐことができる。これによって、トナーの収率低下を防止するとともに、モータへの粉体の流れ込みを防止し、トルクの増大による消費電力の増加およびモータの故障を防ぐことができる。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。
回転盤219は、その軸線が回転軸部218の軸線に一致するように回転軸部218に支持され、回転軸部218の回転に伴って回転する円盤状部材である。攪拌羽根220は粉体を攪拌する部材である。複数の攪拌羽根220は、回転盤219の一平面において、回転盤の軸線を中心とする1つの円周上に配置される。回転攪拌部204によれば、回転軸部218の回転に伴って回転盤219が回転することにより、複数の攪拌羽根220が粉体およびキャリアガスを攪拌して衝撃を付与し、粉体およびキャリアガスを粉体流路202内で流動させる。粉体およびキャリアガスは、矢符214で示すように、開口部211から攪拌室208を出て、開口部210から攪拌室208に入るように流動する。
ガス排出部222は、粉体流路202内の気体を排出する。粉体流路202内の気体とは、キャリアガスなどである。ガス排出部222は複数設けられてもよい。
粉体流過部209は、内部空間を有する筒状部材であり、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。したがって、攪拌室208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とは連通する。粉体流過部209には、赤外線照射部203と、粉体投入部206と、粉体回収部207とが設けられる。
粉体投入部206は、トナー母粒子および内包粒子を供給する図示しないホッパと、ホッパと粉体流路202とを連通する供給管212と、供給管212に設けられる電磁弁213とを備える。ホッパから供給されるトナー母粒子および内包粒子は、電磁弁213によって供給管212内の流路が開放されているとき、供給管212を介して粉体流路202に供給される。電磁弁213によって供給管212内の流路が閉鎖されているときは、トナー母粒子および内包粒子は粉体流路202に供給されない。
粉体回収部207は、回収タンク215と、回収タンク215と粉体流路202とを連通する回収管216と、回収管216に設けられる電磁弁217とを備える。電磁弁217によって回収管216内の流路が開放されているとき、粉体流路202内を流動する粉体は、回収管216を介して回収タンク215に回収される。電磁弁217によって回収管216内の流路が閉鎖されているときは、粉体流路202内を流動する粉体は回収されない。
赤外線照射部203は、キセノンランプを備えた円筒状の赤外線照射装置である。赤外線照射部203は、粉体流路202内を気流とともに流動しながら循環する粉体に赤外線を照射する。赤外線照射部203は、粉体流過部209の開口部211付近に設けられる。赤外線照射部203は、粉体流路202の外壁の一部を形成するように配設される。赤外線照射部203は、粉体流路202の外壁部分であって、キセノンランプから生じる赤外線に対して透明な外壁部分と、該外壁部分よりも外側に備えられるキセノンランプとを含む。キセノンランプは、円筒状の外壁面全周にわたって備えられてもよいし、周方向において等間隔に、4箇所備えられてもよい。
温度調整用ジャケット224は、粉体流路202の外壁面に設けられ、その内部に流路225を有する。流路225に冷却媒または加温媒が通ることによって、粉体流路202内温度が調整される。温度調整用ジャケット224は、粉体流路202内の気流の温度を0℃以下に調整することができる。
たとえば、温度調整用ジャケット224は、粉体流過部209の外壁面のうち、赤外線照射部203よりも、粉体の流動方向において下流の外壁面に設けられる。また、温度調整用ジャケット224は、攪拌室208の外壁面のうち、開口部210付近の外壁面に設けられてもよい。本実施形態では、温度調整用ジャケット224は、粉体流過部209の外壁面全面および攪拌室208の外壁面全面に設けられる。
このような気流混合装置201は、市販の気流混合機と赤外線照射装置とを組合せて得ることができる。市販の気流混合機としては、たとえば、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などが挙げられる。また、他の実施形態としては、ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山株式会社製)などの混合機に赤外線照射装置を取り付けたものを、気流混合装置201として用いてもよい。
本実施形態では、赤外線照射工程S2は、気流混合装置201を用いて行われる。詳細には、赤外線照射工程S2では、回転攪拌部204の回転軸部218が回転数200rpmで回転している状態で、トナー母粒子および内包粒子が、粉体投入部206から粉体流路202に供給される。粉体流路202に供給されたトナー母粒子および内包粒子は、回転攪拌部204によって、5分間攪拌され、粉体流路202内の循環気流中で流動する。その後、回転攪拌部204の回転軸部218の回転数を200rpmに保ちながら、5分間、赤外線照射部203によって赤外線を照射し続ける。これによって、トナー母粒子は、トナー母粒子表面に付着した内包粒子の周囲において局所的に溶融する。内包粒子が付着したトナー母粒子は、局所的にトナー母粒子が溶融した状態で、粉体流路202の内壁面に衝突したり、回転攪拌部204によって攪拌されたりすることによって、衝撃が付与される。これによって、内包粒子がトナー母粒子に強固に固着する。
赤外線照射工程S2では、トナー母粒子が、該トナー母粒子に付着した内包粒子の周囲において局所的に溶融するように、赤外線を照射しながら冷却することが好ましい。これによって、トナー母粒子は、内包粒子の周囲において局所的に溶融した後、トナー母粒子全体が溶融する前に冷却される。したがって、トナー母粒子同士の凝集、およびトナー母粒子の気流混合装置201への融着が生じることを防止できる。本実施形態では、温度調整用ジャケット224によって冷却を行う。詳細には、粉体流路202内の温度を測定する図示しない温度計による検知温度が0℃以下となるように、温度調整用ジャケット224に冷却媒を通している。
本実施形態では、シアニン化合物を赤外線吸収剤として用いる。シアニン化合物は赤外線の吸収量が多いので、赤外線照射部203は、少ない赤外線照射エネルギー量で、トナー母粒子を溶融することができる。したがって、少ない赤外線照射エネルギー量で、効率的に、トナーを得ることができる。
(5−3)外添工程S3
外添工程S3では、赤外線照射工程S2によって得られた、内包粒子が固着したトナー母粒子と、外添剤とを、混合機によって混合することによって、トナー粒子を作製する。混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)などの混合機が挙げられる。
(6)赤外線定着用トナー製造方法の他の実施形態
本発明に係る赤外線定着用トナー製造方法の他の実施形態としては、赤外線照射工程S2の代わりに、または、準備工程S1と赤外線照射工程S2との間に、以下の混合攪拌工程を行ってもよい。
<混合攪拌工程>
混合攪拌工程では、母粒子調製工程S1Aによって得られたトナー母粒子と、内包粒子調製工程S1Bによって得られた内包粒子とを、機械的攪拌力によって混合攪拌する攪拌装置を用いて、混合し攪拌することにより、内包粒子をトナー母粒子に付着させる。
機械的攪拌力によって混合攪拌する攪拌装置としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などの混合機が挙げられる。
2、現像剤
本発明に係る現像剤は、本発明に係るトナーを含む。本発明に係るトナーは、1成分現像剤に用いることができ、2成分現像剤にも用いることができる。
(1)1成分現像剤
1成分現像剤は、キャリアを含まず、本発明に係るトナーのみからなる。1成分現像剤は、現像スリーブによって搬送され、ブレードまたはファーブラシによって摩擦帯電し、静電気力によって静電潜像に供給されることで、該静電潜像を現像する。本発明に係る1成分現像剤は、赤外線吸収剤がトナー母粒子表面に配置されるので、良好な赤外線吸収効率を発揮することができ、これによって、良好な定着性を発揮することができる。また、本発明に係る1成分現像剤は、赤外線吸収剤が他のトナー粒子と接触し難いので、良好な流動性および帯電性を発揮することができる。
(2)2成分現像剤
2成分現像剤は、本発明に係るトナーとともに、公知のキャリアを含む。本発明に係る2成分現像剤は、赤外線吸収剤がトナー母粒子表面に配置されので、良好な赤外線吸収効率を発揮することができ、これによって、良好な定着性を発揮することができる。また、本発明に係る2成分現像剤は、赤外線吸収剤が他のトナー粒子と接触し難いので、良好な流動性および帯電性を発揮することができる。
キャリアとしては、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトキャリア、フェライトからなるキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどを挙げることができる。
被覆物質は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。被覆物質としては、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアシド、ポリビニルラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などを挙げることができる。被覆物質は、トナー成分に応じて適宜選択することが好ましく、1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂は、特に限定されるものではなく、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを挙げることができる。樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂は、トナー成分に応じて適宜選択することが好ましく、1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
キャリアの形状は、球形または扁平形状であることが好ましい。キャリアの粒径は、特に限定されないけれども、定着画像の高画質化を考慮すると、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、20μm〜50μmの範囲内であることがさらに好ましい。
キャリアの抵抗率は、10Ω・cm以上であることが好ましく、1012Ω・cm以上であることがさらに好ましい。キャリアの抵抗率が低いと、バイアス電圧を印加する際にキャリアに電荷が注入されてしまい、感光体ドラムにキャリア粒子が付着してしまうおそれがある。また、キャリアの抵抗率が低いと、バイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。なお、「キャリアの抵抗率」は、キャリアを、断面積が0.50cmで底面に電極を有する容器に入れてタッピングした後に、錘によって容器内に詰められたキャリア粒子に1kg/cmの荷重を掛け、錘と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値である。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、10emu/g〜60emu/gの範囲内であることが好ましく、15emu/g〜40emu/gの範囲内であることがさらに好ましい。現像ローラの磁束密度によるけれども、一般的な磁束密度の条件下においては、キャリアの磁化強さが10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となる。キャリアの磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎてしまう。非接触現像では、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎると、感光体ドラムとキャリアとが非接触状態を保つことが困難になる。また、接触現像では、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎると、トナー像に掃き目が現れ易くなる。
2成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に限定されるものではなく、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択することができる。たとえば、樹脂被覆キャリア(密度5g/cm〜8g/cm)を用いる場合、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜20重量%含まれるように、トナーを用いればよい。2成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40%〜80%の範囲内であることが好ましい。
3、画像形成装置
本発明に係る現像剤は、図5に示す、赤外線定着式の画像形成装置100に用いることができる。図5は、画像形成装置100の構成を概略的に示す模式図である。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。画像形成装置100は、コピアモード(複写モード)、プリンタモード、およびファクシミリモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器などからの印刷ジョブの受信に応じて、図示しない制御ユニット部によって、印刷モードが選択される。
画像形成装置100は、トナー像形成部20と、転写部30と、定着部40と、記録媒体供給部50と、排出部60と、図示しない制御ユニット部とを含む。トナー像形成部20は、感光体ドラム21b,21c,21m,21yと、帯電部22b,22c,22m,22yと、露光ユニット23と、現像装置24b,24c,24m,24yと、クリーニングユニット25b,25c,25m,25yとを含む。転写部30は、中間転写ベルト31と、駆動ローラ32と、従動ローラ33と、中間転写ローラ34b,34c,34m,34yと、転写ベルトクリーニングユニット35と、転写ローラ36とを含む。
感光体ドラム21、帯電部22、現像装置24、クリーニングユニット25、および中間転写ローラ34は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)、およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。本明細書中において、各色に応じて4つずつ設けられる各部材を区別する場合は、各部材を表す数字の末尾に各色を表すアルファベットを付して参照符号とし、各部材を総称する場合は、各部材を表す数字のみを参照符号とする。
感光体ドラム21は、図示しない駆動部により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などを挙げることができる。感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。
帯電部22、現像装置24、およびクリーニングユニット25は、感光体ドラム21の回転方向周りに、この順序で配置される。帯電部22は、現像装置24およびクリーニングユニット25よりも鉛直方向下方に配置される。
帯電部22は、感光体ドラム21表面を所定の極性および電位に帯電させる部材である。帯電部22は、感光体ドラム21に臨む位置に、感光体ドラム21の長手方向に沿って設置される。接触帯電方式の帯電装置の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面に接するように設置される。非接触帯電方式の帯電装置の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面から離隔するように設置される。
帯電部22は、現像装置24、クリーニングユニット25などとともに、感光体ドラム21の周囲に設置される。帯電部22は、現像装置24、クリーニングユニット25などよりも、感光体ドラム21に近い位置に設置されることが好ましい。これによって、感光体ドラム21の帯電不良の発生を確実に防止することができる。
帯電部22としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを使用できる。ブラシ型帯電装置およびローラ型帯電装置は、接触帯電方式の帯電装置である。ブラシ型帯電装置には、帯電ブラシを用いるもの、磁気ブラシを用いるものなどがある。コロナ放電装置およびイオン発生装置は、非接触帯電方式の帯電装置である。コロナ放電装置には、ワイヤ状の放電電極を用いるもの、鋸歯状の放電電極を用いるもの、針状の放電電極を用いるものなどがある。
露光ユニット23は、露光ユニット23から出射される光が、帯電部22と現像装置24との間を通過して感光体ドラム21の表面に照射されるように配置される。露光ユニット23は、帯電状態にある感光体ドラム21b,21c,21m,21y表面に、各色の画像情報に対応するレーザ光をそれぞれ照射することによって、感光体ドラム21b,21c,21m,21yそれぞれの表面に、各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。露光ユニット23には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニット(LSU)を使用できる。露光ユニット23としては、LED(Light Emitting Diode)アレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットなどを用いてもよい。
図6は、現像装置24の構成を概略的に示す模式図である。現像装置24は、現像槽241とトナーホッパ242とを含む。現像槽241は、その内部空間に、本発明に係る現像剤を収容する。現像槽241内には、現像ローラ243、供給ローラ244、攪拌ローラ245などのローラ状またはスクリュー状部材が、回転自在に支持される。現像槽241の感光体ドラム21を臨む側面には開口部が形成され、該開口部を介して感光体ドラム21に対向する位置に現像ローラ243が設けられる。
現像ローラ243は、感光体ドラム21との圧接部または最近接部において感光体ドラム21表面の静電潜像にトナーを供給する部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ243表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(現像バイアス)として印加される。これによって、現像ローラ243表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。現像バイアスの値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御することができる。
供給ローラ244は、現像ローラ243に臨み、現像ローラ243周辺にトナーを供給する部材である。攪拌ローラ245は供給ローラ244に臨み、トナーホッパ242から現像槽241内に新たに供給されるトナーを供給ローラ244周辺に送給する部材である。トナーホッパ242は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口(図示せず)と、現像槽241の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口(図示せず)とが連通するように設けられ、現像槽241のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。他の実施形態としては、トナーホッパ242を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するように構成されてもよい。
クリーニングユニット25は、感光体ドラム21から中間転写ベルト31にトナー像が転写された後に、感光体ドラム21の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム21の表面を清浄化する部材である。クリーニングユニット25には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、画像形成装置100においては、感光体ドラム21として、主に有機感光体ドラムが用いられる。有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電の際に発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすいけれども、劣化した表面部分はクリーニングユニット25よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる感光体ドラム21表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施形態ではクリーニングユニット25が設けられるけれども、クリーニングユニット25は設けられなくてもよい。
トナー像形成部20によれば、帯電部22によって均一な帯電状態にある感光体ドラム21の表面に、露光ユニット23から画像情報に応じたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。静電潜像に現像装置24からトナーが供給されてトナー像が形成され、該トナー像は中間転写ベルト31に転写される。トナー像が中間転写ベルト31に転写された後に、感光体ドラム21表面に残留するトナーは、クリーニングユニット25によって除去される。このような一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
中間転写ベルト31は、感光体ドラム21の鉛直方向上方に配置される無端ベルト状部材である。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32と従動ローラ33とによって張架されてループ状の経路を形成し、矢符Bの方向に回転駆動する。
駆動ローラ32は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転駆動が可能なように設けられる。駆動ローラ32は、回転駆動によって、中間転写ベルト31を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ33は、駆動ローラ32の回転駆動に従動して回転可能なように設けられ、中間転写ベルト31が弛まないように、中間転写ベルト31に一定の張力を発生させる。
中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31を介して感光体ドラム21に圧接し、かつ図示しない駆動部によってその軸線回りに回転駆動が可能なように設けられる。中間転写ローラ34は、転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム21表面のトナー像を中間転写ベルト31に転写する機能を有する。
転写ローラ36は、中間転写ベルト31を介して駆動ローラ32に圧接し、図示しない駆動部によって軸線回りに回転駆動が可能なように設けられる。転写ローラ36と駆動ローラ32との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト31に担持されて搬送されるトナー像が、後述する記録媒体供給部50から送給される記録媒体に転写される。
転写ベルトクリーニングユニット35は、中間転写ベルト31を介して従動ローラ33に対向し、中間転写ベルト31のトナー像担持面に接触するように設けられる。記録媒体へのトナー像の転写後に、中間転写ベルト31にトナーが付着したまま残っていると、中間転写ベルト31の回転駆動によって、残留トナーが転写ローラ36に付着するおそれがある。転写ローラ36に付着したトナーは、次に転写する記録媒体の裏面を汚染する原因となる。したがって、転写ベルトクリーニングユニット35は、記録媒体へのトナー像の転写後に、中間転写ベルト31表面のトナーを除去し回収するために設けられる。
転写部30によれば、中間転写ベルト31が感光体ドラム21に接しながら回転駆動する際、中間転写ローラ34に、感光体ドラム21表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31上へ転写される。フルカラー画像の場合、感光体ドラム21y、感光体ドラム21m、感光体ドラム21c、感光体ドラム21bでそれぞれ形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト31上に、この順番で順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。中間転写ベルト31に転写されたトナー像は、中間転写ベルト31の回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、転写ニップ部において、記録媒体に転写される。トナー像が転写された記録媒体は、定着部40に搬送される。
記録媒体供給部50は、自動給紙部51と、ピックアップローラ52a,52bと、搬送ローラ53a,53bと、レジストローラ54と、手差給紙トレイ55とを含む。自動給紙部51は画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、画像形成装置100内部において記録媒体を貯留する容器状部材である。手差給紙トレイ55は、画像形成装置100外部において記録媒体を貯留するトレイ状部材である。記録媒体としては、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。
ピックアップローラ52aは、自動給紙部51に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A1に送給するローラ状部材である。搬送ローラ53aは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A1において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。ピックアップローラ52bは、手差給紙トレイ55に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A2に送給するローラ状部材である。搬送ローラ53bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A2において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。
レジストローラ54は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、搬送ローラ53a,53bから送給される記録媒体を、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
記録媒体供給部50によれば、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、自動給紙部51または手差給紙トレイ55から記録媒体が転写ニップ部に送給され、該記録媒体にトナー像が転写される。
図7は、定着部40の構成を概略的に示す模式図である。図7(a)は定着部40の正面図であり、図7(b)は定着部40を図7(a)のI方向から見た上面図であり、図7(c)は定着部40を図7(a)のII方向から見た左側面図である。
定着部40は、レーザ定着装置41と、搬送部44とを含む。レーザ定着装置41は、レーザ光源42と、回転多面鏡43とを含む。レーザ光源42は、所定の波長のレーザ光を照射する部材である。回転多面鏡43は、レーザ光源42から照射されたレーザ光を反射して、記録媒体のトナー担持面に対して略垂直な方向から、記録媒体を走査露光する。回転多面鏡43は、たとえば、その形状が正六角面体であり、矢符C1方向に定速回転する。レーザ定着装置41は、記録媒体上のトナー像に局所的にレーザ光を照射することができる。
搬送部44は、搬送ベルト45と、駆動ローラ46と、従動ローラ47とを含む。搬送ベルト45は、無端ベルト状部材である。搬送ベルト45は、駆動ローラ46と従動ローラ47とによって張架されてループ状の経路を形成し、矢符C2の方向に回転駆動する。搬送ベルト45は、ベルト表面に静電気力によって記録媒体を担持して搬送する構成であってもよいし、ベルト表面に風力によって記録媒体を担持して搬送する構成であってもよい。
駆動ローラ46は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転駆動が可能なように設けられる。駆動ローラ46は、回転駆動によって、搬送ベルト45を矢符C2方向へ回転駆動させる。従動ローラ47は、駆動ローラ46の回転駆動に従動して回転可能なように設けられ、搬送ベルト45が弛まないように、搬送ベルト45に一定の張力を発生させる。
なお、レーザ光源42と回転多面鏡43との間の光路には、コリメータレンズ、シリンダーレンズなどを設けてもよい。また、回転多面鏡43と搬送ベルト45との間には、fθレンズ、折り返しミラー、反射ミラーなどを設けてもよい。
レーザ定着装置41は、記録媒体上に担持された未定着トナー像に対し、所定の波長のレーザ光を照射することによって、該記録媒体上に、トナーを非接触定着することができる。具体的には、記録媒体上の未定着トナーに含まれる着色剤および赤外線吸収剤が、赤外線領域内に波長を有するレーザ光を吸収して発熱することによって、トナーが加熱溶融し、該記録媒体上に定着する。
レーザ光源42は、波長780nm〜1000nmのレーザ光を照射することが好ましい。レーザ光源42から照射されるレーザの強度は、1.5W/cm以上630W/cm以下の範囲内であることが好ましい。レーザの強度が1.5W/cmよりも弱い場合には、レーザ照射によるトナーの溶融が不充分となるためにトナーの定着率が低下してしまう。レーザの強度が630W/cmよりも強くなると、レーザ照射によりトナーまたは記録媒体に焦げが生じてしまい、これによってトナーの定着率が低下してしまう。
定着部40によれば、未定着トナー像を担持した記録媒体が転写ニップ部から搬送部44に搬送されると、レーザ光源42から赤外線領域に波長を有するレーザ光が、未定着トナー像に照射される。照射されたレーザ光は、トナーに含まれる着色剤および赤外線吸収剤によって吸収される。これによって、トナーが加熱されて溶融する。未定着トナー像すべてが加熱溶融することで、記録媒体にトナー像が定着し、画像が形成される。トナー像が定着した記録媒体は、搬送部44によって排出部60へ搬送される。
排出部60は、搬送ローラ61と、排出ローラ62と、排出トレイ63とを含む。搬送ローラ61は、定着部40よりも鉛直方向上方において、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。搬送ローラ61は、画像が定着した記録媒体を排出ローラ62に向けて搬送する。
排出ローラ62は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。排出ローラ62は、片面印刷の場合、片面の印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出ローラ62は、両面印刷の場合は、片面の印刷が完了した記録媒体を、用紙搬送路A3を介してレジストローラ54へ搬送し、両面の印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出トレイ63は、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられ、画像が定着した記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御ユニット部を含む。制御ユニット部は、たとえば、画像形成装置100の内部空間における鉛直方向上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御ユニット部の記憶部には、画像形成装置100の鉛直方向上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、記憶部には、各種処理を実行するプログラムが書き込まれる。各種処理とは、たとえば、記録媒体判定処理、付着量制御処理、定着条件制御処理などである。
記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気、電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile
Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。
演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。
制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニット部は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御ユニット部だけでなく、画像形成装置100内部における各部材にも電力を供給する。
上述したように、本発明に係るトナーを含む現像剤は、画像形成装置100に用いられる。画像形成装置100は、本発明に係るトナーを静電潜像に供給することによってトナー像を形成するトナー像形成ステップと、記録媒体上に、各色のトナー像を順次転写する転写ステップと、記録媒体上の各色のトナーに、赤外線領域内の波長のレーザ光を照射することによって、該トナーを記録媒体に定着させる定着ステップとを含む画像形成方法によって、画像を形成する。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。
1、各物性値の測定方法
(1)トナー母粒子の体積平均粒径
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、トナー母粒子20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)によって、超音波周波数20kHzで3分間分散処理して、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:MultisizerIII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、トナー母粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
(2)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
(3)結着樹脂の軟化温度(Tm)
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重10kgf/cm(9.8×10Pa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
2、実施例および比較例
(1)実施例1
結着樹脂(ポリエステル樹脂、商品名:L4S−1、花王株式会社製、ガラス転移温度(Tg)57.8℃、軟化温度(Tm)100.6℃、83重量部、着色剤(フタロシアニン系、商品名:COLORTEX BLUE G817、山陽色素株式会社製)11重量部、ワックス(パラフィン樹脂、商品名:WEP−8、日本精蝋株式会社製)5重量部、および帯電制御剤(4級アンモニウム塩、商品名:LR−147、日本カーリット株式会社製)1重量部を用意し、ヘンシェルミキサー(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)により前混合した後、二軸オープンロール方式混練機(商品名:ニーデックス、三井鉱山株式会社製)により溶融混練した。溶融混練物をカッティングミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕した後、気流方式粉砕機(商品名:超音速ジェット粉砕機IDSType、日本ニューマチック工業株式会社製)により微粉砕し、さらに風力分級機(ホソカワミクロン株式会社製)で分級し、体積平均粒径6.0μm、ガラス転移温度(Tg)57.8℃のトナー母粒子を作製した。
ポリオキシエチレンソルビタントリオレート(商標“レオドールTW−O320”、花王石鹸(株)製)の濃度30g/lのトルエン溶液125mlと、濃度6.5モル/lの3号珪酸ソーダ125mlとを、1:1の割合で混合してW/O型乳濁液を調製した。
一方、濃度1.5モル/lの(NHCO水溶液500mlを調製し、これを上記W/O型乳濁液に加えた後、撹拌下に30分間保持した後、スプレードライで乾燥させることにより、粒子径が0.1μm以上0.9μm以下で、個数平均粒径が0.5μmの多孔質シリカ粒子Aを得た。
イソプロピルアルコール(IPA)200ccに、赤外線吸収剤(商品名:NK−4680、株式会社林原生物化学研究所製)を5g溶解分散させて赤外線吸収剤溶液を用意し、該赤外線吸収剤溶液中に、上記多孔質シリカ粒子A100gを投入し、5分間、超音波振動を行って、該多孔質シリカ粒子を均一に分散させた。その後、エバポレータ(商品名:ロータリーエバポレータN−1008、東京理化器械株式会社製)に、該多孔質シリカ粒子が分散した赤外線吸収剤溶液を移し、外部ポンプにてエバポレータ内を、2mmHg〜10mmHgに減圧した状態で、水槽の温度を25℃に保ったまま、30分間、30rpmでエバポレータを回転させ、IPAを留去した。その後、減圧状態のまま、エバポレータの水槽の温度を50℃にヒータで加温しながら、30rpmでエバポレータを30分間、30rpmで回転させ、有機溶剤であるIPAを除去することで、内包粒子を作製した(準備工程S1)。
次に、トナー母粒子2000gと、内包粒子400とを、上記ヘンシェルミキサーに投入し、1500rpmで5分間混合攪拌して、トナー母粒子表面に内包粒子を均一に付着させた。その後、表面改質装置(商品名:ハイブリダイゼーションシステム、株式会社奈良機械製作所製)に赤外線照射部203を取り付けた気流混合装置201に、表面に内包粒子が付着したトナー母粒子を投入し、回転攪拌部204の回転軸部218の回転数を200rpmとして、5分間、粉体流路202内を流動させた。さらに、回転攪拌部204の回転軸部218の回転数を200rpmのまま維持して、温度調整用ジャケット224によって粉体流路202内の循環気流の温度を0℃(測定誤差±3℃)に制御しながら、赤外線照射を5分間行い、内包粒子が固着したトナー母粒子(体積平均粒径6.0μm)を作製した(赤外線照射工程S2)。
内包粒子が固着したトナー母粒子100重量部と、シランカップリング剤で疎水化処理された平均1次粒径12nmのシリカ粒子2重量部とを、上記ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1に係るトナーを作製した(外添工程S3)。
トナーとフェライトキャリア(体積平均粒径45μm)とを、トナー濃度が7wt%(現像剤の総重量に占めるトナーの重量混合比)になるよう調整して樹脂製円筒容器に投入し、両軸駆動ポリ瓶回転架台にて、100rpmで1時間混合撹拌し、実施例1に係る2成分現像剤を作製した。
(2)実施例2
ポリオキシエチレンソルビタントリオレート(商標“レオドールTW−O320”、花王石鹸(株)製)の濃度30g/lのトルエン溶液125mlと、濃度6.5モル/lの3号珪酸ソーダ125mlとを、1:1の割合で混合してW/O型乳濁液を調製した。
一方、濃度1.5モル/lのNHHCO水溶液500mlを調製し、これを上記W/O型乳濁液に加えた後、撹拌下に30分間保持した後、スプレードライで乾燥させることにより、粒子径が0.1μm以上2.0μm以下で、個数平均粒径が0.8μmの多孔質シリカ粒子Bを得た。
多孔質シリカ粒子Aを多孔質シリカ粒子Bに変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法によって、実施例2に係るトナーおよび2成分現像剤を作製した。
(5)比較例1
内包粒子の代わりに赤外線吸収剤(商品名:NK−4680、株式会社林原生物化学研究所製)の微粉砕粒子を用い、赤外線照射工程S2において赤外線照射を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の製造方法によって、比較例1に係るトナーおよび2成分現像剤を作製した。
(6)比較例2
赤外線照射工程S2における回転攪拌部204の回転軸部218の回転数を4000rpmとしたこと以外は、比較例1と同様の製造方法によって、比較例2に係るトナーおよび2成分現像剤を作製した。
3、トナーの定着性評価
市販の複写機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)の定着装置を図7に示す定着部40に改造した複写機と、実施例および比較例に係る2成分現像剤とを用いて、定着部4の単位面積当たりのレーザ照射エネルギーを0.6J/cmとして、普通紙(A4サイズ)に画像形成を行った。2成分現像剤は使用の初期段階であり、定着部4の条件は、以下のとおりであった。
半導体レーザ波長: 780nm
スキャン速度 : 7100mm/s
定着した画像について以下の試験を実施した。定着画像を2つに折り曲げ、2つ折りの状態の上に、830gの荷重で、円筒状ローラを転がす。2つ折りの状態から元に戻し、刷毛で定着画像の表面を軽くなぞる。定着画像の折り目において画像が剥がれた幅を測定し、その値を定着強度値として求めた。下記の社内評価基準に従い、定着性を評価した。
定着強度値=画像が剥がれた幅(mm)
定着強度値は少ない方がより定着性が高い。
◎:極めて良好。定着強度値が0.5未満である。
○:良好。定着強度値が0.5以上1未満である。
△:実使用上問題なし。定着強度値が1以上2未満である。
×:不良。定着強度値が2以上である。
定着性評価の評価結果、多孔質シリカの粒子径および多孔質シリカ粒子の個数平均粒径を表1に示す。
Figure 2011095408
表1より、本発明に係るトナーは、定着性が良好であることがわかる。また、実施例1および実施例2の結果より、多孔質シリカ粒子の粒子径が0.1μm以上0.9μm以下であると、より定着性が良好となることがわかる。
201 気流混合装置
202 粉体流路
203 赤外線照射部
204 回転攪拌部
224 温度調整用ジャケット

Claims (4)

  1. 結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、
    赤外線吸収剤と該赤外線吸収剤を空孔内に内包する多孔質シリカ粒子とを含む内包粒子であって、前記トナー母粒子の表面に外添される内包粒子とを含むことを特徴とする赤外線定着用トナー。
  2. 前記多孔質シリカ粒子の粒子径が0.1μm以上0.9μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線定着用トナー。
  3. 多孔質シリカ粒子を赤外線吸収剤溶液中に分散させて、該多孔質シリカ粒子の空孔に前記赤外線吸収剤溶液を含浸させる含浸工程と、
    前記含浸工程後の赤外線吸収剤溶液を減圧状態で乾燥することによって、該赤外線吸収剤溶液の溶媒を除去し、赤外線吸収剤を内包した多孔質シリカ粒子を得る減圧乾燥工程と、
    結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、前記減圧乾燥工程によって得られた多孔質シリカ粒子とを、気流中で流動させながら、赤外線を照射することによって、前記トナー母粒子に前記多孔質シリカ粒子を固着させる赤外線照射工程とを含むことを特徴とする赤外線定着用トナー製造方法。
  4. 多孔質シリカ粒子を赤外線吸収剤溶液中に分散させて、該多孔質シリカ粒子の空孔に前記赤外線吸収剤溶液を含浸させる含浸工程と、
    前記含浸工程後の赤外線吸収剤溶液を減圧状態で乾燥することによって、該赤外線吸収剤溶液の溶媒を除去し、赤外線吸収剤を内包した多孔質シリカ粒子を得る減圧乾燥工程と、
    結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、前記減圧乾燥工程によって得られた多孔質シリカ粒子とを、機械的攪拌力によって混合攪拌する攪拌装置を用いて、混合し攪拌することにより、該多孔質シリカ粒子を前記トナー母粒子に付着させる混合攪拌工程とを含むことを特徴とする赤外線定着用トナー製造方法。
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