JP2010191116A - カプセルトナー、二成分現像剤および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カプセルトナーは、トナー母粒子とその表面を被覆する被覆層とを有するトナー粒子で構成される。トナー母粒子は、スチレンアクリル樹脂またはポリエステル樹脂を結着樹脂として含み、被覆層は、スチレンアクリル樹脂またはポリエステル樹脂を含む。カプセルトナーは、揮発性可塑剤をカプセルトナー全量に対して0.05重量%以上0.70重量%以下含有する。
【選択図】 図1
Description
また本発明は、前記揮発性可塑剤が、エタノールであることを特徴とする。
図1は、本発明のカプセルトナーを得るための製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。カプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子を樹脂微粒子で被覆する被覆工程S3とを含む。
トナー母粒子作製工程S1では、被覆層によって被覆されるべきトナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されることなく、公知の方法によって得ることができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含む原料組成物を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
前述のように、トナー母粒子は、結着樹脂と着色剤とを含む。結着樹脂としては、特に限定されることなく、黒トナーまたはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
樹脂微粒子調製工程S2では、乾燥された樹脂微粒子を調製する。乾燥方法はどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法を用いて乾燥樹脂微粒子を得られる。樹脂微粒子は、後の被覆工程S3において、トナー母粒子を被覆する材料として用いられる。トナー母粒子表面を被覆することにより、たとえばトナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分の溶融による、保存中のトナー凝集の発生を防止できる。また、たとえば樹脂微粒子を分散させた液体を噴霧してトナー母粒子を被覆した場合、樹脂微粒子の形状がトナー母粒子表面に残るので、表面が平滑なトナーに比べクリーニング性に優れるトナーを得られる。
<トナーの製造装置>
図2は、本発明の実施形態であるカプセルトナーの製造に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。被覆工程S3では、たとえば図2に示すトナーの製造装置201を用い、トナー母粒子作製工程S1で作製したトナー母粒子に樹脂微粒子調製工程S2で調製した微粒子混合物を付着させ、前記装置内での循環と撹拌の相乗効果による衝撃力でトナー母粒子に樹脂膜を形成する。
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210、211が形成される。開口部210は、撹拌部208の回転軸方向片側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、トナー母粒子、樹脂微粒子および気体が流過する。粉体流路202は、トナー母粒子および樹脂微粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向片側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される貫通孔221に挿通されるよう設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、トナー母粒子および樹脂微粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在するトナー母粒子に向けて噴射し、液体の液滴をトナー母粒子に噴霧する二流体ノズルとを備える。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。二流体ノズルは、液管と空気管の一部が連結し中心がずれない構造を持ち、前記液体を一定速度で噴霧し粉体流路内で一定濃度に保つ。前記循環手段と温度調整手段との相乗効果で樹脂微粒子を可塑化し均質な膜質と粒度のトナーを得ることが出来る。さらに、ノズルの液および圧縮エアの噴出域にトナー母粒子および樹脂微粒子の付着防止用の凸型キャップを配置することにより、この効果が向上して高い収率で製造することが出来る。
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。これにより後述の噴霧工程S3cおよび膜化工程S3dにおいては、トナー母粒子、樹脂微粒子および液体にかかる温度のばらつきが少なくなり、トナー母粒子および樹脂微粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。本実施形態において、温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側全体に設けられることが好ましい。
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。
温度調整工程S3aでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これにより、粉体流路202内の温度を、後述する樹脂微粒子付着工程で投入されるトナー母粒子および樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御できる。
樹脂微粒子付着工程S3bでは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転している状態で、粉体投入部206からトナー母粒子および樹脂微粒子を粉体流路202に供給する。粉体流路202に供給されたトナー母粒子および樹脂微粒子は、回転撹拌手段204によって撹拌され、粉体流路202の粉体流過部209を矢符214方向に流動する。これにより、樹脂微粒子がトナー母粒子表面に付着する。
噴霧工程S3cでは、流動状態にあるトナー母粒子および樹脂微粒子に、それらの粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体を、前述の噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。
本発明においては、噴霧する液体として、トナー母粒子および樹脂微粒子を溶解せず可塑化させる効果のある揮発性可塑剤が使用される。揮発性可塑剤としては、特に限定されないが、低級アルコールやアセトニトリルなどの揮発しやすい有機溶剤が挙げられる。低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。液体がこのような低級アルコールを含むと、被覆材料である樹脂微粒子のトナー母粒子に対する濡れ性を高めることができ、トナー母粒子の表面全面または大部分に樹脂微粒子を付着させ、さらに変形および膜化させることが容易となる。また低級アルコールは蒸気圧が大きいので、液体を除去する際の乾燥時間をより短縮でき、トナー母粒子同士の凝集を抑制できる。
膜化工程S3dでは、トナー母粒子に付着した樹脂微粒子が軟化し膜化するまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続け、トナー母粒子および樹脂微粒子を流動させ、被覆層を形成させ、カプセルトナーを得る。
回収工程S3eでは、噴霧手段203からの液体の噴霧と回転撹拌手段204の回転を停止し、粉体回収部207からカプセルトナーを装置外に排出し回収する。
本発明のトナーは、上記のような製造方法で製造され、揮発性可塑剤をカプセルトナー全量に対して0.05重量%以上0.70重量%以下含有することを特徴とする。これにより、カプセルトナー粒子の軟化温度を下げることができ、低温定着性を向上できる。また、揮発性を有する可塑剤を用いることにより、カプセルトナー表層部の可塑剤濃度が低くなり、カプセルトナー粒子同士の凝集が抑えられ、保存安定性が向上する。さらに、加熱定着後に、トナー画像表面の可塑剤が揮発することで、排紙トレイ上での印刷物同士の融着を抑制でき、印刷画像の保存性が良くなる。
本発明のカプセルトナーの揮発性可塑剤含有量をヘッドスペースGC法を用いて測定し、トルエンを用いて作成した検量線より、トナーの揮発性可塑剤含有量を定量した。
装置:ヘッドスペースサンプラー;HEWLETT PACKARD 7694
オーブン温度:120℃
サンプル加熱時間:60分
サンプルループ(Ni):1ml
ループ温度:170℃
トランスファーライン温度:190℃
加圧時間:0.50分
LOOP FILL TIME:0.01分
LOOP EQ TIME:0.05分
INJECT TIME:1.00分
GCサイクル時間:80分
キャリアーガス:He
GC;HEWLETT PACKARD 6890GC(検出器:FID)
カラム:HP−1(内径0.25μm×30m)
キャリアーガス:He
オーブン:35℃で20分ホールド、20℃/分で300℃まで昇温20分ホールド
INJ:300℃
DET:320℃
スプリットレス、コンスタントプレッシャー(20psi)モード
バイアル瓶中にトルエンのみを秤量したサンプルを数点準備し、上記の条件にてそれぞれ分析し、秤量したトルエンの質量と測定により得られたトルエン由来ピークの面積値との検量線を作成する。
以上のようにして、カプセルトナー中の揮発性可塑剤の含有率を算出した。
本発明のトナーは、上記のような製造方法で製造され、揮発性可塑剤をカプセルトナー全量に対して0.05重量%以上0.70重量%以下含有することを特徴とする。これにより、カプセルトナー粒子の軟化温度を下げることができ、低温定着性を向上できる。また、揮発性を有する可塑剤を用いることにより、カプセルトナー表層部の可塑剤濃度が低くなり、カプセルトナー粒子同士の凝集が抑えられ、保存安定性が向上する。さらに、加熱定着後に、トナー画像表面の可塑剤が揮発することで、排紙トレイ上での印刷物同士の融着を抑制でき、印刷画像の保存性が良くなる。
本発明の実施形態である現像剤は、上記の実施形態であるカプセルトナーを含む。これにより、トナー特性が均一である現像剤とすることができるので、良好な現像性を維持可能な現像剤が得られる。本実施形態の現像剤は、1成分現像剤としても2成分現像剤としても使用できる。
図5は、本発明の第4の実施形態である画像形成装置100の構成を示す。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置100は、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびFAXモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体またはメモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じ、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの頂点の温度を離型剤の融点とした。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
〔トナー母粒子の作製〕
ポリエステル樹脂(商品名:ダイヤクロン、三菱レイヨン株式会社製、ガラス転移温度55℃、軟化温度130℃) 87.5%(100部)
C.I.Pigment Blue 15:3 5.0%(5.7部)
離型剤(カルナウバワックス、融点82℃) 6.0%(6.9部)
帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
1.5%(1.7部)
スチレンとアクリル酸ブチルとを重合したものを凍結乾燥し、体積平均粒径0.15μmのスチレン−ブチルアクリレート共重合体微粒子(ガラス転移温度74℃、軟化温度124℃)を樹脂微粒子として得た。
図2に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に二流体ノズルを取付けた装置によって、トナー母粒子および樹脂微粒子を撹拌、流動させ、そこへエタノールを噴霧した。液体噴霧ユニットとしては、定量送液が可能となるよう、送液ポンプ(商品名:SP11−12、株式会社フロム製)と二流体ノズルを接続したものを使用できる。液体の噴霧速度および液体ガス排出速度は、市販のガス検知器(商品名:XP−3110、新コスモス電機株式会社製)を用いて観察できる。
トナーのカプセル化工程において、エタノール噴霧停止後の撹拌時間を15分間にしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のトナーを得た。
トナーのカプセル化工程において、エタノール噴霧停止後の撹拌時間を10分間にしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のトナーを得た。
トナーのカプセル化工程において、エタノール噴霧停止後の撹拌時間を5分間にしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のトナーを得た。
実施例1のトナーのカプセル化工程でトナー母粒子と樹脂微粒子を混合せず、先ずはトナー母粒子のみでエタノールを噴霧速度0.9g/minで噴霧し含浸させ、エタノール噴霧停止後5分間撹拌して、エタノール含浸トナー母粒子を作製した。
実施例1のトナーのカプセル化工程でトナー母粒子と樹脂微粒子を混合せず、先ずは樹脂微粒子のみでエタノールを噴霧速度0.1g/minで噴霧し含浸させ、エタノール噴霧停止後5分間撹拌して、エタノール含浸樹脂微粒子を作製した。
トナーのカプセル化工程でエタノールの代わりにn−プロパノール(沸点82.4℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例7のトナーを得た。
トナーのカプセル化工程でエタノールの代わりにiso−プロパノール(沸点97.2℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例8のトナーを得た。
トナーのカプセル化工程でエタノールの代わりにメタノール(沸点64.7℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例9のトナーを得た。
エタノール噴霧停止後の撹拌時間を25分間にしたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のトナーを得た。
エタノール噴霧停止後の撹拌時間を3分間にしたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のトナーを得た。
トナーのカプセル化工程でエタノールを全く使用しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例3のトナーを得た。
エタノールの代わりにトルエン(沸点110.6℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例4のトナーを得た。
実施例1〜9、比較例1〜4の構成およびアルコールの含有率をまとめて表1に示す。
市販複写機(商品名:MX−2300G、シャープ株式会社製)を改造したものを用いて定着画像を作製した。まず、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、べた画像部(縦20mm、横50mmの長方形)を含むサンプル画像を未定着画像として形成した。この際、べた画像部のトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cm2となるよう調整した。次に、カラー複合機の定着部を利用した外部定着器を用いて定着画像を作製した。定着プロセス速度は220mm/秒とし、定着ローラの温度を110℃から5℃刻みで上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域を測定し、上限と下限の温度幅を定着非オフセット域とした。定着非オフセット域下限の温度と定着非オフセット域について、以下の基準で評価した。
○:定着非オフセット域下限が130℃未満
△:定着非オフセット域下限が130℃以上140℃未満
×:定着非オフセット域下限が140℃以上
○:定着非オフセット域が60℃以上
△:定着非オフセット域が50℃以上60℃未満
×:定着非オフセット域が50℃未満
(判定)
◎:いずれの評価も○
○:一方の評価が○で、もう一方は△
△:いずれの評価も△
×:少なくともどちらかが×
実施例および比較例のトナーを用い、高温保存後の凝集物の有無により保存安定性を評価した。トナー20gをポリ容器に密閉し、50℃で48時間放置した後、トナーを取り出し230メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの重量を測定し、この重量のトナー全重量に対する割合を残存量とし、下記の基準で評価した。数値が低いほど、トナーがブロッキングを起こさず、保存性が良好であることを示す。
○:トナー残存量が1.5%未満
△:トナー残存量が1.5%以上3.0%未満
×:トナー残存量が3.0%以上
上記の定着性の判定と保存安定性の評価に基づき、本発明のトナーおよび製造方法の総合評価を行った。総合評価基準は以下のとおりである。
◎:最良 ⇒ 定着性が◎であり、保存安定性が○である
○:良 ⇒ いずれも○である
△:可 ⇒ いずれも×でなく、少なくともどちらかが△である
×:不良 ⇒ 少なくともどちらかが×である
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根
Claims (5)
- スチレンアクリル樹脂またはポリエステル樹脂を結着樹脂として含むトナー母粒子と、スチレンアクリル樹脂またはポリエステル樹脂を含み、該トナー母粒子表面を被覆する被覆層とを有するトナー粒子で構成されるカプセルトナーにおいて、カプセルトナー全量に対して0.05重量%以上0.70重量%以下の揮発性可塑剤を含有することを特徴とするカプセルトナー。
- 前記揮発性可塑剤が、沸点が78℃以上98℃以下のアルコールであることを特徴とする請求項1に記載のカプセルトナー。
- 前記揮発性可塑剤が、エタノールであることを特徴とする請求項1または2に記載のカプセルトナー。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載のカプセルトナーと磁性を有するキャリアとからなることを特徴とする2成分現像剤。
- 感光体ドラムと、感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成させる露光装置と、請求項1〜3のいずれか1つに記載のカプセルトナーを収容し、該トナーで感光体ドラムの表面に形成される静電潜像を現像することによって、トナー像を形成させる現像装置と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを含むことを特徴とする画像形成装置。
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