JP2011094747A - クランクシャフトの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】さらなるクランクシャフトの軽量化を図るために、未接合部の存在に起因する疲労強度の低下を防止することができるインターフェレンス溶接によるクランクシャフトの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】クランクアーム4の溶接部位6に、凸部17aおよび凹部17bを有する第一の凹凸形状である継手部17を形成し、かつ、カウンターウェイト5の溶接部位6に、凸部17aに対応する凹部18aおよび凹部17bに対応する凸部18bを有する第二の凹凸形状である継手部18を形成するとともに、各継手部17・18の圧入方向視の形状を、各継手部17・18が互いに干渉する干渉部17c・18cをそれぞれに有する形状とし、各干渉部17c・18cを干渉させた状態で、継手部17に継手部18を圧入しつつ、各継手部17・18に通電して、クランクアーム4にカウンターウェイト5を抵抗溶接する。
【選択図】図4

Description

本発明は、クランクシャフトの製造方法および製造装置の技術に関する。
従来、クランクシャフトの製造方法に係る技術において、クランクアームを有するクランクシャフト本体とカウンターウェイトをそれぞれ別体で製造して、後からクランクアームにカウンターウェイトを取り付けて、クランクシャフトを製造する技術が公知となっている。
クランクアームを有するクランクシャフト本体とカウンターウェイトをそれぞれ別体で製造すれば、各部品を冷間鍛造で製造することが可能になるため、従来の熱間鍛造で一体的に製造されるクランクシャフトに比して、低コスト化および軽量化等を図ることができるという利点がある。
そして、このようなクランクシャフト本体とカウンターウェイトをそれぞれ別体とする場合におけるクランクアームに対するカウンターウェイトの取付方法が種々検討されており、例えば、以下に示す特許文献1および特許文献2にその技術が開示されている。
例えば、特許文献1に記載された従来技術では、クランクアームおよびカウンターウェイトにそれぞれ径方向に対する直角方向に延出する係止部を一体的に形成し、カウンターウェイトの係止部をクランクアームの係止部より径方向内方に配置してクランクアームの係止部とカウンターウェイトの係止部とを径方向に係止させた状態で、クランクアームとカウンターウェイトをボルトで締結する構造としたクランクシャフトが開示されている。
また、特許文献2に記載された従来技術では、クランクアームに対し、一本のボルトと、その両側に平行状に配置される二本の位置決めピンを介して、カウンターウェイトをボルトによって締結する構造としたクランクシャフトが開示されている。
クランクアームに対するカウンターウェイトの取付部位は、クランクシャフトの回転によって生じる遠心力が作用する部位であるため、その遠心力に抗し得る固着力を確実に確保する必要がある。このため従来、クランクアームに対するカウンターウェイトの取付構造は、特許文献1および2の各従来技術に示すようにボルトによる締結構造を採用するのが一般的であった。
一方、溶接による接合構造は、クランクアームとカウンターウェイトとの溶接部位の接合強度を確実に確保することができる技術が確立されていなかったため、実用的には積極的に採用されることがなかった。
ところで近年、エンジンの高機能化や製造コストのさらなる低減を図るために、クランクシャフトのさらなる軽量化へのニーズが高まっている。
クランクシャフトの軽量化を図るためにはクランクアーム等の肉厚を削減する(肉盗みをする)ことが有効であるが、クランクアームの肉厚を削減した場合、クランクアームの断面積が減少するため、クランクアームとカウンターウェイトの取付部位の面積が小さくならざるを得ない。そして、クランクアームとカウンターウェイトの取付部位の面積が小さくなると、ボルト径を小さくせざるを得なくなり、取付部位における締結強度が低下する。また、ボルトの本数を増やして締結強度を確保しようとすると、生産性が低下し、生産コストも増加する。このため、ボルトによる締結構造を採用する場合には、さらなるクランクシャフトの軽量化を図ることが困難であった。
そこで、さらなるクランクシャフトの軽量化を図るために、ボルトによる締結構造に替わる取付構造として、溶接による接合構造を検討すると、溶接による接合構造は、クランクアームとカウンターウェイトの取付部位の面積が小さくなっても、適切な溶接方法によれば、溶接部位の接合強度を確保し得るため、さらなるクランクシャフトの軽量化を図るための取付構造として有利である。
さらに、具体的な溶接方法について検討すると、クランクアームとカウンターウェイトの溶接方法としては、アーク溶接、抵抗溶接等が考え得る。
まず、アーク溶接について検討すると、クランクアームとカウンターウェイトを溶接する場合、複数のクランクアームおよびカウンターウェイトが隣接しているため、アーク溶接では、クランクアームとカウンターウェイトの接合面の周囲に隈なく均一に、かつ、適切な角度で溶接棒等を宛がうことが困難である。このため、アーク溶接では、均質な溶接部位を形成するのが難しく、カウンターウェイトを溶接する用途には不向きである。
一方、抵抗溶接について検討すると、抵抗溶接では、複数のクランクアームおよびカウンターウェイトが隣接していても、カウンターウェイトおよびクランクアームの各部を押圧する電極部材を配置するスペースが確保でき、カウンターウェイトおよびクランクアームに対して適切な押圧力を付与することができれば、均質な溶接部位を形成し得るためカウンターウェイトを溶接する用途に好適である。
さらに、遠心力に抗し得る固着力を確実に確保するには、抵抗溶接の方法の中でも、干渉溶接(以下、インターフェレンス溶接と呼ぶ)の方法が特に好適である。
ここでインターフェレンス溶接とは、抵抗溶接の方法の一種であって、溶接対象となる各部材に干渉部(接触し合う部位)を設定しておき、各干渉部を干渉(接触)させた状態で、各部材に通電し、干渉部において発生するジュール熱によって、各部材を軟化させるとともに、加圧する(各部材を押圧し合う)ことによって、干渉部の組織を塑性流動させて、金属の拡散反応によって接合する溶接方法である。インターフェレンス溶接では、干渉部に新生面が形成されるため、当該新生面においては、遠心力に抗し得る程度の十分な接合強度が確保できるという特徴を有している。また、インターフェレンス溶接では、各部材を局部的にしか加熱しないため、熱歪みが抑えられる等のメリットもある。
実開平1−77121号公報 特開2005−140337号公報
しかしながら、インターフェレンス溶接では、接合により新生面化された金属組織の周辺にヒゲ状亀裂として現れる未接合部が残されてしまうことが判明しており、この未接合部の切欠き効果によって、当該未接合部に応力集中が生じ、経年劣化等により溶接部位に破損が生じやすい(即ち、疲労強度が低い)という問題があった。このため、インターフェレンス溶接を、カウンターウェイトを溶接する用途に使用するためには、未接合部を低減あるいは排除等して、溶接部位における疲労強度を高める必要があるという課題があった。
本発明は、係る現状の課題を鑑みて成されたものであり、さらなるクランクシャフトの軽量化を図るために、未接合部の存在に起因する疲労強度の低下を防止することができるインターフェレンス溶接によるクランクシャフトの製造方法および製造装置を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、クランクアームにカウンターウェイトを溶接してクランクシャフトを製造するクランクシャフトの製造方法であって、前記クランクアームの溶接部位に、凸部および凹部を有する第一の凹凸形状である第一の継手部を形成し、かつ、前記カウンターウェイトの溶接部位に、前記第一の凹凸形状の凸部に対応する凹部および前記第一の凹凸形状の凹部に対応する凸部を有する第二の凹凸形状である第二の継手部を形成するとともに、前記第一の継手部および前記第二の継手部の圧入方向視の形状を、前記第一の継手部および前記第二の継手部が互いに干渉する部位である干渉部をそれぞれに有する形状とし、前記第一の継手部の前記干渉部と前記第二の継手部の前記干渉部を干渉させた状態で、前記第一の継手部に前記第二の継手部を圧入しつつ、前記第一の継手部および前記第二の継手部に通電して、前記クランクアームに前記カウンターウェイトを抵抗溶接するものである。
請求項2においては、前記第二の継手部は、前記第一の継手部に、前記クランクアームに対する前記カウンターウェイトの突設方向に対して垂直に圧入するものである。
請求項3においては、前記第二の継手部は、前記第一の継手部に、前記クランクアームに対する前記カウンターウェイトの突設方向に対して垂直な方向のうち、前記クランクシャフトの回転軸に平行な方向に圧入するものである。
請求項4においては、前記クランクアームに対する前記カウンターウェイトの突設方向に平行な方向へ押圧力を付与するとともに、押圧方向変換手段によって、前記クランクアームに対する前記カウンターウェイトの突設方向に平行な方向への押圧力を、前記クランクシャフトの回転軸に平行な方向への押圧力に変換して、前記第一の継手部に前記第二の継手部を前記クランクシャフトの回転軸に平行な方向へ圧入するものである。
請求項5においては、前記クランクアームの溶接部位および前記カウンターウェイトの溶接部位に、前記第一の継手部に前記第二の継手部を圧入するときに生じるバリを流入させる空隙部を形成するものである。
請求項6においては、前記第一の継手部に前記第二の継手部を圧入するときに生じるバリを除去する工程を有するものである。
請求項7においては、前記第一の凹凸形状は、複数の前記凸部および複数の前記凹部を有し、かつ、前記第二の凹凸形状は、前記第一の凹凸形状の複数の前記凸部の対応する複数の前記凹部および前記第一の凹凸形状の複数の前記凹部に対応する複数の前記凸部を有するものである。
請求項8においては、前記第一の凹凸形状および第二の凹凸形状における複数の前記凸部の圧入方向視における幅は、幅方向外側に位置する前記凸部の幅ほど広くするものである。
請求項9においては、カウンターウェイトおよびクランクシャフトのクランクアームに通電しつつ、前記カウンターウェイトおよびクランクアームの一方を他方に押圧することにより、カウンターウェイトをクランクシャフトのクランクアームに抵抗溶接して前記クランクシャフトを製造するクランクシャフトの製造装置であって、前記クランクシャフトに対する前記クランクアームの突設方向に平行な方向への押圧力を発生させる押圧力発生手段と、前記押圧力発生手段により発生させた前記クランクシャフトに対する前記クランクアームの突設方向に平行な方向への押圧力を、前記クランクシャフトの回転軸に平行な方向への押圧力に変換する押圧方向変換手段と、を有する押圧手段を備えるものである。
請求項10においては、前記押圧手段は、前記カウンターウェイトに通電するための電極部材とは別体で備えられるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、抵抗溶接を採用することにより、溶接部位の面積が小さい場合でも、溶接部位に作用する遠心力に抗し得る接合強度を得ることができる。また、溶接部位を凹凸形状とすることにより、溶接部位における干渉部が干渉し合う部位の面積をさらに増大することができ、クランクシャフトの回転により生じる遠心力に抗し得る十分な接合強度を得ることができる。
請求項2においては、バリを溶接部位の外部へ排出することにより、溶接部位の新生面化率を向上させることができ、これにより、接合強度をさらに高めることができる。
請求項3においては、抵抗溶接装置の設置スペースを容易に確保できる。
請求項4においては、圧入距離が短くなるため、簡易な構成の抵抗溶接装置を用いることができる。また、圧入方向視における溶接部位の幅が広くなるため、接合強度を高めることができる。
請求項5においては、空隙部にバリを充満させて、バリに拘束力を付与することにより、ヒゲ状亀裂の発生を抑制する。またこれにより、未接合部における疲労強度の低下を抑制することができる。
請求項6においては、バリを確実に排除することができる。
請求項7においては、溶接部位における干渉部が干渉し合う部位の面積をさらに増大することができ、これにより、接合強度をさらに高めることができる。
請求項8においては、圧入時に継手部が外側方向に開いて干渉部の密着度が低下することが防止できる。これにより、溶接強度を確実に確保することができる。
請求項9においては、抵抗溶接装置の設置スペースを容易に確保できる。
請求項10においては、抵抗溶接装置を簡易な構成とすることができる。また、電極に特別な加工を施す必要がなくなり、電極の寿命を延ばすことができるとともに、抵抗溶接装置のコスト上昇を防止できる。
本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法により製造されるクランクシャフトの全体構成を示す模式図、(a)正面図、(b)部分拡大正面図、(c)A−A断面図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法に用いる抵抗溶接装置を示す模式図、(a)全体構成を示す模式図、(b)溶接状況を示す模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法による溶接状況(第一の実施態様に係る溶接方法)を示す正面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法による溶接状況(第一の実施態様に係る溶接方法)における溶接部位の部分拡大模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法の一連の流れを示すフロー図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法による溶接状況(第二の実施態様に係る溶接方法)を示す正面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法(第二の実施態様に係る溶接方法)を適用する第一の実施態様に係る継手部を有するクランクシャフトおよびカウンターウェイトの当該製造方法による溶接状況を示す側面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法(第二の実施態様に係る溶接方法)を適用する第二の実施態様に係る継手部を有するクランクシャフトおよびカウンターウェイトの当該製造方法による溶接状況を示す側面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法(第二の実施態様に係る溶接方法)を適用する第三の実施態様に係る継手部を有するクランクシャフトおよびカウンターウェイトの当該製造方法による溶接状況を示す側面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法(第二の実施態様に係る溶接方法)を適用する第四の実施態様に係る継手部を有するクランクシャフトおよびカウンターウェイトの当該製造方法による溶接状況を示す正面模式図。 図10におけるB−B断面模式図およびC−C断面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法(第二の実施態様に係る溶接方法)におけるバリの除去状況を示す正面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法(第二の実施態様に係る溶接方法)におけるバリの除去状況を示す側面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法に用いる改良した抵抗溶接装置およびその改良した抵抗溶接装置による溶接状況を示す正面模式図。 本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法により製造される改良したクランクシャフトの全体構成を示す正面模式図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法により製造されるクランクシャフトについて、図1を用いて説明をする。
図1(a)〜(c)に示す如く、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法により製造されるクランクシャフトの一例であるクランクシャフト1は、ジャーナル(主軸)2・2・・・、ピン3・3・・・、クランクアーム4・4・・・、カウンターウェイト5・5・・・等によって構成される。
尚、本実施例では、図1(a)〜(c)に示すように座標系を規定しており、ジャーナル2に平行な方向にX軸を規定し、図1の紙面に垂直な方向(即ち、平面視においてX軸と直交する方向)にY軸を規定している。また、正面視において、X軸と直交する方向にZ軸を規定している。そして、図1以外の各図に示す座標系も、同様に規定している。
また、以下の各説明では、クランクアーム4およびカウンターウェイト5のジャーナル2の軸心に対する回転位相が、Z軸に平行で、かつ、Z軸の負方向向きの回転位相である場合を例示して説明をする。
クランクシャフト1は、自動車等のエンジンに内蔵されるピストンの往復運動を回転運動へ変えるための部品であり、ピン3・3・・・に図示しないコンロッドを介して図示しないピストンが接続されるとともに、ウェッブ状のクランクアーム4・4・・・によってジャーナル2・2・・・とピン3・3・・・とを連結する構成としている。
また、クランクアーム4・4・・・には、該クランクアーム4・4・・・に連結されるピン3・3・・・の軸心と、クランクアーム4・4・・・の回転軸心(即ち、ジャーナル2・2・・・の軸心)に対して180°位相が異なる方向にカウンターウェイト5・5・・・が突設されている。
ここで、クランクアーム4とカウンターウェイト5は最終的には一体として構成されるが、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法によって製造するクランクシャフト1では、クランクアーム4・4・・・(より詳しくは、クランクシャフト1を構成するカウンターウェイト5・5・・・以外の部位)とカウンターウェイト5・5・・・は別体の部品として製造して準備され、クランクアーム4・4・・・とカウンターウェイト5・5・・・とを溶接部位6・6・・・において溶接することにより一体化する構成としている。
尚、カウンターウェイト5を別体の部品とすることによって、より複雑な形状のカウンターウェイト5を冷間鍛造で製造することが可能になる。これにより、軽量で回転バランスの良いクランクシャフト1をより容易に、低コストで製造することが可能になる。
尚、本実施例では、4箇所にピン3・3・・・を備え、8箇所にクランクアーム4・4・・・およびカウンターウェイト5・5・・・を備える4気筒エンジン用のクランクシャフト1を例示して説明をしているが、本発明に係るクランクシャフトの製造方法によって製造するクランクシャフトの構成を本実施例の構成に限定するものではなく、クランクアームおよびカウンターウェイトの個数(対応する気筒数)に関わらず本発明を適用することができる。
次に、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法に用いる抵抗溶接装置について、図2を用いて説明をする。
図2(a)に示す如く、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法に用いる抵抗溶接装置の一例である抵抗溶接装置10は、インターフェレンス溶接を行うことができる抵抗溶接装置であって、溶接対象部材に通電するための一対の電極部材11・12、トランス13等を備えている。そして、一対の電極部材11・12のうち、一方の電極部材11は、トランス13の正極側に電気的に接続され、他方の電極部材12は、トランス13の負極側に電気的に接続されている。
負極側の電極部材12は、図示しない変位装置によって、変位可能に支持されており、該変位装置により電極部材12を変位させることによって、溶接対象部材をその変位方向に押圧することができるものである。
また、正極側の電極部材11は、変位不能に溶接対象部材に固設される。そして、電極部材12を電極部材11側に変位させることによって、各電極部材11・12によって溶接対象部材を挟圧することができるものである。
図2(b)に示す如く、インターフェレンス溶接では、第一の溶接対象部材14に形成される継手部14aと、第二の溶接対象部材15に形成される継手部15aとを干渉させるとともに、各継手部14a・15aに通電することによって、各継手部14a・15aにおいてジュール熱を発生させる。そして、発生させたジュール熱により、各継手部14a・15aを加熱して軟化させることができる。
そして、各継手部14a・15aを軟化させた状態で、負極側の電極部材12を正極側の電極部材11側に変位させることにより、各電極部材11・12によって、各継手部14a・15aを挟圧することができる。これにより、各継手部14a・15aの干渉部分を塑性流動させながら新生面を形成しつつ、第一の溶接対象部材14に第二の溶接対象部材15を圧入することができる。
尚、本実施例に示す抵抗溶接装置10では、負極側の電極部材12を変位可能な構成とし、正極側の電極部材11を変位不能な構成としているが、例えば、各電極部材11・12の極性を反対にしたり(即ち、負極側の電極部材12が変位不能で、正極側の電極部材11が変位可能な構成とする)、あるいは両方の各電極部材11・12が変位可能な構成としたりすることも可能であり、本発明に係るクランクシャフトの製造方法において用いる抵抗溶接装置の構成を本実施例の構成に限定するものではない。
次に、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法によるカウンターウェイトの溶接方法について、説明をする。
ここではまず、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第一の実施態様に係る溶接方法を採用する場合について、図3〜図5を用いて説明をする。
本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法における、第一の実施態様に係る溶接方法は、クランクアーム4に対するカウンターウェイト5の圧入方向を、クランクシャフト1(ジャーナル2)の軸心方向に対して直交する方向(即ち、本実施例ではZ軸に平行な方向)とするインターフェレンス溶接としている。
このため、第一の実施態様に係る溶接方法を採用する場合には、図2(a)(b)に示す抵抗溶接装置10によるインターフェレンス溶接において、第一の溶接対象部材14をクランクアーム4として、第二の溶接対象部材15をカウンターウェイト5としている。そしてクランクアーム4およびカウンターウェイト5に形成される各継手部7・8の形状を、図3に示すような形状とするのが好適である。
図3に示す如く、第一の実施態様に係る抵抗溶接方法を採用する場合の、クランクアーム4側の溶接部位6aに形成される継手部7は、第一の凹凸形状たる一つの凸部7aとその両側に二つの凹部7b・7bを有する形状であり、また、カウンターウェイト5側の溶接部位6bに形成される継手部8は、第二の凹凸形状たる一つの凹部8aとその両側に二つの凸部8b・8bを有する形状である。
各継手部7・8の凸部7aと凹部8aおよび凹部7b・7bと凸部8b・8bの形状はそれぞれ互いに対応しており、さらに圧入方向(Z軸に平行な方向)視における投影形状において、凸部7aと凹部8aおよび凹部7b・7bと凸部8b・8bの一部が互いに干渉(オーバーラップ)する形状とすることによって、それぞれの各継手部7・8に干渉部7c・8cを設定している(図4参照)。
ここで、各継手部7・8の形状について、さらに詳細に説明をする。
図4に示す如く、クランクアーム4側の溶接部位6aを形成する部位である継手部7は、凸部7aを有しており、凸部7aのXY平面方向に対する断面積をA1とし、その高さをHとしている。また、カウンターウェイト5側の溶接部位6bを形成する部位である継手部8は、凹部8aを有しており、凹部8aのXY平面方向に対する断面積をA2とし、その深さをDとしている。
高さHと深さDは、H<Dの関係を有しており、また、凸部7aの断面積A1と凹部8aの断面積A2は、A1>A2の関係を有している。
このため、継手部7には、(A1−A2)×Hとなる体積分の干渉部7cが設定され、また、継手部8には、(A1−A2)×Dとなる体積分の干渉部8cが設定される。
そして、これらの各干渉部7c・8cを干渉させることによって、溶接部位6において各継手部7・8周辺の金属組織の塑性流動を生じさせる。
また、塑性流動した金属組織や発生するバリ等を流入させるための空隙部として、溶接部位6の各継手部7・8の周囲にそれぞれ溝部7d・8dを形成している。
各溝部7d・8dには、発生したバリ9・9・・・を充満させることができるため、バリ9・9・・・には各溝部7d・8dの内壁面によって拘束力が付与される。これにより、溶接部位6におけるバリ9の金属組織に対する密着度が高まり、ヒゲ状亀裂の発生が抑制される。
さらに、凸部7aの高さHと凹部8aの深さDの差異(D−H)によって各継手部7・8を圧入する際に形成される空隙部にも、塑性流動した金属組織等を流入させて、新生面化された部位を増大させる。
ここで、第一の実施態様に係る溶接方法を採用する場合の溶接手順について説明をする。
図5に示す如く、まず始めに、Z軸に平行な方向からの圧入に適した形状の継手部7を有するクランクアーム4を形成したクランクシャフト1と、Z軸に平行な方向からの圧入に適した形状の継手部8を有するカウンターウェイト5を準備しておく(STEP−1)。
そして、各部品4・5を抵抗溶接装置10にセットする。
カウンターウェイト5には、負極側の電極部材12が電気的に接続した状態に密接して固定される。また、クランクアーム4には、正極側の電極部材11が、電気的に接続した状態に密接して固定される。
次に、図示しない変位装置によって負極側の電極部材12を変位させてカウンターウェイト5を変位させることにより、各継手部7・8を互いに突き合せて、各干渉部7c・8cを干渉させる(STEP−2)。
本実施例では、各干渉部7c・8cにそれぞれテーパ部7e・8eを形成しており、このテーパ部7e・8e同士を接触させることによって、容易に各干渉部7c・8cの位置決めをすることが可能な構成としている。
そして、カウンターウェイト5の溶接部位6bに形成する継手部8と、クランクアーム4の溶接部位6aに形成する継手部7と、を干渉させた状態で、抵抗溶接装置10によりクランクアーム4およびカウンターウェイト5に通電する(STEP−3)。
次に、各継手部7・8においてジュール熱を発生させるとともに、図示しない変位装置によって、カウンターウェイト5をクランクアーム4の方向へさらに変位させて、クランクアーム4の継手部7にカウンターウェイト5の継手部8を圧入する(STEP−4)。
圧入時に溶接部位6発生するバリ9は、各溝部7d・8dに流入し、該各溝部7d・8dの内壁面によって拘束力が付与されて、隙間無く集積される。これにより、従来のインターフェレンス溶接で生じていたヒゲ状亀裂の発生を抑制することができる。
そして、各継手部7・8を所定位置まで圧入して、塑性流動の進展が落ち着くまで所定時間通電状態を保持して、インターフェレンス溶接を完了する(STEP−5)。
即ち、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法は、クランクアーム4およびカウンターウェイト5の溶接部位6(6a・6b)に、第一の継手部たる継手部7に第二の継手部たる継手部8を圧入するときに生じるバリ9を流入させる空隙部である溝部7d・8dを形成するものである。
このような構成により、溝部7d・8dにバリ9を充満させて、バリ9に拘束力を付与することにより、ヒゲ状亀裂の発生を抑制する。またこれにより、インターフェレンス溶接において生じる未接合部における疲労強度の低下を抑制することができる。
ここで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第一の実施態様に係る溶接方法を採用する場合における課題を説明する。
本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第一の実施態様に係る溶接方法を採用する場合、各溝部7d・8dに集積したバリ9が、クランクシャフト1の溶接部位6にそのまま内在されてしまうという課題が残される。溶接部位6に内在されるバリ9は、応力集中の原因となり得るため、溶接部位6にバリ9を封じ込めると、疲労強度が低下する原因となってしまう。
そこで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法では、この課題を解決するために、以下において説明する第二の実施態様に係る溶接方法を採用するようにしている。
次に、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法における、第二の実施態様に係る溶接方法について、図5〜図11を用いて説明をする。
本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法における、第二の実施態様に係る溶接方法は、クランクアーム4に対するカウンターウェイト5の圧入方向を、クランクシャフト1(ジャーナル2)の軸心方向に対して平行な方向(即ち、本実施例ではX軸に平行な方向)とするインターフェレンス溶接としている。
また、第二の実施態様に係る溶接方法を採用する場合には、図2(a)(b)に示す抵抗溶接装置10によるインターフェレンス溶接において、第一の溶接対象部材14をクランクアーム4として、第二の溶接対象部材15をカウンターウェイト5としている。そしてクランクアーム4およびカウンターウェイト5に形成される各継手部は、図7に示すような第二の実施態様に係る溶接方法を採用する場合における、第一の実施態様に係る継手形状とする各継手部17・18とするのが好適である。
図6および図7に示す如く、第二の実施態様に係る抵抗溶接方法を採用する場合における、第一の実施態様に係る継手形状では、クランクアーム4の溶接部位6aに形成される継手部17は、第一の凹凸形状たる一つの凸部17aおよびその両側の凹部17b・17bを有する形状であり、また、カウンターウェイト5の溶接部位6bに形成される継手部18は、第二の凹凸形状たる一つの凹部18aとその両側の凸部18b・18bを有する形状である。
各継手部17・18の凸部17aと凹部18aおよび凹部17b・17bと凸部18b・18bの形状はそれぞれ互いに対応しており、さらに圧入方向(X軸に平行な方向)視における投影形状において、凸部17aと凹部18aおよび凹部17b・17bと凸部18b・18bの一部が互いに干渉(オーバーラップ)する形状とすることによって、それぞれの各継手部17・18に干渉部17c・18cを設定している。
ここで、第二の実施態様に係る抵抗溶接方法を採用する場合の、溶接手順について、説明をする。一連の溶接手順の流れは、第一の実施態様に係る抵抗溶接方法を採用する場合の溶接手順と同様であるが、圧入方向が相異している。
図5に示す如く、まず始めに、X軸に平行な方向からの圧入に適した形状の継手部17を有するクランクアーム4を形成したクランクシャフト1と、X軸に平行な方向からの圧入に適した形状の継手部18を有するカウンターウェイト5を準備しておく(STEP−1)。
そして、各部品4・5を抵抗溶接装置10にセットする。
カウンターウェイト5には、負極側の電極部材12が電気的に接続した状態に密接して固定される。また、クランクアーム4には、正極側の電極部材11が、電気的に接続した状態に密接して固定される。
次に、図示しない変位装置によって負極側の電極部材12を変位させてカウンターウェイト5を変位させることにより、各継手部17・18を互いに突き合せて、各干渉部17c・18cを干渉させる(STEP−2)。
そして、カウンターウェイト5の溶接部位6bに形成する継手部18と、クランクアーム4の溶接部位6に形成する継手部17と、を干渉させた状態で、抵抗溶接装置10によりクランクアーム4およびカウンターウェイト5に通電する(STEP−3)。
次に、各継手部17・18においてジュール熱を発生させるとともに、図示しない変位装置によって、カウンターウェイト5をクランクアーム4方向に変位させて、クランクアーム4の継手部17にカウンターウェイト5の継手部18を圧入する(STEP−4)。
圧入時に溶接部位6で発生するバリ19は、溶接部位6から外部に排出される。これにより、従来のインターフェレンス溶接で生じていた溶接部位6に内在するヒゲ状亀裂が皆無になる。また発生したバリ19によって、溶接部位6における新生面化が阻害されないため、より均質な溶接部位6を形成することができる。
そして、各継手部17・18を所定位置まで圧入して、塑性流動の進展が落ち着くまで所定時間通電状態を保持して、インターフェレンス溶接を完了する(STEP−5)。
即ち、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法における第二の実施態様に係る溶接方法は、第二の継手部たる継手部18を、第一の継手部たる継手部17に、クランクアーム4に対するカウンターウェイト5の突設方向(本実施例では、Z軸に平行な方向)に対して垂直な方向(本実施例では、X軸に平行な方向)へ圧入するものである。
このような構成で、バリ19を溶接部位6の外部へ排出することにより、溶接部位6の新生面化率を向上させることができ、これにより、接合強度をさらに高めることができる。
尚、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法における第二の実施態様に係る溶接方法では、第二の継手部たる継手部18を、第一の継手部たる継手部17に、クランクアーム4に対するカウンターウェイト5の突設方向(本実施例では、Z軸に平行な方向)に対して垂直なY軸に平行な方向に圧入する構成とすることも可能である。
しかしながら、本実施例においては、Y軸に平行な方向に圧入するよりもX軸に平行な方向に圧入するほうが、クランクアーム4およびカウンターウェイト5の圧入距離が短くなるため、圧入が容易になり、また圧入方向(本実施例ではX軸に平行な方向)視における溶接部位6の幅が広くなるため、接合強度も高くなる。
つまり、クランクアーム4にカウンターウェイト5を抵抗溶接する場合には、圧入方向をクランクシャフト1の回転軸に平行な方向(本実施例ではX軸に平行な方向)とするのが好適である。
即ち、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法における第二の実施態様に係る溶接方法では、第二の継手部たる継手部18は、第一の継手部たる継手部17に、クランクアーム4に対するカウンターウェイト5の突設方向(本実施例ではZ軸に平行な方向)に対して垂直な方向のうち、クランクシャフト1の回転軸に平行な方向(本実施例ではX軸に平行な方向)に圧入するものである。
このような構成により、溶接対象部材(即ち、クランクアーム4およびカウンターウェイト5)の圧入距離が短くなるため、簡易な構成の抵抗溶接装置10を用いることができる。また、圧入方向(本実施例ではX軸に平行な方向)視における溶接部位6の幅が広くなるため、接合強度を高めることができる。
あるいは、第二の実施態様に係る溶接方法を採用する場合には、溶接対象部材であるクランクアーム4およびカウンターウェイト5に形成される各継手部の形状を、図8に示すような第二の実施態様に係る楔形の継手形状(即ち、以下に説明する各継手部27・28の形状)を採用することが可能である。
図8に示す如く、第二の実施態様に係る溶接方法を採用する場合における第二の実施態様に係る継手形状では、クランクアーム4の溶接部位6aに形成される継手部27は、第一の凹凸形状たる略台形状の一つの凸部27aとその両側の凹部27b・27bを有する形状である。ここで、第一の凹凸形状は、クランクアーム4に対する基部側を上底側とする略台形形状としている。また、カウンターウェイト5の溶接部位6bに形成される継手部28は、第二の凹凸形状たる略台形状の一つの凹部28aとその両側の凸部28b・28bを有する形状である。ここで、第二の凹凸形状は、凹部28aの開放側を上底側とする略台形形状としている。
各継手部27・28の凸部27aと凹部28aおよび凹部27b・27bと凸部28b・28bの形状はそれぞれ互いに対応しており、さらに圧入方向(Z軸に平行な方向)視における投影形状において、凸部27aと凹部28aおよび凹部27b・27bと凸部28b・28bの一部が互いに干渉(オーバーラップ)する形状とすることによって、それぞれの各継手部27・28に干渉部27c・28cを設定している。
そして、このような第二実施態様に係る継手形状を採用した場合であっても、図5に示す溶接手順に沿って、同様に抵抗溶接を行うことができる。
そして、各継手部27・28の凸部27aと凹部28aの形状を略台形状とする第二実施態様に係る継手形状を採用することによって、各継手部27・28が機械的に係止し合う構造となるため、溶接部位6における接合力の他に、係止力を期待することができるようになる。これにより、クランクアーム4およびカウンターウェイト5の溶接部位6に作用する遠心力に抗する接合力をより確実に得られるようになる。
さらに、第二の実施態様に係る溶接方法を採用する場合には、溶接対象部材であるクランクアーム4およびカウンターウェイト5に形成される各継手部の形状を、図9に示すような第三の実施態様に係る複数の凹凸部を有する継手形状(即ち、以下に説明する各継手部37・38の形状)とすることが可能である。
図9に示す如く、第二の実施態様に係る抵抗溶接方法を採用する場合における、第三の実施態様に係る継手形状では、クランクアーム4の溶接部位6aに形成される継手部37は、第一の凹凸形状たる複数の凸部37a・37a・・・と該複数の凸部37a・37a・・・に隣接する複数の凹部37b・37b・・・を有する形状であり、また、カウンターウェイト5の溶接部位6bに形成される継手部38は、第二の凹凸形状たる複数の凹部38a・38a・・・と該複数の凹部38a・38a・・・に隣接する複数の凸部38b・38b・・・を有する形状である。
各継手部37・38の各凸部37a・37a・・・と各凹部38a・38a・・・および各凹部37b・37b・・・と各凸部38b・38b・・・の形状はそれぞれ互いに対応しており、さらに圧入方向(X軸に平行な方向)視における投影形状において、各凸部37a・37a・・・と各凹部38a・38a・・・および各凹部37b・37b・・・と各凸部38b・38b・・・の一部が互いに干渉(オーバーラップ)する形状とすることによって、それぞれの各継手部37・38に干渉部37c・38cを設定している。
そして、このような第三実施態様に係る継手形状を採用した場合であっても、図5に示す溶接手順に沿って、同様に抵抗溶接を行うことができる。
そして、各継手部37・38において、複数の凸部37a・37a・・・と複数の凹部38a・38a・・・および複数の凹部37b・37b・・・と複数の凸部38b・38b・・・を有する第三実施態様に係る継手形状を採用することによって、溶接部位6における各干渉部37c・38cが干渉し合う部位の面積をさらに増大することができるため、クランクアーム4とカウンターウェイト5との溶接部位6に作用する遠心力に抗する接合力をより確実に得られるようになる。
尚、図示等は割愛するが、第二および第三の実施態様に係る継手形状を組合せて、複数の凸部37a・37a・・・および複数の凹部38a・38a・・・を略台形状にして、さらに確実に接合力を高める構成とすることも可能である。
即ち、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第一の凹凸形状である継手部37の形状は、複数の凸部37a・37a・・・および複数の凹部37b・37b・・・を有し、かつ、第二の凹凸形状である継手部37の形状は、継手部37の複数の凸部37a・37a・・・に対応する複数の凹部38a・38a・・・および継手部37の複数の凹部37b・37b・・・に対応する複数の凸部38b・38b・・・を有するものである。
このような構成により、溶接部位6において各干渉部37c・38cが干渉し合う部位の面積をさらに増大することができ、これにより、接合強度をさらに高めることができる。
また、各継手部37・38において、複数の凸部37a・37a・・・と複数の凹部38a・38a・・・および複数の凹部37b・37b・・・と複数の凸部38b・38b・・・を有する構成とするとき、各凸部37a・37a・・・の圧入方向視における幅が小さくなりすぎると、圧入時の応力による継手部37の変形が懸念される。
そこで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法では、図9に示すように、凸部37a・37a・・・および凸部38b・38b・・・の各幅が、a<b<cの関係となるように凸部37a・37a・・・および凸部38b・38b・・・の幅を設定している。つまり、圧入方向視において、より外側に位置する凸部38b・38bの幅cを、より内側に位置する凸部38bの幅aおよび凸部37aの幅bに比して広くする構成としている。
即ち、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第一の凹凸形状である継手部37の形状における複数の凸部37a・37a・・・の圧入方向(X軸に平行な方向)視における幅bおよび第二の凹凸形状である継手部38の形状における複数の凸部38b・38b・・・の圧入方向(X軸に平行な方向)視における幅a・cは、幅方向外側に位置する凸部37a・38bの幅ほど広くする(即ち、a<b<cとする)ものである。
このような構成により、圧入時に各継手部37・38が幅方向外側に開いて各干渉部37c・38cの密着度が低下することが防止できる。これにより、溶接強度を確実に確保することができる。
ここで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第二の実施態様に係る溶接方法を採用する場合における課題を説明する。
ここで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第二の実施態様に係る溶接方法を採用して、図7〜図9に示すような第一〜第三の実施態様に係る継手形状を有する各継手部17・18、27・28および各継手部37・38とする場合、溶接部位6から排出されたバリ19・29・39が露出している。この露出したバリ19・29・39がエンジン内部で脱落すると焼き付き等の原因となり得るものであるため、バリ19・29・39は露出させないことが望ましい。
そこで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法では、この課題を解決するために、以下において説明するように、第二の実施態様に係る溶接方法において、図11に示すような第四の実施態様に係る継手形状を有する各継手部47・48を採用するようにしている。
次に、第二の実施態様に係る溶接方法における第四の実施態様に係る継手形状について、図10および図11を用いて説明をする。
図10および図11に示す如く、第二の実施態様に係る抵抗溶接方法を採用する場合における、第四の実施態様に係る継手形状は、クランクアーム4の溶接部位6aに形成される継手部47は、第一の凹凸形状たる一つの凸部47aとその両側に二つの凹部47b・47bを有する形状であり、また、カウンターウェイト5の溶接部位6bに形成される継手部48は、第二の凹凸形状たる一つの凹部48aとその両側に二つの凸部48b・48bを有する形状である。
各継手部47・48の凸部47aと凹部48aおよび凹部47b・47bと凸部48b・48bの形状は互いに対応しており、さらに圧入方向(X軸に平行な方向)視における投影形状において、凸部47aと凹部48aおよび凹部47b・47bと凸部48b・48bの一部が互いに干渉(オーバーラップ)する形状とすることによって、それぞれの各継手部47・48に干渉部47c・48cを設定している。
そして、このような第四の実施態様に係る継手形状を採用した場合であっても、図5に示す溶接手順に沿って、同様に抵抗溶接を行うことができる。
図11に示す如く、圧入時に始端側となる凸部47aの先端部に溝部47dを形成している。また、圧入時に始端側となる凹部48aの先端部にも溝部48dを形成している。
このような構成とすることにより、図10に示す如く、圧入の進行に伴って生じるバリ49を、各溝部47d・48dに流入させることができ、バリ49に各溝部47d・48d内において拘束力を付与して、確実に保持することができるため、圧入完了時にバリ49が溶接部位6から外部に露出することがない。
これにより、バリ49が、溶接部位6に電極部材11を当接させて固設するときに邪魔にならないため、電極部材11にバリ49を入り込ませるための盗み等の加工を施す必要がなくなり、加工を施した特殊な電極部材11を用いる必要がなくなる。
尚、本実施例では、凸部47aおよび凹部48aの圧入時に始端側となる先端部に各溝部47d・48dを形成する構成を例示しているが、例えば、凸部47aおよび凹部48bの圧入時に終端側となる後端部に各溝部47d・48dを形成する構成等とすることも可能であり、X軸に平行な方向に圧入する際に生じるバリ49を集積できる溝部を設ける位置を本実施例の位置に限定するものではない。
即ち、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法は、クランクアーム4にカウンターウェイト5を溶接してクランクシャフト1を製造するクランクシャフトの製造方法であって、クランクアーム4の溶接部位6aに、凸部(即ち、各凸部17a・27a・37a・47a)および凹部(即ち、各凹部17b・27b・37b・47b)を有する第一の凹凸形状である第一の継手部(即ち、各継手部17・27・37・47)を形成し、かつ、カウンターウェイト5の溶接部位6bに、第一の凹凸形状の凸部(即ち、各凸部17a・27a・37a・47a)に対応する凹部(即ち、各凹部18a・28a・38a・48a)および第一の凹凸形状の凹部(即ち、各凹部17b・27b・37b・47b)に対応する凸部(即ち、各凸部18b・28b・38b・48b)を有する第二の凹凸形状である第二の継手部(即ち、各継手部18・28・38・48)を形成するとともに、第一の継手部および第二の継手部の圧入方向(本実施例では、X軸に平行な方向)視の形状を、第一の継手部および第二の継手部が互いに干渉する部位である干渉部(即ち、各干渉部17c・27c・37c・47cおよび各干渉部18c・28c・38c・48c)をそれぞれに有する形状とし、第一の継手部の干渉部(即ち、各干渉部17c・27c・37c・47c)と第二の継手部の干渉部(即ち、各干渉部18c・28c・38c・48c)を干渉させて、第一の継手部に第二の継手部を圧入しつつ、第一の継手部および第二の継手部に通電して、クランクアーム4にカウンターウェイト5を抵抗溶接するものである。
このような構成により、抵抗溶接を採用することにより、溶接部位6の面積が小さい場合でも、溶接部位6に作用する遠心力に抗し得る接合強度を得ることができる。また、溶接部位6を凹凸形状とすることにより、溶接部位6における各干渉部(即ち、各干渉部17c・27c・37c・47cおよび各干渉部18c・28c・38c・48c)が干渉し合う部位の面積をさらに増大することができ、クランクシャフト1の回転により生じる遠心力に抗し得る十分な接合強度を得ることができる。
ここで、上記で説明した本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法における、インターフェレンス溶接が完了した時点(STEP−5)での課題を説明する。
本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第一の実施態様に係る溶接方法を採用したり、あるいは、第二の実施態様に係る溶接方法を採用して、各継手部17・27・37・47および各継手部18・28・38・48の形状を図7に示すような第一〜第三の実施態様に係る継手形状とする場合、バリ9・19・29・39・49が溶接部位6に残存した状態となっている。
この溶接部位6から露出したバリ19・29・39は、溶接部位6から脱落するとエンジンの焼き付き等の原因となり得る。また、溶接部位6に内在するバリ9・49は、応力集中の原因となり得る。このため、インターフェレンス溶接によって生じた全てのバリ9・19・29・39・49は、溶接部位6から残さず除去することが望ましい。
そこで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法では、この課題を解決するために、インターフェレンス溶接の完了後に、以下において説明するバリを除去する工程を追加するようにしている。
次に、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法におけるバリの除去方法について、図5、図12および図13を用いて説明をする。
図5に示す如く、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法では、インターフェレンス溶接が完了(STEP−5)した後に、バリを除去する工程(STEP−6)を追加する構成としている。
ここでは、第二の実施態様に係る溶接方法において第一の実施態様に係る継手形状を採用した場合(図6、図7参照)に生じるバリ19を除去する方法を例示して説明をする。
図12および図13に示す如く、溶接部位6において、バリ19が露出している部位を、Y軸に平行な方向に沿ってドリル30により切削して、溶接部位6から露出したバリ19を除去するようにしている。
尚、ここでの機械加工方法は、図13に示すようなドリル30によって、バリ19の存在する部位を除去する方法だけでなく、その他にもフライス加工、放電加工、ワイヤカット放電加工等の種々の機械加工方法を採用し得る。
またここでは、第二の実施態様に係る溶接方法において第一の実施態様に係る継手形状を採用した場合に生じるバリ19を除去する方法を例示して説明をしたが、その他の態様のバリ(例えば、前述した各バリ9・29・39・49等)であっても同様の機械加工方法により除去することができる。
即ち、図4に示すような溶接部位6に内在するバリ9や、図8および図9に示すような溶接部位6から外部に露出している各バリ29・39、あるいは、図11に示すような溶接部位6に内在するバリ49等、どのような態様のバリであっても、機械加工により確実に除去することが可能である。
そして、バリを全て確実に除去することによって、溶接部位6において疲労強度が低下するという課題を解消することができ、これによりインターフェレンス溶接による接合強度を確実に確保することが可能になるとともに、インターフェレンス溶接によるカウンターウェイトの溶接方法の信頼性を高めることができる。
即ち、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法は、第一の継手部たる各継手部7・17・27・37・47に第二の継手部たる各継手部8・18・28・38・48を圧入するときに生じる各バリ9・19・29・39・49を除去する工程を有するものである。
このような構成により、各バリ9・19・29・39・49を確実に排除することができる。
ここで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第二の実施態様に係る溶接方法を採用する場合における課題を説明する。
ここで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法において、第二の実施態様に係る溶接方法を採用する場合、各継手部17・27・37・47および各継手部18・28・38・48の圧入方向がX軸に平行な方向となっている。
クランクシャフト1では、複数のクランクアーム4・4・・・および複数のカウンターウェイト5・5・・・が隣接して配設されているため、カウンターウェイト5の側方部にカウンターウェイト5をX軸に平行な方向に押圧するための変位装置等を配置するスペースを確保するのが困難である。
そこで、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法では、この課題を解決するために、以下において説明するように、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法に用いる抵抗溶接装置の改良を行っている。
次に、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法に用いる抵抗溶接装置を改良した別実施態様について、図14を用いて説明をする。
図14に示す如く、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造方法に用いる抵抗溶接装置10を改良した実施態様である抵抗溶接装置20は、インターフェレンス溶接を行うことができる抵抗溶接装置であって、溶接対象部材に通電するための一対の電極部材21・22、トランス23、押圧装置24等を備えている。
そして、一対の電極部材21・22のうち、一方の電極部材21は、トランス23の負極側に電気的に接続され、他方の電極部材22は、トランス23の正極側に電気的に接続されている。つまり、改良した抵抗溶接装置20は、押圧装置24を電極部材21と別体で備えている点で、先に述べた抵抗溶接装置10とは異なっており、この点に特徴を有するものである。
押圧装置24は、押圧力を発生させるための変位装置24aと該変位装置24aが発生させた押圧力の押圧方向を変換する押圧方向変換機構24b等を備えている。
押圧方向変換機構24bは、それぞれ楔型である第一部材25および第二部材26を有している。
第一部材25には、変位装置24aによって押圧される被押圧面25aが形成されており、被押圧面25aは変位装置24aによってその面に対して垂直な方向に押圧され、第一部材25を被押圧面25aに対して垂直な方向(図14ではZ軸に平行な方向)に変位させることができるものである。さらに第一部材25には、前記被押圧面25aに対して傾斜しているスライド面25bが形成されている。
第二部材26には、第一部材25のスライド面25bに対応するスライド面26bが形成されており、各スライド面25b・26bの当接させることにより、各スライド面25b・26bの当接面に沿って、第二部材26をスライドさせることができる構成としている。
さらに第二部材26には、スライド面26bに対して傾斜しており、かつ、各スライド面25b・26bを当接させた状態において、第一部材25の被押圧面25aに対して垂直な面である押圧面26aが形成されている。
このような構成により、第一部材25を被押圧面25aに対して垂直な方向(図14ではZ軸に平行な方向)に押圧して変位させることによって、第二部材26を第一部材25の変位方向に対して垂直な方向(図14ではX軸に平行な方向)に変位させることができる。そして、押圧面26aによって、溶接対象部品をX軸に平行な方向に押圧することができる。
尚、本実施例では、略楔状の第一部材25および第二部材26を有する構成の押圧方向変換機構24bを例示しているが、本発明に係るクランクシャフトの製造装置が備える押圧方向変換機構の構成をこれに限定するものではなく、押圧力の方向を90°異なる方向(例えば、Z軸に平行な方向からX軸に平行な方向)に変換することができる機構であればよく、例えば、リンク機構を用いて押圧方向を変換する構成の機構等であってもよく、その他種々の機構を採用し得る。
また、改良した抵抗溶接装置20において、負極側の電極部材22は、溶接対象部材たるカウンターウェイト5に固定されるとともに、カウンターウェイト5の変位に伴って変位することができる構成としている。また、正極側の電極部材21は、変位不能に溶接対象部材たるクランクアーム4に固設される。そして、第二部材26と電極部材21によって溶接対象部材たるカウンターウェイト5およびクランクアーム4をX軸に平行な方向に挟圧することができるものである。
このように、改良した抵抗溶接装置20を用いることによって、クランクアーム4およびカウンターウェイト5の周囲のスペースが限られているような場合にも、適切に抵抗溶接を行うことが可能になる。
即ち、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造装置は、カウンターウェイト5およびクランクシャフト1のクランクアーム4に通電しつつ、カウンターウェイト5およびクランクアーム4の一方を他方に押圧することにより、カウンターウェイト5をクランクシャフト1のクランクアーム4に抵抗溶接してクランクシャフト1を製造するクランクシャフトの製造装置であって、クランクシャフト1に対するクランクアーム4の突設方向(本実施例では、Z軸に平行な方向)に押圧力を発生させる押圧力発生手段である変位装置24aと、変位装置24aにより発生させたクランクシャフト1に対するクランクアーム4の突設方向(本実施例では、Z軸に平行な方向)への押圧力を、クランクシャフト1の回転軸(即ち、ジャーナル2)に平行な方向への押圧力に変換する押圧方向変換手段である押圧方向変換機構24bと、を有する押圧手段である押圧装置24を備えるものである。
また、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造装置である改良した抵抗溶接装置20による製造方法は、クランクアーム4に対するカウンターウェイト5の突設方向(本実施例では、図14におけるZ軸に平行な方向)に押圧力を付与するとともに、押圧方向変換手段である押圧方向変換機構24bによって、クランクアーム4に対するカウンターウェイト5の突設方向(本実施例では、図14におけるZ軸に平行な方向)への押圧力を、クランクシャフト1の回転軸(即ち、ジャーナル2)に平行な方向(本実施例では、図14におけるX軸に平行な方向)への押圧力に変換して、第一の継手部である継手部47に第二の継手部である継手部48をクランクシャフト1の回転軸(即ち、ジャーナル2)に平行な方向へ圧入するものである。
このような構成により、抵抗溶接装置20の設置スペースを容易に確保できる。
また、本発明の一実施例に係るクランクシャフトの製造装置は、押圧装置24は、カウンターウェイト5に通電するための電極部材21とは別体で備えられるものである。
このような構成により、抵抗溶接装置20を簡易な構成とすることができる。また、電極部材21に特別な加工を施す必要がなくなり、電極部材21の寿命を延ばすことができるとともに、抵抗溶接装置20のコスト上昇を防止できる。
さらに、例えば、クランクアーム4およびカウンターウェイト5の周辺のスペースを増大させることができれば、改良した抵抗溶接装置20を用いずに、改良前の抵抗溶接装置10等を用いて、適切に抵抗溶接することが可能になる。例えば、クランクシャフト1の構成を変更することによって、カウンターウェイト5を回転軸(即ち、ジャーナル2)に平行な方向に押圧するためのスペースを確保することが可能である。
即ち、図15に示す如く、図1(a)に示すようなクランクシャフト1では、全て(本実施例では8箇所)のクランクアーム4・4・・・にカウンターウェイト5・5・・・が付設される構成であるため、クランクアーム4・4・・・の回転軸に平行な方向に対する側部の空きスペースが少なかった。
一方、図15に示すようなクランクシャフト51では、8箇所のクランクアーム4・4・・・のうち4箇所だけカウンターウェイト5・5・・・を付設する構成としている。このような構成のクランクシャフト51では、クランクアーム4・4・・・の回転軸に平行な方向に対する側部の空きスペースを拡大することができるため、付設される4箇所のカウンターウェイト5・5・・・について、本発明の第二の実施態様に係る溶接方法(即ち、圧入方向をX軸に平行な方向とする溶接方法)を、容易に適用することができる。
1 クランクシャフト
2 ジャーナル
4 クランクアーム
5 カウンターウェイト
6 溶接部位
6a 溶接部位(クランクアーム側)
6b 溶接部位(カウンターウェイト側)
7 継手部
7a 凸部
7b 凹部
7c 干渉部
7d 溝部
8 継手部
8a 凹部
8b 凸部
8c 干渉部
8d 溝部
10 抵抗溶接装置
11 電極部材
12 電極部材
17 継手部(第一の実施態様)
18 継手部(第一の実施態様)
20 抵抗溶接装置(改良した別実施態様)
27 継手部(第二の実施態様)
28 継手部(第二の実施態様)
37 継手部(第三の実施態様)
38 継手部(第三の実施態様)
51 クランクシャフト(別実施態様)

Claims (10)

  1. クランクアームにカウンターウェイトを溶接してクランクシャフトを製造するクランクシャフトの製造方法であって、
    前記クランクアームの溶接部位に、凸部および凹部を有する第一の凹凸形状である第一の継手部を形成し、かつ、
    前記カウンターウェイトの溶接部位に、前記第一の凹凸形状の凸部に対応する凹部および前記第一の凹凸形状の凹部に対応する凸部を有する第二の凹凸形状である第二の継手部を形成するとともに、
    前記第一の継手部および前記第二の継手部の圧入方向視の形状を、前記第一の継手部および前記第二の継手部が互いに干渉する部位である干渉部をそれぞれに有する形状とし、
    前記第一の継手部の前記干渉部と前記第二の継手部の前記干渉部を干渉させた状態で、前記第一の継手部に前記第二の継手部を圧入しつつ、前記第一の継手部および前記第二の継手部に通電して、前記クランクアームに前記カウンターウェイトを抵抗溶接する、
    ことを特徴とするクランクシャフトの製造方法。
  2. 前記第二の継手部は、
    前記第一の継手部に、前記クランクアームに対する前記カウンターウェイトの突設方向に対して垂直に圧入する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの製造方法。
  3. 前記第二の継手部は、
    前記第一の継手部に、前記クランクアームに対する前記カウンターウェイトの突設方向に対して垂直な方向のうち、前記クランクシャフトの回転軸に平行な方向に圧入する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のクランクシャフトの製造方法。
  4. 前記クランクアームに対する前記カウンターウェイトの突設方向に平行な方向へ押圧力を付与するとともに、押圧方向変換手段によって、前記クランクアームに対する前記カウンターウェイトの突設方向に平行な方向への押圧力を、前記クランクシャフトの回転軸に平行な方向への押圧力に変換して、
    前記第一の継手部に前記第二の継手部を前記クランクシャフトの回転軸に平行な方向へ圧入する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のクランクシャフトの製造方法。
  5. 前記クランクアームの溶接部位および前記カウンターウェイトの溶接部位に、
    前記第一の継手部に前記第二の継手部を圧入するときに生じるバリを流入させる空隙部を形成する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のクランクシャフトの製造方法。
  6. 前記第一の継手部に前記第二の継手部を圧入するときに生じるバリを除去する工程を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のクランクシャフトの製造方法。
  7. 前記第一の凹凸形状は、
    複数の前記凸部および複数の前記凹部を有し、かつ、
    前記第二の凹凸形状は、
    前記第一の凹凸形状の複数の前記凸部の対応する複数の前記凹部および前記第一の凹凸形状の複数の前記凹部に対応する複数の前記凸部を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載のクランクシャフトの製造方法。
  8. 前記第一の凹凸形状および第二の凹凸形状における複数の前記凸部の圧入方向視における幅は、
    幅方向外側に位置する前記凸部の幅ほど広くする、
    ことを特徴とする請求項7に記載のクランクシャフトの製造方法。
  9. カウンターウェイトおよびクランクシャフトのクランクアームに通電しつつ、前記カウンターウェイトおよびクランクアームの一方を他方に押圧することにより、カウンターウェイトをクランクシャフトのクランクアームに抵抗溶接して前記クランクシャフトを製造するクランクシャフトの製造装置であって、
    前記クランクシャフトに対する前記クランクアームの突設方向に平行な方向への押圧力を発生させる押圧力発生手段と、
    前記押圧力発生手段により発生させた前記クランクシャフトに対する前記クランクアームの突設方向に平行な方向への押圧力を、前記クランクシャフトの回転軸に平行な方向への押圧力に変換する押圧方向変換手段と、
    を有する押圧手段を備える、
    ことを特徴とするクランクシャフトの製造装置。
  10. 前記押圧手段は、
    前記カウンターウェイトに通電するための電極部材とは別体で備えられる、
    ことを特徴とする請求項9に記載のクランクシャフトの製造装置。
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