JP2011094558A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DC−DCコンバータ回路を用いずに点火用コンデンサに点火用エネルギーを蓄積することができる内燃機関用点火装置を提供する。
【解決手段】ACG1の出力をバッテリ3に充電するために使用するレギュレータ10に第1MOSFET30および第2MOSFET40を備える。そして、ACG1の出力電圧がバッテリ3の電圧の設定値を超えると、第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフすることでAライン50に流れる充電電流Iを遮断する。このようにして、充電遮断時に過渡電圧Vを発生させ、この過渡電圧Vで点火用コンデンサ22を充電する。これにより、点火用コンデンサ22を充電するためのDC−DCコンバータ回路を不要とすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ACG1の出力をバッテリ3に充電するために使用するレギュレータ10に第1MOSFET30および第2MOSFET40を備える。そして、ACG1の出力電圧がバッテリ3の電圧の設定値を超えると、第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフすることでAライン50に流れる充電電流Iを遮断する。このようにして、充電遮断時に過渡電圧Vを発生させ、この過渡電圧Vで点火用コンデンサ22を充電する。これにより、点火用コンデンサ22を充電するためのDC−DCコンバータ回路を不要とすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関用点火装置に関する。
従来より、内燃機関用点火装置の点火方式として、容量放電式点火方式(以下、CDI(Capacitor Discharge Ignition;CDI)方式という)が知られている。このCDI方式は、点火用エネルギーを点火コイルの一次側コイルに蓄積するのではなく、当該一次側コイルに接続された点火用コンデンサに蓄積する方式である。
具体的に、CDI方式では、点火用コンデンサに蓄積された点火用エネルギーが点火タイミングに合わせて放電されることで、点火コイルの一次側コイルが通電される。その結果、点火コイルの二次側コイルに高電圧が発生することにより、二次側コイルに接続された点火プラグの電極間で放電が起こる。
このように点火用コンデンサに点火用エネルギーを蓄積する方法としては、交流発電機(ACG)のエキサイタコイルを用いるエキサイタコイル方式(例えば、特許文献1参照)や、DC−DCコンバータ回路を用いるDC−DCコンバータ方式が採用される。
特許文献1では、エキサイタコイル方式に採用可能な発電制御装置として、ACGの出力を整流する整流ブリッジに電界効果トランジスタが接続されたものが提案されている。この発電制御装置では、ACGの発電量が不足する場合にECUから電界効果トランジスタを強制的にPWM駆動することにより、ACGの巻線をコイルに見立てた昇圧型スイッチングレギュレータとして機能させる方式が提案されている。
しかし、特許文献1に記載の構成において、ACGにエキサイタコイルを追加してエキサイタコイル方式とした場合、ACGにおけるバッテリ充電コイルがエキサイタコイル分だけ減少してしまうためバッテリ充電量が減ってしまう。また、エキサイタコイルの線径が細いために断線し易いという問題もある。このような理由によりエキサイタコイル方式は減少傾向にある。代わりに、近年ではDC−DCコンバータ方式が主流となっている。
しかしながら、DC−DCコンバータ方式では、バッテリ電圧を数百Vに昇圧するためのトランスやパワートランジスタ等により構成されたDC−DCコンバータ回路を用いることになるため、DC−DCコンバータ回路の分、点火コイルの駆動回路部分が大型化してしまうという問題がある。
本発明は上記点に鑑み、DC−DCコンバータ回路を用いずに点火用コンデンサに点火用エネルギーを蓄積することができる内燃機関用点火装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内燃機関の作動により発電を行う交流発電機(1)に接続され、第1還流ダイオード(31)を備えた第1MOSFET(30)と、交流発電機(1)の出力電圧により充電されるバッテリ(3)と第1MOSFET(30)との間に接続され、第1還流ダイオード(31)とは逆方向に電流を流す第2還流ダイオード(41)を備えた第2MOSFET(40)と、交流発電機(1)の出力電圧がバッテリ(3)の充電電圧を超えたときに第1MOSFET(30)および第2MOSFET(40)をオンし、バッテリ(3)の充電電圧が交流発電機(1)の出力電圧よりも低い一定値を超えたときに第1MOSFET(30)および第2MOSFET(40)をオフする充電制御回路(11、12)と、交流発電機(1)、第1MOSFET(30)、第2MOSFET(40)、およびバッテリ(3)が直列に接続される第1ライン(50)と、交流発電機(1)および点火用コンデンサ(22)が直列に接続される第2ライン(60)と、を有している。そして、点火用コンデンサ(22)は、充電制御回路(11、12)が第1MOSFET(30)および第2MOSFET(40)をオンからオフに切り替えたときに第1ライン(50)に流れる電流(I)が遮断されることで第1ライン(50)のうち交流発電機(1)と第1MOSFET(30)との間の経路に過渡電圧(V)が発生すると共に、当該過渡電圧(V)が第2ライン(60)に印加されることで充電されることを特徴としている。
これによると、点火用コンデンサ(22)は第2ライン(60)に印加された高電圧の過渡電圧(V)によって充電されるので、点火用コンデンサ(22)に充電するためのDC−DCコンバータ回路を不要とすることができる。したがって、DC−DCコンバータ回路を用いずに簡素な構成で点火用コンデンサ(22)に所望の点火用エネルギーを蓄積することができる。
請求項2に記載の発明では、点火用コンデンサ(22)に充電されたコンデンサ電圧を検出し、コンデンサ電圧が基準値を超えたときに過充電信号を出力するコンデンサ電圧検出回路(17)と、過充電信号を入力した場合、交流発電機(1)の出力電圧とバッテリ(3)の充電電圧とをそれぞれ入力すると共に出力電圧と充電電圧とを比較し、出力電圧と充電電圧とが等しいときに、充電制御回路(11、12)に第1MOSFET(30)および第2MOSFET(40)をオフさせるバッテリ電圧比較回路(18)と、を備えていることを特徴とする。
これによると、出力電圧と充電電圧とが等しいために第1ライン(50)に電流が流れていないので、第1MOSFET(30)および第2MOSFET(40)をオフさせたとしても第1ライン(50)に過渡電圧(V)が発生しないようにすることができる。したがって、点火用コンデンサ(22)の耐圧を超えた充電を防止することができる。
請求項3に記載の発明では、内燃機関の作動により発電を行う交流発電機(1)のハイサイド側にアノードが接続される第1ダイオード(15a)と、交流発電機(1)の出力電圧により充電されるバッテリ(3)と第1ダイオード(15a)のカソードとの間に接続され、第1ダイオード(15a)とは逆方向に電流を流す還流ダイオード(81)を備えたMOSFET(80)と、交流発電機(1)の出力電圧がバッテリ(3)の充電電圧を超えたときにMOSFET(80)をオンし、バッテリ(3)の充電電圧が交流発電機(1)の出力電圧よりも低い一定値を超えたときにMOSFET(80)をオフする充電制御回路(11、12)と、交流発電機(1)、第1ダイオード(15a)、MOSFET(80)、およびバッテリ(3)が直列に接続される第1ライン(50)と、
交流発電機(1)および点火用コンデンサ(22)が直列に接続される第2ライン(60)と、を有している。そして、点火用コンデンサ(22)は、充電制御回路(11、12)がMOSFET(80)をオンからオフに切り替えたときに第1ライン(50)に流れる電流が遮断されることで第1ライン(50)のうち交流発電機(1)と第1ダイオード(15a)との間の経路に過渡電圧(V)が発生すると共に、当該過渡電圧(V)が第2ライン(60)に印加されることで充電されることを特徴としている。
交流発電機(1)および点火用コンデンサ(22)が直列に接続される第2ライン(60)と、を有している。そして、点火用コンデンサ(22)は、充電制御回路(11、12)がMOSFET(80)をオンからオフに切り替えたときに第1ライン(50)に流れる電流が遮断されることで第1ライン(50)のうち交流発電機(1)と第1ダイオード(15a)との間の経路に過渡電圧(V)が発生すると共に、当該過渡電圧(V)が第2ライン(60)に印加されることで充電されることを特徴としている。
これによると、点火用コンデンサ(22)は第2ライン(60)に印加された高電圧の過渡電圧(V)によって充電されるので、点火用コンデンサ(22)に充電するためのDC−DCコンバータ回路を不要とすることができる。したがって、DC−DCコンバータ回路を用いずに簡素な構成で点火用コンデンサ(22)に点火用エネルギーを蓄積することができる。
請求項4に記載の発明では、点火用コンデンサ(22)に充電されたコンデンサ電圧を検出し、コンデンサ電圧が基準値を超えたときに過充電信号を出力するコンデンサ電圧検出回路(17)と、過充電信号を入力した場合、交流発電機(1)の出力電圧とバッテリ(3)の充電電圧とをそれぞれ入力すると共に出力電圧と充電電圧とを比較し、出力電圧と充電電圧とが等しいときに充電制御回路(11、12)にMOSFET(80)をオフさせるバッテリ電圧比較回路(18)と、を備えていることを特徴とする。
これによると、出力電圧と充電電圧とが等しいために第1ライン(50)に電流が流れていないので、MOSFET(80)をオフさせたとしても第1ライン(50)に過渡電圧(V)が発生しないようにすることができる。したがって、点火用コンデンサ(22)の耐圧を超えた充電を防止することができる。
請求項5に記載の発明では、第1ダイオード(15a)と、カソードが第1ダイオード(15a)のアノードに接続される第2ダイオード(15b)と、アノードが交流発電機(1)のローサイド側に接続されると共に、カソードが第1ダイオード(15a)のカソードに接続される第3ダイオード(15c)と、アノードが第2ダイオード(15b)のアノードに接続されると共に、カソードが第3ダイオード(15c)のアノードに接続される第4ダイオード(15d)と、により構成される全波整流回路(15)を有していることを特徴とする。
これによると、全波整流回路(15)の整流作用により、交流発電機(1)で発電された交流電圧のうちの負電圧を正電圧に反転させることができる。したがって、一周期の交流電圧に対して過渡電圧(V)が2回発生するので、DC−DCコンバータ回路を用いなくても短時間で点火用コンデンサ(22)を充電することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは対応する部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下で示される内燃機関用点火装置(以下、点火装置という)は、例えば自動二輪車両に搭載された内燃機関(単気筒ガソリン機関)において、点火用コンデンサに充電した点火用エネルギーに基づいてエンジン点火を行うCDI方式を採用したものである。
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下で示される内燃機関用点火装置(以下、点火装置という)は、例えば自動二輪車両に搭載された内燃機関(単気筒ガソリン機関)において、点火用コンデンサに充電した点火用エネルギーに基づいてエンジン点火を行うCDI方式を採用したものである。
図1は、本実施形態に係る点火装置を含んだ点火制御システムの全体構成図である。この図に示されるように、点火制御システムは、ACG1と、点火装置2と、バッテリ3と、点火コイル4と、点火プラグ5とを備えている。
ACG1は、内燃機関の作動により発電を行う発電機であり、例えば単相(8極)のものや三相(12極)のものが採用される。ACG1にて発生させられた単相や三相の出力電圧は点火装置2に出力される。
また、ACG1の近傍には回転角度センサ6が設けられている。この回転角度センサ6は、ACG1の回転角度を通じて内燃機関の出力軸の回転角度を検出し、回転角度に応じた回転角度信号を出力する。
点火装置2は、点火コイル4に通電を行って点火プラグ5に放電を起こさせるように構成されたものであり、レギュレータ(REG)10とCDI部20とを備えている。
レギュレータ10は、バッテリ3の充電電圧がACG1から出力される出力電圧よりも低くなったとき、ACG1の出力電圧に基づく電流をバッテリ3に流すことでバッテリ3を充電するものである。
なお、レギュレータ10は、ACG1から入力される出力電圧をこの電圧よりも低い一定電圧に変換する定電圧回路としても機能する。一定電圧は、例えば点火装置2の各回路における電源として用いられる。
このようなレギュレータ10は、第1MOSFET30と、第2MOSFET40と、バッテリ充電制御回路11と、ON/OFF回路12と、ランプ電圧制御回路13と、ダイオード14と備えている。
第1MOSFET30および第2MOSFET40は、ACG1の出力電圧に基づく充電電流の通過を許可または禁止(遮断)するスイッチング素子である。第1MOSFET30はACG1と第2MOSFET40との間に接続されている。また、第2MOSFET40は、第1MOSFET30とバッテリ3との間に接続されている。
第1MOSFET30および第2MOSFET40として、例えばnチャネル型のものが採用される。したがって、第1MOSFET30のドレインがACG1に接続され、第1MOSFET30のソースが第2MOSFET40のドレインに接続されている。また、第2MOSFET40のソースはバッテリ3に接続されている。そして、第1MOSFET30および第2MOSFET40の各ゲートがON/OFF回路12にそれぞれ接続されている。
さらに、第1MOSFET30および第2MOSFET40は、半導体構造に基づく還流用のダイオード(Free Wheel Diode;FWD)をそれぞれ備えている。第1MOSFET30は、当該第1MOSFET30のドレイン側からソース側に電流が流れるように構成された第1還流ダイオード31を備えている。また、第2MOSFET40は、当該第2MOSFET40のソース側からドレイン側に電流が流れるように構成された第2還流ダイオード41を備えている。すなわち、第2還流ダイオード41は、第1還流ダイオード31とは逆方向に電流を流すように第2MOSFET40に設けられている。
第1還流ダイオード31は、第1MOSFET30のドレインが当該第1MOSFET30が形成された半導体基板に接地されることで構成される。具体的には、上述のように、第1MOSFET30はnチャネル型であるので、第1MOSFET30を構成する半導体基板は例えばp型半導体基板であり、ドレインおよびソースはp型半導体基板の表層部に形成されたn型の領域に接続される。したがって、第1MOSFET30のドレインがp型半導体基板に接地されることで、電流がp型半導体基板(ドレイン)からn型の領域(ソース)に流れる経路が形成される。この電流経路が第1還流ダイオード31の電流経路となる。
一方、第2還流ダイオード41は、第2MOSFET40のソースが当該第2MOSFET40が形成されたp型半導体基板に接地されることで構成される。すなわち、第2MOSFET40のソースがp型半導体基板に接地されることで、電流がp型半導体基板(ソース)からn型の領域(ドレイン)に流れる経路が形成される。この電流経路が第2還流ダイオード41の電流経路となる。
バッテリ充電制御回路11は、ACG1の出力電圧およびバッテリ3の充電電圧をそれぞれ入力し、これらの出力電圧および充電電圧に基づいて第1MOSFET30および第2MOSFET40のオン/オフの切り替えを行う回路である。
具体的には、バッテリ充電制御回路11は、ACG1の出力電圧がバッテリ3の充電電圧を超えたときに第1MOSFET30および第2MOSFET40をオンする指令をON/OFF回路12に出力する。また、バッテリ充電制御回路11は、バッテリ3の充電電圧がACG1の出力電圧よりも低い一定値を超えたときに第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフする指令をON/OFF回路12に出力する。
ここで、「一定値」とは、例えばバッテリ3の定格電圧である。車載バッテリの場合、バッテリ3の定格電圧は例えば14V前後である。
ON/OFF回路12は、バッテリ充電制御回路11から入力した指令に従って第1MOSFET30および第2MOSFET40を同時にオン/オフするドライバ回路である。
ランプ電圧制御回路13およびダイオード14は、ACG1の出力電圧に基づいて車両に搭載されたランプ7を点灯または消灯するためのものである。
CDI部20は、点火時期に応じて点火コイル4への通電を行うように構成されたものであり、ダイオード21と、点火用コンデンサ22と、サイリスタ23と、点火時期制御回路24とを備えている。
ダイオード21は、ACG1と点火用コンデンサ22とを接続する電子部品である。ダイオード21のアノードがACG1に接続され、カソードが点火用コンデンサ22に接続されている。したがって、ダイオード21は、ACG1からCDI部20への電流の通過を許可する一方、CDI部20からACG1への電流の逆流を防止する役割を果たす。
点火用コンデンサ22は、点火コイル4への通電を行うための点火用エネルギーを蓄積する電子部品である。この点火用コンデンサ22は、ダイオード21と点火コイル4との間に接続されている。
サイリスタ23は、点火用コンデンサ22に蓄積された点火用エネルギーをGNDに流すことにより、点火コイル4の一次側コイル4aに一次電流を流させる電子部品である。このため、サイリスタ23のアノードは点火用コンデンサ22とダイオード21との間に接続され、カソードはGNDに接続されている。また、サイリスタ23のゲートは点火時期制御回路24に接続されている。
点火時期制御回路24は、所定の点火時期に応じてサイリスタ23をオンすることにより、点火用コンデンサ22に蓄積された電荷を放電させる回路である。このため、点火時期制御回路24は、回転角度センサ6から回転角度信号を入力し、回転角度信号が示す内燃機関の回転角度が所定の点火時期に達したときにサイリスタ23のゲートに電流を流すことでサイリスタ23をオンする。
上記のような構成を有する点火装置2は、ACG1、第1MOSFET30、第2MOSFET40、およびバッテリ3が直列に接続されるAライン50と、ACG1および点火用コンデンサ22が直列に接続されるBライン60と、を有している。Bライン60は、Aライン50のうちACG1と第1MOSFET30との間の経路に接続されている。
バッテリ3は、ACG1の出力電圧により充電され、車載機器に電源を供給するための電圧源である。
点火コイル4は、点火プラグ5に当該点火プラグ5を点火させる電流を流すものであり、一次側コイル4aと二次側コイル4bとを備えて構成されている。点火コイル4の一次側コイル4aは点火用コンデンサ22に接続され、二次側コイル4bは点火プラグ5に接続されている。
点火プラグ5は、上記点火コイル4によって点火させられることで、エンジンの燃焼室内に燃焼を起こさせる周知のものである。点火プラグ5は、点火コイル4の一次側コイル4aに一次電流が流れ、当該一次電流に基づいて二次側コイル4bに二次電流が流れると、この二次電流によって火花放電を起こす。
以上が、本実施形態に係る点火装置2および点火制御システムの全体構成である。
次に、上記の点火装置2の作動について、図2を参照して説明する。図2は、ACG1の出力電圧、バッテリ3の充電電圧、バッテリ3に入力される充電電流I、Aライン50に発生する過渡電圧V、および点火用コンデンサ22に充電されたコンデンサ電圧の各タイミングチャートである。なお、以下では、バッテリ3の電圧の設定値を14Vとする。つまり、14Vがバッテリ3の一定値に相当する。もちろんこの設定値は車両により異なる。
まず、ACG1が内燃機関の作動、すなわちクランクシャフトと同期して回転すると、図2に示されるように、ACG1の出力電圧が発生する。この出力電圧はAライン50に印加される。
また、バッテリ充電制御回路11は、ACG1の出力電圧とバッテリ3の充電電圧とをそれぞれ入力して比較する。そして、ACG1の出力電圧がバッテリ3の充電電圧よりも低い場合、バッテリ充電制御回路11は第1MOSFET30および第2MOSFET40をそれぞれオフする指令を出す。これにより、ON/OFF回路12は第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフする。
この場合、ACG1から第1還流ダイオード31を経由する経路が形成される。しかしながら、第2MOSFET40がオフされていると共に、第2還流ダイオード41は第1還流ダイオード31の順方向特性に対して逆方向に電流を流すように第2MOSFET40に設けられている。このため、第1MOSFET30および第2MOSFET40がオフされると、Aライン50は完全に遮断される。つまり、Aライン50はオープンの状態となり、Aライン50にはACG1からバッテリ3に充電電流Iが流れることはない。
続いて、ACG1の回転に伴って出力電圧が増加していくと、当該出力電圧がバッテリ3の充電電圧を超える。これにより、バッテリ充電制御回路11は第1MOSFET30および第2MOSFET40をそれぞれオンする指令を出し、ON/OFF回路12は当該指令に従って第1MOSFET30および第2MOSFET40をオンする。
この場合、ACG1の出力電圧はバッテリ3の充電電圧よりも高いので、Aライン50にはACG1からバッテリ3にACG1の出力電圧に基づく充電電流Iが流れ始める。この充電電流Iがバッテリ3に入力されることでバッテリ3が充電される。
この後、バッテリ3の充電電圧がバッテリ3の設定値(14V)を超える。これにより、バッテリ充電制御回路11は第1MOSFET30および第2MOSFET40をそれぞれオフする指令を出し、ON/OFF回路12は当該指令に従って第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフする。すなわち、Aライン50に充電電流Iが流れている状態でこの充電電流Iの流れを遮断する。
このように、バッテリ充電制御回路11およびON/OFF回路12が第1MOSFET30および第2MOSFET40をオンからオフに切り替えたときに、Aライン50に流れている充電電流Iの流れが遮断されることで、Aライン50のうちACG1と第1MOSFET30との間の経路には図2に示される過渡電圧Vが発生する。これは、第1MOSFET30からACG1を介してGNDに至る経路にACG1のコイルが存在するためである。
そして、当該経路に発生した過渡電圧Vは、Aライン50の当該経路に接続されたBライン60にも印加される。したがって、点火用コンデンサ22は、Bライン60に印加された過渡電圧Vによって充電される。これにより、図2に示されるように、点火用コンデンサ22のコンデンサ電圧が上昇する。
この後、ACG1の回転に伴ってACG1の出力電圧が負電圧となる。この場合、ACG1の出力電圧はバッテリ3の充電電圧よりも低いので、第1MOSFET30および第2MOSFET40はそれぞれオフされている。そして、再び、ACG1の出力電圧が正電圧となり、当該出力電圧がバッテリ3の充電電圧を超えると、第1MOSFET30および第2MOSFET40をオンされ、上記と同様の作動により点火用コンデンサ22が充電されていく。
なお、ACG1の動作状態等の影響により、図2に示されるように、必ずしも過渡電圧Vの最大値が一定にはならない。
ACG1が例えば12極のものだとすると、ACG1が一回転することで図2に示される正弦波が12回発生する。すなわち、ACG1が一回転すると、過渡電圧Vが12回発生し、点火用コンデンサ22が12回充電される。過渡電圧Vは、例えば100Vのオーダーで発生するので、ACG1が数回転するだけで点火に必要な点火用エネルギーを点火用コンデンサ22に充電することができる。
上記のようにして点火用コンデンサ22が充電される一方、CDI部20の点火時期制御回路24は、回転角度センサ6から入力した回転角度信号が示す内燃機関の回転角度が所定の点火時期に達するとサイリスタ23をオンする。これにより、点火用コンデンサ22、サイリスタ23、GND、および点火コイル4の一次側コイル4aにより形成されたループ回路に電流が流れ始める。これに伴い、点火用コンデンサ22に蓄積されていた点火用エネルギーが放出されることで、点火コイル4の一次側コイル4aに一次電流が流れる。
この場合、CDI部20には逆流防止用のダイオード21が備えられているので、上記のループ回路からACG1側に一次電流がリークすることはない。
そして、点火コイル4の一次側コイル4aに一次電流が流れたことにより、二次側コイル4bに二次電流が流れる。これにより、点火プラグ5に火花放電が起こり、内燃機関が作動する。
以上説明したように、本実施形態では、まず、ACG1の出力をバッテリ3に充電するために使用するレギュレータ10の回路構成を第1MOSFET30および第2MOSFET40を用いたオープン方式としている。そして、ACG1の出力電圧がバッテリ3の電圧の設定値を超えると充電を遮断する動作を行う。すなわち、第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフする。これにより、充電遮断時に過渡電圧Vを発生させ、この過渡電圧Vで点火用コンデンサ22を充電することが特徴となっている。
このように、過渡電圧Vを点火用コンデンサ22の充電に利用することで、点火用コンデンサ22を充電するためのDC−DCコンバータ回路を不要とすることができる。DC−DCコンバータ回路はトランス等によって構成されるために体格が大きいが、このようなDC−DCコンバータ回路を用いない点火装置2を構成することができるので、点火装置2を簡素な構成とすることができる。したがって、DC−DCコンバータ回路を用いずに簡素な構成で点火用コンデンサ22に点火用エネルギーを蓄積することができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、ACG1が特許請求の範囲の「交流発電機」に対応する。また、バッテリ充電制御回路11およびON/OFF回路12により構成される回路が特許請求の範囲の「充電制御回路」に対応する。さらに、Aライン50が特許請求の範囲の「第1ライン」に対応し、Bライン60が特許請求の範囲の「第2ライン」に対応する。これらの対応関係は、以下の各実施形態についても同様である。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1実施形態では、レギュレータ10は第1MOSFET30および第2MOSFET40の2つのスイッチング素子を用いて構成されていたが、本実施形態ではレギュレータは1つのMOSFETを用いて構成されている。
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1実施形態では、レギュレータ10は第1MOSFET30および第2MOSFET40の2つのスイッチング素子を用いて構成されていたが、本実施形態ではレギュレータは1つのMOSFETを用いて構成されている。
図3は、本実施形態に係る点火装置2を含んだ点火制御システムの全体構成図である。本実施形態では、レギュレータ10は、ダイオード15aとMOSFET80とを備えている。
ダイオード15aは、ACG1側からバッテリ3側に電流を流す電子部品である。ダイオード15aのアノードはACG1のハイサイド側に接続され、カソードはMOSFET80に接続されている。このダイオード15aとしては、大電流用のものが用いられる。
MOSFET80は、ACG1の出力電圧に基づく充電電流Iの通過を許可または禁止(遮断)するスイッチング素子である。このMOSFET80は、ダイオード15aとバッテリ3との間に接続されている。
また、MOSFET80として、例えばnチャネル型のものが採用される。これによると、MOSFET80のドレインがダイオード15aのカソードに接続され、MOSFET80のソースがバッテリ3に接続されている。MOSFET80のゲートは、ON/OFF回路12に接続されている。
さらに、MOSFET80は、ダイオード15aとは逆方向に電流を流す還流ダイオード81を備えている。すなわち、MOSFET80は、当該MOSFET80のソースがp型半導体基板に接地されることで、電流がp型半導体基板(ソース)からn型の領域(ドレイン)に流れる経路が形成される。この電流経路が還流ダイオード81の電流経路となる。
このような構成によると、MOSFET80がオフのときには、ACG1側からバッテリ3側に流れる電流は還流ダイオード81で阻止され、バッテリ3側からACG1側に流れる電流はダイオード15aで阻止される。したがって、レギュレータ10は、ダイオード15aおよびMOSFET80を用いたオープン方式の回路と言える。
そして、本実施形態では、ACG1、ダイオード15a、MOSFET80、およびバッテリ3が直列に接続されることでAライン50が形成され、ACG1および点火用コンデンサ22が直列に接続されることでBライン60が形成されている。Bライン60は、Aライン50のうちACG1とダイオード15aとの間の経路に接続されている。
このように、本実施形態では、レギュレータ10に備えられたMOSFET80は1つだけである。したがって、バッテリ充電制御回路11およびON/OFF回路12はACG1の出力電圧およびバッテリ3の充電電圧に基づいて当該MOSFET80のオン/オフを制御することとなる。
すなわち、バッテリ充電制御回路11およびON/OFF回路12は、ACG1の出力電圧がバッテリ3の充電電圧を超えたときにMOSFET80をオンする。これにより、Aライン50に充電電流Iが流れ始める。
また、バッテリ充電制御回路11およびON/OFF回路12は、ACG1の出力電圧がバッテリ3の充電電圧を超えたときにMOSFET80をオフする。このようにMOSFET80をオンからオフに切り替えたときにAライン50に流れる充電電流Iが遮断されることで、Aライン50のうちACG1とダイオード15aとの間の経路に過渡電圧Vが発生すると共に、当該過渡電圧VがBライン60に印加される。したがって、点火用コンデンサ22は、Bライン60に印加された過渡電圧Vによって充電される。
以上説明したように、レギュレータ10の回路構成をダイオード15aとMOSFET80とを用いたオープン方式とすることもできる。このような構成としても、Aライン50に充電電流Iが流れているときにMOSFET80をオフすることでAライン50の経路を完全に遮断することができ、ひいては過渡電圧Vを発生させることができる。また、高価なMOSFET80を複数用いる構成ではないので、点火装置2を安価な構成とすることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、ダイオード15aが特許請求の範囲の「第1ダイオード」に対応する。
(第3実施形態)
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第2実施形態では、第1実施形態で示された第1MOSFET30の代わりにダイオード15aを用いていた。本実施形態では、レギュレータ10のランプ電圧制御回路13を廃止し、ダイオード15aを整流用に用いることが特徴となっている。なお、以下では、第2実施形態で示されたダイオード15aを第1ダイオード15aという。
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第2実施形態では、第1実施形態で示された第1MOSFET30の代わりにダイオード15aを用いていた。本実施形態では、レギュレータ10のランプ電圧制御回路13を廃止し、ダイオード15aを整流用に用いることが特徴となっている。なお、以下では、第2実施形態で示されたダイオード15aを第1ダイオード15aという。
図4は、本実施形態に係る点火装置2を含んだ点火制御システムの全体構成図である。この図に示されるように、本実施形態に係るレギュレータ10は、全波整流回路15を備えている。この全波整流回路15は、上記の第1ダイオード15aと、第2ダイオード15bと、第3ダイオード15cと、第4ダイオード15dとを備えて構成されている。
第1ダイオード15aは、上述のように、アノードがACG1のハイサイド側に接続され、カソードがMOSFET80に接続されている。第2ダイオード15bは、アノードがGNDに接続され、カソードが第1ダイオード15aのアノードに接続されている。第3ダイオード15cは、アノードがACG1のローサイド側に接続され、カソードが第1ダイオード15aのカソードに接続されている。また、第4ダイオード15dは、アノードが第2ダイオード15bのアノードに接続されると共に、カソードが第3ダイオード15cのアノードに接続されている。
このような接続によると、全波整流回路15の整流作用により、ACG1で発電された交流電圧は全波整流されるので、交流電圧のうちの負電圧を正電圧に反転させた電圧をバッテリ3の充電等に用いることができる。
図5は、全波整流回路15により整流されたACG1の出力電圧とバッテリ3の充電電圧の各波形を示した図である。この図に示されるように、ACG1の出力電圧のうち破線で表された負電圧は整流されて正電圧とされる。このため、ACG1の出力電圧の一周期で過渡電圧Vを2回発生させることができる。したがって、DC−DCコンバータ回路を用いなくても短時間で点火用コンデンサ22を充電することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1実施形態では、Bライン60に過渡電圧Vが印加される度に、点火用コンデンサ22が充電されていた。そこで、本実施形態では、点火用コンデンサ22に充電されたコンデンサ電圧が耐圧を超える前に、過渡電圧Vの発生を停止させるようにしたことが特徴となっている。
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1実施形態では、Bライン60に過渡電圧Vが印加される度に、点火用コンデンサ22が充電されていた。そこで、本実施形態では、点火用コンデンサ22に充電されたコンデンサ電圧が耐圧を超える前に、過渡電圧Vの発生を停止させるようにしたことが特徴となっている。
図6は、本実施形態に係る点火装置2を含んだ点火制御システムの全体構成図である。この図に示されるように、レギュレータ10は、コンデンサ電圧検出回路17とバッテリ電圧比較回路18とを備えている。
コンデンサ電圧検出回路17は、点火用コンデンサ22に充電されたコンデンサ電圧を検出し、コンデンサ電圧が基準値を超えたときに過充電信号を出力する回路である。ここで、「基準値」とは、点火用コンデンサ22に充電可能な電圧である。すなわち、コンデンサ電圧検出回路17は、点火用コンデンサ22に充電可能な電圧を超えたさらなる充電を行わないためにコンデンサ電圧をモニタする回路であると言える。したがって、「過充電信号」は、点火用コンデンサ22へのさらなる充電を禁止する、という指令信号に相当する。
一方、コンデンサ電圧検出回路17は、コンデンサ電圧が基準値を超えない場合には、その旨を示す信号を出力する。
このようなコンデンサ電圧検出回路17は、点火用コンデンサ22に充電されたコンデンサ電圧を入力するため、ダイオード21と点火用コンデンサ22との間の経路に接続されている。
バッテリ電圧比較回路18は、Aライン50に流れる充電電流Iが流れ終わってからバッテリ充電制御回路11に第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフさせるための回路である。つまり、バッテリ電圧比較回路18は、Aライン50に過渡電圧Vを発生させないようにするための回路である。
具体的に、バッテリ電圧比較回路18は、コンデンサ電圧検出回路17から過充電信号を入力した場合、ACG1の出力電圧とバッテリ3の充電電圧とをそれぞれ入力すると共に出力電圧と充電電圧とを比較し、出力電圧と充電電圧とが等しいときに、バッテリ充電制御回路11に第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフさせる。
これによると、出力電圧と充電電圧とが等しいためにAライン50に電位差が無く、Aライン50に流れていた充電電流Iは流れ終わって零になっている。このため、第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフしても、Aライン50のうちACG1と第1MOSFET30との間の経路に過渡電圧Vは発生しない。したがって、バッテリ3は充電されるが、点火用コンデンサ22は充電されない。以上が、本実施形態に係るレギュレータ10の構成である。
次に、上記の点火装置2の作動について、図7を参照して説明する。図7は、ACG1の出力電圧、バッテリ3の充電電圧、バッテリ3に入力される充電電流I、Aライン50に発生する過渡電圧V、および点火用コンデンサ22に充電されたコンデンサ電圧の各タイミングチャートである。
まず、第1実施形態と同様に、第1MOSFET30および第2MOSFET40をオンすることで、図7に示されるように、Aライン50に充電電流Iを流す。そして、第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフすることで充電電流Iの流れを遮断する。これにより、Aライン50のうちACG1と第1MOSFET30との間の経路に過渡電圧Vを発生させ、この過渡電圧Vを利用して点火用コンデンサ22を充電する。
また、コンデンサ電圧検出回路17は、点火用コンデンサ22に充電されたコンデンサ電圧を検出し、当該コンデンサ電圧と基準値とを比較する。
そして、ACG1の回転ごとに点火用コンデンサ22が充電されていくと、コンデンサ電圧が基準値を超える。これにより、コンデンサ電圧検出回路17は、コンデンサ電圧が基準値を超えたことを示す過充電信号をバッテリ電圧比較回路18に出力する。
バッテリ電圧比較回路18は過充電信号を入力すると、上記の過渡電圧Vを発生させない制御を行う。具体的には、バッテリ電圧比較回路18は、ACG1の出力電圧とバッテリ3の充電電圧とをそれぞれ入力すると共にこれらの電圧を比較し、これらの電圧が等しいときに、バッテリ充電制御回路11に対して第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフさせる指令を出す。
そして、バッテリ充電制御回路11は、ACG1の出力電圧およびバッテリ3の充電電圧をそれぞれ入力し、ACG1の出力電圧がバッテリ3の充電電圧を超えたときにはON/OFF回路12に第1MOSFET30および第2MOSFET40をオンさせる。これにより、図7に示されるように、点火用コンデンサ22のコンデンサ電圧が基準値を超えた後においても、充電電流Iは流れ始める。充電電流Iが流れ始めると、当該充電電流Iによりバッテリ3が充電されるので、バッテリの充電電圧が上昇する。
この後、バッテリ充電制御回路11は、ACG1の出力電圧とバッテリ3の充電電圧とが等しいときに、ON/OFF回路12に第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフさせる。ここで、「出力電圧と充電電圧とが等しい」ということは、ACG1の出力電圧が最大値から下がり始め、出力電圧と充電電圧との大小関係が逆転するタイミングに相当する。
これによると、ACG1の出力電圧がバッテリ3の充電電圧よりも高いときに充電電流Iが流れていたが、出力電圧と充電電圧とが等しくなったことで図7に示されるように充電電流Iが流れ終わる。このように、バッテリ充電制御回路11およびON/OFF回路12は、充電電流Iが流れ終わった後に第1MOSFET30および第2MOSFET40をオフさせるので、充電電流Iの流れが遮断されるということは起こらない。つまり、過渡電圧Vは発生しない。
そして、点火用コンデンサ22のコンデンサ電圧が基準値を超えた状態が続くと、Aライン50に充電電流Iを流してバッテリ3を充電するが、過渡電圧Vを発生させない。このため、点火用コンデンサ22は必要以上に充電されない。
この後、CDI部20により点火が行われると、図7に示されるように、点火用コンデンサ22のコンデンサ電圧は低下する。このように点火が行われると、点火用コンデンサ22のコンデンサ電圧は基準値を下回るので、コンデンサ電圧検出回路17はコンデンサ電圧が基準値を超えない旨を示す信号を出力する状態となり、第1実施形態と同様に、再び過渡電圧Vによる充電を繰り返し行うこととなる。
以上説明したように、本実施形態では、コンデンサ電圧が基準値を超えた場合、第1MOSFET30および第2MOSFET40のオフ動作を充電電流Iが「流れている途中で遮断する」ではなく「流れ終わってから(零アンペアになってから)」行うことで過渡電圧Vの発生を停止させることが特徴となっている。これにより、点火用コンデンサ22には必要以上のコンデンサ電圧が充電されないようにすることができ、点火用コンデンサ22の耐圧を超えた充電を防止することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、図3に示される点火装置2のレギュレータ10に、第4実施形態で示されたコンデンサ電圧検出回路17およびバッテリ電圧比較回路18を採用したことが特徴となっている。
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、図3に示される点火装置2のレギュレータ10に、第4実施形態で示されたコンデンサ電圧検出回路17およびバッテリ電圧比較回路18を採用したことが特徴となっている。
図8は、本実施形態に係る点火装置2を含んだ点火制御システムの全体構成図である。この図に示されるように、点火装置2のレギュレータ10は、コンデンサ電圧検出回路17およびバッテリ電圧比較回路18を備えている。
本実施形態では、バッテリ電圧比較回路18は、コンデンサ電圧検出回路17から過充電信号を入力した場合、ACG1の出力電圧とバッテリ3の充電電圧とを比較し、出力電圧と充電電圧とが等しいときにバッテリ充電制御回路11にMOSFET80をオフさせる指令を出す。
このように、Aライン50に流れる充電電流Iを遮断する電子部品としてダイオード15aおよびMOSFET80を用いた構成においても、点火用コンデンサ22の耐圧を超えた充電を防止することができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第3、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、図4に示される点火装置2のレギュレータ10に、第4実施形態で示されたコンデンサ電圧検出回路17およびバッテリ電圧比較回路18を採用したことが特徴となっている。
本実施形態では、第3、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、図4に示される点火装置2のレギュレータ10に、第4実施形態で示されたコンデンサ電圧検出回路17およびバッテリ電圧比較回路18を採用したことが特徴となっている。
図9は、本実施形態に係る点火装置2を含んだ点火制御システムの全体構成図である。この図に示されるように、点火装置2のレギュレータ10は、全波整流回路15だけでなく、コンデンサ電圧検出回路17およびバッテリ電圧比較回路18も備えている。
このように、第1ダイオード15aを全波整流回路15の一部とした構成においても、コンデンサ電圧検出回路17およびバッテリ電圧比較回路18により、点火用コンデンサ22の耐圧を超えた充電を防止することができる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、第1MOSFET30に備えられた第1還流ダイオード31はACG1側からバッテリ3側に電流を流すように構成され、かつ、第2MOSFET40に備えられた第2還流ダイオード41はバッテリ3側からACG1側に電流を流すように構成されていた。しかしながら、これら第1還流ダイオード31および第2還流ダイオード41の接続形態は一例である。例えば、第1還流ダイオード31がバッテリ3側からACG1側に電流を流すように構成され、かつ、第2還流ダイオード41はACG1側からバッテリ3側に電流を流すように構成されていても良い。また、第1MOSFET30および第2MOSFET40はnチャネル型のものに限定されることはなく、pチャネル型のものを用いても良い。また、nチャネル型のものとpチャネル型のものとが組み合わされても良い。
上記第1実施形態では、第1MOSFET30に備えられた第1還流ダイオード31はACG1側からバッテリ3側に電流を流すように構成され、かつ、第2MOSFET40に備えられた第2還流ダイオード41はバッテリ3側からACG1側に電流を流すように構成されていた。しかしながら、これら第1還流ダイオード31および第2還流ダイオード41の接続形態は一例である。例えば、第1還流ダイオード31がバッテリ3側からACG1側に電流を流すように構成され、かつ、第2還流ダイオード41はACG1側からバッテリ3側に電流を流すように構成されていても良い。また、第1MOSFET30および第2MOSFET40はnチャネル型のものに限定されることはなく、pチャネル型のものを用いても良い。また、nチャネル型のものとpチャネル型のものとが組み合わされても良い。
第1、第2、第4、第5実施形態では、レギュレータ10にランプ電圧制御回路13が備えられ、ACG1の出力をランプ7の点灯に用いる形態が示されているが、レギュレータ10にランプ電圧制御回路13が備えられていなくても良い。
1 ACG
3 バッテリ
4 点火コイル
5 点火プラグ
11 バッテリ充電制御回路
12 ON/OFF回路
22 点火用コンデンサ
30 第1MOSFET
31 第1還流ダイオード
40 第2MOSFET
41 第2還流ダイオード
50 Aライン
60 Bライン
I 充電電流
V 過渡電圧
3 バッテリ
4 点火コイル
5 点火プラグ
11 バッテリ充電制御回路
12 ON/OFF回路
22 点火用コンデンサ
30 第1MOSFET
31 第1還流ダイオード
40 第2MOSFET
41 第2還流ダイオード
50 Aライン
60 Bライン
I 充電電流
V 過渡電圧
Claims (5)
- 点火用コンデンサ(22)に充電された点火用エネルギーに基づいてエンジン点火を行うCDI方式の内燃機関用点火装置であって、
内燃機関の作動により発電を行う交流発電機(1)に接続され、第1還流ダイオード(31)を備えた第1MOSFET(30)と、
前記交流発電機(1)の出力電圧により充電されるバッテリ(3)と前記第1MOSFET(30)との間に接続され、前記第1還流ダイオード(31)とは逆方向に電流を流す第2還流ダイオード(41)を備えた第2MOSFET(40)と、
前記交流発電機(1)の出力電圧が前記バッテリ(3)の充電電圧を超えたときに前記第1MOSFET(30)および前記第2MOSFET(40)をオンし、前記バッテリ(3)の充電電圧が前記交流発電機(1)の出力電圧よりも低い一定値を超えたときに前記第1MOSFET(30)および前記第2MOSFET(40)をオフする充電制御回路(11、12)と、
前記交流発電機(1)、前記第1MOSFET(30)、前記第2MOSFET(40)、および前記バッテリ(3)が直列に接続される第1ライン(50)と、
前記交流発電機(1)および前記点火用コンデンサ(22)が直列に接続される第2ライン(60)と、を有しており、
前記点火用コンデンサ(22)は、前記充電制御回路(11、12)が前記第1MOSFET(30)および前記第2MOSFET(40)をオンからオフに切り替えたときに前記第1ライン(50)に流れる電流(I)が遮断されることで前記第1ライン(50)のうち前記交流発電機(1)と前記第1MOSFET(30)との間の経路に過渡電圧(V)が発生すると共に、当該過渡電圧(V)が前記第2ライン(60)に印加されることで充電されることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 前記点火用コンデンサ(22)に充電されたコンデンサ電圧を検出し、前記コンデンサ電圧が基準値を超えたときに過充電信号を出力するコンデンサ電圧検出回路(17)と、
前記過充電信号を入力した場合、前記交流発電機(1)の出力電圧と前記バッテリ(3)の充電電圧とをそれぞれ入力すると共に前記出力電圧と前記充電電圧とを比較し、前記出力電圧と前記充電電圧とが等しいときに、前記充電制御回路(11、12)に前記第1MOSFET(30)および前記第2MOSFET(40)をオフさせるバッテリ電圧比較回路(18)と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。 - 点火用コンデンサ(22)に充電された点火用エネルギーに基づいてエンジン点火を行うCDI方式の内燃機関用点火装置であって、
内燃機関の作動により発電を行う交流発電機(1)のハイサイド側にアノードが接続される第1ダイオード(15a)と、
前記交流発電機(1)の出力電圧により充電されるバッテリ(3)と前記第1ダイオード(15a)のカソードとの間に接続され、前記第1ダイオード(15a)とは逆方向に電流を流す還流ダイオード(81)を備えたMOSFET(80)と、
前記交流発電機(1)の出力電圧が前記バッテリ(3)の充電電圧を超えたときに前記MOSFET(80)をオンし、前記バッテリ(3)の充電電圧が前記交流発電機(1)の出力電圧よりも低い一定値を超えたときに前記MOSFET(80)をオフする充電制御回路(11、12)と、
前記交流発電機(1)、前記第1ダイオード(15a)、前記MOSFET(80)、および前記バッテリ(3)が直列に接続される第1ライン(50)と、
前記交流発電機(1)および前記点火用コンデンサ(22)が直列に接続される第2ライン(60)と、を有しており、
前記点火用コンデンサ(22)は、前記充電制御回路(11、12)が前記MOSFET(80)をオンからオフに切り替えたときに前記第1ライン(50)に流れる電流(I)が遮断されることで前記第1ライン(50)のうち前記交流発電機(1)と前記第1ダイオード(15a)との間の経路に過渡電圧(V)が発生すると共に、当該過渡電圧(V)が前記第2ライン(60)に印加されることで充電されることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 前記点火用コンデンサ(22)に充電されたコンデンサ電圧を検出し、前記コンデンサ電圧が基準値を超えたときに過充電信号を出力するコンデンサ電圧検出回路(17)と、
前記過充電信号を入力した場合、前記交流発電機(1)の出力電圧と前記バッテリ(3)の充電電圧とをそれぞれ入力すると共に前記出力電圧と前記充電電圧とを比較し、前記出力電圧と前記充電電圧とが等しいときに前記充電制御回路(11、12)に前記MOSFET(80)をオフさせるバッテリ電圧比較回路(18)と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用点火装置。 - 前記第1ダイオード(15a)と、
カソードが前記第1ダイオード(15a)のアノードに接続される第2ダイオード(15b)と、
アノードが前記交流発電機(1)のローサイド側に接続されると共に、カソードが前記第1ダイオード(15a)のカソードに接続される第3ダイオード(15c)と、
アノードが前記第2ダイオード(15b)のアノードに接続されると共に、カソードが前記第3ダイオード(15c)のアノードに接続される第4ダイオード(15d)と、により構成される全波整流回路(15)を有していることを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関用点火装置。
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-
2009
- 2009-10-30 JP JP2009250570A patent/JP2011094558A/ja not_active Withdrawn
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WO2013038697A1 (ja) * | 2011-09-14 | 2013-03-21 | 国産電機株式会社 | 内燃機関用制御装置 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20130108 |