JP2011094539A - 内燃機関用マフラー並びにその製造方法 - Google Patents

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蔀 笹田
Hiromichi Koide
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Abstract

【課題】 マフラー内筒と、マフラー外筒との間のエレメント装填スペースが狭隘なマフラーを製造するにあたり、スライバー状のエレメント素材を用いることを可能としながらも、製造段階における作業性を阻害することのない、新規な内燃機関用マフラー並びにその製造方法の開発を試みたものである。
【解決手段】 本発明の内燃機関用マフラー1は、マフラー内筒10Aとマフラー外筒10Bとが組み合わされ、その間に消音エレメント17が設けられ、排気音を消音する装置において、前記消音エレメント17は、マフラー内筒10Aの外周に高密度で巻き付けられた後にマフラー外筒10Bに装填され、且つこの状態でマフラー内筒10A内に圧力気体を作用させることにより、消音エレメント17が周方向に膨らみ、密度を下げた状態でエレメント装填スペース17S内に満遍なく充填された状態となっていることを特徴として成るものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気音を低減するための装置に関するものであって、特に消音作用を担う部材である消音エレメントを狭隘なスペースに充填することを可能とした、新規な手法を具えた内燃機関用マフラー並びにその製造方法に係るものである。
内燃機関の排気音を低減するためのマフラーは、排気ガスを幾つかに分断した消音室を通過させながらその音圧を低減させるとともに、消音室周囲にグラスウール製の消音エレメントを配して、更にその消音効果を高めている。
このような消音エレメントは、多くは消音室を形成するマフラー内筒に対し、多数のパンチング孔から成る吸音孔を形成した上で、その周囲に配され、更にその外周側は、マフラー外筒によって保持される形態を採る。
ところで自動二輪車の場合、軽快性の追及から、マフラー構成についても、よりコンパクトで軽量なものが要求され、この結果、前記マフラー内筒と前記マフラー外筒との間隔、つまり消音エレメントが装填されるエレメント装填スペースがますます狭くなる傾向がある。
このため、エレメント装填スペースが充分であれば、まず内外筒を溶接などの手法で一体化した上で、エレメント装填スペースに消音エレメントを押し込むように装填することが可能であるが、エレメント装填スペースが狭隘化するにつれ、このような手法は採り得ない。
このため、マフラー内筒に消音エレメントを巻いた後、マフラー外筒を外被せ状態に外嵌する手法(特許文献1)を採ることとなるが、消音効果を効果的に発揮する密度で消音エレメントを巻いた状態では消音エレメントの見掛け上の径は、マフラー外筒の内径より太くなりがちとなる。このため、消音エレメントを巻いたマフラー内筒に対してマフラー外筒を組み付けるにあたっては、消音エレメント素材がはみ出したり、これがずれてしまったり、実際の製造現場では、生産能率を著しく低下させてしまう。もちろん、消音エレメントを定形性を高めたマット状に加工形成して裁断したうえで、マフラー内筒に外巻き状に組み付けることにより、マフラー外筒の組み付けがし易くなるが、この手法では、消音エレメントを予備成型する必要が生じることから、コスト上昇の一因となり好ましくない。ところで、消音エレメントの形態は種々あるが、例えばスライバー状の連続した原料素材であれば、コスト面で優位性を有するほか、種々の仕様にも加工段取りの変更のみで対応できる点で好ましい。
特開平8−21228号公報
本発明は、これらの種々の背景を考慮してなされたものであって、マフラー内筒と、マフラー外筒との間のエレメント装填スペースが狭隘なマフラーを製造するにあたり、スライバー状のエレメント素材を用いることを可能としながらも、製造段階における作業性を阻害することのない、新規な内燃機関用マフラー並びにその製造方法の開発を試みたものである。
請求項1記載の内燃機関用マフラーは、多孔状の吸音孔を有するマフラー内筒と、これに外嵌状態に組み付けられるマフラー外筒とが二層構造に組み合わされるとともに、その間に消音エレメントが設けられ、マフラー内筒内に導入されるエンジンの排気ガスによる音圧が、吸音孔を介して連通する消音エレメントにより減衰され、排気音が消音される装置において、前記消音エレメントは、グラスファイバー素材であり、このものは、マフラー内筒の外周に高密度で巻き付けられた後にマフラー外筒に装填され、且つこの状態でマフラー内筒内に圧力気体を作用させることにより、消音エレメントが周方向に膨らみ、密度を下げた状態でエレメント装填スペース内に満遍なく充填された状態となっているものであることを特徴として成るものである。
請求項2記載の内燃機関用マフラーは、前記請求項1記載の要件に加え、前記圧力気体を作用させるにあたっては、マフラー内筒から圧力気体の逃げを少なくした状態で行われたものであることを特徴として成るものである。
請求項3記載の内燃機関用マフラーは、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記消音エレメントについては、連続したスライバー状のエレメント素材として構成されたものであり、このものは少なくとも二層以上にマフラー内筒に巻き付けられたものであることを特徴として成るものである。
請求項4記載の内燃機関用マフラーは、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記消音エレメントと前記マフラー内筒との間には、保護エレメントが設けられていることを特徴として成るものである。
請求項5記載の内燃機関用マフラーは、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記消音エレメントの高密度に巻き付けられた状態における密度は、300kg/m3 〜600kg/m3 であり、密度を下げて膨らんだ状態の密度は、150kg/m3 〜350kg/m3 であることを特徴として成るものである。
請求項6記載の内燃機関用マフラーの製造方法は、多孔状の吸音孔を有するマフラー内筒と、これに外嵌状態に組み付けられるマフラー外筒とが二層構造に組み合わされるとともに、その間に消音エレメントが設けられ、マフラー内筒内に導入されるエンジン排気による音圧が、吸音孔を介して連通する消音エレメントにより減衰され、排気音が消音される装置を製造する方法において、
前記消音エレメントは、グラスファイバー素材であり、このものは、まずマフラー内筒の外周に高密度で巻き付けられ、その後にマフラー外筒内に装填され、更にその後マフラー内筒内に圧力気体を作用させ、これにより、消音エレメントが周方向に膨らみ、且つ密度を下げた状態でエレメント装填スペース内に満遍なく充填された状態とすることを特徴として成るものである。
請求項7記載の内燃機関用マフラーは、前記請求項6記載の要件に加え、前記圧力気体を作用させるにあたっては、マフラー内筒から圧力気体の逃げを少なくした状態で行うことを特徴として成るものである。
請求項8記載の内燃機関用マフラーの製造方法は、前記請求項6または7記載の要件に加え、前記消音エレメントについては、連続したスライバー状のエレメント素材として構成されたものであり、このものは高密度に少なくとも二層以上にマフラー内筒に巻き付けられたものであることを特徴として成るものである。
請求項9記載の内燃機関用マフラーの製造方法は、前記請求項6、7または8記載の要件に加え、前記消音エレメントを前記マフラー内筒の外周に巻き付けられる工程に先立ち、マフラー内筒の外周には、保護エレメントを設けることを特徴として成るものである。
請求項10記載の内燃機関用マフラーの製造方法は、前記請求項6、7、8または9記載の要件に加え、前記消音エレメントをマフラー内筒に対し高密度に巻き付けるにあたっての密度は、300kg/m3 〜600kg/m3 とするものであり、その後圧力気体の作用を受けて密度を下げて膨らんだ状態の密度は、150kg/m3 〜350kg/m3 とすることを特徴として成るものである。
まず請求項1または6記載の発明によれば、マフラー内筒10とマフラー外筒との間のエレメント装填スペースが狭隘な仕様のマフラーであっても、ここに吸音効果を効果的に発揮できるような密度設定で効率的に消音エレメントを装填することができる。
また請求項2または7記載の発明によれば、消音エレメントを膨らませるにあたり、正確な加工ができる。
また請求項3または8記載の発明によれば、消音エレメントは、スライバー状の素材であるから、汎用性が高く種々の仕様のマフラーを製造するにあたっても、柔軟に対応でき、且つ消音エレメント自体に予備加工が不要であるから、低コストで製造しうる。
また請求項4または9記載の発明によれば、消音エレメントと、マフラー内筒との間には、保護エレメントが形成されるものであり、排気ガスの圧力、熱が受け止められ、消音エレメントの保護が確実となる。
また請求項5または10記載の発明によれば、消音エレメントの形成密度の設定を実用上好適なものとしたものである。
本発明のマフラーの適用状態並びにその製造工程を示す説明図である。 本発明のマフラーの製造途中の状態を併せ示す縦断面図である。 本発明のマフラーの製造途中の状態を示す分解斜視図である。 本発明のマフラーの製造装置の一部である消音材巻付装置を示す側面図である。 同上正面図である。 同上平面図である。 本発明のマフラーの製造工程の一部を示す説明図である。 同上製造工程の一部を示す説明図である。 同上製造工程の一部を示す説明図である。 本発明のマフラーの他の実施例を示す斜視図である。
本発明を実施するための形態は、以下述べる実施例をその一つとするものであると共に、この技術思想に基づく種々の改良した実施例も含むものである。
以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。
説明にあたっては、自動二輪車MCのエンジンEを例とした内燃機関を挙げ、それに用いられるマフラー1について説明し、更にその後、マフラー1を製造するための諸装置について説明する。
まず図1に示すように本発明のマフラー1は、自動二輪車MCのエンジンEから伸びるエキゾーストパイプ2の後端に取り付けられて排気ガスGの音圧脈動を減衰させて消音させるものである。
このマフラー1は、更に詳しくは図2、図3に示すように例えば円筒状を成すものであり、このマフラー胴部10がマフラー外筒10Aとマフラー内筒10Bとの組み合わせにより形成されている。前記マフラー内筒10B内には、適宜の仕切り板11が形成され、これによって幾つかの消音室12が形成される。更に前記マフラー内筒10Bは、その周囲に多数のパンチング孔として形成された多孔状の吸音孔13が形成されている。なおこの吸音孔13の群の形成個所は、マフラー内筒10Bの全範囲や、一部の範囲とするほか、部分的に吸音孔13の形成ピッチに粗密の差を設ける等、種々の仕様のものが存在する。
なお符号14で示すものは、消音室12の連通路であり、また符号15で示すものは、エキゾーストパイプ2から延長する延長管であり、また符号16は、マフラー1後端に設けられたテールパイプである。更にマフラー外筒10Aは、このものが完成品として外殻部材となる場合のほか、このマフラー外筒10Aの外側に更に化粧用乃至は保護用の筒体が設けられることもある。
このようなマフラー1のマフラー胴部10におけるマフラー外筒10Aとマフラー内筒10Bとの間に消音エレメント17が充填されるものであり、そのスペースをエレメント装填スペース17Sとする。この装填された消音エレメント17は、マフラー1の完成状態においては、充分効果的な消音機能を発揮する程度に低密度に充填されたものであるが、製造当初の段階においては、比較的高密度にマフラー内筒10Bの外周に装填されるものである。もちろん装填されるにあたって、消音エレメント17は、ウェブ状シート素材を巻き付けるようにしてもよいが、各図に示すように連続したスライバー状(ひも帯状)の形態であることが更に好ましい。なお、消音エレメント17の巻付当初の高密度の状態は、300kg/m3 〜600kg/m3 の範囲が好ましく、また充填後の低密度の状態は、150kg/m3 〜350kg/m3 が好ましい。因みに高密度の状態と低密度の状態とは、それぞれの加工において、当初の巻付状態の密度が膨出加工により、低密度になることを意味する。従って、上記数値範囲において300kg/m3 〜350kg/m3 の範囲にあたっては数値のみに着眼すれば高密度状態と低密度状態とに共通し一見矛盾するかに見えるが、低密度で例えば350kg/m3 で仕上げる場合、当初の高密度状態は、600kg/m3 という巻付状態を選択するものであり、技術的な矛盾はない。
このような高密度から低密度へ消音エレメント17を変化させるにあたっては、まずマフラー内筒10Bに消音エレメント17を組み付けた状態でマフラー外筒10Aを外嵌め状態に組み合わせる。その状態で、胴部10となる部材の両端を塞ぐ等の手段で圧力空気の逃げを少なくした状態で、内部に圧力空気を脈動的に供給し、消音エレメント17が全体的に膨らむように加工するのである。
このようなマフラー1を製造する過程で用いる消音材巻付装置3、管端部閉塞装置4、エア供給装置5について以下説明する。
まず消音材巻付装置3は、必要な加工が施されたマフラー内筒10Bに対し、スライバー状の消音エレメント17を巻き付けるための装置である。その構成を簡単に述べると、図4〜図6に示すようにまず適宜のフレーム30に対して、その上方にワーク架台31が設けられるとともに、その後背部にエレメント供給架台32が設けられる。
ワーク架台31は、マフラー内筒10Bに対し、消音エレメント17を巻き付けるために、ワークたるマフラー内筒10Bが回転できるように設置するためのものであり、対向的に駆動クランプ33Aと従動クランプ33Bとが設けられている。そして、駆動クランプ33Aは、回転軸方向へは、固定した状態に設けられ、ワーク用モータMからの回転駆動がなされる。一方、従動クランプ33Bは、マフラー内筒10Bの寸法仕様に応じて、汎用的に使用できるように、回転軸方向にその位置を変更設定自在の状態に設けられている。
なお、それぞれのワーククランプ33は、形状仕様の異なるマフラー内筒10B端部の形状合わせて加工できるように、実際にはアダプタとして作用するクランプ治具34を適用する。
一方、エレメント供給架台32は、マフラー内筒10Bの長手方向の適宜の位置に順次スライバー状の消音エレメント17を巻き付けるために、マフラー内筒10Bの長手方向に沿って移動できるように構成されている。すなわち、前記フレーム30に対しガイドレール35を設け、ここにスライドヘッド36を設けて、マフラー内筒10Bの長手方向に沿うように移動できるようにしたものである。このスライドヘッド36の後背部には、消音エレメント17を搭載するためのエレメントストック37を設ける。更にスライドヘッド36の上方にはエレメントストック37から引き出された消音エレメント17に対し、一定のテンションを掛けて、マフラー内筒10Bに対し、硬く巻き付けるようなテンショナー38を設ける。具体的にはテンショナー38は、自重で下方に下がり傾向となる押付ロール381を消音エレメント17の引き出し経路途中に設けて、その抵抗としているものである。
更に、別途マフラー内筒10Bに対し、マフラー外筒10Aを装填した状態で、消音エレメント17を膨出(解繊)させて低密度にするための作業に用いる管端部閉塞装置4を具える。
このものは、一対のキャップ状部材を主要部材とする。具体的には図9(vi) に示すように一方の管端部閉塞装置4は、マフラー外筒10Aが装填されたマフラー内筒10Bの一方を閉鎖すると共に、他方の管端部閉塞装置4は、エア供給装置5からの圧力空気を受入れられるように孔部が具えられた部材である。もちろん管端部閉塞装置4は、組み付け状態のマフラー内筒10B及びマフラー外筒10Aとの前後両端から圧力空気を供給することも可能である。
本発明は、以上述べたような内燃機関用マフラーの基本構成を有するものであり、以下その製造方法について説明する。
<1.各機材の準備>
まず図7(i)に示すように適宜の金属プレス加工あるいは溶接加工によりマフラー外筒10A及びマフラー内筒10Bとを別々に成形する。このときマフラー内筒10Bは、その周面に多数の吸音孔13が形成されている。またマフラー外筒10Aは、マフラー内筒10Bよりも幾分か大径の筒状の形状を有する。
また消音エレメント17については、素材製品としての供給姿は、ドラム状ケース内にスライバー状の消音エレメント17が引き出し自在に収められている状態ものである。このドラム状ケースをそのままエレメントストック37として利用してもよし、ここから更に作業性を考慮して一定寸法取り出し、別途エレメントストック37に再収容しておくこともできる。
<2.マフラー内筒10Bの設定>
マフラー内筒10Bは、図7(ii)に示すように消音材巻付装置3におけるワーク架台31に対しセットされる。即ちワーククランプ33における駆動クランプ33Aと従動クランプ33Bとの間にその両端を挟み込まれるように取り付けられる。
もちろん、この際製造されるマフラー1の仕様に応じたクランプ治具34が用いられている。
<3.消音エレメント17の準備>
消音エレメント17については、図8 (iii)に示すようにスライバー状に連続した消音エレメント17をエレメントストック37としてセットしたケースからその一端を引き出す。この引き出された消音エレメント17を適宜のガイド部材を介してテンショナー38である押付ロール381の下方を通過させて、更にワーク架台31側に至らせる。このとき、テンショナー38における押付ロール381の作用により消音エレメント17は、一部下方に湾曲した通過軌道をとり、その通過にあたっての抵抗が付される。
<4.消音エレメント17の巻き付け>
このような準備状態の後、図8(iv) に示すようにワーク架台31にセットされたマフラー内筒10Bにおける吸音孔13の形成されている部位の一方の端部等に消音エレメント17の先端を接着剤等によって緩固定する。
このようにした後、ワーク用モータMを駆動させて、ワーククランプ33に保持したマフラー内筒10Bを回転させる。
このようにするときには、予めマフラー内筒10Bの端部に固定状態に設定されていた消音エレメント17は、順次繰り出されながらマフラー内筒10Bの外周に巻き付けられる。そして同時に、エレメント供給架台32は、スライドヘッド36がガイドレール35に案内されてマフラー内筒10Bの回転軸方向に沿って移動する。これにより消音エレメント17は、マフラー内筒10Bの外周に比較的細かいピッチでらせん状に巻かれていく。なおこの巻き付けにあたっては、図8(iv(c))に示すように消音エレメント17の形状等にもよるが、二重巻き程度にすることが、コスト的及び消音作用効果等を勘案して好ましいものである。もちろん、マフラー1の性能・仕様等に応じて、巻付回数を増減することももとより差し支えない。
また巻き方向も図8(iv) に示すように同じ方向に巻き重ねたり(図8(iv) (a)、図8(iv) (b))、交差するように巻き付けたり(図8(iv) (c))することができる。もちろんこのような巻付手段以外にも、例えば吸音孔13が形成されている部位のみに消音エレメント17を巻き付けたり、また全範囲に消音エレメント17を巻き付けるにあたり、部分的に巻き重ねをしてその厚みを増す等の手法が採り得る。
このような巻付状態は、前記テンショナー38の作用により、消音エレメント17が堅巻きされて高密度な状態となっており、消音エレメント17を巻き付けた状態でのマフラー内筒10Bの外周寸法は、その後に外嵌されるマフラー外筒10Aの内径より充分小さい寸法として、その外嵌加工を容易にしておくものである。尚、このときの消音エレメント17の巻付密度は、300kg/m3 〜600kg/m3 程度の範囲が好ましい。
なお消音エレメント17の巻付始発端部の処理にあたって用いた接着剤等は、このような仮止めのほか、特にマフラー内筒10Bの前後両端近くの外周においても用い、端部から消音エレメント17が解れ出ないようにすることも可能である。
<5.マフラー外筒10Aの組み付け>
このような状態でマフラー外筒10Aを図9(v)に示すようにマフラー内筒10Bの外側に外嵌する。この状態では、エレメント装填スペース17Sは、その外周側に余裕スペースを有している。
<6.消音エレメント17の低密度化>
このようにした後、別途装置の管端部閉塞装置4にマフラー外筒10Aとマフラー内筒10Bが組み付けられたものをセットする。この状態で、エア供給装置5からマフラー内筒10B側に圧力気体を作用させる。
なおこの圧力気体は、一回の圧力波であってもよし、複数回にわたる圧力波であってもよい。これにより、マフラー内筒10B外周の消音エレメント17は、内側から吸音孔を介してその脈動を受け、その全体が解れるように膨らみ、密度を下げた状態でマフラー外筒10Aとマフラー内筒10Bとの間のエレメント装填スペース17Sいっぱいに低密度に充填されるのである。
なおマフラー外筒10Aとマフラー内筒10Bとの組み付けは、この作業に先立って必要な溶接、リベット等による固定作業を行ってもよいし、この作業完了後に行ってもよい。
更には消音エレメント17の低密度化の加工工程は、マフラー1とエキゾーストパイプ2とが一体に組み付けられた状態で行われてもよい。この場合圧力空気による消音エレメント17の解繊(低密度化)作用を確実にするためにはエキゾーストパイプ2のエンジン側開口部を塞いで行うことが好ましい。
また更には、エキゾーストパイプ2とマフラー1との完成ユニットが自動二輪車MCへ組付けられた後、マフラー1の後端から圧力空気を供給して消音エレメント17の解繊を行うこともできる。またこの圧力空気は、エアコンプレッサ等のエア供給装置5からの脈動圧のほか、エンジン起動に伴う排気脈動を利用することもできる。この場合、消音エレメント17の解繊をより効果的に行うには、エンジン起動の状態でマフラー1の後端を支障がない範囲で一時的に塞ぐような操作を行えばよい。もちろん一定時間エンジンEを運転し、徐々に消音エレメント17を解繊することも可能である。
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
この改変例は、前記マフラー内筒10Bに対しては、直接消音エレメント17を巻き付けずにその間に、保護エレメント18を介在させる形態を採るものである。
この保護エレメント18は、金属製、特にステンレス製のウェブ状ないしはマット状の部材が好ましい。そして更に好ましくは、少なくとも装填加工する場合においては、保護エレメント18自体も高密度に構成されていることが好ましい。具体的には、ステンレスフィラメントウェブは、自然状態で150kg/m3 〜250kg/m3 であるものを350kg/m3 〜700kg/m3 程度の状態まで圧縮した加工したものであることが好ましい。もちろん、より耐熱性をはじめとする物理的高強度を有するグラスファイバー素材等によって保護エレメント18を形成することも可能である。
そして、この保護エレメント18についても、前述の圧力気体の作用により、製造時には低密度状態に膨らむ。一方、マフラー1の使用状態においては、保護エレメント18が作用して、消音エレメント17に直接高温或いは、高圧力の排気ガスGが作用しないように守る作用をなし、よりマフラー1の性能維持を確実にする。
MC 自動二輪車
E エンジン
G 排気ガス
1 マフラー
2 エキゾーストパイプ
10 マフラー胴部
10A マフラー外筒
10B マフラー内筒
11 仕切り版
12 消音室
13 吸音孔
14 連通管
15 延長管
16 テールパイプ
17 消音エレメント
17S エレメント装填スペース
18 保護エレメント
18S エレメント装填スペース
3 消音材巻付装置
30 フレーム
31 ワーク架台
32 エレメント供給架台
33 ワーククランプ
33A 駆動クランプ
33B 従動クランプ
34 クワンプ治具
35 ガイドレール
36 スライドヘッド
37 エレメントストック
38 テンショナー
381 押付ロール
4 管端部閉塞装置
5 エア供給装置
M ワーク用モータ

Claims (10)

  1. 多孔状の吸音孔を有するマフラー内筒と、これに外嵌状態に組み付けられるマフラー外筒とが二層構造に組み合わされるとともに、その間に消音エレメントが設けられ、マフラー内筒内に導入されるエンジンの排気ガスによる音圧が、吸音孔を介して連通する消音エレメントにより減衰され、排気音が消音される装置において、
    前記消音エレメントは、グラスファイバー素材であり、このものは、マフラー内筒の外周に高密度で巻き付けられた後にマフラー外筒に装填され、且つこの状態でマフラー内筒内に圧力気体を作用させることにより、消音エレメントが周方向に膨らみ、密度を下げた状態でエレメント装填スペース内に満遍なく充填された状態となっているものであることを特徴とする内燃機関用マフラー。
  2. 前記圧力気体を作用させるにあたっては、マフラー内筒から圧力気体の逃げを少なくした状態で行われたものであることを特徴とする前記請求項1記載の内燃機関用マフラー。
  3. 前記消音エレメントは、連続したスライバー状のエレメント素材として構成されたものであり、このものは少なくとも二層以上にマフラー内筒に巻き付けられたものであることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関用マフラー。
  4. 前記消音エレメントと前記マフラー内筒との間には、保護エレメントが設けられていることを特徴とする前記請求項1、2または3記載の内燃機関用マフラー。
  5. 前記消音エレメントの高密度に巻き付けられた状態における密度は、300kg/m3 〜600kg/m3 であり、
    密度を下げて膨らんだ状態の密度は、150kg/m3 〜350kg/m3 である
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の内燃機関用マフラー。
  6. 多孔状の吸音孔を有するマフラー内筒と、これに外嵌状態に組み付けられるマフラー外筒とが二層構造に組み合わされるとともに、その間に消音エレメントが設けられ、マフラー内筒内に導入されるエンジン排気による音圧が、吸音孔を介して連通する消音エレメントにより減衰され、排気音が消音される装置を製造する方法において、
    前記消音エレメントは、グラスファイバー素材であり、このものは、まずマフラー内筒の外周に高密度で巻き付けられ、その後にマフラー外筒内に装填され、更にその後マフラー内筒内に圧力気体を作用させ、これにより、消音エレメントが周方向に膨らみ、且つ密度を下げた状態でエレメント装填スペース内に満遍なく充填された状態とすることを特徴とする内燃機関用マフラーの製造方法。
  7. 前記圧力気体を作用させるにあたっては、マフラー内筒から圧力気体の逃げを少なくした状態で行うことを特徴とする前記請求項6記載の内燃機関用マフラーの製造方法。
  8. 前記消音エレメントは、連続したスライバー状のエレメント素材として構成されたものであり、このものは高密度に少なくとも二層以上にマフラー内筒に巻き付けられたものであることを特徴とする前記請求項6または7記載の内燃機関用マフラーの製造方法。
  9. 前記消音エレメントを前記マフラー内筒の外周に巻き付けられる工程に先立ち、マフラー内筒の外周には、保護エレメントを設けることを特徴とする前記請求項6、7または8記載の内燃機関用マフラーの製造方法。
  10. 前記消音エレメントをマフラー内筒に対し高密度に巻き付けるにあたっての密度は、300kg/m3 〜600kg/m3 とするものであり、その後圧力気体の作用を受けて密度を下げて膨らんだ状態の密度は、150kg/m3 〜350kg/m3 とすることを特徴とする前記請求項6、7、8または9記載の内燃機関用マフラーの製造方法。
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