JP2011094051A - 変性ブロック共重合体及びその組成物 - Google Patents

変性ブロック共重合体及びその組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】スチレン系樹脂の特徴である剛性及び透明性を高いレベルに維持しつつ、しかも水性インクとの密着性が良好で汎用性の高い変性ブロック共重合体及びその組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)が結合した変性ブロック共重合体を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、変性ブロック共重合体及びその組成物に関するものである。
スチレン系樹脂は、成形加工性、剛性及び透明性に優れ、比重が低く、かつ安価であることから、家庭用品、電気製品及び包装等の成形材料として広く用いられてきており、各種材料の提案がなされている。スチレン系樹脂は、シートやフィルム等の包装材料として用いられているが、意匠性を高めるため、その表面には文字や図柄等の画像が有機溶剤系インク等により印刷されている。
例えば、特許文献1及び特許文献2において、スチレン系樹脂として、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体を、水酸基、エポキシ基、アミノ基等で変性した後に、更に酸無水物基等を有する官能性オリゴマーによって変性した変性重合体についての開示がなされている。
一方、グラビア印刷等を行う印刷業界において、有機溶剤の放出に起因する環境汚染を防止し、かつ作業環境の改善を図る観点から、有機溶剤系インクの使用を控える傾向が高まっている。また、食品用包装パックやフィルムに印刷する場合、有機溶剤等が食品に移行すると衛生上好ましくないという観点から、有機溶剤系印刷インクに代えて、水性インクが多用されるようになってきている。
特開2003−327702号公報 特開2003−327704号公報
しかしながら、スチレン系樹脂は濡れ性が悪いため、グラビア印刷による水性インクが表面に密着せず、良好な印刷性が得られないという問題がある。この問題に鑑みて、例えば、スチレン系樹脂シートやフィルム等の表面に対し、印刷前工程として、コロナ放電処理やプライマー処理等を施し、表面改質を行うという手法が提案されている。ところが、水性インクを用いて印刷する場合、コロナ放電処理やプライマー処理を行っても、光沢性、鮮明性、グラデーション性の観点からは、実用上十分に良好な文字や画像を印刷できるまでには到っていないのが現状である。
そこで本発明は、上述の従来技術の課題に鑑み、スチレン系樹脂の特徴である剛性及び透明性を高いレベルに維持しつつ、しかも水性インクとの密着性が良好で汎用性の高い変性ブロック共重合体及びその組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は下記のとおりである。
[1]ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)が結合した変性ブロック共重合体。
[2]ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体に対する官能基含有変性剤の付加反応物である1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に、前記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の官能基との反応性を有する酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)が結合した変性ブロック共重合体。
[3]前記官能基含有変性剤は、前記ブロック共重合体との付加反応によって、前記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシラン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する原子団を生成させるものである、[2]に記載の変性ブロック共重合体。
[4]前記共重合体又はその水素添加物(3)は、スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物又はスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の変性ブロック共重合体。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の変性ブロック共重合体1〜99質量%と、熱可塑性樹脂99〜1質量%と、を含む変性ブロック共重合体組成物。
[6]ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)を結合する工程を含む、変性ブロック共重合体の製造方法。
[7]ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体に対する官能基含有変性剤の付加反応物である1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に、前記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の官能基との反応性を有する酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)を結合する工程を含む、変性ブロック共重合体の製造方法。
本発明によれば、スチレン系樹脂の特徴である剛性及び透明性を高いレベルに維持しつつ、しかも水性インクとの密着性が良好で汎用性の高いスチレン系樹脂を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(第1の実施の形態)
本実施の形態における変性ブロック重合体(X)は、ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとを含むブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位とビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン単位とを含む共重合体又はその水素添加物(3)が結合した構成を有しているものである。
まず、ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとを含むブロック共重合体又はその水素添加物(1)について説明する。
ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする重合体ブロックAとは、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロックであってビニル芳香族炭化水素単位を50質量%以上含有する共重合体ブロック、あるいは、ビニル芳香族炭化水素の単独重合体ブロックを示すものとする。共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBとは、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロックであって共役ジエン単位を50質量%を超えて含有する共重合体ブロック、あるいは、共役ジエンの単独重合体ブロックを示すものとする。
ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする重合体ブロックAあるいは共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックB中に、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのランダム共重合体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族炭化水素単位は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該ランダム共重合体部分に、ビニル芳香族炭化水素単位が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存してもよい。
本実施の形態の変性ブロック共重合体が、複数個の重合体ブロックA(又はB)を有している場合、それらは分子量、組成、種類等が互いに異なるものであってもよい。
ブロック共重合体又はその水素添加物(1)におけるブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合体(1)」という。)は、基本的には、従来公知の方法により合成できる。具体的には、好ましくは炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物等のアニオン開始剤を用いて、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素をブロック共重合する方法により、ブロック共重合体(1)を合成することができる。このような合成方法は、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11446号公報等に開示されている。ただし、本実施の形態において、各構成ポリマーの製造条件を後述するように設定すると好ましい。
ブロック共重合体(1)としては、例えば、下記式(a)〜(c)で表されるポリマー構造を有する線状ブロック共重合体が挙げられる。
A−(B−A)n・・・(a)
A−(B−A)n−B・・・(b)
B−(A−B)n+1・・・(c)
ここで、Aはビニル芳香族炭化水素単位を主体とする重合体ブロックを示し、Bは共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックを示す。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上の整数、一般的には1〜5の整数を示す。
また、ブロック共重合体(1)として、上記線状ブロック共重合体の他、下記式(d)〜(g)で表されるポリマー構造を有するラジアルブロック共重合体も挙げられる。
[(A−B)km−X・・・(d)
[(A−B)k−A]m−X・・・(e)
[(B−A)km−X・・・(f)
[(B−A)k−B]m−X・・・(g)
ここで、A、Bは上記式(a)〜(c)におけるものと同義であり、kは1以上の整数であり、mは3以上の整数であり、一般的には3〜5である。ブロック共重合体(1)は、mが3〜5の重合体と、mが1又は2の重合体とを含んでいてもよい。Xは、例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。
さらに、ブロック共重合体(1)は、上記式(a)〜(g)で表されるポリマー構造を有するものの混合物であってもよい。
ビニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン及び1,1−ジフェニルエチレンが挙げられる。これらのなかでは、特にスチレンが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
共役ジエンは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及び1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらのなかでは、特に、1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
共役ジエンとして1,3−ブタジエンとイソプレンとを併用する場合、共役ジエンは1,3−ブタジエンとイソプレンとの全質量に対してイソプレンを10質量%以上含むことが好ましく、25質量%以上含むことがより好ましく、40質量%以上含むことが更に好ましい。共役ジエンがイソプレンを10質量%以上含むと、高温での成形加工時等に熱分解を起こさず分子量が低下しないため、外観特性と機械的強度とのバランス性能がより良好な変性ブロック共重合体及びその組成物が得られる。
ブロック共重合体(1)を合成する工程において、好適には炭化水素溶媒が用いられる。その炭化水素としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ブロック共重合体(1)を合成する工程において、好適にはアニオン開始剤が用いられる。アニオン開始剤としては、例えば有機リチウム化合物が挙げられる。有機リチウム化合物としては、例えば、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した、有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物等を適用できる。有機リチウム化合物としてより具体的には、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウムが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ブロック共重合体(1)を合成する工程において、重合速度の調整、重合した共役ジエン単位のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の変更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との反応比の調整等の目的で、極性化合物及びランダム化剤を用いることができる。極性化合物及びランダム化剤として、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類;チオエーテル類;ホスフィン類;ホスホルアミド類;アルキルベンゼンスルホン酸塩;カリウム又はナトリウムのアルコキシドが挙げられる。
ブロック共重合体(1)の重合温度は、一般的には−10℃〜150℃の範囲であり、好ましくは40℃〜120℃の範囲である。また、重合に要する時間は、その他の重合条件によって異なるが、一般的には48時間以内であればよく、特に良好な条件を選定することにより1〜10時間であってもよい。さらに、重合を行う際の系の雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。重合を行う際の圧力は、上記重合温度範囲において、単量体及び溶媒を液層に維持するのに充分な圧力の範囲であればよく、特に制限されるものではない。なお、重合系内に触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意することが必要である。
ブロック共重合体(1)におけるビニル芳香族炭化水素単位の含有量は、好ましくは30〜95質量%の範囲、より好ましくは50〜95質量%の範囲、更に好ましくは70〜95質量%の範囲である。ブロック共重合体(1)におけるビニル芳香族炭化水素単位の含有量が30〜95質量%の範囲であると、耐衝撃性と剛性とのバランス性能が良好で、透明性に優れた樹脂が得られる。
ブロック共重合体(1)中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率は、50〜100%の範囲であることが好ましい。このブロック率を50%以上とすると、本実施の形態における変性ブロック重合体及びその樹脂組成物において、優れた剛性が得られるため好ましい。
なお、ビニル芳香族炭化水素ブロックのブロック率は、ブロック共重合体の製造時において、少なくとも一部のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとを共重合する工程におけるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの質量、質量比、重合反応性比等を調整することにより制御できる。具体的な方法としては、(イ)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合する、及び/又は、(ロ)極性化合物又はランダム化剤を用いてビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとを共重合する、等の方法が挙げられる。
上記極性化合物及びランダム化剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類;チオエーテル類;ホスフィン類;ホスホルアミド類;アルキルベンゼンスルホン酸塩;カリウム又はナトリウムのアルコキシドが挙げられる。
なお、芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率は、四酸化オスミウムを触媒として、ジ−ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(ただし、平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を定量し、下記式により求められる。
Figure 2011094051
ブロック共重合体(1)におけるビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの数平均分子量(Mn)は、1万以上15万以下の範囲が好ましく、2万以上12万以下の範囲がより好ましい。Mnを1万以上15万以下とすることにより、変性ブロック共重合体は更に優れた剛性と耐衝撃性が得られ、成形加工性及び透明性も良好なものとなる。
Mnは、四酸化オスミウムを触媒として、ジ−ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法〕により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することにより求めることができる。すなわち、GPC用の単分散ポリスチレンをGPCで測定して、そのピークカウント数と単分散ポリスチレンの分子量との関係を示す検量線を作成し、常法(例えば「ゲルクロマトグラフィー<基礎編>講談社発行」に記載の方法)に従うことにより、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのMnを算出できる。
ブロック共重合体又はその水素添加物(1)におけるブロック共重合体の水素添加物(以下、単に「ブロック共重合体の水素添加物(1)」という。)は、上記で得られたブロック共重合体に対して水素添加を行うことにより得られる。
水素添加において用いる水添触媒は、特に限定されるものではなく、従来公知の触媒、例えば、(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒を適用できる。具体的には、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に開示されている水添触媒を適用できる。
水添触媒の好ましい例としては、チタノセン化合物と還元性有機金属化合物との混合物が挙げられる。チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が挙げられ、具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格又はフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上有する化合物が挙げられる。また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物及び有機亜鉛化合物が挙げられる。
ブロック共重合体に対する水添反応を実施する温度条件は、0〜200℃の範囲とすることが好ましく、30〜150℃の範囲とすることがより好ましい。水添反応に用いられる水素の圧力は、0.1〜15MPaが好ましく、0.2〜10MPaがより好ましく、0.3〜5MPaが更に好ましい。また、水添反応時間は、3分〜10時間が好ましく、10分〜5時間がより好ましい。
水添反応は、バッチプロセス又は連続プロセスによって行うことができ、これらを単独で行ってもよく、組み合わせてもよい。
ブロック共重合体の水素添加物(1)において、共役ジエンに基づく(共役ジエン由来の)不飽和二重結合の水素添加率は、特に限定されるものではない。例えば、ブロック共重合体の水素添加物(1)において、共役ジエンに基づく不飽和二重結合の70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上が水添されていてもよいし、ブロック共重合体中に1,2−結合、3,4−結合、1,4−結合の結合様式で組み込まれている不飽和二重結合のうち一部のみが水添されていてもよい。一部のみが水添されている場合、上記水素添加率は10%以上70%未満とすることが好ましく、15%以上65%未満とすることがより好ましく、20%以上60%未満とすることが更に好ましい。
さらには、ブロック共重合体の水素添加物(1)において、水素添加前の共役ジエンに基づくビニル結合の水素添加率は、85%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましく、95%以上とすることが更に好ましい。これにより、変性ブロック共重合体の熱安定性の向上が図られる。なお、上記ビニル結合の水素添加率とは、ブロック共重合体中に組み込まれている水素添加前の共役ジエン単位に基づくビニル結合のうち、水素添加されたビニル結合の割合をいう。
また、ブロック共重合体の水素添加物(1)において、ビニル芳香族炭化水素に基づく芳香族二重結合の水添率については、特に制限されないが、50%以下とすることが好ましく、30%以下とすることがより好ましく、20%以下とすることが更に好ましい。
上記各水添率及び共役ジエンに基づくビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)により測定することができる。
上述のブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位とビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン単位とを含む共重合体又はその水素添加物(3)を反応して結合させることにより、変性ブロック重合体(X)が得られる。これについては、1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)をブロック共重合体又はその水素添加物(1)に代える以外は、後述の第2の実施の形態において変性ブロック共重合体(Z)を得る際の1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に共重合体又はその水素添加物(3)を反応して結合させる場合と同様の方法で行うことができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態における変性ブロック共重合体(Z)は、ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとを含むブロック共重合体に対する官能基含有変性剤の付加反応物である1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に、上記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の官能基との反応性を有する酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位とビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン単位との共重合体又はその水素添加物(3)が結合したものである。
1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)は、ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとを含む上記ブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、官能基含有変性剤を付加反応させてなるものである。
上記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)は、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリニル基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、シラノール基、アルコキシシラン基、ハロゲン化ケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基からなる群より選ばれる1種以上の官能基が結合している。
かかる官能基が結合しているブロック共重合体又はその水素添加物(2)を得る方法は、ブロック共重合体又はその水素添加物のリビング末端との付加反応により、ブロック共重合体又はその水素添加物に上記官能基を少なくとも1個有する原子団が結合されている1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物を生成するような官能基含有変性剤を、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)に付加反応させる方法、あるいは該官能基を公知の方法で保護した原子団が結合している官能基含有変性剤をブロック共重合体又はその水素添加物(1)に付加反応させる方法(第1の方法)により得ることができる。第2の方法としては、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)に有機リチウム化合物等の有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)させ、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)に有機アルカリ金属が付加した重合体に対して、更に上記官能基含有変性剤を付加反応させる方法が挙げられる。
官能基含有変性剤の種類により、これを反応させた段階で、水酸基やアミノ基等が有機金属塩となっていることもあるが、その場合は、水やアルコール等の活性水素を有する化合物で処理することにより、水酸基やアミノ基等の官能基に変換できる。
なお、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)のリビング末端に、官能基含有変性剤を反応させた後に、一部変性されていないブロック共重合体又はその水素添加物(1)が1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に混在してもよい。未変性のブロック共重合体又はその水素添加物(1)の割合は、官能基含有変性剤を反応させた後の全量に対して、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。
1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の好ましい例としては、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシラン基からなる群より選ばれる1種以上の官能基が結合したものが挙げられる。
水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシラン基からなる群より選ばれる官能基の近傍の構造としては、下記一般式(I)〜(XIII)で表されるものが挙げられる。
Figure 2011094051
ここで、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜24の1価の炭化水素基、あるいは、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシラン基から選ばれる官能基で置換された炭素数1〜24の1価の炭化水素基を示す。
5は炭素数1〜48の2価の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシラン基から選ばれる官能基で置換された炭素数1〜48の2価の炭化水素基を示す。
また、R1〜R4の1価の炭化水素基、及びR5の2価の炭化水素基中には、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素、窒素、シリコン等の原子が結合していてもよい。
6は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。
上記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)として好適なものである、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団が結合している1次変性ブロック共重合体又はその水添物(2)を得るために用いる官能基含有変性剤を下記に示す。
すなわち、そのような官能基含有変性剤としては、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシランが挙げられる。
また、官能基含有変性剤として、例えば、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)−プロピル]−3−エチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリブトキシシリル)−プロピル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−イミダゾリジン、(2−{3−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−テトラヒドロピリミジン−1−イル}−エチル)ジメチルアミンも挙げられる。
さらに、官能基含有変性剤として、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシランが挙げられる。
また、官能基含有変性剤として、例えば、γ−グリシドキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペンオキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルフェノキシシランが挙げられる。
さらに、官能基含有変性剤として、例えば、トリス(γ−グリシドキシプロピル)メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジメトキシシラン、トリス(γ−メタクリロキシプロピル)メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリフェノキシシランが挙げられる。
また、官能基含有変性剤として、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルエトキシシランが挙げられる。
さらに、官能基含有変性剤として、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジイソプロペンオキシシラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−メチルピロリドンが挙げられる。
官能基含有変性剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
なお、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)のリビング末端に、上記官能基含有変性剤を付加反応させる場合、そのリビング末端は、重合体ブロックA、重合体ブロックBのいずれのものであってもよいが、機械的強度等が良好な組成物を得るという観点から、重合体ブロックAのリビング末端であることが好ましい。
上記官能基含有変性剤の使用量は、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)のリビング末端1当量に対して、0.5当量を超えて10当量以下であることが好ましく、0.7当量を超えて5当量以下であることがより好ましく、1当量を超えて4当量以下であることが更に好ましい。
なお、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)のリビング末端の量は、重合に使用した有機リチウム化合物の量と該有機リチウム化合物に結合しているリチウム原子の数から算出してもよく、得られたブロック共重合体の数平均分子量から算出してもよい。
1次変性ブロック共重合体の水素添加物は、1次変性ブロック共重合体に水素添加処理を施すことにより得られる。あるいは、ブロック共重合体の水素添加物(1)に有機リチウム化合物等の有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)させ、ブロック共重合体の水素添加物(1)に有機アルカリ金属を付加させた重合体に上記官能基含有変性剤を付加反応させて得ることもできる。
上述の1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の重量平均分子量は、1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)、あるいは、これを具備する組成物の機械的強度を良好なものとする観点から3万以上であることが好ましい。一方、良好な加工性や熱可塑性樹脂との相容性を確保する観点から、その重量平均分子量は100万以下であることが好ましい。上記重量平均分子量は4万〜80万の範囲がより好ましく、5万〜60万の範囲が更に好ましい。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行って得られたクロマトグラムのピークから、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めることができる。
上述の1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)は、その合成工程において溶液として得られるが、必要に応じて触媒残渣を除去した溶液から分離して得られてもよい。溶媒との分離方法としては、例えば、重合を行った後、又は水添を行った後の溶液に、アセトン又はアルコール等の、1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて、1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)を沈澱させて回収する方法、1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の溶液を撹拌下で熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、あるいは、直接溶液を加熱して溶媒を留去する方法が挙げられる。
上述の1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)には、必要に応じて、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加してもよい。
第2の実施の形態である変性ブロック共重合体(Z)は、1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に、これが有する官能基との反応性を有する酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位とビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン単位とを含む共重合体又はその水素添加物(3)を反応して結合させることにより得られる。
酸無水物基を有する単量体としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸等の酸無水物が挙げられ、これらの中では特に無水マレイン酸が好ましい。また、カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸等が挙げられる。
芳香族ビニル炭化水素としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン及び1,1−ジフェニルエチレンが挙げられ、これらの中では、特にスチレンが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
共役ジエンは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及び1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらのなかでは特に、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位とビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン単位とを含む共重合体又はその水素添加物(3)において、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合様式は、ランダムであってもよく、上記ブロック共重合体(1)の説明において上記式(a)〜(g)で表される種々の様式のブロック構造であってもよい。
また、酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとを含む共重合体又はその水素添加物の主鎖中に取り込まれたものでもよく、主鎖にペンダント状に結合したものでもよく、末端の一方又は両方に結合したものであってもよい。
酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位とビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン単位との共重合体又はその水素添加物(3)のMI(メルトインデックス)は、200℃、5kg荷重の条件において、0.1g/10分〜100g/10分が好ましく、1g/10分〜20g/10分がより好ましい。
共重合体又はその水素添加物(3)は、公知の重合方法により製造することができる。例えば、アニオン重合法、カチオン重合法、ラジカル重合法、縮重合法、重付加反応等により製造できる。
また、得られた共重合体又はその水素添加物(3)の酸無水物部分の全部又は一部をアルコール等によってエステル化してもよい。
共重合体又はその水素添加物(3)としては、スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物又はスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物が好適な例として挙げられる。
また、スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物又はスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物における無水マレイン酸部分の全部若しくは一部を、アルコール等によってエステル化した共重合体も好適な例として挙げられる。
1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)と共重合体またはその水素添加物(3)との反応を行う際には、それらの質量比((2)/(3))を、99.9/0.1〜25/70とすることが好ましく、99/1〜50/50とすることがより好ましく、99/1〜80/20とすることが更に好ましい。
1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)と上記共重合体又はその水素添加物(3)との反応方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えば、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いて反応させる溶融混練方法、各成分を溶媒等に溶解又は分散混合して反応させた後、溶剤を加熱除去する方法等を用いることができる。
上記溶融混練方法の場合、混練温度は50〜250℃の範囲が好ましく、100〜230℃の範囲がより好ましい。混練時間は3時間以内が好ましく、数秒〜1時間がより好ましい。
上記反応方法として、各成分を溶媒等に溶解又は分散混合して反応させる方法を用いる場合、適用する溶媒は、各成分を溶解又は分散できるものであればよく、特に制限されるものではない。溶媒として、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒の他、含ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒等を使用できる。この場合の反応における温度条件は、−10〜150℃が好ましく、30〜120℃がより好ましい。また、反応に要する時間は条件によって異なってくるが、一般的には3時間以内であり、数秒〜1時間が好ましい。
上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態において調製した変性ブロック共重合体(X)、(Z)の重量平均分子量は、変性ブロック共重合体やその組成物の機械的強度の点から3万以上、加工性や熱可塑性樹脂との相容性の点から100万以下であることが好ましく、より好ましくは4万〜80万、更に好ましくは5〜60万である。変性ブロック共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークから、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めることができる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、変性ブロック共重合体と熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物である。上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態により得られる変性ブロック共重合体(X)又は(Z)に、熱可塑性樹脂(Y)を配合することにより、本実施の形態の樹脂組成物である変性ブロック共重合体組成物が得られる。
本実施の形態の樹脂組成物は、変性ブロック共重合体(X)及び/又は(Z)1〜99質量%%と、熱可塑性樹脂(Y)99〜1質量%とを含む、すなわち、熱可塑性樹脂(Y)の使用量が、(変性ブロック共重合体(X)及び/又は(Z))/(熱可塑性樹脂(Y))の質量比で、1/99〜99/1であると好ましく、3/97〜97/3であるとより好ましく、5/95〜95/5であると更に好ましい。
熱可塑性樹脂(Y)としては、特に制限されるものではないが、下記に示す熱可塑性樹脂が使用できる。
例えば、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態において説明した変性ブロック共重合体又はその水素添加物とは異なる構造の共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体樹脂、ポリスチレン等のビニル芳香族化合物重合体樹脂、ビニル芳香族化合物とその他のビニルモノマー(例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸及びアクリルメチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)との共重合樹脂が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂として、ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデン単位を50質量%以上含有する塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であるポリ塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
さらに、熱可塑性樹脂として、酢酸ビニル単位の含有量が50質量%以上である酢酸ビニルとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であるポリ酢酸ビニル系樹脂及びその加水分解物、アクリル酸系モノマー(アクリル酸及びそのエステルやアミド、メタクリル酸及びそのエステルやアミド)の重合体、これらのアクリル酸系モノマー単位を50質量%以上含有する他の共重合可能なモノマーとの共重合体であるポリアクリレート系樹脂、アクリルニトリル系モノマー(アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリル)の重合体、これらのアクリロニトリル系モノマーを50質量%以上含有する他の共重合可能なモノマーとの共重合体であるニトリル樹脂が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂として、重合体の構成単位がアミド基結合の繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例えばε−アミノカプロラクタムやω−アミノラウロラクタム等の開環重合体及び共重合体、ε−アミノウンデカン酸の縮重合体、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、セバシン酸等の二塩基酸との縮重合体、具体的にはナイロン−46、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン−6−ナイロン−12共重合体等のポリアミド系樹脂が挙げられる。
さらに、熱可塑性樹脂として、重合体の構成単位がエステル結合の繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例えばアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、P、P'−ジカルボキシジフェニル、2,6−ナフタリンジカルボン酸等の二塩基酸又はこれらの誘導体と、エチレングリコール、ポロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、P−キシレングリコール、ビスフェノールA等のグリコール(又はジオール)との縮重合体が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂として、ピバロラクトン、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の開環重合体のポリエステル系樹脂、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)、ポリカプロラクトン等のポリエステルジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコールから選ばれるグリコール成分と、芳香族、脂環族又は脂肪族系ジイソシアネート、例えばトリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート成分との重付加反応によって得られる熱可塑性ポリウレタン系重合体が挙げられる。
さらに、熱可塑性樹脂として、重合体の構成単位が炭酸エステル結合の繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルアルカン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応によって得られる重合体、あるいは上記ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートとのエステル交換反応によって得られる重合体、具体的にはポリ−4、4'−ジオキシジフェニル−2,2'−プロパンカーボネート等のポリカーボネート系重合体が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂として、ポリエーテルスルホンやポリアリルスルホン等の熱可塑性ポリスルホン、具体的にはポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4'−ビスフェノールエーテルスルホン)、ポリ(チオエーテルスルホン)等のポリスルホン系樹脂、ホルムアルデヒド又はトリオキサンの重合体、ホルムアルデヒド又はトリオキサンと他のアルデヒド、環状エーテル、エポキシド、イソシアネート、ビニル化合物等との共重合体等のポリオキシメチレン系樹脂が挙げられる。
さらに、熱可塑性樹脂として、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリ4,4'−ジフェニレンスルフィド等のポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビスフェノールAとフタル酸成分とからなる重縮合系ポリマーであるポリアリレート系樹脂、ポリエーテルケトン重合体又は共重合体、具体的にはポリエーテルエーテルケトン等のポリケトン系樹脂が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂として、鎖状炭化水素高分子化合物の水素の一部又は全部をフッ素で置換した構造を有する重合体、具体的にはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等のフッ素系樹脂が挙げられる。
さらには、熱可塑性樹脂として、パラオキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジヒドロキシジフェニル又はこれらの誘導体を用いて溶液重縮合や溶融重縮合により製造される重合体又は共重合体等のポリオキシベンゾイル系重合体、主鎖にイミド結合を有する重合体、例えばポリイミド、ポリアミノビスマレイミド(ポリビスマレイミド)、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、1,2−ポリブタジエン、トランスポリブタジエン等のポリブタジエン系樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂(Y)の数平均分子量は、1000以上が好ましく、5000〜500万がより好ましく、1万〜100万が更に好ましい。
なお、上記熱可塑性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上述の変性ブロック共重合体(X)、(Z)又はこれを配合した樹脂組成物には、必要に応じて更に各種の添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、熱可塑性樹脂組成物に配合する一般的なものをいずれも適用できる。
そのような添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、クレー、タルク、マイカ、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、スラッグウール、ガラス繊維等の無機充填剤;カーボンブラック、酸化鉄等の顔料;ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤;離型剤;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィンが挙げられる。
また、添加剤として、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤、着色剤等も挙げられる。
その他の添加剤として、これらの混合物等の「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に開示されているものも挙げられる。
上述の変性ブロック共重合体組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法であればよい。
その製造方法としては、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等を適用できる。特に、押出機による溶融混練法が、生産性、良混練性の観点から好ましい。
溶融混練温度は、使用する熱可塑性樹脂の融点、溶融粘度、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)及び1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の熱劣化等を考慮して、100〜350℃が好ましく、150〜350℃がより好ましく、180〜330℃が更に好ましい。
また、溶融混練時間(又は溶融混練工程の平均滞留時間)は、混練度合い(分散性)や生産性、ブロック共重合体又はその水素添加物(1)及び1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)や、熱可塑性樹脂等の劣化等を考慮して、0.2〜60分が好ましく、0.5〜30分がより好ましく、1〜20分が更に好ましい。
本実施の形態によると、水性インクとの優れた密着強度を有し、機械的強度、耐衝撃性、透明性に優れた変性ブロック共重合体及びそれを含む樹脂組成物を提供することができる。
まず、原材料となる1次変性ブロック共重合体(P−1)〜(P−8)、及びブロック共重合体(P−9)を調製した。
〔1次変性ブロック共重合体(P−1)〕
攪拌機付きオートクレーブ内の重合器において、窒素ガス雰囲気下で、(i)スチレン25質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウム0.080質量部を添加し、80℃で20分間重合した。次に、その重合器内に(ii)スチレン15質量部と1,3−ブタジエン24質量部とを含むシクロヘキサン溶液を60分間連続的に添加して80℃で重合した。次いで、その重合器内に(iii)スチレン36質量部を含むシクロヘキサン溶液を25分間連続的に添加して80℃で重合した後、80℃で10分間保持した。
その後、重合器内で得られたリビングポリマーに、官能基含有変性剤として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以後、変性剤M1と呼ぶ)を、重合に使用したn−ブチルリチウムに対して当モル反応させて、ブロック共重合体を得た。反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加し、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートをブロック共重合体100質量部に対して0.5質量部を加えた。そして、脱溶媒して、1次変性ブロック共重合体(P−1)を得た。
1次変性ブロック共重合体(P−1)は、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0(質量比)である重合体ブロックA、スチレン/1,3−ブタジエン=38.5/61.5(質量比)である重合体ブロックB、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0(質量比)である重合体ブロックAからなるA−B−A型ブロック重合体である。
〔1次変性ブロック共重合体(P−2)〜(P−6)〕
1次変性ブロック共重合体(P−1)の調製と同様の手法に従い、1次変性ブロック共重合体(P−1)の製造工程中の(i)、(ii)及び(iii)において添加するスチレン及び1,3−ブタジエンの添加量並びにn−ブチルリチウムの添加量を適宜調整してリビンングポリマーを重合した。その他の条件は、上記1次変性ブロック共重合体(P−1)の調製と同様の手法に従って、1次変性ブロック共重合体(P−2)〜(P−6)を調製した。
〔1次変性ブロック共重合体(P−7)〕
1次変性ブロック共重合体(P−1)の調製と同様の手法に従い、1次変性ブロック共重合体(P−1)の製造工程中の(i)、(ii)及び(iii)において添加するスチレン及び1,3−ブタジエンの添加量並びにn−ブチルリチウムの添加量を適宜調整してリビングポリマーを重合し、官能基含有変性剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(以後、変性剤M2と呼ぶ)を使用した。その他の条件は、上記1次変性ブロック共重合体(P−1)の調製と同様の手法に従って、1次変性ブロック共重合体(P−7)を調製した。
〔1次変性ブロック共重合体(P−8)〕
1次変性ブロック共重合体(P−1)の調製と同様の手法に従い、1次変性ブロック共重合体(P−1)の製造工程中の(i)、(ii)及び(iii)において添加するスチレン及び1,3−ブタジエンの添加量並びにn−ブチルリチウムの添加量を適宜調整してリビングポリマーを重合し、官能基含有変性剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以後、変性剤M3と呼ぶ)を使用した。その他の条件は、上記1次変性ブロック共重合体(P−1)の調製と同様の手法に従って、1次変性ブロック共重合体(P−8)を調製した。
〔ブロック共重合体(P−9)〕
変性剤を添加しなかったこと以外は、上記1次変性ブロック共重合体(P−1)の調製と同様にして、ブロック共重合体(P−9)を調製した。
上記のようにして調製した1次変性ブロック共重合体(P−1)〜(P−8)、及びブロック共重合体(P−9)の組成評価を下記の手法により行った。
(1)スチレン含有量
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
(2)スチレンブロック率(ブロック率)
四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法〕により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分を定量し、下記の式から求めた。
Figure 2011094051
(3)変性ブロック共重合体の割合(変性率)
上述のようにして得られた1次変性ブロック共重合体中には、変性されていないブロック共重合体の分子も存在する。そこで、1次変性ブロック共重合体(P−1)〜(P−8)及びブロック共重合体(P−9)中の変性ブロック共重合体の割合を下記のようにして導出した。まず、テトラヒロドロフラン20mLに共重合体10mgと重量平均分子量8000の低分子量内部標準ポリスチレン10mgとを溶解させた試料溶液について、GPC(装置:島津製作所社製LC10、カラム:島津製作所社製 Shimpac GPC805+GPC804+GPC804+GPC803)で測定した。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は温度35℃で行った。得られたクロマトグラムから、標準ポリスチレンに対する共重合体全体の割合を求めた。また、上記試料溶液について、米国デュポン社製のカラムであるZorbax(シリカ系ゲル充填剤)のカラムを用いた以外、同様の方法でGPC測定を行って得られたクロマトグラムから、標準ポリスチレンに対する変性ブロック共重合体の割合を求めた。シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性ブロック共重合体が吸着するので、変性ブロック共重合体の割合はシリカ系カラムへ吸着したものの割合である。これら2つの割合から、変性ブロック共重合体の割合(変性率)を求めた。
(4)メルトフローレート
ASTM D1238に準拠し、200℃、荷重5kgの条件で測定した。
上記のようにして調製した1次変性ブロック共重合体(P−1)〜(P−8)、及びブロック共重合体(P−9)の、スチレン含有量、スチレンブロック率、メルトフローレート、官能基含有変性剤の種類、及び変性率について、下記表1に示す。
Figure 2011094051
〔実施例1〜8〕
次に、上記のようにして調製した1次変性ブロック共重合体(P−1)〜(P−8)と、酸無水物基を有する単量体単位とビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン単位とを含む共重合体又はその水素添加物である、下記表2に示すスチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物又はスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物と、を用いて、変性ブロック共重合体(MP−1)〜(MP−8)を調製した。
(1次変性ブロック共重合体)/(スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物又はスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物)=90/10(質量比)の割合でブレンドし、30mmφ二軸押出機を用いて220℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、反応を行い、(2次)変性ブロック共重合体を調製した。
(2次)変性ブロック共重合体の調製には、下記の2種類のスチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物又はスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物を用いた。
タフプレン912(スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物、登録商標、旭化成ケミカルズ株式会社製、200℃で5kg荷重下のMIが10g/10分、「M−SBS」と略記。)
タフテックM1913(スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物、登録商標、旭化成ケミカルズ株式会社製、200℃で5kg荷重下のMIが4g/10分、「M−SEBS」と略記。)
Figure 2011094051
実施例1の変性ブロック共重合体(MP−1)をゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したところ、変性ブロック共重合体(MP−1)は、1次変性ブロック共重合体(P−1)と、スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物(M−SBS)とを反応させた共重合体であり、M−SBSのピークが消失し、分子量が高くなっていることが分かることから、ブロック共重合体(P−1)にスチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物(M−SBS)が結合していることを確認した。
実施例2〜8の変性ブロック共重合体(MP−2)〜(MP−9)についても、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行ったところ、同様に、1次変性ブロック共重合体と、スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物又はスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物とが結合していることを確認した。
〔実施例9〜18、比較例1〜4〕
下記原料を用いて、下記のようにして樹脂組成物である樹脂シートを作製した。
変性ブロック共重合体(MP−1)〜(MP−8)
熱可塑性樹脂(R−1):ポリスチレン685(商品名、PSジャパン株式会社製)
熱可塑性樹脂(R−2):ポリスチレンSC004(商品名、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、PSジャパン株式会社製)
1次変性ブロック共重合体(P−1)
ブロック共重合体(P−9)
ユニオンプラスチックス株式会社製Tダイ装着押出機(USV型/バレル径40mmφ、L/D=28、幅400mmTダイ装着)のホッパーに、下記表3に示す配合に従い、各原料ペレットを投入した。次いで、押出機のシリンダー内樹脂温度及びTダイの温度を調整し、厚さ0.3mmの樹脂シートを押出し成形して作製した。
なお、ブロック共重合体(P−9)/スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物(M−SBS)=90/10(質量比)の割合でブレンドし、30mmφ二軸押出機を用いて220℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練して、比較例3の樹脂シートと同一組成の樹脂組成物を作製した。その樹脂組成物に対してGPCによる測定を行ったところ、スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物(M−SBS)はブロック共重合体(P−1)に結合していないことを確認した。
また、ブロック共重合体(P−9)/スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物(M−SEBS)=90/10(質量比)の割合でブレンドし、30mmφ二軸押出機を用いて220℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練して、比較例4の樹脂シートと同一組成の樹脂組成物を作製した。その樹脂組成物に対してGPCによる測定を行ったところ、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物(M−SEBS)はブロック共重合体(P−1)に結合していないことを確認した。
上記のようにして作製した実施例9〜18及び比較例1〜4の樹脂シートに対して、下記の評価を行った。
(1)引張弾性率
ASTM D638に準拠し、ミネベア株式会社製TG−5KN型試験機を用いて、試験速度5mm/分で引張弾性率を測定した。
(2)全光線透過率及びヘイズ(曇価)
JIS K7105に準拠し、日本電色株式会社製ヘイズメータ(1001DP)を用いて全光透過率及びヘイズを測定した。測定においては、樹脂シートに流動パラフィンを塗布して行った。
(3)濡れ指数
JIS K6768に準拠して、濡れ指数試薬を用いて濡れ指数を測定した。
(4)水性インクとの接着性
グラビアミニ校正機(株式会社日商グラビア製)の印刷機により、水性グラビアインク(ラミピュア:サカタインクス(株)社製)を使用して、作製した樹脂シートの表面に上記インクを印刷した。印刷した樹脂シートを、50℃、湿度80%の条件下で1週間保管した後、JIS 5400、5600に準拠したクロスカット法による塗膜密着性評価を行い、水性グラビアインクとの接着性を評価した。
具体的には、水性グラビアインクを印刷した面から刃で切り込みを樹脂シートまで入れて、その面に1mm×1mmの印刷インクのマスを100マス形成した。次いで、ニチバンの粘着テープ(CT−18又はLP−18、粘着力4.01N/cm)をその面に密着させ、更に斜め30度の角度方向に瞬時に粘着テープを剥離した。100マスの印刷インクのマスのうち、粘着テープと共に剥がれたマスの個数を測定し、その個数が0個の(全く剥がれなかった)場合を「0/100」、その個数が100個の(全て剥がれた)場合を「100/100」のようにして評価した。
引張弾性率、全光線透過率、ヘイズ(曇価)、濡れ指数、水性インクとの接着性の測定結果を下記表3に示した。
Figure 2011094051
変性ブロック共重合体(MP−1)〜(MP−3)、(MP−5)〜(MP−8)を用いた実施例9〜15は、機械的強度に優れ、濡れ指数が高く、水性インクとの接着性も良好であることがわかった。また、変性ブロック共重合体(MP−1)、(MP−4)と熱可塑性樹脂とを用いた実施例16〜18は、配合比率によっては曇価が高くなったが、実用上良好な濡れ指数、及び水性インクとの接着性が得られた。
一方、比較例1〜4では、変性ブロック共重合体(MP−1)〜(MP−8)を用いなかったため、濡れ指数が低く、水性インクとの接着性が著しく劣るものであることがわかった。
本発明の変性ブロック共重合体は、水性インクとの密着強度に優れており、また良質な透明性も具備していることから、包装用フィルムや飲料容器等に被せる熱収縮性フィルム、各種シート材料としての産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)が結合した変性ブロック共重合体。
  2. ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体に対する官能基含有変性剤の付加反応物である1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に、前記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の官能基との反応性を有する酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)が結合した変性ブロック共重合体。
  3. 前記官能基含有変性剤は、前記ブロック共重合体との付加反応によって、前記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシラン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する原子団を生成させるものである、請求項2に記載の変性ブロック共重合体。
  4. 前記共重合体又はその水素添加物(3)は、スチレン−ブタジエン共重合体の無水マレイン酸付加物又はスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物の無水マレイン酸付加物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性ブロック共重合体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性ブロック共重合体1〜99質量%と、熱可塑性樹脂99〜1質量%と、を含む変性ブロック共重合体組成物。
  6. ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体又はその水素添加物(1)に、酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)を結合する工程を含む、変性ブロック共重合体の製造方法。
  7. ビニル芳香族炭化水素単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、を含むブロック共重合体に対する官能基含有変性剤の付加反応物である1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)に、前記1次変性ブロック共重合体又はその水素添加物(2)の官能基との反応性を有する酸無水物基及び/又はカルボキシル基を有する単量体単位と、ビニル芳香族炭化水素単位と、共役ジエン単位と、を含む共重合体又はその水素添加物(3)を結合する工程を含む、変性ブロック共重合体の製造方法。
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