JP2011093028A - ワーク支持部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で加工不良の発生を防止することが可能なワーク支持部材を提供する。
【解決手段】回転中心軸を中心に回転させた状態で加工されるワーク1を回転中心軸方向にセンタリング支持するワーク支持部材3であって、ワーク支持部材3はワーク1に接触すると共にワーク1に対して摺動して相対変位する接触面3aを有し、この接触面3aにはワーク1と接触面3aとの間に存在する異物を排出する溝部3bが設けられている。
【選択図】図4
【解決手段】回転中心軸を中心に回転させた状態で加工されるワーク1を回転中心軸方向にセンタリング支持するワーク支持部材3であって、ワーク支持部材3はワーク1に接触すると共にワーク1に対して摺動して相対変位する接触面3aを有し、この接触面3aにはワーク1と接触面3aとの間に存在する異物を排出する溝部3bが設けられている。
【選択図】図4
Description
本発明は、回転中心軸を中心に回転させた状態で加工されるワークを回転軸方向にセンタリング支持するワーク支持部材に関する。
従来、加工されるワークを回転させ、回転しているワークに対してバイト等の刃物を接触させて加工を行う旋盤等の工作機械が知られている。このような工作機械では、棒状のワークの一端を回転自在なチャックによって保持し、他端をセンタ等の支持部材によって支持している。センタは円錐形状の尖った先端部を有しており、この先端部に設けられた接触面をワークの他端に形成された座面に密着させ、ワークの回転時に接触面と座面とが摺動することによりワークの回転中心出しを行っている。
上述の構成において、通常接触面と座面とは密着しているが、たとえば旋盤を用いた旋削加工時においてワークから生じた切削粉等の異物が支持部材の接触面と座面との間に入り込む場合がある。また、ワークを回転させつつワークに対してショットブラスト処理やショットピーニング処理等を行う場合に、ワークに対して吹き付けられるショット玉が接触面と座面との間に入り込む場合も考えられる。このように支持部材の接触面とワークの座面との間に異物が入り込むとワークの回転中心がずれてしまい、正確な加工が行えずに加工不良が生じてしまう。
本発明は上述の問題点を解決し、簡単な構成で加工不良の発生を防止することが可能なワーク支持部材の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、回転中心軸を中心に回転させた状態で加工されるワークを前記回転中心軸方向にセンタリング支持するワーク支持部材であって、前記ワーク支持部材は前記ワークに接触すると共に前記ワークに対して摺動して相対変位する接触面を有し、該接触面には前記ワークと前記接触面との間に存在する異物を排出する溝部が設けられていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のワーク支持部材において、さらに前記溝部は前記ワークの回転方向に沿って湾曲する円弧状に形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のワーク支持部材において、さらに前記溝部は前記回転中心軸より遠ざかるに連れてその深さが深くなるように形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のワーク支持部材において、さらに前記溝部は前記接触面の先端部を除く部位に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、各加工工程中(たとえば旋削加工工程中あるいはショットブラスト工程及びショットピーニング工程中)に切削粉あるいはショット玉がワークと接触面との間に入り込んだとしても、ワークと接触面とが相対変位することにより入り込んだ切削粉あるいはショット玉が溝部へと運ばれて排出され、旋削不良あるいは加工不良の発生を防止することができる。
図1は、本発明のワーク支持部材を用いて加工される車両のインプットシャフトを示している。同図においてインプットシャフト1は、その中心軸上の一端に座面1aを他端に取付面1bをそれぞれ有しており、中程には3個のギヤ1c,1d,1eがそれぞれ一体的に形成されている。図2にインプットシャフト1の製造工程を示す。図2に示すようにインプットシャフト1は、素材を旋削加工した後に歯切加工し、シェービングにより仕上歯切を行った後に脱脂し、浸炭して焼入を行った後に洗浄してショットブラスト処理及びショットピーニング処理を行い、最後に研削加工を行って製造される。ショットブラスト処理は焼入処理後においてワーク表面に形成された酸化皮膜や不純物等を清掃する目的で行われ、ショットピーニング処理はワーク表面に圧縮残留応力を与えて強度を向上させる目的で行われる。上述した各工程中、主に旋削加工工程、シェービング工程、ショットブラスト工程、ショットピーニング工程、研削加工工程において本発明のワーク支持部材が用いられる。
図3は、本発明のワーク支持部材を用いた一実施形態を示す概略図である。本実施形態において、ワークとしてのインプットシャフト1の取付面1bには、ワークに対して回転力を与える旋盤等の図示しない工作機械の本体に回転自在に支持された回転力付与部材2が図示しないねじ等の連結手段によって連結されており、インプットシャフト1の座面1aには図示しない工作機械の本体に固定されたワーク支持部材3が圧接されている。
この構成より、図示しない工作機械が作動してその回転力が回転力付与部材2に伝達されると、回転力伝達部材2に一体的に連結されたインプットシャフト1がその軸中心を回転中心として回転し、座面1aとワーク支持部材3の先端部とが摺擦する。このインプットシャフト1が回転した状態で、インプットシャフト1の周面に対して図示しない工作機械に配設された図示しない切削バイトが接触して旋削加工が行われ、図示しない工作機械に設けられたショット玉噴射装置よりショット玉がインプットシャフト1に向けて噴射されてショットブラスト工程またはショットピーニング工程が行われる。
上述の旋削加工工程では、インプットシャフト1から発生した切削粉が座面1aとワーク支持部材3の先端部との間に入り込んで回転中心がずれ、旋削不良が発生してしまう虞がある。またショットブラスト工程及びショットピーニング工程では、図示しないショット玉噴射装置より噴射されたショット玉が座面1aとワーク支持部材3の先端部との間に入り込んで回転中心がずれ、良好な加工が行われない虞がある。本発明のワーク支持部材3はこのような不具合の発生を防止するためのものであり、以下にその構成を説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態を採用したワーク支持部材3を示している。同図においてワーク支持部材3はその一端に座面1aと接触する円錐形状の接触面3aを有しており、他端側を図示しない工作機械に固定される。接触面3aには、その頂部から裾部に向けた1本の溝部3bが形成されており、溝部3bの幅及び深さは適宜の大きさに設定されている。
上述の構成より、旋削加工工程中にインプットシャフト1より発生した切削粉が座面1aとワーク支持部材3の接触面3aとの間に入り込んだとしても、インプットシャフト1とワーク支持部材3とが相対変位することにより入り込んだ切削粉が溝部3bへと運ばれて排出され旋削不良の発生を防止することができる。また、ショットブラスト工程及びショットピーニング工程でのショット玉が座面1aと接触面3aとの間に入り込んだとしても、入り込んだショット玉が溝部3bへと運ばれて排出され加工不良の発生を防止することができる。
図5は、本発明の第2の実施形態を採用したワーク支持部材4をその接触面の頂部から見た図を示している。このワーク支持部材4は、第1の実施形態で示したワーク支持部材3と比較すると、接触面4aに設けられた溝部4bが、インプットシャフト1の回転方向(本形態では時計回り方向)に沿って湾曲した円弧状に形成されている点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。このワーク支持部材4によれば、溝部4bが円弧状であることにより切削粉あるいはショット玉の排出が促進され、第1の実施形態よりも旋削不良や加工不良の発生をより一層防止することができる。
図6は、本発明の第3の実施形態を採用したワーク支持部材5を示している。このワーク支持部材5は、ワーク支持部材3と比較すると接触面5aに設けられた溝部5bが、回転中心軸より遠ざかるに連れてその深さが深くなるように形成されている点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。このワーク支持部座5によれば、溝部5bの深さが回転中心から遠ざかるに連れて徐々に深くなっていることにより切削粉あるいはショット玉が溝部5bに多量に溜まるため、第1の実施形態よりもワーク支持部材の清掃頻度が減少して作業効率を高めることができる。
図7は、本発明の第4の実施形態を採用したワーク支持部材6を示している。このワーク支持部材6は、ワーク支持部材3と比較すると接触面6aの先端部を除く部位に溝部6bが形成されている点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。このワーク支持部材6によれば、溝部6bが接触面6aの先端には形成されていないことによりインプットシャフト1の座面1aと接触面6aとの接触面積が大きくなることから、第1の実施形態よりもインプットシャフト1のセンタリング機能を高めることができる。
上記各実施形態では、各溝部3b,4b,5b,6bの幅及び深さは適宜の大きさに設定することとしたが、この幅及び深さは旋削工程により発生する切削粉の大きさ、ショットブラスト工程及びショットピーニング工程において使用されるショット玉の大きさ及び量に応じて、これらを良好に排出可能である大きさに適宜決定されることが望ましい。また、上記各実施形態では各溝部3b,4b,5b,6bをそれぞれ1つずつ形成する構成を示したが、インプットシャフト1のセンタリング機能に影響が出ない程度であれば各溝部3b,4b,5b,6bを複数形成してもよい。
1 ワーク(インプットシャフト)
3 ワーク支持部材
3a 接触面
3b 溝部
3 ワーク支持部材
3a 接触面
3b 溝部
Claims (4)
- 回転中心軸を中心に回転させた状態で加工されるワークを前記回転中心軸方向にセンタリング支持するワーク支持部材であって、
前記ワーク支持部材は前記ワークに接触すると共に前記ワークに対して摺動して相対変位する接触面を有し、該接触面には前記ワークと前記接触面との間に存在する異物を排出する溝部が設けられていることを特徴とするワーク支持部材。 - 請求項1記載のワーク支持部材において、
前記溝部は前記ワークの回転方向に沿って湾曲する円弧状に形成されていることを特徴とするワーク支持部材。 - 請求項1または2記載のワーク支持部材において、
前記溝部は前記回転中心軸より遠ざかるに連れてその深さが深くなるように形成されていることを特徴とするワーク支持部材。 - 請求項1ないし3の何れか1つに記載のワーク支持部材において、
前記溝部は前記接触面の先端部を除く部位に形成されていることを特徴とするワーク支持部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009248171A JP2011093028A (ja) | 2009-10-28 | 2009-10-28 | ワーク支持部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009248171A JP2011093028A (ja) | 2009-10-28 | 2009-10-28 | ワーク支持部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011093028A true JP2011093028A (ja) | 2011-05-12 |
Family
ID=44110522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009248171A Pending JP2011093028A (ja) | 2009-10-28 | 2009-10-28 | ワーク支持部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011093028A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6189404U (ja) * | 1984-11-15 | 1986-06-11 | ||
JPH0413204U (ja) * | 1990-05-18 | 1992-02-03 |
-
2009
- 2009-10-28 JP JP2009248171A patent/JP2011093028A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JPS6189404U (ja) * | 1984-11-15 | 1986-06-11 | ||
JPH0413204U (ja) * | 1990-05-18 | 1992-02-03 |
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