JP2011092826A - 塗布装置及びそれを用いた塗布フィルムの製造方法並びに塗布フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布欠点を防止することができる塗布装置および特に光学用途に優れた塗布フィルムの製造方法並びに塗布フィルムを提供すること。
【解決手段】走行するウエブ表面に余剰に塗液を供給する手段と、余剰に供給された塗液を掻き落とすメタリングバーを有する塗布装置において、前記メタリングバーを支持する手段が、メタリングバーの長さ方向に間隔をおいて複数個配置されており、一方の支持手段と他方の支持手段との間にメタリングバーのウエブ走行方向に対して上流および下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーを設けており、該カバーとメタリングバーとの間隙が0.3mm〜2.0mmであり、かつメタリングバー下方部において上流カバーと下流カバーとの隙間が2〜10mmで構成されていることを特徴とする塗布装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェブの塗布装置およびそれを用いた塗布フィルムの製造方法並びに塗布フィルムに関する。さらに詳しくは、メタリングバー方式で塗液を塗布するに際し、液はねおよび塗液中の泡を起因とする塗布欠点を防止した塗布装置に関するものである。本発明の塗布装置を用い製造されたフィルムは、主に、ディスプレイ関連用途に用いられ、反射防止フィルム、光拡散シート、プリズムシート、赤外線吸収フィルム、透明導電性フィルム、防眩フィルムなどの基材フィルムに好適な塗布フィルムに関するものである。
一般に、光学機能性フィルムに代表される液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル等のディスプレイの部材に用いられる基材には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン、アクリル系ポリマー等からなる基材フィルムが用いられている。これらの基材フィルムを各種光学機能フィルムに用いる場合は、基材フィルムに、各種用途に応じた機能層が設けられる。例えば、液晶ディスプレイでは、ハードコート層、反射防止層、プリズム層、光拡散層等の機能層が挙げられ、該機能層を基材フィルムに積層する場合には、両層の間には両層との接着層が設けられているのが一般的である。
接着層は、例えば、基材フィルムの表面に、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、共重合ポリエステル樹脂などの各種樹脂を主成分とする塗液を、種々の方法によって基材フィルムに設ける方法が一般的に知られている。塗布方法としては、結晶配向が完了する前のフィルムに、直接又は必要に応じてコロナ放電処理を施してから、前記樹脂の溶液または樹脂を分散媒で分散させた分散体を含有する水性塗布液をフィルムに塗工し、乾燥後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を施して、樹脂フィルムの結晶配向を完了させる方法(インラインコーティング法)が工業的に広く実施されている
ところで、これらの液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのディスプレイは、年々、大型化が進んでおり、基材フィルムの製造工程において、広面積内に光学欠点がないことが必要とされてきる。光学欠点とは、たとえば、一度集光された光を再度拡散する際の拡散板において、いかに基材フィルムそのものが製造中の埃や、オリゴマーによる異物を排除した高透明なフィルムであっても、本来ならば配向されたとおりに拡散されるのが望ましいが、接着層に欠点がある場合には、その欠点によって光の屈折方向がばらばらな方向に拡散されてしまうため、集光した光が均一に拡散されないことになり、一般にこのような光学的機能を阻害する欠点を光学欠点と呼ばれている。これらの用途に用いられる基材フィルムは、製造工程中の延伸ロールや搬送中のフリーロールやトルク等による擦過、巻き返しながらスリットして巻き取る際の擦過等、傷が発生する工程が多い為、傷を抑制させる手段が検討され改善されている。さらに、光学欠点は、傷だけではなく、接着層の塗布欠点による欠点も指摘されている。接着層の塗布欠点は、製造工程中の塗布装置による液はねや塗液中の泡を起因とする塗布欠点が問題とされている。これらの欠点を防止することで、光学用途として最良な形態を提供することができる。
しかしながら、塗布による欠点は、近年改善されてきた傷の抑制手段、例えば、原料改善や装置改善をすることによって発生する傷の数や大きさと比べ、液はねおよび塗液中の泡が連続的に塗布する工程で発生する為、欠点の数も多く、欠点の大きさも大きい、特に光学用途に用いるには致命的な欠点であり、近年、塗布装置の改善が提案されてきた。
たとえば、連続製膜されている樹脂フィルムの表面に塗液を塗布する装置として、メタリングバー方式の塗布装置が知られている。この塗布装置においては、走行するウエブに塗液を過剰に供給した後に、余剰の塗液をメタリングバーで掻き落とし、所定の厚みに計量しながらウエブ表面に塗膜を形成する。
このような塗液の塗布において、メタリングバーはそのほぼ全長にわたりメタリングバーの長手方向にメタリングバーをVブロック構造の支持部材を配置しメタリングバーを支持する構造のものがあるが、このような構造の場合、保持溝とメタリングバーとの隙間部分に塗液溜まりが発生し、液溜まりがメタリングバーの回転によって空気を噛み込むことにより泡を発生することにより、塗布抜け、塗布スジ等の塗液の泡起因による塗布欠点が発生する。
また、別のメタリングバーの支持手段として、メタリングバーを支持するためのバックアップロールを供えた塗布装置がある。この装置のバックアップロールとシート状物との間のメタリングバーに付着した塗布液を掻き取るための掻き取り板や液はね防止用カバーを設けているものがある。
この形の掻き取り板やカバーは、特に支持手段のない部分に取付けた場合に塗液が掻き取り板とメタリングバーとの隙間より下方へ案内される際に、メタリングバー下方の空間が大きすぎることと、その為に該部分で液はねが発生していることによって、掻き取り板とメタリングバー下方部との間で返って泡を噛み込み易くなり、泡起因による塗布欠点が発生し、不良品として処理されるために非常に損害が大きいものであった。
特開平2−17967号公報 特開2003−117467号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、塗布欠点を防止することができる塗布装置および特に光学用途に優れた塗布フィルムの製造方法並びに塗布フィルムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の発明は、走行するウエブ表面に余剰に塗液を供給する手段と、余剰に供給された塗液を掻き落とすメタリングバーを有する塗布装置において、前記メタリングバーを支持する一方の支持手段と他方の支持手段との間にメタリングバーのウエブ走行方向に対して上流および下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーを設けており、該カバーとメタリングバーとの間隙が0.3mm〜2.0mmであり、かつメタリングバー下方部において上流カバーと下流カバーとの隙間が2〜10mmに構成されていることを特徴とする塗布装置である。
第2の発明は、溶融樹脂をシート状に押出し、冷却固化して未延伸シートを得て、少なくとも一軸方向に延伸配向せしめたフィルムに、塗液を塗布するフィルムの製造方法において、第1の発明に記載の塗布装置を用いることを特徴とする塗布フィルムの製造方法である。
第3の発明は、第2の発明に記載の製造方法により得られるポリエステルフィルムの塗布欠点の個数が5個/m以下であることを特徴とする易接着性ポリエステルフィルムである。
本発明の塗布装置を使用して塗布フィルムを製造すれば、塗布欠点が少なく、特に、光学的機能に優れた塗布フィルムを得ることができる。
本発明の塗布装置の上面図。 本発明の第1の実施形態の塗布装置の側面図の一例。 本発明の第2の実施形態の塗布装置の側面図の一例。 本発明の第2の実施形態の塗布装置の側面図の一例。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、走行するウエブ表面に余剰に塗液を供給する手段と、余剰に供給された塗液を掻き落とすメタリングバーを有する塗布装置において、前記メタリングバーを支持する手段の一方の支持手段と他方の支持手段との間にメタリングバーのウエブ走行方向に対して上流および下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーを設けており、該カバーとメタリングバーとの間隙が0.3mm〜2.0mmであり、かつメタリングバー下方部において上流カバーと下流カバーとの隙間が2〜10mmに構成されていることを特徴とする塗布装置である(図1および図2)。
メタリングバーとしては、単なるロッドバー状のものも使用可能であるが、外周に計量機能を付加する目的で、直径が30mm以下の円柱ロッドの外周にワイヤーを螺旋状に巻きつけたもの又は、円柱ロッドに所定の深さ、幅の溝を設けたものを使用するのが望ましい。
メタリングバーを支持する支持手段としては、たとえばメタリングバーを支持する一対のローラと、各ローラを回転自在に支持する支持軸を有するものから構成できる。一対のローラの替わりに外接支持の支持部材を採用することも可能である。
一方の支持手段と他方の支持手段との間にメタリングバーのウエブ走行方向上流および下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーは、該カバーとメタリングバーとの間隙ならびにメタリングバー下方部の上流カバーと下流カバーとの隙間を設定範囲内に設定することができるように台座を該カバーの下に設けている。
カバーはメタリングバーの長さ方向から見たときにメタリングバーと接触する可能性のある面は走行するフィルムの進行方向に対し角度θをついており、θは30〜65°、好ましくは40〜60°が好ましい。またカバーは台座との固定ネジを入れられるように少なくとも複数個の穴が開けている。
また、フィルムと接するメタリングバーとメタリングバーの長さ方向から見たときにメタリングバーと接触する可能性のある面の長さをlとした場合に、長さlは5〜20mm、好ましくは8〜12が良い。
θ’が5mmよりも小さい場合はメタリングバーの回転起因による液ハネの影響が大きくなる。一方、20mmよりも大きい場合は、メタリングバーとカバーとの間隙を形成する部分が大きくなり、塗液が多く滞留しメタリングバーの回転起因により気泡を生じやすくなる。そのためフィルムに塗布欠点が発生する。
カバーの材質は特に限定されないが、メタリングバー自身の撓み等によって万が一接触した場合に、メタリングバーが傷つく場合もあるので、テフロン(登録商標)等の樹脂性のものが望ましい。
台座はカバーとの固定用の穴を複数個設けており、カバーと台座を固定するためのネジを有している。
上流カバーと下流カバーの別々であってもよいが、作業性等を考慮すると上流および下流カバーが同じに乗っている形のもの方が好ましい。
このような形状のカバーと台座を用いる事で、該カバーとメタリングバーとの間隙は0.3mm〜2.0mmであることが必要であり、好ましくは0.5〜1.5mmである。また、上流カバーと下流カバーとの間の隙間は2〜10mm、好ましくは4〜7mmがよい。
本発明に係る塗布方法は、上記のような塗布装置を用いて走行中のウエブを塗布することを特徴とする方法からなる。適用するウエブは少なくとも一軸に延伸した熱可塑性樹脂フィルムがあげられ、代表的なものとして二軸配向ポリエステルフィルムが挙げられる。
上記のような本発明に係るウエブの塗布装置および製造方法においては、メタリングバーを支持する手段が、一方の支持手段と他方の支持手段との間にメタリングバーのウエブ走行方向の上流および下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーを設けており、該カバーとメタリングバーとの間隙と、メタリングバー下方部における直上流カバーと直下流カバーとの隙間を設定することで、掻き取られた余剰の塗液が下方に案内される際に、カバーの間隙も伝って案内されることで、カバー外側より下方に案内される余剰塗液量を少なくすることができ、カバー外部における液はね起因の塗布欠点を防止できる。
カバー内側にも余剰塗液を伝える際には、カバー内側も間隙を小さくすることでメタリングバー回転起因の液はねを防止することができる。またカバー内側の間隙の設定範囲を設けることで、余剰塗液の掻き量を適切に調節できるようになり、間隙内部に泡を発生させることを防止し、カバー内部における液はね、泡起因の塗布欠点を防止できる。
本発明に係る塗布方法は、上記のような塗布装置を用いて走行中のウエブに塗液を塗布することを特徴とする方法からなる。この方法は、特にウエブが樹脂フィルムである場合に適用して有用なものである。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に関わる塗布装置の一例を示す。
図1において1は走行中のウエブを示している。ウエブ1には、その下面側にファウンテンから吐出された塗液2が過剰に塗布される。過剰に塗布された塗液2はメタリングバー3によって掻き取られ、所定の塗布厚みに計量される。メタリングバー3は両端部を軸受にて回転自在に支持されており、ウエブ表面を傷つけないように、ウエブとほぼ同速で、駆動回転もしくは従動回転されている。またこのメタリングバー3はその長さ方向において複数個の支持手段5によって下方から支えられている。
本実施様態では、メタリングバー3の下流側を走行するウエブの下面が、所定厚みの塗膜が形成された塗布面となる。
図2、図3および図4この塗布装置に設けられる本発明に係るカバー6をメタリングバー長さ方向に対して見た図である。直上流側をa,直下流側をbとし、該カバーをそれぞれ6a,6bと表す。該カバーはSUS製の台座にのせ、固定ネジで固定されている。該カバーはメタリングバーの長さ方向から見たときにメタリングバーと接触する可能性のある面は走行するフィルムの進行方向に対し角度θをついており、θは30〜65°、好ましくは40〜60°が好ましい。
また該カバーとメタリングバーとの間隙を0.3〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.0mmと、直上流カバーと直下流カバーとの間の隙間を2〜10mm、好ましくは4〜7mmに設定されている。この設定範囲内において、該カバー内部では掻き取られた余剰の塗液が下方に案内されると共に、塗液が大量にメタリングバーの周方向に回り込むのを阻止し、カバー外部では下方に案内される塗液量を少なくすることができる。
該カバーはメタリングバーの外周に付着する余剰塗液はメタリングバーが回転することによって発生する液はね防止の役割もある。
このように本発明では、メタリングバーを支持する手段が、メタリングバーの長さ方向に間隔をおいて複数個配置されており、一方の支持手段と他方の支持手段との間にメタリングバーのウエブ走行方向直上下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーを設けており、該カバーとメタリングバーとの間隙が0.3mm〜1.0mmの範囲内で設定し、かつメタリングバー下方部において直上流カバーと直下流カバーとの隙間を4〜7mmの範囲内に設定することにより塗布することよって、液はね、泡起因による塗布欠点を防止したウエブを製造できる。特にウエブが樹脂フィルムである場合に適用して有用なものである。
次に、本発明は、溶融樹脂をシート状に押出し、冷却固化して未延伸シートを得て、少なくとも一軸方向に延伸配向せしめたフィルムに、接着性を有する水溶性樹脂からなる塗液を塗布するフィルムの製造方法において、上記塗布装置を用いることを特徴とする塗布フィルムの製造方法である。
本発明の製造方法に用いる樹脂としては、特に限定されるものではないが、上述の通り、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン、アクリル系ポリマー等があげられ、機械的強度やハンドリング性の点から、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂としては、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好ましいポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等から選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを用いることができる。これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステルを用いることが好ましい。また、感熱記録用シートなど基材に熱が作用する用途においては、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートが更に好ましい。
これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
また、このポリエステル中には、光学的機能を阻害しない範囲で、各種添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
上述したポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.5〜0.8dl/gの範囲が好ましい。極限粘度が0.5dl/g未満であると、溶融ポリエステル樹脂を押出し冷却固化する際に押出量の調整が難しく、0.8dl/g以上であると、濾過フィルターで押し出しが困難となるため好ましくない。
次に、溶融ポリエステル樹脂を押出し、冷却固化して未延伸シートを得る方法としては、具体的には、溶融ポリエステル樹脂を回転冷却ドラム上にダイからシート上に押しだし、シート状溶融物を回転冷却ドラムに密着させながら、固化してシートとする。
次に、未延伸シートを延伸する。延伸方法としては、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方法や、長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸する同時二軸延伸延伸方法などの公知技術が用いられる。本発明にあっては、少なくとも一軸延伸をした後に塗布を行うことができいずれの延伸方法であってもかまわない。逐次二軸延伸方法の場合において以下説明するが、逐次二軸延伸方法であっても同時二軸延伸方法であっても、樹脂フィルムが最終的な製品とした時に結晶配向が完了しており、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものであればよく、本発明はこれに限られるものではない。
未延伸シートを加熱ロールで、長手方向に2〜5倍、好ましくは2.5〜4.5倍、さらに好ましくは3〜4倍に1段もしくは2段以上の多段で延伸する(MD延伸)。延伸前予熱温度および延伸温度はTg〜(Tg+60)℃、より好ましくは(Tg+5)〜(Tg+55)℃、さらに好ましくは(Tg+10)〜(Tg+50)℃の範囲である。その後20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。またこの延伸時にかかってくる熱量を、塗布した後、乾燥させるのに利用することができる。
塗料としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ビニル系樹脂、塩素系樹脂、スチレン系樹脂、各種グラフト系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などを使用することができ、これらの樹脂の混合物を使用することもできる。これらポリエステル樹脂を水系塗液として用いる場合、水溶性あるいは水分散性のポリエステル樹脂が用いられる。このような水溶性化あるいは水分散化のためには、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合させることが好ましい。
また、本発明の塗布層には、さらに接着性を向上させるために、樹脂に各種の架橋剤を併用することができる。
架橋剤樹脂としては、メラミン系、エポキシ系、オキサゾリン系樹脂が一般に用いられる。
本発明の塗布層に含有される粒子としては、無機系粒子や有機系粒子を挙げることができるが、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので、無機粒子がより好ましい。この無機粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタンなどを用いることができる。
上記の無機粒子および有機粒子は表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、界面活性剤、分散剤としての高分子、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
次に、一軸方向に塗布した後に塗布層を設けた場合は、例えば、テンターを用いる方法が一般的である。このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導き、幅方向の延伸を行う(TD延伸)。延伸温度はTg〜(Tg+80)℃が好ましく、より好ましくは(Tg+10)〜(Tg+70)℃、さらに好ましくは(Tg+20)〜(Tg+60)℃の範囲である。延伸倍率は、2.0〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.0倍、さらに好ましくは3.5〜4.5倍の範囲である。
次に、この延伸フィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら熱固定する。このフィルムを40〜180℃の温度ゾーンで幅方向に弛緩しながら冷却するのが好ましい。弛緩率は、幅方向の熱収縮率を低下させる観点から1〜10%であることが好ましく、より好ましくは2〜8%、さらに好ましくは3〜7%の範囲である。
さらに、フィルムを室温まで、必要ならば、長手および幅方向に弛緩処理を施しながら、フィルムを冷やして巻き取り、目的とする塗布フィルムを得る。
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではないが、機械的強度、透明性などの点から、通常は好ましくは2〜500μm、さらに好ましくは10〜200μmである。
上述の製造方法により得られる塗布フィルムの塗布欠点の個数は、5個/m以下であり、好ましくは3個/m以下、さらに好ましくは0個/mである。
得られた塗布フィルムを、目視で観察し、欠点の任意の2点間の距離が最大となるときの距離を長径とし、該長径の直線上からの任意の1点と、該方向とは反対方向の直線上からの任意の1点から直角に伸びる距離の和が最大となるときの距離を幅とした。塗布欠点は、幅が0.5mm×長径が1.0mm以上のものをカウントした。得られたフィルムは塗布欠点が少なく、主にディスプレイ関連用途、詳しくは、ハードコート用フィルム、反射防止用フィルム、プリズム用フィルム、光拡散用フィルム等の光学用フィルムまたはその他の基材フィルムとして使用する際に、好適である。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施に何ら制限されるものではない。
まず、本発明における評価方法について説明する。
(1)メタリングバーとカバーとの間隔
メタリングバーを支持手段に乗せ、メタリングバーの径方向と対面するカバーの端面との間を隙間ゲージにて測定した。
(2)上下流カバーの間隔
フィルムの進行方向と同方向のカバーを固定する台座の長さをL、メタリングバーのウエブ走行方向に対して上流および下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーの厚さをそれぞれ、Lh、Llをしたときに、上下流カバーの間隔Yは
Y=L−(L+L) とする。
(3)θ
カバーをウエブの長さ方向からみたときのメタリングバーを向い合う面とウエブの進行方向に対して垂直になる面との交点からウエブの進行方向となす角度を分度器を用いて測定した。
(4)l
カバーのメタリングバーと向い合う面をメタリングバーの長手方向から見たときの長さを定規を用いて測定した。
(5)液はね
得られた塗布フィルムを1m×2mの大きさでサンプリングし、暗室内で投光器を用いて目視確認を行い発生の有無を確認した。
(6)塗布欠点
得られた塗布フィルムをサンプリングし、欠点の規定は、上記文面中、欠点の任意の2点間の距離が最大となるときの距離を長径とし、該長径の直線上からの任意の1点と、該方向とは反対方向の直線上からの任意の1点から直角に伸びる距離の和が最大となるときの距離を幅とした。塗布欠点は、幅が0.5mm×長径が1.0mm以上のものをカウントした。
測定は得られた塗布フィルムを1m×30mでサンプリングし、暗室内で三波長蛍光灯を用いて目視でカウントし、/mの値を算出した。
実施例および比較例の塗布フィルムの評価方法
[実施例1〜5、比較例1〜7]
上記のような本発明による効果を確認するために、図に示した塗布装置を用いて、以下の試験を行った。 粒子を含まないポリエチレンテレフタレートを溶融時に、溶融樹脂の異物除去用濾材として濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)15μmのステンレススチール製焼結濾材を用い、濾過したポリマーを押出機より280℃で溶融押出し、静電印可された20℃のキャストドラム上にキャストし無延伸シートとした後、これを80℃で予熱し、この温度にてロール延伸で長手方向に3.0倍延伸した。この後、メタリングバーとしてワイヤーバーを使用し、その上流側に設置された塗液供給手段により塗布液を水で希釈した実固形分濃度4.0%の塗液を塗布した。
その後、110℃で幅方向に3.6倍延伸し、220℃で熱処理した。これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする塗布フィルムを得た。
塗布装置に関してワイヤーバーは材質がステンレスのものを使用した。また、本発明に係わる支持台(カバー)には、テフロン(登録商標)製のものを使用した。このように構成された塗布装置を用いて表1に示す諸条件に従って製膜、塗布を行い、塗布欠点(塗布抜け)を評価した。
Figure 2011092826
以上に説明したように、本発明の塗布装置および方法によれば、メタリングバーのウエブ走行方向直上下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーを設けており、直上流カバーとメタリングバーとの間隙を特定の範囲内に設定することにより、メタリングバー周囲からの泡の噛み込みによる塗布欠点を防止することができる。その結果安定した生産が可能になるとともに、製品の塗布品質の向上をはかることができ、特に光学用途に優れた塗布フィルムの製造方法並びに塗布フィルムを提供することができる。
1:ウエブ
2:塗布液
3:メタリングバー
4:受軸
5:支持手段
6a:上流カバー
6b:下流カバー
7:固定ネジ
θ:カバーのメタリングバーと向い合う面がウエブの進行方向に対してなす角度
l:カバーのメタリングバーと向い合う面の長さ
X:メタリングバー外周面とカバーとの間隙(0.3mm<X<1.0mm)
Y:上流カバーと下流カバーの間隙(2mm<Y<10mm)
L:カバーを固定する台座の長さ
:上流のメタリングバー長さ方向に延びるカバーの厚さ
:下流のメタリングバー長さ方向に延びるカバーの厚さ

Claims (3)

  1. 走行するウエブ表面に余剰に塗液を供給する手段と、余剰に供給された塗液を掻き落とすメタリングバーを有する塗布装置において、前記メタリングバーを支持する手段が、メタリングバーの長さ方向に間隔をおいて複数個配置されており、一方の支持手段と他方の支持手段との間にメタリングバーのウエブ走行方向に対して上流および下流にメタリングバー長さ方向に延びるカバーを設けており、該カバーとメタリングバーとの間隙が0.3mm〜2.0mmであり、かつメタリングバー下方部において上流カバーと下流カバーとの隙間が2〜10mmで構成されていることを特徴とする塗布装置。
  2. 溶融樹脂をシート状に押出し、冷却固化して未延伸シートを得て、少なくとも一軸方向に延伸配向せしめたフィルムに、塗液を塗布するフィルムの製造方法において、請求項1に記載の塗布装置を用いることを特徴とする塗布フィルムの製造方法。
  3. 請求項2に記載の製造方法により得られる塗布フィルムの塗布欠点の個数が5個/m以下であることを特徴とする塗布フィルム。
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