JP2011092010A - 電力安定化システム、電力安定化制御プログラム、電力安定化制御方法 - Google Patents

電力安定化システム、電力安定化制御プログラム、電力安定化制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力貯蔵装置の貯蔵電力量が長期的に上限値、下限値で張り付くことを防止し、電力貯蔵装置の充放電による出力変動補償効果を確実に得る。
【解決手段】風力発電機130の出力変動を電力貯蔵装置140の貯蔵電力量Esにて補償することで、風力発電機130が接続される電力系統110の有効電力の変動を防止する電力安定化システム100の制御装置150において、有効電力検出部151、補償目標値演算部152、補償電力演算部153、電力変換器制御部154、電力変換器141の制御経路に補正信号Pcを与える補正信号演算部156は、電力貯蔵装置140の貯蔵電力量Esに基づいて、貯蔵電力量Esが上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、貯蔵電力量Esが下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、補正信号Pcを演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力安定化技術に関し、たとえば、電力貯蔵装置を用いて分散型電源の出力変動を抑制する電力安定化技術等に適用して有効な技術に関する。
近年、風力や太陽光など自然エネルギーを利用した風力発電機や太陽電池、潮力発電機、等の分散型電源の商用電力系統への連系が増加している。しかし、自然エネルギーを利用した分散型電源は、風速などの自然条件に応じて時々刻々と出力が変動するため、特に僻地や離島などの弱い電力系統では系統の周波数や電圧の変動が生じ、系統の運用上で問題となる場合がある。
また、将来、特定地域内での電力の供給を行うための小規模な配電網であるマイクログリッドの導入を進めることが考えられる。このマイクログリッドでは、自然エネルギーを利用した分散型電源の出力変動や、需要化設備の電力需要変動により、需給アンバランスが生じ、連系点の潮流が時々刻々と変化する。
このため、連系点電力制御を行い、連系点潮流を事前計画値にあわせてできるだけ一定とし、商用系統に悪影響を与えない運用が求められる。しかし、ガスタービン等の制御可能な分散型電源には負荷追従性に限界があり、速い潮流変動は抑制できないという問題がある。
そこで、従来から、フライホイールや二次電池などの電力貯蔵装置を用いて、電力の吸収または放出を行うことにより、出力変動、負荷変動、潮流変動等の電力変動分を補償するシステムが開発されている。例えば、風力発電機の出力変動補償を行う場合、風力発電機の発電出力が増加した場合には、電力貯蔵装置の電力放出を減少または電力吸収を増大させ、風力発電機の発電出力が減少した場合には、電力貯蔵装置の電力吸収を減少または電力放出を増大させることにより、風力発電機と電力貯蔵装置の連系点の電力変動を補償することができる。
ただし、電力貯蔵装置や電力変換器では充放電の際に損失が発生するため、そのままでは電力貯蔵装置に蓄えられる平均的な貯蔵電力量は徐々に減少し、終には貯蔵電力量の下限値に至り電力変動補償効果が得られなくなる。
同様に有効電力変動量の平均値が電力貯蔵装置に充電する方向に偏っていた場合、そのままでは電力貯蔵装置に蓄えられる平均的な貯蔵電力量は徐々に増加し、終には貯蔵電力量の上限値に至り電力変動補償効果が得られなくなる。
そこで、電力貯蔵装置の充放電量の平均的な偏りを補正し、貯蔵電力量が長期的に上限値および/または下限値で張り付いてしまう状態を防止するための、各種制御方式が提案されている。
電力貯蔵装置としてフライホイールを用いる例として特許文献1、二次電池を用いる例として非特許文献1等が挙げられる。
特許文献1では、フライホイールの制御装置において、フライホイールの回転速度(貯蔵電力量に相当)と目標回転速度(回転速度上限値と下限値の間に設定)との差異に基づいて回転速度が目標回転速度に近づくよう、フライホイールへの出力指令値に補正信号を加算することにより、フライホイールの充放電量の平均的な偏りを制御している。
非特許文献1では、二次電池の制御装置において、二次電池の端子電圧(貯蔵電力量に相当)があらかじめ設定したしきい値(端子電圧許容範囲に上下二つのしきい値を設定)を超えた場合に、端子電圧許容範囲の中間方向に近づくよう二次電池への出力指令値を補正(分散型電源の有効電力計測値から変動成分を除去した補償目標値に対し補正値を加算)することにより、二次電池の充放電量の平均的な偏りを制御している。
特開2001−339995号公報
NEDO−NP−0004 蓄電池併設風力発電導入可能性調査(平成14年2月発行)
しかし、補正信号を付加することによる問題として、特許文献1では、貯蔵電力量と目標貯蔵電力量とに差異が生じると常に補正信号が加算されるため、特に貯蔵電力量が目標貯蔵電力量をまたいで増減を繰り返した場合、補償すべき電力変動成分自体が縮小されるため、結果的に良好な出力変動補償効果が得られないという技術的課題があった。
また非特許文献1では、貯蔵電力量がしきい値を超えた場合に補正動作が開始・終了されるため、特に貯蔵電力量がしきい値をまたいで増減を繰り返した場合、頻繁に補正回路が入り切り(ON/OFF)し、結果的に良好な出力変動補償効果が得られないという技術的課題があった。
また、補正値の加算による補正を行った場合、補正値の加算開始時、或いは加算終了時に補償電力がステップ的に変化するため、補正値による余計な外乱により良好な出力変動補償効果が得られないという技術的課題があった。
本発明の目的は、電力貯蔵装置の貯蔵電力量が長期的に上限値および/または下限値で張り付くことを防止し、電力貯蔵装置の充放電による出力変動補償効果を確実に得ることが可能な電力安定化技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、電力貯蔵装置の貯蔵電力量が長期的に上限値および/または下限値で張り付くことを防止しつつ、より効果的な電力変動補償が可能な電力安定化技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、電力を貯蔵し、交流電力系統に対して電力の吸収または放出を行う電力貯蔵装置と、前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間で入出力される前記電力を相互に変換する電力変換器と、前記交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように前記電力変換器の変換動作を制御する制御装置と、を含む電力安定化システムであって、前記制御装置は、前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出し、補償電力を算出する補償電力演算手段と、前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力とする加算手段と、前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、を含む電力安定化システムを提供する。
本発明の第2の態様は、電力を貯蔵し、交流電力系統に対して電力の吸収または放出を行う電力貯蔵装置と、前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間で入出力される前記電力を相互に変換する電力変換器と、前記交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように前記電力変換器の変換動作を制御する制御装置と、を含む電力安定化システムであって、前記制御装置は、前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出する補償目標値演算手段と、前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力するフィルタと、前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出する補償電力演算手段と、前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、を含む電力安定化システムを提供する。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様に記載の電力安定化システムにおいて、前記補正信号演算手段では、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、前記補正信号の出力を停止し、貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、前記補正信号の出力を停止するよう動作する電力安定化システムを提供する。
本発明の第4の態様は、交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御プログラムであって、コンピュータに、前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出し、補償電力を算出する補償電力演算手段と、前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力とする加算手段と、前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、を実現させる電力安定化制御プログラムを提供する。
本発明の第5の態様は、交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御プログラムであって、コンピュータに、前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出する補償目標値演算手段と、前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力するフィルタと、前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出する補償電力演算手段と、前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、を実現させる電力安定化制御プログラムを提供する。
本発明の第6の態様は、第4の態様または第5の態様に記載の電力安定化制御プログラムにおいて、前記補正信号演算手段では、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、前記補正信号の出力を停止し、貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、前記補正信号の出力を停止するよう動作する電力安定化制御プログラムを提供する。
本発明の第7の態様は、交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御方法であって、前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出し、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出し、前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出して補償電力を算出し、前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算し、前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力を演算し、前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力安定化制御方法を提供する。
本発明の第8の態様は、交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御方法であって、前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出し、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出し、有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出し、前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算し、前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力し、前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出し、前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力安定化制御方法を提供する。
本発明の第9の態様は、第7の態様または第8の態様に記載の電力安定化制御方法において、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に充電電力の補正を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、充電電力の前記補正を停止し、貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に放電電力の補正を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、放電電力の前記補正を停止するよう動作する電力安定化制御方法を提供する。
上記した本発明の第1、第4および第7の態様によれば、補償電力演算部にてハイパスフィルタ等により有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出し補償電力を求める場合、補正信号はハイパスフィルタの前段に加算することはできず、補償電力に加算する必要がある。
この場合、補正信号を、急峻な変動を平滑化するフィルタに通すことによって、補正信号の加算開始時、或いは加算終了時のステップ的変化が平滑化され、良好な電力変動補償効果が得られる。これにより電力貯蔵装置の充放電量の平均的な偏りを補正し貯蔵電力量が長期的に上下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補償電力のステップ的変化を平滑化し、より効果的な電力変動補償が可能となる。
上記した本発明の第2、第5および第8の態様によれば、補償目標値に補正信号を加算した後、急峻な変動を平滑化するフィルタに通した値を補正補償目標値とし、補償電力演算手段の入力値とするので、補償目標値に補正信号を加算した後、急峻な変動を平滑化するフィルタに通すことによって、補正信号の加算開始時、或いは加算終了時のステップ的変化が平滑化され、良好な電力変動補償効果が得られる。これにより電力貯蔵装置の充放電量の平均的な偏りを補正し貯蔵電力量が長期的に上下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補償電力のステップ的変化を平滑化し、より効果的な電力変動補償が可能となる。
なお、第2の態様では補正信号の加算後、急峻な変動を平滑化するフィルタを新たに設ける必要があるが、新たに設けるフィルタの時定数は補償目標値演算部におけるフィルタの時定数とは無関係に自由に設定できる利点がある(但し、新たに設けるフィルタの時定数≦補償目標値演算部におけるフィルタの時定数であることが必要である)。
上記した本発明による第3、第6および第9の態様によれば、貯蔵電力量と目標貯蔵電力量との差異に応じて常に補正信号を加算する方式ではないため、貯蔵電力量が目標貯蔵電力量をまたいで増減を繰り返した場合に補償すべき電力変動成分自体が縮小されるといった問題は生じない。
また、補正開始しきい値と補正終了しきい値を別々に設定するため、一旦補正を開始した場合は貯蔵電力量レベルが(補正終了しきい値にかかるほど)大きく改善しない限り、補正が終了することはなく、また補正が終了した後、貯蔵電力量レベルが(補正開始しきい値にかかるほど)大きく悪化しない限り、補正が再開することはないため、結果頻繁に補正動作が入り切りし、良好な出力変動補償効果が得られないといった問題は生じない。
これにより電力貯蔵装置の充放電量の平均的な偏りを補正し貯蔵電力量が長期的に上下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、より効果的な電力変動補償が可能となる。
このように、本発明の電力安定化技術によれば、電力貯蔵装置の充放電量の平均的な偏りを補正し貯蔵電力量が長期的に上下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補正信号によるステップ的外乱が発生せず、補償すべき電力変動成分自体が縮小することが無く、頻繁に補正動作が入り切りすることが無い、より効果的な電力変動補償が可能となる。
本発明によれば、電力貯蔵装置の貯蔵電力量が長期的に上限値および/または下限値で張り付くことを防止し、電力貯蔵装置の充放電による出力変動補償効果を確実に得ることが可能となる。
また、電力貯蔵装置の貯蔵電力量が長期的に上限値および/または下限値で張り付くことを防止しつつ、より効果的な電力変動補償が可能となる。
参考例1である電力安定化システムの構成の一例を示す概念図である。 参考例1である電力安定化システムの一部をより詳細に例示したブロック図である。 参考例2における電力貯蔵装置を用いた電力安定化システムの構成を示すブロック図である。 参考例2の電力安定化システムの一部をより詳細に例示したブロック図である。 参考例2における電力貯蔵装置を用いた電力安定化システムの構成の変形例を示すブロック図である。 参考例2の変形例の電力安定化システムの一部をより詳細に例示したブロック図である。 本発明の実施の形態1における電力貯蔵装置を用いた電力安定化システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の電力安定化システムの一部をより詳細に例示したブロック図である。 本発明の実施の形態2における電力貯蔵装置を用いた電力安定化システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2の電力安定化システムの一部をより詳細に例示したブロック図である。 本発明の実施の形態3である電力安定化システムにおける補正信号演算部の構成および作用の一例を示す概念図である。 参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の貯蔵電力量の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の貯蔵電力量の推移のシミュレーション結果を比較して示す線図である。 参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の補正信号の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の補正信号のシミュレーション結果を比較して示す線図である。 参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の補償目標値の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の補償目標値の実測波形を比較して示す線図である。 参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の補償電力の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の補償電力の実測波形を比較して示す線図である。 参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の補償後の分散型電源有効電力の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の補償後の分散型電源有効電力の実測波形とを比較して示す線図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
尚、本発明は、交流電力系統の有効電力変動を抑制する電力安定化システムに関するものであり、以下の説明では、上記自然エネルギーを利用した分散型電源が接続された交流電力系統を例にするが、この例に限らない。本発明の電力安定化システムは、負荷変動やマイクログリッド連系運転時の連系点潮流変動等、交流電力系統の有効電力変動を抑制する目的であれば適用できる。また、以下の説明では、上記自然エネルギーを利用した分散型電源の一例として、風力発電機を例にして説明するが、この例に限らず、例えば太陽光発電等であってもよい。
(参考例1)
図1は、参考例1における電力安定化システムの構成の一例を示す概念図であり、図2は、参考例1の電力安定化システムの一部をより詳細に例示したブロック図である。
図1に例示された電力安定化システム100は、電力貯蔵装置140、電力変換器141、制御装置150からなる。電力貯蔵装置140、電力変換器141は、電力ケーブル120、変圧器122および変圧器123を介して電力系統110に接続する。
電力貯蔵装置140は、例えばフライホイール、二次電池、キャパシタ等である。
電力変換器141は、制御装置150からの電力変換器出力指令値PO(ここでは、電力貯蔵装置140から電力を放出する方向を、“正”とする)に基づいて、電力系統110と電力貯蔵装置140との間で電力の授受を行う。電力貯蔵装置140がフライホイールである場合は、フライホイール側の交流電力と電力系統110側の交流電力を双方向に変換し、電力貯蔵装置140が二次電池・キャパシタ等である場合には、二次電池・キャパシタ側の直流電力と電力系統110の側の交流電力を双方向に変換する。
また、ここでは自然エネルギーを利用した分散型電源の出力変動補償を行う場合を想定し、風力発電機130が、電力ケーブル120、変圧器121を介して電力系統110に接続されているとする。
なお、風力発電機130の出力変動の抑制に限らず、上述の通り、図1においてマイクログリッド連系点(この場合、電力ケーブル120の変圧器123に対する接続点)の有効電力を検出することにより、連系点潮流変動の抑制等にも応用できる。
制御装置150は、有効電力検出部151、補償目標値演算部152、補償電力演算部153、電力変換器制御部154、貯蔵電力量検出部155、補正信号演算部156、加算部157等を有する。
制御装置150は、特に図示しないが、CPU等と、メモリや各種記憶媒体(ハードディスク等)等の記憶装置等を備えたコンピュータで構成されており、上述の有効電力検出部151、補償目標値演算部152、補償電力演算部153、電力変換器制御部154、貯蔵電力量検出部155、補正信号演算部156、加算部157等による処理(後述する)は、たとえば、CPUが記憶装置に記憶されている所定のアプリケーションプログラム(電力安定化制御プログラム)を読出して実行することにより実現することができる。
あるいは、制御装置150の有効電力検出部151、補償目標値演算部152、補償電力演算部153、電力変換器制御部154、貯蔵電力量検出部155、補正信号演算部156、加算部157等による処理を専用回路等のハードウェアによって実現してもよい。
また、ハードウェアによって実現する場合、プログラマブルコントローラ等のディジタル回路を用いて制御してもよいし、オペアンプ等によるアナログ制御回路で実現してもよい。
有効電力検出部151は、電圧検出部151a、電流検出部151bを備えており、風力発電機130の出力端の電圧・電流値に基づいて風力発電機130の有効電力計測値PGを検出する。
貯蔵電力量検出部155は、電力貯蔵装置140の貯蔵電力量Esを、直接あるいは間接的に検出/算出する。例えば電力貯蔵装置140がフライホイールである場合は、フライホイール回転数を検出し、二次電池・キャパシタ等である場合は端子電圧を検出して、該検出結果に基づいて貯蔵電力量Esを算出する。
補正信号演算部156は、貯蔵電力量の大きさに応じて有効電力計測値PGを補正する補正信号Pcを演算する。
すなわち、補正信号演算部156は、貯蔵電力量Esが上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、貯蔵電力量Esが下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、有効電力計測値PGを補正する補正信号Pcを演算する。
この補正信号演算部156のより詳細な構成および原理は後述の実施の形態3の実施形態にて説明する。
参考例1の場合、補正信号演算部156で求めた補正信号Pcを、補償目標値演算部152の前段に配置された加算部157において、有効電力計測値PGに加算して補正有効電力PG’を求め、補償目標値演算部152に入力する。
補償目標値演算部152は、図2に例示されるようなローパスフィルタ等の変動分を除去する有効電力変動成分除去フィルタ152a、或いは移動平均等の平滑化処理により、補正有効電力PG’から有効電力変動成分を除去し補償目標値PAを演算する。
有効電力変動成分除去フィルタ152aは、一例として時定数TFの一次遅れ要素の伝達関数からなる。
ただし、有効電力変動成分除去フィルタ152aとしては、有効電力変動成分を除去する機能を有していれば、何次のローパスフィルタを用いても良く、あるいは、一次ローパスフィルタを何段か直列させる構成でも良く、あるいは、移動平均処理により変動成分除去を行う構成としてもよい。
補償電力演算部153は、補償目標値PAから有効電力計測値PGを減算することにより、補償電力ΔPG(ここでは、電力貯蔵装置140から電力を放出する方向を、“正”とする)を演算する。
電力変換器制御部154は、補償電力ΔPGの大きさに応じて変換器への指令値である電力変換器出力指令値POを生成する。
上述の構成の参考例1の制御装置150の特徴は、有効電力計測値PGに補正信号
Pcを加算した補正有効電力PG’を補償目標値演算部152の入力値とすることにある。
有効電力計測値PGに補正信号Pcを加算することによって、補正信号の加算開始時、或いは加算終了時に補正有効電力PG’はステップ的に変化する。しかし、後段の補償目標値演算部152において補正有効電力PG’から有効電力変動成分を除去する際、補正信号の加算に起因する補正有効電力の変動成分の内、高い周波数成分は、有効電力変動成分除去フィルタ152aにて除去される。結果、補償目標値PAにおいては補正信号Pcによるステップ的変化が平滑化され、良好な電力変動補償効果が得られる。加えて補正信号Pcによるステップ的変化を平滑化するためのフィルタを新たに設ける必要がない。
これにより、電力貯蔵装置140の充放電量の平均的な偏りを補正し、貯蔵電力量Esが長期的に上限値および/または下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補償電力ΔPGのステップ的変化を平滑化し、より効果的な電力変動補償が可能となる。
(参考例2)
続いて、図3、図4、図5、図6に参考例2における電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムの構成図を示す。
上述の参考例1との違いは、補正信号を加算する位置、及び補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタ158に通した後で補償目標値に加算する点にある。
すなわち、図3および図4の例では、制御装置150Aにおいて、補償目標値演算部152と補償電力演算部153の間に、加算部157を設け、この加算部157において、補償目標値演算部152から出力される補償目標値PAに対して、フィルタ158を介して補正信号Pcを加え、得られた補正補償目標値PA’を補償電力演算部153に入力している。
また、図5および図6の例では、制御装置150Bの補償電力演算部153の後段に加算部157を設け、この加算部157において、補償電力演算部153から出力される補償電力ΔPGに対して、フィルタ158を介して補正信号Pcを加え、得られた補正補償電力ΔPG’を電力変換器制御部154に入力している。
上述の参考例1では新たなフィルタを設ける必要は無い一方、補正信号による効果は補償目標値演算部152における有効電力変動成分除去フィルタ152aの時定数の影響を受ける。
これに対し、この参考例2では補正信号の急峻な変動を平滑化するフィルタを新たに設ける必要があるが、新たに設けるフィルタ158の時定数Tcは補償目標値演算部152におけるフィルタの時定数TFとは無関係に自由に設定できる。
参考例2の場合には、補正信号Pcを、急峻な変動を平滑化するフィルタ158に通すことによって、補正信号Pcの加算開始時、或いは加算終了時における補正補償目標値PA’または補正補償電力ΔPG’のステップ的変化が平滑化され、良好な電力変動補償効果が得られる。
これにより電力貯蔵装置140の充放電量の平均的な偏りを補正し、貯蔵電力量Esが長期的に上限値や下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補償電力のステップ的変化を平滑化し、より効果的な電力変動補償が可能となる。
(実施の形態1)
続いて、図7および図8に、実施の形態1における電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムの構成図を示す。
図7の電力安定化システムは、電力貯蔵装置140、電力変換器141、制御装置150Cからなり、電力ケーブル120、変圧器123を介して電力系統110に接続する。
電力貯蔵装置140、電力変換器141については、上述の参考例1で説明した形態と同じであるため、説明は省略する。
また参考例1での説明と同様に、自然エネルギーを利用した分散型電源の出力変動補償を行う場合を想定し、風力発電機130が変圧器121、電力ケーブル120を介して電力系統110に接続されているとする。
制御装置150Cは、有効電力検出部151、貯蔵電力量検出部155、補正信号演算部156、補償電力演算部153、電力変換器制御部154等を有する。その内、有効電力検出部151、貯蔵電力量検出部155、補正信号演算部156については上述の参考例1で説明した形態と同じであるため、説明は省略する。
図8に例示されるように、本実施の形態1における補償電力演算部153は、たとえば、時定数がTFの一次遅れ微分要素の伝達関数で構成されるハイパスフィルタ等からなる
有効電力変動成分抽出フィルタ153aにより、有効電力計測値PGから有効電力変動成分を抽出し補償電力ΔPG(ここでは、電力貯蔵装置140から電力を放出する方向を、“正”とする)を演算する。
有効電力変動成分抽出フィルタ153aとしては、有効電力変動成分を抽出する機能を有していれば、何次のハイパスフィルタを用いても良く、あるいは、一次ハイパスフィルタを何段か直列させる構成でも良い。
補正信号演算部156で求めた補正信号Pcを急峻な変動を平滑化するフィルタ158に通した上で、補償電力ΔPGに加算して補正補償電力ΔPG’を求め、電力変換器制御部154に入力する。
電力変換器制御部154は、補正補償電力ΔPG’の大きさに応じて電力変換器141への指令値である電力変換器出力指令値POを生成する。
上述のように、本実施の形態1の制御装置150Cの特徴は、補正信号演算部156において演算した補正信号Pcを、急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、補償電力ΔPGに加算することにある。
補償電力演算部153にてハイパスフィルタ等により有効電力計測値PGから有効電力変動成分を抽出し補償電力ΔPGを求める場合、補正信号Pcはハイパスフィルタの前段に加算することはできず、補償電力ΔPGに加算する必要がある。ここで補正信号Pcを、急峻な変動を平滑化するフィルタ158に通すことによって、補正信号の加算開始時、或いは加算終了時のステップ的変化が平滑化され、良好な電力変動補償効果が得られる。
本実施の形態1によれば、電力貯蔵装置140の充放電量の平均的な偏りを補正し、貯蔵電力量Esが長期的に上限値および/または下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補償電力のステップ的変化を平滑化し、より効果的な電力変動補償が可能となる。
(実施の形態2)
続いて、図9および図10に、実施の形態2における電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムの構成図を示す。
上述の参考例1との違いは、補正信号を加算する位置、及び補正信号を加算した後急峻な変動を平滑化するフィルタに通す点にある。
すなわち、本実施の形態2の制御装置150Dにおいては、補償目標値演算部152と補償電力演算部153との間に、加算部157およびフィルタ158を直列に配置している。
補償目標値演算部152から出力される補償目標値PAは、加算部157において補正信号Pcが加算され、補正補償目標値PA’としてフィルタ158を通過し、平滑化された後に補償電力演算部153に入力される。
上述の参考例1では新たなフィルタを設ける必要は無い一方、補正信号による効果は補償目標値演算部152における有効電力変動成分除去フィルタ152aの時定数TFの影響を受ける。
これに対し、図10に例示されるように、本実施の形態2では補正信号の急峻な変動を平滑化するフィルタ158を新たに設ける必要があるが、新たに設けるフィルタ158の時定数Tcは補償目標値演算部152における有効電力変動成分除去フィルタ152aの
時定数TFとは無関係に自由に設定できる。
但し、新たに設けるフィルタ158の時定数Tc≦補償目標値演算部152におけるフィルタの時定数TF、である必要がある。
本実施の形態2の場合には、補償目標値PAに補正信号Pcを加算した後、急峻な変動を平滑化するフィルタ158に通した値を補正補償目標値PA’とし、補償電力演算部153の入力値とするので、補償目標値PAに補正信号Pcを加算した後、急峻な変動を平滑化するフィルタ158に通すことによって、補正信号Pcの加算開始時、或いは加算終了時の補正補償目標値PA’のステップ的変化が平滑化され、良好な電力変動補償効果が得られる。
これにより電力貯蔵装置140の充放電量の平均的な偏りを補正し、貯蔵電力量Esが長期的に上限値および/または下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補償電力のステップ的変化を平滑化し、より効果的な電力変動補償が可能となる。
(実施の形態3)
図11に実施の形態3である電力安定化システムにおける補正信号演算部156の構成図を示す。なお、図11に記載の補正信号演算部156の構成は、上述の参考例1,2および実施の形態1,2における補正信号演算部156に共通して適用できる。
補正信号演算部156は、貯蔵電力量検出部155で算出した貯蔵電力量Esを入力とし、補正信号Pc(信号の性質としては電力に相当)を出力する。
補正信号演算部156において、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを設ける。
そして、電力貯蔵装置140における貯蔵電力量Es(電力貯蔵能力)の許容運転範囲内(たとえば、フライホイールでは回転数の上下限と下限値の間、二次電池では端子電圧の上下限と下限値の間)で、LS<LE<HE<HS、となるように設定する。
また、低貯蔵電力量時の補正信号Pcm(≦0.0)及び高貯蔵電力量時の補正信号Pcp(≧0.0)を設定する。
本実施の形態3の場合には、貯蔵電力量Esと、LS、LE、HE、HSの各々との関係に基づいて、補正信号演算部156から、補正信号Pcとして、補正信号Pcm、0(零)、補正信号Pcpのいずれかが出力される。
補正信号演算部156は、貯蔵電力量Esが低下し低貯蔵電力量時補正開始しきい値LSを下回った場合に、補正信号Pcとして補正信号Pcmの出力を開始する。補正信号Pcmはマイナスの信号であるため、電力変換器出力指令値POが補正信号Pcm分だけ電力貯蔵装置140に充電する方向にシフトすることになり、貯蔵電力量Esの平均的な低下を解消することができる。
その後、貯蔵電力量Esが上昇し低貯蔵電力量時補正終了しきい値LEを上回った場合に、補正信号演算部156は、その補正信号Pcmの出力を停止する。すなわち補正信号Pcは零になる。
同様に、補正信号演算部156は、貯蔵電力量Esが上昇し高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを上回った場合に、補正信号Pcとして補正信号Pcpの出力を開始する。補正信号Pcpはプラスの信号であるため、電力変換器出力指令値POが補正信号Pcp分だけ電力貯蔵装置140から放電する方向にシフトすることになり、貯蔵電力量Esの平均的な上昇を解消することができる。
その後、貯蔵電力量Esが低下し高貯蔵電力量時補正終了しきい値HEを上回った場合に、補正信号演算部156は、その補正信号Pcpの出力を停止する。すなわち補正信号Pcは零になる。
上述の各参考例および本発明の各実施の形態の構成の電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムによれば、貯蔵電力量と目標貯蔵電力量との差異に応じて常に補正信号を加算する方式ではないため、貯蔵電力量が目標貯蔵電力量をまたいで増減を繰り返した場合に補償すべき電力変動成分自体が縮小されるといった問題は生じない。
また、補正開始しきい値と補正終了しきい値を別々に設定するため、一旦補正を開始した場合は貯蔵電力量レベルが(補正終了しきい値にかかるほど)大きく改善しない限り、補正が終了することはなく、また補正が終了した後、貯蔵電力量レベルが(補正開始しきい値にかかるほど)大きく悪化しない限り、補正が再開することはないため、結果として頻繁に補正信号演算部156による補正動作が入り切り(ON/OFF)し、良好な出力変動補償効果が得られないといった問題は生じない。
これにより電力貯蔵装置140の充放電量の平均的な偏りを補正し貯蔵電力量Esが長期的に上限値および/または下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、風力発電機130の出力変動に際して、より効果的な電力変動補償が可能となる。
以上説明した電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムの上記効果について、以下、本発明者による検証結果について示す。
ここでは、参考例1、実施の形態3に基づいた電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムにおいて、補正制御(以下「参考例1および実施の形態3による補正制御」と記す)を行った実測波形を示す。なお、参考例1および実施の形態3による補正制御では、参考例1における電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムにおいて、実施の形態3に基づいて補正信号Pcを演算し、補償目標値演算部152に入力する有効電力計測値PGに補正信号Pcを加算する。
また比較のため、補償目標値演算部152に上下限しきい値(補正開始しきい値と補正終了しきい値に分けない)設け、これを超えた場合に補正信号Pc’を出力し、補償目標値PAに補正信号Pc’を加算する場合(以下「従来技術による補正制御」と記す)のシミュレーション結果を併せて示す。
なお、実機において制御装置150内の構成を変えることは難しく、仮に構成を変更したとしても、補償対象である風力発電機130の出力は風任せで再現できないため、ここでは、従来技術による補正制御を行った場合の電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システムをモデル化し、実機において計測した風力発電機130の出力データを入力することで(つまり、同じデータを入力する)、上記シミュレーション結果を得ている。
図12に、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の貯蔵電力量Es(図12中のEs)の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の貯蔵電力量Es(図12中のEs’)のシミュレーション結果を示す。
図12の波形より、従来技術による補正制御を行った場合、および本発明による補正制御を行った場合のいずれも、貯蔵電力量Esが上限値に達するのを防止するように動作していることが分かる。
図13に、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の補正信号Pc(図13の中のPc)の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の補正信号Pc’(図13の中のPc’)のシミュレーション結果を示す。
図13の波形より、従来技術による補正制御を行った場合、経過時間の7800秒近辺から8700秒近辺まで補正信号Pc’が加算されるが、8000秒前後において貯蔵電力量Esが補償目標値演算部152の下限しきい値近傍で細かく増減することにより、補正動作が頻繁に入り切り(ON/OFF)していることが分かる。
一方、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合、経過時間の7400秒近辺から9700秒近辺まで補正信号Pcが加算されている。補正開始しきい値と補正終了しきい値が、上述のようにLS、LE、HE、HSに分かれて設定されるため、従来技術による補正制御に比べ補正信号Pcを加算している時間は長いが、補正信号演算部156における補正動作が頻繁に入り切りする現象は発生しない事が分かる。
図14に、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の補償目標値PA(図14の中のPa)の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の補償目標値PA(図14の中のPa’)のシミュレーション結果と、補正を全く行わない場合の補償目標値PA(図14の中のPao)のシミュレーション結果を示す。
図14の波形より、従来技術による補正制御を行った場合、経過時間が7800秒近辺で補正信号Pcが加算される時、また8700秒近辺で補正信号Pcの加算が終了する時、補償目標値PA(Pao)がステップ的に変化している。また8000秒前後において補
正動作が頻繁に入り切り(ON/OFF)することにより、補償目標値PAもハンチングを起こしていることが分かる。
一方、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合、7400秒近辺で補正信号Pcが加算されているが、補償目標値演算部152の有効電力変動成分除去フィルタ152aによりステップ的変化が平滑化され、補正を全く行わない場合の補償目標値PA(図14の中のPao)に対し緩やかに増加していることが分かる。
図15に、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の補償電力ΔPG(図15の中のΔPg)の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の補償電力ΔPG(図15の中のΔPg’)のシミュレーション結果を示す。
図15の波形より、従来技術による補正制御を行った場合、経過時間が7800秒近辺及び8700秒近辺で補償電力ΔPg’がステップ的に変化している。また8000秒前後において補償電力ΔPg’がハンチングを起こしていることが分かる。
一方、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合には、補償電力ΔPG(ΔPg)では、ステップ的な急峻な変化や、ハンチングが発生していないことが分かる。
図16に、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の補償後の分散型電源有効電力(PG+ΔPG)(図16の中のPg+ΔPg)の実測波形と、従来技術による補正制御を行った場合の補償後の分散型電源有効電力(PG+ΔPG)(図16の中のPg+ΔPg’)のシミュレーション結果、及び(補償前の)有効電力計測値PG(図16の中のPg)を示す。
図16の波形より、従来技術による補正制御を行った場合、電力変動の平滑化は行われているが、経過時間の7800秒近辺及び8700秒近辺で補償後の分散型電源有効電力(Pg+ΔPg’)がステップ的に変化している。また8000秒前後において補償後の分散型電源有効電力(Pg+ΔPg’)がハンチングを起こしていることが分かる。
一方、参考例1および実施の形態3による補正制御を行った場合の分散型電源有効電力(Pg+ΔPg)では、ステップ的に変化やハンチングが発生せず、分散型電源(風力発電機130)の有効電力の変動が平滑化されていることが分かる。
なお、実施形態1および実施の形態3による補正制御を行った場合、実施形態2および実施の形態3による補正制御を行った場合、のいずれにおいても参考例1および実施の形態3と同様の効果が得られることは、以上の説明から自明な事項である。
以上説明したように、参考例および本発明における上述の各実施の形態に開示された電力貯蔵装置140を用いた電力安定化システム100によれば、電力貯蔵装置140の充放電量の平均的な偏りを補正し貯蔵電力量Esが長期的に上限値および/または下限値で張り付いてしまう状態を防止しつつ、補正信号Pcの加算による、補償目標値PA、補償電力ΔPG、補償後の分散型電源有効電力(Pg+ΔPg)等の急峻なステップ的変化やハンチングの発生を防止することができる。
この結果、電力貯蔵装置140の運転許容範囲内でより効率的で効果的に、風力発電機130の出力変動等に起因する電力系統110の電力変動補償が可能な、電力貯蔵装置140を用いた電力変動補償システムとを提供できる。
なお、本発明は、上述の参考例および実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
100 電力安定化システム
110 電力系統
120 電力ケーブル
121 変圧器
122 変圧器
123 変圧器
130 風力発電機
140 電力貯蔵装置
141 電力変換器
150 制御装置
150A 制御装置
150B 制御装置
150C 制御装置
150D 制御装置
151 有効電力検出部
151a 電圧検出部
151b 電流検出部
152 補償目標値演算部
152a 有効電力変動成分除去フィルタ
153 補償電力演算部
153a 有効電力変動成分抽出フィルタ
154 電力変換器制御部
155 貯蔵電力量検出部
156 補正信号演算部
157 加算部
158 フィルタ
Es 貯蔵電力量
HE 高貯蔵電力量時補正終了しきい値
HS 高貯蔵電力量時補正開始しきい値
LE 低貯蔵電力量時補正終了しきい値
LS 低貯蔵電力量時補正開始しきい値
PA 補償目標値
PA’ 補正補償目標値
Pc 補正信号
Pc’ 補正信号
Pcm 正の補正信号
Pcp 負の補正信号
PG 有効電力計測値
PG’ 補正有効電力
PO 電力変換器出力指令値
ΔPG 補償電力
ΔPG’ 補正補償電力

Claims (9)

  1. 電力を貯蔵し、交流電力系統に対して電力の吸収または放出を行う電力貯蔵装置と、
    前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間で入出力される前記電力を相互に変換する電力変換器と、
    前記交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように前記電力変換器の変換動作を制御する制御装置と、
    を含む電力安定化システムであって、
    前記制御装置は、
    前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、
    前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、
    前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出し、補償電力を算出する補償電力演算手段と、
    前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、
    前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力とする加算手段と、
    前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、
    を含むことを特徴とする電力安定化システム。
  2. 電力を貯蔵し、交流電力系統に対して電力の吸収または放出を行う電力貯蔵装置と、
    前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間で入出力される前記電力を相互に変換する電力変換器と、
    前記交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように前記電力変換器の変換動作を制御する制御装置と、
    を含む電力安定化システムであって、
    前記制御装置は、
    前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、
    前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、
    有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出する補償目標値演算手段と、
    前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、
    前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力するフィルタと、
    前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出する補償電力演算手段と、
    前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、
    を含むことを特徴とする電力安定化システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力安定化システムにおいて、前記補正信号演算手段では、
    前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、
    貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、前記補正信号の出力を停止し、
    貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、前記補正信号の出力を停止するよう動作することを特徴とする電力安定化システム。
  4. 交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、
    前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、
    前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出し、補償電力を算出する補償電力演算手段と、
    前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、
    前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力とする加算手段と、
    前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、
    を実現させることを特徴とする電力安定化制御プログラム。
  5. 交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出する有効電力検出手段と、
    前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出する貯蔵電力量検出手段と、
    有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出する補償目標値演算手段と、
    前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算する補正信号演算手段と、
    前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力するフィルタと、
    前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出する補償電力演算手段と、
    前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御する電力変換器制御手段と、
    を実現させることを特徴とする電力安定化制御プログラム。
  6. 請求項4または請求項5に記載の電力安定化制御プログラムにおいて、前記補正信号演算手段では、
    前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、
    貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、前記補正信号の出力を停止し、
    貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に前記補正信号の出力を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、前記補正信号の出力を停止するよう動作することを特徴とする電力安定化制御プログラム。
  7. 交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御方法であって、
    前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出し、
    前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出し、
    前記有効電力計測値から有効電力変動成分を抽出して補償電力を算出し、
    前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償電力を補正する補正信号を演算し、
    前記補正信号を急峻な変動を平滑化するフィルタに通した後、前記補償電力に加算して補正補償電力を演算し、
    前記補正補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御することを特徴とする電力安定化制御方法。
  8. 交流電力系統の有効電力の変動を抑制するように、電力変換器を介して電力貯蔵装置と交流電力系統との間における充電および放電を制御する電力安定化制御方法であって、
    前記交流電力系統の有効電力を有効電力計測値として検出し、
    前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量またはそれに相当する信号を検出し、
    有効電力計測値から有効電力変動成分を除去し、補償目標値を算出し、
    前記貯蔵電力量が上限値に近づいた場合には貯蔵電力を放電する方向に、前記貯蔵電力量が下限値に近づいた場合には貯蔵電力を充電する方向に、前記補償目標値を補正する補正信号を演算し、
    前記補償目標値に補正信号を加算して得られた値の急峻な変動を平滑化して補正補償目標値として出力し、
    前記補正補償目標値から有効電力計測値を減算して補償電力を算出し、
    前記補償電力の大きさに応じた電力変換器出力指令値によって前記電力変換器の変換動作を制御することを特徴とする電力安定化制御方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の電力安定化制御方法において、前記電力貯蔵装置の貯蔵電力量の範囲の中で、低貯蔵電力量時補正開始しきい値LS、低貯蔵電力量時補正終了しきい値LE、高貯蔵電力量時補正終了しきい値HE、高貯蔵電力量時補正開始しきい値HSを、LS<LE<HE<HS、となるように設定し、
    貯蔵電力量が低下し前記LSを下回った場合に前記電力貯蔵装置が充電される方向に充電電力の補正を開始し、その後、貯蔵電力量が上昇し前記LEを上回った場合に、充電電力の前記補正を停止し、
    貯蔵電力量が上昇し前記HSを上回った場合に前記電力貯蔵装置から放電する方向に放電電力の補正を開始し、その後、貯蔵電力量が減少し前記HEを下回った場合に、放電電力の前記補正を停止するよう動作することを特徴とする電力安定化制御方法。
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