JP5766633B2 - 出力平滑化装置、出力平滑化方法及びプログラム - Google Patents
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Description
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による出力平滑化装置100を備える発電システムの構成を示す概略ブロック図である。
発電システムは、出力平滑化装置100及び発電装置110を備える。
発電装置110は、メガソーラやウインドファームなどの自然エネルギーを用いて発電を行う。また、発電装置110は、電力系統及び電力変換装置120に接続され、電力系統及び電力変換装置120に発電した電力を供給する。
電力変換装置120は、発電装置110及び電力系統に接続され、電力系統の交流電力を直流電力に変換し、また二次電池130が出力する電力を交流電力に変換する。
二次電池130は、電力変換装置120が直流電力に変換した電力を充電し、また蓄積した電力を電力変換装置120に出力する。
充放電制御装置140は、発電装置110の発電電力に基づいて二次電池130の充放電を制御することで、電力系統に出力する電力を平滑化する。
充放電制御装置140は、充電率推定部141、適正化電力算出部142、発電電力計測部143、平滑化電力算出部144、充放電制御部145を備える。
充電率推定部141は、二次電池130の電圧または電流もしくはその組み合わせに基づいて二次電池130の充電率を推定する。
適正化電力算出部142は、二次電池130の目標充電率(例えば50%)から充電率推定部141が推定した充電率を減じた値を入力としてPD制御を行うことで、充電率の一定制御のための充電率適正化電力を算出する。つまり、適正化電力算出部142は、二次電池130の現在の充電率に対して単調非増加な値を入力として、充電率適正化電力を算出する。
発電電力計測部143は、発電装置110が発電した電力を計測する。
平滑化電力算出部144は、発電電力計測部143が計測した発電電力から適正化電力算出部142が算出した充電率適正化電力を減算し、当該電力を平滑化した平滑化電力を算出する。本実施形態では、平滑化電力算出部144は、過去一定時間の間における発電電力の高周波成分を除去する一次遅れフィルタを用いて、平滑化電力を算出するが、これに限られず、移動平均などの他の方法で平滑化電力を算出することができる。
充放電制御部145は、平滑化電力算出部144が算出した平滑化電力と発電電力計測部143が計測した発電電力とに基づいて、二次電池130を充放電する。
図2は、本発明の第1の実施形態による充放電制御装置140による充放電電力の算出ロジックを示す制御ブロック図である。
まず適正化電力算出部142は、充電率推定部141が推定した二次電池130の現在の充電率を取得し、目標充電率から当該充電率を減算する(ステップS1)。次に、適正化電力算出部142は、ステップS1で算出した値を入力として、微分ゲイン=Kd、時定数=Tdの不完全微分制御(近似微分)によるD制御を行う(ステップS2)。なお、不完全微分制御とは、微分ゲイン=Kdの微分演算に時定数=Tdの一次遅れフィルタをかけたものであり、完全微分制御と比較して高周波変動成分やノイズによる過大な出力変動の発生を防ぐことができる。
これは、発電電力が平滑化電力より大きい場合に、充放電制御部145が発電電力と平滑化電力の差の電力を二次電池130に充電することと等価である。またこれは、発電電力が平滑化電力より小さい場合に、充放電制御部145が発電電力と平滑化電力の差の電力を二次電池130から放電させることと等価である。
二次電池130の充電率を速やかに行うには、適正化電力算出部142が算出する充電率適正化電力について平滑化電力算出部144の平滑化演算によって生じる遅れを無くす必要がある。したがって、平滑化演算に用いる関数の逆関数となる制御を充電率適正化電力に行うことで、平滑化電力算出部144の平滑化演算によって生じる遅れを無くすことができる。
次に、本発明の第2の実施形態による出力平滑化装置100について説明する。
適正化電力算出部142においてPD制御を行う場合、充電率が目標充電率より低いのに、適正化電力算出部142によるD制御(ステップS2)の出力値が負の値(放電を示す)となる可能性、また充電率が目標充電率より高いのに、D制御の出力値が正の値(充電を示す)となる可能性がある。そこで、第2の実施形態による出力平滑化装置100は、充電率が目標充電率より低い場合に、D制御の出力値が負の値とならず、かつ充電率が目標充電率より高い場合に、D制御の出力値が正の値にならないよう制御する。
第2の実施形態による充放電制御装置140は、適正化電力算出部142の動作が第1の実施形態による充放電制御装置140と異なる。
以下、第2の実施形態による充放電制御装置140の動作について説明する。なお、第1の実施形態による充放電制御装置140の同じ動作をするステップは、同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、第1の実施形態によれば、充電率と目標充電率の差分に対してステップS4の比例ゲインKpによるP制御のみを行うことで充電率適正化電力を算出した場合と比較して、充電率の変動幅が小さくなることが分かる。また、第2の実施形態の充放電制御装置140は、ステップS11〜S13のリミット制御を行うことで、第1の実施形態より更に充電率の変動幅が小さくなることが分かる。
例えば、上述した実施形態では、平滑化演算に一次遅れフィルタを用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、時定数(積分時間)=Kdで積分制御を行うなど、適正化電力算出部142によるD制御の微分ゲインと等しい時定数を用いる他の方法で平滑化を行っても良い。また、実際には発電電力検出部の検出遅れや一般的なデジタルコントローラの制御遅れ等も介在するため、これらのパラメータを考慮したうえで平滑化演算の方法を決定しても良い。
Claims (7)
- 発電装置が発電した電力を平滑化して電力系統に出力させる出力平滑化装置であって、
前記発電装置及び電力系統に接続される二次電池の目標充電率から前記二次電池の推定された充電率を減じた値を入力として、所定の微分ゲインを用いたD制御を行うことで、充電率適正化電力を算出する適正化電力算出部と、
前記発電装置の発電電力から前記充電率適正化電力を減算した電力を入力として、前記適正化電力算出部のD制御に用いる微分ゲインと同じ値の時定数を用いた平滑化演算を行うことで、平滑化電力を算出する平滑化電力算出部と、
前記発電装置の発電電力が前記平滑化電力より大きい場合に、前記発電電力と前記平滑化電力の差の電力を前記二次電池に充電し、前記発電装置の発電電力が前記平滑化電力より小さい場合に、前記発電電力と当該平滑化電力の差の電力を前記二次電池から放電させる充放電制御部と
を備えることを特徴とする出力平滑化装置。 - 前記平滑化電力算出部は、前記発電装置の発電電力から前記充電率適正化電力を減算した電力を所定の許容供給電力範囲内に抑制し、当該抑制した電力を入力として、前記平滑化演算を行うことで、前記平滑化電力を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の出力平滑化装置。 - 前記適正化電力算出部は、
前記二次電池の現在の充電率が当該二次電池の目標充電率未満である場合に、前記D制御の出力を0以上の値に抑制することで前記充電率適正化電力を算出し、前記二次電池の現在の充電率が当該二次電池の目標充電率より大きい場合に、前記D制御の出力を0以下の値に抑制することで前記充電率適正化電力を算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出力平滑化装置。 - 前記適正化電力算出部は、前記二次電池の目標充電率から前記二次電池の推定された充電率を減じた値を入力として、前記微分ゲイン及び値が1の比例ゲインを用いたPD制御により前記充電率適正化電力を算出し、
前記平滑化電力算出部は、前記適正化電力算出部のD制御に用いる微分ゲインと同じ値の時定数の一次遅れ制御によって平滑化演算を行うことで前記平滑化電力を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の出力平滑化装置。 - 前記適正化電力算出部は、不完全微分を用いて前記D制御を実行する
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の出力平滑化装置。 - 発電装置が発電した電力を平滑化して電力系統に出力する出力平滑化方法であって、
前記発電装置及び電力系統に接続される二次電池の目標充電率から前記二次電池の推定された充電率を減じた値を入力として、所定の微分ゲインを用いたD制御を行うことで、充電率適正化電力を算出するステップと、
前記発電装置の発電電力から前記充電率適正化電力を減算した電力を入力として、前記D制御に用いる微分ゲインと同じ値の時定数を用いた平滑化演算を行うことで平滑化電力を算出するステップと、
前記発電装置の発電電力が前記平滑化電力より大きい場合に、前記発電電力と前記平滑化電力の差の電力を前記二次電池に充電し、前記発電装置の発電電力が前記平滑化電力より小さい場合に、前記発電電力と当該平滑化電力の差の電力を前記二次電池から放電させるステップと、
を有することを特徴とする出力平滑化方法。 - 発電装置が発電した電力を平滑化して電力系統に出力させる出力平滑化装置を、
前記発電装置及び電力系統に接続される二次電池の目標充電率から前記二次電池の推定された充電率を減じた値を入力として、所定の微分ゲインを用いたD制御を行うことで、充電率適正化電力を算出する適正化電力算出部、
前記発電装置の発電電力から前記充電率適正化電力を減算した電力を入力として、前記適正化電力算出部のD制御に用いる微分ゲインと同じ値の時定数を用いた平滑化演算を行うことで、平滑化電力を算出する平滑化電力算出部、
前記発電装置の発電電力が前記平滑化電力より大きい場合に、前記発電電力と前記平滑化電力の差の電力を前記二次電池に充電し、前記発電装置の発電電力が前記平滑化電力より小さい場合に、前記発電電力と当該平滑化電力の差の電力を前記二次電池から放電させる充放電制御部
として機能させるためのプログラム。
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