JP2011091670A - 圧電デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性および電気的な接続信頼性に優れた圧電デバイス、および、その製造方法を提供する。
【解決手段】圧電デバイス10において、水晶振動片1は、固定端である基部13の外部接続端子16aが形成された主面とは異なる主面側が、パッケージ20の第3層基板23に設けられた振動片接続電極25a近傍の第2層基板22上に弾性接着剤としてのシリコーン系接着剤39により接着・固定されている。また、水晶振動片1の外部接続端子16aと、パッケージ20の対応する振動片接続電極25aとの双方に接触するように塗布してから固化された導電性接着剤49により、外部接続端子16aと振動片接続電極25aとが電気的に接続されている。パッケージ20の振動片接続電極25aは、水晶振動片1の外部接続端子16aが形成された側の主面よりも下方に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、パッケージ内に圧電振動片が接合された圧電デバイスであって、耐衝撃性および電気的な接続信頼性に優れた圧電デバイス、および、その製造方法に関するものである。
従来より、圧電振動片をパッケージ内に接合して封止した圧電デバイスが、各種電子機器の信号源などとして広く用いられている(例えば、特許文献1を参照)。圧電振動片は、水晶などの圧電基板を所定の角度および厚さに切り出した薄板が固有の共振周波数を有する特性を利用し、その薄板の表面に励振電極などの電極を形成して該電極に電圧を印加し、その電圧による圧電効果によって所定の振動モードで励振させるものである。
圧電デバイスの従来例について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図8において、特許文献1に記載の圧電デバイス(水晶発振器)110は、パッケージ120と、そのパッケージ120内に接合された圧電振動片(水晶片)101と、を有している。
圧電振動片101は、固定端となる基部と、その基部の一端側に延出され自由端となる一対の振動部としての振動腕4,5と、各振動腕に形成された励振電極115と、励振電極115と接続され基部の主面上に設けられた外部との接続に供する外部接続端子116と、を有している。
また、パッケージ120は、略矩形平板状の第1層基板(第1セラミック層)121上に、略矩形環状の第2層基板(第2セラミック層)122および第3層基板(第3セラミック層)123がこの順に積層されることにより形成された凹部と、該凹部内の第2層基板122上に設けられた振動片接続電極(電極パッド)125と、を有している。
そして、パッケージ120の振動片接続電極125と、圧電振動片101の対応する外部接続端子116とを位置合わせした状態でパッケージ120の凹部内に圧電振動片101を載置し、振動片接続電極125と対応する外部接続端子116との両方に接触するように導電性の接合部材としての導電性接着剤149を所定量塗布して固化させることにより、圧電振動片101が電気的に接続された状態でパッケージ120内に収容されている。このように、凹部内に圧電振動片101が接合されたパッケージ120上に、シームリング128などを介して蓋体129が接合され、パッケージ120内部に圧電振動片101が気密封止されている。
特開2006−314083号公報
しかしながら、特許文献1の圧電デバイスでは、パッケージ120の凹部内への圧電振動片101の接合を、導電性接着剤149のみにより行っている。導電性接着剤149は、短絡などの電気的な不具合を回避するために塗布量を多くすることが難しく、特に、近年ますます高まる圧電デバイスの小型化への要求のなかでは塗布量がさらに限られてくるので、圧電振動片101とパッケージ120との機械的な接合強度、および、電気的な接続信頼性の確保ができない虞があるという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例にかかる圧電デバイスは、基部と、前記基部の一端側に延出された振動部と、前記振動部に形成された励振電極と、前記励振電極と接続され前記基部の両主面のうちの少なくとも一方の主面に設けられた外部との接続に供する外部接続端子と、を有する圧電振動片と、凹部と、前記凹部内に設けられた振動片接続電極と、を有するパッケージと、を有し、前記振動片接続電極と前記外部接続端子とが電気的に接続された状態で前記凹部内に前記圧電振動片が接合された圧電デバイスであって、前記基部が、前記振動片接続電極近傍に弾性接着剤により接合され、前記外部接続端子と前記振動片接続電極とが導電性を有する接合部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
上記適用例の圧電デバイスによれば、圧電振動片とパッケージとの接合において、導電性を有する接合部材により電気的な接続を図るとともに、弾性接着剤により機械的な接合を行う構成となっている。ここで、弾性接着剤は一般に、高い接合強度を示すとともに、固化物のゴム弾性が保持されるので、外的な振動や衝撃などが加わった場合の応力を吸収し、接着界面への応力の集中が抑えられる。
これにより、例えば接合部材としての導電性ペーストのみによって電気的な接続および機械的な接合が図られた従来構造の圧電デバイスに比して、パッケージへの圧電振動片の接合強度、および、電気的な接続の信頼性を向上させることができるので、耐衝撃性が高く、且つ、電気的な接続信頼性に優れた圧電デバイスを提供することができる。
〔適用例2〕上記適用例にかかる圧電デバイスにおいて、前記弾性接着剤が、シリコーン系樹脂を主剤もしくは硬化剤として構成された非導電性のシリコーン系接着剤であることを特徴とする。
シリコーン系接着剤は、弾性接着剤として従来より広く用いられているものであり、上記適用例の圧電デバイスにおいて、圧電振動片の機械的な接合強度の向上を図る弾性接着剤として好適である。
しかも、非導電性のシリコーン系接着剤を用いることにより、短絡などの電気的な不具合を防止できるので、接着領域を広くすることが可能となって接合強度をより向上させることができるとともに、製造工程において弾性接着剤塗布領域の細かな管理を必要とせず製造しやすいという効果を奏する。
〔適用例3〕上記適用例にかかる圧電デバイスにおいて、前記導電性を有する接合部材が導電性接着剤であることを特徴とする。
例えば銀ペーストなどの導電性接着剤は、圧電デバイス製造における圧電振動片の接合部材として従来より広く用いられてきたものであり、特に好適である。
〔適用例4〕上記適用例にかかる圧電デバイスにおいて、前記圧電振動片のうち前記凹部の凹底面と対向する主面とは異なる側の主面に前記外部接続端子が設けられ、前記振動片接続電極が、前記外部接続端子よりも前記凹底面側に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、圧電振動片のうち凹部の凹底面と対向する主面側にて、弾性接着剤による圧電振動片とパッケージとの接合を行った後で、圧電振動片の外部接続端子側に導電性の接合部材を供給することにより、その接合部材が、外部接続端子よりも凹底面側に配置された振動片接続電極に流れるので、接合端子と振動片接続電極とを、比較的容易に接合部材によって電気的に接続することができる。
〔適用例5〕上記適用例にかかる圧電デバイスにおいて、前記基部の前記一端側とは異なる側の他端側の前記両主面を接続する側面に、前記両主面の一方から他方に向かって凹設された溝が形成されていることを特徴とする。
上記適用例のように、圧電振動片のうち凹部の凹底面と対向する主面側にて弾性接着剤による圧電振動片とパッケージとの接合を行った後で、圧電振動片の外部接続端子側に導電性の接合部材を供給する構成において、導電性を有する接合部材として、例えば導電性接着剤などのペースト状の接合部材を用いることにより、外部接続端子側に供給した接合部材が溝を伝ってパッケージの振動片接続電極上に流れる。これにより、導電性を有する接合部材が不要な領域に広がり難くなり、振動片接続電極側に選択的に供給することが可能となるので、短絡などの不具合を生じさせることなくパッケージと圧電振動片との電気的な接続を確実に図ることができる。
〔適用例6〕本適用例にかかる圧電デバイスの製造方法は、基部と、前記基部の一端側に延出された振動部と、前記振動部に形成された励振電極と、前記励振電極と接続され前記基部の両主面のうちの少なくとも一方の主面に設けられた外部との接続に供する外部接続端子と、を有する圧電振動片と、凹部と、前記凹部内に設けられた振動片接続電極と、を有するパッケージと、を有し、前記振動片接続電極と前記外部接続端子とが電気的に接続された状態で前記凹部内に前記圧電振動片が接合された圧電デバイスの製造方法であって、圧電体材料を加工して前記圧電振動片の外形を形成する外形形成ステップと、前記励振電極と前記外部接続端子とを形成する電極パターン形成ステップと、を含む圧電振動片製造工程と、前記基部を前記凹部内に弾性接着剤により接合する圧電振動片載置ステップと、前記外部接続端子と前記振動片接続電極とを導電性を有する接合部材を介して電気的に接続する圧電振動片接続ステップと、を含むパッケージ組立工程と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、圧電振動片載置ステップで、圧電振動片をパッケージの凹部内に弾性接着剤により接合し、圧電振動片接続ステップで、導電性を有する接合部材により圧電振動片とパッケージとの電気的な接続を行う。これにより、導電性を有する接合部材により電気的な接続を図るとともに、高い接合強度を示すとともにゴム弾性が保持される弾性接着剤によって、外的な振動や衝撃などが加わった場合の応力を吸収し、接着界面への応力の集中が抑えられた実装構造が実現する。
したがって、例えば接合部材としての導電性ペーストのみによって電気的な接続および機械的な接合を図る従来構造の圧電デバイスに比して、パッケージへの圧電振動片の接合強度、および、電気的な接続の信頼性を向上させることができるので、耐衝撃性が高く、且つ、電気的な接続信頼性に優れた圧電デバイスを製造することができる。
〔適用例7〕上記適用例にかかる圧電デバイスの製造方法において、前記弾性接着剤として、シリコーン系樹脂を主剤もしくは硬化剤として構成されたシリコーン系接着剤を用いることを特徴とする。
この構成によれば、弾性接着剤として従来より広く用いられている非導電性のシリコーン系接着剤を使用することにより、短絡などの電気的な不具合を防止しながら接着領域を広くすることが可能となって接合強度をより向上させることができるとともに、製造工程において弾性接着剤塗布領域の細かな管理を必要とせず製造しやすいという効果を奏する。
〔適用例8〕上記適用例にかかる圧電デバイスの製造方法において、前記導電性を有する接合部材として導電性接着剤を用いることを特徴とする。
この構成によれば、例えば銀ペーストなどの導電性接着剤は、圧電デバイス製造における圧電振動片の接合部材として従来より広く用いられてきたものであり、圧電振動片とパッケージとの電気的な接続を図る接合部材として特に好適である。
〔適用例9〕上記適用例にかかる圧電デバイスの製造方法において、前記圧電振動片のうち前記凹部の凹底面と対向する主面とは異なる側の主面に前記外部接続端子が配置され、前記振動片接続電極が前記外部接続端子よりも前記凹底面側に配置された前記パッケージが用いられていることを特徴とする。
この構成によれば、圧電振動片載置ステップで、圧電振動片のうち凹部の凹底面と対向する主面側にて、弾性接着剤による圧電振動片とパッケージとの接合を行った後で、圧電振動片接続ステップで、圧電振動片の外部接続端子側に導電性の接合部材を供給することにより、その接合部材が、外部接続端子よりも凹底面側に配置された振動片接続電極に流れるので、接合端子と振動片接続電極とを、比較的容易に接合部材によって電気的に接続することができる。
〔適用例10〕上記適用例にかかる圧電デバイスの製造方法において、前記外形形成ステップで、前記基部の前記一端側とは異なる側の他端側の前記両主面を接続する側面に、前記両主面の一方から他方に向かって凹設された溝を形成する工程と、前記圧電振動片接続ステップで、前記外部接続端子と前記振動片接続電極との両方に前記導電性接着剤が接触するように前記溝が形成された領域を含む前記外部接続端子上に導電性ペーストを供給する工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、圧電振動片載置ステップで、圧電振動片の、パッケージの凹部の凹底面と対向する主面側にて弾性接着剤による圧電振動片とパッケージとの接合を行った後で、圧電振動片接続ステップで、圧電振動片の外部接続端子側に導電性の接合部材を供給する際に、外部接続端子側に供給した接合部材が溝を伝ってパッケージの振動片接続電極上に流れる。これにより、導電性の接合部材が不要な領域に広がり難くなって振動片接続電極側に選択的に供給されるので、短絡などの不具合を生じさせることなくパッケージと圧電振動片との電気的な接続を確実に図ることができる。
(a)は、本実施形態の圧電デバイスを上側からみて説明する模式平面図、(b)は、(a)のA−A線断面を示す模式断面図。 圧電振動片としての水晶振動片を説明する模式平面図。 圧電デバイスの水晶振動片の接合部を模式的に説明する部分拡大断面図。 圧電デバイスの製造方法を説明するフローチャート。 (a)は、水晶振動片の変形例の一つのバリエーションを上側からみて説明する模式平面図、(b)は、模式側面図。 (a)は、水晶振動片の変形例の他のバリエーションを上側からみて説明する模式平面図、(b)は、模式側面図。 圧電デバイスの製造方法の変形例を説明するフローチャート。 (a)は、圧電デバイスの従来例を上側からみて説明する模式平面図、(b)は、(a)のB−B線断面を示す模式断面図。
以下、本発明の圧電デバイス、および、その製造方法の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(圧電デバイス)
まず、本実施形態の圧電デバイスについて説明する。
図1は、本実施形態の圧電デバイスを説明するものであり、図1(a)は上側からみた模式平面図、(b)は、(a)のA−A線断面を示す模式断面図である。なお、図1(a)において、圧電デバイスの上部に配置されるリッドは、圧電デバイスの内部の構成を説明する便宜上一部を切り取って図示している。また、図2は、本実施形態の圧電デバイスに用いられる圧電振動片としての水晶振動片を説明する模式平面図である。なお、図2において施されたハッチングは、励振電極と外部接続端子の接続関係をわかりやすくするためのものであり、断面を示すものではない。また、図3は、本実施形態の圧電デバイスの水晶振動片の接合部を説明する部分拡大断面図である。
図1に示すように、圧電デバイス10は、パッケージ20と、そのパッケージ20の凹部の凹底部分に接合された水晶振動片1と、を有している。パッケージ20上には、例えば金属からなる蓋体としてのリッド29が接合され、パッケージ20内に接合された水晶振動片1が気密に封止されている。
〔パッケージ〕
パッケージ20は、略矩形の平板状のベース基板である第1層基板21と、その第1層基板21上に順次積層された略矩形フレーム状の第2層基板22、第3層基板23、第4層基板24、および、シールリング28と、を有している。このような構成により、パッケージ20には、第1層基板21の上面側を凹底部分として第2層基板22〜第4層基板24側が開口された凹部が形成されている。
パッケージ20の凹部の凹底部分となる第1層基板21上に順次積層された矩形環状の第2層基板22、第3層基板23、および第4層基板24は、それらの開口部の大きさが異なることにより、パッケージ20の凹部内に用途を有する段差を形成している。すなわち、第2層基板22上には水晶振動片1が支持される棚部が形成されるとともに、支持された水晶振動片1の自由端となる振動腕(11,12)と第1層基板21との間に隙間を形成する段差が形成される。また、第3層基板23上には、水晶振動片1が接合される振動片接続電極25a,25bが設けられている。また、パッケージ20の外底面となる第1層基板21の下面(振動片接続電極25a,25bが設けられた面と異なる側の面)側には、圧電デバイスと外部基板の実装に供する実装端子26が設けられている。これらの振動片接続電極25a,25bや実装端子26は、パッケージ20に一つの回路配線を形成するように、第1層基板21、第2層基板22、第3層基板23に形成された図示しない引き回し配線またはスルーホールなどの層内配線により、それぞれ対応する端子どうしが接続されている。
なお、パッケージ20の第1層基板21〜第4層基板24は、セラミックス絶縁材料などからなる。また、各基板に設けられた振動片接続電極25a,25bや実装端子26、あるいはそれらを接続する配線パターンまたは層内配線パターンなどは、一般に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの金属配線材料をセラミックス絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施すことにより形成される。
〔水晶振動片〕
次に、上記パッケージ20に接合される水晶振動片1について説明する。
図2に示すように、水晶振動片1は、水晶基板を加工することにより形成された基部13と、この基部13の一端側(図2において下端側)から二股に別れて互いに平行に延出する一対の振動部としての振動腕11,12とを有する、所謂音叉状の外形を有する水晶薄板からなる。このような水晶基板の音叉状の外形は、後述するように、水晶ウェハをフッ酸溶液などでウエットエッチングしたり、ドライエッチングすることにより精密に形成することができる。
振動腕11,12の一方の面には、駆動用の電極である励振電極15a,15bがそれぞれ設けられている。また、基部13の各振動腕11,12が延出された一端側と異なる他端側近傍には、各励振電極15a,15bと引き回し配線によりそれぞれ接続された外部接続端子16a,16bが設けられている。本実施形態では、励振電極15aが外部接続端子16bに接続され、励振電極15bが外部接続端子16aに接続されている。これと同様に、図示はしないが、振動腕11,12の他方の面(裏側の面)には、励振電極15a,15bの対向電極となる励振電極が設けられ、基部13に設けられた対応する外部接続端子に引き回し配線によりそれぞれ接続されている。
このような電極や配線などの電極パターンは、水晶ウェハをエッチングして水晶振動片1の外形を形成した後で、蒸着またはスパッタリングにより、例えばニッケル(Ni)またはクロム(Cr)を下地層として、その上に例えば金(Au)による金属膜を成膜し、その後フォトリソグラフィを用いてパターニングすることにより形成できる。
〔圧電デバイス〕
上記した水晶振動片1は、図1に示すように、パッケージ20の凹部において、第3層基板23に設けられた振動片接続電極25a,25b近傍の第2層基板22上に、弾性接着剤としてのシリコーン系接着剤39と、導電性を有する接合部材としての導電性接着剤49とにより接合されている。
詳細には、図3に示すように、水晶振動片1の固定端である基部13の一方の外部接続端子16aが形成された主面とは異なる主面側が、パッケージ20の第3層基板23に設けられた振動片接続電極25a近傍の第2層基板22上にシリコーン系接着剤39により接着・固定され、水晶振動片1の自由端である振動腕11,12側が第1層基板21と接触しないように隙間を空けて片持ち支持された状態で接合されている。また、水晶振動片1の外部接続端子16aと、パッケージ20の対応する振動片接続電極25aとの双方に接触するように塗布してから固化された導電性接着剤49により、外部接続端子16aと振動片接続電極25aとが電気的に接続されている。これと同様に、図1(a)に示すように、水晶振動片1の他方の外部接続端子16bと、パッケージ20の対応する振動片接続電極25bとが、導電性接着剤49により電気的に接続されている。
図1(b)および図3に示すように、上記のようにパッケージ20の凹部内に水晶振動片1が接合された圧電デバイス10において、パッケージ20の振動片接続電極25a,25bが、水晶振動片1の凹部の凹底面と対向する主面とは異なる側の主面(外部接続端子16a,16bが形成された側の主面)よりも凹底面側に配置されている。これにより、シリコーン系接着剤39による水晶振動片1とパッケージ20との接合を行った後で、水晶振動片1の外部接続端子16a,16b側に導電性接着剤49を供給(塗布)した際に、導電性接着剤49が、水晶振動片1の外部接続端子16a,16bよりも下方に配置された振動片接続電極25a,25bに流れるので、良好な電気的接続を図ることができる。
上記構成の圧電デバイス10において、シリコーン系接着剤39は、シリコーン系樹脂を主剤もしくは硬化剤として構成され、弾性接着剤として従来より広く用いられているものであり、高い接合強度を示すとともに、固化物のゴム弾性が保持されるので、外的な振動や衝撃などが加わった場合の応力を吸収し、接着界面への応力の集中が抑えられるので、上記構成の圧電デバイス10において、水晶振動片1の機械的な接合強度の向上を図る弾性接着剤として好適である。
しかも、本実施形態では非導電性のシリコーン系接着剤39を用いているので、短絡などの電気的な不具合を防止できることから、接着領域を広くすることが可能となって接合強度をより向上させることができるとともに、製造工程においてシリコーン系接着剤39塗布領域の細かな管理を必要とせず製造しやすい。
また、上記構成の圧電デバイス10に用いられる導電性を有する接合部材としての導電性接着剤49には、例えば、ポリイミド、シリコン系、またはエポキシ系などの樹脂に、銀(Ag)フィラメント、またはニッケル(Ni)粉を混入したものが使用される。また、水晶振動片1を接合する導電性を有する接合部材は導電性接着剤49に限らず、半田などの他の接合部材を用いてもよい。
図1に示すように、凹部に水晶振動片1が接合されたパッケージ20の第4層基板24上には、例えば金属製の蓋体としてのリッド29が、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金などをフレーム状に型抜きして形成されたシールリング28を介してシーム溶接されている。これにより、パッケージ20の凹部に接合された水晶振動片1が気密に封止されている。
本実施形態の圧電デバイス10によれば、水晶振動片1のパッケージ20の凹部への接合において、導電性接着剤49により電気的な接続を図るとともに、弾性接着剤としてのシリコーン系接着剤39により機械的な接合を行う構成となっている。シリコーン系接着剤39は、高い接合強度を示すとともに、固化物のゴム弾性が保持されるので、外的な振動や衝撃などが加わった場合の応力を吸収し、接着界面への応力の集中が抑えられる。
これにより、例えば、導電性接着剤のみによって電気的な接続および機械的な接合を図る従来構造の圧電デバイスに比して、シリコーン系接着剤39によって水晶振動片1のパッケージ20への機械的な接合強度を顕著に向上させることができるとともに、導電性接着剤49を電気的な接続に特化して用いることができるので、耐衝撃性が高く、且つ、電気的な接続信頼性に優れた圧電デバイス10を提供することができる。
(圧電デバイスの製造方法)
次に、圧電デバイスの製造方法について、図面を参照して説明する。
図4は、圧電デバイスの製造方法を説明するフローチャートである。
〔水晶振動片製造〕
本実施形態の圧電デバイス10の製造においては、最初に、水晶ウェハから複数の水晶振動片1を製造する(図4のステップS1〜ステップS5)。
まず、図4のステップS1に示すように、水晶振動片1の材料である水晶基板を板状に加工して水晶ウェハを形成する。ここで、水晶基板には、例えば水晶Z板が用いられる。水晶Z板は、水晶の単結晶から切り出す際に、X軸、Y軸、およびZ軸からなる直交座標において、X軸回りに、X軸とY軸とからなるXY平面を反時計方向に1度乃至5度傾けて切り出されたものである。
次に、ステップS2に示すように、水晶ウェハの表面および裏面に、水晶振動片1の電極形成用金属からなる電極膜を蒸着またはスパッタリングにより形成する。電極膜としては、例えば、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)を下地層として、その上に金(Au)を積層させたものが適用される。
次に、ステップS3に示すように、水晶ウェハ上に、励振電極15a,15bや外部接続端子16a,16bあるいは引き回し配線などの水晶振動片1の電極パターンを、縦横に等間隔にて複数並べて形成する。
これらの電極パターン形成は、フォトリソグラフィを用いて行う。まず、ステップS2で形成された電極膜上にスピンコート法などによりフォトレジスト層を形成し、そのフォトレジスト層に電極パターンを露光、現像することにより、電極パターンとして残したい電極上にフォトレジストパターンを残す。そして、フォトレジストパターンをマスクとして電極膜をエッチングしてから、フォトレジストパターンとして残ったフォトレジストを剥離することにより、水晶ウェハ上に複数の水晶振動片1の電極パターンが形成される。
次に、ステップS4に示すように、水晶ウェハをエッチングして複数の水晶振動片1の外形を形成する外形形成ステップとしての外形エッチングを行う。まず、電極パターンが形成された水晶ウェハ上にフォトレジスト膜を形成し、そのフォトレジスト層に水晶振動片1の外形パターンを露光、現像することにより、水晶ウェハ上に水晶振動片1の外形パターンであるフォトレジストパターンを残す。そして、フォトレジストパターンをマスクとして水晶ウェハをエッチングする外形エッチングを行う。外形エッチングは、水晶ウェハをフッ酸溶液などでウエットエッチングする方法や、ドライエッチングする方法などにより行なうことができる。
そして、外形エッチング後に、フォトレジストパターンとして残ったフォトレジストを剥離する。
次に、ステップS5に示すように、ダイシングなどの方法により、水晶ウェハに形成された複数の水晶振動片1を個片化する。
〔パッケージ組立〕
次に、上記の水晶振動片製造工程を経て製造された個片の水晶振動片1をパッケージ20の凹部の凹底部分に位置合わせして接合するパッケージ組立を行う(ステップS11〜ステップS17)。
パッケージ組立工程では、まず、ステップS11に示すように、パッケージ20の凹部内の第3層基板23上に形成された振動片接続電極25a,25b近傍の第2層基板22上に、ディスペンサーなどによりシリコーン系接着剤39を所定量塗布する。このとき、非導電性のシリコーン系接着剤39を振動片接続電極25a,25b上になるべく付着させないように留意する。
次に、ステップS12に示すように、水晶振動片1の基部13側の外部接続端子16a,16bとパッケージ20の対応する振動片接続電極25a,25bとを位置合わせしながら、基部13の外部接続端子16a,16bが形成された主面とは異なる主面側をシリコーン系接着剤39が塗布された第2層基板22上に載置し、押圧して仮固定する。
そして、ステップS13に示すように、シリコーン系接着剤39の硬化タイプに応じた硬化方法で固化させて、パッケージ20の凹部内に水晶振動片1を固定する。例えば、湿気硬化タイプのシリコーン系であれば、室温で空気中の水分と化学反応して硬化するので、加熱等をする必要がなく、室温中で所定時間放置すればよい。これにより、パッケージ20の凹部内に、水晶振動片1が片持ち支持された状態で接合される(図1を参照)。
次に、ステップS14に示すように、水晶振動片1の基部13の外部接続端子16a,16bと、パッケージ20の対応する振動片接続電極25a,25bとのそれぞれに接触させるように導電性接着剤49をディスペンサーなどにより適量塗布する。本実施形態の圧電デバイス10において、パッケージ20の振動片接続電極25a,25bが、水晶振動片1の外部接続端子16a,16bが形成された側の主面よりも凹底面側に配置されているので、導電性接着剤49を水晶振動片1の外部接続端子16a,16bから塗布することにより、下方に配置された対応する振動片接続電極25a,25bに導電性接着剤が流れやすくなっている。
そして、ステップS15に示すように、導電性接着剤49の硬化タイプに応じた硬化方法、例えば、紫外線硬化タイプの導電性接着剤49であれば紫外線を照射し、また、熱硬化タイプの導電性接着剤であれば所定の温度にて加熱することにより導電接着剤を固化させる。これにより、水晶振動片1とパッケージ20との電気的な接続が図られる。
次に、ステップS16に示すように、パッケージ20に接合した状態の水晶振動片1に所定の電圧を印加して励振させ、そのときの周波数が目標周波数からずれていた場合にその補正をする周波数調整を行う。周波数調整は、水晶振動片1の電極の一部をレーザーなどにより除去して質量を減少させることにより周波数を増加させる方法や、水晶振動片1にスパッタや蒸着などにより金属を付着させて質量を増加させることにより周波数を減少させる方法を用いることができる。なお、次のステップである後述するリッド接合・封止ステップ(ステップS17)でパッケージ20上に接合するリッドとしてガラス等の光透過性部材を用いる場合には、周波数調整をリッド接合・封止ステップの後で行う場合もある。
次に、ステップS17に示すように、水晶振動片1が接合されたパッケージ20上に、例えば金属製のリッド29を接合して水晶振動片1を封止し、圧電デバイス10を得る。金属製のリッド29の接合は、パッケージ20の第4層基板24上に設けられた鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金などからなるシールリング28を介してシーム溶接されることにより行われる。
以上説明した工程を経て、圧電デバイス10の一連の製造工程が終了する。
上記実施形態の圧電デバイス10の製造方法によれば、水晶振動片載置ステップで、水晶振動片1をパッケージ20の凹部内にシリコーン系接着剤39により接合し、水晶振動片接続ステップで、導電性接着剤49により水晶振動片1とパッケージ20との電気的な接続を行っているので、導電性接着剤49により電気的な接続を図るとともに、高い接合強度を示すとともにゴム弾性が保持されるシリコーン系接着剤39によって、外的な振動や衝撃などが加わった場合の応力が吸収され、接着界面への応力の集中が抑えられるので、電気的な接続信頼性および耐衝撃性に優れた圧電デバイス10を製造することができる。特に、上記実施形態では、非導電性のシリコーン系接着剤39を用いているので、短絡などの電気的な不具合を防止しながら接着領域を広くすることが可能なので、水晶振動片1の接合強度をより向上させることができるとともに、シリコーン系接着剤塗布ステップにおいてシリコーン系接着剤39の塗布領域の細かな管理を必要としないので製造しやすいという効果を奏する。
また、上記実施形態の圧電デバイス10の製造方法によれば、シリコーン系接着剤39によりパッケージ20への水晶振動片1の機械的な接合強度を確保できる構成となっており、導電性接着剤49は、水晶振動片1とパッケージ20との電気的な接続を図る用途に特化して使用することができるので、比較的高価な導電性接着剤49の使用量を抑えることができる。
また、上記実施形態の圧電デバイス10では、水晶振動片載置ステップでパッケージ20の凹部に水晶振動片1が載置されたときに、パッケージ20の対応する振動片接続電極25a,25bが、水晶振動片1の外部接続端子16a,16bが形成された側の主面よりも凹底面側の近傍に配置されている。
これにより、導電性接着剤塗布ステップで、水晶振動片1の外部接続端子16a,16b側に導電性接着剤49が供給されると、その導電性接着剤49が外部接続端子16a,16bよりも下方に配置された振動片接続電極25a,25b側に流れやすいので、外部接続端子16a,16bと、対応する振動片接続電極25a,25bとの良好な電気的接続を図ることができる。
上記実施形態で説明した圧電デバイス、およびその製造方法は、以下の変形例として実施することも可能である。
(変形例)
上記実施形態の圧電デバイス10の構成において、水晶振動片のパッケージとの電気的接続を図る部分の近傍に溝を設けることによって、より確実な電気的接続を図ることが可能になる。図5は、圧電デバイスに用いられる水晶振動片の変形例のバリエーションの1つを模式的に説明するものであり、(a)は平面図、(b)は(a)の矢印59の方向から見た側面図である。また、図6は、水晶振動片の変形例の他のバリエーションを模式的に説明するものであり、(a)は平面図、(b)は(a)の矢印59´の方向から見た側面図である。なお、図6(b)および図7(b)におけるドットタイプのハッチングは、溝55の凹部を判り易く図示する便宜上施しているものであり断面を示すものではない。
また、図7は、本変形例の水晶振動片を搭載した圧電デバイスの製造方法を説明するフローチャートである。
なお、本変形例の水晶振動片、および、それを用いた圧電デバイスの製造方法の構成のうち、上記実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
まず、水晶振動片の変形例の一つのバリエーションについて図面に沿って説明する。
図5に示す水晶振動片50は、水晶基板を加工することにより形成された基部13と、基部13の一端側から二股に別れて互いに平行に延出する一対の振動腕11,12とを有している。振動腕11,12の両主面には励振電極15a,15bがそれぞれ設けられている。また、基部13の各振動腕11,12が延出された一端側と異なる他端側近傍には、各励振電極15a,15bと引き回し配線によりそれぞれ接続された外部接続端子16a,16bが設けられている。
基部13の振動腕11,12が延出されている一端側の反対側の他端側の側面であって、前記基部13(水晶振動片50)の両主面を接続する側面には、各外部接続端子16a,16bの一部を含んだ一方の主面側から他方の主面側に向かって各外部接続端子16a,16bごとに凹設された二条の有底の溝55が設けられている。この二条の溝55は、水晶振動片50が図1に示すパッケージ20の凹部内に載置された状態で、外部接続端子16a,16b上にディスペンサーなどによりペースト状の導電性接着剤49を所定量供給した際に、外部接続端子16a,16bのそれぞれから、対応するパッケージ20の振動片接続電極25a,25bに向かって導電性接着剤49が流れるガイドになり得る。
この水晶振動片50によれば、シリコーン系接着剤39によって水晶振動片50のパッケージ20への接合を行った後の導電性接着剤塗布ステップ(図4のステップS14)で、外部接続端子16a,16bを含む基部13の端部近傍に供給された導電性接着剤49が、溝55を伝ってパッケージ20の振動片接続電極25a,25b上に流れるので、導電性接着剤49が望まない部分にはみ出すことによる短絡を防止しながら、外部接続端子16a,16bと、対応する振動片接続電極25a,25bとの電気的な接続を確実に図ることができる。
次に、水晶振動片の変形例の他のバリエーションについて説明する。
図6に示す水晶振動片50´は、基部13の振動腕11,12が延出されている端部とは反対側の端部において、基部13の両主面を接続する側面に、各外部接続端子16a,16bの一部を含んだ一方の主面側から他方の主面側に向かって各外部接続端子16a,16bごとに凹設された複数の有底の溝55´が設けられている。本変形例では、各外部接続端子16a,16bごとに三条ずつの溝55´が設けられている。
このように、幅狭な複数の溝55´が設けられた水晶振動片50´によれば、導電性接着剤49のはみ出しによる短絡を防止しつつ水晶振動片50´とパッケージ20との電気的な接続を確実に図れるとともに、複数の溝55´による接着面の微細な凹凸に導電性接着剤49およびシリコーン系接着剤39が入り込んで硬化することで接着力が高まる所謂アンカー効果により、水晶振動片50´のパッケージ20への接合強度を顕著に向上させることができる。また、微細な複数の溝55´によって、毛細管現象による導電性接着剤49の更なる供給の安定化を図ることができる。
次に、上記した水晶振動片50または水晶振動片50´を用いた圧電デバイスの製造方法の一例について説明する。
図7に示す圧電デバイスの製造方法の変形例において、ステップS1〜ステップS5に示す水晶振動片製造工程は、上記実施形態の圧電デバイス10の製造方法と同一である(図4を参照)が、本変形例では、ステップS4に示す外形エッチングステップにて、水晶振動片50,50´の外形の一部として、基部13に溝55,55´を形成する。
この水晶振動片製造工程にて製造された水晶振動片50,50´を用いたパッケージ組立工程についても、上記実施形態の圧電デバイス10の製造方法と同一の製造工程にて行うことができるが、水晶振動片載置ステップ(ステップS12)の後に、弾性接着剤(シリコーン系接着剤39)を補填するステップを追加することにより、パッケージ内に水晶振動片50,50´をより強固に接合することが可能になる。
すなわち、図7のステップS11に示すシリコーン系接着剤塗布ステップにおいてパッケージ20の凹部内の第3層基板23上に形成された振動片接続電極25a,25b近傍の第2層基板22上に塗布されたシリコーン系接着剤39により、パッケージ20の凹部に水晶振動片50,50´を位置決め・載置(ステップS12の水晶振動片載置ステップ)した後で、ステップS21に示すように、シリコーン系接着剤39の補填を行う。シリコーン系接着剤39の補填は、ディスペンサーなどを用いて、溝55,55´が形成された側面の溝55,55´に直接シリコーン系接着剤39を適量供給することにより行うことができる。このように供給されたシリコーン系接着剤39は、溝55,55´を伝って水晶振動片50,50´とパッケージ20との境界に効率的に供給される。特に、幅狭な複数の溝55´が設けられた水晶振動片50´によれば、微細な複数の溝55´によって、毛細管現象によるシリコーン系接着剤39の更なる供給の安定化が期待できる。
なお、シリコーン系接着剤39の補填においては、シリコーン系接着剤39が水晶振動片50,50´の外部接続端子16a,16b、および、パッケージ20の振動片接続電極25a,25bに付着しないように留意する。また、シリコーン系接着剤39の補填量は、振動片接続電極25a,25bなどのシリコーン系接着剤39の付着を望まない部分に流れ出さない範囲内でなるべく多い方が、水晶振動片50,50´の接合強度をより高めることから好ましい。
次に、ステップS13に示すように、シリコーン系接着剤39の硬化タイプに応じた硬化方法で固化させて、パッケージ20の凹部内に水晶振動片50,50´を固定する。これにより、シリコーン系接着剤補填ステップ(ステップS21)で十分なシリコーン系接着剤39によって、水晶振動片50,50´がパッケージ20内により強固に固定され、且つ、シリコーン系接着剤39が有するゴム弾性との相乗効果で圧電デバイスの耐衝撃性の向上に寄与する。
以降、上記実施形態と同様なステップS14〜S17のステップを経て、本変形例の水晶振動片50,50´を備えた、耐衝撃性や接続信頼性に特に優れた圧電デバイスを製造することができる。なお、ステップS14の導電性接着剤塗布ステップでは、水晶振動片50,50´に設けられた溝55,55´により、導電性接着剤49の安定した供給と、それによる良好な電気的接続を図ることができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態およびその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態および変形例では、圧電振動片として音叉型の水晶振動片1,50,50´を使用する例を説明した。これに限らず、固定端としての基部と自由端としての振動部からなる平板状の所謂ビーム型の振動片、あるいは、3つ以上の振動腕を有する圧電振動片を用いた場合でも、上記実施形態の圧電デバイス10およびその製造方法において説明した効果と同様な効果を奏する。
また、上記実施形態および変形例では、イオンビームを用いたイオンビームエッチング法により電極パターンの一部を除去する質量減少法による周波数調整方法を適用した例を説明した。これに限らず、蒸着などによる質量付加法によって周波数調整を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態および変形例で説明した圧電デバイス10では、圧電振動片として水晶からなる水晶振動片1,50,50´を用いた例について説明した。これに限らず、水晶以外に、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ほう酸リチウム(Li247)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウム、五酸化タンタル(Ta25)などの薄膜圧電材料を積層させて構成された圧電材料からなる圧電振動片を用いることもできる。
また、上記実施形態および変形例では、水晶振動片1の励振電極15a,15b、外部接続端子16a,16bなどの電極形成用の金属材料として、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)を下地層としてその上に蒸着またはスパッタリングにより、例えば金(Au)による電極層を成膜したものを用いる例を説明した。これに限定されず、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)などの金属材料を用いることもできる。また、マグネシウム(Mg)などを用いることも可能である。
また、上記実施形態および変形例では、圧電デバイス10の用途について特に説明していないが、信号の基準周波数を発振する発振器と時刻の基準信号を発振する発振器の両方に併用できるのは勿論であり、あるいは、基準周波数を発振する発振器として単独に用い、また、時刻の基準信号を発振する発振器として単独に用いることも自在にできる。
1,50,50´,101…圧電振動片としての水晶振動片、4,5,11,12…振動腕、10,110…圧電デバイス、13…基部、15a,15b,115…励振電極、16a,16b,116…外部接続端子、20,120…パッケージ、21,121…第1層基板、22,122…第2層基板、23,123…第3層基板、24…第4層基板、25a,25b,125…振動片接続電極、26…実装端子、28,128…シールリング、29,129…リッド、39…弾性接着剤としてのシリコーン系接着剤、49,149…導電性を有する接合部材としての導電性接着剤、55,55´…溝。

Claims (10)

  1. 基部と、前記基部の一端側に延出された振動部と、前記振動部に形成された励振電極と、前記励振電極と接続され前記基部の両主面のうちの少なくとも一方の主面に設けられた外部との接続に供する外部接続端子と、を有する圧電振動片と、
    凹部と、前記凹部内に設けられた振動片接続電極と、を有するパッケージと、を有し、
    前記振動片接続電極と前記外部接続端子とが電気的に接続された状態で前記凹部内に前記圧電振動片が接合された圧電デバイスであって、
    前記基部が、前記振動片接続電極近傍に弾性接着剤により接合され、
    前記外部接続端子と前記振動片接続電極とが導電性を有する接合部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする圧電デバイス。
  2. 請求項1に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記弾性接着剤が、シリコーン系樹脂を主剤もしくは硬化剤として構成された非導電性のシリコーン系接着剤であることを特徴とする圧電デバイス。
  3. 請求項1または2に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記導電性を有する接合部材が導電性接着剤であることを特徴とする圧電デバイス。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記圧電振動片のうち前記凹部の凹底面と対向する主面とは異なる側の主面に前記外部接続端子が設けられ、前記振動片接続電極が、前記外部接続端子よりも前記凹底面側に配置されていることを特徴とする圧電デバイス。
  5. 請求項4に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記基部の前記一端側とは異なる側の他端側の前記両主面を接続する側面に、前記両主面の一方から他方に向かって凹設された溝が形成されていることを特徴とする圧電デバイス。
  6. 基部と、前記基部の一端側に延出された振動部と、前記振動部に形成された励振電極と、前記励振電極と接続され前記基部の両主面のうちの少なくとも一方の主面に設けられた外部との接続に供する外部接続端子と、を有する圧電振動片と、
    凹部と、前記凹部内に設けられた振動片接続電極と、を有するパッケージと、を有し、
    前記振動片接続電極と前記外部接続端子とが電気的に接続された状態で前記凹部内に前記圧電振動片が接合された圧電デバイスの製造方法であって、
    圧電体材料を加工して前記圧電振動片の外形を形成する外形形成ステップと、前記励振電極と前記外部接続端子とを形成する電極パターン形成ステップと、を含む圧電振動片製造工程と、
    前記基部を前記凹部内に弾性接着剤により接合する圧電振動片載置ステップと、
    前記外部接続端子と前記振動片接続電極とを導電性を有する接合部材を介して電気的に接続する圧電振動片接続ステップと、を含むパッケージ組立工程と、を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  7. 請求項6に記載の圧電デバイスの製造方法において、
    前記弾性接着剤として、シリコーン系樹脂を主剤もしくは硬化剤として構成されたシリコーン系接着剤を用いることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の圧電デバイスの製造方法において、
    前記導電性を有する接合部材として導電性接着剤を用いることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法において、
    前記圧電振動片のうち前記凹部の凹底面と対向する主面とは異なる側の主面に前記外部接続端子が配置され、前記振動片接続電極が前記外部接続端子よりも前記凹底面側に配置された前記パッケージが用いられていることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  10. 請求項9に記載の圧電デバイスの製造方法において、
    前記外形形成ステップで、前記基部の前記一端側とは異なる側の他端側の前記両主面を接続する側面に、前記両主面の一方から他方に向かって凹設された溝を形成する工程と、
    前記圧電振動片接続ステップで、前記外部接続端子と前記振動片接続電極との両方に前記導電性接着剤が接触するように前記溝が形成された領域を含む前記外部接続端子上に導電性ペーストを供給する工程と、を含むことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
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