JP2011091094A - 酸化物超電導コイル、酸化物超電導コイル体および回転機 - Google Patents

酸化物超電導コイル、酸化物超電導コイル体および回転機 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化物超電導線材からなり、モータなどの回転機に用いた際に磁束線の影響による電気特性の低下を抑制することが可能な超電導コイルを提供することである。また、上記超電導コイルを用いた超電導コイル体、さらに上記超電導コイル(超電導コイル体)を用いた回転機を提供することである。
【解決手段】たとえば回転機に用いる酸化物超電導コイル10は、レーストラック状に酸化物超電導線材11が巻きつけられた鞍形の酸化物超電導コイルである。当該酸化物超電導コイル10は、湾曲部10bと、湾曲部10bと接続された直線部10aとを備え、直線部10aの少なくとも中央部分では、上縁10dが下縁10eよりも内周側に位置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物超電導コイル、酸化物超電導コイル体および回転機に関するものであり、より具体的には鞍型の酸化物超電導コイル、当該超電導コイルを用いた酸化物超電導コイル体、および酸化物超電導コイル体を含む回転機に関するものである。
従来から、テープ状の超電導導体である超電導線材を巻きつけて形成した超電導コイルが開示されている(たとえば特開2002−110416号公報(特許文献1))。特許文献1には、多数回巻回された超電導コイル単体の接続部に金属電極を冶金的に接続するに際して、接続治具により金属電極の巻線方向に圧縮力を与えながら接続部に接触させた状態で冶金的に接続部相互間を接続することを特徴とする超電導コイルの接続方法が開示されている。
特開2002−110416号公報
上記特許文献1では、超電導線材を渦巻状に巻回したパンケーキ状の超電導コイルが複数台積層されたものが互いに接続されている。なおここで積層とは、パンケーキ状に巻回された超電導線材の幅方向の端部がなす平面(巻回された超電導線材の各領域が集合することにより形成される平面。以下において「端部平面」という)に交差する方向に複数台積層されることを意味する。
ここで、上記特許文献1のパンケーキ状の超電導コイルが積層されたものを、回転機であるモータに用いた場合を考える。超電導コイルは、モータを構成するロータやステータのティースと呼ばれる領域を外側から取り囲むように巻回される。ティースの周囲に超電導コイルが巻回され、当該超電導コイルに電流が流れれば、ティースが電磁石として作用する。ここで超電導コイルに流れる電流が交流電流であれば、ティースの電磁石の極性が時間変化する。するとロータのティースとステータのティースとが互いに反発し合ったり引き合ったりする。その結果、ロータを回転させ、モータとして機能させることができる。
ここで、当該超電導コイルに電流が流れることにより超電導コイルの周囲には磁場が発生する。すると超電導コイルの周辺を磁束線が通ることになる。この磁束線は通常は超電導コイルよりも比較的外側を廻ることによりティースの内部を通過する。しかし一部の磁束線は上記磁束線よりも比較的内側を廻り、超電導コイルの内部を貫通する。具体的には超電導コイルの内部を貫通する磁束線のうち、特に超電導コイルの幅方向や長軸方向に交差する方向、特に超電導コイルを構成する超電導線材の厚み方向に沿った方向(より具体的には超電導線材の主表面を貫通する方向)に貫通する磁束線は、当該超電導コイルの電流特性を劣化させ、当該超電導コイルにおいてクエンチングなどの現象が起きる原因となることが知られている。なお、ここで超電導線材の主表面とは、超電導線材の幅方向および長軸方向がなす主要な表面を指す。
ところで、超電導線材の中でも、特に酸化物超電導線材と呼ばれる、たとえば酸化物で形成された超電導体が銀などの金属でシースされた線材は、従来から用いられる金属からなる超電導体を用いて形成された金属超電導線材に比べて、高温の環境下で使用することができる。つまり酸化物超電導線材を用いれば、金属超電導線材を用いた場合に比べて当該超電導線材を冷却する設備を簡素化することができる。このため近年は特に酸化物超電導線材の実用化が進められている。上述した特許文献1には、開示されている超電導コイルが金属超電導線材であるか酸化物超電導線材のいずれを用いたものであるかについて開示されていない。しかし当該超電導コイルが金属超電導線材と酸化物超電導線材とのいずれを用いたものであるにせよ、超電導コイルの主表面が、超電導コイルの中空部の中心における軸に対してほぼ平行となるよう配置されていれば、モータのロータやステータに使用した当該超電導コイルに流れる電流により発生する磁束線の一部は、超電導線材の主表面を貫通する。このため、たとえ高温の環境下で使用可能な酸化物超電導線材からなる超電導コイルを適用しても、上記磁束線が発生するために、超電導コイルの電流特性が劣化し、設備全体の電気効率が低下する可能性がある。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものである。その目的は、酸化物超電導線材からなり、モータなどの回転機に用いた際に磁束線の影響による電気特性の低下を抑制することが可能な超電導コイルを提供することである。また、上記超電導コイルを用いた超電導コイル体、さらに上記超電導コイル(超電導コイル体)を用いた回転機を提供することである。
本発明に係る酸化物超電導コイルは、レーストラック状に酸化物超電導線材が巻きつけられた鞍形の酸化物超電導コイルである。当該酸化物超電導コイルは、湾曲部と、湾曲部と接続された直線部とを備える。直線部の少なくとも中央部分では、上縁が下縁よりも内周側に位置する。
ここで鞍形とは、後述するように、レーストラック状に超電導線材が巻回された超電導コイルにおいて、長軸方向に関する端部(コイルエンド部)の一部において、線材が上縁側に湾曲した形状を意味する。また上縁とは、レーストラック状に巻回された酸化物超電導線材の幅方向の一方の端部であり、当該酸化物超電導コイルを設置する際に上側となる部分である。より具体的には上縁とは、上記コイルエンド部において線材が湾曲して凸形状を形成する端部である。巻回された上縁が集合してなす端部平面は、上縁側から見て凸形状を有する上縁端部平面である。同様に下縁とは、レーストラック状に巻回された酸化物超電導線材の幅方向の、上記上縁とは反対側に位置する他方の端部であり、当該酸化物超電導コイルを設置する際に下側となる部分である。より具体的には下縁とは、上記コイルエンド部において線材が湾曲して凹形状を形成する側の端部である。巻回された下縁が集合してなす端部平面は、下縁側から見て凹形状を有する下縁端部平面である。
このように、レーストラック状に巻回された酸化物超電導コイルのうち、酸化物超電導線材が直線状に延在する領域を直線部とし、当該直線部の少なくとも中央部分においては、上縁が下縁よりも内周側に位置するように巻回する。つまり当該中央部分においては、酸化物超電導コイルを構成する酸化物超電導線材の主表面が、酸化物超電導コイルの中空部の中心における軸に対して鋭角をなすように配置する。このようにすれば、酸化物超電導線材に流れる電流により発生する磁束線は、酸化物超電導線材の主表面に沿った方向に進行するようになる。つまり当該磁束線が酸化物超電導線材の主表面を貫通するように進行する割合が少なくなる。このため、当該酸化物超電導線材のなすコイルの電流特性が劣化することを抑制することができる。なお、上縁が下縁より内周側に位置している直線部の長さや配置は、上記中央部を含む半分以上の長さの部分であることが好ましく、より好ましくは上記中央部を含む60%以上の長さの部分であることが好ましい。
上記酸化物超電導コイルにおいて、湾曲部では、上縁が下縁よりも内周側に位置することが好ましい。ここで湾曲部とは上述したコイルエンド部を意味する。つまりレーストラック状をなす酸化物超電導コイルの直線部が延在する方向に関して、当該直線部の両端部の延長する領域である、酸化物超電導線材の主表面がレーストラック状をなすように湾曲する領域を意味する。湾曲部においても直線部と同様に、上縁を下縁よりも内周側に位置するように形成すれば、当該湾曲部においても酸化物超電導線材に流れる電流により発生する磁束線が、酸化物超電導線材の主表面に沿った方向に進行するようになる。つまり当該磁束線が酸化物超電導線材の主表面を貫通するように進行する割合が少なくなる。このため、当該酸化物超電導線材のなすコイルの電流特性が劣化することをさらに確実に抑制することができる。
上記酸化物超電導コイルにおいて、直線部から湾曲部へ向かう境界部の一部の領域において、上縁が下縁よりも外周側に位置することが好ましい。酸化物超電導線材はたとえばビスマスなどの酸化物超電導体の原料粉末を銀などのシース部で被覆したテープ状部材を焼結した構成であったり、酸化物超電導線材であるたとえばイットリウム系の薄膜形状の焼結体に銀スパッタ層などを積層した構成であったりする。このため、酸化物超電導線材は変形や湾曲の程度により容易に破壊などの損傷を起こす可能性がある。したがって酸化物超電導コイルは、そのレーストラック状に巻回される酸化物超電導線材の全周にわたって上述したように上縁が下縁よりも内周側に位置するように巻回することが困難である。そこで、酸化物超電導線材が延在する方向に関する直線部と湾曲部との境界部の一部の領域において、他の領域と逆に、上縁が下縁よりも外周側に位置する領域を設ける。このように他の領域と逆向きに傾いた領域を設けることにより、直線部や湾曲部において上縁を下縁よりも内周側に位置するように巻回することにより酸化物超電導線材の内部に生ずる応力による歪みを調整することができる。つまり、このようにすれば、直線部および湾曲部にて主表面が酸化物超電導コイルの中空部の中心における軸に対して平行をなさないように巻回された酸化物超電導線材において、内部応力に起因する損傷などが発生することを抑制することができる。なお当該境界部の一部において、上縁が下縁よりも外周側に配置されていても、そのことによって酸化物超電導コイルが発生する磁束線が、当該コイルの電気特性に与える影響は小さい。したがって、当該コイルの電気特性が良好な状態を確保することができる。
本発明に係る酸化物超電導コイルは、たとえばモータの1箇所のティースに対して1台の酸化物超電導コイルが単独で巻回された構成をとってもよい。しかし、たとえば一の酸化物超電導コイルの上縁が他の酸化物超電導コイルの下縁に対向するように、複数の酸化物超電導コイルが積層された酸化物超電導コイル体として用いることもできる。この場合においても、上述したように特に各酸化物超電導コイルの直線部や湾曲部などの各部分において、上縁と下縁とが上述した位置関係を満たすことにより、当該酸化物超電導コイルに流れる電流の電気特性が劣化することを抑制することができる。
なお、上述した酸化物超電導コイル体における個々の酸化物超電導コイルの、複数台積層された方向に対する酸化物超電導線材の主表面の傾斜角度が異なることが好ましい。酸化物超電導コイル体に電流が流れることにより発生する磁束線は、基本的に酸化物超電導コイルの酸化物超電導線材を外側から丸く取り囲むように発生する。このため磁束線の向きや角度は、酸化物超電導線材の外部の領域に応じて異なる。したがって磁束線の向きや角度の変化に応じて、各領域に配置される酸化物超電導コイルにおける酸化物超電導線材の主表面が、酸化物超電導コイルの中空部の中心における軸に対して傾斜される角度(傾斜角度)を変更することにより、積層されるいずれの酸化物超電導コイルについても、当該酸化物超電導線材の主表面を磁束線が貫通することにより電流特性が劣化することを抑制することができる。以上に説明した酸化物超電導コイル体を用いた、たとえばモータなどの回転機についても、上記と同様の効果を奏することができる。
なお、上述した傾斜角度が異なるとは、複数の積層された酸化物超電導コイルのうちの1つと、他の1つとで少なくとも上記傾斜角度が異なることを意味し、たとえば3つ以上の酸化物超電導コイルが積層されている場合に1つのコイルの傾斜角度のみが他のコイルと異なる場合(つまり複数の積層された酸化物超電導コイルのうち、傾斜角度が同じになっているコイルが複数存在する一方、異なる傾斜角度となっているコイルも存在する場合)や、すべての酸化物超電導コイルの傾斜角度がそれぞれ異なる場合を含む。
本発明によれば、たとえば回転機に使用した際に電流特性の劣化を抑制することが可能な鞍形の酸化物超電導コイル、および当該酸化物超電導コイルが複数台積層された酸化物超電導コイル体を提供することができる。また、当該酸化物超電導コイルや当該酸化物超電導コイル体を用いることにより、電流特性の劣化を抑制することが可能な回転機を提供することができる。
(A)本発明の実施の形態1における超電導コイルを概略的に示す斜視図である。(B)図1(A)の矢印I(B)から見たときの側面図である。 本発明の実施の形態1における超電導コイルの上縁と下縁とを概略的に示す模式図である。 図2におけるIII−III線に沿う概略的な断面図である。 図2におけるIV−IV線に沿う概略的な断面図である。 図2におけるV−V線に沿う概略的な断面図である。 (A)図1におけるVI(A)−VI(A)線に沿う概略的な断面図である。(B)図1におけるVI(B)−VI(B)線に沿う概略的な断面図である。(C)図1におけるVI(C)−VI(C)線に沿う概略的な断面図である。 本発明の実施の形態1における超電導線材を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における超電導線材を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における超電導コイルの直線部に流れる電流により発生する磁束線の方向を示す概略的な断面図である。 本発明の実施の形態1における超電導コイルを製造するための装置を概略的に示す上面図である。 図10におけるXI−XI線に沿う概略的な断面図である。 図10におけるXII−XII線に沿う概略的な断面図である。 図10におけるXIII−XIII線に沿う概略的な断面図である。 本発明の実施の形態2における超電導コイル体を概略的に示す斜視図である。 図14におけるXV−XV線に沿う概略的な断面図である。 (A)図15の下側の超電導線材の主表面の傾斜角度を示す概略図である。(B)図15の中央の超電導線材の主表面の傾斜角度を示す概略図である。(C)図15の上側の超電導線材の主表面の傾斜角度を示す概略図である。 本実施の形態に係る超電導コイルを用いたモータを概略的に示す断面図である。 図17の超電導コイルを構成するロータを概略的に示す斜視図である。 図17の超電導コイルを構成するステータを概略的に示す斜視図である。 図17中の丸点線「XX」で囲まれた領域の拡大概略図である。 図17中の丸点線「XXI」で囲まれた領域の拡大概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施の形態について説明する。なお、各実施の形態において、同一の機能を果たす要素には同一の参照符号を付し、その説明は、特に必要がなければ繰り返さない。
(実施の形態1)
図1〜図10を参照して、本発明の一実施の形態における超電導コイル10について説明する。本実施の形態における超電導コイル10は、図1(A)、(B)および図2に示すように、レーストラック状に超電導線材11が巻きつけられた鞍形の超電導コイルである。つまり、超電導コイル10を上から見ると、レーストラック状である。
超電導コイル10は、直線部10aと湾曲部10bと境界部10cとを備えている。直線部10aは、長軸方向に延びる直線の部分であり、湾曲部10bは上から見たときに曲線となる部分(コイルエンド部)である。境界部10cは、直線部10aと湾曲部10bとに挟まれており、直線部10aと湾曲部10bとを接続する領域である。
湾曲部10bは、図1(B)に示すように底部である下縁10eが円弧状に湾曲している鞍形である。ここで下縁10eとは、巻回された超電導線材11の幅方向の一方の端部であり、図1の下側に存在する端部である。下縁10eが集合することにより形成される端部平面を、ここでは下縁端部平面とする。またここで上縁10dとは、巻回された超電導線材11の幅方向の一方の端部であり、図1の上側に存在する端部である。上縁10dが集合することにより形成される端部平面を、ここでは上縁端部平面とする。図1の超電導コイル10は、鞍形とするために、湾曲部10bの一部の領域において、上縁10d側に凸形状となるように(下縁10e側に凹形状となるように)巻回された形状となっている。つまり湾曲部10bの一部の領域において、超電導線材11が全体的に上縁10dの存在する側に寄る(向かう)ように湾曲している。言い換えれば湾曲部10bの一部の領域において、超電導線材11が全体的に下縁10eの存在する側から離れるように湾曲している。
図2は、超電導コイル10を構成する1本の超電導線材11において、上縁10dが位置するコースと、下縁10eが位置するコースとを示し、他の超電導線材11等は省略している。また、図2において、中心Rは、湾曲部10bでの超電導線材の円弧の中心を示す。
図2および図3に示すように、湾曲部10bでは、上縁10dが下縁10eよりも内周側(超電導コイル10に囲まれる中空側)に位置している。つまり、湾曲部10bでは、上縁10dと中心Rとの距離R10dは、下縁10eと中心Rとの距離R10eよりも狭い。
図2および図4に示すように、直線部10aでも、上縁10dが下縁10eよりも内周側(超電導コイル10に囲まれる中空側)に位置している。つまり、直線部10aでは、上縁10dと中心Rとの距離R10dは、下縁10eと中心Rとの距離R10eよりも狭い。
図2および図5に示すように、境界部10cでは、上縁10dが下縁10eよりも外周側(超電導コイル10に囲まれる中空側と反対側)に位置している。つまり、境界部10cでは、上縁10dと中心Rとの距離R10dは、下縁10eと中心Rとの距離R10eよりも広い。
図2に示すように、上縁10dと下縁10eとは、たとえば境界部10cの一部の領域において、中心Rとの距離に関する配置が逆転する。このため、図2に示す境界部10cの、上縁10dと下縁10eとが交差する箇所において、上縁10dと下縁10eとの位置が周方向において一致する位置が存在する。言い換えると、この位置における上縁10dと下縁10eとのなす面は、中心Rを通る軸と平行である。この位置では、上縁10dと中心Rとの距離R10dと、下縁10eと中心Rとの距離R10eとは同じである。この位置は、境界部10cに存在していてもよく、直線部10aまたは湾曲部10bに存在していてもよい。
また、上縁10dと下縁10eとの長さが同じであることが好ましい。この場合、湾曲部10bおよび境界部10cにおいて、超電導線材11の傾きが徐々に変わるように、超電導線材11が配置される。
このように超電導線材11を配置すると、図6(A)および(B)に示すように、超電導コイル10の長手方向と短手方向とにおける超電導線材11の傾く方向は互いに同じである。しかし図6(C)に示すように、超電導コイル10の斜め方向(境界部10c)における超電導線材11の傾く方向は互いに反対になる。
なお、図1の超電導コイル10においては、直線部10aのほぼ全体において、上縁10dが下縁10eよりも内周側に位置する、図6(B)の断面図に示す態様となっている。超電導コイル10の直線部10aの少なくとも中央部分(たとえば直線部10a全体の長さの60%以上)の領域においては上述したように上縁10dが下縁10eよりも内周側に位置することが好ましい。しかし中央部分の外側(中央部分の延長上にある領域)の領域については、たとえば上縁10dと下縁10eとのなす超電導線材11の主表面が超電導コイル10の中空部の中心を通る軸と平行となる領域が存在してもよい。これを言い換えると、中央部分の外側(中央部分の延長上にある領域)の領域については、たとえば上縁10dと下縁10eとが周方向において一致する位置が存在してもよい。
湾曲部10bについても同様であり、湾曲部10bの全体において、上縁10dが下縁10eよりも内周側に位置する、図6(A)の断面図に示す態様となっていてもよいが、湾曲部10bの一部の領域において、上縁10dが下縁10eよりも内周側に位置する態様をなしていてもよい。また湾曲部10bの一部の領域において、上縁10dと下縁10eとが周方向において一致する位置が存在してもよい。
なお、上述した上縁10dおよび下縁10eは、図1に示すような態様で超電導コイル10を平坦な面に載置したときに現れる。このため、超電導コイル10を図1に示す状態と反対に載置すると(上縁10dが下側に、下縁10eが上側に載置すると)、湾曲部では、上縁が下縁よりも外周側に位置し、直線部では、上縁が下縁よりも内周側に位置することになる。ただし以下においても、図1における上側を上縁10d、下側を下縁10eとする。
ここで、超電導コイル10を構成する超電導線材11について説明する。超電導線材11は、いわゆる酸化物超電導線材である。具体的には、たとえばビスマスなどの酸化物超電導体の原料粉末を銀などのシース部で被覆したテープ状部材を焼結することにより得られた線材であってもよい。あるいは長軸形状(帯状)のニッケル系の基板上に、超電導線材を構成するたとえばイットリウム系の酸化物超電導体が薄膜形状に形成され、さらに、銀スパッタ層などが積層された構成であってもよい。
ビスマス系の超電導線材は、図7に示すように、長手方向に延びる複数本の超電導体11aと、複数の超電導体11aの全周を被覆するシース部11bとを有している。シース部11bは超電導体11aに接触している。複数本の超電導体11aの各々は、たとえばBi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系の組成を有するビスマス系超電導体が好ましく、特に、(ビスマスと鉛):ストロンチウム:カルシウム:銅の原子比がほぼ2:2:2:3の比率で近似して表されるBi2223相を含む材質が最適である。シース部11bの材質は、たとえば銀や銀合金よりなっている。なお、超電導体11aは、単数本であってもよい。
薄膜超電導線材は、図8に示すように、基板11cと、基板11c上に接して設けられた中間層11dと、中間層11d上に接して設けられた超電導層11eと、超電導層11e上に接して設けられた安定化層11fとを有している。
基板11cは、たとえばステンレス鋼、ニッケル合金(たとえばハステロイ)、または銀合金などの金属よりなっている。中間層11dは、たとえばイットリア安定化ジルコニア、酸化セリウム、酸化マグネシウムまたはチタン酸ストロンチウムなどよりなっている。なお、中間層11dは省略されてもよい。
超電導層11eはたとえばRE123系超電導体よりなっている。RE123系超電導体とは、RExBayCuz7-dにおいて、0.7≦x≦1.3、1.7≦y≦2.3、2.7≦z≦3.3であることを意味する。また、RE123系超電導体のREとは、希土類元素およびイットリウム元素の少なくともいずれかを含む材質を意味する。また、希土類元素としては、たとえばネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ホルミニウム(Ho)、サマリウム(Sm)などが含まれる。RE123系超電導線材は、液体窒素温度(77.3K)での臨界電流密度がビスマス系の超電導線材よりも高いという利点を有している。また、低温下および一定磁場下における臨界電流値が高いという利点を有している。一方で、RE123系超電導体はビスマス系超電導体のようにシース部で被覆することができないので、配向金属基板上に気相法のみまたは液相法のみによって超電導体(超電導薄膜材料)を成膜する方法で製造される。
また、安定化層11fは、超電導層11eの表面保護のために設けられる層であり、たとえば銀や銅などよりなっている。安定化層11fは省略されてもよい。
図7および図8に示すように、超電導線材11がレーストラック状に巻きつけられたときに、上縁10dに位置する上面12と、下縁10eに位置する下面13と、側面14、15とを超電導線材11は有している。上面12および下面13は超電導線材11の幅方向の端部であり、側面14、15は上述した超電導線材の主表面である。超電導線材11が巻回されることにより上面12が多数集合することにより、上述した上縁端部平面が形成される。また同様に、下面13が多数集合することにより、上述した下縁端部平面が形成される。図7および図8に示す超電導線材11については、上面と下面とが反対になるように巻きつけてもよい。
図9は、図6(B)に示す直線部10aの断面図が示す領域に、超電導線材11に流れる電流に起因する磁束線111、112が発生する態様を示す概略図である。図9に示す磁束線111,112は、超電導線材11の周囲を取り巻くように発生する磁束線のうち、漏れ磁束として通常よりも比較的内側を廻る磁束線を示している。図9に示すように、超電導線材11(超電導コイル10)が発生する磁束線111,112は、たとえばモータを構成するロータやステータに当該超電導コイル10を用いた場合において、やや下縁10e側から上縁10d側に傾斜するような軌跡を描く。このため図9に示すように上縁10dが下縁10eよりも内周側(超電導コイル10に囲まれる中空側)に配置されれば、磁束線111、112が超電導線材11の主表面110(図7、図8における側面15に同じ)に沿った方向に進行するよう形成される。これは、磁束線111、112がやや上縁10d側に傾斜するような軌跡を描くため、超電導線材11を上縁10d間の距離が下縁10e間の距離よりも短くなるように配置することにより、磁束線111、112の進行方向と超電導線材11の主表面110の延在方向とが互いに平行に近い状態となるためである。
このような状態になれば、磁束線111、112が、超電導線材11の主表面110に交差する方向(つまり超電導線材11の厚み方向に沿った、主表面110を貫通する方向)となるように進行する割合が減少する。したがって超電導線材11(超電導コイル10)の電流特性の劣化を抑制することができる。
上記超電導コイル10においては、直線部10aのみならず湾曲部10bにおいても、同様に上縁10dが下縁10eよりも内周側に位置する形状となっている。このため、湾曲部10bにおいても直線部10aと同様に、磁束線111、112による電流特性の劣化を抑制することができる。このため超電導コイル10全体としてより確実に、磁束線111、112による電流特性の劣化を抑制することができる。
ただし、上述したように超電導線材11は酸化物超電導体から形成される。このためたとえばセラミックスと同様に、形成する超電導コイルの全周にわたって上縁10dが下縁10eよりも内周側に位置する形状となるように加工(超電導コイル10の巻回)を行なうことは困難である。これは超電導線材11の主表面の幅方向に当該超電導線材11を曲げることが困難なためである。このような主表面の幅方向における曲げ(エッジワイズ曲げ)が超電導線材11に加えられると、超電導線材11を構成する酸化物超電導体が内部にて大きな歪みや大きな内部応力を受け、結果的に超電導線材11が破損を起こす可能性がある。そこで、直線部10aや湾曲部10bにおいて上縁10dが下縁10eよりも内周側に位置することにより内部に生じる応力や歪みを打ち消すため、上述したように境界部10cの少なくとも一部の領域において、上縁10dを下縁10eよりも外周側に配置させるように超電導コイル10を巻回している。このようにして、超電導コイル10全体の応力や歪みの大きさを調整している。
続いて、図10〜図13を参照して、本実施の形態における超電導コイル10の製造方法について説明する。図10〜図13に示すように、まず、円筒面を有する台座51を準備する。
次に、台座51の円筒面51a上に、レーストラック状の鞍形の巻枠52を配置する。巻枠52は、直線部52aと湾曲部52bと境界部52cとを有している。境界部52cは、直線部52aと湾曲部52bとに挟まれており、直線部52aと湾曲部52bとを接続する領域である。直線部52aおよび湾曲部52bでは、上縁52dが下縁52eよりも内周側に位置している。境界部52cでは、上縁52dが下縁52eよりも外周側に位置している。
次に、台座51の円筒面51a上に、巻枠52に沿って超電導線材11を巻きつける。円筒面51a上に超電導線材11を巻きつけることにより、鞍形を形成することができる。
以上の工程を実施することにより、図1に示す本実施の形態における超電導コイル10を製造することができる。このように製造すると、超電導線材11をレーストラック状に巻きつけた後に、プレスすることにより鞍形に形成する場合と比べて、超電導線材11に亀裂が入ることを抑制できる。
(実施の形態2)
図14〜図16を参照して、本発明の実施の形態2における超電導コイル体20について説明する。本実施の形態における超電導コイル体20は、図14に示すように、図1に示す本発明の実施の形態1における超電導コイル10が複数台積層されたものである。具体的には、一の超電導コイル10の上縁(上縁端部平面)に他の超電導コイル10の下縁(下縁端部平面)が対向するように複数台積層される。図14において、積層される個々の超電導コイル10の直線部10a、湾曲部10b、境界部10cは、それぞれ超電導コイル体20の直線部20a、湾曲部20b、境界部20cに相当する。また、図14〜図16においても、図の上側が超電導コイル10(超電導線材11)の上縁10d側であり、図の下側が超電導コイル10(超電導線材11)の下縁10e側である。
超電導コイル10を複数台積層させて超電導コイル体20とすれば、当該超電導コイル体20が発生する磁場の大きさは、単一のコイルである超電導コイル10が発生する磁場の大きさよりも大きくなる。このため、たとえばモータのステータやロータに用いる場合において、単一のコイルである超電導コイル10を用いるよりも、複数台の超電導コイル10が積層された超電導コイル体20を用いることにより、出力を大きくすることができる。ここで、超電導コイル体20に積層される超電導コイル10の台数は、図14においては3台となっているがこれに限られず、任意の台数とすることができる。
なお、超電導コイル体20を構成する個々の超電導コイル10についても、実施の形態1の超電導コイル10と同様に、直線部の少なくとも中央部分、および湾曲部の少なくとも一部の領域において、上縁が下縁よりも内周側に位置する形態となっている。また境界部の一部の領域において、上縁が下縁よりも外周側に位置する形態となるよう逆転した領域が存在する。このため上縁と下縁とが周方向において一致する位置が存在する。
この場合においても、超電導コイル体20の各超電導コイル10に電流を流した際に発生する磁場(磁束線)は、たとえばモータを構成するロータやステータに当該超電導コイル体20を用いた場合において、やや上縁側に傾斜するような軌跡を描く。具体的には、図15に示すように、図15の上下方向に延在する軸(図15において図示しない)に対する磁束線111の進行方向がなす角度が、積層される各超電導線材11からなる系の上側において、下側よりもやや大きくなっている。
このため、超電導コイル体20を構成する個々の超電導コイル10は、中空部の中心における軸に対してすべて同一の角度を有するよう超電導線材11が傾斜されたものを用いてもよいが、積層される個々の超電導コイル10の主表面の傾斜角度がそれぞれ異なるように調整されていることがより好ましい。
このことを図15および図16を用いてより具体的に説明する。図16(A)は図15の下側の超電導線材11の主表面110aが、図15の左右方向に延びる線分(図16における一点鎖線)となす角度θを示す。同様に図16(B)は図15の中央の超電導線材11の主表面110bが、図16における一点鎖線となす角度θを示す。図16(C)は図15の上側の超電導線材11の主表面110cが、図16における一点鎖線となす角度θを示す。
図15および図16より、図15の下側の超電導コイル10の主表面110aよりも、上側の超電導コイル10の主表面110cの方が、左右方向に延在する軸となす角度が小さい(逆に言えば、主表面110aよりも主表面110cの方が、上下方向に延在する軸となす角度が大きい)。このようにすれば、積層された各超電導コイル10に流れる電流が作る磁束線111の進行する方向が、各領域において、磁束線111に対向する超電導コイル(超電導線材11)の主表面110a、110b、110cに沿った方向を向くことになる。したがって、積層された各超電導コイル10のいずれについても、磁束線111が超電導線材11の主表面110a、110b、110cに交差する方向(つまり超電導線材11の厚み方向に沿った、主表面110a、110b、110cを貫通する方向)となるように進行する割合が減少する。したがって超電導線材11(超電導コイル10)の電流特性の劣化を抑制することができる。
なお、図15において積層された各超電導線材11の間に挟まれたスペーサ16は、たとえばFRPからなり、積層される一の超電導線材11と他の超電導線材11との間の電気的な短絡を抑制するためのものである。また、当該各超電導線材11の間に挟まれた領域にたとえば液体窒素などの超電導線材の冷媒を流すことにより、超電導線材の冷却効率を高める作用を有するものである。
(実施の形態3)
図17〜図21を参照して、本発明の回転機器の一実施の形態におけるモータ140を説明する。モータ140は、回転子であるロータ130と、ロータ130の周囲に配置された固定子であるステータ120とを備えている。
図17および図18、図20に示すように、ロータ130は、実施の形態1の超電導コイル10(超電導線材11からなる)が複数台積層された図14の超電導コイル体20様の部材と、回転軸118と、ロータコア113と、ロータ軸116と、冷媒117とを含んでいる。したがって、ロータ130の超電導コイル10の各領域における上縁と下縁との位置関係は、上述したとおりである。
ロータ軸116は、回転軸118の長軸方向に延びる外周面の周囲に形成されている。ロータ軸116の外表面は円弧状である。ロータコア113は、ロータ軸116の、回転軸118に交差する断面における中央部分(回転軸118が配置されている領域)から放射状に、ロータ軸116の外周面から突出するように延びている。超電導コイル10は、ロータコア113を囲むように、かつロータ軸116の円弧状の外表面に沿うように配置されている。冷媒117は、超電導コイル10を冷却する。超電導コイル10と冷媒117とは、断熱容器の内部に配置されている。
ロータ130の周囲には、モータ140の固定子としてのステータ120が形成されている。図17および図19、図21に示すように、ステータ120は、実施の形態1の超電導コイル10(超電導線材11からなる)と、ステータヨーク121と、冷媒127と、ステータコア123とを含んでいる。したがって、ステータ120の超電導コイル10の各領域における上縁と下縁との位置関係は、上述したとおりである。
ステータヨーク121は、ロータコア113の外周を取り囲んでいる。ステータヨーク121の外表面は円弧状である。超電導コイル10は、ステータヨーク121の円弧状の外表面に沿うように配置されている。冷媒127は、超電導コイル10を冷却する。超電導コイル10と冷媒127とは、断熱容器の内部に配置されている。断熱容器は、ステータコア123の一部が配置されるように超電導コイル10の中心において開口部を有している。ステータコア123は、超電導コイル10の周囲を取り囲み、超電導コイル10の中心部を貫通するように配置されている。
図20の拡大図に示すように、ロータ130のロータコア113の外周を巻回するように配置された複数の超電導線材11(超電導コイル10)は、それぞれの主表面110a、110b、110cの、図20の左右方向に延在する軸に対する傾斜角度(図20のロータコア縁部113aに対する傾斜角度)が異なっている。具体的には実施の形態2の図15および図16に示すように、下側の超電導コイル10の主表面110aよりも、上側の超電導コイル10の主表面110cの方が、左右方向に延在する軸となす角度が小さい(逆に言えば、主表面110aよりも主表面110cの方が、上下方向に延在するロータコア縁部113aとなす角度が大きい)。同様に、図21の拡大図に示すように、ステータ120のステータコア123の外周を巻回するように配置された複数の超電導線材11(超電導コイル10)についても、それぞれの主表面110a、110b、110cの、図21の左右方向に延在する軸に対する傾斜角度(図21のステータコア縁部123aに対する傾斜角度)が異なっている。ロータ130と同様に、下側の超電導コイル10の主表面110aよりも、上側の超電導コイル10の主表面110cの方が、左右方向に延在する軸となす角度が小さい(逆に言えば、主表面110aよりも主表面110cの方が、上下方向に延在するステータコア縁部123aとなす角度が大きい)。
このようにすることにより、本発明の実施の形態2で説明したように、各超電導コイル10(超電導線材11)の厚み方向に沿った方向(主表面に交差する方向)に磁束線111が貫通することを抑制することができる。つまり、超電導コイル10(超電導線材11)の電流特性の劣化を抑制することができる。これは、図20および図21に示すように、各超電導コイル10に流れる電流により生じる磁束線111の向きは、各図の上側において下側よりも、ロータコア縁部113a(ステータコア縁部123a)の延在する方向に対する傾斜角度が大きくなるためである。つまり各領域において配置される超電導コイル10(超電導線材11)の主表面の延在方向が、当該超電導コイル10に対向する磁束線111の進行する方向に沿った方向となるためである。
以上説明したように、本実施の形態3における回転機器としてのモータ140は、実施の形態1における超電導コイル10を備えている。つまり、性能の劣化を抑制できる超電導コイルを用いている。このため、モータ140の性能の劣化を抑制することができる。また、超電導コイル10は鞍形であるので、超電導コイル10の底部(下縁)を円筒面に沿って配置することができる。このため、モータ140の小型化を図ることができる。
なお、本実施の形態では、回転機器として、ロータ130とステータ120とを含むモータ140を例に挙げて説明したが、本発明の回転機器はモータに特に限定されず、たとえば、発電機などにも適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、超電導線材を用いた超電導コイル、当該超電導コイルが複数台積層された超電導コイル体、および当該超電導コイルを用いた回転機の電流特性野劣化を抑制する技術として、特に優れている。
10 超電導コイル、10a,20a,52a 直線部、10b,20b,52b 湾曲部、10c,20c,52c 境界部、10d,52d 上縁、10e,52e 下縁、11 超電導線材、11a 超電導体、11b シース部、11c 基板、11d 中間層、11e 超電導層、11f 安定化層、12 上面、13 下面、14,15 側面、16 スペーサ、20 超電導コイル体、51 台座、51a 円筒面、52 巻枠、110,110a,110b,110c 主表面、111,112 磁束線、113 ロータコア、113a ロータコア縁部、116 ロータ軸、117,127 冷媒、118 回転軸、120 ステータ、121 ステータヨーク、123 ステータコア、123a ステータコア縁部、127 冷媒、130 ロータ、140 モータ。

Claims (6)

  1. レーストラック状に酸化物超電導線材が巻きつけられた鞍形の酸化物超電導コイルであって、
    湾曲部と、
    前記湾曲部と接続された直線部とを備え、
    前記直線部の少なくとも中央部分では、上縁が下縁よりも内周側に位置する、酸化物超電導コイル。
  2. 前記湾曲部では、前記上縁が前記下縁よりも内周側に位置する、請求項1に記載の酸化物超電導コイル。
  3. 前記直線部から前記湾曲部へ向かう境界部の一部の領域において、前記上縁が前記下縁よりも外周側に位置する、請求項1または2に記載の酸化物超電導コイル。
  4. 請求項1に記載の酸化物超電導コイルが複数台積層された、酸化物超電導コイル体。
  5. 前記酸化物超電導コイル体における個々の酸化物超電導コイルの、複数台積層された方向に対する前記酸化物超電導線材の主表面の傾斜角度が異なる、請求項4に記載の酸化物超電導コイル体。
  6. 請求項1に記載の酸化物超電導コイルまたは請求項4に記載の酸化物超電導コイル体を含む回転機。
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