JP2011090969A - 透明導電膜形成用塗布液、透明導電膜の形成方法及び透明電極 - Google Patents

透明導電膜形成用塗布液、透明導電膜の形成方法及び透明電極 Download PDF

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Abstract

【課題】分散安定性の向上した透明導電膜形成用塗布液、この塗布液を用いた均一な透明導電膜の形成方法、及び透明電極の提供。
【解決手段】インジウム、スズ、アンチモン、アルミニウム、及び亜鉛から選ばれた1種類以上の金属を含む微粒子が分散されている透明導電膜形成用塗布液であって、該微粒子に、官能基として過酸化物を有する脂肪酸及び官能基として過酸化物を有する脂肪酸エステルから選ばれた1種類以上が吸着している。この透明導電膜形成用塗布液を用いて透明導電膜を形成する。この透明導電膜からなる透明電極。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電膜形成用塗布液、透明導電膜の形成方法及び透明電極に関し、特に、透明導電膜の金属成分となる金属を含む微粒子が分散されている分散液である透明導電膜形成用塗布液、該塗布液を用いた透明導電膜の形成方法、及び該方法で形成された透明導電膜からなる透明電極に関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ用の電極や、タッチパネル用の導電膜として、ITO(インジウム・スズ酸化物)、ATO(アンチモン・スズ酸化物)等の金属酸化物からなる透明導電膜が用いられている。この透明導電膜の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等があり、これらの方法で、基材上に前記の金属酸化物を成膜することにより透明導電膜を形成している。一般的には、ITO膜をスパッタリング法により形成している。
また、上記の透明導電膜の成膜方法以外に、ITO、AZO等の酸化物微粒子を含んでなる塗布液を基板上に塗布し、乾燥後、焼成することにより透明導電膜を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開平07−242842号公報(特許請求の範囲) 特開2003−249131号公報(特許請求の範囲)
一般に、上記従来技術における透明導電膜を形成するための塗布液中に含まれる微粒子の表面には分散剤が吸着している。この分散剤により、微粒子が塗布液中で安定に分散している。これらの塗布液により透明導電膜を形成する際には、基材上に塗布液を塗布して得られた塗膜の熱処理を行う。この熱処理により、吸着している分散剤が微粒子表面から脱離・消失し、その後に微粒子同士が焼結することにより導電性が発現する。しかしながら、従来の塗布液では、分散剤の能力が十分ではなく、経時変化により微粒子の分散性が低下し、塗布液中で、微粒子が凝集、沈降してしまうことがあった。この結果として、均一な塗膜を形成することができないばかりか、例えば、塗布法の一つであるインクジェット印刷時に、インクジェット印刷用のヘッドのノズルを閉塞させてしまい、安定に描画することが困難となるという問題があった。
上記課題に鑑み、本発明者らが鋭意検討を行った結果、微粒子表面に、官能基として過酸化物を有する脂肪酸及び官能基として過酸化物を有する脂肪酸エステルから選ばれた1種類以上が吸着していれば、得られる微粒子は塗布液中で安定に分散し、かつ、時間が経過しても、微粒子は、優れた分散安定性を維持することを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
本発明の透明導電膜形成用塗布液、透明導電膜の形成方法及び透明電極は以下の点を特徴とする。
(1)透明導電膜形成用塗布液が、インジウム、スズ、アンチモン、アルミニウム、及び亜鉛から選ばれた1種類以上の金属を含む微粒子が分散されている透明導電膜形成用塗布液であって、該微粒子に、官能基として過酸化物を有する脂肪酸及び官能基として過酸化物を有する脂肪酸エステルから選ばれた1種類以上が吸着していることを特徴とする。
前記金属には、前記金属自体、これら金属の2種以上からなる合金、これら金属の1種類以上の酸化物、及びこれらの混合物が含まれるものとする。この混合物には、金属同士の混合物、合金同士の混合物、金属酸化物同士の混合物、及びこれら金属、合金及び金属酸化物の2種類以上の混合物が含まれるものとする。
(2)透明導電膜の形成方法が、前記の透明導電膜形成用塗布液を基材に塗布し、乾燥及び焼成して透明導電膜を形成することを特徴とする。
(3)前記透明導電膜の形成方法における焼成が、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、及び還元性ガス雰囲気から選ばれた1種類以上の雰囲気中で行われることを特徴とする。前記焼成を行った後に、さらに酸化性ガス雰囲気中で焼成を行うことを特徴とする。
(4)前記透明導電膜の形成方法における塗布が、インクジェット印刷により行われることを特徴とする。
(5)透明電極が、前記透明導電膜の形成方法により形成された透明導電膜からなることを特徴とする。
本発明によれば、優れた分散安定性を有する微粒子が分散されている透明導電膜形成用塗布液を提供することが可能となり、また、この塗布液を用いれば、経時変化により微粒子の分散安定性が低下して、微粒子が凝集・沈降することがないため、例えばインクジェット印刷により塗膜を形成する場合において、インクジェット用ヘッドのノズルを閉塞することなく、安定に塗布、描画が可能であり、均一な透明導電膜を得ることができる。かくして、この透明導電膜からなる所望の透明電極を提供することができる。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、インジウム、スズ、アンチモン、アルミニウム、及び亜鉛から選ばれる1種類以上の金属を、金属自体として、合金として、酸化物として、又はこれらの任意の混合物として含んでなる微粒子の形状で溶媒中に分散されてなるものである。2種以上の金属を含む酸化物には、例えば、ドーピングした金属酸化物として、SnドープIn(ITO)、SbドープSnO(ATO)、ZnドープIn(IZO)及びAlドープZnO(AZO)等から選ばれた金属酸化物、及びこれらの金属酸化物等の混合物を挙げることがきる。
これらの微粒子を塗布液中で安定に分散させるために、微粒子の表面には分散剤が吸着しており、この分散剤が、官能基として過酸化物を有する脂肪酸及び官能基として過酸化物を有する脂肪酸エステルを含んでなることが好適である。
本発明では、官能基として過酸化物を有する脂肪酸及び官能基として過酸化物を有する脂肪酸エステルの1種類以上を用いる。官能基として過酸化物を有する脂肪酸及び官能基として過酸化物を有する脂肪酸エステルは、脂肪酸及び脂肪酸エステルを加熱処理し、官能基として過酸化物を生成させることにより得られる。官能基として過酸化物を生成させるための加熱処理の温度は、特に限定されないが、100〜200℃の範囲が好ましい。
官能基として過酸化物を生成させる脂肪酸としては、不飽和脂肪酸が好ましく、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸等が挙げられる。本発明で用いる官能基として過酸化物を生成させる脂肪酸は、不飽和脂肪酸であればよく、特にこれらに限定されない。
官能基として過酸化物を生成させる脂肪酸エステルとしては、飽和脂肪酸エステル及び不飽和脂肪酸エステルのどちらでも好ましく、例えば、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸メチル、オクタン酸エチル、2−エチルヘキサン酸メチル、2−エチルヘキサン酸エチル、ノナン酸メチル、ノナン酸エチル、デカン酸メチル、デカン酸エチル、ウンデカン酸メチル、ウンデカン酸エチル、ドデカン酸メチル、ドデカン酸エチル、トリデカン酸メチル、トリデカン酸エチル、テトラデカン酸メチル、テトラデカン酸エチル、テトラデカン酸イソプロピル、ミリストレイン酸メチル、ペンタデカン酸メチル、ペンタデカン酸エチル、ヘキサデカン酸メチル、ヘキサデカン酸エチル、パルミトレイン酸メチル、ヘプタデカン酸メチル、ヘプタデカン酸エチル、オクタデカン酸メチル、オクタデカン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、バクセン酸メチル、エレオステアリン酸メチル、ノナデカン酸メチル等が挙げられる。本発明で用いる官能基として過酸化物を生成させる脂肪酸エステルは、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステルのどちらでもよく、特にこれらに限定されない。
前記脂肪酸及び脂肪酸エステルを加熱することにより生成した過酸化物の濃度は、一般に、過酸化物価(POV)として表される。本発明において使用する、官能基として過酸化物を有する脂肪酸及び脂肪酸エステルのPOVの範囲は特に限定されないが、POVが3〜100meq/kgの範囲であることがより好ましい。
前記脂肪酸及び脂肪酸エステルを加熱処理し、官能基として過酸化物を生成させたものを含んでなるものを分散剤として微粒子に吸着させるのが好適である。
本発明で使用される微粒子の作製方法は、特に制限されず、例えば、蒸発法であっても、湿式還元法、有機金属化合物の高温雰囲気へのスプレーによる熱還元法等であってもよい。
前記作製方法のうちの蒸発法を代表例として説明すれば、この方法は、真空ないしガス雰囲気中で、かつ分散剤の液体や蒸気が共存する空間内で、金属、合金又は金属酸化物を蒸発させ、その後、該金属等の蒸気を凝縮させることにより微粒子を作製するものである。このガス中蒸発法により、粒径50nm以下の粒度の揃った微粒子を作製することが可能である。該方法により作製した微粒子には、その表面に分散剤が吸着しているため、個々の微粒子同士は凝集せず、その後の工程において、適当な有機溶媒に、容易に分散させることが可能である。
蒸発法により微粒子を作製する場合、金属等の蒸気を冷却させる閉空間内に該分散剤を共存させておくと、該蒸気が冷却されて微粒子が生成される際に、微粒子表面に該分散剤が強固に吸着するため、個々の微粒子は凝集することがない。本発明では、前記閉空間内で吸着させる分散剤として、官能基として過酸化物を含む脂肪酸及び官能基として過酸化物を含む脂肪酸エステルのいずれか1種類以上を使用する。
前記蒸発法により作製した微粒子には、官能基として過酸化物を含む脂肪酸及び官能基として過酸化物を含む脂肪酸エステルが吸着している。この分散剤が吸着した微粒子を、蒸発工程を行った閉空間内から取り出した後、必要に応じて、さらに分散剤を吸着させることも可能である。前記の蒸発工程を行った閉空間内から取り出した微粒子に、さらに、吸着させる分散剤としては、前記脂肪酸を好ましく使用することができる。ここで使用する脂肪酸は、特に限定されず、官能基として過酸化物を有する脂肪酸であってもよいし、官能基として実質的に過酸化物を有していない脂肪酸であってもよい。前記の蒸発工程を行った閉空間から取り出した微粒子に、さらに、前記の分散剤を吸着させることによって、塗布液中での微粒子の分散安定性をより高めることができる。前記の蒸発工程を行った閉空間内から取り出した微粒子に、さらに脂肪酸が吸着するメカニズムは明らかではないが、前記蒸発工程において微粒子に吸着した分散剤の過酸化物の部位と、脂肪酸のカルボキシル基との反応が関与していると考えられる。従って、前記の蒸発工程を行った閉空間から取り出した微粒子に、さらに、吸着させる分散剤としては、構造中にカルボキシル基を有する脂肪酸を使用することが好ましい。
前記蒸発工程を行った閉空間内から取り出した微粒子に、さらに分散剤を吸着させる方法は、特に限定されないが、例えば、前記蒸発工程を行った閉空間内から取り出した微粒子を容器に入れ、これにアセトン等の有機溶媒を加えて攪拌し、スラリーとした後、このスラリーに、さらに分散剤となる脂肪酸を添加して攪拌すればよい。
前記方法により作製した微粒子を、ベンゼン、トルエン、キシレン、デカヒドロナフタレン、シクロドデセン、シクロヘキシルベンゼン等の脂環式炭化水素類や、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン等の直鎖炭化水素類等の溶媒に分散させることにより、微粒子の分散安定性に優れた透明導電膜形成用塗布液を得ることができる。前記の溶媒は、単独で使用してもよいし、混合物として使用してもよい。
作製した塗布液中の微粒子の濃度は、1〜70wt%の範囲となるように、用途に応じて塗布し易く、かつ所望の膜厚になるように適宜設定すればよく、塗布液作製後であっても、希釈により、また、減圧留去による濃縮により、随時調整が可能である。
本発明の透明導電膜形成用塗布液を塗布する基材は、透明基材であれば特に制限されず、例えば、ガラス基材や、アクリル樹脂基材、ポリイミド樹脂基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の低温焼成が可能な有機樹脂材料からなる基材であってもよいし、有機系カラーフィルターのような有機物の膜が成膜された基材であってもよい。これらを単独で又は貼り合わせて基材として用いることができる。この基材の形状としては、特に制限されず、例えば、平板、立体物、フィルム等であってもよい。なお、これらの基材は、本発明の塗布液を塗布する前に、純水や超音波等を用いて洗浄することが好ましい。
本発明の塗布液の基材への塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレー法、浸漬法、ロールコート法、スクリーン印刷法、コンタクトプリント法、スリットコート法、インクジェット法(インクジェット印刷法)等が挙げられる。塗布は、所望の膜厚を得ることができれば、一度塗りでも重ね塗りでもよい。
本発明の塗布液の基材への塗布方法としては、上記の塗布方法のなかでも、インクジェット印刷法がより好ましい。このインクジェット印刷法は、塗布する基材の必要な領域に必要な量だけ塗布することが可能であるため、結果として、材料の利用効率が高くなり好ましい。インクジェット印刷法ではまた、基材全面に塗布し、形成された塗膜を焼成して透明導電膜を得た後、エッチング等の処理により、基材中の透明導電膜の不要な箇所を除去する方法と比較すると、透明導電膜を形成する工程の簡略化が可能であり、また、エッチング等の工程で発生する廃液の問題を解消することができる。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、前記の微粒子が溶媒中に分散してなるものであり、この溶媒の種類は特に限定されないが、塗布法としてインクジェット印刷法を用いる場合には、インクジェット印刷用のインク液を調製する際に、ヘッド材料(表面コート材を含む)との相性(例えば、ヘッド材料を腐食、溶解等しないという物性を有すること)や、ヘッド内での金属微粒子の凝集、粒子詰まりを考慮して、適切な溶媒を選定する必要がある。そのためには、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、オクチルベンゼン、ドデシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカンを好ましく使用することができる。これらの溶媒の沸点は180℃以上であるために、インクジェット印刷法による塗布の際に発生させる微小の液滴が吐出される前に乾くことがなく、液滴を滴下するためのノズルの目詰まり等を起こしにくいという利点がある。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記塗布液を基材に塗布した後、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気、及び酸化性ガス雰囲気から選ばれた雰囲気中において350℃以下で焼成を行う。
前記真空雰囲気としては、例えば、1×10−3Pa〜1×10Paの圧力下の雰囲気であり、温度180〜350℃で行うことができる。
前記不活性ガス雰囲気としては、例えば、希ガス、二酸化炭素及び窒素からなる雰囲気であることが好ましい。この不活性ガス雰囲気中での焼成温度は、180〜350℃であることが好ましい。
前記還元性ガス雰囲気としては、例えば、一酸化炭素及び低級アルコール等のガスを含んでいる雰囲気、水素ガス雰囲気、及び活性水素ガス雰囲気から選ばれる少なくとも1種の雰囲気であることが好ましい。この還元性ガス雰囲気中での焼成温度は、180〜350℃であることが好ましい。
また、前記酸化性ガス雰囲気としては、例えば、大気(空気)、酸素ガス、酸素原子含有ガス、水蒸気、及び水蒸気含有ガス等のガスを含んでいる雰囲気から選ばれる少なくとも1種の雰囲気であることが好ましい。この酸化性ガス雰囲気中での焼成温度は、180〜350℃であることが好ましい。
本発明によれば、前記塗布液を基材に塗布した後、前記真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、及び還元性ガス雰囲気から選ばれる雰囲気中において350℃以下で焼成を行い、次いで酸化性ガス雰囲気中において350℃以下で焼成を行うことがより好ましい。この場合、特に、前記真空雰囲気、不活性ガス雰囲気及び還元性ガス雰囲気中での焼成温度が350℃を超えると、得られる透明導電膜の導電性が低下することがある。以下、これらの焼成工程について説明する。
本発明によれば、前記塗布液により形成した塗膜を、まず、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、及び還元性ガス雰囲気から選ばれる雰囲気中で350℃以下の焼成を行う。微粒子が金属及び/又は合金からなる場合、前記の雰囲気中で焼成を行うことにより金属、合金の微粒子の酸化を抑制しながら、微粒子表面に吸着する分散剤を熱分解させることができる。また、微粒子が酸化物である場合には、前記雰囲気で焼成することにより、微粒子表面が還元されて薄い金属の表面層が形成されると同時に、微粒子表面に吸着する分散剤を熱分解させることができる。このため、微粒子同士の焼結が金属の状態を介して進行するので、より焼結が進行しやすくなる。さらに、微粒子表面に吸着している分散剤が脂肪酸及び脂肪酸エステルであるため、焼成の行われる雰囲気が真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、及び還元性ガス雰囲気であっても、分散剤の熱分解は容易に進行する。なお、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気での焼成は、これらの雰囲気から選ばれる1種類のみで行ってもよいが、真空雰囲気での焼成後に、さらに、不活性ガス雰囲気や還元性ガス雰囲気で行ってもよいし、真空引きを行いながら、不活性ガスや還元性ガスを導入して焼成を行ってもよい。
真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気中で350℃以下の焼成を行った後、さらに、酸化性ガス雰囲気中で350℃以下の焼成を行う。この酸化性ガス雰囲気での焼成により、膜中の金属成分や合金成分が酸化するため、最終的に金属酸化物膜が得られ、膜の透明化を図ることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
市販のオレイン酸メチルを用いて160℃において3時間の加熱処理を行い、官能基として過酸化物を含むオレイン酸メチルを調製した。ヨウ素滴定法により求めた、160℃において3時間の加熱処理を行った後のオレイン酸メチルの過酸化物価は、48.9meq/kgであった。
次に、10Paの圧力下で高周波誘導加熱を用いる蒸発法によりSnを10重量%含むIn−Sn合金微粒子を作製する際に、生成過程のIn−Sn合金微粒子に、官能基として過酸化物を含むオレイン酸メチルを接触させた後、冷却捕集して、平均粒子径4nmのIn−Sn合金の微粒子を含む粒子生成液を得た。この粒子生成液とは、官能基として過酸化物を含むオレイン酸メチル及びIn−Sn合金の微粒子の混合物を意味する。
この粒子生成液1容量に対してアセトンを5容量加え、撹拌した後、静置した。極性のアセトンの作用により液中の微粒子は沈降した。3時間静置後に、上澄み液を除去し、再び最初と同じ量のアセトンを加えて撹拌し、静置した。3時間静置後、上澄み液を除去した。残った沈降物にシクロドデセンを添加した後、アセトンを留去し、平均粒径4nmのIn−Sn合金微粒子の分散液である塗布液を得た。
この塗布液を、インクジェット装置により、ガラス基材上に塗布し、塗膜を作製した。塗布液のインクジェット工程における吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。また、調製後6ヶ月を経過した塗布液を、再度、インクジェット工程において吐出を試みたところ、塗布液の吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。
この塗膜を230℃で1時間、圧力8Paの真空雰囲気中で焼成した。次いで、真空焼成後の膜を、230℃で30分間、大気(空気)雰囲気中で焼成した。
得られた膜の膜厚は200nmであり、表面抵抗500Ω/□(比抵抗1.0×10−2Ω・cm)であった。また、得られた膜の、波長550nmの透過率は95%を示した。なお、上記真空雰囲気中で焼成して得られた、大気(空気)雰囲気中での焼成前の膜の表面抵抗は、上記とほぼ同じであったが、透過率は若干低かった。
市販のオレイン酸メチルを用いて160℃において3時間の加熱処理を行い、官能基として過酸化物を含むオレイン酸メチルを調製した。ヨウ素滴定法により求めた、160℃において3時間の加熱処理を行った後のオレイン酸メチルの過酸化物価は、48.9meq/kgであった。
次に、10Paの圧力下で高周波誘導加熱を用いる蒸発法によりSnを10重量%含むIn−Sn合金微粒子を作製する際に、生成過程のIn−Sn合金微粒子に、官能基として過酸化物を含むオレイン酸メチルを接触させた後、冷却捕集して、平均粒子径4nmのIn−Sn合金の微粒子を含む粒子生成液を得た。この粒子生成液とは、前記定義の通りである。
この粒子生成液1容量に対してアセトンを5容量加え、さらにオレイン酸を0.01容量加え、撹拌した後、静置した。極性のアセトンの作用により液中の微粒子は沈降した。3時間静置後に、上澄み液を除去し、再び最初と同じ量のアセトンを加え撹拌し、静置した。3時間静置後、上澄み液を除去した。残った沈降物にシクロドデセンを添加した後、アセトンを留去し、平均粒径4nmのIn−Sn合金微粒子の分散液である塗布液を得た。
この塗布液を、インクジェット装置により、ガラス基材上に塗布し、塗膜を作製した。塗布液のインクジェット工程における吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。また、調製後6ヶ月を経過した塗布液を、再度、インクジェット工程において吐出を試みたところ、塗布液の吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。
この塗膜を230℃で1時間、圧力8Paの真空雰囲気中で焼成した。次いで、真空焼成後の膜を、230℃で30分間、大気(空気)雰囲気中で焼成した。
得られた膜の膜厚は200nmであり、表面抵抗550Ω/□(比抵抗1.1×10−2Ω・cm)であった。また、得られた膜の、波長550nmの透過率は95%を示した。なお、上記真空雰囲気中で焼成して得られた、大気(空気)雰囲気中での焼成前の膜の表面抵抗は、上記とほぼ同じであったが、透過率は若干低かった。
実施例1の成膜方法を繰り返した。ただし、実施例1における真空雰囲気中での焼成の代わりに、不活性ガス(窒素)雰囲気中での焼成、還元性ガス(一酸化炭素ガス)雰囲気中での焼成、圧力8Pa下での不活性ガス(窒素)雰囲気中での焼成、及び圧力8Pa下での還元性ガス(一酸化炭素ガス)雰囲気中での焼成を、それぞれ行った。
上記雰囲気中で焼成して得られた膜の膜厚は、それぞれ200nm程度であり、表面抵抗及び透過率は、それぞれ実施例1の場合とほぼ同程度あった。
実施例1の成膜方法を繰り返した。ただし、実施例1における真空雰囲気及び酸化性ガス雰囲気中での焼成の代わりに、最初に真空雰囲気中での焼成をした後、不活性ガス(窒素)雰囲気中での焼成、及び還元性ガス(一酸化炭素ガス)雰囲気中での焼成をそれぞれ行った。
上記雰囲気中で焼成して得られた膜の膜厚は、それぞれ200nm程度であり、表面抵抗及び透過率は、それぞれ実施例1の場合とほぼ同程度あった。
市販のオレイン酸50重量部、リノール酸40重量部、リノレン酸8重量部、アラキドン酸1重量部、エイコサペンタエン酸1重量部を混合し攪拌した後、これを実施例1と同様に官能基として過酸化物を含む各脂肪酸を調製した。過酸化物価は、59.7meq/kgであった。
次に、10Paの圧力下で高周波誘導加熱を用いる蒸発法によりSb−Sn合金微粒子を作製する際に、生成過程のSb−Sn合金微粒子に、官能基として過酸化物を含む前記各脂肪酸を接触させた後、冷却捕集して、平均粒子径4nmのSb−Sn合金の微粒子を含む粒子生成液を得た。この粒子生成液とは、上記で定義した通りである。
この粒子生成液1容量に対してアセトンを5容量加え、撹拌した後、静置した。極性のアセトンの作用により液中の微粒子は沈降した。3時間静置後に、上澄み液を除去し、再び最初と同じ量のアセトンを加えて撹拌し、静置した。3時間静置後、上澄み液を除去した。残った沈降物にシクロドデセンを添加した後、アセトンを留去し、平均粒径4nmのSb−Sn合金微粒子の分散液である塗布液を得た。
この塗布液を、インクジェット装置により、ガラス基材上に塗布し、塗膜を作製した。塗布液のインクジェット工程における吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。また、調製後6ヶ月を経過した塗布液を、再度、インクジェット工程において吐出を試みたところ、塗布液の吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。
この塗膜を230℃で1時間、圧力8Paの不活性ガス雰囲気(窒素ガス雰囲気)中でそれぞれ焼成した。次いで、真空焼成後の膜を、230℃で30分間、大気(空気)雰囲気中で焼成した。
得られた膜の膜厚、表面抵抗(比抵抗)及び透過率は、実施例1の場合と同様であった。
市販のオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸を用いて実施例5と同様に官能基として過酸化物を含む各脂肪酸を調製した。過酸化物価は、実施例5と同じである。
次に、10Paの圧力下で高周波誘導加熱を用いる蒸発法によりAl−Zn合金微粒子を作製する際に、生成過程のAl−Sn合金微粒子に、官能基として過酸化物を含む前記脂肪酸を接触させた後、冷却捕集して、平均粒子径4nmのAl−Sn合金の微粒子を含む粒子生成液を得た。この粒子生成液とは、上記で定義した通りである。
この粒子生成液1容量に対してアセトンを5容量加え、撹拌した後、静置した。極性のアセトンの作用により液中の微粒子は沈降した。3時間静置後に、上澄み液を除去し、再び最初と同じ量のアセトンを加えて撹拌し、静置した。3時間静置後、上澄み液を除去した。残った沈降物にシクロドデセンを添加した後、アセトンを留去し、平均粒径4nmのAl−Sn合金微粒子の分散液である塗布液を得た。
この塗布液を、インクジェット装置により、ガラス基材上に塗布し、塗膜を作製した。塗布液のインクジェット工程における吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。また、調製後6ヶ月を経過した塗布液を、再度、インクジェット工程において吐出を試みたところ、塗布液の吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。
この塗膜を230℃で1時間、圧力8Paの還元性ガス雰囲気(一酸化炭素ガスを含んでいる雰囲気)中でそれぞれ焼成した。
得られた膜の膜厚、表面抵抗(比抵抗)及び透過率は、実施例1の場合と同様であった。
市販のオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸を用いて実施例5と同様に官能基として過酸化物を含む各脂肪酸を調製した。過酸化物価は、実施例5と同じである。
次に、10Paの圧力下で高周波誘導加熱を用いる蒸発法によりIn微粒子、Sn微粒子をそれぞれ作製する際に、生成過程のIn微粒子、Sn微粒子に、官能基として過酸化物を含む前記脂肪酸を接触させた後、冷却捕集して、平均粒子径4nmのInの微粒子、Snの微粒子を含む粒子生成液をそれぞれ得た。この粒子生成液とは、上記で定義した通りである。
この粒子生成液1容量に対してアセトンを5容量加え、撹拌した後、静置した。極性のアセトンの作用により液中の微粒子は沈降した。3時間静置後に、上澄み液を除去し、再び最初と同じ量のアセトンを加えて撹拌し、静置した。3時間静置後、上澄み液を除去した。残った沈降物にシクロドデセンを添加した後、アセトンを留去し、平均粒径4nmのIn微粒子、Sn微粒子の分散液である塗布液をそれぞれ得た。
この各塗布液を、インクジェット装置により、ガラス基材上に塗布し、塗膜を作製した。塗布液のインクジェット工程における吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。また、調製後6ヶ月を経過した塗布液を、再度、インクジェット工程において吐出を試みたところ、塗布液の吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。
この各塗膜を230℃で1時間、圧力8Paの真空雰囲気中でそれぞれ焼成した。次いで、真空焼成後の各膜を、230℃で30分間、大気(空気)雰囲気中で焼成した。
得られた膜の膜厚、表面抵抗(比抵抗)及び透過率は、実施例1の場合と同様であった。
市販のオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸を用いて実施例5と同様に官能基として過酸化物を含む各脂肪酸を調製した。過酸化物価は、実施例5と同じである。
次に、10Paの圧力下で高周波誘導加熱を用いる蒸発法によりITO微粒子を作製する際に、生成過程のITO微粒子に、官能基として過酸化物を含む各脂肪酸を接触させた後、冷却捕集して、平均粒子径4nmのITOの微粒子を含む粒子生成液を得た。この粒子生成液とは、上記で定義した通りである。
この粒子生成液1容量に対してアセトンを5容量加え、撹拌した後、静置した。極性のアセトンの作用により液中の微粒子は沈降した。3時間静置後に、上澄み液を除去し、再び最初と同じ量のアセトンを加えて撹拌し、静置した。3時間静置後、上澄み液を除去した。残った沈降物にシクロドデセンを添加した後、アセトンを留去し、平均粒径4nmのAl−Sn合金微粒子の分散液である塗布液を得た。
この塗布液を、インクジェット装置により、ガラス基材上に塗布し、塗膜を作製した。塗布液のインクジェット工程における吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。また、調製後6ヶ月を経過した塗布液を、再度、インクジェット工程において吐出を試みたところ、塗布液の吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。
この塗膜を230℃で1時間、還元性ガス雰囲気(一酸化炭素ガスを含んでいる雰囲気)中でそれぞれ焼成した。
得られた膜の膜厚、表面抵抗(比抵抗)及び透過率は、実施例1の場合と同様であった。
市販のリノール酸メチル55重量部、リノレン酸メチル5重量部、ヘキサン酸メチル10重量部、ヘプタン酸メチル10重量部、オクタン酸メチル20重量部を混合し攪拌した後、これを実施例1と同様に官能基として過酸化物を含む各脂肪酸エステルを調製した。過酸化物価は、60.3meq/kgであった。
次に、10Paの圧力下で高周波誘導加熱を用いる蒸発法によりSnを10重量%含むIn−Sn合金微粒子を作製する際に、生成過程のIn−Sn合金微粒子に、官能基として過酸化物を含む各脂肪酸エステルを接触させた後、冷却捕集して、平均粒子径4nmのIn−Sn合金の微粒子を含む粒子生成液を得た。この粒子生成液とは、上記で定義した通りである。
この粒子生成液1容量に対してアセトンを5容量加え、撹拌した後、静置した。極性のアセトンの作用により液中の微粒子は沈降した。3時間静置後に、上澄み液を除去し、再び最初と同じ量のアセトンを加えて撹拌し、静置した。3時間静置後、上澄み液を除去した。残った沈降物にシクロドデセンを添加した後、アセトンを留去し、平均粒径4nmのIn−Sn合金微粒子の分散液である塗布液を得た。
この塗布液を、インクジェット装置により、ガラス基材上に塗布し、塗膜を作製した。塗布液のインクジェット工程における吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。また、調製後6ヶ月を経過した塗布液を、再度、インクジェット工程において吐出を試みたところ、塗布液の吐出安定性は良好であり、インクジェット用ヘッドのノズルは閉塞することもなく、均一な塗膜を得ることができた。
この塗膜を230℃で1時間、圧力8Paの真空雰囲気中で焼成した。次いで、真空焼成後の膜を、230℃で30分間、大気(空気)雰囲気中で焼成した。
得られた膜の膜厚、表面抵抗(比抵抗)及び透過率は、実施例1の場合と同様であった。
(比較例1)
10Paの圧力下で高周波誘導加熱を用いる蒸発法によりSnを10重量%含むIn−Sn合金微粒子を作製する際に、生成過程のIn−Sn合金微粒子に、市販のオレイン酸メチル(実質的に、官能基として過酸化物を含まないオレイン酸メチル)を接触させた後、冷却捕集して、平均粒子径4nmのIn−Sn合金の微粒子を含む粒子生成液を得た。この粒子生成液とは、前記定義の通りである。
この粒子生成液1容量に対してアセトンを5容量加え、撹拌した後、静置した。極性のアセトンの作用により液中の微粒子は沈降した。3時間静置後に、上澄み液を除去し、再び最初と同じ量のアセトンを加え撹拌し、静置した。3時間静置後、上澄み液を除去した。残った沈降物にシクロドデセンを添加した後、アセトンを留去し、平均粒径4nmのIn−Sn合金微粒子の分散液である塗布液を得た。
この塗布液を、インクジェット工程において吐出を試みたところ、塗布液の吐出不良により、インクジェット用ヘッドのノズルが閉塞してしまい、均一な塗膜を得ることができなかった。
本発明によれば、優れた分散安定性を有する微粒子を含む透明導電膜形成用塗布液を提供することが可能となり、また、この塗布液を用いれば、経時変化により微粒子の分散安定性が低下して、微粒子が凝集・沈降することがないため、例えばインクジェット印刷により塗膜を形成する場合において、インクジェット用ヘッドのノズルを閉塞することなく、安定に塗布、描画が可能であり、均一な透明導電膜を得ることができ、かくして、この透明導電膜からなる所望の透明電極を提供できるので、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用の電極やタッチパネル用導電膜等の電子工業の技術分野で利用可能である。

Claims (6)

  1. インジウム、スズ、アンチモン、アルミニウム、及び亜鉛から選ばれた1種類以上の金属を含む微粒子が分散されている透明導電膜形成用塗布液であって、該微粒子に、官能基として過酸化物を有する脂肪酸及び官能基として過酸化物を有する脂肪酸エステルから選ばれた1種類以上が吸着していることを特徴とする透明導電膜形成用塗布液。
  2. 請求項1に記載の透明導電膜形成用塗布液を基材に塗布し、乾燥及び焼成して透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  3. 前記焼成を、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、及び還元性ガス雰囲気から選ばれた1種類以上の雰囲気中で行うことを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜の形成方法。
  4. 前記焼成を、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、及び還元性ガス雰囲気から選ばれた1種類以上の雰囲気中で行った後に、さらに酸化性ガス雰囲気中で焼成を行うことを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜の形成方法。
  5. 前記塗布が、インクジェット印刷により行われることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  6. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の形成方法により形成された透明導電膜からなることを特徴とする透明電極。
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