JP2011090889A - 有機el表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法 - Google Patents

有機el表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011090889A
JP2011090889A JP2009243597A JP2009243597A JP2011090889A JP 2011090889 A JP2011090889 A JP 2011090889A JP 2009243597 A JP2009243597 A JP 2009243597A JP 2009243597 A JP2009243597 A JP 2009243597A JP 2011090889 A JP2011090889 A JP 2011090889A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
pixel
current value
display device
luminance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009243597A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoki Hiraoka
知己 平岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009243597A priority Critical patent/JP2011090889A/ja
Publication of JP2011090889A publication Critical patent/JP2011090889A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】簡易的な構成により欠陥画素の検査段階でリペアの可否判定を可能とし、リペア工程での作業ロスを低減した有機EL表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】有機EL表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素の発光輝度を測定する輝度測定ステップS10と、輝度測定ステップで測定された発光輝度の大きさに基づいて、欠陥画素を特定する画素特定ステップS20と、画素特定ステップで特定された欠陥画素の有する有機EL素子に所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定ステップS30と、電流値測定ステップで測定された電流値の大きさに基づいて、欠陥画素の有機EL素子が短絡しているか否かを判定する判定ステップS40及びS50とを含む有機EL表示装置の検査方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機EL表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法に関し、特にリペア可能な有機EL素子を有する表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法に関する。
電流駆動型の発光素子を用いた画像表示装置として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す。)を用いた有機ELディスプレイが知られている。この有機ELディスプレイは、視野角特性が良好で、消費電力が少ないという利点を有するため、次世代のFPD(Flat Panal Display)候補として注目されている。
通常、画素を構成する有機EL素子はマトリクス状に配置される。例えば、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイでは、複数の走査線と複数のデータ線との交点に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が設けられ、このTFTに保持容量素子(コンデンサ)及び駆動トランジスタのゲートが接続されている。そして、選択した走査線を通じてこのTFTをオンさせ、データ線からのデータ信号を駆動トランジスタ及び保持容量素子に入力し、その駆動トランジスタ及び保持容量素子によって有機EL素子の発光タイミングを制御する。この画素駆動回路の構成により、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイでは、次の走査(選択)まで有機EL素子を発光させることが可能であるため、デューティ比が上がってもディスプレイの輝度減少を招くようなことはない。しかしながら、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイでは、発光画素の構造が微細化、薄型化されるほど、また、発光画素数が増加するほど、微細加工を必要とする製造工程において、有機EL素子の短絡や開放といった電気的な不具合が発生してしまう。
これに対し、有機EL素子に起因する欠陥画素を検出する技術が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1では、欠陥部の位置を精確に把握し、欠陥部をレーザー照射により局所的に高抵抗化し、当該欠陥部の存在する画素を画素全体の機能を失わせること無くリペアするリペア方法とその装置を提供している。具体的には、有機EL素子の電圧電流特性を計測し、リーク電流の有無を判断し、リーク発光像を取得し、リーク発光部分にレーザーを照射してリペアする。これによれば、欠陥部を発見できるとともに、当該欠陥部の位置を精確に把握でき、レーザーを当該欠陥部に照射することができる。よって、リペア作業の効率を向上させることができるとしている。
また、特許文献2では、有機ELディスプレイの電極に生じるリーク電流等からその良否を判断する技術が開示されている。具体的には、有機ELディスプレイに検査電圧を印加し、有機EL素子の電極間に電流を流すことによりリーク電流値を検出する。これにより、有機ELディスプレイの良否判定を行うとしている。
特開2007−42498号公報 特開平10−321367号公報
しかしながら、特許文献1に記載された欠陥部の検出方法では、リーク発光が検出され、検出された画素においてレーザー照射しても、ショート欠陥はリペアできるが、オープン不良はリペアできない。従って、検査、リペアのフローにおいて、リペア出来ないものをリペア工程へ流すことは無駄となる。
また、特許文献2に記載された欠陥部の検出方法では、リーク電流は微小であり、画素単位で検出することは難しい。また、検査電圧によりショート欠陥部に流れる画素電流値は、他の正常部に流れる画素電流値と変わらないため検出できないという課題を有する。一方、暗点が発生すると有機層の電気特性が失われ、オープン状態となるため、リペアすることが出来ない。
さらに、特許文献1では、リーク発光は微弱かつサイズが小さい(小さいもので直径10μm以下)ので、検出手段には、例えば高性能なカメラなど、高い検出精度及び分解能が要求される。また、パネル全面を高速に検査する必要があるため、複数のカメラが必要となり、検出手段が高額になり易いという問題を有する。この問題は、大型パネルほど顕在化するようになる。また、ノイズによる擬似発光(発光していないが、CCD撮像画像にノイズが白い点として現れる)を検出する場合、欠陥判断に際し、確認のための作業ロスを生じ、生産性ロスが増大する。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡易的な構成により欠陥画素の検査段階でリペアの可否判定を可能とし、リペア工程での作業ロスを低減した有機EL表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査方法は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素の発光輝度を測定する輝度測定ステップと、前記輝度測定ステップで測定された発光輝度の大きさに基づいて、欠陥画素を特定する画素特定ステップと、前記画素特定ステップで特定された欠陥画素の有する有機EL素子に所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定ステップと、前記電流値測定ステップで測定された電流値の大きさに基づいて、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡しているか否かを判定する判定ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法によれば、欠陥画素についてリペア工程の前段階で簡易かつ迅速にリペアの可否を判定することができる。これにより、効率的に検査ができ、リペア工程の負荷を減らすことができるので、有機EL表示装置の生産性向上が見込まれる。
本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の検査及びリペアの構成を示す機能ブロック図である。 (a)は、有機EL表示装置の有する正常な発光画素の回路構成図である。(b)は、有機EL表示装置の有する欠陥画素の回路構成図である。 本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の検査方法を説明する動作フローチャートである。 (a)は、正常な有機EL素子に流れる電流密度と発光輝度との関係を表すグラフである。(b)は、発光画素の階調と有機EL素子の発光輝度との関係を表すグラフである。 発光画素の発光輝度を測定して数値化する処理を説明する図である。 (a)は、発光画素の階調と、断線状態にある有機EL素子の両端電極間を流れる電流との関係を表すグラフである。(b)は、発光画素の階調と、短絡状態にある有機EL素子の両端電極間を流れる電流との関係を表すグラフである。 欠陥画素の短絡位置を特定してレーザーリペアする処理を説明する図である。
本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと記す。)表示装置の検査方法は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素の発光輝度を測定する輝度測定ステップと、前記輝度測定ステップで測定された発光輝度の大きさに基づいて、欠陥画素を特定する画素特定ステップと、前記画素特定ステップで特定された欠陥画素の有する有機EL素子に所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定ステップと、前記電流値測定ステップで測定された電流値の大きさに基づいて、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡しているか否かを判定する判定ステップとを含むものである。
断線(オープン)または短絡(ショート)状態にある欠陥画素に、例えば、レーザー照射しても、ショート欠陥はリペアできるが、オープン不良はリペアできない。
本態様によれば、断線または短絡状態にある欠陥画素について、有機EL素子に順バイアス電圧を印加することで、リペア工程の前段階において簡易かつ迅速にリペアの可否を判定することができる。これにより、後工程であるリペア工程にて、リペアの可否判断をしながらリペアを実行する必要がなくなる。よって、効率的に検査ができ、リペア工程の負荷を減らすことができるので、有機EL表示装置の生産性向上が見込まれる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査方法は、請求項1に記載の有機EL表示装置の検査方法において、前記判定ステップでは、前記電流値測定ステップで測定された電流値と、正常画素の有する有機EL素子に所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値との差が所定値以内の場合に、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡していると判定するものである。
短絡状態にある欠陥画素の有機EL素子には、当該有機EL素子と並列にリーク電流が流れるリークパスが等価的に発生している。よって、所定の順バイアス電圧を上記有機EL素子に印加しても、当該有機EL素子を流れる電流とリークパスを流れるリーク電流との和は、正常画素の有する有機EL素子を流れる電流とほぼ同等となる。
本態様によれば、順バイアス電圧を印加する工程の前段階にて欠陥画素を特定して正常画素を排除し、当該欠陥画素のみに順バイアス電圧を印加している。これにより、順バイアス電圧印加により正常画素の有する有機EL素子を流れる電流とほぼ同等の電流値が測定された欠陥画素の有機EL素子は短絡状態であると断定できる。よって、後工程であるリペア工程にて、リペアの可否判断をしながらリペアを実行する必要がなくなる。よって、効率的に検査ができ、リペア工程の負荷を減らすことができるので、有機EL表示装置の生産性向上が見込まれる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査方法は、請求項1または2に記載の有機EL表示装置の検査方法において、前記画素特定ステップでは、前記輝度測定ステップで測定された発光輝度の輝度値が、所定値以下であるときに欠陥画素であると特定するものである。
本態様によれば、印加された所定の検査電圧に対応した発光輝度が測定されない、非点灯もしくは低輝度の欠陥画素を同時に検出することが可能となる。この段階で欠陥画素を迅速に特定しておくことにより、後工程の電流値測定ステップにて欠陥画素を簡易的に断線または短絡状態の判別をすることが可能となる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査方法は、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の有機EL表示装置の検査方法において、前記電流値測定ステップでは、前記有機EL表示装置の有する複数の画素のそれぞれが有する有機EL素子に、同時に前記順バイアス電圧を印加し、前記判定ステップでは、前記複数の画素中の少なくとも1つの画素の有する有機EL素子が短絡しているか否かを判定するものである。
本態様によれば、複数の欠陥画素について同時に順バイアス電圧を印加して、有機EL素子の状態を検査することができるので、検査効率を高めることが可能となる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査方法は、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の有機EL表示装置の検査方法において、前記有機EL表示装置を構成する画素は、ソース及びドレインの一方が前記有機EL素子のアノード及びカソードの一方に接続され、ゲートに印加された電圧に対応した駆動電流を前記有機EL素子に流す薄膜トランジスタを備え、前記電流値測定ステップでは、前記薄膜トランジスタが飽和領域である条件下で、前記順バイアス電圧が前記有機EL素子に印加されるものである。
本態様によれば、有機EL素子を駆動する素子である薄膜トランジスタ(TFT)が、安定して動作する飽和領域において、有機EL素子に順バイアスが印加されるので、順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値の測定において、TFTのバラツキの影響を抑えることができる。よって、欠陥画素の短絡または断線状態の判断を高精度に実行できる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査方法は、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の有機EL表示装置の検査方法において、前記電流値測定ステップでは、前記順バイアス電圧を低電圧側から高電圧側に増加させながら、前記順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を順次測定するものである。
本態様によれば、短絡状態にある欠陥画素の過電流を防止し、画素及び駆動回路の破損を防止することができる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査方法は、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の有機EL表示装置の検査方法において、前記輝度測定ステップでは、発光輝度の測定を、中間輝度階調において行なうものである。
有機EL素子において、入力データ階調と発光輝度との関係は非線形となり、当該非線形性の強い領域、つまり、入力データ階調が中間輝度階調となる領域にて発光輝度が高くなり始める傾向を有する。従って、正常画素と欠陥画素との輝度差は、中間輝度階調にて最も顕著となる。
本態様によれば、上記中間輝度階調で画素の発光輝度を測定することにより、正確に画素の発光輝度を測定でき欠陥画素を特定することができる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査装置は、有機EL表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素の発光輝度を測定する輝度測定部と、前記輝度測定部で測定された発光輝度の大きさに基づいて欠陥画素を特定する特定部と、前記特定部で特定された欠陥画素の前記有機EL素子に、所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定部と、前記電流値測定部で測定された電流値の大きさに基づいて、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡しているか否かを判定する判定部とを備えるものである。
本態様の検査装置は、有機EL表示装置に検査電圧を入力して画素の発光輝度を測定し、測定された発光輝度から欠陥画素を特定し、当該欠陥画素に順バイアス電圧を入力して欠陥画素の断線または短絡を判定するものである。これにより、後工程であるリペア工程にて、リペアの可否判断をしながらリペアを実行する必要がなくなる。よって、効率的に検査ができ、リペア工程の負荷を減らすことができるので、有機EL表示装置の生産性向上が見込まれる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査装置は、請求項8に記載の有機EL表示装置の検査装置において、前記電流値測定部は、画素に電圧を印加するためのプローブを備えるものである。
本態様によれば、有機EL表示装置の必要な部分だけに検査電圧を印加して検査することができるので、高精度な電流測定をすることが可能となる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の製造方法は、有機EL表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素の発光輝度を測定する輝度測定ステップと、前記輝度測定ステップで測定された発光輝度の大きさに基づいて、欠陥画素を特定する画素特定ステップと、前記画素特定ステップで特定された欠陥画素の前記有機EL素子に、所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定ステップと、前記電流値測定ステップで測定された電流値の大きさに基づいて、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡状態か否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで判定された、短絡している欠陥画素について、レーザーリペアを行なう修復ステップとを含むものである。
本態様によれば、断線または短絡状態にある欠陥画素について、有機EL素子に順バイアス電圧を印加することで、リペア工程の前段階において簡易かつ迅速にリペアの可否を判定することができる。これにより、後工程であるリペア工程にて、リペアの可否判断をしながらリペアを実行する必要がなくなる。よって、効率的に検査ができ、かつ、作業の負担が軽減されたリペアを実行することが可能となる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の製造方法は、請求項10に記載の有機EL表示装置の製造方法において、前記修復ステップの前に、断線状態にない欠陥画素の有機EL素子に逆バイアス電圧を印加してリーク発光検査を行い、または、光学顕微鏡を用いた検査を行い、前記断線状態にない欠陥画素における短絡位置を特定する短絡位置特定ステップを含むものである。
本態様によれば、断線状態にない欠陥画素について、当該欠陥画素中の短絡位置を特定することが可能となる。
さらに、本発明の一態様に係る有機EL表示装置の検査方法は、有機EL表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素に、所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定ステップと、前記電流値測定ステップで測定された電流値の大きさに基づいて、前記画素が、断線しているか否かを判定する判定ステップとを含むものである。
断線または短絡状態にある欠陥画素に、例えば、レーザー照射しても、ショート欠陥はリペアできるが、オープン不良はリペアできない。
本態様によれば、有機EL素子に順バイアス電圧を印加することで、簡易かつ迅速に、断線状態にある欠陥画素を特定することができる。これにより、後工程であるリペア工程にて、修復不能である欠陥画素の特定や、修復不能である欠陥画素の不良率の算出が可能となる。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の検査及びリペアの構成を示す機能ブロック図である。同図に記載された有機EL表示装置の検査及びリペアの構成は、検査装置1と、有機EL表示装置2と、リペア装置3とを備える。
まず、有機EL表示装置2について簡潔に説明する。有機EL表示装置2は、制御部21と、表示部22と、データ線駆動回路23と、走査線駆動回路24とを備える。
制御部21は、外部から入力される映像信号を発光画素の発光を決定する輝度信号に変換して走査順にデータ線駆動回路23に出力する。また、制御部21は、データ線駆動回路23から出力される輝度信号を出力するタイミング、及び、走査線駆動回路24から出力される走査信号の出力タイミングを制御する。
データ線駆動回路23は、各データ線へ、輝度信号を出力することにより、映像信号に対応した発光画素の発光を実現する。
走査線駆動回路24は、各走査線へ走査信号を出力することにより、発光画素の有する回路素子を所定の駆動タイミングで駆動する。
表示部22は、複数の発光画素がマトリクス状に配置されている。複数の発光画素のそれぞれは、データ線駆動回路23からの輝度信号、及び、走査線駆動回路24からの走査信号に応じて発光する。
図2(a)は、有機EL表示装置の有する正常な発光画素の回路構成図である。同図に記載された発光画素は、有機EL素子221と、駆動トランジスタ222と、選択トランジスタ223と、コンデンサ224とを備える。また、発光画素列ごとにデータ線231が配置され、発光画素行ごとに走査線241が配置され、全発光画素に共通して正電源線251及び負電源線261が配置されている。選択トランジスタ223のドレイン電極はデータ線231に、選択トランジスタ223のゲート電極は走査線241に、さらに、選択トランジスタ223のソース電極は、コンデンサ224及び駆動トランジスタ222のゲート電極に接続されている。また、駆動トランジスタ222のドレイン電極は正電源線251に接続され、ソース電極は有機EL素子221のアノードに接続されている。
有機EL素子221は、例えば、反射陽極、正孔注入層、有機発光層、電子輸送層及び透明陰極がこの順で積層された構造を有し、陽極側から正孔が、また陰極側から電子が、有機発光層に注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。有機発光層としては、低分子有機材料だけでなく、インクジェットやスピンコートのような湿式成膜法で成膜できる発光性の高分子有機材料も適用される。
この構成において、走査線241に走査信号が入力され、選択トランジスタ223をオン状態にすると、データ線231を介して供給された、発光階調に対応した輝度信号がコンデンサ224に書き込まれる。そして、コンデンサ224に書き込まれた保持電圧は、1フレーム期間を通じて保持され、この保持電圧により、駆動トランジスタ222のコンダクタンスがアナログ的に変化し、発光階調に対応した駆動電流が有機EL素子221のアノードに供給される。さらに、有機EL素子221のアノードに供給された駆動電流は、有機EL素子221のカソードへと流れる。これにより、有機EL素子221が発光し画像として表示される。このとき、有機EL素子221のアノードには、順バイアス電圧が印加されていることになる。
なお、上述した発光画素の回路構成は、図2(a)に記載された回路構成に限定されない。選択トランジスタ223、駆動トランジスタ222は、輝度信号の電圧値に応じた駆動電流を有機EL素子221に流すために必要な回路構成要素であるが、上述した形態に限定されない。また、上述した回路構成要素に、別の回路構成要素が付加される場合も、本発明に係る有機EL表示装置の発光画素回路に含まれる。
アクティブマトリクス型の有機EL表示装置では、発光画素の構造が微細化、薄型化されるほど、また、発光画素数が増加するほど、微細加工を必要とする製造工程において、有機EL素子のアノード−カソード間の短絡や開放といった電気的な不具合が発生してしまう。
図2(b)は、有機EL表示装置の有する欠陥画素の回路構成図である。同図に記載された回路構成は、有機EL素子のアノード−カソード間が短絡している状態を表している。つまり、図2(a)に記載された回路構成と比較して、有機EL素子421のアノードとカソードとの間に電気的導通状態を実現する短絡成分422が並列接続されている点が異なる。ここで、有機EL素子421が短絡している状態とは、短絡成分422の抵抗値が低抵抗状態である場合に、有機EL素子421は短絡状態であると定義する。有機EL素子421のアノード−カソード間が短絡状態である場合の一例としては、有機発光層の膜厚の不均一性により、有機発光層を挟む正孔注入層と電子輸送層とが有機発光層内に生じたピンホールを介して点接触している場合などが想定される。
図2(b)に記載された、有機EL素子が短絡状態となっている発光画素が、表示部22の中に存在する場合、有機EL表示装置の製造段階で、リペア工程により短絡成分422を除去することが可能である。短絡成分422を除去するリペア工程として、例えば、短絡成分422の存在箇所にレーザーを照射することが挙げられる。このリペア工程については、後述する有機EL表示装置の検査方法にて説明する。
次に、本発明の実施の形態に係る検査装置1の構成及び機能について説明する。図1に記載された検査装置1は、輝度測定部11と、特定部12と、電流測定部13と、判定部14とを備える。検査装置1は、リペア装置3によるリペア作業の前段階において、有機EL表示装置2の欠陥画素を特定し、当該欠陥画素の有する有機EL素子が短絡状態か断線状態かを、簡易かつ迅速に判定する機能を有する。
輝度測定部11は、有機EL表示装置2の有する発光画素の発光輝度を測定する機能を有する。
特定部12は、輝度測定部11で測定された発光輝度の大きさに基づいて欠陥画素を特定する機能を有する。
電流測定部13は、特定部12で特定された欠陥画素の有機EL素子に、所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する機能を有する電流値測定部である。
判定部14は、電流測定部13で測定された電流値の大きさに基づいて、上記欠陥画素の有機EL素子が短絡しているか断線しているかを判定する機能を有する。
また、判定部14は、有機EL素子が短絡状態にある欠陥画素の位置情報をリペア装置3に伝達する。
リペア装置3は、欠陥画素が短絡状態であるか断線状態であるかを判断することなく、判定部14から入手した短絡欠陥画素の位置情報から、リペア作業を実行する。
上述した有機EL表示装置の検査装置の構成及び機能によれば、有機EL表示装置2に検査電圧を入力して画素の発光輝度を同時に測定し、測定された発光輝度から欠陥画素を特定し、当該欠陥画素に順バイアス電圧を入力して欠陥画素の断線または短絡を判定するものである。これにより、後工程であるリペア工程にて、リペアの可否判断をしながらリペアを実行する必要がなくなる。また、短絡状態か断線状態かの判定のための検査を、特定された欠陥画素にのみ実行するので、効率的な検査ができ、リペア工程の負荷を減らすことができるので、有機EL表示装置の生産性向上が見込まれる。
次に、有機EL表示装置の検査方法について、詳細に説明を行う。
図3は、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の検査方法を説明する動作フローチャートである。本検査方法では、有機EL表示装置の有する発光画素のうち、有機EL素子が短絡状態となっている欠陥画素を簡易かつ迅速に特定する。
最初に、輝度測定部11は、有機EL表示装置2の有する発光画素の発光輝度を測定する(S10)。具体的には、例えば、有機EL表示装置2の有する全発光画素に同時に同じ輝度信号を入力し、正常画素の発光輝度に比べて低輝度となる欠陥画素を検出する。
図4(a)は、正常な有機EL素子に流れる電流密度と発光輝度との関係を表すグラフである。同図において、横軸は、正常な有機EL素子の順方向に流れる電流密度であり、縦軸は、当該有機EL素子の発光輝度である。色ごとに傾きは異なるが、順方向の電流密度と発光輝度とは線形の関係となる。ここで、横軸の電流密度は、有機EL素子自体に流れる電流に対応している。よって、図4(a)に記載されたグラフにおける横軸の電流密度は、例えば、図2(b)に記載された短絡状態である欠陥画素の有機EL素子421自体に流れる電流に対応するものであり、短絡成分422に流れる電流に対応するものは含まれない。
また、図4(b)は、発光画素の階調と有機EL素子の発光輝度との関係を表すグラフである。横軸は、発光画素に入力される輝度信号に対応した階調であり、例えば、16ビットで表現された、0〜255のデジタル値である。一方、右側の縦軸は、正常な有機EL素子の発光輝度であり、左側の縦軸は、正常画素の発光輝度に対する欠陥画素の発光輝度比率である。図2(a)に記載された正常な発光画素では、駆動トランジスタ222のゲート電極に階調を表す輝度信号電圧が印加され、当該輝度信号電圧に対応した駆動電流が有機EL素子221に流れる。この場合、図4(b)に記載されたグラフのように、階調と有機EL素子221の発光輝度とは非線形な関係となる。一方、欠陥画素では、短絡状態または断線状態のいずれの場合でも、駆動トランジスタ222のゲート電極に上記輝度信号電圧が印加されても、有機EL素子には当該輝度信号電圧に対応した駆動電流が流れず、結果的に当該輝度信号電圧に対応した発光輝度が得られない。この正常画素における発光輝度と欠陥画素における発光輝度との差は、特に、上述した階調と発光輝度との非線形特性において、発光輝度が上昇し始める階調において顕著となる。例えば、図4(b)に記載されたグラフでは、100〜150レベルの中間輝度階調で、正常画素における発光輝度と欠陥画素における発光輝度との差が最大となっている。
従って、ステップS10において、発光画素に中間輝度階調に対応した輝度信号電圧を入力することにより、正常画素の発光輝度に比べて低輝度の欠陥画素を効果的に検出することが可能となる。
上述した低輝度の欠陥画素を検出する場合、各発光画素の発光輝度を測定して数値化することが必要となる。
図5は、発光画素の発光輝度を測定して数値化する処理を説明する図である。同図には、一例として、3行×7列の発光画素がマトリクス状に配置された表示パネルを表している。上記表示パネルは、赤色サブ画素(R)、緑色サブ画素(G)、青色サブ画素(B)がそれぞれ、一列となって配置されている。図5の左図では、各発光画素に中間輝度階調に対応した同じ輝度信号電圧を入力した場合、正常画素に比べて低輝度である暗点や黒レベルである滅点となる欠陥画素が存在している。この発光状態である表示パネルをCCDカメラで撮像して、発光画素ごとの輝度レベルを数値化する。その結果、図5の右図のように、正常画素の輝度レベルが100レベルであるのに対して、上記暗点は50レベルであり、上記滅点は0レベルと測定される。
次に、特定部12は、ステップS10で測定された発光輝度の大きさに基づいて、欠陥画素を特定する(S20)。図5に記載された表示パネルの例では、CCDカメラにより測定された輝度レベルが50である青色サブ画素と、輝度レベルが0である緑色サブ画素とが欠陥画素であると特定される。つまり、ステップS20では、ステップS10で測定された発光輝度の輝度値が、所定の閾値以下であるときに欠陥画素であると特定する。
なお、本ステップで特定された欠陥画素の有機EL素子は、短絡状態及び断線状態のいずれかの状態であり、短絡状態の有機EL素子のみを特定していない。
また、上記所定の閾値は、発光画素間やパネル間の特性ばらつきを考慮した値に設定されることが好ましい。
次に、電流測定部13は、ステップS20で特定された欠陥画素の有する有機EL素子に所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する(S30)。具体的には、例えば、有機EL素子のアノードに順バイアス電圧が印加されるように、制御部21、データ線駆動回路23及び走査線駆動回路24を介して、特定された欠陥画素に検査電圧を入力し、有機EL素子の両端電極に流れる電流値を測定する。
図6(a)は、発光画素の階調と、断線状態にある有機EL素子の両端電極間を流れる電流との関係を表すグラフである。また、図6(b)は、発光画素の階調と、短絡状態にある有機EL素子の両端電極間を流れる電流との関係を表すグラフである。横軸は、発光画素に入力される輝度信号に対応した階調であり、例えば、16ビットで表現された、0〜255のデジタル値である。一方、縦軸は、有機EL素子の両端電極間を流れる電流である。
図6(a)及び図6(b)に記載されたグラフのように、電流測定部13は、低階調から高階調まで、当該階調データに対応する検査電圧を変化させながら発光画素に入力させ、当該検査電圧に対して有機EL素子の両端電極間を流れる電流を測定する。
なお、上記測定の際、有機EL素子に印加される順バイアス電圧が低電圧側から高電圧側に増加するよう、上記検査電圧を入力して、上記順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を順次測定することが好ましい。これにより、短絡状態にある欠陥画素の過電流を防止し、発光画素及び駆動回路の破損を防止することができる。
さらに、過電流防止のため、電流測定部13に電流値リミットを設けておき、超える場合は階調レベルを上げないようにしておくことが好ましい。
また、上述した有機EL素子の両端電極間を流れる電流を測定する場合、駆動トランジスタ222が飽和領域である条件下で、順バイアス電圧が有機EL素子に印加されることが好ましい。これにより、上記電流値の測定において、薄膜トランジスタである駆動トランジスタの特性バラツキの影響を抑えることができる。
また、電流測定部13は、各発光画素に検査電圧を印加するためのプローブを備えていることが好ましい。これにより、有機EL表示装置の必要な部分だけに検査電圧を印加して検査することができるので、高精度な電流測定をすることが可能となる。例えば、図2(a)に記載された画素回路図において、正電源線251及び負電源線261と検査装置1とを接続し、駆動トランジスタ222のゲート電極にテストピンを接触させ、正電源線251には駆動トランジスタ222が飽和領域で動作するような電圧を印加し、駆動トランジスタ222のゲート電極に検査電圧を変化させながら印加し、負電源線261に流れ込む電流を順次測定する。この負電源線261に流れ込む電流の測定は、例えば、磁界センサによる電流測定や、負電源線261と検査装置1との接続部に電流計を挿入することにより実行される。
次に、判定部14は、ステップS30で測定された電流値の大きさに基づいて、欠陥画素の有機EL素子が短絡状態にあるか断線状態にあるかを判定する(S40)。
短絡状態にある有機EL素子を有する欠陥画素には、図2(b)に記載されたように、当該有機EL素子と並列にリーク電流が流れる短絡成分422が発生している。よって、所定の順バイアス電圧を上記有機EL素子に印加しても、有機EL素子の両端電極間に流れる電流は、当該有機EL素子を流れる電流と短絡成分を流れるリーク電流との和となり、正常画素の有する有機EL素子を流れる電流とほぼ同等となる。つまり、図6(b)に記載されたグラフのように、有機EL素子が短絡状態である欠陥画素の電流特性と、正常画素の電流特性はほぼ一致する。
これに対して、図6(a)に記載されたグラフのように、断線状態にある有機EL素子を有する欠陥画素の電流特性は、正常画素の電流特性と、高階調領域において差異が生じる。
これは、断線状態にある有機EL素子は、有機EL素子に印加された順バイアス電圧に対して、有機EL素子の両端電極間の抵抗が駆動電流を抑制する程度に大きくなっていることに起因するものである。
なお、この場合、表示部全体に配置された全端子にテストピンを接触させ、マルチプレクサなどのスイッチ動作により測定対象の欠陥画素と比較対象の正常画素とを特定してもよい。あるいは、欠陥画素及び隣接の正常画素への配線だけにテストピンを接触させて比較測定し、表示部上を移動して対象画素にテストピンを接触させてもよい。あるいは、複数の発光画素単位である1ブロックほどの複数ピンを有し、表示部上を可動できるプローブを備えてもよい。また、上述したテストピンの接触によるプロービング方式でなくとも、電流測定部13から制御部21を介して、短絡状態の欠陥画素の有する有機EL素子の順バイアス電圧に対する有機EL素子の両端電極間に流れる電流を短絡状態の欠陥画素ごとに取得するようにしてもよい。この場合においても、上記電流を測定する手段を、検査装置1又は有機EL表示装置2に設けておくことが好ましい。
次に、判定部14は、例えば、ステップS30で測定された欠陥画素の電流値と、正常画素の有機EL素子の両端電極に流れる電流値とを比較し、両者の差が所定値以上の場合に、測定対象の欠陥画素の有機EL素子が断線していると判定する(S70)。つまり、判定部14は、欠陥画素の電流値が、(正常画素の電流値−α)よりも小さい場合に、測定対象の欠陥画素の有機EL素子が断線していると判定する。ここで、αは、測定誤差を考慮した閾値である。
また、ステップS30で測定された欠陥画素の電流値と、正常画素の有機EL素子の両端電極に流れる電流値とを比較し、両者の差が所定値より小さい場合に、測定対象の欠陥画素の有機EL素子が短絡していると判定する(S50)。つまり、判定部14は、欠陥画素の電流値が、(正常画素の電流値−α)よりも大きい場合に、測定対象の欠陥画素の有機EL素子が短絡していると判定する。ここで、αは、測定誤差を考慮した閾値である。
ここで、両者の差が所定値より小さい場合とは、例えば、図6(a)及び図6(b)に記載されたグラフから、最高階調に対応する検査電圧を印加した場合に得られた電流値の差と所定の閾値とを比較することにより判定される。
なお、上記所定の閾値は、発光画素間やパネル間の特性ばらつきを考慮した値に設定されることが好ましいが、例えば、正常画素の電流値の5%程度とすることができる。
以上のステップによる、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の検査方法によれば、順バイアス電圧を印加する工程の前段階にて欠陥画素を特定して正常画素を排除し、当該欠陥画素のみに順バイアス電圧を印加している。これにより、順バイアス電圧印加により正常画素の有する有機EL素子を流れる電流とほぼ同等の電流値が測定された欠陥画素の有機EL素子は短絡状態であると断定できる。よって、後工程であるリペア工程にて、リペアの可否判断をしながらリペアを実行する必要がなくなる。よって、効率的に検査ができ、リペア工程の負荷を減らすことができるので、有機EL表示装置の生産性向上が見込まれる。
最後に、リペア装置3は、ステップS50で有機EL素子が短絡状態であると判定された欠陥画素について、レーザーリペアを実行する(S60)。具体的には、ステップS50で有機EL素子が短絡状態であると判定された欠陥画素について、光学顕微鏡を用いた検査を行い、断線状態にない欠陥画素における短絡位置を特定する。または、ステップS50で有機EL素子が短絡状態であると判定された欠陥画素について、断線状態にない欠陥画素の有機EL素子に逆バイアス電圧を印加してリーク発光検査を行い、断線状態にない欠陥画素における短絡位置を特定する。そして、特定された短絡位置に対して、レーザー照射を行い、短絡パスを遮断する。
図7は、欠陥画素の短絡位置を特定してレーザーリペアする処理を説明する図である。まず、左図のように、特定された欠陥画素の有機EL素子に対し、逆バイアス電圧を印加する。このとき、正常画素では有機EL素子に電流は流れないが、短絡状態の有機EL素子では、リーク電流によるリーク発光が短絡部で観測される。この観測された短絡部に対し、レーザーを照射し短絡パスを遮断する。これにより、レーザーリペアされた画素の有機EL素子に順バイアス電圧をかけて通常発光させた場合、右図のように、リペアされた部分は黒点となるが、その他の発光領域において正常発光がなされる。
従来のリペア方法では、全画素または欠陥画素についての目視検査またはリーク発光検査を行い、レーザーリペアの可否を判断し、短絡状態の欠陥画素を特定してリペアを実行していた。従って、目視検査またはリーク発光検査の対象画素は、リペアを実行する画素だけではなかった。
これに対し、上述したリペア工程では、その前工程での簡易的な検査工程により短絡状態である画素が特定されているので、当該特定された短絡画素にのみ光学顕微鏡を用いた検査またはリーク発光検査を行うことで高効率なリペアが実現される。
また、上述した、有機EL表示装置の検査方法及びリペア工程、つまりステップS10〜ステップS70は、有機EL表示装置の製造方法としても好適である。これによれば、断線状態または短絡状態にある欠陥画素について、有機EL素子に順バイアス電圧を印加することで、リペア工程の前段階において簡易かつ迅速にリペアの可否を判定することができる。これにより、後工程であるリペア工程にて、リペアの可否判断をしながらリペアを実行する必要がなくなる。よって、効率的に検査ができ、かつ、作業の負担が軽減されたリペアを実行することが可能となる。
以上、実施の形態に基づいて本発明に係る有機EL表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法を説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る表示装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、図3に記載された有機EL表示装置の検査方法において、ステップS10及びステップS20の前に、ステップS30を有機EL表示装置の発光画素について実行し、ステップS30で測定された測定対象画素の電流値と比較対象である正常画素の電流値との差異が所定値より大きい場合、当該測定対象画素の有機EL素子は断線状態にあると判定する。これによれば、有機EL素子に順バイアス電圧を印加することで、簡易かつ迅速に、断線状態にある欠陥画素を特定することができる。これにより、後工程であるリペア工程にて、修復不能である欠陥画素の特定や、修復不能である欠陥画素の不良率の算出が可能となる。
また、図1に記載された検査装置1は、有機EL表示装置2に組み込まれていてもよい。この場合、有機EL表示装置2の制御部21が、輝度測定部11、特定部12、電流測定部13及び判定部14を有し、制御部21が実施の形態で説明した検査方法を実行する。この態様によっても、断線または短絡状態にある欠陥画素について、リペア工程の前段階において簡易かつ迅速にリペアの可否を判定することができる。よって、後工程であるリペア工程にて、リペアの可否判断をしながらリペアを実行する必要がなくなり、リペア工程の負荷を減らすことができるので、有機EL表示装置の生産性向上が見込まれる。
また、上記実施の形態では、判定部14は、ステップS30で測定された欠陥画素の電流値と、正常画素の有機EL素子の両端電極に流れる電流値とを比較し、両者の差が所定値より小さい場合に、測定対象の欠陥画素の有機EL素子が短絡していると判定している。これに対し、図2(b)に記載された短絡成分の抵抗値がほぼ0であるような場合を想定し、有機EL素子の両端電極間を流れる電流が、電流測定部13で設定された電流値リミットを作動させた場合に、判定部14は当該有機EL素子が短絡状態であるという判定条件を付加してもよい。
本発明の有機EL表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法は、大画面及び高解像度が要望される薄型テレビ及びパーソナルコンピュータのディスプレイなどの技術分野に有用である。
1 検査装置
2 有機EL表示装置
3 リペア装置
11 輝度測定部
12 特定部
13 電流測定部
14 判定部
21 制御部
22 表示部
23 データ線駆動回路
24 走査線駆動回路
221、421 有機EL素子
222 駆動トランジスタ
223 選択トランジスタ
224 コンデンサ
231 データ線
241 走査線
251 正電源線
261 負電源線
422 短絡成分

Claims (12)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素の発光輝度を測定する輝度測定ステップと、
    前記輝度測定ステップで測定された発光輝度の大きさに基づいて、欠陥画素を特定する画素特定ステップと、
    前記画素特定ステップで特定された欠陥画素の有する有機EL素子に所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定ステップと、
    前記電流値測定ステップで測定された電流値の大きさに基づいて、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡しているか否かを判定する判定ステップとを含む
    有機EL表示装置の検査方法。
  2. 前記判定ステップでは、前記電流値測定ステップで測定された電流値と、正常画素の有する有機EL素子に所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値との差が所定値以内の場合に、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡していると判定する
    請求項1に記載の有機EL表示装置の検査方法。
  3. 前記画素特定ステップでは、前記輝度測定ステップで測定された発光輝度の輝度値が、所定値以下であるときに欠陥画素であると特定する
    請求項1または2に記載の有機EL表示装置の検査方法。
  4. 前記電流値測定ステップでは、前記有機EL表示装置の有する複数の画素のそれぞれが有する有機EL素子に、同時に前記順バイアス電圧を印加し、
    前記判定ステップでは、前記複数の画素中の少なくとも1つの画素の有する有機EL素子が短絡しているか否かを判定する
    請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の有機EL表示装置の検査方法。
  5. 前記有機EL表示装置を構成する画素は、ソース及びドレインの一方が前記有機EL素子のアノード及びカソードの一方に接続され、ゲートに印加された電圧に対応した駆動電流を前記有機EL素子に流す薄膜トランジスタを備え、
    前記電流値測定ステップでは、前記薄膜トランジスタが飽和領域である条件下で、前記順バイアス電圧が前記有機EL素子に印加される
    請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の有機EL表示装置の検査方法。
  6. 前記電流値測定ステップでは、前記順バイアス電圧を低電圧側から高電圧側に増加させながら、前記順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を順次測定する
    請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の有機EL表示装置の検査方法。
  7. 前記輝度測定ステップでは、発光輝度の測定を、中間輝度階調において行なう
    請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の有機EL表示装置の検査方法。
  8. 有機EL表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素の発光輝度を測定する輝度測定部と、
    前記輝度測定部で測定された発光輝度の大きさに基づいて欠陥画素を特定する特定部と、
    前記特定部で特定された欠陥画素の前記有機EL素子に、所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定部と、
    前記電流値測定部で測定された電流値の大きさに基づいて、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡しているか否かを判定する判定部とを備える
    有機EL表示装置の検査装置。
  9. 前記電流値測定部は、画素に電圧を印加するためのプローブを備える
    請求項8に記載の有機EL表示装置の検査装置。
  10. 有機EL表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素の発光輝度を測定する輝度測定ステップと、
    前記輝度測定ステップで測定された発光輝度の大きさに基づいて、欠陥画素を特定する画素特定ステップと、
    前記画素特定ステップで特定された欠陥画素の前記有機EL素子に、所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定ステップと、
    前記電流値測定ステップで測定された電流値の大きさに基づいて、前記欠陥画素の有機EL素子が短絡状態か否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで判定された、短絡している欠陥画素について、レーザーリペアを行なう修復ステップとを含む
    有機EL表示装置の製造方法。
  11. 前記修復ステップの前に、
    断線状態にない欠陥画素の有機EL素子に逆バイアス電圧を印加してリーク発光検査を行い、または、光学顕微鏡を用いた検査を行い、前記断線状態にない欠陥画素における短絡位置を特定する短絡位置特定ステップを含む
    請求項10に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  12. 有機EL表示装置を構成し、有機EL素子を有する画素に、所定の順バイアス電圧を印加した際に流れる電流値を測定する電流値測定ステップと、
    前記電流値測定ステップで測定された電流値の大きさに基づいて、前記画素が、断線しているか否かを判定する判定ステップとを含む
    有機EL表示装置の検査方法。
JP2009243597A 2009-10-22 2009-10-22 有機el表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法 Pending JP2011090889A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009243597A JP2011090889A (ja) 2009-10-22 2009-10-22 有機el表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009243597A JP2011090889A (ja) 2009-10-22 2009-10-22 有機el表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011090889A true JP2011090889A (ja) 2011-05-06

Family

ID=44108963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009243597A Pending JP2011090889A (ja) 2009-10-22 2009-10-22 有機el表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011090889A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013038454A1 (ja) * 2011-09-15 2013-03-21 パナソニック株式会社 有機el素子の製造方法及び評価方法
WO2013038450A1 (ja) * 2011-09-15 2013-03-21 パナソニック株式会社 有機elパネルおよびその製造方法
JP2013062086A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Panasonic Corp 有機el表示パネルの検査方法及び検査システム
CN104597385A (zh) * 2013-10-31 2015-05-06 日产化学工业株式会社 有机电致发光元件中的载流子阻挡性的评价方法
KR20200017020A (ko) * 2018-08-07 2020-02-18 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 그 리페어 방법

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013062086A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Panasonic Corp 有機el表示パネルの検査方法及び検査システム
WO2013038454A1 (ja) * 2011-09-15 2013-03-21 パナソニック株式会社 有機el素子の製造方法及び評価方法
WO2013038450A1 (ja) * 2011-09-15 2013-03-21 パナソニック株式会社 有機elパネルおよびその製造方法
US8765494B2 (en) 2011-09-15 2014-07-01 Panasonic Corporation Method for fabricating organic EL device and method for evaluating organic EL device
JP5654037B2 (ja) * 2011-09-15 2015-01-14 パナソニック株式会社 有機el素子の製造方法及び評価方法
JP5657123B2 (ja) * 2011-09-15 2015-01-21 パナソニック株式会社 有機elパネルおよびその製造方法
US9711761B2 (en) 2011-09-15 2017-07-18 Joled Inc. Electro luminescence panel and method for manufacturing electro luminescence panel
CN104597385A (zh) * 2013-10-31 2015-05-06 日产化学工业株式会社 有机电致发光元件中的载流子阻挡性的评价方法
JP2015088365A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 日産化学工業株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子におけるキャリアブロック性の評価方法
KR20200017020A (ko) * 2018-08-07 2020-02-18 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 그 리페어 방법
KR102554711B1 (ko) * 2018-08-07 2023-07-12 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 그 리페어 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10269275B2 (en) Display panel inspecting method and display panel fabricating method
KR101268237B1 (ko) 일렉트로루미네센스 표시 장치의 결함 검사 방법 및 결함검사 장치 및 이들을 이용한 일렉트로루미네센스 표시장치의 제조 방법
JP2007042498A (ja) 有機elレーザリペア方法及びレーザリペア装置
JP6248310B2 (ja) 表示パネルの製造方法
JP2008039462A (ja) 表示パネル検査装置及び方法
JP5690333B2 (ja) 有機el表示装置の検査方法
KR101823002B1 (ko) 유기발광다이오드(oled) 표시장치의 검사방법 및 검사장치
JP2011090889A (ja) 有機el表示装置の製造方法、その検査装置及び検査方法
US8597067B2 (en) Method of manufacturing organic electroluminescence display device
WO2023092694A1 (zh) 显示面板的补偿方法及补偿装置
JP2007042492A (ja) 有機elリペア方法とリペア装置
JP2009266687A (ja) 表示パネルの検査方法及びその装置
KR100662994B1 (ko) 유기 발광 표시장치 및 모기판과 그 검사방법
JP2008021441A (ja) 検査装置と検査方法
JP5842212B2 (ja) 有機el表示パネルの検査方法及び検査システム
JP6312103B2 (ja) 表示パネルの寿命特性の検査方法及び表示パネルの製造方法
KR100591165B1 (ko) Oled패널의 품질분석용 전류측정장치
KR100612119B1 (ko) 발광 픽셀 불량 검출용 패널
KR102070056B1 (ko) 유기전계발광 표시소자의 검사시스템 및 방법
KR20070061974A (ko) 발광 소자의 불량 검출 장치 및 방법
JP2003017260A (ja) 有機el素子の検査方法
JP2005083951A (ja) エミッション・マイクロスコープ法による有機el素子の検査法
CN113707569A (zh) 显示面板的检测方法、显示面板
KR20070016905A (ko) 유기 el 레이저 복구 방법 및 레이저 복구 장치
JP2006125882A (ja) 有機elパネル検査用スパイク低減回路、及び有機elパネル検査装置