JP2011089526A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高圧燃料ポンプ14の昇圧不可能な異常を検出したときは、高圧燃料ポンプ14の作動を停止すると共に、リターン配管33に介装され任意に開弁可能に構成した高圧側のリリーフ弁34を開弁させ、低圧燃料ポンプ13から吐出させた燃料を、高圧燃料ポンプ14をバイパスし、リターン配管14を介して燃料ギャラリーパイプ32に供給し、該燃料ギャラリーパイプ32内の燃圧を確保して、燃料噴射弁15からの燃料噴射を可能なようにした。
【選択図】 図1
Description
前記高圧燃料ポンプの異常時に、前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、内燃機関に供給させることを特徴とする。
これにより、低圧燃料ポンプからの吐出量を最大またはその近傍とするように制御することで、過渡時等、要求燃料供給量が大きいときでも要求を満たすことができる。
前記低圧燃料ポンプから吐出された余剰燃料を低圧源に戻す低圧側リリーフ弁を、任意に開閉自由な構成とし、前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、内燃機関に供給させるときは、前記低圧側リリーフ弁を閉じて燃料の戻しを停止することを特徴とする。
上記発明によると、高圧燃料ポンプの異常時に低圧燃料ポンプからの燃料を内燃機関に供給させるときは、低圧側リリーフ弁を閉じて燃料の戻しを停止する。
これにより、低圧燃料ポンプからの吐出量を最大限高める制御が可能となる。
前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、内燃機関に供給させるときは、低圧燃料ポンプの最大流量を上限値以下に規制することを特徴とする。
高圧燃料ポンプの異常時に低圧燃料ポンプからの燃料を内燃機関に供給させるときに、高圧燃料ポンプからもある程度の燃料が吐出されていて、低圧燃料ポンプからの吐出量と合わせると、要求燃料供給量を超えてしまうような場合がある。
請求項3に係る発明によると、上記のような場合に低圧燃料ポンプの最大流量を上限値以下に規制することで燃料供給量が過剰となることを抑制できる。
図1は、実施形態における内燃機関の燃料供給装置のシステム構成図である。
図1において、車両用内燃機関11に供給する燃料を貯留する燃料タンク12が設けられ、該燃料タンク12内の燃料が、電動式の低圧燃料ポンプ13及び機関駆動式の高圧燃料ポンプ14を介して燃料噴射弁15に圧送される。
前記低圧燃料ポンプ13は、燃料タンク12から吸い込んだ燃料を、低圧燃料配管16を介して高圧燃料ポンプ14に圧送する。
前記高圧燃料ポンプ14は、高圧ポンプ制御ソレノイド21,パイロット弁22,吸入弁23,ポンプ室24,吐出弁25を含んで構成される。
前記ソレノイド21の非通電状態では、前記パイロット弁22がスプリング21aによって押し出されることで、前記吸入弁23が開状態に保持される一方、前記ソレノイド21の通電状態では、前記パイロット弁22がスプリング21aの付勢力に抗してソレノイド21側に引き込まれることで、前記吸入弁23が閉状態に保持される。
ここで、前記プランジャ24aの上昇中の所定期間において、前記ソレノイド21に通電して吸入弁23を閉状態に保持させれば、ポンプ室24内の燃料が昇圧されることになり、ポンプ室24内の圧力が所定以上になると、一方向弁である吐出弁25が開弁して、高圧燃料が吐出される。
前記第1の実施形態と相違する部分を説明する。
リリーフ弁34には、燃料ギャラリーパイプ32内の燃圧が異常な高圧になったときに開弁する一方向弁としての機械的な機能のみを持たせる。
そして、高圧燃料ポンプ14の異常時には、低圧レギュレータ18’の上流側配管とバイパス配管61とを開通し、低圧燃料ポンプ13から吐出された燃料を、該高圧燃料ポンプ14をバイパスして機関(燃料ギャラリーパイプ32)に供給する構成とする。
本実施形態では、低圧レギュレータ18は第1の実施形態と同様とし、リリーフ弁34は、第2の実施形態と同様とし、前記低圧燃料配管16と高圧燃料配管31(または燃料ギャラリーパイプ32)とを結ぶバイパス配管71を新たに設け、該バイパス配管71に、任意に開閉自由な電磁駆動式の開閉弁72を介装する。
ステップS1では、目標燃圧が所定値以上かを判定する。
ステップS2で、燃圧が下限判定値未満と判定されたときは、ステップS3へ進み、高圧燃料ポンプ14が燃圧を昇圧できない故障であると診断する。例えば、高圧ポンプ制御ソレノイド21の駆動回路が断線したような場合である。
ステップS4の判定がNOの場合は、ステップS6へ進み、高圧燃料ポンプ14は正常と診断する。
ステップS11では、高圧燃料ポンプ14が昇圧不可能な異常であるかを判定する。
ステップS21では、車両運転状態(機関回転速度、負荷、燃圧等)に応じて低圧燃料ポンプ13の制御量を算出する。
高圧燃料ポンプ14が昇圧可能な異常と判定されたときは、ステップS23へ進み低圧燃料ポンプ13から吐出された燃料を、高圧燃料ポンプ14への供給を継続すると共に、高圧燃料ポンプ14をバイパスして機関に供給する。高圧燃料ポンプ14が昇圧可能であるときは、不安定ではあるが高圧燃料ポンプ14からも吐出させた方が、必要量を確保しやすいため、上記の併用した供給を行う。
ステップS23で上限設定値Hを超えていないと判定されたときは、ステップS25へ進んで、制御量が下限設定値L未満であるかを判定する。ステップS21での制御量は、運転状態に応じた通常時用に設定されているため、低圧燃料ポンプ13からの吐出燃料を直接機関に供給する場合には、低すぎることがあるため、かかる判定を行う。下限設定値Lは、低圧燃料ポンプ13の吐出量及び燃料噴射弁15の噴射量の制御量に対するリニアリティが維持され、かつ、燃料からのベーパの低減あるいは抑制を行える値に設定する。
このようにすれば、高圧燃料ポンプ14の昇圧可能な異常時は、低圧燃料ポンプ13と高圧燃料ポンプ14とから同時に、機関への燃料供給を行いつつ、低圧燃料ポンプ13からの制御量を下限設定値L以上で上限設定値H以下の範囲に規制することで、高圧燃料ポンプ14の不安定性を補償し、機関への燃料供給量、燃圧を安定化することができ、燃料噴射弁からの燃料漏れ、ベーパ発生等を抑制することができる。
ステップS31では、高圧燃料ポンプ14が異常であるかを判定する。
高圧燃料ポンプ14が異常でない(正常)と判定されたときは、ステップS32へ進み、低圧燃料ポンプ13を基準圧(例えば350kPa)で駆動する。これは、通常の運転を行えば、前記低圧レギュレータ18によって自動的に調整されるが、低圧側の燃圧を検出する燃圧センサを別途設け、フィードバック制御する構成としてもよい。
要求燃料消費量=Ne×Ti×α
ただし、Ne:機関回転速度
Ti:基本燃料噴射量
α:空燃比フィードバック補正係数
要求燃料消費量が上限設定値Fhを超えると判定されたときは、ステップS35へ進み、燃料カット(機関への燃料供給停止)、具体的には燃料噴射弁15の作動停止を行う。
すなわち、高圧燃料ポンプ14の異常時は、高速域など要求燃料消費量が大きなときに、要求に応じて燃料噴射を行うと燃圧が不足して、正常な燃料噴射を行えなくなってしまうので、燃料カットを行って正常な燃料噴射を行える燃圧まで高めてから、退避走行を行えるだけの要求燃料消費量に下げてから正常な燃料噴射を再開する。また、この構成によれば、燃圧不足での燃料噴射により空燃比がリーン化されて排気浄化触媒が劣化することも防止できる。
高圧燃料ポンプ14が異常であると判定されたときは、ステップS42へ進み、高圧燃料ポンプ14が昇圧可能な異常であるかを判定する。
実燃圧が(目標燃圧+α)より小さいと判定されたときはステップS48へ進み、リリーフ弁34を閉弁し、低圧燃料ポンプ13の吐出燃料を、高圧燃料ポンプ14のみに供給し、高圧燃料ポンプ14を駆動して高圧の吐出燃料を機関に供給する。
なお、以上示した実施形態においては、低圧レギュレータの燃料タンクへの低圧側リリーフ弁を閉じることにより、低圧燃料ポンプからの吐出燃料を高圧燃料ポンプをバイパスして機関に供給することを可能としたが、本発明は、かかる低圧レギュレータを備えないものにも適用できる。
(イ)請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料供給装置において、
高圧燃料ポンプ下流側の高圧燃料配管から余剰燃料を低圧燃料ポンプの吐出側に戻すリターン配管に介装された高圧側リリーフ弁を任意に開弁できる構成とし、
前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、前記高圧燃料ポンプをバイパスして内燃機関に供給させるときは、該高圧側リリーフ弁を開弁させることにより前記リターン通路を介して供給することを特徴とする。
上記発明によると、高圧側リリーフ弁の機能を追加するだけで、低圧燃料ポンプから吐出される燃料を高圧燃料ポンプをバイパスして内燃機関に供給させることができる。
前記低圧側リリーフ弁を、低圧燃料ポンプ吐出側と高圧燃料ポンプ下流側の高圧燃料配管とを任意に開通可能な構成とし、
前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、前記高圧燃料ポンプをバイパスして内燃機関に供給させるときは、該低圧側リリーフ弁を、低圧燃料ポンプ吐出側と高圧燃料ポンプ下流側の高圧燃料配管とを開通させるように駆動することにより供給することを特徴とする。
上記発明によると、低圧側リリーフ弁の機能と一部の燃料配管を追加するだけで、低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、高圧燃料ポンプをバイパスして内燃機関に供給させることができる。
低圧燃料ポンプ吐出側と高圧燃料ポンプ下流側の高圧燃料配管と結ぶバイパス通路を設け、該バイパス通路に任意に開閉可能な開閉弁を介装し、
前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、前記高圧燃料ポンプをバイパスして内燃機関に供給させるときは、前記開閉弁を開き、前記バイパス通路を介して供給することを特徴とする。
上記発明によると、専用の燃料配管と開閉弁を追加する信頼性の高い構成で、低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、高圧燃料ポンプをバイパスして内燃機関に供給させることができる。
高圧側燃料ポンプが昇圧不可能な異常時は、低圧側燃料ポンプを全開運転することを特徴とする。
上記発明によると、高圧側燃料ポンプが昇圧不可能な異常時は、低圧側燃料ポンプを全開運転することで、機関(燃料噴射弁)に供給される燃圧を最大限高めることができる。
高圧側燃料ポンプが昇圧可能な異常時は、低圧側燃料ポンプからの吐出燃料を高圧燃料ポンプにも供給して高圧側燃料ポンプを駆動し、高圧側燃料ポンプからの吐出燃料と低圧燃料ポンプからの吐出燃料とを、機関に供給することを特徴とする。
上記発明によると、高圧側燃料ポンプが昇圧可能な異常時は、高圧燃料ポンプも運転して2つの燃料ポンプから機関に燃料を供給することで、異常時の燃圧をできるだけ、確保することができる。
高圧側燃料ポンプが昇圧可能な異常時は、低圧燃料ポンプからの吐出量を、上限値以内および下限値以上の少なくとも一方で規制することを特徴とする。
上記発明によると、高圧側燃料ポンプからの吐出量が不安定な状態でも機関に供給される燃料量を安定範囲に制限して、燃圧が過大になって燃料噴射弁からの燃料漏れや燃料配管の耐久性低下を防止でき、あるいは、燃料からのベーパの発生を防止できる。
前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、前記高圧燃料ポンプをバイパスして内燃機関に供給させるときに、低圧燃料ポンプから機関に供給される燃料量が不足する状況では、燃料噴射弁の作動を停止することを特徴とする。
上記発明によると、低圧燃料ポンプから機関に供給される燃料量が不足して、燃料噴射弁からの噴射に必要な燃圧を確保することができなくなる状況で、燃料カットを行うことにより、燃料噴射弁からの噴射を可能となるように燃圧を高めることができる。
Claims (3)
- 機関駆動式の高圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供給する電動式の低圧燃料ポンプとを備え、前記高圧燃料ポンプから吐出される燃料を内燃機関に供給する内燃機関の燃料供給装置において、
前記高圧燃料ポンプの異常時に、前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、内燃機関に供給させることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 前記低圧燃料ポンプから吐出された余剰燃料を低圧源に戻す低圧側リリーフ弁を、任意に閉弁可能な構成とし、前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、内燃機関に供給させるときは、前記低圧側リリーフ弁を閉じて燃料の戻しを停止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
- 前記低圧燃料ポンプから吐出される燃料を、内燃機関に供給させるときは、低圧燃料ポンプの最大流量を上限値以下に規制することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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