JP2011089458A - 蒸気タービン車室の位置合わせ方法および蒸気タービンの組立方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蒸気タービン車室の位置合わせ方法は、下半ノズルダイヤフラムを有する下半内部車室を、複数の支持部を介して下半外部車室内に支持させた状態から前記下半内部車室に上半内部車室を載置させた状態にした際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ計測または予測するステップと、前記計測または予測された支持部の沈下位置に基づいて、前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させた状態での前記タービンロータと前記ノズルダイヤフラムの間隔が所定値となるように、前記支持部の沈下位置を調整するステップと、を含む。
【選択図】図2
Description
そこで、上半ノズルに計測用座を設け、この計測用座に配設された計測装置によって、タービンロータとノズルとの相対位置を計測して、組み立て後のタービンロータとノズルの位置関係を把握し、設計値との誤差を調整する蒸気タービンの計測方法が提供されている(例えば特許文献1参照)。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、上半を取り除いた蒸気タービン室を示す上面図であり、図2は、図1のA−A断面を示す断面図で、(a)はトップシェルがない状態を示し、(b)はトップシェルがある状態を示す図である。
外部車室11は、図2に示すように、断面がそれぞれコ字状の下半外部車室11aと上半外部車室(図示せず)とで構成される上下半の2分割構造からなり、内部に内部車室12を収納する。
下半内部車室12aと上半内部車室12bとは、タービンロータの各段の動翼に対応して下半ノズル15aと上半ノズル15bとをそれぞれ有する。下半内部車室12aと下半ノズル15aは上述したローワシェルを構成し、上半内部車室12bと上半ノズル15bは上述したトップシェルを構成する。
まず、下半外部車室11a内に下半内部車室12a、下半ノズル15aを収納し、サポート部13a〜13dに支持させる組み立てを行い(ステップS101)、さらに上半内部車室12b、上半ノズル15bを下半内部車室12aに載置させる仮組立を行う(ステップS102)。次に、このトップシェルがある状態のときのサポート部13a〜13dの沈下位置を測定し、これらの平均沈下位置を算出する(ステップS103)。
図4は、蒸気タービン車室の組立動作を説明するためのフローチャートの変形例である。
まず、下半外部車室11a内に下半内部車室12a、下半ノズル15aを収納し、サポート部13a〜13dに支持させる組み立てを行う(ステップS201)。そして、トップシェルがない状態のときのサポート部13a〜13dの沈下位置を測定し、これらの平均沈下位置を算出する(ステップS202)。
実施形態1では、各サポート部に対応するそれぞれ1つの基準点からのレベル差を計測したが、本発明はこれに限らず、サポート部に対して複数の基準点からのレベル差を計測することも可能である。
本実施形態では、例えば下半外部車室の基準点14a,14cとサポート部13a,13cとのそれぞれのレベル差X1〜X5、Y1〜Y5を計測している。ここで、X1,X2は、トップシェルがない状態での、基準点14aとサポート部13a,13cとのそれぞれのレベル差であり、x3,x4は、基準点14cとサポート部13a,13cとのそれぞれのレベル差である。また、X5は、サポート部13aと13c間を直接計測したレベル差である。Y1,Y2は、トップシェルがある状態での、基準点14aとサポート部13a,13cとのそれぞれのレベル差であり、Y3,Y4は、基準点14cとサポート部13a,13cとのそれぞれのレベル差である。また、Y5は、サポート部13aと13c間を直接計測したレベル差である。
なお、本実施形態では、下半外部車室の基準点およびサポート部をそれぞれ2点間で説明したが、本発明はこれに限らず、それぞれ3点以上の計測を実施することで、各計測ポイントでの計測方法の健全性の確認および計測精度をさらに向上することができる。
次に、実施形態2の場合でのサポート部の沈下位置(沈下量)算出方法を説明する。
図5において、トップシェルがない状態でのレベル差X1〜X4と、トップシェルがある状態でのレベル差Y1〜Y4から、サポート部13a,13cの沈下位置を求めると、|Y1−X1|、|Y2−X2|、|Y3−X3|、|Y4−X4|となる。次に、平均化すると、サポート部13aの沈下位置は(|Y1−X1|+|Y2−X2|)/2、サポート部13cの沈下位置は(|Y3−X3|+|Y4−X4|)/2となる。
なお、下半外部車室の基準点およびサポート部をそれぞれ3点以上の計測を実施する場合には、レベル差の誤差最大値をその点数の逆数まで低減することができる。
実施形態1では、下半外部車室の1の基準点をベースにサポート部のレベル差を計測したが、本発明はこれに限らず、下半外部車室11aの水平面をベースにサポート部のレベル差を計測することも可能である。
図6において、沈下量測定装置20は、固定冶具21および複数の測定器22a,22cを備える。本実施形態では、測定器22a,22cは例えば2つ設けられ、固定冶具21の水平部位に、サポート部13a,13cに対向してそれぞれ載置されている。測定器22a,22cは、例えばレーザレベル計から構成される。
なお、測定方法は、実施形態1で示した方法によって同様の計測結果を得ることができる。
次に、本発明に係る蒸気タービン車室の位置合わせ方法に水レベル計を用いる場合について説明する。
図7は、本発明に係るサポート部のレベル差計測に用いる水レベル計24a,24bを示す図である。
このように、本実施形態では、測定器に水レベル計を用いてサポート部の上下変位を測定するので、トップシェルがない状態からトップシェルが組み込まれた状態へのサポート部の沈下量を直接計測することができる。
図8は、実施形態5に示した水レベル計の変形例1を示す図である。
実施形態5に示した水レベル計24a,24bでは、設置場所を変更する際の移動時に、水レベル計24a,24b内部の水がレベル差に応じて移動してしまい、水の呼び戻しが発生し、新たな設置場所に設置されても、水レベルが安定するまで時間がかかることがあった。
このように、本変形例では、水レベル計の移動時に止水弁を閉止し、新たな設置場所での設置後に止水弁を開口して水の移動を可能にするので、移動前の水のレベル差から移動後の水のレベル差だけでの水の移動だけとなり、水レベルの安定時間を短縮することができる。
実施形態5では、水レベル計24a,24bを用いた2点間のレベル差計測の概念を示したが、実際の計測時における水レベルの安定時間は、例えばホース26の長さ、ホース内径断面積、ホース設置状況などに左右される。この水レベルの安定時間が長くなることで、計測されるレベル差が一定レベルに安定しにくくなることから、計測精度が劣化し計測時間も長くなってしまう。
そこで、本変形例では、水レベルの安定時間を最小限にするために、水レベル計24a,24bを接続するホース26の長さを、2点の計測対象の最大距離とすることで、水レベル計24a,24bとホース26内の水の移動量を最小限にすることができる。
実施形態5で説明したように、水レベル計24a,24bは、同一形状で、かつ同一高さのものを使用するが、製作上の誤差、使用過程で水レベル計本体の高さに差が生じることがある。
そこで、図9、図10を用いて水レベル計のレベル差補正を説明する。
図9は、水レベル計24a,24bの計測点A,Bが同一レベルの場合を示す図で、(a)は水レベル計24a,24bの計測点がA,Bのとき、(b)は水レベル計24a,24bの計測点B,Aのときを示す図である。
本実施形態では、水レベル計24a,24bの高さが同一であれば、計測点A,Bのどちらに設置しても計測値は変化しない。しかし、たとえば水レベル計24aの高さが水レベル計24bの高さより2単位高い場合、水面までの深さがAa−Bbでは計測点Aが計測点Bより2単位高い結果となり、水面までの深さがAb−Baでは計測点Bが計測点Aより2単位高い結果となる。
本実施形態では、たとえば水レベル計24aの高さが水レベル計24bの高さより2単位高く、かつ計測点Aが計測点Bより4単位高い場合、水面までの深さがAa−Bbでは計測点Aが計測点Bより6単位高い結果となり、水面までの深さがAb−Baでは計測点Aが計測点Aより2単位高い結果となる。
C=[(Aa−Bb)−(Ab−Ba)]/2 …(1)
とし、さらに式(1)の補正値Cと水レベル計24aの計測値とから真の計測値は、
(真の計測値)=(水レベル計24aの計測値)−(補正値C) …(2)
として計測点AとBの真のレベル差を算出する。
C=[(42−40)−(40−42)]/2=2
となり、式(2)は、
(真の計測値)=42−2=40
となる。
式(1)は、
C=[(42−36)−(40−38)]/2=2
となり、式(2)は、
(真の計測値)=42−2=40
となる。
なお、上述した単位は、長さの単位であればどのような単位でもよい。
上述した実施形態では、トップシェルがない状態からトップシェルが組み込まれた状態でのサポート部の沈下量について説明したが、組み立て上の制限、計測上の制限によりトップシェルまたはトップシェルの構成部品の一部しか組み込めない場合がある。
Dt=Dl×Wt/Wl
の式で算出され、このDtをトップシェルがない状態からトップシェルが組み込まれた状態へのサポート部沈下量の予測値とする。
Dt=Dt1×Wt/Wt1
の式で算出され、このDtをトップシェルがない状態からトップシェルが組み込まれた状態へのサポート部沈下量の予測値とする。
Claims (10)
- 蒸気タービンロータを含む内部構成部品、上半および下半ノズルダイヤフラム、上半および下半内部車室、上半および下半外部車室を位置合わせして組み立てる蒸気タービン車室の位置合わせ方法において、
前記下半ノズルダイヤフラムを有する前記下半内部車室を、複数の支持部を介して前記下半外部車室内に支持させた状態から前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させた状態にした際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ計測または予測するステップと、
前記計測または予測された支持部の沈下位置に基づいて、前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させた状態での前記タービンロータと前記ノズルダイヤフラムの間隔が所定値となるように、前記支持部の沈下位置を調整するステップと、
を含むことを特徴とする蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 前記計測するステップでは、前記下半ノズルダイヤフラムを有する前記下半内部車室を、複数の支持部を介して前記下半外部車室内に支持させ、その際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ計測し、さらに前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させ、その際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ計測し、
前記調整するステップでは、前記計測された下半内部車室が支持された際の前記支持部の沈下位置と、前記計測された上半内部車室が載置された際の前記支持部の沈下位置との偏差をそれぞれ求め、この求めた偏差に基づいて、前記支持部の沈下位置を調整する
ことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 前記上半ノズルダイヤフラムと前記上半内部車室を組み込めない場合、前記予測するステップでは、前記下半ノズルダイヤフラムを有する前記下半内部車室を、複数の支持部を介して前記下半外部車室内に支持させ、その際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ計測し、さらに予め設定された前記下半ノズルダイヤフラムを有する前記下半内部車室の重量と、前記上半ノズルダイヤフラムを有する前記上半内部車室の重量と、前記測定された支持部の沈下位置とに基づいて、前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させた際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ予測する
また、前記上半ノズルダイヤフラムと前記上半内部車室の構成部品の一部しか組み込めない場合、前記予測するステップでは、前記上半ノズルダイヤフラムと前記上半内部車室の構成部品の一部を、前記下半内部車室に載置させて組み込、その際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ計測し、さらに予め設定された前記上半ノズルダイヤフラムと前記上半内部車室全体の重量と、前記上半ノズルダイヤフラムと前記上半内部車室の構成部品の一部の重量と、前記測定された支持部の沈下位置とに基づいて、前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させた際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ予測する
ことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 前記調整するステップでは、前記求めた偏差を平均化し、この平均化された偏差に基づいて、前記支持部の沈下位置を調整する
ことを特徴とする請求項2または3記載の蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 前記計測または予測するステップでは、所定基準点と前記支持部の所定計測点とのレベル差を計測する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 前記計測または予測するステップでは、少なくとも2つの前記所定基準点と前記支持部の所定計測点とのレベル差をそれぞれ計測し、この計測されたそれぞれのレベル差の許容値が設定値以内とする
ことを特徴とする請求項5記載の蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 前記計測または予測するステップでは、水の移動が可能な少なくとも2つ1組の水レベル計を用い、前記計測前に前記水レベル計を同一レベルの地点に設置して前記水レベル計の水面深さをそれぞれ計測し、またはレベル差のある地点にそれぞれ設置あるいは入れ替えて、前記水レベル計の水面深さをそれぞれ計測し、前記計測結果に基づいて、前記水レベル計の計測値を補正する
ことを特徴とする請求項5または6記載の蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 前記水レベル計は、前記水の移動が可能なホースでそれぞれ接続されており、前記ホースの長さは、前記所定基準点と前記支持部の所定測定点との最大距離に相当する
ことを特徴とする請求項7記載の蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 前記ホースには、前記水の移動を止める止水弁が設けられ、
前記計測するステップでは、計測点移動時に前記止水弁を閉止し、移動後に前記止水弁を開口する
ことを特徴とする請求項8記載の蒸気タービン車室の位置合わせ方法。 - 蒸気タービンロータを含む内部構成部品、上半および下半ノズルダイヤフラム、上半および下半内部車室、上半および下半外部車室を位置合わせして組み立てる蒸気タービン車室の組立方法において、
前記下半ノズルダイヤフラムを有する前記下半内部車室を、複数の支持部を介して前記下半外部車室内に支持させた状態から前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させるステップと、
前記載置された際の前記支持部の沈下位置をそれぞれ計測または予測するステップと、
前記計測または予測された支持部の沈下位置に基づいて、前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させた状態での前記タービンロータと前記ノズルダイヤフラムの間隔が所定値となるように、前記支持部の沈下位置を調整するステップと、
前記調整後に前記下半内部車室に前記上半内部車室を載置させるステップと、
を含むことを特徴とする蒸気タービン車室の組立方法。
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