本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図4において、1は手摺付き笠木装置で、この手摺付き笠木装置1は、例えば建物付設物であるバルコニの腰壁等の壁部2の上端部に取り付けられている。つまり、被覆い部である壁部2の上端部に手摺付き笠木装置1が固定的に取り付けられ、この手摺付き笠木装置1にて壁部2の上端部が覆われている。
なお、バルコニの壁部2の上面の幅方向中央位置、つまり壁部2の厚さ方向である前後方向の中央位置には、左右方向に延びるけがき線等の基準線3が付されている(図2参照)。
手摺付き笠木装置1は、バルコニの壁部2の上面に固定され互いに等間隔をおいて左右方向に並ぶ複数の板状のブラケット等の笠木受体6と、これら複数の笠木受体6にて支持されバルコニの壁部2の上面および壁部2の上端部前後面を覆う左右方向長手状の笠木7と、この笠木7に略直角に立設され笠木受体6に対応して互いに等間隔をおいて左右方向に並ぶ複数の4角筒状で上下面開口状の支柱8と、これら複数の支柱8の上端部に架設されこれら複数の支柱8に亘って位置する左右方向長手状の手摺部である手摺装置10とを備えている。なお、笠木7は、大きさが異なる各壁部2に対応できるように、幅寸法が異なる複数種類を用意する必要がある。
笠木受体6は、互いに離間対向し壁部2の上面に接触した状態で水平状に位置する左右方向長手状で略矩形状の前後1対の固定板部11を有している。固定板部11には、複数、例えば2つの左右方向長手状の長孔部12が上下面に貫通して形成されている。固定板部11の内端部には鉛直状に位置する左右方向長手状で略矩形状の立設板部14が略直角に立設され、これら互いに離間対向する両立設板部14の上端部相互が略正方形状の笠木受板部15にて連結されている。笠木受板部15はバルコニの壁部2の上面から所定距離離れて水平状に位置し、この笠木受板部15には複数、例えば2つの略円形状の孔部16が上下面に貫通して形成されている。なお、孔部16は、ねじ溝の有無を問わない。例えば図示しないが、笠木受板部15にナットを溶接等して、笠木受体6が孔部であるねじ孔部を有するようにしてもよい。
そして、雄ねじ部材である固定用ねじ18が長孔部12からバルコニの壁部2の上端部にねじ込まれることにより、固定板部11がバルコニの壁部2の上面に接触した状態で固定されている。また、平面視で笠木受板部15の前後方向中央位置がバルコニの壁部2の前後方向中央位置に一致した状態となっている。
笠木7は、水平状に位置しバルコニの壁部2の上面を覆う左右方向長手状で略矩形状の本体板部21を有している。本体板部21の前後端部から左右方向長手状で略矩形状の突出板部22が下方に向って突出し、これら両突出板部22にてバルコニの壁部2の上端部前後面が覆われている。なお、笠木7の両突出板部22は、笠木受体6とは非係合であり、壁部2の上端部前後面から離れて位置する。
本体板部21のうち笠木受体6の笠木受板部15にて略矩形状の補強板23を介して支持された部分が、固定部25となっている。固定部25には、複数、例えば2つの左右方向長手状の長孔部(孔部)26および複数、例えば4つの略円形状の柱固定用孔部27が上下面に貫通して形成されている。補強板23にも、本体板部21の長孔部26および柱固定用孔部27とそれぞれ同一形状の長孔部(孔部)28および柱固定用孔部29が上下面に貫通して形成されている。なお、補強板23の幅寸法である左右方向長さ寸法は笠木受板部15の左右方向長さ寸法と略同じであるが、補強板23の前後方向長さ寸法は笠木受板部15の前後方向長さ寸法より大きい。
そして、雄ねじ部材である固定用ねじ30が互いに対向した柱固定用孔部27,29から支柱8の内側のねじ受部9の下端部にねじ込まれることにより、補強板23が笠木7の本体板部21の下面に固定されかつ支柱8の下端面が笠木7の本体板部21の上面に固定されている。なお、固定用ねじ30のねじ頭部は、補強板23の柱固定用孔部27内に位置しており、補強板23の下面から突出していない。もっとも、施工上問題がなければ、若干突出していてもよいが、下面から突出していない構成が好ましい。
また、固定手段である雄ねじ部材(締結部材)31が支柱8の上面開口部8aから支柱8内に挿入されこの挿入された雄ねじ部材31が互いに対向した長孔部26,28から笠木受体6の笠木受板部15の孔部16にその支柱8内での回転操作に基づいてねじ込まれることにより、笠木7の本体板部21のうち支柱8内と対向する部分、つまり固定部25における支柱8の下面開口部8bに面した部分が笠木受体6の笠木受板部15の上面に補強板23を介して固定されている。すなわち例えばねじ頭部31aのみが支柱8内に位置する雄ねじ部材31によって笠木7の固定部25が笠木受体6の笠木受板部15の上面に補強板23を介して固定され、この補強板23が固定部25の下面と笠木受板部15の上面とにて挟持固定されている。
なお、雄ねじ部材31は、例えば小ねじ或いは座金(ばね座金、平座金等)付きの小ねじ等で、ねじ頭部31aおよびねじ軸部31bを有している。ねじ軸部31bの長さ寸法は、例えばねじ軸部31bの下端がバルコニの壁部2の上面に当接しない寸法となっている。ねじ軸部31bの先端部は、先端に向って徐々に縮径する縮径状に形成されている。なお、孔部16がねじ孔部である場合には、雄ねじ部材31は、そのねじ孔部に螺合締付によりねじ込まれる。
なお、固定手段は、雄ねじ部材31等のねじで締結するものには限定されず、ビスや釘等でもよく、任意である。すなわち、支柱8の上面開口部8aから下面開口部8bまで貫通している支柱8内の中空部(内部空間)に、固定手段が挿入されて笠木受板部15の上面に打ち込む等により笠木受体6に固定できればよく、結果的には壁部2に固定できればよい。なお、ねじ込みや打ち込みでねじ軸部31b等の突出部が壁部2に当接しない寸法のものが好ましいが、壁部2に当接したり壁部2にねじ込みや打ち込みされるようなもの等でもよい。
手摺装置10は、支柱8の上端部に固定され水平状に位置する左右方向やや長手状で略矩形板状の複数の支持体である支持板41と、これら複数の支持板41にて直接支持され水平状に位置する左右方向長手状で筒状の手摺体42と、この手摺体42を支持板41に固定する固定手段43とを備えている。つまり、手摺体42が支柱8の上端部に支持板41を介して固定的に取り付けられている。
支持板41には、複数、例えば4つの略円形状の柱固定用孔部46が上下面に貫通して形成されている。そして、雄ねじ部材である固定用ねじ45が柱固定用孔部46から支柱8の内側のねじ受部9の上端部にねじ込まれることにより、支持板41の下面が支柱8の上端面に固定されており、この支持板41にて支柱8の上面開口部8aが閉鎖されている。なお、固定用ねじ45のねじ頭部は、支持板41の柱固定用孔部46内に位置しており、支持板41の下面から突出していない。
支持板41の長手方向両端部である左右両端部における前後方向中央部には、左右方向長手状の切欠孔部47が端縁から内方側へ切り欠かれて上下面に貫通して形成されている。つまり、支持板41のうち支柱8の側面から側方に向って突出した端部分41aには、側方に向って開口する長孔状の切欠孔部47が形成されている。
手摺体42は、水平状に位置する左右方向長手状で略矩形状の底板部51を有している。底板部51の幅方向中央部である前後方向中央部には、下方に向って開口する断面略コ字状をなす左右方向長手状の案内溝部52が形成されている。なお、案内溝部52の案内方向と切欠孔部47の切欠方向とが同じ方向であればよく、必ずしも左右方向である必要はない。
案内溝部52は、互いに離間対向する鉛直状の前後1対の対向板部53と、これら両対向板部53の上端部相互を連結する水平状の連結板部54と、対向板部53の下端部から対向する対向板部53側に向って突出する突出部55とを有し、これら互いに離間対向する前後1対の突出部55間に開口部56が形成されている。
手摺体42は、水平状に位置する左右方向長手状で断面略C字状の手摺本体部58を有し、この手摺本体部58の前後の下端部が底板部51の前後両端部に一体に連結されている。つまり、底板部51と手摺本体部58とが一部材で構成されている。
なお、図2に示されるように、手摺体42は例えば筒状の複数の手摺部材61を有し、互いに隣り合う手摺部材61の対向端部相互が繋ぎ金具等の連結部材62にて連結されている。連結部材62は手摺部材61の対向端部に嵌入されてその対向端部にねじ部材63で固定され、互いに隣り合う手摺部材61の対向端部間の間隙が間隙カバー部材64にて覆い隠されている。手摺体42の長手方向端部に位置する手摺部材61の端部には端部カバー部材(図示せず)が嵌入固定されている。なお、手摺体42は、例えば1本の手摺部材61のみで構成されたものでもよい。
固定手段43は、ねじ頭部71aが案内溝部52内に収納されかつねじ軸部71bが案内溝部52の開口部56から下方に向って突出した状態で案内溝部52にて案内される複数、例えば2つの雄ねじ部材71と、雄ねじ部材71のねじ軸部71bに螺合可能な複数、例えば2つの雌ねじ部材72とを有している。
なお、手摺体42を1本のみの支柱8に対して支持板41を介して固定する構成である場合でも、固定手段43は少なくとも2組の雄ねじ部材71および雌ねじ部材72を有するものである。
雄ねじ部材71は、例えば6角ボルト等で、6角柱状のねじ頭部(頭部)71aと、このねじ頭部71aに一体に突設され外周面にねじ溝が形成されねじ頭部71aから下方に突出しているねじ軸部(突出部)71bとを有している。なお、ねじ頭部71aの外形寸法は開口部56の幅寸法より大きく、ねじ頭部71aは両突出部55に跨った状態でこれら両突出部55上を両対向板部53にて案内されつつスライド移動する。
雌ねじ部材72は、例えば袋ナット或いは座金付きの袋ナット等で、内周面にねじ溝が形成されたねじ孔部72aを有している。
そして、固定手段43にて手摺体42が支持板41に固定される場合に、雄ねじ部材71が手摺体42の案内溝部52にて案内されながらこの案内溝部52に沿って移動して支持板41の切欠孔部47に水平方向である側方から入り込み、この入り込んだ雄ねじ部材71に雌ねじ部材72が螺合締付される。なお、切欠孔部47に入り込んだ雄ねじ部材71には、支持板41の下方から雌ねじ部材72が螺合締付される。この場合、雌ねじ部材72の外形寸法は、雌ねじ部材72が切欠孔部47から上方に脱出してしまわないように、切欠孔部47の幅寸法より大きな構成、すなわち切欠孔部47の両側に存在する支持板41に跨る構成となっている。
つまり、固定手段43を用いて手摺体42を支持板41に固定する場合には、まず、両雄ねじ部材71のねじ頭部71aを手摺体42の案内溝部52に嵌入し、これら2つのねじ頭部71a間の離間距離を支持板41の長手方向寸法より長くする。
次いで、支柱8の上端部に固定用ねじ45にて固定された支持板41上に、手摺体42の底板部51を載置する。
続いて、両雄ねじ部材71のうちのいずれか一方の雄ねじ部材71のねじ頭部71aを案内溝部52に沿って支持板41側に向けてスライド移動させ、いずれか一方の雄ねじ部材71のねじ軸部71bを支持板41の一方側の切欠孔部47にこの切欠孔部47の先端開口47aから入り込ませてこの切欠孔部47の基端47bに当接させる。また同様に、いずれか他方の雄ねじ部材71のねじ頭部71aを案内溝部52に沿って支持板41側に向けてスライド移動させ、いずれか他方の雄ねじ部材71のねじ軸部71bを支持板41の他方側の切欠孔部47にこの切欠孔部47の先端開口47aから入り込ませてこの切欠孔部47の基端47bに当接させる。
次いで、両雄ねじ部材71のねじ軸部71bのうち切欠孔部47から下方に向って突出した部分に、雌ねじ部材72を順次螺合締付する。
その結果、雄ねじ部材71のねじ頭部71aと雌ねじ部材72とにて案内溝部52の突出部55および支持板41が挟持固定され、これにより手摺体42の底板部51の下面が支持板41の上面に固定される。
なお、この例では、雄ねじ部材71および雌ねじ部材72にて、結合部材70が構成されている。
もっとも、この例において、ねじ部材71,72以外、例えば釘、ビス、リベット等にて構成された結合部材を用いることも可能である。この場合、結合部材は、ねじ頭部71aに相当する頭部を有し、この頭部の外形寸法は開口部56の幅寸法より大きく、この頭部は両突出部55に跨った状態でこれら両突出部55上を両対向板部53にて案内されつつスライド移動する。
また、ねじ部材71,72以外の結合部材の場合も、頭部から下方に突出している部分(突出部)は、切欠孔部47に入り込むようになっている。さらに、結合部材が切欠孔部47に移動して入り込む際に、支柱8に邪魔されないように、切欠孔部47の全部または一部は支柱8の外側に位置している。勿論、切欠孔部47の切欠部先端は結合部材が入り込めるように支柱8の外側に位置していることは当然である。
そして、ねじ部材71,72以外の結合部材の場合、頭部から下方に突出している部分が切欠孔部47に入り込み、かつ切欠孔部47より下方に突出した部分を支持板41上に結合して手摺体42と支持板41とを固定する。この結合については、下方に突出した部分を曲げて支持板41に跨らせたり、支持板41に溶接したり接着したりすることによる。
なお、支柱8の下端面と笠木7の本体板部21の上面との間には、防水用のシール部材(図示せず)が配設されている。また、支柱8の上端面と支持板41の下面との間にも、防水用のシール部材(図示せず)が配設されている。なお、シール部材は必ずしも必要ではない。
次に、施工現場における手摺付き笠木装置1の施工方法について図面を参照して説明する。
建物のバルコニの壁部2の上面の前後方向中央位置に基準線3を付した後、図5に示すように、固定用ねじ18を用いて、笠木受体6をバルコニの壁部2の上面に固定する。
つまり、平面視で笠木受体6の笠木受板部15の前後方向中央位置とバルコニの壁部2の前後方向中央位置とが互いに一致するように、笠木受体6をバルコニの壁部2の上面上に載置した後、固定用ねじ18を笠木受体6の長孔部12からバルコニの壁部2の上端部にねじ込む。すると、笠木受体6の固定板部11がバルコニの壁部2の上面に固定される。
なお、予め工場において、笠木受体6に長孔部12および孔部16を形成しておく。施工現場で、ドリル等の孔開け用工具を使用して、笠木受体6に目印となる下穴等の孔部16を孔開け加工するようにしてもよい。例えば笠木受体6を壁部2の上面に固定した後に、孔開け用工具で笠木受体6に孔部16を形成してもよい。
また、図6に示すように、笠木7と支柱8と補強板(柱取付板)23とを組立てて、支柱付き笠木(支柱笠木ユニット)80を得る。
つまり、固定用ねじ30を互いに対向した柱固定用孔部27,29から支柱8のねじ受部9の下端部にねじ込む。すると、支柱8および補強板23が笠木7の本体板部21の上下面にそれぞれ固定され、ユニット状の支柱付き笠木80が得られる。
次いで、図7に示すように、支柱付き笠木80の長孔部26,28と笠木受体6の孔部16とが互いに一致するように、ユニット状の支柱付き笠木80の補強板23をバルコニの壁部2に固定された笠木受体6の笠木受板部15の上面上に載置してこの笠木受板部15に支持させた後、雄ねじ部材31を、支柱8の上面開口部8aから下面開口部8bまで貫通している支柱8内の中空部に挿入し、この挿入した雄ねじ部材31を用いて、支柱8内における中空部において、支柱付き笠木80の笠木7の固定部25のうち支柱8内と対向する部分を笠木受体6の笠木受板部15に固定する。
つまり、支柱付き笠木80の補強板23を笠木受体6の笠木受板部15の上面上に載置して長孔部26,28と孔部16とを互いに対向させる。その後、例えば長軸タイプの長ビットドライバ等の工具の先端部に磁力等を利用して雄ねじ部材31を吸着保持させながら、雄ねじ部材31を支柱8の上面開口部8aから支柱8内に挿入し、この雄ねじ部材31のねじ軸部31bの縮径状先端部を互いに連通した長孔部26,28および孔部16に上方から差し込む。続いて、その工具を使用して雄ねじ部材31のねじ頭部31aを支柱8内で締付方向へ回転操作することにより、雄ねじ部材31のねじ軸部31bをねじ頭部31aが固定部25の上面に当接するまで孔部16にねじ込む。すると、支柱付き笠木80の笠木7の所定部分が笠木受体6の笠木受板部15に補強板23を介して固定される。
次いで、図8に示すように、固定用ねじ45を用いて、支持板(手摺トップ取付板)41を支柱付き笠木80の支柱8の上端部に固定する。
つまり、支持板41を支柱8の上端面上に載置し、支持板41の柱固定用孔部46と支柱8のねじ受部9とを互いに対向させる。続いて、固定用ねじ45を柱固定用孔部46から支柱8のねじ受部9の上端部にねじ込む。すると、支持板41が支柱8の上端面に固定され、この支持板41にて支柱8の上面開口部8aが閉鎖される。
次いで、図9に示すように、雄ねじ部材71および雌ねじ部材72を用いて、手摺体42を支持板41に固定する。
つまり、ねじ頭部71aを案内溝部52に嵌入することにより雄ねじ部材71を手摺体42に装着した後、手摺体42を支持板41の上面上に載置する。続いて、雄ねじ部材71のねじ頭部71aを案内溝部52に沿って支持板41側に向けて移動させ、雄ねじ部材71のねじ軸部71bを切欠孔部47に入り込ませた後、そのねじ軸部71bのうち切欠孔部47から下方に向って突出した部分に、下方から雌ねじ部材72を螺合締付する。すると、手摺体42が支持板41の上面に固定される。こうして、手摺付き笠木装置1の組立て施工が完了する。
そして、この手摺付き笠木装置1によれば、支柱8内に挿入されこの支柱8内での回転操作に基づいて笠木7のうち支柱8内と対向する部分を笠木受体6に固定する雄ねじ部材31を備える構成であるから、従来とは異なり幅寸法が異なる複数種類の笠木7と同数の笠木受体を用意する必要がなく、幅寸法が異なる複数種類の笠木7に対して共通の笠木受体6を使用可能となっており、部材管理の容易化を図ることができ、しかも、雄ねじ部材31が外部に露出せず、意匠性および安全性も良好である。
また、笠木7の下面に固定され笠木7と笠木受体6とにて上下から挟持固定された補強板23を備えるため、所望の強度を適切に確保できる。
さらに、固定手段である雄ねじ部材31を支柱8内に挿入して笠木受体6の孔部16にねじ込むことにより、笠木7のうち支柱8内と対向する部分を笠木受体6に適切に固定できる。
また、固定手段43にて手摺体42が支持板41に固定される場合に、雄ねじ部材71が手摺体42の案内溝部52にて案内されながら移動して支持板41の切欠孔部47に入り込み、この入り込んだ雄ねじ部材71に雌ねじ部材72が螺合締付される構成であるから、例えば雄ねじ部材71を略円形状の孔部に対して位置合わせした後にその雄ねじ部材71を上方から孔部に通す構成等に比べて、雄ねじ部材71および雌ねじ部材72を有する固定手段43を用いて、手摺体42を支持板41に対して容易かつ適切に固定でき、施工性の向上を図ることができる。
なお、手摺付き笠木装置1の手摺装置10は、両側に切欠孔部47を有する支持板41を備えた構成には限定されず、例えば図10に示すように、一方側に略円形状の孔部48を有しかつ他方側に切欠孔部47を有する支持板41を備えた構成でもよい。
この構成では、手摺体42を支持板41に載置するときに、一方側の雄ねじ部材71のねじ軸部71bを上方から孔部48に通す必要があるが、他方側の雄ねじ部材71に関してはその必要がなく、案内溝部52に沿った移動によってねじ軸部71bを側方から切欠孔部47に入り込ませることが可能である。
また、手摺付き笠木装置1の手摺装置10は、図11および図12に示す構成でもよい。
この手摺装置10の固定手段43は、長手方向一端部に第1ねじ孔部81が形成されかつ長手方向他端部に第2ねじ孔部82が形成され手摺体42の案内溝部52にて案内される左右方向長手状の板ナット等の板状部材83と、第1ねじ孔部81に螺合可能な第1雄ねじ部材84と、第2ねじ孔部82に螺合可能な第2雄ねじ部材85とを有している。
雄ねじ部材84,85は、例えば6角ボルト或いは座金付きの6角ボルト等で、6角柱状のねじ頭部84a,85aと、このねじ頭部84a,85aに一体に突設され外周面にねじ溝が形成されたねじ軸部84b,85bとを有している。そして、板状部材83にて頭部が構成され、ねじ軸部84bにてその頭部から下方に突出している突出部が構成されている。
なお、板状部材83の幅寸法は開口部56の幅寸法より大きく、板状部材83は両突出部55に跨った状態でこれら両突出部55上を両対向板部53にて案内されつつスライド移動する。また、板状部材83の長手方向両端面は略円弧面状に形成されている。
また、支持板41の長手方向一端部には切欠孔部47が形成され、支持板41の長手方向他端部には略円形状の孔部87が形成されている。これら切欠孔部47と孔部87との離間距離は、板状部材83に形成された両ねじ孔部81,82の離間距離と略同じである。なお、この孔部87は、切欠孔部47と同様、側方に向って開口する切欠孔部であってもよい。
そして、固定手段43にて手摺体42が支持板41に固定される場合に、第1雄ねじ部材84が第1ねじ孔部81に螺合された状態で板状部材83が案内溝部52にて案内されながらこの案内溝部52に沿って移動し、この移動により第1雄ねじ部材84が切欠孔部47に水平方向である側方から入り込むと同時に第2ねじ孔部82が孔部87と上下に対向し、この対向した孔部87から第2雄ねじ部材85が第2ねじ孔部82に螺合締付されかつ第1ねじ孔部81に螺合された第1雄ねじ部材84がその第1ねじ孔部81に螺合締付される。
つまり、固定手段43を用いて手摺体42を支持板41に固定する場合には、まず、ねじ頭部84aを下にした状態で第1雄ねじ部材84を下方から第1ねじ孔部81に螺合により取り付ける。そして、第1雄ねじ部材84が第1ねじ孔部81に螺合された状態の板状部材83を手摺体42の案内溝部52内に嵌入する。
次いで、支柱8の上端部に固定用ねじ45にて固定された支持板41上に、手摺体42の底板部51を載置する。
続いて、板状部材83を案内溝部52に沿って支持板41側に向けてスライド移動させ、第1雄ねじ部材84のねじ軸部84bを支持板41の一方側の切欠孔部47にこの切欠孔部47の先端開口47aから入り込ませてこの切欠孔部47の基端47bに当接させる。ねじ軸部84bが切欠孔部47の基端47bに当接すると、第2ねじ孔部82が孔部87と対向した状態となる。
次いで、第2雄ねじ部材85を孔部87から第2ねじ孔部82に螺合締付するとともに、第1ねじ孔部81に螺合されている第1雄ねじ部材84をその第1ねじ孔部81に螺合締付する。その結果、板状部材83と雄ねじ部材84,85のねじ頭部84a,85aとにて案内溝部52の突出部55および支持板41が挟持固定され、これにより手摺体42の底板部51の下面が支持板41の上面に固定される。
そして、この図11及び図12に示す構成でも、前記図1等に示すものと同様、固定手段43を用いて手摺体42を支持板41に対して容易かつ適切に固定できる。
なお、この例では、板状部材83、第1雄ねじ部材84および第2雄ねじ部材85にて、結合部材70aが構成されている。もっとも、この例において、板状部材83等にねじ溝がなくてもよく、この場合は、ねじ頭部84aを支持板41に溶接や接触等で固定する。なお、溶接等の場合にはねじ頭部84aがなくて単に棒状等でもよい。釘やビス等を用いて結合部材を構成した場合は、結合部材の頭部はねじの場合と同様、頭部の外形寸法を切欠孔部47の幅寸法よりも大きく構成し、切欠孔部47に入り込ませた後に支持板41の下方から上方に向って例えば案内溝部52にハンマー等の工具で打ち付けて固定する。なお、打ち付け後に、切欠孔部47に入り込ませた結合部材の箇所を支持板41に溶接や接着等をするのであれば、頭部の外形寸法を切欠孔部47の幅寸法よりも大きく構成しなくてもよいし、さらには頭部が存在してなくてもよい。
また、手摺付き笠木装置1は、図13に示す構成でもよい。
この図13に示す手摺付き笠木装置1の笠木受体6は、図2のものとは向き等が異なり、互いに離間対向し壁部2の上面に接触した状態で水平状に位置する前後方向長手状で略矩形状の左右1対の固定板部11を有し、各固定板部11に複数、例えば2つの前後方向長手状の長孔部12が上下面に貫通して形成されている。
また、固定板部11の外端部における前後方向中央部には、外側方に向って開口する略3角形状の位置決め用切欠部13が形成されている。さらに、固定板部11の内端部には鉛直状に位置する前後方向長手状で略矩形状の立設板部14が略直角に立設され、これら互いに離間対向する両立設板部14の上端部相互が略正方形状の笠木受板部15にて連結されている。笠木受板部15は壁部2の上面から所定距離離れて水平状に位置し、この笠木受板部15に複数、例えば2つの略円形状の孔部16が上下面に貫通して形成されている。なお、この図13に示す手摺付き笠木装置1のその他の構成は、図2等に示すものと基本的に同一である。
そして、この図13に示す手摺付き笠木装置1によれば、上述した部材管理の容易化を図ることができる等の作用効果に加え、笠木受体6を壁部2の上面に固定する際に、位置決め用切欠部13を基準線3に合わせることにより笠木受体6の壁部2に対するセンター位置合わせが容易となり、笠木受体6を壁部2に対して容易に位置決めできる。
さらに、手摺付き笠木装置1は、図14および図15に示す構成でもよい。
この図14および図15に示す手摺付き笠木装置1の笠木受体6は、孔部16の代わりに、上下方向のねじ軸部91を有している。つまり、笠木受体6の笠木受板部15の中央部にはねじ挿通用孔部92が形成され、このねじ挿通用孔部92に6角ボルト等の雄ねじ部材93が下方から挿通され、この挿通された雄ねじ部材93が溶接等によって笠木受板部15に固定されている。この固定された雄ねじ部材93のねじ軸部93aのうち笠木受板部15の上面から上方に向って突出した部分がねじ軸部91となっている。
また、笠木7は、図16にも示されるように、長孔部26の代わりに、固定部25の中央部に上下面に貫通して形成された略だるま形状の孔部95を有している。この孔部95は、開口径寸法がねじ軸部91の外径寸法より大きな大径孔部分96と、開口径寸法がねじ軸部91の外径寸法と略同じ小径孔部分97とにて構成されている。
同様に、補強板23も、長孔部28の代わりに、その補強板23の中央部に上下面に貫通して形成され笠木7の孔部95と同一形状の略だるま形状をなす孔部100を有している。この孔部100は、開口径寸法がねじ軸部91の外径寸法より大きな大径孔部分101と、開口径寸法がねじ軸部91の外径寸法と略同じ小径孔部分102とにて構成されている。
そして、固定手段である雌ねじ部材105が例えば座金106とともに支柱8の上面開口部8aから支柱8内に挿入されこの挿入された雌ねじ部材105が笠木受体6のねじ軸部91にその支柱8内での回転操作に基づいてねじ込まれることにより、笠木7の本体板部21のうち支柱8内と対向する部分、つまり固定部25における支柱8の下面開口部8bに面した部分が笠木受体6の笠木受板部15の上面に補強板23を介して固定されている。
つまり、互いに対向した小径孔部分97,102に挿通されて笠木7の本体板部21の上面から支柱8内に向って突出したねじ軸部91に雌ねじ部材105が螺合締付によりねじ込まれ、この雌ねじ部材105によって笠木7が笠木受体6に補強板23を介して固定され、この補強板23が笠木7と笠木受体6とにて挟持固定されている。
なお、この手摺付き笠木装置1では、支柱付き笠木80を笠木受体6の笠木受板部15の上面上に載置してこの笠木受板部15に支持させる際に、ねじ軸部91を支柱付き笠木80の孔部95,100の大径孔部分96,101に一旦差し込む。その後、支柱付き笠木80を笠木受体6に対して若干ずらすことにより、ねじ軸部91を大径孔部分96,101から小径孔部分97,102に移動させてこの小径孔部分97,102に挿通させる。なお、この図14および図15に示す手摺付き笠木装置1のその他の構成は、図2等に示すものと基本的に同一である。
そして、この図14および図15に示す手摺付き笠木装置1であっても、従来とは異なり幅寸法が異なる複数種類の笠木7と同数の笠木受体を用意する必要がなく、幅寸法が異なる複数種類の笠木7に対して共通の笠木受体6を使用可能であり、部材管理の容易化を図ることができ、しかも、雄ねじ部材31が外部に露出せず、意匠性および安全性も良好である等、図2等に示すものと同様の作用効果を奏することができる。
また、手摺付き笠木装置1は、図17および図18に示す構成でもよい。
この図17および図18に示す手摺付き笠木装置1の笠木受体6は、孔部16の代わりに、笠木受板部15の中央部に上下面に貫通して形成された略円形状のねじ挿通用孔部111を有している。また、この笠木受体6の笠木受板部15には、複数、例えば4つの略円形状の柱固定用孔部112が上下面に貫通して形成されている。なお、固定板部11には長孔部12が形成されていない。
そして、固定用ねじ30が互いに対向した柱固定用孔部27,112から支柱8の内側のねじ受部9の下端部にねじ込まれることにより、笠木受体6の笠木受板部15が笠木7の本体板部21の固定部25の下面に固定されかつ支柱8の下端面が笠木7の本体板部21の上面に固定されている。つまり、この手摺付き笠木装置1は、補強板23を有さず、笠木7が笠木受体6にて直接支持されている。
また、この手摺付き笠木装置1の笠木7は、長孔部26の代わりに、固定部25の中央部に上下面に貫通して形成され笠木受体6のねじ挿通用孔部111と同一形状をなす略円形状のねじ挿通用孔部115を有している。
さらに、この手摺付き笠木装置1は、笠木受体6の両立設板部14間に嵌合された略矩形板状の防水部材116を有している。この防水部材116の中央部には、略円形状のねじ挿通用孔部117が形成されている。
そして、この手摺付き笠木装置1を施工現場で組立て施工する場合、まず、固定用ねじ30を用いて、笠木受体6を笠木7の本体板部21の下面に固定しかつ支柱8の下端面を笠木7の本体板部21の上面に固定することにより、支柱付き笠木(支柱笠木ユニット)120を得る。つまり、笠木7の上面に上下面開口状で筒状の支柱8が立設されかつ笠木7の下面に笠木受体6が固設された支柱付き笠木120を得る。
次いで、笠木受体6の両立設板部14間に防水部材116を嵌合し、この防水部材116のねじ挿通用孔部117を支柱付き笠木120のねじ挿通用孔部111,115に対向させる。
続いて、支柱付き笠木120の笠木受体6をバルコニの壁部2の上面上に載置した後、例えばコーチねじ等の固定手段である雄ねじ部材121を支柱8内に挿入し、この挿入した雄ねじ部材121を用いて、支柱8内において支柱付き笠木120の笠木受体6をバルコニの壁部2の上面に固定する。
つまり、笠木受体6の固定板部11を壁部2の上面上に載置した後、例えば長軸タイプの長ビットドライバ等の工具の先端部に磁力等を利用して雄ねじ部材121を吸着保持させながら、雄ねじ部材121を支柱8の上面開口部8aから支柱8内に挿入し、この雄ねじ部材121のねじ軸部121bの先端側を互いに連通したねじ挿通用孔部111,115,117に上方から差し込む。
続いて、その工具を使用して雄ねじ部材121のねじ頭部121aを支柱8内で締付方向へ回転操作することにより、雄ねじ部材121のねじ軸部121bを6角柱状のねじ頭部121aが固定部25の上面に当接するまで壁部2の上端部にねじ込む。すると、支柱付き笠木120の笠木受体6の固定板部11の下面がバルコニーの壁部2の上面に固定される。
次いで、固定用ねじ45を用いて支持板41を支柱付き笠木120の支柱8の上端部に固定した後、雄ねじ部材71および雌ねじ部材72を用いて手摺体42を支持板41に固定する。こうして、手摺付き笠木装置1の組立て施工が完了する。
そして、この図17および図18に示す手摺付き笠木装置1であっても、従来とは異なり幅寸法が異なる複数種類の笠木7と同数の笠木受体を用意する必要がなく、幅寸法が異なる複数種類の笠木7に対して共通の笠木受体6を使用可能であり、部材管理の容易化を図ることができ、しかも、雄ねじ部材121が外部に露出せず、意匠性および安全性も良好である等、図2等に示すものと同様の作用効果を奏することができる。
なお、笠木受体6および支柱8を笠木7に固定用ねじ30で固定して取り付けた構成について説明したが、例えば笠木受体6および支柱8の少なくとも一方を笠木7に一体に設けた構成等でもよい。
また、固定手段である雄ねじ部材121が挿通される孔部であるねじ挿通用孔部111,115は、例えばねじ溝を有するねじ孔部や、略だるま形状の孔部、或いはやや長手状の長孔部等でもよい。
さらに、例えばバルコニーの木質系の壁部2の上面に雄ねじ部材121のねじ軸部121bがねじ込まれる下穴等の孔部を形成するようにしてもよい。
また、笠木受体6の長孔部12、笠木7の長孔部26や補強板23の長孔部28は、必ずしも長孔状である必要はなく、略円形状の孔部等でもよい。
さらに、例えば固定手段である雄ねじ部材31を笠木受体6の孔部16にねじ込むとともにバルコニの壁部2の上端部にねじ込むようにしてもよい。
また、いずれの実施の形態においても、結合部材70,70aの頭部が案内溝部52に対してスライド可能であるためには、少なくとも頭部真下の突出部の径は頭部よりも小径の必要がある。突出部の全部または大部分の径は頭部よりも小径であることが好ましい。なお、頭部や突出部の断面形状は、円形とは限らず、任意である。
また、図3に示す実施の形態において、締付操作を容易にするため、雄ねじ部材71を案内溝部52に対してスライドさせる際に、予め雌ねじ部材72を雄ねじ部材71に、落下しない程度でかつねじ軸部71aが切欠孔部47に入り込める余裕がある程度にゆるく螺合させておき、雄ねじ部材71が案内溝部52に対するスライドにより切欠孔部47に入り込んだ際に、予め螺合させておいた雌ねじ部材72を雄ねじ部材71に螺合締付するようにしてもよい。
さらに、図11に示す実施の形態において、結合部材の頭部は、板状部材83のような長尺部材でなく、案内溝部52に対してスライド可能でかつ第1雄ねじ部材84を螺合する際に締付が可能であれば(言い換えれば、第1雄ねじ部材84と一緒に回転してしまうようなものでなければ、)、例えば雌ねじ部材72や通常のナットのような短尺部材でもよい。
また、上述した各手摺付き笠木装置1の構成を適宜組み合わせてもよい。
なお、一般的な手摺の高さは通常は1000mmや1200mm程度(ちなみに、転落防止用手摺は、建築基準法では、床面から1100mm以上と規定されている。)であるが、手摺の種類の一つとして、例えばバルコニの腰壁上端部に取り付けられる、いわゆるトップレールとして使用されるものがある。この種の手摺の高さは通常の手摺よりも低く、高くても約300mm程度であるのが通常である。
本発明は、いわゆるトップレールとして使用される、高さがあまり高くない手摺を主に意識している、すなわち、本発明においては、支柱8の高さは特に限定されるものではないが、0mmより高くて300mm以下であることが好ましく、より好ましくは50mm以上250mm以下、さらに好ましくは150mm以上200mm以下である。
この理由は、固定手段を笠木受体6等に固定するための工具や治具が、支柱8の上面開口部8aから下面開口部8bまで貫通している支柱8内の中空部を通して、支柱8の下方部にある補強板等の笠木受体6まで届きかつ固定手段で固定する操作を容易にするためである。
勿論、本発明を例えば1000mmや1200mm程度の高い手摺にも適用でき、以下のように構成してもよい。
すなわち、支柱8の高さが低い方が好ましいのは、要は、上面開口部8aから、固定手段の上方先端部である例えばねじ頭部31aまでの距離が短く、ねじ頭部31aまで(または固定手段を吸着保持等しながらの笠木受体まで)工具が届きやすい操作が容易であるためであるので、高い支柱8の場合には、上面開口部8aからねじ頭部31aまでの距離を短くできる構成にすればよい。
例えば、長さが長い固定手段、例えば700mm〜1000mm程度の長さの固定手段を用い、この固定手段の上方先端から支柱8の上面開口部8aまでの距離を300mm程度以下にすればよい。固定の際には固定手段全体を笠木受体に固定するのではなく、下方先端部のみを用いて固定する。
前述の例では、固定手段の長さが長いために固定操作の際に揺れて不安定になるおそれがあるので、これを避けるためには支柱8の上方、例えば300mm程度の部分を中空にして、残りの下方全てを中実にしたりまたは1つ或いは複数の横断状の仕切りを設けて、必要に応じて、中実部や仕切り部にねじ軸部31b等が通過できる程度の貫通孔を設け、固定手段を安定化させればよい。固定の際には、固定手段の一部である例えばねじ軸部31bを中実部や仕切り部を(貫通孔があればここを)貫通させるとともにねじ軸部31bの下方先端部のみを笠木受体6に固定する。要するに、高い支柱8においても、上面開口部8aから固定手段の上方先端部までの距離が、0mmより長く300mm以下になるような、より好ましくは50mm以上250mm以下、さらに好ましくは150mm以上200mm以下になるような固定手段を用いればよい。
すなわち、本発明は、支柱8の上面開口部8aから固定手段を挿入し、支柱8の中空部を通して工具や治具を操作することにより固定手段を笠木受体6や壁部2に固定できれば、すべての手摺付き笠木装置に適用できる。