JP2011088286A - ワーク加飾方法及びワーク加飾装置 - Google Patents

ワーク加飾方法及びワーク加飾装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ワークの加熱を防止しつつホットメルト層におけるワークとの対向部分を速やかに溶融させることが可能なワーク加飾方法及びワーク加飾装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の転写シート成形装置10は、マイクロ波発生装置52により発生したマイクロ波を成形容器12内に出力するマイクロ波送波部54を備え、マイクロ波が、成形容器12内を反射してホットメルト層fb3におけるワークWとの対向部分に付与される。すると、ホットメルト層fb3に混在したマイクロ波発熱部材Hが発熱し、その熱によってホットメルト層fb3が内部から加熱されて溶融する。このとき、マイクロ波発熱部材Hを含まないワークWは加熱されることはない。
【選択図】図5

Description

本発明は、ホットメルト層を片面に備えた加飾フィルムによってワークの加飾を行うワーク加飾方法及びワーク加飾装置に関する。
従来のこの種のワーク加飾装置として、例えば図13に示すように、上面開放の成形容器2と、下面開放の成形補助容器1と、成形容器2内で上下動可能な昇降テーブル4とを備えたものが知られている。このワーク加飾装置で加飾を行う場合には、まず、同図(A)に示すように昇降テーブル4にワークWを載置して、加飾フィルムSにより成形容器2と成形補助容器1とを仕切ると共に、加飾フィルムSにおけるホットメルト層をワークWとの間に間隔を空けて対向配置する。次いで、成形容器2内及び成形補助容器1内を共に真空状態にし、ヒータ3によって加飾フィルムSを軟化させると共に、ホットメルト層を接着可能な状態まで溶かす。次いで、同図(B)に示すように、昇降テーブル4を上昇させて加飾フィルムSにワークWを押し付けた状態で、成形補助容器1内を加圧状態にし、成形補助容器1内と成形容器2内との圧力差により加飾フィルムSをワークWの表面に押し付けて成形を行う(例えば、特許文献1参照)。
特許第3733564号公報(段落[0012]〜[0022]、第1図〜第7図)
ところで、上述した従来のワーク加飾装置では、ヒータ3が成形補助容器1内に配置されていた為、加飾フィルムSのうちヒータ3とは逆側の面に設けられたホットメルト層が溶融状態になるまでに長時間を要していた。そこで、ヒータを成形容器1内に配置してホットメルト層側から加熱することが考えられる。
しかしながら、ホットメルト層の加熱を例えば、ワークWと加飾フィルムSとの間にヒータ5を配置して行った場合には(図13(A)参照)、ホットメルト層の溶融後、成形を行う前に、ワークWと加飾フィルムSとの間からヒータ5を排除する必要がある。
一方、この問題を解消すべく、ヒータ5を成形容器2におけるワークWと加飾フィルムSとの間以外の部位に配置した場合には(図13(B)参照)、ホットメルト層のうちワークWとの対向部分がワークWの陰に隠れることで溶融されなかったり、ワークWが熱により変形又は変質する等の新たな問題が生じ得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ワークの加熱を防止しつつホットメルト層におけるワークとの対向部分を速やかに溶融させることが可能なワーク加飾方法及びワーク加飾装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るワーク加飾方法は、上面開口の成形容器内に上下動可能な昇降駆動部を設けておき、昇降駆動部の上端部にワークを配置して、加飾フィルムで成形容器の開口を閉塞すると共に、その加飾フィルムの片面に備えたホットメルト層をワークとの間に間隔を空けて対向配置した状態で加熱して溶かし、昇降駆動部によりワークを上昇させかつ成形容器内を減圧することで、加飾フィルムをワークに押し付けて成形しかつホットメルト層にてワークに固着させるワーク加飾方法において、ホットメルト層に所定のマイクロ波で発熱するマイクロ波発熱部材を混在させておき、成形容器内に配置されたマイクロ波送波部が出力した所定のマイクロ波を、成形容器で反射させてホットメルト層におけるワークとの対向部分に付与するところに特徴を有する。
請求項2の発明に係るワーク加飾方法は、請求項1に記載のワーク加飾方法において、マイクロ波送波部を、成形容器のうちワークより下側部分に配置し、成形容器の側面のうちワークとの対向部分に対して斜め下方から所定のマイクロ波を付与して斜め上方に反射させてワークとホットメルト層との間に進入させるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のワーク加飾方法において、下端開口の成形補助容器を成形容器に重ねてそれら成形補助容器と成形容器との内部空間が加飾フィルムで仕切られた状態とし、所定のマイクロ波でホットメルト層を加熱する際に、成形容器及び成形補助容器の両方の内部を真空状態とするところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のワーク加飾方法において、加飾フィルムの主組成物をエラストマーとし、加飾フィルムを加熱するための熱源を使用せずに加飾フィルムをワークに合わせた形状に成形するところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載のワーク加飾方法において、紫外線を受けて硬化する紫外線硬化層を加飾フィルムに設けておき、加飾フィルムをワークに合わせた形状に成形した後で、紫外線硬化層に紫外線を照射して硬化させるところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載のワーク加飾方法において、マイクロ波発熱部材はカーボン又は炭化珪素であるところに特徴を有する。
請求項7の発明に係るワーク加飾装置は、上面開口の成形容器と、成形容器内で上下動可能で上端部にワークが配置される昇降駆動部と、成形容器を加飾フィルムで閉塞するように加飾フィルムを保持するフィルム保持手段と、加飾フィルムの片面に備えたホットメルト層をワークとの間に間隔を空けて対向配置した状態で加熱して溶かすためのホットメルト加熱手段とを有し、ホットメルト層が溶けた状態で昇降駆動部によりワークを上昇させかつ成形容器内を減圧することで、加飾フィルムをワークに押し付けて成形しかつホットメルト層にてワークに固着させるワーク加飾装置において、ホットメルト層には、所定のマイクロ波で発熱するマイクロ波発熱部材が混在され、成形容器内に配置されて所定のマイクロ波を出力して成形容器内で反射させ、ホットメルト層におけるワークとの対向部分に付与することが可能なマイクロ波送波部をホットメルト加熱手段として備えたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項7に記載のワーク加飾装置において、マイクロ波送波部を、成形容器のうちワークより下側部分に配置し、成形容器の側面のうちワークとの対向部分に対して斜め下方から所定のマイクロ波を付与して斜め上方に反射させてワークとホットメルト層との間に進入させるようにしたところに特徴を有する。
[請求項1,2,6〜8の発明]
請求項1及び7の発明によれば、成形容器内に出力された所定のマイクロ波は、成形容器内を反射してホットメルト層におけるワークとの対向部分に付与される。すると、ホットメルト層に混在したマイクロ波発熱部材が発熱し、その熱によってホットメルト層が内部から加熱されて溶融する。このとき、マイクロ波発熱部材を含まないワークは加熱されない。
このように、本発明によれば、ワークの加熱を防止しつつ、ホットメルト層におけるワークとの対向部分を速やかに溶融させることができる。
本発明に係るマイクロ波送波部は成形容器内の任意の位置に配置することができる。例えば、成形容器のうちワークより上側部分に配置してもよいし、請求項2及び8の発明のように、成形容器のうちワークより下側部分に配置してもよい。成形容器のうちワークより下側部分に配置した場合には、所定のマイクロ波を成形容器の側面のうちワークとの対向部分に対して斜め下方から付与して斜め上方に反射させ、ワークとホットメルト層との間に進入させることで、ホットメルト層におけるワークとの対向部分を加熱溶融することができる。ここで、マイクロ波発熱部材としてはカーボン又は炭化珪素が好適である(請求項6の発明)。
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、所定のマイクロ波は真空状態でも成形容器内を反射して進行しホットメルト層に付与されるので、ホットメルト層の加熱溶融と同時に成形容器及び成形補助容器の内部を真空状態にすることが可能となる。
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、加飾フィルムをワークに合わせた形状に成形する際に、予め加飾フィルムを加熱する必要が無くなり、サイクルタイムの短縮を図ることができる。
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、硬化した紫外線硬化層とホットメルト層の接着力により加飾フィルムをワークに合わせた形状に維持することができる。
本発明の一実施形態に係る加飾フィルムの断面図 ワーク加飾装置の断面図 (A)成形容器と成形補助容器とが離間した状態のワーク加飾装置の断面図、(B)加飾フィルムをセットした状態のワーク加飾装置の断面図 減圧工程におけるワーク加飾装置の断面図 ホットメルト溶融工程におけるワーク加飾装置の断面図、 加飾フィルムにワークを押し付けた状態のワーク加飾装置の断面図 成形補助容器内を加圧状態にしたときのワーク加飾装置の断面図 紫外線照射を行っている状態のワーク加飾装置の断面図 成形容器と成形補助容器を連通状態にしたときのワーク加飾装置の断面図 剥離工程におけるワーク加飾装置の断面図 (A)成形容器と成形補助容器の結合を解除する工程のワーク加飾装置の断面図、(B)ワークを搬出する工程のワーク加飾装置の断面図 変形例に係るワーク加飾装置の断面図 従来のワーク加飾装置の(A)加熱工程における断面図、(B)成形工程における断面図
以下、本発明を適用したワーク加飾装置10及びワーク加飾方法に係る一実施形態を、図1〜図11に基づいて説明する。
図1に示すように、加飾フィルムSは、キャリアフィルムfaと転写フィルムfbとを積層してなる。キャリアフィルムfaと転写フィルムfbとの間には剥離層(図示せず)が設けられており、キャリアフィルムfaは転写フィルムfbに対して剥離可能となっている。
キャリアフィルムfaは加飾フィルムSの主組成物であり、例えば、エラストマー(具体的には、ウレタンエラストマー)で構成されている。キャリアフィルムfaは、積層構造をなす加飾フィルムSの基材であると共に、後述するワークWの加飾処理において転写フィルムfbを保護する役割を果たす。
転写フィルムfbは、キャリアフィルムfa側から順番に、クリア層fb1とベース層fb2とホットメルト層fb3とが積層された多層構造をなしている。
クリア層fb1は、ベース層fb2を保護するために設けられている。クリア層fb1は、紫外線を受けて硬化する紫外線硬化樹脂で構成されている。クリア層fb1は、硬化前の状態において、常温でキャリアフィルムfaに追従して伸延可能でありかつ、硬化状態で透明になってクリア層fb1を通して次述するベース層fb2が視認可能となる。
ベース層fb2は、ワークWの被加飾面Wmの素地を隠蔽して木目調、金属調その他所定の意匠を付与するためのものである。ベース層fb2は、常温においてキャリアフィルムfa及びクリア層fb1に追従して伸延可能な樹脂で構成されている。
ベース層fb2のうち、クリア層fb1とは逆側の面にはホットメルト層fb3が設けられている。ホットメルト層fb3には、所定の周波数のマイクロ波を受けて発熱するマイクロ波発熱部材H(例えば、カーボンや炭化珪素の粉末)が所定の含有率で混在している。
図2に示すように、ワーク加飾装置10は上下1対の容器11,12を備えている。各容器11,12は、例えば一端開放の箱形構造をなしており、互いの対向面、即ち、下側に配置された成形容器12の上面と、上側に配置された成形補助容器11の下面とがそれぞれ開放している。
成形容器12は移動不能に固定されているのに対し、成形補助容器11は直動装置13によって上下に直動可能となっており、成形補助容器11の下面が成形容器12の上面に対して接離可能になっている。
成形容器12の内部には、ワークWを載置するための昇降テーブル14が備えられている。昇降テーブル14は成形容器12の下面を貫通した直動装置15によって支持されかつ成形容器12内で上下方向に直動可能となっている。なお、各直動装置13,15はエアシリンダや油圧シリンダ等で構成すればよい。昇降テーブル14と直動装置15は本発明の「昇降駆動部」に相当する。
加飾フィルムSのクリア層fb1を硬化させるために、成形補助容器11内には紫外線照射装置17が備えられている。また、成形容器12には、導波管53を介してマイクロ波発生装置52(本実施形態では、マグネトロン)が接続され、成形容器12内にマイクロ波が出力されるようになっている。ここで、成形容器12及び昇降テーブル14等の成形容器12内の部材は、マイクロ波を反射する材質(例えば、金属製)となっている。また、導波管53のうちマイクロ波発生装置52とは反対側の端部に設けられたマイクロ波送波部54は、成形容器12の側面のうち、下端位置に位置する昇降テーブル14の上面より下側部分に配置されている。
図1に示すように成形補助容器11と成形容器12には、真空ポンプ20とコンプレッサー21とが接続されている。また、成形補助容器11及び成形容器12と、真空ポンプ20及びコンプレッサー21との間の接続状態は、流路切替部22にて切り替え可能となっている。なお、図示しないが、流路切替部22は、空気が流れる流路と流路の途中に備えられた複数の電磁弁とで構成されている。また、上述した直動装置13,15、紫外線照射装置17、真空ポンプ20、コンプレッサー21、流路切替部22及びマイクロ波発生装置52は、制御部23によって制御されている。
次に本実施形態のワーク加飾装置10が1つのワークWを加飾処理するときの1サイクルの動作について、図3〜図11を参照しつつ説明する。
ワーク加飾装置10の図示しない起動スイッチをオンすると、図3(A)に示すように直動装置13が縮んで成形補助容器11が上昇し、成形補助容器11と成形容器12とが離間状態となって停止する。また、直動装置15が伸びて昇降テーブル14が直動範囲の上端位置で停止する。この状態で成形補助容器11と成形容器12との間から、手作業又は図示しない搬送ロボットによりワークWを挿入して、昇降テーブル14の上に載置する。このとき、被加飾面Wmが上を向くように載置する。
次いで、ワーク加飾装置10の図示しないスタートボタンを押すと、図3(B)に示すように、直動装置15が縮んで昇降テーブル14が直動範囲の下端位置まで下降する。また、ホットメルト層fb3が成形容器12内のワークWと間隔を空けて対向配置されるように加飾フィルムSが成形容器12の上面にセットされる。なお、加飾フィルムSのセットは自動で行ってもよいし手作業でもよい。また、加飾フィルムSは各容器11,12の開口部の形状に合わせて予めカットしておき、その加飾フィルムSの外縁部を枠形のクランプにて保持した状態で成形容器12の上面にセットしてもよいし、ロール状に巻かれた帯状の加飾フィルムSを送給装置(図示せず)によって所定長分だけ送り出して、送給装置から送り出された部分を成形容器12の上面にセットするようにしてもよい。
加飾フィルムSのセットが完了すると、直動装置13が伸びて成形補助容器11が下降し、図4に示すように、成形容器12と成形補助容器11の各開口縁同士が加飾フィルムSを挟んだ状態で結合する。これにより、成形補助容器11と加飾フィルムSとの間に上部閉塞空間31が形成されると共に、成形容器12と加飾フィルムSとの間に下部閉塞空間32が形成され、ワークWは下部閉塞空間32(成形容器12内)に収容される。この時点で、上部及び下部の各閉塞空間31,32の内圧は共に大気圧である。なお、成形補助容器11は、本発明の「フィルム保持手段」に相当する。
成形容器12と成形補助容器11とが結合すると、減圧工程に移行する。減圧工程では、流路切替部22が真空ポンプ20と成形容器12及び成形補助容器11との間を接続し、その後、真空ポンプ20が起動する。すると、上部閉塞空間31及び下部閉塞空間32内の空気が排気されて真空状態(負圧状態)になる。
減圧工程が完了するとホットメルト溶融工程に移行する。ホットメルト溶融工程では、マイクロ波発生装置52がオンする。すると、図5に示すように、マイクロ波発生装置52により発生したマイクロ波が、導波管53内を通って成形容器12内に出力される。成形容器12内に出力されたマイクロ波は、成形容器12の内面、昇降テーブル14及びワークWの表面で反射を繰り返して加飾フィルムSのホットメルト層fb3全体に付与される。
ここで、ホットメルト層fb3におけるワークWとの対向部分には、以下のようにしてマイクロ波が付与される。即ち、成形容器12のうちワークWより下側部分に配置されたマイクロ波送波部54は、成形容器12の側面のうちワークWとの対向部分に対して斜め下方からマイクロ波を付与して斜め上方に反射させることで、ワークWとホットメルト層fb3との間にマイクロ波を進入させる。
ホットメルト層fb3に付与されたマイクロ波は、ホットメルト層fb3に混在するマイクロ波発熱部材Hに吸収される。すると、マイクロ波発熱部材Hが発熱し、その熱によりホットメルト層fb3が内部から加熱されて接着可能な状態に溶融する。このとき、ホットメルト層fb3の熱でベース層fb2が加熱され軟化するようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、減圧工程に次いでホットメルト溶融工程を行っていたが、減圧工程とホットメルト溶融工程とを同時に行い、サイクルタイムの短縮を図ってもよい。
ホットメルト溶融工程が完了すると成形工程に移行する。成形工程では、まず、図6に示すように、直動装置15が伸びて昇降テーブル14が上昇し、ワークWの被加飾面Wmが加飾フィルムSのホットメルト層fb3に押し付けられる。このとき、常温において伸延性を有するキャリアフィルムfa、クリア層fb1及びベース層fb2が被加飾面Wmの形状に倣って伸びる。この時点でも、依然として上部及び下部の各閉塞空間31,32は真空状態(負圧状態)である。
ここで、加飾フィルムSの主組成物であるキャリアフィルムfaはエラストマーで構成されており、クリア層fb1及びベース層fb2も常温においてキャリアフィルムfaに追従して伸延可能な樹脂で構成されているので、成形工程の前に予め加飾フィルムSを加熱して軟化させる必要はない。そこで、本実施形態のワーク加飾装置10では加飾フィルムSを軟化させるためのヒータの替わりに紫外線照射装置17を成形補助容器11内に備えている。加飾フィルムSを予め加熱して軟化させる必要がないので、サイクルタイムの更なる短縮を図ることができる。
次いで、図7に示すように、下部閉塞空間32の真空状態を維持したまま、流路切替部22が成形補助容器11とコンプレッサー21との間を接続し、その後、コンプレッサー21が起動する。すると、上部閉塞空間31にのみ圧縮空気が供給されて、上部閉塞空間31が大気圧を超える加圧状態になる。そして、上部閉塞空間31と下部閉塞空間32との圧力差により、加飾フィルムSがワークWの被加飾面Wmに密着するように押し付けられて、被加飾面Wmと同一形状に成形される。
次いで、図8に示すように、成形容器12内と成形補助容器11内の圧力差により加飾フィルムSがワークWに押し付けられて成形された状態で紫外線照射装置17がオンし、加飾フィルムSに紫外線が照射される。紫外線は、キャリアフィルムfaを透過してクリア層fb1に照射され、クリア層fb1が被加飾面Wmに倣った形状で硬化する。また、この間にホットメルト層fb3が冷めて転写フィルムfbが被加飾面Wmに固着する。これにより、転写フィルムfbがワークWの被加飾面Wmに倣った形状に維持される。なお、加飾フィルムSのうちワークWの被加飾面Wmと密着しなかった外縁寄り部分の一部は、昇降テーブル14に密着しているが、加飾フィルムSと昇降テーブル14とはホットメルト層fb3によって固着することはない。
成形工程が完了すると剥離工程に移行する。剥離工程では、まず、流路切替部22が、図9に示すように上部と下部の両閉塞空間31,32を連通状態にする。すると、上部閉塞空間31内の空気が下部閉塞空間32に流れ込んで、両閉塞空間31,32の内圧が等圧になる。なお、上部と下部の両閉塞空間31,32を連通状態にする替わりに、両閉塞空間31,32を大気開放してもよい。
次いで、図10に示すように、流路切替部22が成形補助容器11と真空ポンプ20との間を接続すると共に、成形容器12とコンプレッサー21との間を接続する。その後、真空ポンプ20とコンプレッサー21とが起動して、上部閉塞空間31が真空状態(負圧状態)にされる一方で、下部閉塞空間32が大気圧を超える加圧状態にされる。
すると、上部閉塞空間31と下部閉塞空間32との間に生じた圧力差により、加飾フィルムSの中央部分においてワークWの被加飾面Wmに密着した転写フィルムfbからキャリアフィルムfaが剥離して、転写フィルムfbが転写(オーバーレイ)されたワークWが加飾フィルムS全体から分離される。ここで、キャリアフィルムfaはエラストマーで構成されており柔軟性を有しているので、キャリアフィルムfaをスムーズに剥離することができる。
なお、加飾フィルムSのうちワークWの被加飾面Wmに密着しなかった外縁寄り部分の転写フィルムfbは、キャリアフィルムfaを剥離する際にキャリアフィルムfaと共にワークWから取り除かれる。従って、転写フィルムfbをワークWに転写した後で、転写フィルムfbの余剰部分をワークWから切除する所謂「トリミング作業」は不要である。
剥離工程が完了すると、流路切替部22によって上部と下部の両閉塞空間31,32が大気圧状態に戻され、その後、図11(A)に示すように成形補助容器11が上昇して停止する。次いで、転写フィルムfbから剥離されたキャリアフィルムfaが成形補助容器11と成形容器12との間から排除される。最後に、図11(B)に示すように、転写フィルムfbが転写されたワークWを、手作業又は図示しない搬送ロボットにより成形容器12から取り出す。以上が、ワーク加飾装置10の1サイクルの動作であり、以下、この1サイクルの動作を繰り返し行うことで、複数のワークWに対して加飾処理を行う。
このように、本実施形態によれば、マイクロ波送波部54から成形容器12内に出力されたマイクロ波は、成形容器12内を反射してホットメルト層fb3におけるワークWとの対向部分に付与される。すると、ホットメルト層fb3に混在したマイクロ波発熱部材Hが発熱し、その熱によってホットメルト層fb3が内部から加熱されて溶融する。このとき、マイクロ波発熱部材Hを含まないワークWは加熱されることはない。
このように、本発明によれば、ワークWの加熱を防止しつつ、ホットメルト層fb3におけるワークWとの対向部分を速やかに溶融させることができる。
また、加飾フィルムSの主組成物であるキャリアフィルムfaはエラストマーで構成されているので、成形工程の前に予め加飾フィルムSを加熱して軟化させる必要が無くなり、サイクルタイムの短縮を図ることが可能となる。
また、成形補助容器11内(上部閉塞空間31)と成形容器12内(下部閉塞空間32)との間の圧力差により、加飾フィルムSのうちワークWに固着した転写フィルムfbからキャリアフィルムfaを剥離することができる。即ち、キャリアフィルムfaを手作業によらずに剥離することができるので、剥離作業中に転写フィルムfbを誤って傷つけたり、剥がし残しが生じる等の人為的な品質のバラツキを抑えることができる。また、キャリアフィルムfaの剥離に要する時間のばらつきを抑えることができる。
さらに、キャリアフィルムfaの剥離を、加飾フィルムSの成形を行うワーク加飾装置10において成形工程の後で連続して行うことができるので、キャリアフィルムfaの剥離に係る手間を軽減することができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、キャリアフィルムfaを有した加飾フィルムSにてワークWの加飾を行う場合について例示したが、キャリアフィルムfaを有しない加飾フィルムにて上記実施形態と同様にワークWの加飾を行ってもよい。この場合には、成形工程の後で、キャリアフィルムfaの剥離を行う替わりに、加飾フィルムのうちワークWの側方に余った部分を切除するトリミング工程を行えばよい。
(2)上記実施形態では、マイクロ波送波部54を成形容器12の側面に設けていたが、成形容器12の下面に設けてもよい。また、成形容器12の側面のうち、ワークWより上方位置にマイクロ波送波部54を設けてもよい。
(3)本実施形態に係るキャリアフィルムfa、クリア層fb1、ベース層fb2は熱可塑性樹脂で構成してもよい。この場合には、成形補助容器11内にヒータを設けておき、成形工程を行う前に加飾フィルムSを加熱して軟化させて、成形工程において加飾フィルムSがワークWの被加飾面Wmに追従し易くなるようにすればよい。なお、ホットメルト層fb3はマイクロ波によって速やかに加熱されるので、ヒータの熱でホットメルト層fb3を溶融させる必要はなく、ヒータによる加熱時間を短縮することができる。
(4)上記実施形態では、クリア層fb1を紫外線硬化型としていたが、クリア層fb1を電子線により硬化する電子線硬化樹脂で構成して、成形補助容器11内に電子線照射装置を配置してもよい。
(5)上記実施形態では、キャリアフィルムfaの剥離までをワーク加飾装置10にて行うようにしていたが、ワーク加飾装置10では、加飾フィルムSの成形までを行い、キャリアフィルムfaの剥離はワーク加飾装置10から取り出した後で、別途行うようにしてもよい。この場合、キャリアフィルムfaの剥離は、専用の剥離装置で行ってもよいし、手作業で行ってもよい。
(6)上記実施形態では、成形補助容器11の開口縁と成形容器12の開口縁との間で加飾フィルムSを挟んで保持していたが、図12に示すように、直動装置13とは別の図示しない直動装置によって上下動可能な枠形の押圧部材40を成形補助容器11内に設けておき、その押圧部材40と成形容器12の開口縁との間で加飾フィルムSを挟んで保持すると共に、成形容器12と成形補助容器11の開口縁同士が当接して結合する構成にしてもよい。なお、押圧部材40は本発明の「フィルム保持手段」に相当する。
(7)本実施形態に係るマイクロ波発熱部材Hとして、カーボンや炭化珪素以外の誘電損失が比較的大きい材料をホットメルト層fb3に混在させてもよい。
(8)上記実施形態では、成形容器12と成形補助容器11とを備え、成形容器12内を負圧状態にする一方で成形補助容器11内を加圧状態にして加飾フィルムSの成形を行っていたが、成形補助容器11は設けずに、成形容器12の上面開口にワークWを配置すると共に、加飾フィルムSをワークWに対向させて成形容器12の上面開口縁に密着状態で保持しておき、成形容器12内を減圧することで、加飾フィルムSをワークWの表面に押し付けて成形してもよい。
(9)上記実施形態ではマイクロ波発生装置52と成形容器12との間におけるマイクロ波の伝送路として導波管53を用いていたがケーブルを用いてもよい。
10 ワーク加飾装置
11 成形補助容器(フィルム保持手段)
12 成形容器
13 直動装置(昇降駆動部)
14 昇降テーブル(昇降駆動部)
17 紫外線照射装置
20 真空ポンプ
21 コンプレッサー
31 上部閉塞空間
32 下部閉塞空間
52 マイクロ波発生装置
54 マイクロ波送波部(ホットメルト加熱手段)
H マイクロ波発熱部材
S 加飾フィルム
W ワーク
fa キャリアフィルム
fb 転写フィルム
fb1 クリア層(紫外線硬化層)
fb2 ベース層
fb3 ホットメルト層

Claims (8)

  1. 上面開口の成形容器内に上下動可能な昇降駆動部を設けておき、
    前記昇降駆動部の上端部にワークを配置して、加飾フィルムで前記成形容器の開口を閉塞すると共に、その加飾フィルムの片面に備えたホットメルト層を前記ワークとの間に間隔を空けて対向配置した状態で加熱して溶かし、
    前記昇降駆動部により前記ワークを上昇させかつ前記成形容器内を減圧することで、前記加飾フィルムを前記ワークに押し付けて成形しかつ前記ホットメルト層にて前記ワークに固着させるワーク加飾方法において、
    前記ホットメルト層に所定のマイクロ波で発熱するマイクロ波発熱部材を混在させておき、前記成形容器内に配置されたマイクロ波送波部が出力した前記所定のマイクロ波を、前記成形容器で反射させて前記ホットメルト層における前記ワークとの対向部分に付与することを特徴とするワーク加飾方法。
  2. 前記マイクロ波送波部を、前記成形容器のうち前記ワークより下側部分に配置し、
    前記成形容器の側面のうち前記ワークとの対向部分に対して斜め下方から前記所定のマイクロ波を付与して斜め上方に反射させて前記ワークと前記ホットメルト層との間に進入させることを特徴とする請求項1に記載のワーク加飾方法。
  3. 下端開口の成形補助容器を前記成形容器に重ねてそれら成形補助容器と成形容器との内部空間が前記加飾フィルムで仕切られた状態とし、前記所定のマイクロ波で前記ホットメルト層を加熱する際に、前記成形容器及び前記成形補助容器の両方の内部を真空状態とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク加飾方法。
  4. 前記加飾フィルムの主組成物をエラストマーとし、前記加飾フィルムを加熱するための熱源を使用せずに前記加飾フィルムを前記ワークに合わせた形状に成形することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のワーク加飾方法。
  5. 紫外線を受けて硬化する紫外線硬化層を前記加飾フィルムに設けておき、前記加飾フィルムを前記ワークに合わせた形状に成形した後で、前記紫外線硬化層に紫外線を照射して硬化させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のワーク加飾方法。
  6. 前記マイクロ波発熱部材はカーボン又は炭化珪素であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のワーク加飾方法。
  7. 上面開口の成形容器と、前記成形容器内で上下動可能で上端部にワークが配置される昇降駆動部と、前記成形容器を加飾フィルムで閉塞するように前記加飾フィルムを保持するフィルム保持手段と、前記加飾フィルムの片面に備えたホットメルト層を前記ワークとの間に間隔を空けて対向配置した状態で加熱して溶かすためのホットメルト加熱手段とを有し、前記ホットメルト層が溶けた状態で前記昇降駆動部により前記ワークを上昇させかつ前記成形容器内を減圧することで、前記加飾フィルムを前記ワークに押し付けて成形しかつ前記ホットメルト層にて前記ワークに固着させるワーク加飾装置において、
    前記ホットメルト層には、所定のマイクロ波で発熱するマイクロ波発熱部材が混在され、
    前記成形容器内に配置されて前記所定のマイクロ波を出力して前記成形容器内で反射させ、前記ホットメルト層における前記ワークとの対向部分に付与することが可能なマイクロ波送波部を前記ホットメルト加熱手段として備えたことを特徴とするワーク加飾装置。
  8. 前記マイクロ波送波部を、前記成形容器のうち前記ワークより下側部分に配置し、
    前記成形容器の側面のうち前記ワークとの対向部分に対して斜め下方から前記所定のマイクロ波を付与して斜め上方に反射させて前記ワークと前記ホットメルト層との間に進入させるようにしたことを特徴とする請求項7に記載のワーク加飾装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013543807A (ja) * 2010-11-19 2013-12-09 バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 多層加飾フィルム
ITRN20120040A1 (it) * 2012-07-31 2014-02-01 Silvano Scarpellini Apparecchiatura per l¿applicazione di decori su supporti flessibili e relativo procedimento
JP2016083860A (ja) * 2014-10-27 2016-05-19 バンドー化学株式会社 加飾成形品の製造方法、及び、加飾成形品

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