JP2011087736A - 管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】クレジット移行に必要な処理が停止した場合のクレジットの管理を円滑化する。
【解決手段】サーバ装置10は、ゲーム装置30での使用または付与で増減する使用クレジット数CBと記憶装置20の保有クレジット数CAとの間のクレジットの移行要求に応じた保有クレジット数CAの更新の完了/未了を示す履歴情報LGを処理識別子SIDに対応させて管理する。ゲーム装置30は、使用クレジット数CBを記憶する貯留部342と、移行要求に対応した処理識別子SIDを記憶する記憶領域344と、移行要求に対する処理が完了しない場合に記憶領域344の処理識別子SIDを報知する報知部38と、使用クレジット数CBの更新の実行/禁止の指示を受付ける指示受付部364と、更新が指示された場合に移行要求に応じて使用クレジット数CBを更新し、更新の禁止が指示された場合に使用クレジット数CBを更新しない制御装置32とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゲーム装置にて使用されるクレジットを管理する技術に関する。
ゲーム装置の外部にて管理されて利用者が保有するクレジットの総数(保有クレジット数)と利用者の識別情報とを対応付けて記憶するデータベースをゲーム装置におけるクレジットの管理に利用する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、利用者のICカードからゲーム装置に識別情報を転送し、この識別情報に対応してデータベースに記憶された保有クレジット数を、ゲーム装置に記憶されてゲームに使用されるクレジット数との間で、利用者からの指示に応じて移行(以下「クレジット移行」という)させる技術が開示されている。
特開2008−29513号公報
ところで、例えばクレジット移行の要求の過度な集中などに起因した不具合を原因として、クレジット移行に必要な一連の処理が途中で停止する可能性がある。特許文献1の技術では、保有クレジット数の更新が完了した時点で処理が停止したのか更新が未了の時点で処理が停止したのかを特定できないから、利用者が引出や預入を希望していたクレジットを如何に取扱うべきかを明確に決定できないという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、クレジット移行に必要な処理が停止した場合のクレジットの管理を円滑化することを目的とする。
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
本発明に係る管理システム(100)は、ゲーム装置(30)でのクレジットの使用または付与により増減する第1クレジット数(CB)と、サーバ装置(10)が管理する記憶装置(20)に記憶された第2クレジット数(CA)との一方から他方に対するクレジットの移行要求に応じた第2クレジット数(CA)の更新の完了/未了を示す履歴情報(LG)を当該移行要求の処理識別子(SID)に対応させて管理するサーバ装置(10)と通信する管理装置(40)と、管理装置(40)と通信するゲーム装置(30)とを含み、管理装置(40)は、処理識別子(SID)を含む移行要求をサーバ装置(10)に送信する管理制御部(42)を具備し、ゲーム装置(30)は、第1クレジット数(CB)を記憶する貯留部(342)と、移行要求に対応する処理識別子(SID)を記憶する記憶部(344)と、移行要求に対する処理が完了しない場合に、記憶部(344)が記憶する処理識別子(SID)を報知する報知部(38)と、第1クレジット数(CB)の更新の実行/禁止の指示を受付ける指示受付部(364)と、第1クレジット数(CB)の更新の実行が指示された場合に移行要求に応じた第1クレジット数(CB)の更新を実行し、第1クレジット数(CB)の更新の禁止が指示された場合に第1クレジット数(CB)の更新を実行しない制御部(32)とを具備する。
以上の構成においては、第2クレジット数(CA)の更新の完了/未了を示す履歴情報(LG)がサーバ装置(10)にて管理され、指示受付部(364)が受付けた指示に応じて第1クレジット数(CB)の更新が実行または禁止される。すなわち、移行要求に対する処理が完了しない場合に、第2クレジット数(CA)の更新の完了/未了を履歴情報(LG)に対して確認した結果に応じて第1クレジット数(CB)の更新の可否を指示受付部(364)に指示することが可能である。したがって、クレジット移行に必要な処理が異常停止した場合のクレジットの管理が円滑化されるという利点がある。
なお、「クレジット」とは、ゲームで使用(消費または付与)される価値の数量(仮想的な貨幣)を意味し、典型的には、メダル(コイン)やトークン(代用硬貨)や硬貨などの遊技媒体に対する交換価値を有する数値(遊技価値)に相当する。例えば、遊技媒体の投入やゲーム中のイベントでの獲得によりクレジットは増加し、ゲームの開始時の消費や遊技媒体の払出やゲーム中のイベントでの使用によりクレジットは減少する。
「第1クレジット数(CB)と第2クレジット数(CA)との一方から他方に対するクレジットの移行」には、第1クレジット数(CB)から第2クレジット数(CA)に対する片方向のクレジットの移行(預入)と、第2クレジット数(CA)から第1クレジット数(CB)に対する片方向のクレジットの移行(引出)と、第1クレジット数(CB)と第2クレジット数(CA)との間の双方向のクレジットの移行との3種類の態様が含まれる。したがって、片方向のクレジットの移行のみが実行される構成も本発明の範囲に包含される。また、移行されるクレジットは、第1クレジット数(CB)や第2クレジット数(CA)の全部でも一部でもよい。
報知部(38)の典型例は、処理識別子(SID)を表示する表示機器である。ただし、処理識別子(SID)を印刷する印刷機器や処理識別子(SID)を音声で出力する放音機器など、処理識別子(SID)を外部に報知し得る総ての要素が報知部(38)に包含される。また、指示受付部(364)は、外部からの操作を受付ける操作子(操作ボタン)やタッチパネル機能付の表示機器など、外部からの指示を受付ける総ての要素を包含する概念である。
本発明の好適な態様において、指示受付部(364)は、処理識別子(SID)に対応する第2クレジット数(CA)の更新の完了/未了を指定する成否コード(E)であってサーバ装置(10)から出力される成否コード(E)の入力を受付け、制御部(32)は、第2クレジット数(CA)の更新の完了を成否コード(E)が指定する場合に移行要求に応じた第1クレジット数(CB)の更新を実行し、第2クレジット数(CA)の更新の未了を成否コード(E)が指定する場合に第1クレジット数(CB)の更新を実行しない。以上の態様においては、サーバ装置(10)から出力される成否コード(E)を指示受付部(364)に入力することで第1クレジット数(CB)の更新の実行/禁止が制御部(32)に指示されるから、指示受付部(364)に対する指示者の負担を軽減することが可能である。
なお、成否コード(E)は、第2クレジット数(CA)の更新の完了/未了を特定し得る任意の情報を包括する概念である。例えば、サーバ装置(10)にて管理される履歴情報(LG)が成否コード(E)として利用され得る。また、処理識別子(SID)に応じて成否コード(E)を可変に設定した構成も好適である。制御部(32)は、指示受付部(364)が受付けた成否コード(E)から特定される処理識別子(SID)と記憶部(344)が記憶する処理識別子(SID)とが一致するか否かを判定し、判定の結果が肯定である場合に、成否コード(E)に応じた第1クレジット数(CB)の更新を実行する。以上の態様においては、成否コード(E)から特定される処理識別子(SID)と記憶部(344)の処理識別子(SID)との異同が判定されるから、指示受付部(364)に入力された成否コード(E)が正しい場合に第1クレジット数(CB)の更新を実行することが可能である。
本発明の好適な態様において、指示受付部(364)は、第1クレジット数(CB)の更新の実行の指示を受付ける第1操作子(71)と、第1クレジット数(CB)の更新の禁止の指示を受付ける第2操作子(72)とを含む。以上の態様においては、第1操作子(71)または第2操作子(72)の操作で第1クレジット数(CB)の更新の実行/禁止が指示されるから、指示受付部(364)に対する指示者の負担を格段に軽減できるという利点がある。なお、操作者が機械的に押下する操作子や、タッチパネル機能付の表示機器に表示された操作子(画像)が第1操作子(71)や第2操作子(72)として採用される。
本発明の好適な態様に係る管理システム(100)は、第1ゲーム装置(30)と第2ゲーム装置(30)とを含む複数のゲーム装置(30)を具備し、管理装置(40)の管理制御部(42)は、移行要求に応じた第2クレジット数(CA)の更新の完了通知をサーバ装置(10)から受信して当該移行要求の送信元のゲーム装置(30)に送信し、第1ゲーム装置(30)および第2ゲーム装置(30)の双方から移行要求を受信した場合に、第1ゲーム装置(30)からの移行要求に対する完了通知を第1ゲーム装置(30)に送信するまで第2ゲーム装置(30)からの移行要求の処理を待機する。以上の態様においては、移行要求から完了通知までの処理の完了後に次の移行要求の処理が開始される。したがって、ひとつの移行要求について第2クレジット数(CA)の更新が未了である場合に、以後の移行要求に対する第2クレジット数(CA)の更新も未了であると特定できるという利点がある。
なお、処理識別子(SID)の生成の主体は任意である。例えば、サーバ装置(10)が生成した処理識別子(SID)を管理装置(40)の管理制御部(42)が当該サーバ装置(10)から取得してゲーム装置(30)に送信する構成や、管理装置(40)の管理制御部(42)が処理識別子(SID)を生成してゲーム装置(30)およびサーバ装置(10)に送信する構成が好適である。以上の各態様によれば、処理識別子(SID)がサーバ装置(10)や管理装置(40)にて集約的に生成されるから、相互に重複しない処理識別子(SID)を容易に生成できるという利点がある。もっとも、ゲーム装置(30)が処理識別子(SID)を生成して管理装置(40)やサーバ装置(10)に通知する構成も採用され得る。
本発明は、以上の各態様に係るゲーム装置(30)としても実現され得る。本発明のゲーム装置(30)は、ゲーム装置(30)でのクレジットの使用または付与により増減する第1クレジット数(CB)とサーバ装置(10)が管理する記憶装置(20)に記憶された第2クレジット数(CA)との一方から他方に対するクレジットの移行要求に応じた第2クレジット数(CA)の更新の完了/未了を示す履歴情報(LG)を当該移行要求の処理識別子(SID)に対応させて管理するサーバ装置(10)に接続された管理装置(40)と通信するゲーム装置(30)であって、第1クレジット数(CB)を記憶する貯留部(342)と、移行要求に対応する処理識別子(SID)を記憶する記憶部(344)と、移行要求に対する処理が完了しない場合に、記憶部(344)が記憶する処理識別子(SID)を報知する報知部(38)と、第1クレジット数(CB)の更新の実行/禁止の指示を受付ける指示受付部(364)と、第1クレジット数(CB)の更新の実行が指示された場合に移行要求に応じた第1クレジット数(CB)の更新を実行し、第1クレジット数(CB)の更新の禁止が指示された場合に第1クレジット数(CB)の更新を実行しない制御部(32)とを具備する。以上の構成によれば、本発明に係る管理システムと同様の効果が実現される。
なお、本発明は、以上の各態様に係る管理装置(40)やゲーム装置(30)やサーバ装置(10)としてコンピュータを機能させるプログラムとしても特定される。本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態でサーバ装置から提供されてコンピュータにインストールされる。
本発明の第1実施形態に係る管理システムのブロック図である。 クレジット管理領域に格納されるレコードの模式図である。 履歴管理領域に格納されるレコードの模式図である。 管理装置での認証のための動作のフローチャートである。 クレジット移行時の動作のフローチャートである。 クレジット移行時の動作のフローチャートである。 異常停止の発生時の動作のフローチャートである。 第2実施形態におけるクレジット移行時の動作のフローチャートである。 第3実施形態におけるクレジット移行時の動作のフローチャートである。 変形例における指示受付部の模式図である。
<A:第1実施形態>
<A−1:第1実施形態の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る管理システム100のブロック図である。管理システム100は、例えばゲームセンターなどの遊技施設に構築されたコンピュータネットワークシステムであり、サーバ装置10と記憶装置20と複数のゲーム装置30と管理装置40とを含んで構成される。なお、図1では1個のゲーム装置30について詳細な構成を代表的に図示したが、他のゲーム装置30も同様の構成である。なお、複数のゲーム装置30は、共通のゲームを提供する同種の装置、および、相異なるゲームを提供する異種の装置の何れでもよい。
管理装置40は、サーバ装置10と各ゲーム装置30との通信を中継する。具体的には、管理装置40は、通信網51を介してサーバ装置10と通信し、通信網52を介して各ゲーム装置30と通信する。通信網51および通信網52は、例えば遊技施設内に構築されたLAN(local area network)である。ただし、管理システム100の一部は遊技施設の外部に設置され得る。また、通信網51を介さずに管理装置40とサーバ装置10とを直接に接続した構成も採用される。
サーバ装置10および記憶装置20は、ゲームに使用されるクレジットを管理(預入および引出)する。管理システム100によるクレジットの管理を利用しようとする利用者は、事前に登録(以下「利用登録」という)を受ける必要がある。利用登録を受けた利用者には管理カードが発行される。管理カードは、利用登録を受けた利用者を識別するための識別情報UID(user ID)を記憶するICカードである。
サーバ装置10は、記憶装置20に格納された情報を管理(更新,書込,読出)するコンピュータシステムであり、制御装置12と入力受付部14と報知部16とを含んで構成される。制御装置12は、プログラムの実行で各種の機能を実現する演算処理装置(CPU)である。入力受付部14は、外部からの入力を受付ける機器である。例えばキーボードやマウスが入力受付部14として好適に採用される。報知部16は、制御装置12から指示された情報を外部に報知する。例えば、情報を画像として出力する表示機器や印刷機器、あるいは情報を音声で出力する放音機器が報知部16として採用され得る。
記憶装置20は、クレジットの管理に必要な情報を記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体などの公知の記録媒体(または複数種の記録媒体の組合せ)が記憶装置20として任意に採用される。なお、図1では別個の要素として図示されたサーバ装置10と記憶装置20とは単体の装置としても構成され得る。
図1に示すように、記憶装置20には、クレジット管理領域22と履歴管理領域24とが設定される。クレジット管理領域22には、利用登録毎にレコードR1が記憶される。図2に示すように、各レコードR1は、利用登録を受けた利用者の識別情報UIDおよび生体情報BIDと、その利用者の保有クレジット数CAとを含んで構成される。生体情報BIDは、利用者の生体的な特徴を示す情報である。具体的には、手(掌や指)の静脈パターンを示す生体情報BIDが記憶装置20に記憶される。保有クレジット数CAは、利用者が保有するクレジットの総量であり、利用者によるクレジット移行の要求に応じて随時に更新される。クレジット移行には、保有クレジット数CAからのクレジットの引出と、保有クレジット数CAに対するクレジットの預入との2形態がある。
図1の履歴管理領域24には、クレジット移行(預入/引出)の要求毎にレコードR2が記憶される。すなわち、クレジット管理領域22に記憶された複数の保有クレジット数CAのうちクレジット移行が要求された保有クレジット数CAについてレコードR2が生成される。図3に示すように、各レコードR2は、クレジット移行の要求に対する一連の処理に固有に割当てられた処理識別子SID(session ID)と、その要求に応じた保有クレジット数CAの更新の状況(完了/未了)を示す履歴情報LGとを含んで構成される。クレジット移行の要求から必要な処理の完了までの間に、例えば管理装置40に対する要求の過度の集中など何らかの原因で、クレジット移行に必要な処理が停止(以下では「異常停止」と言う)した場合、保有クレジット数CAの更新の完了/未了が履歴情報LGから判別される。
図1のゲーム装置30は、各種のゲームを利用者に提供する端末装置であり、制御装置32と記憶装置34と入力受付部36と報知部38とを含んで構成される。制御装置32は、記憶装置34に記憶されたプログラムの実行で各種の機能を実現する演算処理装置(CPU)である。例えば制御装置32は、利用者にゲームを提供するとともに利用者からの指示に応じてゲームを進行させる。
記憶装置34は、制御装置32が実行するプログラムや制御装置32が使用する各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体などの公知の記録媒体(または複数種の記録媒体の組合せ)が記憶装置34として任意に採用される。図1に示すように、記憶装置34には、使用クレジット数CBを記憶する記憶領域(以下「貯留部」という)342が設定される。使用クレジット数CBは、ゲーム装置30にて使用可能なクレジットの数量を意味し、ゲーム装置30でのゲームの開始や進行とともに増減する。例えば、ゲームの開始に必要な所定数のクレジットが消費されると使用クレジット数CBは減少し、ゲームの進行(例えばイベントのクリア)によりクレジットが付与されると使用クレジット数CBが増加する。
利用者は、ゲーム装置30に対するメダル(コイン)の投入で使用クレジット数CBを増加させ得る。また、クレジット管理の利用登録を受けた利用者は、サーバ装置10が管理する保有クレジット数CAとゲーム装置30の貯留部342に記憶された使用クレジット数CBとの間でクレジットを移行し得る。具体的には、保有クレジット数CAから使用クレジット数CBにクレジットを移行してゲーム装置30でのゲームに使用する処理(引出)と、メダルの投入やゲームでの付与で発生したクレジットを使用クレジット数CBから保有クレジット数CAに移行する処理(預入)とが可能である。すなわち、利用者は、実際のメダルを取扱うことなくゲーム装置30にてゲームを実行できる。
図1の入力受付部36は、外部からの入力を受付ける機器であり、移行指示部362と指示受付部364とを含んで構成される。移行指示部362は、クレジット移行に必要な情報の入力を受付ける。具体的には、利用者の識別情報UID_INとクレジット移行の方向(預入/引出)Dとクレジット移行の数量(以下「移行量」という)Nとが移行指示部362に入力される。例えば、管理カードに格納された識別情報UIDを識別情報UID_INとして読取る読取器や、移行方向Dおよび移行量Nを指示する操作子(例えばテンキー)が移行指示部362として採用される。また、タッチパネル機能付の表示機器が表示する操作子(テンキー)を移行指示部362として採用することも可能である。
移行量Nは、クレジットの引出の場合には保有クレジット数CAからの引出数に相当し、クレジットの預入の場合には保有クレジット数CAに対する預入数に相当する。なお、移行量Nの指定の方法は任意である。例えば、所定の範囲内の任意の数量を利用者が移行量Nとして指定する方法や、所定の操作子に対する1回の操作で所定の数量(100枚)を移行量Nとして指定する方法が採用され得る。所定の期間(例えば1日)内のクレジットの引出数の合計を所定値に制限する構成も好適である。
ところで、ゲーム装置30から要求したクレジット移行のための処理が異常停止した場合、保有クレジット数CAの更新前および更新後の何れで異常停止が発生したのかをゲーム装置30自体では特定し得ないから、制御装置32は使用クレジット数CBの更新の要否を決定できない。そこで、図1の指示受付部364は、クレジット移行が異常停止した場合に、使用クレジット数CBの更新の実行/禁止の指示に相当する成否コードEを外部から受付ける。制御装置32は、更新の実行が指示受付部364に指示された場合には使用クレジット数CBを更新し、更新の禁止が指示受付部364に指示された場合には使用クレジット数CBを更新しない。指示受付部364としては、例えばタッチパネル機能付の表示機器で表示される操作子(テンキー)が好適に採用される。なお、移行指示部362と指示受付部364とは単体の装置としても構成され得る。
報知部38は、制御装置32から指示された情報を、管理者(例えば遊技施設の店員)や利用者が認識できるように外部に報知する。例えば、情報を画像として出力する表示機器や印刷機器、あるいは情報を音声で出力する放音機器が報知部38として採用され得る。また、ゲーム装置30のゲームに使用される表示機器を報知部38として利用することも可能である。
図1の管理装置40は、クレジット移行を希望する利用者が利用登録を受けた本人であるか否かを認証(本人認証)したうえで各ゲーム装置30とサーバ装置10との間のクレジット移行を管理するコンピュータシステムであり、制御装置42と記憶装置44と入力受付部46とを含んで構成される。制御装置42は、記憶装置44に記憶されたプログラムの実行で各種の機能を実現する演算処理装置(CPU)である。記憶装置44は、制御装置42が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体などの公知の記録媒体(または複数種の記録媒体の組合せ)が記憶装置44として任意に採用される。
入力受付部46は、外部からの入力を受付ける機器であり、受付部462と生成部464とを含んで構成される。受付部462は、利用者による識別情報UID_INの入力を受付ける。例えば、管理カードの識別情報UIDを識別情報UID_INとして読取る読取器が受付部462として採用される。生成部464は、利用者の生体的な特徴を示す生体情報BID_INを生成する。例えば、利用者の手(掌や指)の静脈パターンを検出して生体情報BID_INを生成する公知の静脈センサが生成部464として採用される。識別情報UID_INおよび生体情報BID_INは、利用者の正当性(利用登録を受けた正規の利用者に該当するか否か)の認証に利用される。
制御装置42は、以上の認証が肯定された利用者毎に認証済情報Aを生成して記憶装置44の所定の記憶領域(以下「管理記憶部」という)442に記憶させる。認証済情報Aは、図1に示すように、受付部462に入力された識別情報UID_INと生成部464が生成した生体情報BID_INとを関連付けたレコード(データ列)である。管理記憶部442に記憶された認証済情報Aは、所定の条件の成立(例えば所定の時刻の到来や管理装置40に対する指示)を契機として消去される。
<A−2:第1実施形態の動作>
(1)認証時の動作
次に、以上に説明した管理システム100の動作を説明する。遊技施設に来店した利用者は、ゲーム装置30でのゲームの実行前に管理装置40の設置場所に移動して認証を受ける。図4は、認証時の管理システム100の動作を示すフローチャートである。管理装置40に対する所定の操作を契機として図4の処理が開始される。
管理装置40の受付部462が識別情報UID_INの入力を受付け(SA10)、生成部464が生体情報BID_INを生成すると(SA11)、管理装置40の制御装置42は、識別情報UID_INおよび生体情報BID_INを含む認証要求をサーバ装置10に送信する(SA12)。通信網51を介して認証要求を受信すると(SB10)、サーバ装置10の制御装置12は、認証要求内の識別情報UID_INと生体情報BID_INとを利用した認証処理を実行する(SB11)。具体的には、制御装置12は、識別情報UID_INと生体情報BID_INとの組合せが記憶装置20に格納されているか否か(すなわち、識別情報UID_INに符合する識別情報UIDと生体情報BID_INに符合する生体情報BIDとが1個のレコードR1内に対応付けて記憶装置20に格納されているか否か)を判定する。そして、制御装置12は、認証処理の結果(認証結果)を管理装置40に送信する(SB12)。
認証結果を受信すると(SA13)、管理装置40の制御装置42は、認証結果が肯定であるか否かを判定する(SA14)。認証結果が否定である場合、制御装置42は、認証の失敗を利用者に通知して処理を終了する(図示略)。他方、認証結果が肯定である場合、制御装置42は、ステップSA10で入力された識別情報UID_IN(UID)とステップSA11で生成された生体情報BID_IN(BID)とを関連付けた認証済情報Aを生成して管理記憶部442に格納する(SA15)。
(2)ゲーム時の動作
以上の手順で認証に成功した利用者は、遊技施設内の所望のゲーム装置30の設置場所に移動してゲームを開始する。そして、保有クレジット数CAと使用クレジット数CBとの間のクレジット移行が利用者からゲーム装置30に指示されると、図5および図6に例示した以下の処理が実行される。
識別情報UID_INと移行方向(預入/引出)Dと移行量Nとの入力をゲーム装置30の移行指示部362が受付けると(SC20)、ゲーム装置30の制御装置32は、処理識別子SIDの要求(識別子要求)を管理装置40に送信する(SC21)。処理識別子SIDは、各ゲーム装置30からのクレジット移行の要求に対する一連の処理(セッション)を識別するための識別情報である。すなわち、複数のゲーム装置30の各々からのクレジット移行の要求に対して相異なる処理識別子SIDが設定されるほか、1個のゲーム装置30にて発生する別個のクレジット移行の要求(相異なる時間に発生した各要求)に対しても相異なる処理識別子SIDが設定される。管理装置40の制御装置42は、識別子要求をゲーム装置30から受信してサーバ装置10に送信する(SA20)。
管理装置40から識別子要求を受信すると(SB20)、サーバ装置10の制御装置12は、今回のクレジット移行の要求について処理識別子SIDを生成する(SB21)。処理識別子SIDの生成の方法は任意であるが、例えば、現在時刻を処理識別子SIDとする方法や、現在時刻および乱数を使用した所定の演算で処理識別子SIDを生成する方法や、通し番号(例えば「00」〜「99」)を処理識別子SIDとする方法が採用され得る。制御装置12は、図3を参照して説明したように、ステップSB21で生成した処理識別子SIDと、保有クレジット数CAの更新の未了(初期値)を示す履歴情報LGとを含むレコードR2を生成して記憶装置20に格納する(SB22)。なお、各ゲーム装置30から発行される総てのクレジット移行の要求の処理識別子SIDが完全に相違する必要はなく、相近接する時点で各ゲーム装置30から発行されたクレジット移行の要求の処理識別子SIDが相違すれば足りる。例えば、前述の例示のように所定の範囲(「00」〜「99」)内の通し番号を順次に(例えば昇順で)処理識別子SIDとして割当てる構成では、最後の番号「99」を割当てた処理識別子SIDの直後の処理識別子SIDが範囲内の最初の番号「00」となるように、範囲内の各数値を反復的に処理識別子SIDとして利用する構成も採用され得る。
制御装置12は、ステップSB21で生成した処理識別子SIDを管理装置40に送信する(SB23)。管理装置40の制御装置42は、処理識別子SIDをサーバ装置10から受信してゲーム装置30に送信する(SA21)。管理装置40から処理識別子SIDを受信すると(SC22)、ゲーム装置30の制御装置32は、この処理識別子SIDを記憶装置34の所定の記憶領域344に格納する(SC23)。なお、図1では貯留部342および記憶領域344を単体の記憶装置34内の別個の記憶領域としたが、貯留部342が設定された記憶装置と記憶領域344が設定された記憶装置とを別体とした構成も採用される。
以上の処理によりサーバ装置10とゲーム装置30とで処理識別子SIDが共通に認識されると、ゲーム装置30の制御装置32は、図6に示すように、ステップSC20で入力された情報(UID_IN,D,N)とステップSC22で受信した処理識別子SIDとを含む移行要求Q1を管理装置40に送信する(SC30)。
移行要求Q1をゲーム装置30から受信すると(SA30)、管理装置40の制御装置42は、移行要求Q1内の識別情報UID_INを含む認証済情報Aを記憶装置44から検索する(SA31)。そして、制御装置42は、ステップSA31で検索した認証済情報Aに含まれる生体情報BID_IN(BID)を移行要求Q1に追加した移行要求Q2を生成してサーバ装置10に送信する(SA32)。以上のように制御装置42は、ゲーム装置30に対する入力(UID_IN,D,N)に応じて生成されて処理識別子SIDを含む移行要求Q2をサーバ装置10に送信する要素(特許請求の範囲の「管理制御部」に相当する要素)として機能する。
管理装置40から移行要求Q2を受信すると(SB30)、サーバ装置10の制御装置12は、移行要求Q2の適否を判定する(SB31)。具体的には、制御装置12は、移行要求Q2内の処理識別子SIDが記憶装置20の履歴管理領域24に存在するか否か、および、移行要求Q2内の識別情報UID_INおよび生体情報BID_INの組合せが記憶装置20のクレジット管理領域22に存在するか否かを、ステップSB31にて判定する。なお、今回の移行要求Q2を含めたクレジット移行の合計回数が所定値を下回るか否かをステップSB31にて判定すれば、所定の期間内におけるクレジット移行の回数を制限することも可能である。また、例えば利用者の年齢に応じてクレジットの利用時間を設定し、現在時刻が利用時間の範囲内にあるか否かをステップSB31にて判定する構成や、保有クレジット数CAの有効期限を設定し、現在時刻が有効期限の範囲内にあるか否かをステップSB31にて判定する構成も採用される。
ステップSB31の結果が肯定である場合(移行要求Q2が適切である場合)、制御装置12は、記憶装置20に記憶された複数の保有クレジット数CAのうち移行要求Q2内の識別情報UID_INに対応する保有クレジット数CAを、移行要求Q2内の移行方向Dおよび移行量Nに応じて更新する(SB32)。すなわち、制御装置12は、移行方向Dがクレジットの引出を示す場合には保有クレジット数CAから移行量(引出数)Nを減算し、移行方向Dがクレジットの預入を示す場合には保有クレジット数CAに移行量(預入数)Nを加算する。
次いで、制御装置12は、記憶装置20の履歴管理領域24に記憶された複数の履歴情報LGのうち移行要求Q2内の処理識別子SIDに対応する履歴情報LGを更新する(SB33)。具体的には、ステップSB31の結果が肯定で保有クレジット数CAが適切に更新された場合、制御装置12は、処理識別子SIDに対応する履歴情報LG(ステップSB22での生成から未更新であるから保有クレジット数CAの更新の未了を示す)を、保有クレジット数CAの更新の完了を示す内容に変更する。他方、ステップSB31の結果が否定である場合、制御装置12は、保有クレジット数CAの更新(SB32)を実行せずに、移行要求Q2が不適と判定された理由を示す内容に履歴情報LGを更新する(SB33)。
以上の処理が完了すると、制御装置12は、ステップSB33の更新後の履歴情報LGと今回の要求に対応する処理識別子SIDとを含む応答通知を管理装置40に送信する(SB34)。管理装置40の制御装置42は、応答通知をサーバ装置10から受信してゲーム装置30に送信する(SA33)。
管理装置40から応答通知を受信すると(SC31)、ゲーム装置30の制御装置32は、応答通知内の履歴情報LGが保有クレジット数CAの更新の完了を示すか否かを判定する(SC32)。ステップSC32の結果が肯定である場合、制御装置32は、貯留部342に記憶された使用クレジット数CBを、ステップSC20で入力された移行方向Dおよび移行量Nに応じて更新する(SC33)。すなわち、制御装置32は、移行方向Dがクレジットの引出を示す場合には使用クレジット数CBに移行量(引出数)Nを加算し、移行方向Dがクレジットの預入を示す場合には使用クレジット数CBから移行量(預入数)Nを減算する。他方、ステップSC32の結果が否定である場合(すなわち、移行要求Q2の不適の理由を履歴情報LGが示す場合)、制御装置32は、使用クレジット数CBの更新(SC33)を実行せずに、移行要求Q2の不適の理由を報知部38から出力する(図示略)。
以上に説明したように、移行指示部362に指示された移行方向Dと移行量Nとに応じてクレジットの預入(使用クレジット数CBから保有クレジット数CAに対するクレジット移行)や引出(保有クレジット数CAから使用クレジット数CBに対するクレジット移行)が実行される。利用者は、実際のメダルを取扱うことなく保有クレジット数CAからクレジットを引出してゲームに使用することができる。他方、ゲームを終了する場合、利用者は、受付部462(読取器)の操作で管理カードを排出する。なお、ゲームの終了時に使用クレジット数CBに残数がある場合に、利用者からの指示に応じて実行されるクレジットの預入で使用クレジット数CBがゼロに設定された段階で管理カードの排出が可能となる構成が好適に採用される。また、管理カードの排出が利用者から指示された時点で使用クレジット数CBに残数がある場合に、自動的に(すなわち利用者からの指示を必要とせずに)クレジットの預入を実行し、この預入で使用クレジット数CBがゼロに設定された段階で管理カードの排出が可能となる構成も採用され得る。
ところで、管理装置40とゲーム装置30との間や管理装置40とサーバ装置10との間にて通信データの欠落や符号誤りが発生した場合、再送処理などを含む公知のリカバリ技術で適切な通信データの授受が担保される。したがって、クレジット移行の処理は適切に完了する。しかし、管理装置40やサーバ装置10の不具合(例えば多数のゲーム装置30からの要求の集中に起因した不具合)や通信上の重大な不具合が発生した場合には、通信の自動的な復旧が困難となり、クレジット移行の処理が途中で異常停止する可能性がある。
図7は、管理装置40に不具合が発生してクレジット移行の処理が異常停止した場合の管理システム100の動作(図5に後続する部分)のフローチャートである。図7に示すように、ゲーム装置30やサーバ装置10との通信が不可能となるような不具合が管理装置40に発生した場合、サーバ装置10が送信した応答通知(SB34)はゲーム装置30に到達しない。したがって、ゲーム装置30の制御装置32は、保有クレジット数CAの更新の完了/未了を判別できない。
保有クレジット数CAの更新が完了している場合には使用クレジット数CBの更新は可能であり、保有クレジット数CAの更新が未了である場合には使用クレジット数CBの更新は禁止されるべきであるが、以上のように保有クレジット数CAの更新の完了/未了を判別できない以上は、使用クレジット数CBの更新(SC33)の可否を制御装置32で判定することはできない。そこで、以下に詳述するように、指示受付部364にて受付けた外部からの指示(成否コードE)に応じて使用クレジット数CBの更新の可否が決定される。
応答通知を受信(SC31)することなく移行要求Q1の送信(SC30)から所定の時間が経過(タイムアウト)すると(SC40)、ゲーム装置30の制御装置32は、記憶装置34の記憶領域344に格納された処理識別子SIDを報知部38から出力する(SC41)。例えば、報知部38は、エラーの発生を通知する画面に処理識別子SIDを含めて表示する。ゲーム装置30の管理者(例えば遊技施設の店員)は、報知部38から報知された処理識別子SIDを知得したうえでサーバ装置10の設置場所に移動する。管理者は、ゲーム装置30の報知部38から知得した処理識別子SIDをサーバ装置10の入力受付部14に入力する(SB40)。
サーバ装置10の制御装置12は、ステップSB40で入力された処理識別子SIDに対応する履歴情報LGを記憶装置20の履歴管理領域24から取得する(SB41)。そして、制御装置12は、ステップSB41にて取得した履歴情報LGから保有クレジット数CAの更新の完了/未了を判定し、判定の結果(以下「成否結果」という)Fに応じた成否コードEを生成する(SB42)。成否結果Fは、例えば更新の完了/未了を2値(1/0)で表すフラグである。すなわち、成否コードEは、保有クレジット数CAの更新の完了/未了(使用クレジット数CBの更新の可否)をゲーム装置30に指示するための情報に相当する。
具体的には、第1実施形態の制御装置12は、ステップSB40で入力された処理識別子SIDとステップSB42にて決定した成否結果Fとを成否コードEから特定できるように、処理識別子SIDと成否結果Fとに応じた成否コードEを生成する。例えば、処理識別子SIDと成否結果Fとを連結することで成否コードEを生成する方法や、処理識別子SIDと成否結果Fとに対する所定の演算で成否コードEを生成する方法が好適に採用される。
制御装置12は、ステップSB42で生成した成否コードEを報知部16から出力する(SB43)。管理者は、報知部16から報知された成否コードEを知得したうえでゲーム装置30の設置場所に再び移動し、ゲーム装置30の指示受付部364に成否コードEを入力する(SC42)。
ゲーム装置30の制御装置32は、ステップSC42で入力された成否コードEから処理識別子SIDと成否結果Fとを特定する(SC43)。そして、制御装置32は、ステップSC43で特定した処理識別子SIDが、記憶装置34の記憶領域344に格納された処理識別子SIDと一致するか否かを判定する(SC44)。ステップSC44の結果が否定である場合(ステップSC42で入力された成否コードEに誤りがある場合)、制御装置32は、指示受付部364に対する成否コードEの再入力を受付ける(SC42)。
他方、ステップSC44の結果が肯定である場合(正しい成否コードEが入力された場合)、制御装置32は、ステップSC43で特定した成否結果Fが保有クレジット数CAの更新の完了を示すか否かを判定する(SC45)。ステップSC45の結果が肯定である場合、制御装置32は、前述のステップSC33と同様に、貯留部342の使用クレジット数CBを移行方向Dおよび移行量Nに応じて更新する(SC46)。以上の説明から理解されるように、保有クレジット数CAの更新の完了を示す履歴情報LG(成否結果F)から生成された成否コードEは、使用クレジット数CBの更新の実行の指示に相当する。
他方、ステップSC45の結果が否定である場合(保有クレジット数CAの更新が未了の場合)、制御装置32は、使用クレジット数CBの更新(SC46)を実行せずに処理を終了する。以上の説明から理解されるように、保有クレジット数CAの更新の未了(移行要求Q2の不適の理由)を示す履歴情報LG(成否結果F)から生成された成否コードEは、使用クレジット数CBの更新の禁止の指示に相当する。使用クレジット数CBを更新しない場合、管理者は、例えば、使用クレジット数CBに相当する枚数のメダルを利用者に払出すとともに貯留部342の使用クレジット数CBを消去(リセット)する。以上のように、制御装置32は、移行要求Q1に応じた使用クレジット数CBの更新の可否を指示受付部364に対する入力に応じて制御する要素(特許請求の範囲の「制御部」に相当する要素)として機能する。
以上に説明したように、第1実施形態においては、保有クレジット数CAの更新の完了/未了を示す成否コードEの入力で、使用クレジット数CBの更新の実行/禁止がゲーム装置30に指示される。したがって、クレジット移行が停止した時点が保有クレジット数の更新前および更新後の何れであるのかを特定できない特許文献1の技術と比較して、クレジット移行のための処理が異常停止した場合のクレジットの管理を円滑化することが可能である。
また、第1実施形態においては、成否コードEから処理識別子SIDを特定できるように成否コードEが生成されるから、成否コードEから特定した処理識別子SIDを利用して、ゲーム装置30に入力された成否コードEの正誤を判定できる(SC44)という利点がある。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下に例示する各態様において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図8は、処理識別子SIDの生成および取得に関する管理システム100の動作(図5に置換される動作)のフローチャートである。図8に示すように、識別子要求をゲーム装置30から受信すると(SA50)、管理装置40の制御装置42は、今回のクレジット移行の要求について処理識別子SIDを生成する(SA51)。処理識別子SIDの生成には、第1実施形態のサーバ装置10による処理(SB21)と同様の方法が採用される。制御装置42は、ステップSA51で生成した処理識別子SIDをサーバ装置10(SA52)およびゲーム装置30(SA53)に送信する。
処理識別子SIDを受信すると(SB50)、サーバ装置10の制御装置12は、図5のステップSB22と同様に、処理識別子SIDと履歴情報LGとを含むレコードR2を記憶装置20に格納する(SB51)。他方、ゲーム装置30の制御装置32は、第1実施形態と同様に、処理識別子SIDを受信(SC22)して記憶装置34の記憶領域344に格納する(SC23)。以後の処理は第1実施形態と同様である。以上の例示のように管理装置40が処理識別子SIDを生成する構成においても、第1実施形態と同様の効果が実現される。
<C:第3実施形態>
図9は、クレジット移行のための管理システム100の動作(図5および図6に置換される動作)のフローチャートである。図9に示すように、識別情報UID_INと移行方向(預入/引出)Dと移行量Nとの入力をゲーム装置30の移行指示部362が受付けると(SC20)、ゲーム装置30の制御装置32は、処理識別子SIDを生成して記憶装置34の記憶領域344に格納する(SC25)。処理識別子SIDの生成の方法は任意であるが、各ゲーム装置30で生成される処理識別子SIDが重複しないように処理識別子SIDを生成する必要がある。例えば、ゲーム装置30に固有の識別子と現在時刻とに対する所定の演算で処理識別子SIDを生成する方法が好適に採用される。制御装置32は、ステップSC20で入力された情報(UID_IN,D,N)とステップSC25で生成した処理識別子SIDとを含む移行要求Q1を管理装置40に送信する(SC30)。
管理装置40は、第1実施形態と同様に、移行要求Q1から移行要求Q2を生成してサーバ装置10に送信する(SA30〜SA32)。移行要求Q2を受信すると(SB30)、サーバ装置10の制御装置12は、移行要求Q2内の処理識別子SIDと履歴情報LGとを含むレコードR2を図5のステップSB22と同様に生成して記憶装置20に格納する(SB37)。そして、制御装置12は、移行要求Q2に応じた保有クレジット数CAや履歴情報LGの更新(SB31〜SB33)を第1実施形態と同様に実行する。以後の動作は第1実施形態と同様である。
第3実施形態においては、ゲーム装置30にて処理識別子SIDが生成されるから、サーバ装置10にて処理識別子SIDを生成する第1実施形態と比較して制御装置12の負荷が軽減され、管理装置40にて処理識別子SIDを生成する第2実施形態と比較して制御装置42の負荷が軽減されるという利点がある。もっとも、第1実施形態や第2実施形態によれば、サーバ装置10や管理装置40にて各ゲーム装置30の処理識別子SIDが集中的に生成されるから、相互に重複しない処理識別子SIDをゲーム装置30毎に容易に生成できるという利点がある。
<D:変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)変形例1
以上の各形態では成否コードEから処理識別子SIDを特定して成否コードEの正誤を判定したが、処理識別子SIDを成否コードEから特定できる構成や成否コードEの正誤の判定(図7のステップSC44)は適宜に省略される。
また、履歴情報LGに応じて成否コードEを生成する構成は省略され得る。例えば、図7のステップSB40で入力された処理識別子SIDに対応する履歴情報LGや、履歴情報LGに応じた成否結果Fを、制御装置12が報知部16から出力してもよい。管理者は、報知部16からの報知で保有クレジット数CAの更新の完了/未了を特定したうえで、使用クレジット数CBの更新の可否を指示受付部364からゲーム装置30に指示する。制御装置32は、使用クレジット数CBの更新が指示された場合に使用クレジット数CBの更新(ステップSC46)を実行し、更新が禁止された場合には使用クレジット数CBの更新を実行しない。
以上の各形態における成否コードEに代えて使用クレジット数CBの更新の可否を管理者が指示受付部364に入力する構成では、例えば図10に示すように、操作子71および操作子72を含む指示受付部364が好適に採用される。操作子71は、使用クレジット数CBの更新の実行の指示を受付け、操作子72は、使用クレジット数CBの更新の禁止の指示を受付ける。図10の指示受付部364を利用すれば、管理者による指示の入力が簡素化されるという利点がある。なお、操作子71や操作子72は、有体物としての操作子(ボタン)のほか、タッチパネル機能付の表示機器が表示する画像としても実現され得る。
(2)変形例2
以上の各形態においては1個のゲーム装置30からの移行要求Q1を処理する場合を例示した。しかし、実際には、1個のゲーム装置30が送信した移行要求Q1の受信から当該ゲーム装置30に対する応答通知の送信(SA33)までの期間内に、他のゲーム装置30からの移行要求Q1を管理装置40が受信する場合がある。以上の場合を想定すると、各ゲーム装置30からの移行要求Q1を管理装置40の制御装置42が順番に記憶装置44に保持し、移行要求Q1の受信からゲーム装置30に対する応答通知の送信(SA33)までの一連の処理が完了してから次の移行要求Q1の処理が開始されるように、各移行要求Q1をゲーム装置30からの受信の順番で順次に処理する構成が好適である。すなわち、記憶装置44は、移行要求Q1を受信の順番で順次に記憶するとともに先行の移行要求Q1から順次に出力するFIFO(first-in first-out)方式のバッファメモリとして使用される。
例えば、第1ゲーム装置30からの移行要求Q1に引続いて第2ゲーム装置30からの移行要求Q1を受信すると、管理装置40の制御装置42は、各移行要求Q1を記憶装置44に順次に格納し、第1ゲーム装置30からの移行要求Q1の処理を開始する。そして、制御装置42は、保有クレジット数CAの更新(SB32)を含む一連の処理を実行したうえで応答要求を第1ゲーム装置30に送信すると(SA33)、第2ゲーム装置30からの移行要求Q1を記憶装置44から取得して同様の処理を開始する。
以上のように移行要求Q1に対する処理の完了後に次の移行要求Q1に対する処理を開始する構成によれば、異常停止による影響を最小限に抑制してクレジット管理がさらに円滑化されるという利点がある。例えば、異常停止の発生時に、第1ゲーム装置30の処理識別子SIDに対応する履歴情報LGが保有クレジット数CAの更新の未了を示す場合(すなわち、第1ゲーム装置30に対する応答通知の送信が完了していない場合)、以後の各ゲーム装置30(第2ゲーム装置30)からの移行要求Q1に対する処理(保有クレジット数CAの更新)は実行されていないと判断して各移行要求Q1に対する措置を採ることが可能である。
(3)変形例3
以上の各形態においては、管理装置40での認証が成功した利用者について識別情報UID_INと生体情報BID_INとを対応させた認証済情報Aを生成したが、認証済情報Aの内容は適宜に変更される。具体的には、識別情報UID_INとは独立に付与された識別情報PID_INを認証済情報Aに含ませる構成も好適である。具体的には、識別情報UID_INと生体情報BID_INとを利用した認証が成功すると、管理装置40の制御装置42は、利用者が入力した識別情報PID_INと識別情報UID_INとを関連付けた認証済情報Aを生成して記憶装置44に格納する。利用者が所望のゲーム装置30に識別情報PID_INを入力すると、識別情報PID_INを含む認証済情報Aが管理装置40の記憶装置44から検索され、当該認証済情報A内の識別情報UID_INを利用してクレジット移行が実行される。なお、以上に例示した識別情報PID_INは、例えば、管理カードとは別個のゲームカードに格納された識別情報PIDを読取器(図示略)を利用して読取ることで管理装置40やゲーム装置30に入力される。
また、以上の形態では、移行要求Q1に生体情報BID_INを付加して移行要求Q2を生成したが、生体情報BID_INの付加(移行要求Q2の生成)は省略され得る。すなわち、ゲーム装置30が送信した移行要求Q1を管理装置40の制御装置42がそのままサーバ装置10に転送する。以上の構成によれば、制御装置42の負荷が軽減されるという利点がある。また、生体情報BID(BID_IN)は静脈パターンに限定されない。例えば、指紋や虹彩や音声(声紋)など利用者に固有な特徴量が生体情報BID(BID_IN)として任意に採用される。
100……管理システム、10……サーバ装置、20,34,44……記憶装置、22……クレジット管理領域、24……履歴管理領域、30……ゲーム装置、40……管理装置、51,52……通信網、12,32,42……制御装置、14,36,46……入力受付部、16,38……報知部、342……貯留部、344……記憶領域、362……移行指示部、364……指示受付部、442……管理記憶部、462……受付部、464……生成部。

Claims (8)

  1. ゲーム装置でのクレジットの使用または付与により増減する第1クレジット数と、サーバ装置が管理する記憶装置に記憶された第2クレジット数との一方から他方に対するクレジットの移行要求に応じた前記第2クレジット数の更新の完了/未了を示す履歴情報を当該移行要求の処理識別子に対応させて管理する前記サーバ装置と通信する管理装置と、前記管理装置と通信するゲーム装置とを含み、
    前記管理装置は、
    前記処理識別子を含む移行要求を前記サーバ装置に送信する管理制御部を具備し、
    前記ゲーム装置は、
    前記第1クレジット数を記憶する貯留部と、
    前記移行要求に対応する処理識別子を記憶する記憶部と、
    前記移行要求に対する処理が完了しない場合に、前記記憶部が記憶する処理識別子を報知する報知部と、
    前記第1クレジット数の更新の実行/禁止の指示を受付ける指示受付部と、
    前記第1クレジット数の更新の実行が指示された場合に前記移行要求に応じた前記第1クレジット数の更新を実行し、前記第1クレジット数の更新の禁止が指示された場合に前記第1クレジット数の更新を実行しない制御部とを具備する
    管理システム。
  2. 前記指示受付部は、前記処理識別子に対応する前記第2クレジット数の更新の完了/未了を指定する成否コードであって前記サーバ装置から出力される成否コードの入力を受付け、
    前記制御部は、前記第2クレジット数の更新の完了を前記成否コードが指定する場合に前記移行要求に応じた前記第1クレジット数の更新を実行し、前記第2クレジット数の更新の未了を前記成否コードが指定する場合に前記第1クレジット数の更新を実行しない
    請求項1の管理システム。
  3. 前記成否コードは、前記処理識別子に応じて可変に設定され、
    前記制御部は、前記指示受付部が受付けた成否コードから特定される処理識別子と前記記憶部が記憶する処理識別子とが一致するか否かを判定し、前記判定の結果が肯定である場合に、前記成否コードに応じた前記第1クレジット数の更新を実行する
    請求項2の管理システム。
  4. 前記指示受付部は、
    前記第1クレジット数の更新の実行の指示を受付ける第1操作子と、
    前記第1クレジット数の更新の禁止の指示を受付ける第2操作子とを含む
    請求項1の管理システム。
  5. 第1ゲーム装置と第2ゲーム装置とを含む複数の前記ゲーム装置を具備し、
    前記管理装置の前記管理制御部は、
    前記移行要求に応じた前記第2クレジット数の更新の完了通知を前記サーバ装置から受信して当該移行要求の送信元の前記ゲーム装置に送信し、
    前記第1ゲーム装置および前記第2ゲーム装置の双方から移行要求を受信した場合に、前記第1ゲーム装置からの移行要求に対する完了通知を前記第1ゲーム装置に送信するまで前記第2ゲーム装置からの移行要求の処理を待機する
    請求項1から請求項4の何れかの管理システム。
  6. 前記管理装置の前記管理制御部は、前記サーバ装置にて生成された処理識別子を当該サーバ装置から取得して前記ゲーム装置に送信する
    請求項1から請求項5の何れかの管理システム。
  7. 前記管理装置の前記管理制御部は、前記ゲーム装置からの移行要求の受信を契機として処理識別子を生成して前記ゲーム装置および前記サーバ装置に送信する
    請求項1から請求項5の何れかの管理システム。
  8. ゲーム装置でのクレジットの使用または付与により増減する第1クレジット数とサーバ装置が管理する記憶装置に記憶された第2クレジット数との一方から他方に対するクレジットの移行要求に応じた前記第2クレジット数の更新の完了/未了を示す履歴情報を当該移行要求の処理識別子に対応させて管理する前記サーバ装置に接続された管理装置と通信するゲーム装置であって、
    前記第1クレジット数を記憶する貯留部と、
    前記移行要求に対応する処理識別子を記憶する記憶部と、
    前記移行要求に対する処理が完了しない場合に、前記記憶部が記憶する処理識別子を報知する報知部と、
    前記第1クレジット数の更新の実行/禁止の指示を受付ける指示受付部と、
    前記第1クレジット数の更新の実行が指示された場合に前記移行要求に応じた前記第1クレジット数の更新を実行し、前記第1クレジット数の更新の禁止が指示された場合に前記第1クレジット数の更新を実行しない制御部と
    を具備するゲーム装置。
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