JP2011087216A - 無線通信システムおよび無線受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度センサ等の追加部品を使用することなく、無線受信装置における受信状態を含めた無線通信状態に関する情報を検知し、検知した情報に基づき無線送信装置および無線受信装置の冷却制御を行うことにより、無線通信の品質を維持・向上させ、消費電力や騒音を抑制することが可能な無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線通信システムを構成する無線受信装置は、無線受信状態の良否を示すエラーレート等の通信状態情報を検知して、検知した該通信状態情報に基づき自装置の冷却手段の冷却能力を制御すると共に、検知した該通信状態情報を無線通信システムの他の構成装置である無線送信装置に送信し、無線送信装置は、無線受信装置から受信した該通信状態情報に基づき、自装置の冷却手段の冷却能力を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、無線送信装置と少なくとも1つの無線受信装置との間で互いに無線信号を送受信する無線通信システム、並びに無線送信装置から無線信号を受信する無線受信装置に関する。
無線装置は高速化、大容量化が進み、無線回路、信号処理回路および演算処理回路などにかかる負担が大きくなり、無線回路における消費電力が増加するようになってきた。この消費電力の増加に伴って増大する発熱が、無線回路における無線能力の劣化をきたすため、ファンなどの冷却装置を設けることが多くなっている。
ファンなどの冷却装置を設けて無線回路を冷却させることにより、回路部における温度上昇を抑え、すなわち回路部での効率低下を抑え、無線回路における無線性能の能力劣化を防ぐことや、消費電力の増大を避けることができる。
次に、図6を用いて、従来の一般的な無線伝送装置600について説明する。なお、図6は、従来の一般的な無線伝送装置の構成を示すブロック図である。
図6において、無線伝送装置600は、無線部601、信号処理部602、ファン603、定電圧源604、プロセッサ605およびメモリ606で構成されている。
無線部601は、一般的に周波数変換回路、信号増幅回路、フィルタ、発信器およびアンテナ等を有しており、所望の周波数および電力の高周波電力信号を生成してアンテナから送信するとともに、アンテナから受信した高周波信号を成形し、信号処理部602へ伝送する役割を果たす。
信号処理部602は、信号の変調および復調等の信号処理を行う。ファン603は、定電圧源604から直流電圧の供給を受け、その直流電圧に応じた回転数によって送風を行い、無線部601や信号処理部602などを冷却する。
プロセッサ605は、メモリ606に保存されている情報を基に、信号処理部602と信号のやりとりを行い、必要な演算処理を行う。
ファン603の回転数を定電圧で制御することは簡易な構成ではあるが、無線通信環境によって無線部601や信号処理部602における処理が異なり、それに伴う温度上昇の度合いが変化するため、ファン603を駆動する電圧が小さいと充分な冷却効果が得られないし、逆に、ファン603を駆動する電圧が大きすぎると、消費電力が上昇し騒音が増大するといった課題が生じる。
このような課題に対して、特許文献1においては、無線通信装置(図6に示す無線伝送装置600に相当)から送信される送信出力レベルを監視し、この送信出力レベル情報とファンの風量情報を予め対応付け、送信出力レベル情報に対応した風量になるようにファンの回転数を制御して無線通信装置を冷却することにより、電力消費を抑制する技術が開示されている。
また、特許文献2においては、信号を送信する電力増幅手段と、電力増幅手段の温度を感知する温度感知手段と、電力増幅手段を冷却する冷却手段とを備え、信号送信時に、温度感知手段によって感知された温度が所定の閾値を超えた場合に、冷却手段により電力増幅手段を冷却することにより、電力増幅手段におけるひずみを低減させ、デバイスの温度が安全なレベルを保つことができる無線通信装置に関する技術が開示されている。
また、特許文献3においては、装置を冷却するための冷却用ファンを複数備える冷却部と、温度センサが検出する装置内の温度に応じて、冷却用ファンの回転数を制御する回転数制御部と、冷却用ファンによる騒音が所定のレベル以下となるように、装置内の発熱量を制御する発熱制御部を備えることにより、騒音を過度に上昇しないようにすることができる無線基地局装置に関する技術が開示されている。
特開2007−295247号公報 特開2006−74673号公報 特開2008−42597号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示されている従来の方法においては、温度センサで温度を検知する場合には、部品(温度センサ)が追加で必要となることから、無線装置の小型化やコスト面で影響を与える可能性があるという課題があった。また、特許文献1〜3に開示されている従来の方法は、無線送信装置における無線通信状態に関する情報に基づき、無線送信装置のみを冷却制御する方法であり、無線受信装置における受信状態を含めた実質的な無線通信状態に基づいた冷却制御にはなっていないという課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、温度センサのような追加部品を使用することなく、無線受信装置における受信状態を含めた実質的な無線通信状態に関する情報を検知し、検知した無線通信状態に関する情報に基づき無線送信装置および/または無線受信装置の冷却制御を行うことにより、無線通信の品質を維持・向上させ、消費電力や騒音を抑制することが可能な無線通信システムおよび無線受信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願の第1の発明の無線通信システムは、無線送信装置と少なくとも1つの無線受信装置とで構成され、互いに無線通信を行う無線通信システムであって、前記無線受信装置は、前記無線送信装置から送信された無線情報を受信するとともに、前記無線送信装置に対して無線情報を送信する無線手段Aと、前記無線送信装置から送信された無線情報を前記無線手段Aから受け取って信号処理を行う信号処理手段Aと、前記無線送信装置との間の無線通信が良好な状態であるか否かを表す通信状態情報を、所定の時刻毎に検知する検知手段Aと、前記無線受信装置を構成する各手段の内、少なくとも前記無線手段Aを冷却する冷却手段Aと、前記検知手段Aが検知した前記通信状態情報に基づき、前記冷却手段Aの冷却能力を制御する制御手段Aと、を備えたことを特徴とするものである。
また、本願の第2の発明の無線通信システムは、本願の第1の発明の無線通信システムにおいて、前記通信状態情報は、受信電力の大きさを表す情報、またはパケットエラーレートに関する情報、または前記無線手段Aにおける受信増幅器の増幅量をコントロールする電圧に関する情報であることを特徴とするものである。
また、本願の第3の発明の無線通信システムは、本願の第1の発明の無線通信システムにおいて、前記制御手段Aは、前記通信状態情報と前記冷却手段Aの冷却能力に関する数値を関連付けた相関テーブルを保持し、前記相関テーブルに基づき、前記検知手段Aにおいて所定の時間毎に検知される前記通信状態情報から前記数値を算出し、算出した前記数値に基づいて前記冷却手段Aの冷却能力を制御することを特徴とするものである。
また、本願の第4の発明の無線通信システムは、本願の第1の発明の無線通信システムにおいて、前記制御手段Aは、前記検知手段Aにおいて所定の時刻毎に検知される前記通信状態情報を、少なくとも1つ前に検知された前記通信状態情報と比較して、通信状態が良化したか悪化したかを判断し、良化したと判断した場合には、前記冷却手段Aの冷却能力を所定量低下させるように制御し、悪化したと判断した場合には、前記冷却手段Aの冷却能力を所定量高めるように制御することを特徴とするものである。
また、本願の第5の発明の無線通信システムは、本願の第1〜第4の発明の無線通信システムにおいて、前記無線送信装置は、前記無線受信装置に対して無線送信を行うとともに、前記無線受信装置から送信された無線情報を受信する無線手段Bと、無線送信するための信号の処理を行って前記無線手段Bに渡すとともに、前記無線受信装置から送信された無線情報を前記無線手段Bから受け取って信号処理を行う信号処理手段Bと、前記無線手段Bから送信される無線送信電力に関する情報あるいは前記無線受信装置から受信した無線情報に含まれる前記通信状態情報を、所定の時刻毎に検知する検知手段Bと、前記無線送信装置を構成する各手段の内、少なくとも前記無線手段Bを冷却する冷却手段Bと、前記検知手段Bが検出した情報に基づき、前記冷却手段Bの冷却能力を制御する制御手段Bと、を備えたことを特徴とするものである。
また、本願の第6の発明の無線通信システムは、本願の第5の発明の無線通信システムにおいて、前記制御手段Bは、前記無線送信電力に関する情報あるいは前記通信状態情報と、前記冷却手段Bの冷却能力に関する数値を関連付けた相関テーブルを保持し、前記相関テーブルに基づき、前記検知手段Bにおいて所定の時刻毎に検知される前記無線送信電力に関する情報あるいは前記通信状態情報から前記数値を算出し、算出した前記数値に基づいて前記冷却手段Bの冷却能力を制御することを特徴とするものである。
また、本願の第7の発明の無線通信システムは、本願の第5の発明の無線通信システムにおいて、前記制御手段Bは、前記検知手段Bにおいて所定の時刻毎に検知される前記無線送信電力に関する情報あるいは前記通信状態情報を、少なくとも1つ前に検知された前記通信状態情報と比較して、通信状態が良化したか悪化したかを判断し、良化したと判断した場合には、前記冷却手段Bの冷却能力を所定量低下させるように制御し、悪化したと判断した場合には、前記冷却手段Bの冷却能力を所定量高めるように制御することを特徴とするものである。
また、本願の第8の発明の無線受信装置は、無線送信装置から送信される無線情報を受信する無線受信装置であって、前記無線送信装置から送信された無線情報を受信する無線手段と、前記無線送信装置から送信された無線情報を前記無線手段から受け取って信号処理を行う信号処理手段と、前記無線送信装置との間の無線通信が良好な状態であるか否かを表す通信状態情報を、所定の時刻毎に検知する検知手段と、自装置を構成する各手段の内、少なくとも前記無線手段を冷却する冷却手段と、前記検知手段が検知した前記通信状態情報に基づき、前記冷却手段の冷却能力を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本願の第9の発明の無線受信装置は、本願の第8の発明の無線受信装置において、前記通信状態情報は、受信電力の大きさを表す情報、またはパケットエラーレートに関する情報、または前記無線手段における受信増幅器の増幅量をコントロールする電圧に関する情報であることを特徴とするものである。
また、本願の第10の発明の無線受信装置は、本願の第8の発明の無線受信装置において、前記制御手段は、前記通信状態情報と前記冷却ファンの冷却能力に関する数値を関連付けた相関テーブルを保持し、前記相関テーブルに基づき、前記検知手段において所定の時刻毎に検知される前記通信状態情報から前記数値を算出し、算出した前記数値に基づいて前記冷却ファンの冷却能力を制御することを特徴とするものである。
また、本願の第11の発明の無線受信装置は、本願の第8の発明の無線受信装置において、前記制御手段は、前記検知手段において所定の時刻毎に検知される前記通信状態情報を、少なくとも1つ前に検知された前記通信状態情報と比較して、通信状態が良化したか悪化したかを判断し、良化したと判断した場合には、前記冷却手段の冷却能力を所定量低下させるように制御し、悪化したと判断した場合には、前記冷却手段の冷却能力を所定量高めるように制御することを特徴とするものである。
無線受信装置における無線受信状態の良否レベルを表す通信状態情報に応じて、無線受信装置における冷却手段のみならず、無線送信装置における冷却手段の冷却能力を制御することができるので、無線通信における通信品質の維持・向上を図るとともに、消費電力や騒音の抑制を図ることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る無線送信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る無線受信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る無線送信装置と無線受信装置で構成される無線通信システムの構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る無線送信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る無線受信装置の構成を示すブロック図 従来の一般的な無線伝送装置の構成を示すブロック図
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線送信装置の構成を示すブロック図である。
図1において、無線送信装置100は、無線部101、信号処理部102、検知部103、冷却ファン104、D/Aコンバータ(DAC)105、A/Dコンバータ(ADC)106、プロセッサ107およびメモリ108で構成されている。
無線部101は、アンテナなどを含む高周波回路のブロックであり、信号処理部102は、無線信号の変復調処理回路や映像信号処理回路などを含むブロックであり、検知部103は、無線伝送電力や無線通信状態の良否レベルを表す情報、言い換えると、無線通信が良好な状態であるか否かを表す情報(以下、通信状態情報と称す)を検知する回路を含むブロックである。
無線送信装置100においては、外部機器(図示せず)から入力される映像などのデータ信号を、信号処理部102においてデジタル信号からアナログ信号へ変換した後、無線伝送に適した変調処理を施し、その変調処理を施して生成した変調信号を、無線部101において波形整形して無線周波数信号に重畳させ、信号増幅等を行った後にアンテナから電波として放射する。
特に、高出力の無線送信装置100においては、無線部101、信号処理部102およびプロセッサ107等での消費電力の増大に伴う発熱が大きくなることから、無線送信能力の劣化といった課題が生じる。
そのため、冷却ファン104などを用いて、無線送信装置100内の発熱が大きいブロックなどを空冷することで、無線送信装置100内の温度を下げ、無線送信能力の劣化を防ぐための手立てを取っている。
しかし、冷却ファン104を高電圧で動作させることは、消費電力を増加させるとともに騒音を発生させるといった新たな課題を生じさせることになるので、冷却ファン104の動作電圧は、無線通信状態に応じて変化させ、無線通信状態に適応させることが重要となる。
検知部103は、無線部101から送信される無線送信電力を、所定の時刻毎に検知して検知信号を取得し、その検知信号をA/Dコンバータ106に送信し、A/Dコンバータ106は、検知部103から受信した検知信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換した検知信号をプロセッサ107へ送信する。
プロセッサ107は、メモリ108に格納されている検知信号(例えば、無線送信電力)と冷却ファン104の駆動電圧との関係を示したデータテーブル(相関テーブル)を基に、A/Dコンバータ106から受信した検知信号から冷却ファン104の駆動電圧を算出し、算出した駆動電圧をD/Aコンバータ105に送信する。D/Aコンバータ105は、プロセッサ107から受信した駆動電圧をアナログ信号に変換し、アナログ信号に変換した冷却ファン104の駆動電圧を冷却ファン104へ給電する。
以上のように制御することは、無線部101に無線送信電力のコントロール機能が備わっている場合に有効であり、無線送信電力が大きいときは無線部101内のパワーアンプでの消費電力が大きいことから発熱が大きくなるので、無線送信電力が大きいときは冷却ファン104の駆動電圧を上げ、逆に、無線送信電力が小さいときは冷却ファン104の駆動電圧を下げるように制御する。
なお、無線送信電力は無線部101内のパワーアンプにおける増幅量に比例するため、パワーアンプに印加される制御電圧を検知することでも、同様の制御は可能であり、同様の効果を得ることが可能である。
次に、図2を用いて、本発明の実施の形態1に係る無線受信装置200について説明する。なお、図2は、本発明の実施の形態1に係る無線受信装置の構成を示すブロック図である。
図2において、無線受信装置200は、無線部201、信号処理部202、検知部203、冷却ファン204、D/Aコンバータ(DAC)205、A/Dコンバータ(ADC)206、プロセッサ207およびメモリ208で構成されている。
ここで、特許請求の範囲に記載の無線受信装置における各手段と図2に記載の各構成要素(ブロック)との関連を説明すると、無線手段は無線部201に、信号処理手段は信号処理部202に、検知手段は検知部203に、冷却手段は冷却ファン204にそれぞれ相当し、制御手段は、D/Aコンバータ205、A/Dコンバータ206、プロセッサ207およびメモリ208で構成される。
無線受信装置200においては、無線部201が、自らが備えるアンテナにより無線送信装置100から送信された電波(無線情報)を受信し、受信した高周波数信号の増幅、信号処理周波数への周波数変換、および波形成形等を行った後に信号処理部202へ送信する。信号処理部202は、無線部201から受信した信号の復調処理や、自装置の外部に接続された外部機器(図示せず)に適した信号への変換を行い、外部機器(図示せず)へ出力する。
このような無線受信装置200においても、無線送信装置100と同様に、無線部201に備わっているアンプ(受信増幅器)の出力が大きくなると、消費電力が大きくなるため発熱が大きくなる。また、このアンプも無線通信状態の通信状態情報に応じて、出力状態を変動させるのが一般的であるため、冷却ファン204の駆動電圧を最適な状態に制御することが必要となる。
次に、無線受信装置200における冷却ファン204の駆動電圧制御について説明する。
信号処理部202において、一般的には、受信電力の大きさを示すRSSI(Received Signal Strength Indication)、パケットエラーレート(PER)、および受信増幅器の増幅量をコントロールしている電圧を検知するなどにより、無線通信における受信状態の良否レベルを判断することができる。
まず、検知部203は、信号処理部202から受信電力の大きさを示すRSSIや、パケットエラーレート(PER)、および受信増幅器の増幅量をコントロールしている電圧などの通信状態情報を検知して、無線通信における受信状態の良否レベルを表す検知信号を取得し、その検知信号をA/Dコンバータ206に送信する。
A/Dコンバータ206は、検知部203から受信したアナログ信号である検知信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換した検知信号をプロセッサ207に送信する。
プロセッサ207は、メモリ208に格納されている受信状態の良否レベルを表す検知信号と冷却ファン204の駆動電圧との関係を示したデータテーブル(相関テーブル)を基に、A/Dコンバータ206から受信した検知信号から冷却ファン204の駆動電圧を算出し、算出した冷却ファン204の駆動電圧をD/Aコンバータ205に送信する。D/Aコンバータ205は、プロセッサ207から受信した冷却ファン204の駆動電圧をアナログ信号に変換し、アナログ信号に変換した駆動電圧を冷却ファン204へ給電する。
以上のように制御することにより、無線受信装置200においても、無線送信装置100と同様に、通信状態情報に応じて効果的に冷却ファン204の冷却能力を制御することにより、無線通信における受信品質を維持あるいは向上させることが可能となる。
(実施の形態2)
次に、図3を用いて、本発明の実施の形態2に係る無線送信装置300と無線受信装置350で構成される無線通信システムについて説明する。なお、図3は、本発明の実施の形態2に係る無線送信装置と無線受信装置で構成される無線通信システムの構成を示すブロック図である。
図3においては、図1および図2に示す本発明の実施の形態1に係る無線送信装置100および無線受信装置200と同じ構成要素(ブロック)については同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。
ここで、特許請求の範囲に記載の無線通信システムを構成する無線送信装置および無線受信装置における各手段と、図3に記載の各構成要素(ブロック)との関連を説明すると、無線手段Bは無線部301に、信号処理手段Bは信号処理部302に、検知手段Bは検知部103に、冷却手段Bは冷却ファン104にそれぞれ相当し、制御手段Bは、D/Aコンバータ105、A/Dコンバータ106、プロセッサ107およびメモリ108で構成され、無線手段Aは無線部351に、信号処理手段Aは信号処理部352に、検知手段Aは検知部203に、冷却手段Aは冷却ファン204にそれぞれ相当し、制御手段Aは、D/Aコンバータ205、A/Dコンバータ206、プロセッサ207およびメモリ208で構成される。
無線受信装置350の無線部351は、無線送信装置300の無線部301から送信された無線信号(無線情報)を受信すると、無線送信装置300に対して、動作の完了を知らせる信号であるACK(ACKnowledgement)信号を送信する。このACK信号には、無線受信装置350におけるPER情報などの無線受信状態の良否レベルを表す情報、すなわち、無線通信状態の良否レベルを表す通信状態情報を付与することができ、無線受信装置350における無線受信状態の良し悪しを無線送信装置300へ伝達することが可能である。
無線受信装置350においては、本発明の実施の形態1と同様にして、PER情報等の情報を基に、無線受信状態の良否レベルに応じて冷却ファン204の駆動電圧を制御する。
無線送信装置300においては、信号処理部302が、無線部301を介して無線受信装置350から受信したACK信号から、無線受信装置350における無線受信状態の通信状態情報を検知し、検知した通信状態情報をプロセッサ107へ送信する。
プロセッサ107は、メモリ108に格納されている通信状態情報と冷却ファン104の駆動電圧との関係を示したデータテーブル(相関テーブル)を基に、検知した通信状態情報から駆動電圧を算出し、算出した駆動電圧をD/Aコンバータ105に送信する。
D/Aコンバータ105は、プロセッサ107から受信した冷却ファン104の駆動電圧をアナログ信号に変換し、冷却ファン104へ給電する。
無線通信状態が良好なときには、無線送信装置300から送信する無線送信電力を低下させることなどが可能で、送信状態に余裕があるため、冷却ファン104の駆動電圧を下げても問題はない。逆に、無線通信状態が悪いときには、少しでも送信状態を良くしなければならないため、冷却ファン104の駆動電圧を上げて冷却ファン104の冷却能力を高めることにより、無線部301の動作状態を良化させる必要がある。
なお、無線送信装置300は、無線受信装置350からACK信号が返信されない、もしくは、NACK(Negative Acknowledgment)信号が返信された場合には、無線通信状態が悪いと判断し、冷却ファン104の駆動電圧を上げることにより、無線部301の動作状態を良化させる。
また、無線送信装置300における無線部301と信号処理部302、および無線受信装置350における無線部351と信号処理部352は、上述した機能に加えて、それぞれ、本発明の実施の形態1に係る無線送信装置100における無線部101と信号処理部102、および無線受信装置200における無線部201と信号処理部202、と同様の機能を備えている。
また、本発明の実施の形態2においては、無線送信装置300と無線受信装置350が1対1で構成される無線通信システムを例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えば、無線送信装置300と複数の無線受信装置350で構成される無線通信システムであってもかまわない。
以上のように制御することにより、無線受信装置350における無線受信状態の良否レベルを表す通信状態情報に応じて、無線受信装置350における冷却ファン204のみならず、無線送信装置300における冷却ファン104の冷却能力を制御することができるので、より一層無線通信における通信品質の維持・向上を図るとともに、消費電力や騒音の抑制を図ることが可能となる。
(実施の形態3)
次に、図4を用いて、本発明の実施の形態3に係る無線送信装置400の構成について説明する。なお、図4は、本発明の実施の形態3に係る無線送信装置の構成を示すブロック図である。
図4において、本発明の実施の形態3に係る無線送信装置400が図1に示す本発明の実施の形態1に係る無線送信装置100と異なる点は、プロセッサ107に替えて比較器401を備えている点であり、それ以外の構成要素(ブロック)については、無線送信装置100の構成要素と同じであるので、同じ符号を付し説明を省略する。
無線送信装置400は、本発明の実施の形態1および2と同様、無線送信電力、無線部101内のパワーアンプの制御電圧、もしくは、後述する無線受信装置500からのPER情報などの無線受信状態の良否レベルを表す通信状態情報が付加されたACK信号を基に、冷却ファン104の駆動電圧を制御する。
この際、検知部103は、所定の時刻毎に無線部101における無線通信状態の良否レベルを表す通信状態情報を検知信号として検知・取得し、その検知・取得した検知信号をA/Dコンバータ106に送信する。A/Dコンバータ106は、検知部103から受信した検知信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された検知信号は、比較器401を介して一旦メモリ108に保存される。
比較器401は、メモリ108に保存されている検知信号と、該検知信号の次のタイミング(次の所定の時刻)で検知された検知信号とを比較して、無線通信状態が良くなっているか/悪くなっているかを判断し、無線通信状態が良くなっていると判断した場合には、冷却ファン104の駆動電圧を所定量下げて出力し、逆に、無線通信状態が悪くなっていると判断した場合には、冷却ファン104の駆動電圧を所定量上げて出力する。なお、無線通信状態が良くも悪くもなっていないと判断した場合には、冷却ファン104の現在の駆動電圧を維持した状態で出力する。
比較器401から出力された冷却ファン104の駆動電圧は、D/Aコンバータ105でアナログ信号に変換された後、冷却ファン104に供給される。
次に、図5を用いて、本発明の実施の形態3に係る無線受信装置500の構成について説明する。なお、図5は、本発明の実施の形態3に係る無線受信装置の構成を示すブロック図である。
図5において、本発明の実施の形態3に係る無線受信装置500が図2に示す本発明の実施の形態1に係る無線受信装置200と異なる点は、プロセッサ207に替えて比較器501を備えている点であり、それ以外の構成要素(ブロック)については、無線受信装置200の構成要素と同じであるので、同じ符号を付し説明を省略する。
ここで、特許請求の範囲に記載の無線送信装置および無線受信装置における制御手段と、図4および図5に記載の各構成要素(ブロック)との関連を説明すると、制御手段Bは、D/Aコンバータ105、A/Dコンバータ106、比較器401およびメモリ108で構成され、制御手段または制御手段Aは、D/Aコンバータ205、A/Dコンバータ206、比較器501およびメモリ208で構成される。
無線受信装置500は、本発明の実施の形態1および2と同様に、信号処理部202よりRSSI、PER、あるいは受信増幅器の制御電圧などの無線受信状態の良否レベルを表す通信状態情報を検知信号として検知・取得し、その検知・取得した検知信号に基づいて冷却ファン204の駆動電圧を制御する。
この際、検知部203は、所定の時刻毎に信号処理部202における無線受信状態の良否レベルを表す通信状態情報を検知信号として検知・取得し、その検知・取得した検知信号をA/Dコンバータ206に送信する。A/Dコンバータ206は、検知部203から受信した検知信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された検知信号は、比較器501を介して一旦メモリ208に保存される。
比較器501は、メモリ208に保存されている検知信号と、該検知信号の次のタイミングで検知された検知信号とを比較して、無線受信状態が良くなっているか/悪くなっているかを判断し、無線受信状態が良くなっていると判断した場合には、冷却ファン204の駆動電圧を所定量下げて出力し、逆に、無線通信状態が悪くなっていると判断した場合には、冷却ファン204の駆動電圧を所定量上げて出力する。なお、無線受信状態が良くも悪くもなっていないと判断した場合には、冷却ファン204の現在の駆動電圧を維持した状態で出力する。
比較器501から出力された冷却ファン204の駆動電圧は、D/Aコンバータ205でアナログ信号に変換された後、冷却ファン204に供給される。
以上のように構成することにより、メモリ208において無線受信状態の良否レベルを表す検知信号と冷却ファン204の駆動電圧との相関テーブルを保持しなくても、簡単なデータの比較処理により、無線受信状態に対応した冷却ファン204による冷却制御を行うことが可能となる。
なお、本発明の実施の形態3においては、比較器401および501が、隣接するタイミングで検知された検知信号(通信状態情報)を比較する場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、複数離れたタイミング(所定の時刻)で検知された検知信号(通信状態情報)を比較するようにしてもかまわない。
また、本発明の実施の形態3においては、本発明の実施の形態1における無線送信装置100および無線受信装置200を基本にして、無線送信装置100および無線受信装置200におけるプロセッサ107および207の替わりに、それぞれ比較器401および501を備える場合を例に挙げて説明したが、本発明の実施の形態2における無線送信装置300および無線受信装置350を基本にして、無線送信装置300および無線受信装置350におけるプロセッサ107および207の替わりに、それぞれ比較器401および501を備える場合においても同様の効果を発揮できることは明らかである。
また、本発明の実施の形態1〜3においては、無線送信装置および無線受信装置における冷却手段を、冷却ファンを用いた空冷方式を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えば、水冷式の冷却手段を用いてもかまわない。
本発明に係る無線通信システムおよび無線受信装置は、無線通信における通信品質の維持・向上に活用することができる。
100 無線送信装置
101 無線部
102 信号処理部
103 検知部
104 冷却ファン
105 D/Aコンバータ
106 A/Dコンバータ
107 プロセッサ
108 メモリ
200 無線受信装置
201 無線部
202 信号処理部
203 検知部
204 冷却ファン
205 D/Aコンバータ
206 A/Dコンバータ
207 プロセッサ
208 メモリ
300 無線送信装置
301 無線部
302 信号処理部
350 無線受信装置
351 無線部
352 信号処理部
400 無線送信装置
401 比較器
500 無線受信装置
501 比較器
600 無線伝送装置
601 無線部
602 信号処理部
603 ファン
604 定電圧源
605 プロセッサ
606 メモリ

Claims (11)

  1. 無線送信装置と少なくとも1つの無線受信装置とで構成され、互いに無線通信を行う無線通信システムであって、
    前記無線受信装置は、
    前記無線送信装置から送信された無線情報を受信するとともに、前記無線送信装置に対して無線情報を送信する無線手段Aと、
    前記無線送信装置から送信された無線情報を前記無線手段Aから受け取って信号処理を行う信号処理手段Aと、
    前記無線送信装置との間の無線通信が良好な状態であるか否かを表す通信状態情報を、所定の時刻毎に検知する検知手段Aと、
    前記無線受信装置を構成する各手段の内、少なくとも前記無線手段Aを冷却する冷却手段Aと、
    前記検知手段Aが検知した前記通信状態情報に基づき、前記冷却手段Aの冷却能力を制御する制御手段Aと、
    を備えたことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記通信状態情報は、受信電力の大きさを表す情報、またはパケットエラーレートに関する情報、または前記無線手段Aにおける受信増幅器の増幅量をコントロールする電圧に関する情報であることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記制御手段Aは、前記通信状態情報と前記冷却手段Aの冷却能力に関する数値を関連付けた相関テーブルを保持し、前記相関テーブルに基づき、前記検知手段Aにおいて所定の時間毎に検知される前記通信状態情報から前記数値を算出し、算出した前記数値に基づいて前記冷却手段Aの冷却能力を制御することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  4. 前記制御手段Aは、前記検知手段Aにおいて所定の時刻毎に検知される前記通信状態情報を、少なくとも1つ前に検知された前記通信状態情報と比較して、通信状態が良化したか悪化したかを判断し、良化したと判断した場合には、前記冷却手段Aの冷却能力を所定量低下させるように制御し、悪化したと判断した場合には、前記冷却手段Aの冷却能力を所定量高めるように制御することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  5. 前記無線送信装置は、
    前記無線受信装置に対して無線送信を行うとともに、前記無線受信装置から送信された無線情報を受信する無線手段Bと、
    無線送信するための信号の処理を行って前記無線手段Bに渡すとともに、前記無線受信装置から送信された無線情報を前記無線手段Bから受け取って信号処理を行う信号処理手段Bと、
    前記無線手段Bから送信される無線送信電力に関する情報あるいは前記無線受信装置から受信した無線情報に含まれる前記通信状態情報を、所定の時刻毎に検知する検知手段Bと、
    前記無線送信装置を構成する各手段の内、少なくとも前記無線手段Bを冷却する冷却手段Bと、
    前記検知手段Bが検出した情報に基づき、前記冷却手段Bの冷却能力を制御する制御手段Bと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至4記載の無線通信システム。
  6. 前記制御手段Bは、前記無線送信電力に関する情報あるいは前記通信状態情報と、前記冷却手段Bの冷却能力に関する数値を関連付けた相関テーブルを保持し、前記相関テーブルに基づき、前記検知手段Bにおいて所定の時刻毎に検知される前記無線送信電力に関する情報あるいは前記通信状態情報から前記数値を算出し、算出した前記数値に基づいて前記冷却手段Bの冷却能力を制御することを特徴とする請求項5記載の無線通信システム。
  7. 前記制御手段Bは、前記検知手段Bにおいて所定の時刻毎に検知される前記無線送信電力に関する情報あるいは前記通信状態情報を、少なくとも1つ前に検知された前記通信状態情報と比較して、通信状態が良化したか悪化したかを判断し、良化したと判断した場合には、前記冷却手段Bの冷却能力を所定量低下させるように制御し、悪化したと判断した場合には、前記冷却手段Bの冷却能力を所定量高めるように制御することを特徴とする請求項5記載の無線通信システム。
  8. 無線送信装置から送信される無線情報を受信する無線受信装置であって、
    前記無線送信装置から送信された無線情報を受信する無線手段と、
    前記無線送信装置から送信された無線情報を前記無線手段から受け取って信号処理を行う信号処理手段と、
    前記無線送信装置との間の無線通信が良好な状態であるか否かを表す通信状態情報を、所定の時刻毎に検知する検知手段と、
    自装置を構成する各手段の内、少なくとも前記無線手段を冷却する冷却手段と、
    前記検知手段が検知した前記通信状態情報に基づき、前記冷却手段の冷却能力を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無線受信装置。
  9. 前記通信状態情報は、受信電力の大きさを表す情報、またはパケットエラーレートに関する情報、または前記無線手段における受信増幅器の増幅量をコントロールする電圧に関する情報であることを特徴とする請求項8記載の無線受信装置。
  10. 前記制御手段は、前記通信状態情報と前記冷却ファンの冷却能力に関する数値を関連付けた相関テーブルを保持し、前記相関テーブルに基づき、前記検知手段において所定の時刻毎に検知される前記通信状態情報から前記数値を算出し、算出した前記数値に基づいて前記冷却ファンの冷却能力を制御することを特徴とする請求項8記載の無線受信装置。
  11. 前記制御手段は、前記検知手段において所定の時刻毎に検知される前記通信状態情報を、少なくとも1つ前に検知された前記通信状態情報と比較して、通信状態が良化したか悪化したかを判断し、良化したと判断した場合には、前記冷却手段の冷却能力を所定量低下させるように制御し、悪化したと判断した場合には、前記冷却手段の冷却能力を所定量高めるように制御することを特徴とする請求項8記載の無線受信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011193152A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Fujitsu Ltd 無線端末及びデバイスの冷却方法
JP2020141215A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 シャープ株式会社 電子機器、端末、処理方法、温度上昇抑制システム、制御プログラム、および記憶媒体

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