JP2011085627A - 転写装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周面に凹部が設けられるとともに凹部を除く周面に第1弾性層が設けられた転写ローラーを用いて像担持体上に形成された像を記録媒体に転写する転写装置、および該装置を装備する画像形成装置において、上記課題を解決して、第1弾性層の厚みに拘わらず、転写ローラーの第1弾性層が像担持体から離間する際の負荷変動のばらつきを抑制して安定した転写画像を得る。
【解決手段】当接部材47の下流側外周面端部47cの形状は、回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1の変化量(=dR1/dθ)が一定値a2となるように形成されている。したがって、離間タイミングが異なったとしても、各離間タイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)は一定値となり、離間時点での二次転写ローラー4の速度変動のばらつきを抑制することができる。
【選択図】図7

Description

この発明は、像担持体上に形成された像を記録媒体に転写する転写装置、および該装置を装備する画像形成装置に関するものである。
紙などの記録媒体上に像形成する画像形成技術の分野においては、像を一時的に担持する中間転写ベルトなどの像担持体に二次転写ローラーを当接させて転写ニップを形成し、該転写ニップに記録媒体を通過させることで像を記録媒体に転写するように構成されたものがある。例えば、特許文献1に記載の液体現像方式の画像形成装置では、ドラム状の中間転写媒体にバックアップローラーを一定の荷重を加えて当接させ、こうして形成したニップに用紙を通過させて、中間転写媒体上のトナー像を用紙に加圧転写している。
特開2002−156839号公報(例えば、図1) 特開2000−238400号公報(例えば、図1) 特開2000−33686号公報(例えば、図1)
ところで、ニップにおいて記録媒体に加わる当接圧が高くなると、記録媒体が像担持体に貼り付くという問題が生じやすくなる。これを防止するために、孔版印刷装置で用いられている転写装置を用いることが提案されている。その理由は以下の通りである。
孔版印刷装置では、用紙の先端部を保持する用紙クランパを備えた圧胴が転写装置として設けられている。すなわち、製版されたマスタが巻き付けられた版胴に対し、圧胴(本発明の「転写ローラー」に相当)が定位置に位置決めされる。そして、この圧胴は用紙クランパにより用紙の先端部を把持しながらモーターなどの駆動部から与えられる駆動力により回転し、インキ印刷が行われる(例えば特許文献2参照)。このため、高粘度のインキを用いているにもかかわらず、印刷された用紙は版胴に張り付くことなく押付位置の下流側で版胴から良好に剥離される。そこで、二次転写ローラーを上記した圧胴と同様に構成する、つまり二次転写ローラーに対して記録媒体を把持する把持部を設けることが考えられる。このように構成された装置では、把持部で記録媒体の先端部(非画像部)を把持しながら二次転写ローラーを駆動することにより、ニップを通過した記録媒体を良好に中間転写ベルトから剥離することが可能となる。
しかしながら、この種の画像形成装置では、種々の厚みを有する記録媒体に画像を良好に転写するために、例えば二次転写ローラーを中間転写ベルトに向けて押圧して記録媒体を介して中間転写ベルトに定荷重で当接させて転写処理を行っている。したがって、特許文献2に記載の転写装置を転用する場合にも定荷重方式を採用する必要がある。また、二次転写ローラーの外周面に凹部を設けるとともに、当該凹部内に把持部を配設する必要がある。つまり、凹部が中間転写ベルトと対向している間、二次転写ローラーの外周面を中間転写ベルト表面から離間させた状態で記録媒体を把持する必要がある。
そこで、例えば特許文献3に記載されたベアラ(本願発明の「当接部材」に相当)を設けることが提案されている。より具体的には、ベアラを二次転写ローラーの回転軸端部に対して凹部に対応する位置にベアラを設けることで、凹部が中間転写ベルトと対向している間に二次転写ローラーを良好に支持することが可能となる。また、回転軸の方向から見たときにベアラの周端部が二次転写ローラーの周面と部分的にオーバーラップするようにベアラを設置することで当接期間と離間期間とが次のように切り替わる。すなわち、当接期間から離間期間に切り替わる間では、
(a)ベアラによる二次転写ローラーの支持が解除された支持解除状態、
(b)ベアラによる二次転写ローラーの支持と、中間転写ベルトへの二次転写ローラーの当接とが並存する状態、
(c)ベアラのみによる二次転写ローラーの支持状態、
が順番に切り替わっていく。
ところで、上記のように構成された二次転写ローラーを用いて中間転写ベルトなどの像担持体に形成された像を記録媒体に良好に転写するため、ゴムなどの弾性シート(本発明の「第1弾性層」に相当)を二次転写ローラーの周面のうち凹部を除く周面に装着することがある。この場合、弾性シートが中間転写ベルトに当接して転写ニップを形成し、当該転写ニップに記録媒体が通されて記録媒体への画像の転写が行われる。したがって、中間転写ベルトなどの像担持体との当接による弾性シートの摩耗などにより弾性シートが経時変化したり、弾性シートの個体差が生じるなどの要因により弾性シートの厚みが変動することがある。このように弾性シートの厚みが異なると、それに応じて二次転写ローラーの周面に設けられた弾性シートが中間転写ベルトから離間するタイミングが異なる。そして、後で図10(b)を参照しながら説明するように、各離間タイミングでベアラなどの当接部材により二次転写ローラーを支持している状態が互いに異なると、二次転写ローラーが中間転写ベルトから離間する際の負荷変動が異なってしまう。したがって、弾性シートの厚みによって二次転写ローラーの速度変動がばらつき、これによって記録媒体への安定的な像転写が阻害されることがあった。
この発明にかかるいくつかの態様は、周面に凹部が設けられるとともに凹部を除く周面に第1弾性層が設けられた転写ローラーを用いて像担持体上に形成された像を記録媒体に転写する転写装置、および該装置を装備する画像形成装置において、上記課題を解決して、第1弾性層の厚みに拘わらず、転写ローラーの第1弾性層が像担持体から離間する際の負荷変動のばらつきを抑制して安定した転写画像を得るための技術を提供するものである。
この発明にかかる転写装置の一態様は、像を担持する像担持体と、周面に凹部が設けられるとともに前記周面のうち前記凹部を除く周面に弾性層が配設され、前記像担持体に担持された前記像を記録媒体に転写する転写ローラーと、前記転写ローラーと前記像担持体とを押圧させる押圧部と、前記転写ローラーの軸方向で前記凹部に対応する位置に設けられて前記転写ローラーとともに回転する当接部材と、前記当接部材と当接して、前記当接部材を支持する支持部と、を備え、前記当接部材は、前記転写ローラーの弾性層が前記像担持体と離間する位置から前記転写ローラーの凹部が前記像担持体と対向する位置までの前記当接部材の回転方向の形状は、前記回転方向の単位回転角度当たりでの前記転写ローラーの回転中心から前記当接部材の前記支持部との当接部までの距離の変化量が一定もしくは略一定となるように構成されることを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成装置の一態様は、像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により形成された前記像を担持する像担持体と、周面に凹部が設けられるとともに前記周面のうち前記凹部を除く周面に弾性層が配設され、前記像担持体に担持された前記像を記録媒体に転写する転写ローラーと、前記転写ローラーと前記像担持体とを押圧させる押圧部と、前記転写ローラーの軸方向で前記凹部に対応する位置に設けられて前記転写ローラーとともに回転する当接部材と、前記当接部材と当接して、前記当接部材を支持する支持部と、を備え、前記当接部材は、前記転写ローラーの弾性層が前記像担持体と離間する位置から前記転写ローラーの凹部が前記像担持体と対向する位置までの前記当接部材の回転方向の形状は、前記回転方向の単位回転角度当たりでの前記転写ローラーの回転中心から前記当接部材の前記支持部との当接部までの距離の変化量が一定もしくは略一定となるように構成されることを特徴としている。
このように構成された発明(転写装置および画像形成装置)では、周面に凹部が設けられた転写ローラーは、押圧部により像担持体と押圧されながら回転する。また、転写ローラーの軸方向で凹部に対応する位置に当接部材が設けられて転写ローラーとともに上記転写ローラーの回転中心に回転する。この当接部材は支持部と当接して転写ローラーを支持する。しかも、転写ローラーの弾性層が像担持体と離間する位置から転写ローラーの凹部が像担持体と対向する位置までの当接部材の回転方向の形状は、回転方向の単位回転角度当たりでの転写ローラーの回転中心から当接部材の支持部との当接部までの距離の変化量が一定もしくは略一定となるように構成される。したがって、転写ローラーの弾性層の厚み変動によって転写ローラーの周面が像担持体から離間する離間タイミングが多少変動したとしても、支持部への当接部材の当接による転写ローラーの支持状態は一定あるいは略一定であり、転写ローラーが像担持体に当接する際の負荷変動は一定となる。その結果、転写ローラーの速度変動のばらつきを抑制して像担持体から記録媒体への画像転写を安定化することができる。
ここで、転写ローラーの弾性層は転写ローラーの凹部に配設された弾性層支持部で支持される。したがって、弾性層支持部に対して転写ローラーの弾性層を着脱することで当該弾性層を交換することができ、転写装置のメンテナンス性を高めることができる。
ところで、上記発明では、像担持体からの弾性層の離間タイミングに着目しているが、当接部材の当接部が、転写ローラーの弾性層と像担持体との間に記録媒体の先端部が進入する時にも支持部と当接するように当接部材が構成される場合には、像担持体への弾性層の当接タイミングは記録媒体の有無や厚みの影響を受ける。つまり、離間期間から当接期間に切り替わる間では、
(a′)当接部材のみによる像担持体の支持状態、
(b′)当接部材による転写ローラーの支持と、像担持体への転写ローラーの当接とが並存する状態、
(c′)当接部材による転写ローラーの支持が解除された支持解除状態
が順番に切り替わっていく。また、離間期間から当接期間に切り替わる際に、記録媒体が転写ローラーの弾性層と像担持体との間(つまり転写ニップ)に向けて搬送され、記録媒体の先端部が両者の間に進入する。ここで、例えば比較的肉厚の記録媒体が搬送されてくる場合、当接タイミングは比較的薄肉の記録媒体が搬送されてくる場合に比べて早くなる。また、記録媒体が搬送されてくる場合と、記録媒体が搬送されてこない場合とを比較しても当接タイミングは異なっている。そして、後で図12を参照しながら説明するように、各当接タイミングで当接部材により転写ローラーを支持している状態が互いに異なると、転写ローラーが像担持体に当接する際の負荷変動が異なってしまう。したがって、記録媒体の有無や厚みによって転写ローラーの速度変動がばらつき、これによって記録媒体への安定的な像転写が阻害されることがある。この課題をさらに解決するためには、例えば転写ローラーの凹部が像担持体と対向する位置から転写ローラーの弾性層と像担持体が当接するまでの位置に対応する当接部材の回転方向の形状は、回転方向の単位回転角度当たりでの転写ローラーの回転中心から当接部材の当接部までの距離の変化量が一定もしくは略一定となるように構成するのが望ましい。
このように構成した場合、記録媒体の有無や厚みによって転写ローラーの弾性体と像担持体との当接タイミング(記録媒体を介して当接する場合も含む)が多少変動したとしても、支持部への当接部材の当接による転写ローラーの支持状態は一定あるいは略一定であり、転写ローラーが像担持体に当接する際の負荷変動は一定となる。その結果、転写ローラーの速度変動のばらつきを抑制して像担持体から記録媒体への画像転写を安定化することができる。
また、当接部材の当接部に弾性層を設けてもよく、この弾性層の弾性力によって支持部への当接部材の当接時に発生する衝撃が弾性層の弾性力により吸収される。また、次のような作用効果も得られる。弾性層を設けた転写ローラーが像担持体に当接する間、弾性層により像担持体に負荷が加わるのに対し、凹部が像担持体に対向する間、当該負荷がなくなる。しかしながら、当接部材の当接部に弾性層を設けた場合、凹部が像担持体に対向する間、当接部材の弾性層が支持部と当接して別の負荷が像担持体に与えられる。このように、凹部が像担持体と対向する期間(対向期間)と対向しない期間(非対向期間)とで像担持体に加わる負荷との差を抑えることができ、転写の際に発生する負荷変動をさらに抑制することができる。
さらに、凹部が像担持体と対向する時の回転中心から当接部材の当接部までの距離は、任意であるが、例えば転写ローラーが像担持体と当接する時の回転中心から当接部までの距離よりも短くなるように構成してもよい。
本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図。 図1の装置の電気的構成を示すブロック図。 二次転写ローラーの全体構成を示す斜視図。 図3の二次転写ローラーの部分拡大斜視図。 図1の画像形成装置の動作を模式的に示す第1の図。 図1の画像形成装置の動作を模式的に示す第2の図。 この実施形態における当接部材の外周面の形状を示す図。 二次転写ローラーの回転中心と中間転写ベルトとの距離を示す図。 二次転写ローラーの回転中心と中間転写ベルトとの距離の変化態様を示す図。 離間タイミングに対して弾性層の厚みが及ぼす影響を示す図。 記録媒体の有無や厚みに応じたニップ開始状態を模式的に示す図。 比較例におけるニップ開始状態を模式的に示す図。 二次転写ローラーの離間タイミングにおけるトルクの変化を示す図。 比較例におけるトルクの変化を示す図。 本発明にかかる画像形成装置の他の実施形態を示す図。 本発明にかかる画像形成装置の別の実施形態を示す図。
図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、互いに異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。そして、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能となっている。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するコントローラー10に与えられると、このコントローラー10が装置各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシート状の記録媒体RMに画像形成指令に対応する画像を形成する。このように本実施形態では、画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kが本発明の「画像形成部」に相当している。
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される、感光体ドラム21が設けられている。各感光体ドラム21は、その回転軸が主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように配置されており、図1中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。
各感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21表面を所定の電位に帯電させるコロナ帯電器である帯電器22と、感光体ドラム21表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成する露光ユニット23と、該静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニット(現像部)24と、第1スクイーズ部25と、第2スクイーズ部26と、該トナー像を転写ユニット3の中間転写ベルト31に一次転写する一次転写部27と、転写後の感光体ドラム21の表面をクリーニングするクリーニングユニットと、クリーナブレードとが、それぞれこれらの順に感光体ドラム21の回転方向D21(図1では、時計回り)に沿って配設されている。
帯電器22は感光体ドラム21の表面に接触しないものであり、この帯電器22には、従来周知慣用のコロナ帯電器を用いることができる。コロナ帯電器にスコロトロン帯電器を用いた場合には、スコロトロン帯電器のチャージワイヤには正のワイヤ電流が流されるとともに、グリッドには直流(DC)のグリッド帯電バイアスが印加される。帯電器22によるコロナ放電で感光体ドラム21が帯電されることで、感光体ドラム21の表面の電位が略均一の電位に設定される。
露光ユニット23は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームにより感光体ドラム21表面を露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。この露光ユニット23としては、半導体レーザからの光ビームをポリゴンミラーにより走査させるもの、あるいは発光素子を主走査方向に配列したラインヘッド等により構成することができる。
こうして形成された静電潜像に対して現像ユニット24からトナーが付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。なお、この画像形成装置1の現像ユニット24では、キャリア液内にトナーを概略重量比20%程度に分散させた液体現像剤を用いてトナー現像が行われる。この実施形態では、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)をキャリア液とした低濃度(1〜2wt%)かつ低粘度の常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性樹脂中へ顔料などの着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形粒子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤が用いられる。
感光体ドラム21の回転方向D21において現像位置の下流側に、第1スクイーズ部25が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部25の下流側に第2スクイーズ部26が配置されている。これらのスクイーズ部25、26にはスクイーズローラーがそれぞれ設けられている。そして、各スクイーズローラーが感光体ドラム21の表面と当接してトナー像の余剰キャリア液やカブリトナーを除去する。なお、本実施形態では2つのスクイーズ部25、26により余剰キャリア液やカブリトナーを除去しているが、スクイーズ部の個数や配置などはこれに限定されるものではなく、例えば1個のスクイーズ部を配置してもよい。
スクイーズ部25、26を通過してきたトナー像は一次転写部27により中間転写ベルト31に一次転写される。この中間転写ベルト31は、その表面、より詳しくはその外周面にトナー像を一時的に担持可能な像担持体としての無端状ベルトであり、複数のローラー32、33に掛け渡されている。このうちローラー32はベルト駆動モーターM3に機械的に接続されて、中間転写ベルト31を図1の矢印方向D31に周回駆動するベルト駆動ローラーとして機能している。図2に示すように、本実施形態ではベルト駆動モーターM3を駆動させるためにドライバー11が設けられており、ドライバー11は、コントローラー10から与えられる指令パルスに応じた駆動信号をベルト駆動モーターM3に出力する。これにより、ベルト駆動ローラー32は指令パルスに対応する回転数で回転し、中間転写ベルト31の表面は一定の速度V3で方向D31に周回移動する。なお、図2中の符号E3はベルト駆動モーターM3に取り付けられたエンコーダーであり、ベルト駆動モーターM3の回転に対応する信号をドライバー11に与え、これを受け取ったドライバー11は上記信号に基づきベルト駆動モーターM3をフィードバック制御する。
詳しくは後述するが、中間転写ベルト31を掛け渡されたローラー32、33のうち、モーターにより駆動されるのは上記したベルト駆動ローラー32のみであり、他のローラー33は駆動源を有しない従動ローラーである。この従動ローラー33は、その回転軸がバネ331によって弾性的に支持されて中間転写ベルト31の張力を調整するテンションローラーである。より詳しくは、テンションローラー33の回転軸は、略水平方向に伸縮自在のバネ331によって弾性的に支持されており、これにより、テンションローラー33は、中間転写ベルト31を巻き掛けられた状態で略水平方向に所定量移動自在となっている。なお、中間転写ベルト31に対して掛け渡されるローラーの個数は「2」に限定されるものではなく、3つ以上のローラーに中間転写ベルト31を掛け渡してもよく、この場合も上記と同様に駆動ローラー32以外のローラーは従動ローラーとなっている。
一次転写部27はバックアップローラー271と巻き掛けローラー272とを有している。このバックアップローラー271は一次転写位置TR1で中間転写ベルト31を挟んで感光体ドラム21と対向して配設されており、中間転写ベルト31を介して感光体ドラム21と当接している。また、ベルト移動方向D31における当接位置の下流側に巻き掛けローラー272が設けられており、中間転写ベルト31を感光体ドラム21側に押し遣ってバックアップローラー271の下流側に巻き掛け部を形成している。さらに、バックアップローラー271に対して一次転写バイアス印加部(図示省略)が電気的に接続されており、所定の一次転写バイアスを印加して感光体ドラム21上のトナー像を中間転写ベルト31に転写する。そして、各色の一次転写部27でトナー像の転写が実行されることで、感光体ドラム21上の各色のトナー像が中間転写ベルト31上に順次重ね合わされ、フルカラーのトナー像が形成される。このように、本実施形態では、上記のように構成された中間転写ベルト31が本発明の「像担持体」に相当している。
こうして中間転写ベルト31に転写されたトナー像は図1に示すように二次転写位置TR2に搬送される。この二次転写位置TR2では、本発明にかかる転写装置が配置されている。すなわち、転写装置(本発明の「転写部」に相当)の二次転写ローラー4が転写ユニット3の駆動ローラー32に巻き掛けられた中間転写ベルト31を挟んで対向して配設されている。また、二次転写ローラー4の回転軸421は、例えばコイルバネのような弾性部材である押圧部45によって弾性的に、かつ中間転写ベルト31に対して近接・離間移動自在に支持されている。
そして、二次転写位置TR2で、中間転写ベルト31上に形成された単色、あるいは複数色のトナー像が一対のゲートローラー51、51から搬送経路PTに沿って搬送される記録媒体RMに転写される。なお、この実施形態では、液体現像剤を用いてトナー像を形成する湿式現像方式でトナー像を形成しているため、後で詳述するように把持部を有する二次転写ローラー4が用いられている。
トナー像が二次転写された記録媒体RMは二次転写ローラー4から搬送経路PTに沿って搬送機構6に送り込まれる。この搬送機構6では、第1吸引部61、転写材搬送部62、第2吸引部63が搬送経路PTに沿って順次配列されており、これらが協力して記録媒体RMを定着ユニット7に搬送する。
また、トナー像が二次転写された記録媒体RMを上記搬送機構6に送り込む際に、第1吸引部61に記録媒体RMを確実に送り込むとともに、画像の汚損を防止するために、本実施形態では、二次転写位置TR2と第1吸引部61の間で二次転写ローラー4と対向するように送風ユニット9が配置されている。この送風ユニット9では、気流発生部91の動作に伴い発生する筺体部92の開口部93からのエアーを白抜き矢印に示すように吐出することで、二次転写ローラー4(後で説明する把持部44)による把持から解放された記録媒体RMの先端部にエアーが吹き付けられて同先端部を突き出し爪(図示省略)により二次転写ローラー4から離れる方向に押し付けられる。こうして、記録媒体RMの先端部は第1吸引部61の方へ送り込まれる。また、記録媒体RMへのエアーの吹き付けによって、記録媒体RMの後端部が二次転写位置TR2から排出された時に同後端部が中間転写ベルト31等に触れて画像が汚損されることを防ぐことができる。なお、弾性復元力が小さく腰の弱い記録媒体RMの場合には、送風ユニット9によるエアー吹き付けを省略することもできる。
さらに、搬送経路PTの下流側、つまり搬送機構6に対して二次転写ローラー4の反対側(図1の左手側)には、定着ユニット7が配設されており、記録媒体RMに転写された単色、あるいは複数色のトナー像に、熱や圧力などが加えられて記録媒体RMへのトナー像の定着が行われる。
図3は二次転写ローラーの全体構成を示す斜視図である。また、図4は図3の二次転写ローラーの部分拡大斜視図であり、同図(a)は弾性層の一方端部を固定する固定部を示し、また同図(b)は弾性層を張架する張架部を示している。なお、図4では、固定部および張架部の構成を明示するために当接部材を取り外した様子が図示されている。
図1および図3に示すように、二次転写ローラー4は、円筒の外周面の一部を切り欠いてなる凹部41が設けられたローラー基材42を有している。このローラー基材42では、回転軸421の回転中心4210に方向D4に回転自在の回転軸421が駆動ローラー32の回転軸と平行または略平行となるように配置されるとともに、押圧部45により駆動ローラー32側に付勢されて所定の荷重(この実施形態では60kgf)が付加されている。また、当該回転軸421の両端部には、側板422、422がそれぞれ取り付けられている。より詳しくは、これらの側板422、422はいずれも円盤形状の金属プレートに対して切欠部422aを設けた形状を有している。そして、図3に示すように切欠部422a、422aが互いに対向しながら中間転写ベルト31の幅よりも少し長い距離だけ離間して回転軸421に取り付けられている。こうして、全体的にはドラム形状を有するものの、その外周面の一部に回転軸421と平行または略平行に延びる凹部41を有する、ローラー基材42が形成されている。
また、ローラー基材42の外周面、つまり金属プレート表面のうち凹部41の内部に相当する領域を除く表面領域にゴムや樹脂などの弾性材料により形成された弾性シートが巻き付けられており、この弾性シートにより弾性層43が形成されている。この実施形態では、弾性シート(弾性層43)の磨耗や傷などの経時劣化に対応するため、弾性シートは二次転写ローラー4に接着されておらず、交換が可能な構成を採用している。より具体的には、図4(a)に示すように、凹部41の一方内側面41aにシート固定部48となっている。このシート固定部48は押さえ板481を有しており、当該押さえ板481と二次転写ローラー4とで弾性シートの一方端部を挟み込んだ状態で押さえ板481が二次転写ローラー4に対してネジ482により締結される。これによって、弾性シートの一方端部が二次転写ローラー4に固定される。また、弾性シートの中央部が二次転写ローラー4の外周面に沿って巻き掛けられた状態で弾性シートの他方端部がシート張架部49により回転方向D4と反対の方向に張架されながら二次転写ローラー4に取り付けられる。このシート張架部49は図3に示すように弾性シートの幅方向(回転軸421の軸方向と平行な方向)の各端部にそれぞれ配置されている。各シート張架部49では、弾性シートの端に取り付けられたプレート491を側板492のスライド部に挿入し、止め板493を取り付けた後、締め付けネジ494を所定のトルクで締めることで、弾性シートをたるみ無く二次転写ローラー4の外周面に巻き付けて弾性層43を形成する。この弾性層43は駆動ローラー32に巻き掛けられた中間転写ベルト31と対向して転写ニップNPを形成する。
また、凹部41の内部には、記録媒体RMを把持するための把持部44が配設されている。この把持部44は、凹部41の内底部からローラー基材42の外周面に立設されたグリッパ支持部材441と、グリッパ支持部材441の先端部に対して接離自在に支持されたグリッパ部材442とを有している。また、グリッパ部材442はグリッパ駆動部(図示省略)と接続されている。そして、コントローラー10からのアングリップ指令を受けてグリッパ駆動部が作動することでグリッパ部材442の先端部がグリッパ支持部材441の先端部から離間して記録媒体RMの把持準備や把持開放を行う。一方、コントローラー10からのグリップ指令を受けてグリッパ駆動部が作動することでグリッパ部材442の先端部がグリッパ支持部材441の先端部に移動して記録媒体RMを把持する。なお、把持部44の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、従来より公知の把持機構を採用することができる。
二次転写ローラー4の両端部では、各側板422の外側面に支持部材46が取り付けられており、ローラー基材42と一体的に回転可能となっている。また、支持部材46には凹部41に対応して平面領域461が形成されている。そして、平面領域461に転写ローラー側当接部材47がそれぞれ取り付けられている。当接部材47では、基台部位471が支持部材46に取り付けられるとともに、基台部位471から当接部位472が平面領域461の法線方向に延設されており、当接部位472の先端部は凹部41の開口側端部まで延びている。つまり、回転軸421の方向から当接部材47を見ると、当接部材47が凹部41を塞ぐように、また当接部位472の周端部が二次転写ローラー4の周面(弾性層43)と部分的にオーバーラップするように当接部材47は回転軸421の軸心を回転中心4210として回転自在に設けられている。
また、後述するように、中間転写ベルト31を巻き掛けた駆動ローラー32の両端部には、駆動ローラー32と同軸でかつ駆動ローラー32と独立して回転自在のベアリング322(図7、図8参照)が設けられている。この実施形態では、各ベアリング322の直径は、{(駆動ローラー32の直径)+(中間転写ベルト31の厚み)×2}に設定されており、駆動ローラー32の回転軸の方向から見ると、例えば後で説明する図7に示すように駆動ローラー32に巻き掛けられた中間転写ベルト31がベアリング322に重なっている。そして、二次転写ローラー4の当接部材47が駆動ローラー32側に向いているときには、当接部材47の外周面とベアリング322の外周面とが互いに当接することにより、押圧部45の付勢力に抗して二次転写ローラー4の回転中心4210と中間転写ベルト31との距離R1を規定している。このように本実施形態では、ベアリング322が本発明の「支持部」として機能している。
なお、この実施形態では、ローラー基材42の回転方向D4に沿った凹部41の開口部長さ(開口幅)W41は約105mmである。二次転写ローラー4の外周面のうち凹部41を除く領域に形成された弾性層43が中間転写ベルト31に対向する位置にあるとき、弾性層43が中間転写ベルト31に押し付けられて転写ニップNPが形成される。ローラー基材42の回転方向D4に沿った転写ニップNPの長さ(転写ニップ幅)Wnpは11mm程度であり、
(凹部41の開口幅W41)>(転写ニップNPでの転写ニップ幅Wnp)
の関係を有している。したがって、二次転写ローラー4の凹部41が中間転写ベルト31と対向した状態では、一時的に転写ニップが消失することになる。
また、ローラー基材42の回転方向D4に沿った弾性層43の長さは約495mmに設定されており、これは、この装置1において使用可能な記録媒体RMのうち最も大きなサイズのものを巻き付けることができるようにしたものである。すなわち、弾性層43の長さは、使用可能な記録紙(記録媒体RM)のうちローラー基材42の回転方向D4に沿った長さが最大であるものの長さよりも長くなるように定められている。
二次転写ローラー4の回転軸421に対して転写ローラー駆動モーターM4が機械的に接続されている。また、本実施形態では、図2に示すように転写ローラー駆動モーターM4を駆動させるためにドライバー12が設けられている。ドライバー12は、コントローラー10から与えられる指令に応じてモーターM4を駆動して二次転写ローラー4を図1紙面において時計回りの方向D4、つまりベルト移動方向D31に対しウィズ方向に回転駆動する。また、二次転写ローラー4とともに当接部材47も回転中心4210に回転方向D4に回転する。
本実施形態では、ドライバー12はコントローラー10から与えられる指令パルスに応じた駆動信号をモーターM4に出力する。これにより、転写ローラは指令パルスに対応する回転数で回転する。
なお、図2中の符号E4は転写ローラー駆動モーターM4に取り付けられたエンコーダーであり、転写ローラー駆動モーターM4の回転に対応する信号をドライバー12に与え、これを受け取ったドライバー12は上記信号に基づき当該モーターM4をフィードバック制御する。また、符号8は二次転写ローラー4の回転軸421の一方端部に連結された位相検出センサーであり、コントローラー10はこの位相検出センサー8の出力に基づき記録媒体RMが転写ニップNPを通過するタイミングを把握することが可能となっている。
図5および図6は図1の画像形成装置の動作を模式的に示す図である。上記のように構成された画像形成装置1の動作について図5および図6を参照しつつ説明する。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置からカラー画像を形成する旨の画像形成指令がコントローラー10に与えられると、このコントローラー10は図示を省略するメモリー内に記憶されているプログラムにしたがって装置各部を制御する。まず、ベルト駆動モーターM3および転写ローラー駆動モーターM4が作動して中間転写ベルト31および二次転写ローラー4をそれぞれ駆動する。
そして、二次転写ローラー4に設けられた位相検出センサー8(図2)は、二次転写位置TR2において中間転写ベルト31に対向する二次転写ローラー4表面が弾性層43を有する円筒状の周面から凹部41に切り替わるとき、および、凹部41から弾性層43に切り替わるときのそれぞれに、一時的にHレベルの信号を出力する。すなわち、位相検出センサー8では、図5および図6に示すように、二次転写ローラー4の回転軸421に対して円盤状のスリット板81が接続されて回転軸421とともに回転する。また、スリット板81には、2箇所にスリット811、812が形成されている。これらのうちスリット811はニップ解消位置、つまり弾性層43が中間転写ベルト31から離れる位置を検出するためのものであるのに対し、スリット812はニップ開始位置、つまり弾性層43が中間転写ベルト31に当接し始めて転写ニップNPが形成される位置を検出するためのものである。また、位相検出センサー8では、これらのスリット811、812を検出するためのセンサー素子82が固定配置されており、センサー素子82の検出範囲にスリット811、812が位置するたびにセンサー素子82からコントローラー10に出力される信号のレベルがLレベルからHレベルに変化してニップ解消位置およびニップ開始位置をそれぞれ検出可能となっている。したがって、センサー素子82の検出範囲にスリット812が位置することで転写ニップNPへの記録媒体RMの通過開始が検出される。
所定タイミングで位相検出センサー8の出力が変化し、二次転写位置TR2で二次転写ローラー4が凹部41から弾性層43に変化して転写ニップNPが形成されるとき、当該タイミングを露光開始起点とし、各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kでトナー像を形成し、中間転写ベルト31の表面にトナー像を一次転写していく。つまり、上記タイミングから所定時間が経過すると、コントローラー10からの各種信号に基づき画像形成ステーション2Yで露光ユニット23による潜像形成が開始され、イエロートナーによるトナー像が形成される。また、イエロー用露光が開始された後でマゼンタ用露光が開始され、またマゼンタ用露光開始後でシアン用露光が開始され、またシアン用露光開始後でブラック用露光が開始される。こうして、各色のトナー像が形成されるとともに、中間転写ベルト31上に順次重ね合わされ、フルカラーのトナー像TIが中間転写ベルト31の表面上に形成される。
こうして各色のトナー像を形成している間に、二次転写ローラー4は回転方向D4にさらに回転し、いったん解消された転写ニップNPが再び形成される。このタイミングから所定時間が経過すると、コントローラー10はゲートローラー51に接続されたゲートローラー駆動モーター(図示省略)を制御するドライバー(図示省略)に指令パルスを入力してゲートローラー駆動モーターを作動させる。これにより二次転写位置TR2への記録媒体RMの搬送が開始される(図5(a))。
また、二次転写位置TR2で二次転写ローラー4が凹部41に変化して転写ニップが解消されると、センサー素子82の検出範囲にスリット811が位置してセンサー素子82からコントローラー10に出力される信号のレベルがLレベルからHレベルに変化する。この信号を受けてコントローラー10は指令パルスをドライバー12に与える。これにより、二次転写ローラー4が回転方向D4に回転して、所定の記録紙把持位置(図5(b))に移動する。また、グリッパ部材442の先端部がグリッパ支持部材441の先端部から離間させられて記録媒体RMの把持準備が完了する。そして、ゲートローラー51により送られてくる記録媒体RMの先端がグリッパ部材442とグリッパ支持部材441との間に進入し、紙銜え動作が開始される。
コントローラー10はグリッパ駆動部(図示省略)に把持指令を与える。この把持指令を受けてグリッパ駆動部が作動してグリッパ部材442の先端部をグリッパ支持部材441の先端部に移動させる。これによって、記録媒体RMの先端が把持され、「紙銜え動作」が完了する(図5(c))。なお、この「紙銜え動作」の完了時点では、図5(c)に示すようにトナー像TIは中間転写ベルト31表面の移動方向D31における二次転写位置TR2の上流側に位置している。
こうして記録媒体RMはその先端を把持部44により把持されたまま二次転写ローラー4とともに回転方向D4に搬送される。そして、二次転写ローラー4表面の弾性層43が二次転写位置TR2に到達し転写ニップNPが形成開始されるタイミングでは、図5(d)に示すように、センサー素子82の検出範囲にスリット812が位置してセンサー素子82からコントローラー10に出力される信号のレベルがLレベルからHレベルに変化する。
そして、二次転写ローラー4と中間転写ベルト31とで形成される転写ニップNPに記録媒体RMの先端部が挟持され、これらの回転に伴って搬送される。これにより中間転写ベルト31に形成されたトナー像TIの記録媒体RMの下面(表面)への二次転写が開始される(図5(d))。
さらに、二次転写ローラー4は回転方向D4に回転し、それに伴って記録媒体RMは先端を把持部44で保持された状態のまま転写ニップNPの間を通過してトナー像TIの二次転写が進行していく(図6(a))。そして、把持部44が搬送機構6の近傍位置まで移動してくると、この把持部44に保持されている記録紙先端部は中間転写ベルト31から十分に分離されて搬送機構6の搬送入り口まで搬送されてきている。図6(b)に示すように、把持部44が搬送機構6の上流側端部の近傍に移動してきたタイミングでコントローラー10はグリッパ駆動部にリリース指令を与え、グリッパ部材442の先端部をグリッパ支持部材441の先端部から離間させて記録媒体RMの把持を解除する。これにより記録媒体RMの先端部は、中間転写ベルト31表面に貼り付くことなく確実に搬送機構6に送り込まれる。そして、搬送機構6の後方に配置された定着ユニット7によりカラートナー像TIの記録媒体RMへの定着が行われる。なお、リリース後については、記録媒体RMの先端側は搬送経路PTに沿って定着ユニット側に搬送されるとともに、記録媒体RMの後端側は転写ニップNPで二次転写ローラー4の弾性層43と中間転写ベルト31とで挟持搬送されながら二次転写処理が実行される。
上記した動作を実行する画像形成装置1においては、二次転写ローラー4がその周面の一部を切り欠いた形状を有しているため、その回転に伴って転写ニップNPが周期的に形成されたり一時的に解消されたりする。より具体的には、凹部41が駆動ローラー32と対向してニップNPが形成されていない時には、当接部材47の外周面がベアリング322の外周面に当接して二次転写ローラー4を支持して二次転写ローラー4の回転中心4210と中間転写ベルト31との距離を規定している。そして、上記したように弾性層(弾性シート)43が中間転写ベルト31に当接して転写ニップNPを形成し、当該転写ニップNPに記録媒体RMが通されて記録媒体RMへのトナー像TIの二次転写が行われる。したがって、中間転写ベルト31との当接による弾性層43の摩耗などによる弾性層43の経時変化、弾性層43を構成する弾性シートの個体差などに起因して弾性層43の厚みが変動することがある。このように弾性層43の厚みが異なると、それに応じて二次転写ローラー4の周面に設けられた弾性層43が中間転写ベルト31から離間するタイミングが異なる。そして、各離間タイミングで当接部材47により二次転写ローラー4を支持している状態が互いに異なると、二次転写ローラー4が中間転写ベルト31から離間する際の負荷変動が異なってしまい、その結果として二次転写ローラー4の速度変動のばらつきによって記録媒体RMへの安定的な像転写が阻害されることがあった。
そこで、本実施形態では、当接部材47の周面形状を工夫することにより、弾性層43の厚みによる二次転写ローラー4の速度変動のばらつきを抑制するようにしている。以下、図7ないし図12を参照しつつ当接部材47の周面形状および該周面形状を採用したことによる作用効果について詳述する。
図7はこの実施形態における当接部材の外周面の形状を示す図である。凹部41が駆動ローラー32と対向している時に二次転写ローラー4の回転中心4210と中間転写ベルト31との距離を単に一定に保つという目的のためには、図7に破線で示すように、当接部材47の外周面が二次転写ローラー4の回転中心4210を中心とする円弧をなすようにすればよい。これに対し、本実施形態では、当接部材47の外周面中央部47aについては二次転写ローラー4の回転中心4210を中心とする円弧形状とする一方、その端部47b、47cについては次の関係を満足する形状に形成されている。つまり、当接部材47および二次転写ローラー4の回転方向D4において上流側に位置する外周面端部47bについては、回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1の変化量(=dR1/dθ)が一定値a1となるように仕上げられている。また、下流側に位置する外周面端部47cについては、距離R1の変化量(=dR1/dθ)が一定値a2となるように仕上げられている。なお、理解を助けるため、図7では上記変化量(=dR1/dθ)が明瞭となるように誇張して記載している。このような形状とする理由について以下に説明する。
図8は二次転写ローラーの回転中心と中間転写ベルトとの距離を示す図である。また、図9は二次転写ローラーの回転中心と中間転写ベルトとの距離の変化態様を示す図である。この実施形態では、押圧部45により二次転写ローラー4の回転軸421を中間転写ベルト31に対し離当接自在に支持しているため、二次転写ローラー4の回転中心4210と中間転写ベルト31との距離は一定でなく、二次転写ローラー4の回転に応じて周期的に変動している。まず、二次転写ローラー4の弾性層43が中間転写ベルト31に圧接されて転写ニップNPを形成しているとき、図8(a)に示すように、二次転写ローラー4の回転中心4210と中間転写ベルト31との距離R0は、二次転写ローラー4の本来の半径Rr、つまり回転中心4210から弾性層43の表面までの距離Rsとほぼ等しいものとなる。この実施形態では、二次転写ローラー4の半径Rrは95mmに設定されており、二次転写ローラー4の回転中心4210から弾性層43までの距離は図9の太実線で示すように凹部41以外で半径Rr(=95mm)であり、凹部41の両端部(θ=5(deg)、68(deg))で急激に短くなっている。
一方、凹部41が駆動ローラー32と対向して転写ニップNPが解消された状態では、二次転写ローラー4に取り付けられた当接部材47と、駆動ローラー32に取り付けられたベアリング322とがそれぞれの外周面で互いに当接し、これによって二次転写ローラー4の回転中心4210と中間転写ベルト31との距離が規定される。このときの距離は、当接部材47およびベアリング322の形状によって定まるが、ベアリング322は円盤状であるため、実質的には当接部材47の外周形状によって、二次転写ローラー4の回転中心4210と中間転写ベルト31との距離が決まる。
ここで、図8(b)に示すように、二次転写ローラー4の回転中心4210と駆動ローラー32の回転軸321とを結ぶ仮想直線(同図中の2点鎖線)上に当接部材47の下流側端が位置した時の二次転写ローラー4の回転角度をゼロ(deg)とする。そして、二次転写ローラー4と当接部材47が一体的に73(deg)だけ回転すると、上記仮想直線上に当接部材47の上流側端が位置する。この回転角度範囲(0〜73(deg))のうち角度0〜θ1の角度範囲AR1は当接部材47の下流側外周面端部47cに相当するものであり、角度θ1〜θ2の角度範囲AR2は当接部材47の外周面中央部47aに相当するものであり、角度θ2〜73(deg)の角度範囲AR3は当接部材47の上流側外周面端部47bに相当するものである。そして、各角度範囲AR1〜AR3では、次のように中間転写ベルト31に対して二次転写ローラー4が離当接する。なお、二次転写ローラー4の回転中心4210から当接部材47の外周面までの距離R1が次に説明するように角度θに応じて変化するように当接部材47の外周面が形成されているが、図9中では角度θに対する距離R1の変化を1点鎖線で示している。
角度範囲AR1
角度=0(deg)では、回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1は二次転写ローラー4の半径Rr(本実施形態では95mm)よりも短くなっている。したがって、二次転写ローラー4の弾性層43が中間転写ベルト31に当接して転写ニップNPが形成されているのに対し、当接部材47の下流側外周面端部47cがベアリング322から離間している。そして、角度θの増大にしたがって比例定数a2で長くなっていき、所定角度(本実施形態では、約3.8(deg))で二次転写ローラー4の半径Rrと一致する。この時点で当接部材47の下流側外周面端部47cがベアリング322に当接する。さらに、二次転写ローラー4および当接部材47が回転方向D4に回転すると、凹部41が中間転写ベルト31と対向するようになるとともに距離R1は角度θの増大にしたがって比例的に長くなり、角度θaとなった時点では、距離R1は二次転写ローラー4の半径Rrよりも約0.4mmだけ長くなり、二次転写ローラー4は当接部材47により支持されながら中間転写ベルト31から0.4mmだけ上方に離間する。このように、本実施形態では、当接部材47の下流側外周面端部47cの形状は、回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1の変化量(=dR1/dθ)が一定値a2となるように形成されている。なお、弾性層43として、回転中心4210から弾性層43の表面までの距離Rsが基準値(95.00mm)となるように予め設定された基準厚みを有するものを用いたとき、本実施形態では角度θ=3.8(deg)の離間タイミングで二次転写ローラー4が中間転写ベルト31から離間し始め、そのタイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)は約0.16であった。
角度範囲AR2
この角度範囲AR2では、図9に示すように、距離R1が一定値(95.4mm)に維持される。つまり、本実施形態では、当接部材47の外周面中央部47aの形状は回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1の変化量(=dR1/dθ)がゼロとなるように形成されている。したがって、当該角度範囲AR2においては、二次転写ローラー4は当接部材47により支持されながら中間転写ベルト31から0.4mmだけ上方に浮いた状態で当接部材47とともに回転軸421の軸心を回転中心4210として回転される。
角度範囲AR3
二次転写ローラー4の回転角度θが所定角度θbに達すると、角度θが増大するにしたがって比例定数a1で距離R1が短くなる。つまり、角度θ=θb時点では図9に示すように距離R1は二次転写ローラー4の半径Rrよりも0.4mmだけ長く、当接部材47の上流側外周面端部47bがベアリング322に当接して二次転写ローラー4を支持して二次転写ローラー4は中間転写ベルト31から0.4mmだけ上方に離間している。そして、二次転写ローラー4および当接部材47が回転方向D4に回転すると、角度θの増大にしたがって距離R1が短くなり、所定角度(本実施形態では、約69(deg))で二次転写ローラー4の半径Rrと一致する。この時点で当接部材47の上流側外周面端部47bがベアリング322に当接し始める。さらに、二次転写ローラー4および当接部材47が回転方向D4に回転すると、凹部41が中間転写ベルト31から離れるとともに距離R1が角度θの増大にしたがって比例的に短くなり、二次転写ローラー4の弾性層43が中間転写ベルト31と当接して転写ニップNPを形成し始める。一方、距離R1は二次転写ローラー4の半径Rrよりも短くなり、当接部材47はベアリング322から離間する。このように、本実施形態では、当接部材47の上流側外周面端部47bの形状は、回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1の変化量(=dR1/dθ)が一定値a1となるように形成されている。このように記録媒体RMが搬送されない状態(紙なし時)では、本実施形態では角度θ=69(deg)の当接タイミングで二次転写ローラー4が中間転写ベルト31に当接し始め、そのタイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)は約−0.20であった。
ところで、経時変化によって弾性層43の厚みが減少したり、新たに交換された弾性層43が基準厚みよりも厚いものであると、上記離間タイミングは弾性層43の厚みに応じて異なる。例えば図10(a)に示すように、基準厚みを有する弾性層43が形成された場合(同図中の太実線)、基準よりも厚い弾性層43が形成された場合(同図中の太点線)並びに基準よりも薄い弾性層43が形成された場合(同図中の太破線)の離間タイミングを検討すると、二次転写ローラー4の回転中心4210から弾性層43の表面までの距離はそれぞれ距離Rs、Rs(A)、Rs(B)となり、離間タイミングもそれぞれ角度θ=約3.8(deg)、約4.4(deg)、約3.3(deg)となっている。このように弾性層43の厚みによって離間タイミングは異なるものの、本実施形態では回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の下流側外周面端部47cまでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)が一定値a2となっている。したがって、離間タイミングが異なったとしても、各離間タイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)はともに約0.16であり、離間時点での二次転写ローラー4の速度変動のばらつきを抑制することができる。
ここで、本実施形態の作用効果をより明確にするため、比較例を例示して説明する。図10(b)は比較例における離間開始状態を示す図である。同図(b)において、符号R1で示す細破線は当接部材47の下流側外周面端部47bの形状の一例を示しており、距離R1の変化量(=dR1/dθ)は連続的に変化している。このような形状を有する当接部材47を用いた場合、弾性層43の厚みに応じて二次転写ローラー4の回転中心4210から弾性層43の表面までの距離はそれぞれ距離Rs、Rs(A)、Rs(B)となり、離間タイミングもそれぞれ角度θ=約2.8(deg)、約3.1(deg)、約2.4(deg)となっている。このように弾性層43の厚みによって離間タイミングは異なるとともに、回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の下流側外周面端部47cまでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)もそれぞれ「0.26」、「0.22」、「0.30」と互いに相違している。したがって、各離間時点での二次転写ローラー4の速度変動がばらついてしまい、安定した転写処理を行うことが難しい。
以上のように、本実施形態によれば、凹部41が中間転写ベルト(像担持体)31と対向する時および二次転写ローラー4が中間転写ベルト31から離間する時に、当接部材47の外周面がベアリング322と当接して二次転写ローラー4を支持しているが、特に下流側外周面端部47cを上記形状に仕上げている。したがって、弾性層43の厚みによって二次転写ローラー4の弾性層43と中間転写ベルト31との離間タイミングが多少変動したとしても、各離間タイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)はともに同一値であり、二次転写ローラー4が中間転写ベルト31から離間する際の負荷変動は一定となる。その結果、二次転写ローラー4の速度変動のばらつきを抑制して中間転写ベルト31上のトナー像TIを記録媒体RMに良好に転写することができる。
また、本実施形態では、当接部材47の上流側外周面端部47bは、回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1の変化量(=dR1/dθ)が一定値a1となるように形成されているため、以下の作用効果が得られる。以下、図11および図12を参照しつつ説明する。
図11は記録媒体の有無や厚みに応じたニップ開始状態を模式的に示す図であり、図12は比較例におけるニップ開始状態を模式的に示す図である。本実施形態では、上記したようにニップNPが形成されていない間に記録媒体RMの先端が把持され、さらに二次転写ローラー4および当接部材47が一体的に回転移動して記録媒体RMの先端部が二次転写ローラー4周面の弾性層43と中間転写ベルト31とに挟まれて転写ニップNPに進入する。このように記録媒体RMの先端部が弾性層43と中間転写ベルト31との間に進入するが、記録媒体RMを介して両者が当接するタイミングは記録媒体RMの厚みによって前後する。また、記録媒体RMが搬送されない場合の両者の当接タイミング、つまり転写ニップNPの形成タイミングも、記録媒体RMが搬送される場合のそれと相違している。そのため、記録媒体RMの有無や厚みによって二次転写ローラー4が中間転写ベルト31に当接する際の負荷変動が異なってしまい、その結果として二次転写ローラー4の速度変動のばらつきによって記録媒体への安定的な像転写が阻害されることがある。
これに対し、本実施形態では上流側外周面端部47bを上記形状に仕上げているため、当接タイミングは記録媒体RMの有無や厚みによって当接タイミングは異なるものの、二次転写ローラー4が中間転写ベルト31に当接する際の負荷変動を抑制することができる。すなわち、記録媒体RMが搬送されて二次転写ローラー4と中間転写ベルト31との間、つまり転写ニップNPに進入してくると、上記当接タイミングは記録媒体RMが搬送されない時(紙なし時)よりも早くなる。また、その当接タイミングは記録媒体RMの厚みによっても異なる。例えば図11に示すように、(a)紙なし、(b)薄紙(約0.05mm厚)、(c)厚紙(約0.15mm厚)という条件で当接タイミングを検討すると、紙なし時には角度θ=69(deg)が当接タイミングとなり、薄紙時には角度θ=約68.7(deg)が当接タイミングとなり、厚紙時には角度θ=約68.2(deg)が当接タイミングとなっている。このように記録媒体RMの有無や厚みによって当接タイミングは異なるものの、本実施形態では回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1の変化量(=dR1/dθ)が一定値a1となっている。したがって、当接タイミングが異なったとしても、各当接タイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)はともに約−0.20であり、当接時点での二次転写ローラー4の速度変動のばらつきを抑制することができる。
ここで、本実施形態の作用効果をより明確にするため、比較例を例示して説明する。図12は比較例におけるニップ開始状態を模式的に示す図である。同図において、破線は当接部材47の上流側外周面端部47bの形状の一例を示しており、距離R1の変化量(=dR1/dθ)は連続的に変化している。このような形状を有する当接部材47を用いた場合、(a)紙なし、(b)薄紙(約0.05mm厚)、(c)厚紙(約0.15mm厚)という条件で当接タイミングを検討すると、紙なし時には角度θ=約70.1(deg)が当接タイミングとなり、薄紙時には角度θ=約69.9(deg)が当接タイミングとなり、厚紙時には角度θ=約69.5(deg)が当接タイミングとなっている。このように記録媒体RMの有無や厚みによって当接タイミングは異なるとともに、回転方向D4の単位回転角度当たりでの回転中心4210から当接部材47の周面までの距離R1の変化量(=dR1/dθ)もそれぞれ「−0.26」、「−0.22」、「−0.18」と互いに相違している。したがって、各当接時点での二次転写ローラー4の速度変動がばらついてしまい、安定した転写処理を行うことが難しい。
以上のように、本実施形態によれば、記録媒体RMの有無や厚みによって二次転写ローラー4の弾性層43と中間転写ベルト31との当接タイミング(記録媒体RMを介して当接する場合も含む)が多少変動したとしても、各当接タイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)はともに同一値(比例定数a1)であり、二次転写ローラー4が中間転写ベルト31に当接する際の負荷変動は一定となる。その結果、二次転写ローラー4の速度変動のばらつきを抑制して中間転写ベルト31上のトナー像TIを記録媒体RMに良好に転写することができる。
また、本実施形態では当接タイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)を固定値a1(=−0.20)に設定し、離間タイミングでの距離R1の変化量(=dR1/dθ)を固定値a2(=0.16)に設定しており、
|a1|>|a2|
という関係が成立している。このため、転写ニップNPに進入してきた記録媒体RMを素早く搬送して記録媒体RMへのトナー像TIの転写を開始している。したがって、記録媒体RMの先頭部分に形成される余白領域を低減することができる。
このように、本実施形態では、当接部材47の外周面が本発明の「当接部」に相当している。また、本実施形態では、シート固定部48とシート張架部49とにより二次転写ローラー4の外周面に弾性層43を交換可能に取り付けることが可能となっており、シート固定部48とシート張架部49とが本発明の「弾性層支持部」として機能している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、当接部材47の下流側外周面端部47cは、距離R1の変化量(=dR1/dθ)が「0.16」に設定しているが、その一定値a2(>0)は任意である。ただし、弾性層43の変形量を考慮して一定値a2を設定するのが望ましい。以下、その理由を図13および図14を参照しつつ説明する。
図13は二次転写ローラーの離間タイミングにおけるトルクの変化を示す図である。同図中に太破線で示すように、転写ニップNPでは弾性層43が押圧力に応じた量だけ押し潰されて厚みが少なくなっているため、ニップ形成時には二次転写ローラー4の回転中心4210と中間転写ベルト31との距離R0は半径Rrより若干短くなる。なお、同図(a)中の白抜き菱形印「◇」は各転写ローラー回転角度θでの回転中心4210から当接部材47の下流側外周面端部47cまでの距離R1である。
このように、弾性層43は中間転写ベルト31に当接した際に変形する。その変形によって、同図(b)中の破線T1に示すように、二次転写ローラー4を回転させるためのトルクが低減し、これがトルク変動の要因のひとつとなる。しかしながら、本実施形態では、当接部材47の下流側外周面端部47cを上記した形状に形成しているので、当接部材47がベアリング322と当接して二次転写ローラー4を支持する際に、同図(b)中の細実線T2に示すようなトルクが発生する。したがって、当接部材47による二次転写ローラー4の支持と、中間転写ベルト31への二次転写ローラー4の当接とが並存する間(本実施形態では、θ=約2.5(deg)〜約5(deg))、当接部材47がベアリング322と当接することによって二次転写ローラー4を回転させるためのトルクを転写ローラー回転角度得(deg)と比例的に高めて、第1弾性層の変形によるトルク減少を補うように構成するのが望ましい。このように下流側端部の形状を整えることでトルク変動を抑えて転写ローラーの速度変動のばらつきをさらに抑制することができる。なお、同図(b)中の太実線T12はトルクT1とトルクT2の合計トルクを示している。
また、図16に示すように、当接部材47の外周面に弾性層473を設けてもよい。このように弾性層473を設けることで、当該弾性層473の弾性力によってベアリング322への当接部材47の当接時に発生する衝撃を弾性層473の弾性力により吸収することができる。また、上記実施形態では二次転写ローラー4の周面に弾性層43を設けているため、二次転写ローラー4が中間転写ベルト31に当接する間、弾性層43により中間転写ベルト31に負荷が加わるのに対し、凹部41が中間転写ベルト31に対向する間、当該負荷がなくなる。しかしながら、当接部材47の外周面に弾性層473を設けた場合、凹部41が中間転写ベルト31に対向する間、弾性層473がベアリング322と当接して別の負荷が中間転写ベルト31に与えられる。このように、凹部41が中間転写ベルト31と対向する期間(対向期間)と対向しない期間(非対向期間)とで中間転写ベルト31に加わる負荷との差を抑えることができ、中間転写ベルト31に形成されたトナー像TIを記録媒体RMに転写する際に発生する負荷変動をさらに抑制することができる。
また、例えば上記実施形態では、中間転写ベルト31の張架方向に沿って4個の画像形成ステーションを一列に並べているが、画像形成ステーションの数や配置はこれに限定されるものではない。例えば画像形成ステーションを1個だけ備える画像形成装置にも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、液体キャリア中にトナーを分散させた現像剤を用いる、いわゆる液体現像方式の画像形成装置であるが、本発明の適用対象は当該方式のものに限定されない。すなわち、現像方式に関わらず、図1に例示したように、円筒周面の一部が切り欠かれた表面形状を有する二次転写ローラー4を中間転写ベルトに当接させる構造を有する画像形成装置および転写装置全般に対して、本発明を適用することが可能である。
さらに、把持部を有しない二次転写ローラー4を備えた装置にも本発明を適用可能である。例えばシート状の弾性体を二次転写ローラー4表面に巻き付けることによって表面層を構成している装置では、シートの端部を固定するために二次転写ローラー4外周面に凹部41を設ける必要があるが、このような構成(凹部41)を有するが把持部を有していない装置にも本発明を適用することが可能である。
1…画像形成装置、 2Y、2M,2C,2K……画像形成ステーション(画像形成部)、 4…二次転写ローラー、 31…中間転写ベルト(像担持体)、 41…凹部、 43、473…弾性層、 45…押圧部、 47…当接部材、 47b…上流側周面端部、 47c…下流側周面端部、 421…回転軸、 4210…回転中心、 D4…回転方向、 RM…記録媒体、 TI…トナー像

Claims (6)

  1. 像を担持する像担持体と、
    周面に凹部が設けられるとともに前記周面のうち前記凹部を除く周面に弾性層が配設され、前記像担持体に担持された前記像を記録媒体に転写する転写ローラーと、
    前記転写ローラーと前記像担持体とを押圧させる押圧部と、
    前記転写ローラーの軸方向で前記凹部に対応する位置に設けられて前記転写ローラーとともに回転する当接部材と、
    前記当接部材と当接して、前記当接部材を支持する支持部と、を備え、
    前記当接部材は、前記転写ローラーの弾性層が前記像担持体と離間する位置から前記転写ローラーの凹部が前記像担持体と対向する位置までの前記当接部材の回転方向の形状は、前記回転方向の単位回転角度当たりでの前記転写ローラーの回転中心から前記当接部材の前記支持部との当接部までの距離の変化量が一定もしくは略一定となるように構成されることを特徴とする転写装置。
  2. 前記転写ローラーの弾性層は前記転写ローラーの凹部に配設された弾性層支持部で支持される請求項1に記載の転写装置。
  3. 前記当接部材は、前記転写ローラーの回転により前記転写ローラーの弾性層と前記像担持体とが当接する時に、前記支持部と当接し、
    前記転写ローラーの凹部が前記像担持体と対向する位置から前記転写ローラーの弾性層と前記像担持体が当接するまでの位置に対応する前記当接部材の回転方向の形状は、前記回転方向の単位回転角度当たりでの前記転写ローラーの回転中心から前記当接部材の当接部までの距離の変化量が一定もしくは略一定となるように構成する請求項1または2に記載の転写装置。
  4. 前記当接部材の当接部に弾性層が配設される請求項1ないし3のいずれか一項に記載の転写装置。
  5. 前記凹部が前記像担持体と対向する時の前記転写ローラーの回転中心から前記当接部材の当接部までの距離は、前記転写ローラーの弾性層が前記像担持体と当接する時の前記転写ローラーの回転中心から前記当接部材の当接部までの距離よりも短い請求項1ないし4のいずれか一項に記載の転写装置。
  6. 像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部により形成された前記像を担持する像担持体と、
    周面に凹部が設けられるとともに前記周面のうち前記凹部を除く周面に弾性層が配設され、前記像担持体に担持された前記像を記録媒体に転写する転写ローラーと、
    前記転写ローラーと前記像担持体とを押圧させる押圧部と、
    前記転写ローラーの軸方向で前記凹部に対応する位置に設けられて前記転写ローラーとともに回転する当接部材と、
    前記当接部材と当接して、前記当接部材を支持する支持部と、を備え、
    前記当接部材は、前記転写ローラーの弾性層が前記像担持体と離間する位置から前記転写ローラーの凹部が前記像担持体と対向する位置までの前記当接部材の回転方向の形状は、前記回転方向の単位回転角度当たりでの前記転写ローラーの回転中心から前記当接部材の前記支持部との当接部までの距離の変化量が一定もしくは略一定となるように構成されることを特徴とする画像形成装置。
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