JP2011084782A - 高クロム鋼の溶製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転炉での脱炭精錬とVOD法のような二次精錬設備での真空精錬とを組み合わせて、クロムを9質量%以上含有する高クロム鋼を溶製するにあたり、転炉脱炭精錬末期における窒素のピックを防止し、窒素含有量の低い高クロム鋼を安定して溶製する。
【解決手段】 転炉1での脱炭精錬によって含クロム粗溶鋼8を溶製し、次いで、取鍋内に出鋼された前記含クロム粗溶鋼を二次精錬設備で真空精錬してクロムを9質量%以上含有する高クロム鋼を溶製する高クロム鋼の溶製方法において、転炉からの出鋼時の溶鋼温度が1730℃以上になるように脱炭精錬条件を調整して脱炭精錬を実施し、これにより転炉内に存在するスラグ9の滓化を促進させ、空気からの含クロム粗溶鋼への吸窒を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転炉での脱炭精錬とその後の二次精錬での真空精錬とによって高クロム鋼を溶製する方法に関するものである。
クロムを9質量%以上含有する高クロム鋼を溶製する方法として、電気炉(アーク炉)を使用せずに、転炉でクロム含有溶銑及びフェロクロム(Fe−Cr合金鉄)を原料として脱炭精錬して含クロム粗溶鋼を溶製し、この含クロム粗溶鋼をVOD(Vacuum Oxygen De-carburization)法に代表される、二次精錬設備の真空精錬によって所定の成分に仕上げる方法が実施されている。転炉−VODプロセスにより、窒素含有量の低い高クロム鋼、具体的にはクロム濃度が17質量%以上とりわけ20質量%以上、窒素濃度が0.013質量%以下の高クロム鋼を安定して且つ効率的に溶製するためには、転炉出鋼後の含クロム粗溶鋼の窒素含有量は0.0105質量%程度以下である必要がある。
しかしながら、溶鋼中の平衡溶解窒素濃度は、溶鋼中のクロム濃度の増加に伴って増加することが熱力学的に知られており、また、これと裏腹に、溶鋼からの脱窒素能力は、溶鋼中のクロム濃度の増加に伴って低下することが知られており、従来、転炉での脱炭精錬の末期に溶鋼中の窒素濃度が増加してしまい、転炉−VODプロセスにより、安定して低窒素高クロム鋼を溶製することは困難であった。尚、転炉出鋼後の含クロム粗溶鋼の窒素濃度が高い場合には、VOD工程で脱窒処理が必要となり、VOD処理時間を延長させるなどの弊害が発生した。
これを解決し、転炉−VODプロセスによって安定して低窒素高クロム鋼を溶製する手段として、特許文献1には、「転炉精錬における脱炭吹錬終了時のステンレス粗溶鋼の炭素濃度を0.5質量%以下として、前記脱炭吹錬により生じるクロム含有スラグを転炉内に未還元状態のまま残してステンレス粗溶鋼を取鍋に出鋼し、前記転炉精錬に続く真空精錬で該ステンレス粗溶鋼の脱炭処理及び脱ガス処理を行うことを特徴とする極低窒素ステンレス鋼の製造方法」が提案されている。
通常、転炉での脱炭吹錬により生じるクロム含有スラグに、フェロシリコン(Fe−Si合金鉄)や金属Alなどの強還元材を添加し、クロム含有スラグ中のクロム酸化物をクロムに還元してステンレス粗溶鋼中に回収するが、特許文献1では、クロム含有スラグを未還元状態のままとするので、転炉内のステンレス粗溶鋼の溶解酸素濃度を高く維持でき、転炉から取鍋に出鋼する際の窒素のピックアップが防止され、二次精錬前のステンレス粗溶鋼の窒素濃度を低く抑えることができるとしている。
特開平11−140530号公報
確かに特許文献1によって出鋼時の含クロム粗溶鋼の窒素ピックアップは防止されるが、転炉脱炭精錬末期の炉内に侵入する空気に起因する窒素ピックアップは防止できない。つまり、転炉脱炭精錬末期の炉内に侵入する空気に起因する窒素ピックアップを効率的に防止しない限り、転炉−VODプロセスなど、転炉と二次精錬とを組み合わせたプロセスで安定して低窒素高クロム鋼を溶製することはできない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、転炉での脱炭精錬とVOD法のような二次精錬設備での真空精錬とを組み合わせて、クロムを9質量%以上含有する高クロム鋼を溶製するにあたり、転炉脱炭精錬末期における窒素のピックを防止し、窒素含有量の低い高クロム鋼を安定して溶製することのできる高クロム鋼の溶製方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る高クロム鋼の溶製方法は、転炉での脱炭精錬によって含クロム粗溶鋼を溶製し、次いで、取鍋内に出鋼された前記含クロム粗溶鋼を二次精錬設備で真空精錬してクロムを9質量%以上含有する高クロム鋼を溶製する高クロム鋼の溶製方法において、転炉からの出鋼時の溶鋼温度が1730℃以上になるように脱炭精錬条件を調整して脱炭精錬を実施し、これにより転炉内に存在するスラグの滓化を促進させ、空気からの含クロム粗溶鋼への吸窒を防止することを特徴とするものである。
第2の発明に係る高クロム鋼の溶製方法は、第1の発明において、転炉内のスラグ質量(kg)と、転炉スラグラインの炉内断面積(m2)との比を335kg/m2以上とすることを特徴とするものである。
第3の発明に係る高クロム鋼の溶製方法は、第1または第2の発明において、前記高クロム鋼の窒素含有量は0.013質量%以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、転炉から出鋼時の含クロム粗溶鋼の温度が1730℃以上になるように脱炭精錬を実施するので、脱炭精錬末期の炉内の含クロム粗溶鋼は、滓化・溶融したスラグで覆われ、炉内に巻き込まれた空気と炉内の含クロム粗溶鋼との接触が絶たれ、空気からの窒素のピックアップが防止され、窒素含有量の低い高クロム鋼を安定して溶製することが実現される。また、炉内のスラグ量を所定量以上に確保することで、窒素のピックアップがより一層防止される。これにより、二次精錬設備での真空精錬処理時間の延長が回避され、低窒素高クロム鋼の生産性の向上、それに伴う製造コストの削減など、工業上有益な効果がもたらされる。
本発明を実施する際に用いた転炉設備の概略断面図である。 脱炭精錬末期における窒素のピックアップに及ぼす出鋼温度の影響を示す図である。 脱炭精錬末期における窒素のピックアップに及ぼす炉内スラグ量の影響を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に係る高クロム鋼の溶製方法を実施する際に用いた転炉設備の概略断面図である。
図1に示すように、本発明で使用した転炉設備は、外殻を鉄皮2とし、鉄皮2の内面側に耐火物3が施工された転炉本体1と、この転炉本体1の内部に挿入され、上下移動が可能な上吹きランス4とを備えている。転炉本体1の底部には、鉄皮2及び耐火物3を貫通する複数本の底吹き羽口5が設置され、また、転炉本体1の側壁上部には、溶製した含クロム粗溶鋼8を取鍋(図示せず)に出鋼するための出鋼口7が設置されている。それぞれの底吹き羽口5はガス導入管6に接続されている。上吹きランス4からは、精錬用ガスとして、工業用純酸素ガス及びアルゴンガスなどの不活性ガスが任意の流量で任意の期間に、つまり、工業用純酸素ガス単独、不活性ガス単独、または種々の混合比の工業用純酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスが、任意の流量で任意の期間に炉内の含クロム粗溶鋼8に吹き込まれるように構成されている。
また、底吹き羽口5からも精錬用ガスとして工業用純酸素ガス及びアルゴンガスなどの不活性ガスが任意の流量で任意の期間に、つまり、工業用純酸素ガス単独、不活性ガス単独、または種々の混合比の工業用純酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスが、任意の流量で任意の期間に炉内の含クロム粗溶鋼8に吹き込まれる。また、羽口を二重管構造として、内管からは精錬用ガスとして工業用純酸素ガス単独、不活性ガス単独、または種々の混合比の工業用純酸素ガスと不活性ガスとの混合ガス、内管と外管との間隙からは羽口冷却用ガスとしてプロパン等の炭化水素ガスもしくは不活性ガスを吹き込むようにしてもよい。この場合は、例えば特開昭59−13011号公報に開示されるような羽口及びガス導入管の構成とするのがよい。尚、図示はしないが転炉本体1の両側壁外面には転炉本体1を保持するトラニオン軸が設けられ、このトラニオン軸を回転軸として転炉本体1は回転可能に構成されている。
転炉本体1に、クロム含有溶銑及び必要に応じてフェロクロム或いは高クロム鋼のスクラップを主原料として装入し、生石灰、クロム鉱石、ドロマイト、鉄鉱石などを副原料として装入し、上吹きランス4及び底吹き羽口5から上述のような精錬用ガスを吹き込み、酸素ガス中の酸素とクロム含有溶銑中の炭素とを反応させてクロム含有溶銑の脱炭精錬(「脱炭吹錬」とも呼ぶ)を推進させる。添加した副原料は一部溶融し、スラグ9を形成する。この脱炭精錬においては、クロム含有溶銑中のクロムの酸化ロスを抑制するために、脱炭精錬の後半(精錬時間の60%を超えた期間)は、上吹きランス4からの工業用純酸素ガスの供給を停止し、底吹き羽口5からの吹き込みのみとした。スラグ9の代表的な組成は、CaOが15〜35質量%、SiO2が5〜20質量%、Al23が10質量%以下、MgOが10質量%以下、Cr23が30〜55質量%である。
クロム含有溶銑の炭素濃度は、そのクロム含有量及び温度にもよるが5〜7質量%程度であり、クロム含有溶銑は、この脱炭精錬によって脱炭処理されて含クロム粗溶鋼8が溶製される。脱炭精錬終了時の含クロム粗溶鋼8の炭素濃度は、特に規定するものではないが0.4質量%程度以下とすることが好ましい。これ以上に高いと次工程のVOD法に代表される二次精錬設備での真空精錬、つまり真空脱炭精錬時間が長引くので好ましくない。一方、脱炭精錬終了時の含クロム粗溶鋼8の炭素濃度が余りに低いとクロムの酸化ロスが増大するので、脱炭精錬終了時の含クロム粗溶鋼8の炭素濃度は0.05質量%以上を確保することが好ましい。
このようにして行う脱炭精錬において、精錬末期(吹錬末期)の空気に起因する窒素のピックアップを防止する方法を種々検討した。ここで、脱炭精錬末期に窒素がピックアップする理由は以下の通りである。即ち、脱炭精錬末期は、クロム含有溶銑中の炭素濃度が低くなり、脱炭反応の生成物であるCOガスの発生量が減少する。脱炭反応が盛んな時期は発生するCOガスを未燃焼のまま回収するが、COガス発生量の少なくなる脱炭精錬末期は回収せずに煙道で燃焼させる。この燃焼用の空気が転炉本体1の炉口から転炉本体1の内部にまで侵入し、含クロム粗溶鋼8の窒素濃度が上昇する。
先ず、炉内のスラグ量をほぼ一定に維持した状態で、出鋼時の含クロム粗溶鋼8の温度(「出鋼温度」という)を変化させ、脱炭精錬末期における窒素のピックアップに及ぼす出鋼温度の影響を調査した。図2に調査結果を示す。図2に示すように、出鋼温度の上昇に伴って窒素のピックアップ量が少なくなり、出鋼温度が1730℃以上の範囲では窒素のピックアップ量を0.0060質量%以下に抑制できることが確認できた。
この理由は以下の通りである。脱炭精錬時のスラグ9の組成は上記の通りであり、スラグ9中のCr23濃度が上記範囲内の平均的な45質量%の場合、CaO−SiO2−Cr23の3元系状態図によれば、1700℃では、スラグ9は液相−Cr23(固相)の二相共存領域となり、一方、1600℃の場合は、前記の二相共存領域ではあるものの、液相の領域が大幅に減少する。即ち、スラグ9の温度は含クロム粗溶鋼8の温度と同等であり、出鋼温度が高くなるほどスラグ9が滓化し、出鋼温度が1730℃以上の範囲では、含クロム粗溶鋼8は、滓化したスラグ9で覆われて空気との接触が絶たれ、窒素のピックアップが抑制されるからである。また、滓化したスラグ9はフォーミング(泡立ち)しやすく、スラグ9が底吹き羽口5から吹き込まれるガスによってフォーミングして空気を遮断することも窒素のピックアップ抑制に寄与する。
また、上記の結果から、炉内に存在するスラグ9の質量も窒素のピックアップに影響することが予想されたので、副原料(主に生石灰)の添加量を調整して、炉内に存在するスラグ9の質量を変化させ、脱炭精錬末期における窒素のピックアップに及ぼす影響を調査した。この場合、スラグ9による空気の遮断効果は、炉内に存在するスラグ9の厚みに相関すると考えられたので、転炉内のスラグ質量(kg)と、転炉スラグラインの炉内断面積(m2)との比(以下、「比A」と記す)を指標として調査した。転炉スラグラインの炉内断面積(m2)は、スラグライン部の内径(転炉本体1の中心軸から耐火物3の表面までの距離)をr(m)とすると、転炉スラグラインの炉内断面積=πr2(m2)で求めることができる。
図3に調査結果を示す。尚、図3では、出鋼温度が1730℃以上の場合と1730℃未満の場合とで比較して示している。図3に示すように、出鋼温度が1730℃以上の場合には、比Aが大きくなるとともに窒素のピックアップ量が少なくなることが確認でき、特に、比Aが335kg/m2以上の場合には、窒素ピックアップ量を安定して0.0035質量%以下に制御できることが分かった。一方、出鋼温度が1730℃未満の場合には、比Aの増加に伴って窒素ピックアップ量が少なくなる傾向は一致するが、出鋼温度が1730℃以上の場合に比較して、窒素ピックアップ量に0.0015質量%以上の格差があることが確認できた。
本発明は、これらの試験結果に基づきなされたもので、転炉での脱炭精錬によって含クロム粗溶鋼8を溶製し、次いで、取鍋内に出鋼された前記含クロム粗溶鋼8を二次精錬設備で真空精錬してクロムを9質量%以上含有する高クロム鋼を溶製する高クロム鋼の溶製方法において、転炉からの出鋼時の溶鋼温度が1730℃以上になるように脱炭精錬条件を調整して脱炭精錬を実施し、これにより転炉内に存在するスラグ9の滓化を促進させ、空気からの含クロム粗溶鋼8への吸窒を防止することを特徴とする。この場合に、比Aを335kg/m2以上とすることが好ましい。尚、少なくとも脱炭精錬の末期は、上吹きランス4からの精錬用ガスの供給を停止し、底吹き羽口5からの吹き込みのみとする操業を前提とすることが好ましい。このことにより、上吹きランス4から吹き付けられる精錬ガスによって形成される裸湯(スラグが押しのけられて含クロム粗溶鋼の表面が炉内雰囲気に露出した部分)をなくすことができ、空気からの吸窒をより一層低減することが期待できるからである。
以上説明したように、本発明によれば、脱炭精錬末期の炉内の含クロム粗溶鋼8は、滓化・溶融したスラグ9で覆われ、炉内に巻き込まれた空気と炉内の含クロム粗溶鋼8との接触が絶たれ、空気からの窒素のピックアップが防止されて、窒素含有量の低い高クロム鋼を安定して溶製することが実現される。また、比Aを335kg/m2以上として、炉内のスラグ量を確保することにより、窒素のピックアップがより一層防止される。
図1に示す転炉設備(但し、底吹羽口は二重管構造のもの)を用いて本発明を実施した例を説明する。溶製した高クロム鋼は、クロム濃度が17〜18質量%、窒素濃度が0.012質量%以下、硫黄濃度が0.040質量%以下のステンレス鋼である。
転炉本体に、クロム含有溶銑及びフェロクロムを主原料として装入し、その後、生石灰、クロム鉱石、ドロマイトを副原料として装入し、上吹きランスから工業用純酸素ガスを供給し、一方、底吹き羽口の内管から工業用純酸素ガスを、内管と外管の間隙からは羽口冷却用ガスとしてプロパンを供給して脱炭精錬を開始した。脱炭精錬の後半(精錬時間の60%を超えた期間)は、上吹きランスからの工業用純酸素ガスの供給を停止し、底吹き羽口の内管から工業用純酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスを供給し脱炭精錬を継続した。炉内のスラグの組成は、CaOが15〜35質量%、SiO2が5〜20質量%、Al23が0〜10質量%、MgOが4〜10質量%、Cr23が30〜55質量%であった。脱炭精錬の終了時点は、含クロム粗溶鋼の炭素濃度が0.08〜0.20質量%の範囲内とした。
主原料であるクロム含有溶銑とフェロクロムとの配合率、工業用純酸素ガスの供給量及び副原料の装入量を調整し、出鋼温度を1730℃以上に調整するとともに、副原料の装入量を調整して、比Aを335kg/m2以上に調整した。
この脱炭精錬において、精錬途中で転炉本体にサブランスを投入し、溶湯から分析用試料を採取して窒素のピックアップ量を測定した。また、取鍋に出鋼後の含クロム粗溶鋼から分析用試料を採取して窒素の含有量を調査した。
その結果、脱炭精錬末期の窒素のピックアップ量は平均値で0.0025質量%であり、対策前の窒素ピックアップ量平均値=0.0068質量%に対して大幅に少なくすることができた。また、出鋼後の含クロム粗溶鋼の窒素含有量は平均値で0.0091質量%であり、対策前の窒素含有量平均値=0.014質量%に対して大幅に低減できた。これにより、次工程のVOD工程では、処理時間を対策前の92分から86分へと短縮することが実現された。
1 転炉本体
2 鉄皮
3 耐火物
4 上吹きランス
5 底吹き羽口
6 ガス導入管
7 出鋼口
8 含クロム粗溶鋼
9 スラグ

Claims (3)

  1. 転炉での脱炭精錬によって含クロム粗溶鋼を溶製し、次いで、取鍋内に出鋼された前記含クロム粗溶鋼を二次精錬設備で真空精錬してクロムを9質量%以上含有する高クロム鋼を溶製する高クロム鋼の溶製方法において、転炉からの出鋼時の溶鋼温度が1730℃以上になるように脱炭精錬条件を調整して脱炭精錬を実施し、これにより転炉内に存在するスラグの滓化を促進させ、空気からの含クロム粗溶鋼への吸窒を防止することを特徴とする、高クロム鋼の溶製方法。
  2. 転炉内のスラグ質量(kg)と、転炉スラグラインの炉内断面積(m2)との比を335kg/m2以上とすることを特徴とする、請求項1に記載の高クロム鋼の溶製方法。
  3. 前記高クロム鋼の窒素含有量は0.013質量%以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高クロム鋼の溶製方法。
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