JP2011084412A - 炭素ナノ繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エチレン系の炭化水素と水素を原料として、鉄もしくはニッケルからなる金属または鉄もしくは鉄とニッケルの合金を含有する触媒を用いて、炭素ナノ繊維を製造可能とすること、および原料ガスを低価格とするため、原料ガス中に二酸化炭素を含むプロセス排ガスを原料とする炭素ナノ繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の炭素ナノ繊維の製造方法は、FeもしくはNiからなる金属またはFeもしくはFeとNiの合金を含有する触媒を用い、炭化水素および水素を含有する原料ガスに二酸化炭素を含有した混合ガスを供給して所定の反応温度で反応させることによって炭素ナノ繊維を生成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素ナノ繊維の製造方法に関する。
炭素ナノテクノロジーの中核物質である炭素ナノ繊維(繊維状ナノ炭素、カーボンナノファイバー、CNFともいう)は、多様な繊維形状と表面構造に加えて、カーボンブラックよりも高結晶性を有するため、電気伝導性高分子複合材と高熱伝導性ゴム用の添加剤、水素化および脱水素化グリーン化学用触媒、超高深度石油精製用触媒、ならびに燃料電池用高性能触媒等の多岐にわたる分野での使用が期待されている。
炭素ナノ繊維の製造方法としては、例えば、特許文献1〜3に記載されたように、熱処理炉内に所定の触媒を装入し、エチレン等の反応ガスを供給して所定の反応温度で反応させる事によって炭素ナノ繊維を生成する方法が挙げられ、特許文献1に記載されたカーボンナノチューブの生成プロセスは、一酸化炭素(CO)やエチレンのようなカーボン含有前駆物質、水素および不活性希釈ガスの混合物から、500〜700℃の温度においてカーボンナノファイバーを生成するものであり、また、特許文献2には、触媒としてCu−Ni合金触媒を用い、反応ガスとしてエチレンと水素の混合ガスを使用して、反応温度を450〜620℃の範囲にすることにより、炭素ナノ繊維の表面積を制御する方法が記載されている。さらに、特許文献3には、触媒としてFe−Ni合金触媒を用い、反応ガスとしてエチレンガスと水素ガスの混合ガスを使用して、反応温度を350〜850℃とすることにより、炭素ナノ繊維を生成させる方法が記載されている。
特許文献1〜3はいずれも、エチレンを炭素源として用いているが、エチレンを炭素源とした時、安価なFe系触媒ではCNF転換触媒として、活性が発現しなかったり、活性なNi触媒では二酸化炭素(CO)ガスにより触媒活性が大幅に低下する問題があった。
特表2008−521605号公報 特開2006−193836号公報 特開2008−38303号公報
本発明の目的は、炭素数が2ないし3の炭化水素と水素を原料として、鉄もしくはニッケルからなる金属または鉄もしくはニッケルを基とする合金を触媒として、炭素ナノ繊維を製造可能とすること、および原料ガスから炭素ナノ繊維への転換効率を上げるために原料ガス中にCOを添加する炭素ナノ繊維の製造方法を提供することにある。
本発明の炭素ナノ繊維の製造方法は、FeもしくはNiからなる金属またはFeもしくはFeとNiの合金を含有する触媒を用い、炭化水素および水素を含有する原料ガスにCOを含有した混合ガスを供給して所定の反応温度で反応させることによって炭素ナノ繊維を生成することにある。
前記Fe基合金は、Fe−Ni系合金であることが好ましく、また、前記Fe−Ni系合金は、Ni/Feの組成比が質量比で0.05〜0.4の範囲であることがより好適である。Ni/Feの組成比が0.05未満だと、Ni/Feの合金効果が薄くなり、合金による特性が十分には得られない傾向があり、また、Ni/Feの組成比が0.4超えだと、Feを主とする触媒特性がなくなり、炭素ナノ繊維(CNF)の合成収率が急激に減少する恐れがあるからである。
また、前記触媒は、FeもしくはNiからなる金属またはFe基もしくはNi基合金を酸化物に担持した複合体からなることが好ましい。
さらに、炭素数が2ないし3の前記炭化水素としては、エチレン(C)、エタン(C)、プロパン(C)、アセチレン(C)の少なくとも一種からなることが好ましく、また、前記炭化水素がエチレンである場合には、C/Hの組成比が体積比で10〜100%の範囲であることがより好適である。
さらにまた、前記原料ガスは、一酸化炭素(CO)をさらに含有することが好ましい。
前記所定の反応温度は、450〜600℃の範囲であることが好ましい。
前記触媒がFe金属である場合には、前記混合ガスに占めるCOの混合割合は、体積比で1〜70%の範囲であること、また、前記触媒がNi金属である場合には、前記混合ガスに占めるCOの混合割合は、体積比で1〜30%の範囲であること、そして、前記触媒がFe−Ni系合金である場合には、前記混合ガスに占めるCOの混合割合は、体積比で2〜70%の範囲であることが好ましい。
この発明に従う炭素ナノ繊維の製造方法によれば、高い炭素変換率で炭素ナノ繊維を生成することができる。
図1は、この発明に従う炭素ナノ繊維の製造方法に用いる代表的な製造装置である。 図2は、熱処理炉内に供給される混合ガス中に占めるCO濃度を0〜30体積%と変化させたときの炭素変換率との関係をプロットした図であって、熱処理炉内に装入される触媒として、Fe、NiおよびCoの金属をそれぞれ単独に用いた場合について示す。 図3は、熱処理炉内に供給される混合ガス中に占めるCO濃度を0〜100体積%と変化させたときの炭素変換率との関係をプロットした図である。なお、熱処理炉内に装入される触媒は60質量%Fe―40質量%Ni合金である。 図4は、熱処理炉内に供給される混合ガス中に占めるCO濃度が0体積%と15体積%とした時の、反応温度と炭素変換率の関係をプロットした図である。なお、熱処理炉内に装入される触媒は60質量%Fe―40質量%Ni合金である。
次に、この発明に従う炭素ナノ繊維の製造方法について、以下で図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明に従う炭素ナノ繊維の製造方法に用いる代表的な製造装置を模式的に示したものであって、図中に示す符号1は炭素ナノ繊維の製造装置、2は熱処理炉、3はガス供給手段、4は触媒、5は石英ボート、6は混合ガス、7は炉内ガス、8は石英管、9は被覆部材、10は温度コントローラ、そして11はガス流量コントローラ(マスフローコントローラ)である。
図1に示す製造装置1は、熱処理炉2とガス供給手段3とで主に構成されている。
熱処理炉2は、触媒4を石英ボート5内に装入し、一端から所定の混合ガス6を供給して触媒と反応させ、他端から炉内のガス7を排出する反応容器である円筒状の石英管8と、該石英管8の外周を覆い、炉内を加熱ないし温度維持のための被覆部材9と、石英管8内の温度を所定の温度に制御する温度コントローラ10とを具えている。熱処理炉2は、図1では熱分解炉(電気炉)の場合を示しているが、かかる構成だけには限定されない。
ガス供給手段3は、熱処理炉2内、より厳密には熱処理炉2の石英管8内に、所定割合の混合ガス6を供給するために設けられる。ガス供給手段3としては、例えば、複数のガスが個別に充填されている複数本のガスボンベ、図1では、Hガスが充填されているHガス供給用ボンベ3−1と、COガスが充填されているCOガス供給用ボンベ3−2、およびCガスが充填されているCガス供給用ボンベ3−3の3本のガスボンベを具え、各ボンベ3−1、3−2、3−3から供給されるそれぞれのガスを、ガス流量コントローラ(マスフローコントローラ)11で流量を調整し、これらのガスを混合して混合ガス6とした上で、石英管8内に供給されるような構成が挙げられるが、かかる構成だけには限定されない。
本発明者らは、上述した製造装置1を用い、熱処理炉2内に装入する触媒4の組成、この触媒4と反応させるための混合ガスの組成、および触媒4と混合ガスの反応温度の適正化を図ることにより、30%以上、最適条件では60%に近い炭素変換率で炭素ナノ繊維が生成されることを見出し、本発明を完成させるに至ったものであり、この経緯を以下で説明する。
まず、本発明者らは、炭素ナノ繊維の生成における混合ガス6中にCOガスを混在させたときの炭素変換率について検討を行った。図2は、熱処理炉2内に供給される混合ガス6として、CガスとHガスとを、体積比で1:1の割合で混合した原料ガスに対して、この原料ガスにCOガスを添加して、全ガス中のCOガスの割合として0〜30体積%と変化させた時の炭素変換率をプロットしたものであり、反応条件としては反応温度が530℃、熱処理炉2内に装入される触媒4として、Fe、NiおよびCoの単一金属をそれぞれ用いた場合について示す。なお、ここで用いた炭素変換率とは、炭素源となるCガス中に含まれる炭素が生成された炭素ナノ繊維に転換されて回収されたかの割合を示すものであり、Cガスを25℃における理想気体と仮定した時の質量と、得られた生成物の重量から算出した百分率で示される。
図2の結果から、触媒がCoの単一金属である場合には、炭素への変換率は小さく、かつCO濃度には依存しないことが明らかである。また、触媒がNiの単一金属である場合には、CO無添加で炭素変換率が最大となり、CO濃度の増加に伴って炭素変換率が減少する傾向が認められる。これに対して、触媒がFeの単一金属である場合には、CO濃度の増加に伴って炭素変換率が増大し、CO濃度が15体積%近傍で炭素変換率の値が最大となることが判明した。また、Fe,Fe基合金または担持系Fe触媒は、CO含有量が15%までは収率が増えること、COが2%程度混在すれば、生成する炭素ナノ繊維がより直線性に優れることなど、非常に有用な特徴を示した。すなわち、本発明者らは、(1)Fe、Ni,Coのような遷移金属触媒とともに、通常、炭素材に対して酸化剤の機能を持ち、混用が忌避されてきたCOが混在されている排ガスを用いたら、一般的に収率の低下または無反応等が予測されるが、Fe系だけがCOが混在する炭化水素に上述したような特異な反応性を持つこと、(2)炭化水素とHを含有し、さらに反応阻害物質とみなされていたCOが混在する混合ガス、例えば反応排ガスをそのまま利用して、高効率に炭素ナノ繊維が調整できること等を見出した。特に、450〜600℃の温度で、C単独又はC/H混在ガスにおいて、CNF成長が認められなかった。Fe触媒がCO添加により、高効率でCNFが合成できるようになった。
したがって、炭素ナノ繊維生成に適した触媒としては、COを含有する混合ガス中では、Fe、NiおよびCoの中ではFeを用いる事が高い炭素変換率の値が得られるとの知見が得られた。このため、触媒としては、Feの単一金属か、あるいはFeが50質量%よりも多く含有する組成を持つFe基Co非含有合金からなることが好ましい。Feの含有組成が50質量%以下では、添加するCO濃度の増加に伴う炭素変換率の向上が出現しにくくなるためであり、またFe基合金とはせずにFe基Co非含有合金に限定したのは、Fe基合金であっても、Coを含有すると、このCo成分がCO濃度の増加に伴う炭素変換率の向上効果を阻害するからである。触媒としてはNi、Feが利用可能であるが、CO濃度が15体積%以下の場合には、90〜50質量%Ni−10〜50質量%Fe合金からなる触媒を用いることが好ましい。
なお、触媒としてFeの単一金属を用いた場合には、生成した繊維の直径が10〜200nmの範囲で大きく変化して不均一であり、加えて繊維長さも0.5μm以下とあまり長くない(アスペクト比が小さい)繊維が生成する傾向がある。このため、繊維直径が均一で、アスペクト比の大きい炭素ナノ繊維を生成させる必要がある場合には、触媒として、Fe−Ni系の合金を用いることが好ましく、さらには、Fe−Ni系合金の組成比としては質量比で1/1〜2/1の範囲であることがより好適である。Fe−Ni系合金の代表的な組成の例としては、たとえば60質量%Fe−40質量%Ni合金等が挙げられる。
図3は、熱処理炉2内に装入される触媒4として、60質量%Fe―40質量%Ni合金を用い、熱処理炉2内に供給される混合ガス6として、CガスとHガスとを、体積比で1:1の割合で混合した原料ガスに対して、この原料ガスにCOガスを添加して、全ガス中のCOガスの割合として0〜100体積%と変化させた時の炭素変換率をプロットしたものである。なお、反応温度は530℃とした。
図3の結果から、CO濃度が全ガスの2〜15体積%の範囲では、CO濃度の増加に伴って炭素変換率は増加し、CO濃度が15体積%の近傍で炭素変換率は約24%と最大値を示し、CO濃度がさらに増加した範囲では炭素変換率はCO濃度の増加に伴ってほぼ直線的に減少するという傾向が認められた。このとき、CO濃度が2〜35体積%の範囲で生成した炭素ナノ繊維は、繊維直径が均一であり、またアスペクト比も大きな生成物が得られることが確かめられた。なお、前記の好ましい形状の炭素ナノ繊維を生成するCO濃度範囲は同時に好適な炭素変換率を与える濃度範囲と一致していることが判明した。なお、CO濃度が100体積%の場合には、炭素変換率はゼロであり、炉内ガスがCOのみでは繊維生成時の炭素源にならないことも明らかになった。
図4は、熱処理炉2内に装入される触媒4として、60質量%Fe―40質量%Ni合金を用い、熱処理炉2内に供給される混合ガス6として、CガスとHガスとを、体積比で1:1の割合で混合した原料ガスに対して、この原料ガスに、COガス無添加の場合と、COガスを15体積%添加した場合の2水準について、反応ガスを変化させた時の炭素変換率をプロットしたものである。
図4の結果から、COを含まない反応ガス中では、反応温度を変化させても、炭素変換率は数%のままの低位でほぼ一定であるのに対し、COを15体積%含有する反応ガス中では、全ての反応温度範囲でCOガスを添加することにより、炭素変換率の向上効果が認められ、530℃近傍で炭素変換率が最大値となることが見出された。
なお、反応ガス中にCOガスを含有させることにより炭素変換率が向上する理由としては、現在のところ解明はされていないが、金属(または合金)触媒の活性能力再生による長寿命化、または触媒上におけるCとの反応による炭素ナノ繊維の生成に適したガス種への変換などの可能性が考えられる。
さらに、炭素源となる炭化水素としては、エチレン、エタン、プロパン、アセチレンの少なくとも一種からなる炭化水素ガスを用いることが好ましい。炭素源となりうる他の炭化水素を含んでも差し支えないが、エチレンに対して反応性が大きく異なるため、エチレン以上に多量に含有されれば、最適条件を変更する必要がある。反応性の異なる多様な原料炭化水素を含む場合、製品の均一性、触媒の失活について配慮が必要となる。水素は触媒の安定炭化物形成を抑制し、失活を防止し、高い活性を維持するため、少なくとも原料炭化水素に対して、10体積%以上、好ましくは25〜75体積%を含むことが好ましい。炭化水素は、特に、エチレンと水素とを含有し、エチレン/水素組成比が体積比で1/4〜4/1の範囲であることが好ましい。エチレン/水素組成比が体積比で1/4よりもエチレンが少ない割合だと、十分な炭素変換率が得られなくなるおそれがあるからであり、また、エチレン/水素組成比が体積比で4/1よりも水素が少なくなると、上述した水素を含有させたときの効果が十分に得られなくなるからである。
加えて、前記混合ガスに占めるCOガスの混合割合は、体積比で1〜40%の範囲であることが好ましい。前記混合割合が1体積%未満の場合には、COガスを含有させた時の効果が十分に得られないからであり、また、前記混合割合が35体積%を超えた場合では、炭素変換率が低下する傾向があるためである。なお、前記混合割合は、触媒の種類によって好適範囲が多少異なり、例えば、Fe触媒の場合には、混合ガス組成の炭素変換率に対するCO濃度は10〜40体積%であり、また、Fe−Ni合金触媒の場合には、混合ガス組成の炭素変換率に対するCO濃度は5〜40体積%であり、いずれの場合にも、最適なCO濃度は15体積%である。ただし、CO濃度の調節が経済的でない場合もあるので、好適範囲にある触媒の選択が大切である。
Feを主とするFe−Ni合金触媒だけでは、本発明の温度領域でエチレンを原料としたCNFの合成が不可能である。しかし、一酸化炭素はFeを主とするFe−Ni合金触媒と反応し、合成温度によって板状(Platelet)構造または管状(Tubular)構造のCNFを合成する作用を有しているため、混合ガスは、一酸化炭素(CO)をさらに含有することが好ましい。本発明は、本来、エチレンを原料とし、CNF合成ができない温度領域で二酸化炭素を添加することによって、CNFの合成は無論、さらに収率が向上することを特徴とする。しかし、エチレンを原料とする場合、エチレンが二酸化炭素によって変化し、Fe−Ni合金触媒と反応ができる反応種になるのにかかる時間、つまり、ガスがCNFに変換するまでのインダクション時間(Induction Time)が必要となり、初期反応速度が遅延されることがある。こうした初期反応を改善するため、エチレンと二酸化炭素の系に、好ましくは5体積%程度の一酸化炭素を含有させることが好ましく、一酸化炭素の含有によって、CNF合成速度を速くすることが可能となる。
前記所定の反応温度(炭化水素ガスの熱分解温度)は、450〜600℃の範囲であることが好ましい。前記反応温度が450℃未満の場合では、炭化水素ガスから炭素への変換反応の速度が低く、十分な変換反応が進行しないためであり、600℃を上回る場合には、触媒の安定性が低下し、CNFが生成しないという問題が生じる恐れがあるからである。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
この発明に従う炭素ナノ繊維の製造方法によれば、高い炭素変換率で炭素ナノ繊維を生成、得ることが可能となり、また炭化水素、水素と二酸化炭素を同時に含有するプロセス排ガスをそのまま炭素ナノ繊維転換用原料ガスとして利用することができ、産業上の効果は大きい。
1 炭素ナノ繊維の製造装置
2 熱処理炉
3 ガス供給手段
4 触媒
5 石英ボート
6 混合ガス
7 炉内ガス
8 石英管
9 被覆部材
10温度コントローラ
11ガス流量コントローラ

Claims (11)

  1. FeもしくはNiからなる金属またはFeもしくはFeとNiの合金を含有する触媒を用い、炭化水素および水素を含有する原料ガスに二酸化炭素を含有した混合ガスを供給して所定の反応温度で反応させることによって炭素ナノ繊維を生成することを特徴とする炭素ナノ繊維の製造方法。
  2. 前記Fe基合金は、Fe−Ni系合金である請求項1記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  3. 前記Fe−Ni系合金は、Ni/Feの組成比が質量比で0.05〜0.4の範囲である請求項1または2記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  4. 前記触媒は、FeもしくはNiからなる金属またはFe基もしくはNi基合金を酸化物に担持した複合体からなる請求項1,2または3記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  5. 前記炭化水素は、エチレン、エタン、プロパン、アセチレンの少なくとも一種からなる請求項1〜4にいずれか1項記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  6. 前記炭化水素がエチレンであり、エチレン/水素の組成比が体積比で1/4〜4/1の範囲である請求項5記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  7. 前記原料ガスは、一酸化炭素をさらに含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  8. 前記所定の反応温度は、450〜600℃の範囲である請求項1〜7のいずれか1項記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  9. 前記触媒がFe金属である場合、前記混合ガスに占める二酸化炭素の混合割合は、体積比で1〜70%の範囲である請求項1〜8のいずれか1項記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  10. 前記触媒がNi金属である場合、前記混合ガスに占める二酸化炭素の混合割合は、体積比で1〜30%の範囲である請求項1〜8のいずれか1項記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
  11. 前記触媒がFe−Ni系合金である場合、前記混合ガスに占める二酸化炭素の混合割合は、体積比で2〜70%の範囲である請求項1〜8のいずれか1項記載の炭素ナノ繊維の製造方法。
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