JP2011084367A - 折機、及び、輪転印刷機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行紙10を裁断し折り曲げる折機であり、折機の折胴1は、針装置2が設けられる溝20内であり、かつ、カッティングゴム3の地側に、折胴1の外周面よりも窪んだ凹部41が、新聞紙11の袋側からペラ側にわたって形成された構成としてある。
【選択図】 図1
Description
一般的に、新聞輪転機は、大きく分類すると印刷機(印刷部)と折機(折り部)を備えている。
たとえば、図5に示す新聞用オフセット輪転印刷機100は、走行紙10に印刷を行う複数の印刷ユニットからなる印刷機と、印刷された複数の走行紙10を所定の走行ルートで走行させるレールフレーム部と、重ねられた複数の走行紙10に対して、第一折り、裁断、第二折り、及び、排紙を行う折機110とを備えている。
また、たとえば、折機110は、図6に示すように、操作側と駆動側とに、それぞれ折ユニットを有する構成としてある。各折ユニットは、ドラッグローラ121、三角板122、フォーミングローラ123、ニッピングローラ124、ロータリーフォルダー125、デリバリーファン126、及び、デリバリーベルト127などを備えた構成としてある。また、ロータリーフォルダー125は、折胴101、鋸胴102、及び、一対のフォルディングローラ103などを備えている。
この折機110は、三角板122が、重ねられた複数の走行紙10に対して、第一折りを行い、ロータリーフォルダー125が、第一折りされた走行紙10を裁断し、第二折りを行い、デリバリーファン126及びデリバリーベルト127が、新聞紙11を排出する。
次に、上記ロータリーフォルダー125について、図面を参照して説明する。
図7は、本発明に関連する折機のロータリーフォルダーの要部の概略正面図を示している。
図7において、ロータリーフォルダー125は、一対のブレード104、カッティングゴム3及び針装置2を有する折胴101、一対の鋸刃120を有する鋸胴102、並びに、一対のフォルディングローラ103などを備えている。
なお、図7では、ブレード104によって折られる新聞紙11を省略してある。また、裁断された走行紙10を、適宜、新聞紙11と呼称する。
折胴101は、一対のブレード104が、折胴101の軸心に対して点対称となるように、軸心方向に沿って設けられている。また、ブレード104は、ブレード軸(図示せず)に取り付けられており、ブレード104の先端は、ブレード軸が回転することにより、ハイポサイクロイド曲線に沿って移動する。
また、折胴101は、カッティングゴム3と針装置2とが、溝20に収めされており、すなわち、一対のカッティングゴム3と針装置2とが、折胴101の軸心に対して点対称となるように、軸心方向に沿って設けられている。
天側ホルダー31は、溝20に収められるように、折胴101に螺着される。この天側ホルダー31は、折胴101の外周面となる外面と、針アーム23を回動させるための孔311とを有している。
ゴム押え部材33は、溝20に収められるように、天側ホルダー31に螺着される。このゴム押え部材33は、折胴101の外周面となる外面と、針アーム23を回動させるための開口部331とを有している。
地側ホルダー32は、溝20に収められるように、折胴101に螺着される。この地側ホルダー32は、ゴム押え部材140の地側に、折胴101の外周面となる外面を有している。
なお、上記天側ホルダー31と地側ホルダー32は、別個の部品としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、天側ホルダー31と地側ホルダー32とを一体的に形成したホルダー(図示せず)としてもよい。
図7に示すように、鋸胴102は、一対の鋸刃120が、鋸胴102の軸心に対して点対称となるように、軸心方向に沿って設けられている。この鋸刃120は、鋸台を介して、鋸胴102に設けられている。
まず、新聞紙11の天側端部は、断裁されフリーの状態にあり、地側端部は、針21が引き抜かれることによりフリーの状態にある。また、新聞紙11は、一対のフォルディングローラ103に挟まれた状態で下方に送り出されることにより、第二折りが行なわれている。このとき、新聞紙11の地側端部には、フォルディングローラ103から離れる方向の慣性力が作用し、天側端部には、フォルディングローラ103に向かう方向の慣性力が作用する。さらに、フォルディングローラ103の周速は、現在第二折りしている新聞紙11と次の新聞紙11との追突を防ぐために、折胴101の周速より速く設定されている。
なお、通常、フリー状態にあるこの両端部をガイドするために、図示してないが、複数の天側ガイドや地側ガイド(これらのガイドは、アンチドッグイヤーガイドとも呼称される。)が設けられている。
続いて、中央側に移動した両端部は、垂直に立ち上がろうとするが、ゴム押え部材140の外面と接触し、ほぼ円弧状に湾曲する。この際、接触に関係する微妙な要因などによって、折れが発生する、あるいは、折れが発生すると想定される。
たとえば、特許文献1には、一対のフォルディングローラの少なくとも一方が、ローラ本体と、このローラ本体と同径に形成され、通過する走行紙のペラ側となるローラ本体の一端軸部に同軸的に、かつローラ本体に対し円周方向の位相が調整可能に嵌合されたローラ部(凹欠部の形成されたローラ部)とからなる輪転機の折畳装置用折りローラの技術が開示されている。これら一対のフォルディングローラは、タイムドローラとも呼称され、天折れを防止することができる。
また、新聞用オフセット輪転印刷機100の高速化などにより、たとえば、一対のフォルディングローラ103が新聞紙11を挟むタイミングが変動したりすると、挟まれた新聞紙11の天側の紙端が、次の新聞紙11の地側の紙端と追突することもあり、かかる場合にも、折れが発生していた。
すなわち、不要な折れの発生をさらに完全なレベルにまで防止することはできないといった問題があった。
さらに、特許文献4の段落「0041」の2〜3行目に、「この第1ガイド面51及び第2ガイド面52は、鋸刃受33に隣接して設けられている。」との記載があるが、この文の「隣接して設けてある」は、実施形態の説明と矛盾している。正しく表現すると、「この第1ガイド面51及び第2ガイド面52は、鋸刃受33の隣に、所定の隙間を空けて設けられている。」となり、本願発明とは、全く異なる技術であった。
図1は、本発明の一実施形態にかかる折機の、折胴を説明するための要部の概略拡大断面を示している。
また、図2は、本発明の一実施形態にかかる折機の、折胴を説明するための要部の概略平面図を示している。
さらに、図3は、本発明の一実施形態にかかる折機の、ゴム押え部材を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
図1〜3において、本実施形態の折機は、ブレード104、カッティングゴム3及び針装置2を有する折胴1、鋸刃120を有する鋸胴102、並びに、一対のフォルディングローラ103などを備え、走行紙10を裁断し折り曲げる構成としてある。また、この折機は、上述した折機110と比べると(図6〜8参照)、折胴1が、ゴム押え部材140の代わりに、ゴム押え部材4を備えた点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、折機110とほぼ同様としてある。
したがって、図1〜3において、図6〜8と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
折胴1は、針装置2が設けられる折胴1の溝20内であり、かつ、カッティングゴム3の地側に、折胴1の外周面よりも窪んだ凹部41が、新聞紙11の袋側からペラ側にわたって形成されている。
本実施形態では、カッティングゴム3を固定するための地側のゴム押え部材4に、凹部41が形成されている。ゴム押え部材4は、上方から見ると、細長いほぼ矩形状であり、針アーム23と対応する位置に、針アーム23を針軸22に螺着するための、あるいは、針アーム23の角度を調整するための長穴42が形成されている(図2参照)。このように、凹部41をゴム押え部材4にのみ形成することにより、構造を単純化でき、製造原価のコストダウンを図ることができる。また、矩形状のゴム押え部材4の幅寸法Lは、通常、数十mmであり、本実施形態では、たとえば、50mmとしてある。
なお、本実施形態では、凹部41を形成する一対の斜面をそれぞれ平面としてあるが、これに限定されるものではない。たとえば、図示してないが、折胴1の内側又は外側に向かって湾曲した曲面としてもよい。
ここで、ゴム押え部材4の材料は、上記の金属に限定されるものではなく、たとえば、摩擦係数の小さい材料や耐摩耗性に優れた材料などを用いることができる。あるいは、凹部41などの新聞紙11の端部が接触する面に、セラミックなどの耐摩耗性材料をコーティングした金属などを用いることができる。
また、好ましくは、カッティングゴム3を固定するためのゴム押え部材4の材料が、樹脂材料、又は、樹脂と金属とからなる複合材料であってもよい。このようにすると、摩擦係数の小さいフッ素樹脂や6ナイロンなどを用いることができ、新聞紙11へのダメージなどを抑制することができる。
なお、その他の構成は、上述した折機110(図6〜8参照)とほぼ同様としてある。
本実施形態の折機は、上述したように、まず、レールフレーム部から送り込まれた走行紙10を三角板122で第一折りし、続いて、折胴1と鋸胴102の間に導く。
次に、折胴1に設けられ、所定のタイミングで揺動突出する針21が、導かれた走行紙10の印刷面の余白に当たる適宜な位置に突き刺さり、走行紙10を折胴101の外周面に固定する。これにより、針21によって固定された走行紙10が、折胴1の回転とともに折胴1の外周面に巻き付く。続いて、鋸胴102に設けられた鋸刃120と折胴1に設けられたカッティングゴム3が、鋸胴102及び折胴1の回転とともに回転移動し、向き合って当接すると、折胴1に巻き付いた走行紙10を、新聞紙11の所定の長さに断裁する。
なお、上述した特許文献3、4の技術は、第二折りの最終段階に入る前の暴れを抑制しようとする技術であるのに対して、本実施形態は、第二折りの最終段階に入った後に、暴れている紙端をスムースに立ち上がらせることができ、その後、紙端をスムースにフォルディングローラ103へ導くことができる技術である。この点などにおいて、本実施形態の技術と特許文献3、4の技術とは、折れの発生原因に対する認識、及び、解決手段において、全く異なる技術である。
さらに、本実施形態では、ゴム押え部材140の代わりに、ゴム押え部材4を取り付けることができるので、既存の折機に容易に適用することができるといった効果を有している。
また、本実施形態は、様々な応用例を有している。
次に、本実施形態の応用例について、図面を参照して説明する。
図4は、本発明の一実施形態にかかる折機の応用例の、ゴム押え部材を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
図4において、本応用例の折機は、上述した実施形態の折機と比べると、ゴム押え部材4の代わりに、断面形状の異なる凹部41aを有するゴム押え部材4aを備えた点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、上記実施形態とほぼ同様としてある。
したがって、図4において、図3と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、凹部41aの断面形状は、円弧状としてある。すなわち、この円弧状は、一対のフォルディングローラ103の軸心の仮想中央線上に、ゴム押え部材4aの幅方向のほぼ中央部が位置するとき、折胴1の仮想外周面から距離Haだけ窪んだ形状としてある。ここで、距離Haは、通常、数mm〜十数mmであり、本応用例では、たとえば、8mmとしてある。
なお、その他の構成は、上記実施形態とほぼ同様としてある。
本応用例の折機は、上述した実施形態とほぼ同様に動作する。すなわち、 図示してないが、第二折りの最終段階に入ると(三角柱状の空間に、新聞紙11の天側端部及び地側端部が入ると)、この両端部は、完全にフリー状態となり中央側に移動する。
なお、その他の動作は、上記実施形態とほぼ同様としてある。
また、本発明は、輪転印刷機の発明としても有効である。
本実施形態の輪転印刷機(新聞用オフセット輪転印刷機)は、図示してないが、複数の走行紙10に印刷を行う印刷機、及び、印刷された走行紙10を裁断し折り曲げる折機などを備えた構成としてある。また、この輪転印刷機は、上述した新聞用オフセット輪転印刷機100と比べると(図5参照)、折機110の代わりに、上述した実施形態の折機を備えた点などが相違する。
なお、本実施形態の他の構成は、新聞用オフセット輪転印刷機100とほぼ同様としてある。
例えば、ゴム押え部材4、4aの凹部41、41aの断面形状は、上述した形状に限定されるものではなく、暴れている紙端をスムースに立ち上がらせ、フォルディングローラ103へ導くとともに、上記紙端が次の新聞紙11の紙端と追突することを防ぐことが可能な形状であればよい。
あるいは、上記断面形状として、図示してないが、凹部の中央部が、折胴1の仮想外周面より窪んだ状態で突出した波型形状などでもよい。このような波型形状とすると、中央の突出した部分が、新聞紙11の紙端が立ち上った位置でストッパとして機能することができ、暴れている紙端をよりスムースに(紙端が立ち上った位置付近で、暴れを抑制しつつ)立ち上がらせることができる。
2 針装置
3 カッティングゴム
4、4a ゴム押え部材
10 走行紙
11 新聞紙
20 溝
21 針
22 針軸
23 針アーム
31 天側ホルダー
32 地側ホルダー
33 ゴム押え部材
41、41a 凹部
42 長穴
100 新聞用オフセット輪転印刷機
101 折胴
102 鋸胴
103 フォルディングローラ
104 ブレード
110 折機
120 鋸刃
121 ドラッグローラ
122 三角板
123 フォーミングローラ
124 ニッピングローラ
125 ロータリーフォルダー
126 デリバリーファン
127 デリバリーベルト
140 ゴム押え部材
311 孔
331 開口部
一般的に、新聞輪転機は、大きく分類すると印刷機(印刷部)と折機(折り部)を備えている。
たとえば、図5に示す新聞用オフセット輪転印刷機100は、新聞用走行紙10に印刷を行う複数の印刷ユニットからなる印刷機と、印刷された複数の新聞用走行紙10を所定の走行ルートで走行させるレールフレーム部と、重ねられた複数の新聞用走行紙10に対して、第一折り、裁断、第二折り、及び、排紙を行う折機110とを備えている。
また、たとえば、折機110は、図6に示すように、操作側と駆動側とに、それぞれ折ユニットを有する構成としてある。各折ユニットは、ドラッグローラ121、三角板122、フォーミングローラ123、ニッピングローラ124、ロータリーフォルダー125、デリバリーファン126、及び、デリバリーベルト127などを備えた構成としてある。また、ロータリーフォルダー125は、折胴101、鋸胴102、及び、一対のフォルディングローラ103などを備えている。
この折機110は、三角板122が、重ねられた複数の新聞用走行紙10に対して、第一折りを行い、ロータリーフォルダー125が、第一折りされた新聞用走行紙10を裁断し、第二折りを行い、デリバリーファン126及びデリバリーベルト127が、新聞紙11を排出する。
次に、上記ロータリーフォルダー125について、図面を参照して説明する。
図7は、本発明に関連する折機のロータリーフォルダーの要部の概略正面図を示している。
図7において、ロータリーフォルダー125は、一対のブレード104、カッティングラバー3及び針装置2を有する折胴101、一対の鋸刃120を有する鋸胴102、並びに、一対のフォルディングローラ103などを備えている。
なお、図7では、ブレード104によって折られる新聞紙11を省略してある。また、裁断された新聞用走行紙10を、適宜、新聞紙11と呼称する。
折胴101は、一対のブレード104が、折胴101の軸心に対して点対称となるように、軸心方向に沿って設けられている。また、ブレード104は、ブレード軸(図示せず)に取り付けられており、ブレード104の先端は、ブレード軸が回転することにより、ハイポサイクロイド曲線に沿って移動する。
また、折胴101は、カッティングラバー3と針装置2とが、溝20に収めされており、すなわち、一対のカッティングラバー3と針装置2とが、折胴101の軸心に対して点対称となるように、軸心方向に沿って設けられている。
天側ホルダー31は、溝20に収められるように、折胴101に螺着される。この天側ホルダー31は、折胴101の外周面となる外面と、針アーム23を回動させるための孔311とを有している。
ラバー押え部材33は、溝20に収められるように、天側ホルダー31に螺着される。このラバー押え部材33は、折胴101の外周面となる外面と、針アーム23を回動させるための開口部331とを有している。
地側ホルダー32は、溝20に収められるように、折胴101に螺着される。この地側ホルダー32は、ラバー押え部材140の地側に、折胴101の外周面となる外面を有している。
なお、上記天側ホルダー31と地側ホルダー32は、別個の部品としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、天側ホルダー31と地側ホルダー32とを一体的に形成したホルダー(図示せず)としてもよい。
図7に示すように、鋸胴102は、一対の鋸刃120が、鋸胴102の軸心に対して点対称となるように、軸心方向に沿って設けられている。この鋸刃120は、鋸台を介して、鋸胴102に設けられている。
まず、新聞紙11の天側端部は、断裁されフリーの状態にあり、地側端部は、針21が引き抜かれることによりフリーの状態にある。また、新聞紙11は、一対のフォルディングローラ103に挟まれた状態で下方に送り出されることにより、第二折りが行なわれている。このとき、新聞紙11の地側端部には、フォルディングローラ103から離れる方向の慣性力が作用し、天側端部には、フォルディングローラ103に向かう方向の慣性力が作用する。さらに、フォルディングローラ103の周速は、現在第二折りしている新聞紙11と次の新聞紙11との追突を防ぐために、折胴101の周速より速く設定されている。
なお、通常、フリー状態にあるこの両端部をガイドするために、図示してないが、複数の天側ガイドや地側ガイド(これらのガイドは、アンチドッグイヤーガイドとも呼称される。)が設けられている。
続いて、中央側に移動した両端部は、垂直に立ち上がろうとするが、ラバー押え部材140の外面と接触し、ほぼ円弧状に湾曲する。この際、接触に関係する微妙な要因などによって、折れが発生する、あるいは、折れが発生すると想定される。
たとえば、特許文献1には、一対のフォルディングローラの少なくとも一方が、ローラ本体と、このローラ本体と同径に形成され、通過する走行紙のペラ側となるローラ本体の一端軸部に同軸的に、かつローラ本体に対し円周方向の位相が調整可能に嵌合されたローラ部(凹欠部の形成されたローラ部)とからなる輪転機の折畳装置用折りローラの技術が開示されている。これら一対のフォルディングローラは、タイムドローラとも呼称され、天折れを防止することができる。
また、新聞用オフセット輪転印刷機100の高速化などにより、たとえば、一対のフォルディングローラ103が新聞紙11を挟むタイミングが変動したりすると、挟まれた新聞紙11の天側の紙端が、次の新聞紙11の地側の紙端と追突することもあり、かかる場合にも、折れが発生していた。
すなわち、不要な折れの発生をさらに完全なレベルにまで防止することはできないといった問題があった。
図1は、本発明の一実施形態にかかる折機の、折胴を説明するための要部の概略拡大断面を示している。
また、図2は、本発明の一実施形態にかかる折機の、折胴を説明するための要部の概略平面図を示している。
さらに、図3は、本発明の一実施形態にかかる折機の、ラバー押え部材を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
図1〜3において、本実施形態の折機は、ブレード104、カッティングラバー3及び針装置2を有する折胴1、鋸刃120を有する鋸胴102、並びに、一対のフォルディングローラ103などを備え、新聞用走行紙10を裁断し折り曲げる構成としてある。また、この折機は、上述した折機110と比べると(図6〜8参照)、折胴1が、ラバー押え部材140の代わりに、ラバー押え部材4を備えた点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、折機110とほぼ同様としてある。
したがって、図1〜3において、図6〜8と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
折胴1は、針装置2が設けられる折胴1の溝20内であり、かつ、カッティングラバー3の地側に、折胴1の外周面よりも窪んだ凹部41が、新聞紙11の袋側からペラ側にわたって形成されている。
本実施形態では、カッティングラバー3を固定するための地側のラバー押え部材4に、凹部41が形成されている。ラバー押え部材4は、上方から見ると、細長いほぼ矩形状であり、針アーム23と対応する位置に、針アーム23を針軸22に螺着するための、あるいは、針アーム23の角度を調整するための長穴42が形成されている(図2参照)。このように、凹部41をラバー押え部材4にのみ形成することにより、構造を単純化でき、製造原価のコストダウンを図ることができる。また、矩形状のラバー押え部材4の幅寸法Lは、通常、数十mmであり、本実施形態では、たとえば、50mmとしてある。
なお、本実施形態では、凹部41を形成する一対の斜面をそれぞれ平面としてあるが、これに限定されるものではない。たとえば、図示してないが、折胴1の内側又は外側に向かって湾曲した曲面としてもよい。
ここで、ラバー押え部材4の材料は、上記の金属に限定されるものではなく、たとえば、摩擦係数の小さい材料や耐摩耗性に優れた材料などを用いることができる。あるいは、凹部41などの新聞紙11の端部が接触する面に、セラミックなどの耐摩耗性材料をコーティングした金属などを用いることができる。
また、好ましくは、カッティングラバー3を固定するためのラバー押え部材4の材料が、樹脂材料、又は、樹脂と金属とからなる複合材料であってもよい。このようにすると、摩擦係数の小さいフッ素樹脂や6ナイロンなどを用いることができ、新聞紙11へのダメージなどを抑制することができる。
なお、その他の構成は、上述した折機110(図6〜8参照)とほぼ同様としてある。
本実施形態の折機は、上述したように、まず、レールフレーム部から送り込まれた新聞用走行紙10を三角板122で第一折りし、続いて、折胴1と鋸胴102の間に導く。
次に、折胴1に設けられ、所定のタイミングで揺動突出する針21が、導かれた新聞用走行紙10の印刷面の余白に当たる適宜な位置に突き刺さり、新聞用走行紙10を折胴101の外周面に固定する。これにより、針21によって固定された新聞用走行紙10が、折胴1の回転とともに折胴1の外周面に巻き付く。続いて、鋸胴102に設けられた鋸刃120と折胴1に設けられたカッティングラバー3が、鋸胴102及び折胴1の回転とともに回転移動し、向き合って当接すると、折胴1に巻き付いた新聞用走行紙10を、新聞紙11の所定の長さに断裁する。
なお、上述した特許文献3、4の技術は、第二折りの最終段階に入る前の暴れを抑制しようとする技術であるのに対して、本実施形態は、第二折りの最終段階に入った後に、暴れている紙端をスムースに立ち上がらせることができ、その後、紙端をスムースにフォルディングローラ103へ導くことができる技術である。この点などにおいて、本実施形態の技術と特許文献3、4の技術とは、折れの発生原因に対する認識、及び、解決手段において、全く異なる技術である。
さらに、本実施形態では、ラバー押え部材140の代わりに、ラバー押え部材4を取り付けることができるので、既存の折機に容易に適用することができるといった効果を有している。
また、本実施形態は、様々な応用例を有している。
次に、本実施形態の応用例について、図面を参照して説明する。
図4は、本発明の一実施形態にかかる折機の応用例の、ラバー押え部材を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
図4において、本応用例の折機は、上述した実施形態の折機と比べると、ラバー押え部材4の代わりに、断面形状の異なる凹部41aを有するラバー押え部材4aを備えた点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、上記実施形態とほぼ同様としてある。
したがって、図4において、図3と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、凹部41aの断面形状は、円弧状としてある。すなわち、この円弧状は、一対のフォルディングローラ103の軸心の仮想中央線上に、ラバー押え部材4aの幅方向のほぼ中央部が位置するとき、折胴1の仮想外周面から距離Haだけ窪んだ形状としてある。ここで、距離Haは、通常、数mm〜十数mmであり、本応用例では、たとえば、8mmとしてある。
なお、その他の構成は、上記実施形態とほぼ同様としてある。
本応用例の折機は、上述した実施形態とほぼ同様に動作する。すなわち、 図示してないが、第二折りの最終段階に入ると(三角柱状の空間に、新聞紙11の天側端部及び地側端部が入ると)、この両端部は、完全にフリー状態となり中央側に移動する。
なお、その他の動作は、上記実施形態とほぼ同様としてある。
また、本発明は、輪転印刷機の発明としても有効である。
本実施形態の輪転印刷機(新聞用オフセット輪転印刷機)は、図示してないが、複数の新聞用走行紙10に印刷を行う印刷機、及び、印刷された新聞用走行紙10を裁断し折り曲げる折機などを備えた構成としてある。また、この輪転印刷機は、上述した新聞用オフセット輪転印刷機100と比べると(図5参照)、折機110の代わりに、上述した実施形態の折機を備えた点などが相違する。
なお、本実施形態の他の構成は、新聞用オフセット輪転印刷機100とほぼ同様としてある。
例えば、ラバー押え部材4、4aの凹部41、41aの断面形状は、上述した形状に限定されるものではなく、暴れている紙端をスムースに立ち上がらせ、フォルディングローラ103へ導くとともに、上記紙端が次の新聞紙11の紙端と追突することを防ぐことが可能な形状であればよい。
あるいは、上記断面形状として、図示してないが、凹部の中央部が、折胴1の仮想外周面より窪んだ状態で突出した波型形状などでもよい。このような波型形状とすると、中央の突出した部分が、新聞紙11の紙端が立ち上った位置でストッパとして機能することができ、暴れている紙端をよりスムースに(紙端が立ち上った位置付近で、暴れを抑制しつつ)立ち上がらせることができる。
2 針装置
3 カッティングラバー
4、4a ラバー押え部材
10 新聞用走行紙.
11 新聞紙
20 溝
21 針
22 針軸
23 針アーム
31 天側ホルダー
32 地側ホルダー
33 ラバー押え部材
41、41a 凹部
42 長穴
100 新聞用オフセット輪転印刷機
101 折胴
102 鋸胴
103 フォルディングローラ
104 ブレード
110 折機
120 鋸刃
121 ドラッグローラ
122 三角板
123 フォーミングローラ
124 ニッピングローラ
125 ロータリーフォルダー
126 デリバリーファン
127 デリバリーベルト
140 ラバー押え部材
311 孔
331 開口部
地側ホルダー32は、溝20に収められるように、折胴101に螺着される。この地側ホルダー32は、ラバー押え部材140の地側に、折胴101の外周面となる外面を有している。
なお、上記天側ホルダー31と地側ホルダー32は、別個の部品としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、天側ホルダー31と地側ホルダー32とを一体的に形成したホルダー(図示せず)としてもよい。
折胴1は、針装置2が設けられる折胴1の溝20内であり、かつ、カッティングラバー3の回転方向側に、折胴1の外周面よりも窪んだ凹部41が、新聞紙11の袋側からペラ側にわたって形成されている。なお、図1、2に示すように、凹部41は、ラバー押え部材4に、新聞紙11の袋側からペラ側の全体にわたって形成されている。
本実施形態では、カッティングラバー3を固定するための回転方向側のラバー押え部材4に、凹部41が形成されている。ラバー押え部材4は、上方から見ると、細長いほぼ矩形状であり、針アーム23と対応する位置に、針アーム23を針軸22に螺着するための、あるいは、針アーム23の角度を調整するための長穴42が形成されている(図2参照)。このように、凹部41をラバー押え部材4にのみ形成することにより、構造を単純化でき、製造原価のコストダウンを図ることができる。また、矩形状のラバー押え部材4の幅寸法Lは、通常、数十mmであり、本実施形態では、たとえば、50mmとしてある。
Claims (6)
- ブレード、カッティングゴム及び針装置を有する折胴、鋸刃を有する鋸胴、並びに、一対のフォルディングローラを備え、走行紙を裁断し折り曲げる折機において、
前記針装置が設けられる前記折胴の溝内であり、かつ、前記カッティングゴムの地側に、前記折胴の外周面よりも窪んだ凹部が、前記印刷紙の袋側からペラ側にわたって形成されたことを特徴とする折機。 - 前記カッティングゴムを固定するためのゴム押え部材に、及び/又は、前記ゴム押え部材の取り付けられる地側ホルダーに、前記凹部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の折機。
- 前記カッティングゴムを固定するためのゴム押え部材の材料が、樹脂材料、又は、樹脂と金属とからなる複合材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の折機。
- 前記凹部の軸方向断面形状が、山形形状及び/又は円弧状を有する形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の折機。
- タイムドローラ、アンチドッグイヤーガイド、折れ防止ガイド、エア吹付け手段、及び、ブラシガイドの少なくとも一つを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の折機。
- 複数の走行紙に印刷を行う印刷機と、印刷された前記走行紙を裁断し折り曲げる折機とを備えた輪転印刷機において、
前記折機が、上記請求項1〜5のいずれか一項に記載の折機であることを特徴とする輪転印刷機。
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