JP2011084171A - 車両構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突安全性能の向上と軽量化との両立を効率的に図ることができる車両構造を得る。
【解決手段】アッパフレーム20の下端部が結合されるロアフレーム30は、サイドフレーム32とクロスメンバ34とが連結構造部36によって連結されている。連結構造部36は、ロアフレーム30に対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力された状態で、サイドフレーム32に対して段付ボルト40の軸回りにクロスメンバ34の相対回動を許容する。また、サイドフレーム32は、前輪タイヤ28Aの車両後方側で後輪タイヤ28Bの車両前方側に配置され、アッパフレーム20、サイドメンバパネル12H及びフロントドア12Iよりも、車両平面視で車両幅方向外側に配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャビンの骨格を構成するアッパフレームがロアフレームに結合された車両構造に関する。
小型車両の車両構造においては、シートの前方側に枢支軸が配置されて車体幅方向に延びると共に、この枢支軸により肘掛けの前端部が車体に枢支されるものがある(例えば、特許文献1参照)。このような構造では、枢支軸や肘掛けの基部側により、車体の前部を補強し、車両の前突時(前面衝突時)に車体前部が大きく変形することを防止している。
特開2008−184070公報
しかしながら、この構造では、キャビン側だけの補強で変形防止を図っているので、衝突安全性能の向上と軽量化との両立に対し非効率的である。
本発明は、上記事実を考慮して、衝突安全性能の向上と軽量化との両立を効率的に図ることができる車両構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両構造は、キャビンの骨格を構成するアッパフレームと、前記アッパフレームの下端部が結合されて車両下部に配置され、車両前後方向に沿って配設される左右一対のサイドフレームと、車両幅方向に沿って配設されて前記左右一対のサイドフレームを連結する前後一対のクロスメンバと、を備えたロアフレームと、前記サイドフレームの前端の車両前方側及び前記サイドフレームの後端の車両後方側に前記サイドフレームに対して所定の間隔を開けて配設されたタイヤと、前記サイドフレームと前記クロスメンバとを連結すると共に、前記ロアフレームに対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力された状態で前記サイドフレームに対して車両上下方向の軸回りに前記クロスメンバの相対回動を許容する連結手段と、を有する。
請求項1に記載する本発明の車両構造によれば、ロアフレームは、アッパフレームの下端部が結合されて車両下部に配置されており、左右一対のサイドフレームが前後一対のクロスメンバによって連結されている。また、サイドフレームの前端の車両前方側及びサイドフレームの後端の車両後方側には、タイヤがサイドフレームに対して所定の間隔を開けて配設されている。このため、例えば、前突時(前面衝突時)や後突時(後面衝突時)には、タイヤに入力された荷重が当該タイヤからサイドフレームへ伝達される。
ここで、サイドフレームとクロスメンバとは、連結手段によって連結されており、この連結手段は、ロアフレームに対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力された状態で、サイドフレームに対して車両上下方向の軸回りにクロスメンバの相対回動を許容する。このため、例えば、衝突時にタイヤへ衝突荷重が入力された後、ロアフレームに対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力されると、クロスメンバがサイドフレームに対して車両上下方向の軸回りに相対回動することで衝突エネルギーが吸収される。また、このとき、クロスメンバがサイドフレームに対して車両上下方向の軸回りに相対回動することで、サイドフレームが反衝突側のタイヤに当ると、サイドフレームから反衝突側のタイヤへ衝突荷重が伝えられ、これによっても衝突エネルギーが吸収される。
請求項2に記載する本発明の車両構造は、請求項1記載の構成において、前記サイドフレームは、前記キャビンを形成して車両の両サイドに配設されるサイド部材よりも、車両平面視で車両幅方向外側に配設されている。
請求項2に記載する本発明の車両構造によれば、サイドフレームは、キャビンを形成して車両の両サイドに配設されるサイド部材よりも、車両平面視で車両幅方向外側に配設されているので、前突時や後突時にタイヤ側からサイドフレームに荷重が入力されても、キャビン側への荷重伝達が抑えられる。このため、この場合におけるアッパフレームの変形が抑えられる。
請求項3に記載する本発明の車両構造は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記クロスメンバは、前記サイドフレームの前端及び後端よりも車両前後方向内側に連結されている。
請求項3に記載する本発明の車両構造によれば、クロスメンバは、サイドフレームの前端及び後端よりも車両前後方向内側に連結されているので、前突時や後突時には、タイヤ側からの荷重がサイドフレームの前端や後端に安定的に入力される。このため、例えば、オフセット衝突時には、タイヤ側からサイドフレームへの安定した荷重入力によって、クロスメンバをサイドフレームに対して効果的に相対回動させることができ、衝突エネルギーが効果的に吸収される。
請求項4に記載する本発明の車両構造は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の構成において、一方の端部が前記クロスメンバに結合されると共に他方の端部が前記クロスメンバの車両前後方向外側に配設されるサイドメンバを有し、前記サイドメンバの他方の端部は、前記タイヤの車両前後方向外側の端部位置よりも車両前後方向内側に配置されている。
請求項4に記載する本発明の車両構造によれば、サイドメンバは、一方の端部がクロスメンバに結合されると共に、他方の端部がクロスメンバの車両前後方向外側に配設されており、当該他方の端部は、タイヤの車両前後方向外側の端部位置よりも車両前後方向内側に配置されている。このため、前突時や後突時には、サイドメンバに荷重が入力される前にタイヤに荷重が入力され、当該タイヤからサイドフレームの前端や後端に荷重が伝達される。よって、ロアフレームがある程度変形することによって衝突エネルギーが吸収されてから、サイドメンバに荷重が入力され、当該サイドメンバの変形によっても衝突エネルギーが吸収される。
請求項5に記載する本発明の車両構造は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の構成において、前記アッパフレームの前記ロアフレームへの結合部には、前記アッパフレームを前記ロアフレームへ結合すると共に、前記サイドフレームに対して前記クロスメンバが車両上下方向の軸回りに相対回動することによって荷重が付与されて前記アッパフレームの前記ロアフレームからの離脱を許容する結合手段が設けられている。
請求項5に記載する本発明の車両構造によれば、アッパフレームのロアフレームへの結合部に設けられた結合手段は、アッパフレームをロアフレームへ結合すると共に、サイドフレームに対してクロスメンバが車両上下方向の軸回りに相対回動することによって荷重が付与されてアッパフレームのロアフレームからの離脱を許容する。このため、衝突時にサイドフレームに対してクロスメンバが車両上下方向の軸回りに相対回動すると、ロアフレームからアッパフレームが離脱するので、ロアフレームが変形してもアッパフレームの変形は抑えられる。
請求項6に記載する本発明の車両構造は、請求項4記載の構成において、前記サイドメンバは、車両の左右に配設されると共に前記他方の端部には車両前後方向を軸方向とするクラッシュボックスがそれぞれ設けられており、車両幅方向の一方側の前記クラッシュボックスよりも、車両幅方向の他方側の前記クラッシュボックスは、軸圧縮荷重に対する耐力が高く設定されている。
請求項6に記載する本発明の車両構造によれば、車両の左右に配設されるサイドメンバは、他方の端部に車両前後方向を軸方向とするクラッシュボックスがそれぞれ設けられており、車両幅方向の一方側のクラッシュボックスよりも、車両幅方向の他方側のクラッシュボックスは、軸圧縮荷重に対する耐力が高く設定されている。このため、例えば、フルラップでの衝突時に衝突荷重がタイヤに入力されて左右のサイドフレームに伝達された後、左右のクラッシュボックスに衝突荷重が入力された場合、耐力が低い車両幅方向の一方側のクラッシュボックスが先に潰れ切ることになる。これによって、ロアフレームには、車両幅方向の他方側よりも先に車両幅方向の一方側でより大きい所定値以上の衝突荷重が入力されることになるので、クロスメンバがサイドフレームに対して車両上下方向の軸回りに相対回動する。このロアフレームの変形により衝突エネルギーが吸収される。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両構造によれば、衝突安全性能の向上と軽量化との両立を効率的に図ることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両構造によれば、前突時や後突時にタイヤに荷重が入力された場合、アッパフレームの変形を効果的に抑えることができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両構造によれば、前突時や後突時にタイヤ側からの荷重をサイドフレームの前端や後端に安定的に入力させることができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の車両構造によれば、前突時や後突時には、ロアフレームによって衝突エネルギーを吸収させてからサイドメンバによって衝突エネルギーを吸収させることができ、また、これによって、先にサイドメンバに衝突荷重が入力されるような対比構造に比べサイドメンバの軽量化を図ることもできるという優れた効果を有する。
請求項5に記載の車両構造によれば、衝突時にロアフレームが変形してもアッパフレームの変形を抑えることができるという優れた効果を有する。
請求項6に記載の車両構造によれば、フルラップでの衝突時にもロアフレームを効果的に変形させて衝突エネルギーを効果的に吸収することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両構造を車両平面視で示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両構造を車両正面視で示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両構造を車両側面視で示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両構造の概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両構造の連結構造部を示す斜視図である。 図5の6線矢視方向から見た状態の連結構造部を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両構造の結合構造部を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両構造の結合構造部を車両側面視で示す側面図(図7の8−8線に沿った側断面図に対応する図)である。 本発明の第1の実施形態に係る車両構造を備えた車両がオフセット衝突する前後の状態を車両平面視で模式的に示す図である。図9(A)はオフセット衝突する直前の状態を示す。図9(B)はオフセット衝突後の状態を示す。 本発明の第2の実施形態に係る車両構造の連結構造部を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両構造の一部を平面視で示す概略構成図である。
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る車両構造について図1〜図9を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。また、本実施形態に係る車両構造が適用される車両は、超軽量車両(所謂マイクロカー領域の車両)とされている。
図1には、本実施形態に係る車両構造10が車両平面視の概略構成図にて示されており、図2には、車両構造10が車両正面視の概略構成図にて示され、図3には、車両構造10が車両側面視の概略構成図にて示されている。また、図4には、車両構造10の概略構成が分解斜視図にて示されている。
図4に示されるように、車両構造10は、キャビン24(客室)の骨格を構成するアッパフレーム20を備えている。アッパフレーム20の前部は、フード12A、フロントバンパ12B及びフェンダパネル12Cによって覆われている。また、アッパフレーム20の上部は樹脂製のルーフパネル12Dによって覆われると共に、ルーフパネル12Dの前側にフロントウィンドガラス12E、ルーフパネル12Dの後側に樹脂製のリヤガラスハッチ12Fが配設され、リヤガラスハッチ12Fの車両下方側には樹脂製のリヤバンパ12Gが配設されている。さらに、アッパフレーム20の側部は、樹脂製のサイド部材としてのサイドメンバパネル12Hによって覆われ、このサイドメンバパネル12Hのドア開口部112に樹脂製のサイド部材としてのフロントドア12Iが配設されている。これらのサイドメンバパネル12H及びフロントドア12Iは、キャビン24の側部を形成して車両の両サイドに配設される。なお、図中では、車両左側のサイドメンバパネル12H及びフロントドア12Iのみを図示し、車両右側のサイドメンバパネル及びフロントドアは図示を省略している。
アッパフレーム20は、金属製(例えば、鋼製やアルミニウム合金製)のパイプで形成されている。
アッパフレーム20の側部前側には、略車両上下方向に延在する左右一対のフロントピラー部20Aが設けられている。フロントピラー部20Aの長手方向中間部には、フロントサイドアッパメンバ部20Bの後端部が結合されている。フロントサイドアッパメンバ部20Bは、車両前方側へ向けて徐々に車両下方側に延出するように略湾曲状に形成されており、下端部同士がフロントクロスアッパメンバ部20Cによって連結されている。フロントサイドアッパメンバ部20Bの延出方向の中間部には、補強クロスメンバ部20Dが掛け渡されると共に、フロントピラー部20Aの下部側から延設された補強メンバ部20Eが結合されている。フロントサイドアッパメンバ部20Bと補強メンバ部20Eとの結合部近傍には、サスペンション取付部20Fが設けられている。このサスペンション取付部20Fには、前輪タイヤ28A(図1参照)用の図示しないサスペンションが取り付けられる。
フロントピラー部20Aの上端には、フロントウィンドフレーム部20Gが掛け渡されると共に、ルーフサイドレール部20Hの前端に連続している。ルーフサイドレール部20Hは車両前後方向に延在している。ルーフサイドレール部20Hの後端には、リヤガラスフレーム部20Iが掛け渡されると共に、略車両上下方向に延在するリヤピラー部20Jの上端に連続している。ルーフサイドレール部20Hの長手方向中間部とリヤピラー部20Jの長手方向中間部とは、車両側面視で略L字状の補強メンバ部20Kによって連結されている。補強メンバ部20Kの中間部には、サスペンション取付部20Lが設けられている。このサスペンション取付部20Lには、後輪タイヤ28B(図1参照)用の図示しないサスペンションが取り付けられる。
また、リヤピラー部20Jの長手方向中間部には、リヤサイドアッパメンバ部20Mの前端部が結合されている。リヤサイドアッパメンバ部20Mは、車両後方側へ向けて徐々に車両下方側に延出するように略湾曲状に形成されており、下端部同士がリヤクロスアッパメンバ部20Nによって連結されている。
フロントピラー部20Aの下端部側とリヤピラー部20Jの下端部側とは、車両前後方向に延在するフロアメンバ20Pによって連結されている。このフロアメンバ20P上には、車両床部を構成する樹脂製のフロアパネル22が配設されている。フロアメンバ20Pとフロアパネル22とは、接着やボルト締結等によって結合されている。
アッパフレーム20の下端部は、金属製(例えば、鋼製やアルミニウム合金製)のロアフレーム30に結合されている。このロアフレーム30は、車両下部に配置されており、車両前後方向に沿って配設される左右一対のサイドフレーム32を備えている。左右一対のサイドフレーム32は、前後一対のクロスメンバ34によって連結されており、クロスメンバ34は、車両幅方向に沿って配設されている。これにより、ロアフレーム30は、車両平面視で略矩形枠状部分(囲み部)を備えた構造に形成されている。なお、ロアフレーム30の略矩形枠の内側には、電池26が配設される。
図1及び図2に示されるように、サイドフレーム32は、サイドメンバパネル12H及びフロントドア12Iよりも、車両平面視で車両幅方向外側に配設されている。なお、図2では、キャビン形成部(キャビンスペース)の車両幅方向の範囲を符号S1で示し、サイドフレーム32及び後述する前輪タイヤ28A、後輪タイヤ28Bが配設される車両幅方向の範囲を符号S2で示している。
図1及び図3に示されるように、サイドフレーム32の前端の車両前方側には、サイドフレーム32に対して所定の間隔を開けて前輪タイヤ28A(ホイール付き前輪タイヤ)が配設されている。また、サイドフレーム32の後端の車両後方側には、サイドフレーム32に対して所定の間隔を開けて後輪タイヤ28B(ホイール付き後輪タイヤ)が配設されている。前輪タイヤ28A及び後輪タイヤ28Bは、走行用とされ、サスペンション(図示省略)を介してアッパフレーム20に支持されており、路面に接して車重を支持している。
図1に示されるサイドフレーム32とクロスメンバ34とは、いずれも長手方向に直交する方向の断面の形状が矩形状とされており、連結手段としての連結構造部36によって連結されている。図5には、この連結構造部36が斜視図にて示され、図6には、連結構造部36が図5の6線矢視方向から見た状態の正面図にて示されている。
図5及び図6に示されるように、クロスメンバ34の長手方向の端部には、サイドフレーム32の上面側及び下面側に重なるフランジ34Aが形成されている。クロスメンバ34の上下のフランジ34A及びサイドフレーム32は、車両上下方向を軸方向とする段付ボルト40の雄ねじ部によって貫通されており、この雄ねじ部がナット38の雌ねじ部に螺合されている。これによって、段付ボルト40の頭部40Aとナット38との間で、クロスメンバ34の上下のフランジ34Aとサイドフレーム32とが締め付けられている。
また、サイドフレーム32の車両幅方向内側の側面32Aに対してクロスメンバ34の縦壁部34Bにおける長手方向の端部は突き当てられた状態でアーク溶接等によって溶接されている。図中では、この溶接部を符号42で示す。
すなわち、連結構造部36では、段付ボルト40とナット38とによってクロスメンバ34のフランジ34Aがサイドフレーム32に締結されると共に、クロスメンバ34の縦壁部34Bにおける長手方向の端部がサイドフレーム32の車両幅方向内側の側面32Aに突き当て状態で溶接によって結合されている。
ここで、溶接部42による取付強度は、溶接のみでクロスメンバ(34)とサイドフレーム(32)とを接合するような一般的な構造における取付強度よりも低く設定されており、連結構造部36は、ロアフレーム30に対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力された状態で、サイドフレーム32に対して段付ボルト40の軸回り(車両上下方向の軸回り)にクロスメンバ34の相対回動(相対回転移動)を許容するように設定されている。なお、サイドフレーム32に対するクロスメンバ34の相対回動を許容する状態においては、溶接部42は破断状態になっても破断されずに変形状態になってもどちらでもよい。
また、図5に示されるように、クロスメンバ34は、サイドフレーム32の前端及び後端よりも車両前後方向内側(すなわち、前端よりも車両後方側、後端よりも車両前方側)に連結されている。換言すれば、図1に示されるように、サイドフレーム32の前端は、クロスメンバ34とサイドフレーム32との連結部位よりも車両前方側へ突出した突出部32Bとされており、サイドフレーム32の後端は、クロスメンバ34とサイドフレーム32との連結部位よりも車両後方側へ突出した突出部32Cとされている。
図4に示されるように、車両前方部側においてクロスメンバ34のサイドフレーム32への結合部よりもやや車両幅方向内側には、アッパサポートフロント部44が設けられ、車両後方部側においてクロスメンバ34のサイドフレーム32への結合部よりもやや車両幅方向内側には、アッパサポートリヤ部46が設けられている。アッパサポートフロント部44は、前側のクロスメンバ34から車両前方側へ延出しており、アッパサポートリヤ部46は、後側のクロスメンバ34から車両後方側へ延出している。
なお、アッパサポートリヤ部46の延出長さは、アッパフレーム20との位置関係等により、図4ではサイドフレーム32の突出部32Cの突出長さより若干長く図示されているが、アッパフレーム20の形状等によってはサイドフレーム32の突出部32Cの突出長さより若干短く設定されてもよい。
アッパサポートフロント部44の延出先端側及びアッパサポートリヤ部46の延出先端部側には、車両上下方向を中心軸とする半円柱状に切り欠かれた切欠部44A、46Aが形成されている。
図7及び図8には、アッパフレーム20のアッパサポートフロント部44(ロアフレーム30)への結合部48に設けられた結合手段としての結合構造部50が示されている。なお、アッパフレーム20のアッパサポートリヤ部46(図4参照)への結合構造部は、アッパフレーム20のアッパサポートフロント部44への結合構造部50と実質的に同様の構造であるので、同一符号を付して説明を省略する。
図8に示されるように、アッパサポートフロント部44の下面には、ブラケット52が溶接により接合されている。ブラケット52は、薄板状とされてボルト挿通用の貫通孔52A(図7参照)が貫通形成されており、アッパサポートフロント部44への接合状態では、この貫通孔52Aがアッパサポートフロント部44の切欠部44Aの概ね車両下方側へ配設されている。
アッパサポートフロント部44の切欠部44A内には、フロアメンバ20Pを貫通したフロントピラー部20Aの下端部120が収容されており、この下端部120は、アッパサポートフロント部44の切欠部44Aに数箇所だけアーク溶接等によって溶接(仮溶接)されている。図8では、この溶接部を符号54で示す。
また、図7及び図8に示されるように、フロントピラー部20Aの下端部120にはボルト軸56が予め埋め込まれている。ボルト軸56は、フロントピラー部20Aの下端部120から突出してブラケット52の貫通孔52Aを貫通しており、ボルト軸56の雄ねじ部がブラケット52の下面側に配設されるナット58の雌ねじ部に螺合されている。これによって、図8に示されるように、フロントピラー部20Aの下端部120とナット58との間で、ブラケット52が締め付けられている。
すなわち、結合構造部50では、ボルト軸56とナット58との螺合による締結力でアッパフレーム20がロアフレーム30に結合されると共に、フロントピラー部20Aの下端部120がアッパサポートフロント部44に溶接されることによって、アッパフレーム20がロアフレーム30に結合されている。ここで、結合構造部50は、アッパフレーム20をロアフレーム30へ結合すると共に、図1に示されるサイドフレーム32に対してクロスメンバ34が段付ボルト40の軸回りに(車両上下方向の軸回りに)相対回動することによって荷重が付与されてアッパフレーム20のロアフレーム30からの離脱を許容するように設定されている(図9(B)参照)。
図4に示されるように、アッパサポートフロント部44よりもやや車両幅方向内側には、左右一対のサイドメンバとしてのフロントサイドメンバ60が配設され、アッパサポートリヤ部46よりもやや車両幅方向内側には、左右一対のサイドメンバとしてのリヤサイドメンバ62が配設されている。フロントサイドメンバ60及びリヤサイドメンバ62は、車両前後方向を長手方向として配置されており、一方の端部としての基端部60A、62Aがクロスメンバ34に結合されると共に、他方の端部としての先端部60B、62Bがクロスメンバ34の車両前後方向外側(すなわち、フロントサイドメンバ60では車両前方側、リヤサイドメンバ62では車両後方側)に配設されている。なお、フロントサイドメンバ60の先端部60B及びリヤサイドメンバ62の先端部62Bには、衝撃吸収用のクラッシュボックスが設けられてもよい。
図1に示されるように、フロントサイドメンバ60の先端部60Bには、アッパフレーム20のフロントクロスアッパメンバ部20Cから車両後方側に延出された左右一対の取付部20Qが取り付けられている。また、リヤサイドメンバ62の先端部62Bは、アッパフレーム20のリヤクロスアッパメンバ部20Nから車両前方側に延出された左右一対の取付部20Rが取り付けられている。
また、フロントサイドメンバ60及びリヤサイドメンバ62の先端部60B、62Bは、前輪タイヤ28Aの前端位置28Xよりも車両後方側、後輪タイヤ28Bの後端位置28Yよりも車両前方側に配置(つまり、タイヤの車両前後方向外側の端部位置よりも車両前後方向内側に配置)されている。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
図1に示されるように、サイドフレーム32の前端の車両前方側には、前輪タイヤ28Aがサイドフレーム32に対して所定の間隔を開けて配設されているので、前突時に衝突荷重が前輪タイヤ28Aに入力されると、前輪タイヤ28Aは潰れ変形しながらサイドフレーム32の前端に当り、衝突荷重が前輪タイヤ28Aからサイドフレーム32へ伝達される。また、サイドフレーム32の後端の車両後方側には、後輪タイヤ28Bがサイドフレーム32に対して所定の間隔を開けて配設されているので、後突時に衝突荷重が後輪タイヤ28Bに入力されると、後輪タイヤ28Bは潰れ変形しながらサイドフレーム32の後端に当り、衝突荷重が後輪タイヤ28Bからサイドフレーム32へ伝達される。
ここで、本実施形態の車両構造10では、ロアフレーム30を構成するサイドフレーム32とクロスメンバ34とは、連結構造部36によって連結されており、この連結構造部36は、ロアフレーム30に対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力された状態で、サイドフレーム32に対して段付ボルト40の軸回りにクロスメンバ34の相対回動を許容する。
このため、図9に示されるように、オフセット衝突(ODB)時にバリア66からの衝突荷重が前輪タイヤ28A側に入力され(矢印F1参照)、前輪タイヤ28Aからロアフレーム30に対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力されると(矢印F2参照)、図9(B)に示されるように、クロスメンバ34がサイドフレーム32に対して段付ボルト40の軸回りに相対回動することで広範囲に荷重が分散されつつ衝突エネルギーが吸収される。換言すれば、車両衝突時にはロアフレーム30が衝突荷重吸収部として機能し、キャビン24(図2参照)の下方側においてロアフレーム30全体が車両平面視で平行四辺形に変形することで衝撃が吸収される。
また、このとき、クロスメンバ34がサイドフレーム32に対して段付ボルト40の軸回りに相対回動することで、サイドフレーム32の後端が反衝突側の後輪タイヤ28Bに当ると、サイドフレーム32から反衝突側の後輪タイヤ28Bへ衝突荷重が伝えられ(矢印F3参照)、これによっても衝突エネルギー(衝撃)が吸収される。
また、本実施形態の車両構造10では、図1に示されるように、クロスメンバ34は、サイドフレーム32の前端及び後端よりも車両前後方向内側に連結されているので、前突時や後突時には、前輪タイヤ28A側や後輪タイヤ28B側からの衝突荷重がサイドフレーム32の前端の突出部32Bや後端の突出部32Cに安定的に入力される。このため、図9に示されるようなオフセット衝突時には、前輪タイヤ28A側からサイドフレーム32の突出部32Bへの安定した荷重入力によって(矢印F2参照)、クロスメンバ34をサイドフレーム32に対して効果的に相対回動させることができ、衝突エネルギーが効果的に吸収される。また、図9(B)に示されるように、サイドフレーム32の後端側の突出部32Cから反衝突側の後輪タイヤ28Bへも安定した荷重入力がなされる。
また、本実施形態の車両構造10では、図1に示されるように、サイドフレーム32は、アッパフレーム20、サイドメンバパネル12H及びフロントドア12Iよりも、車両平面視で車両幅方向外側に配設されているので、前突時や後突時に前輪タイヤ28A側や後輪タイヤ28B側からサイドフレーム32に衝突荷重が入力されても、図9(B)に示されるように、アッパフレーム20(ひいてはキャビン24(図2参照)側)への荷重伝達が抑えられつつ衝撃が吸収される(キャビン部と衝突荷重吸収部との分離)。このため、この場合におけるアッパフレーム20の変形が抑えられる。
また、本実施形態の車両構造10では、図9(A)に示されるアッパフレーム20をロアフレーム30へ結合する結合構造部50は、サイドフレーム32に対してクロスメンバ34が段付ボルト40の軸回りに相対回動することによって荷重が付与されて、図9(B)に示されるように、アッパフレーム20のロアフレーム30からの離脱を許容する。このため、オフセット衝突時にサイドフレーム32に対してクロスメンバ34が段付ボルト40の軸回りに相対回動すると、ロアフレーム30からアッパフレーム20が離脱するので、ロアフレーム30が変形してもアッパフレーム20の変形は効果的に抑えられる。
さらに、本実施形態の車両構造10では、図1に示されるように、フロントサイドメンバ60の先端部60B及びリヤサイドメンバ62の先端部62Bは、前輪タイヤ28Aの前端位置28Xよりも車両後方側、後輪タイヤ28Bの後端位置28Yよりも車両前方側に配置されている。このため、前突時や後突時には、フロントサイドメンバ60やリヤサイドメンバ62に衝突荷重が入力される前に前輪タイヤ28Aや後輪タイヤ28Bに衝突荷重が入力され、当該タイヤ(28A、28B)からサイドフレーム32の突出部32B、32Cに荷重が伝達される。
よって、ロアフレーム30がある程度変形することによって衝突エネルギーが吸収されてから、フロントサイドメンバ60やリヤサイドメンバ62に衝突荷重が入力され、当該サイドメンバ(フロントサイドメンバ60又はリヤサイドメンバ62)の変形によっても衝突エネルギーが吸収される(衝突エネルギーの分散吸収)。また、サイドメンバに先に荷重が入力されるような対比構造に比べサイドメンバ(フロントサイドメンバ60やリヤサイドメンバ62)の軽量化が図れる。
さらにまた、本実施形態の車両構造10では、車両の側突(側面衝突)時に、例えば、車両幅方向の一方側の前輪タイヤ28Aに衝突車両67Aから衝突荷重が入力された場合、フロントクロスアッパメンバ部20Cを介して車両幅方向の他方側の前輪タイヤ28Aに衝突荷重が伝達され、衝突エネルギーが吸収される。また、車両の側突時に、例えば、車両幅方向の一方側の後輪タイヤ28Bに衝突車両67Bから衝突荷重が入力された場合、リヤクロスアッパメンバ部20Nを介して車両幅方向の他方側の後輪タイヤ28Bに衝突荷重が伝達され、衝突エネルギーが吸収される。
以上説明したように、本実施形態に係る車両構造10によれば、衝突安全性能の向上と軽量化との両立を効率的に図ることができる。また、軽量化により燃費向上が図られる。
なお、上記においては、図9に示される車両右側にオフセット衝突した場合を例に挙げて具体的に説明したが、車両左側にオフセット衝突した場合にも実質的に同様の作用及び効果を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両構造70について、図10を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、以下に説明する点を除いて、第1の実施形態の構成とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図10には、本発明の第2の実施形態に係る車両構造70の一部(第1の実施形態における図5に相当する部分)が斜視図にて示されている。図10に示されるように、車両構造70における連結手段としての連結構造部72は、図5等に示される第1の実施形態における車両構造10の連結構造部36とは、その溶接位置等が異なる。
より具体的には、クロスメンバ34の縦壁部34Bにおける長手方向の端部側には、車両前方側及び車両後方側に屈曲されて延設されたフランジ部74が形成され、当該フランジ部74がサイドフレーム32の車両幅方向内側の側面32Aに面接触されており、これらのフランジ部74の延出方向の先端部74Aがサイドフレーム32の側面32Aにアーク溶接等によって溶接されている。図中では、この溶接部を符号76で示す。溶接部76による取付強度は、溶接のみでクロスメンバ(34)とサイドフレーム(32)とを接合するような一般的な構造における取付強度よりも低く設定されている。
つまり、連結構造部72は、フランジ部74が形成されると共に、溶接部42(図5参照)に代えて溶接部76が設けられている点で、図5等に示される第1の実施形態における連結構造部36と異なるが、他の点については、連結構造部36と同様の構成となっている。よって、他の点については同一符号を付して説明を省略する。
ここで、図10に示される連結構造部72は、連結構造部36(図5等参照)と同様に、サイドフレーム32とクロスメンバ34とを連結すると共に、ロアフレーム30に対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力された状態でサイドフレーム32に対して段付ボルト40の軸回り(車両上下方向の軸回り)にクロスメンバ34の相対回動を許容するように設定されている。
以上説明した本実施形態の構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る車両構造80について、図11を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、以下に説明する点を除いて、第1の実施形態の構成とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図11には、本発明の第3の実施形態に係る車両構造80の車両前部側が平面視の概略構成図にて示されている。この図に示されるように、車両構造80には、左右一対のフロントサイドメンバ60の先端部60Bにクラッシュボックス82、84が設けられている。これらのクラッシュボックス82、84は、車両前後方向を軸方向としており、フロントサイドメンバ60の本体よりも軸圧縮荷重に対する耐力が低く、かつ、車両右側(車両幅方向の他方側)のクラッシュボックス82は、車両左側(車両幅方向の一方側)のクラッシュボックス84よりも軸圧縮荷重に対する耐力が高く設定されている。
この点について補足説明すると、車両構造80は、前突時にフロントサイドメンバ60よりも先に前輪タイヤ28Aに衝突荷重が入力される構造になっているので、従来のように前突時にタイヤより先にフロントサイドメンバに衝突荷重が入力されるような対比構造に比べて、フロントサイドメンバ60の先端側の初期荷重設定を厳格に行う必要がない。このため、左右のクラッシュボックス82、84に軸圧縮荷重に対する耐力差を設けることが可能になっている。
なお、図11には、車両前部に耐力差のあるクラッシュボックス82、84を設けた構成が示されているが、車両後部についても同様に軸圧縮荷重に対して耐力差があるクラッシュボックスをリヤサイドメンバ62(図1参照)の先端部62Bに設けてもよい。
次に、本実施形態に係る車両構造80を備えた車両がフルラップで前突した場合における作用について説明する。
車両構造80を備えた車両の前端部がバリア66にフルラップで衝突した場合、バリア66からの衝突荷重は、左右一対の前輪タイヤ28Aに入力された後、左右一対のサイドフレーム32に伝達される。これによって衝突エネルギーが所定量吸収される。その後、左右一対の前輪タイヤ28Aが所定量後退すると、バリア66からの衝突荷重がフロントバンパ12B及びフロントクロスアッパメンバ部20Cを介してクラッシュボックス82、84に入力される。
ここで、車両右側のクラッシュボックス82は、車両左側のクラッシュボックス84よりも軸圧縮荷重に対する耐力が高く設定されているので、耐力が低い車両左側のクラッシュボックス84が先に潰れ切ることになる。これによって、ロアフレーム30には、車両右側よりも先に車両左側でより大きい所定値以上の衝突荷重が入力されることになるので、クロスメンバ34がサイドフレーム32に対して段付ボルト40の軸回りに相対回動(換言すれば、ロアフレーム30が車両平面視で平行四辺形に変形)する。この変形により、さらに衝突エネルギーが吸収される。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、前述した第1実施形態と同様の作用及び効果が得られるうえに、フルラップでの前突時においても、ロアフレーム30を車両平面視で平行四辺形に変形させて衝突エネルギーを吸収することができる。なお、第3の実施形態におけるクラッシュボックス82、84を左右逆に配設しても実質的に同様の作用及び効果を得ることができる。
[実施形態の補足説明]
なお、上記実施形態では、図1等に示されるアッパフレーム20のロアフレーム30への結合構造部50は、締結と溶接を併用しており、耐久性等を考慮すれば、このような構成が好ましいが、アッパフレームのロアフレームへの結合部に設けられる結合手段は、締結手段(例えば、ボルト及びナット)のみや溶接のみによって結合される結合手段であってもよい。
また、上記実施形態では、アッパフレーム20をロアフレーム30へ結合する結合構造部50は、サイドフレーム32に対してクロスメンバ34が段付ボルト40の軸回りに相対回動することによって荷重が付与されてアッパフレーム20のロアフレーム30からの離脱を許容するように設定されており、衝突時におけるロアフレーム30の変形荷重をアッパフレーム20側に極力伝達しない観点からはこのような構成を採用するのが好ましいが、アッパフレームのロアフレームへの結合部分は前記離脱を許容するものでなくてもよい。
また、アッパフレームのロアフレームへの結合部分は、例えば、アッパサポートフロント部(44)やアッパサポートリヤ部(46)が上記実施形態よりも車両前後方向に長く延在しかつこれらに車両前後方向に延在する長孔が貫通形成されると共に、前記長孔内にフロントピラー部(20A)やリヤピラー部(20J)の下端部(120)が挿入された状態でアッパフレーム(20)がロアフレーム(30)へ結合され、サイドフレーム(32)に対してクロスメンバ(34)が段付ボルト(40)の車両上下方向の軸回りに相対回動することによって荷重が付与されてアッパフレーム(20)のロアフレーム(30)に対する相対移動を許容するような設定がなされてもよい。
また、上記実施形態では、連結構造部36、72は、締結と溶接を併用しており、耐久性等を考慮すれば、このような構成が好ましいが、連結手段は、締結手段(例えば、ボルト及びナット)のみによって構成された連結手段であってもよい。
また、上記実施形態では、サイドフレーム32は、サイドメンバパネル12H及びフロントドア12Iよりも、車両平面視で車両幅方向外側に配設されており、このような構成がキャビン24側への荷重を抑える観点からはより好ましいが、サイドフレームの配設位置がこのような位置にない構成とすることも可能である。
また、上記実施形態では、クロスメンバ34は、サイドフレーム32の前端及び後端よりも車両前後方向内側に連結されており、前突時や後突時に前輪タイヤ28A側や後輪タイヤ28B側からの荷重をサイドフレーム32の前端や後端に安定的に入力させる観点からはこのような構成がより好ましいが、クロスメンバは、サイドフレームの前端及び後端に連結されても(換言すれば、サイドフレーム32に突出部32B、32Cがないような構成でも)よい。
また、上記実施形態では、フロントサイドメンバ60とリヤサイドメンバ62との両方が配設されているが、これらのいずれか一方のみが配設される構成やこれらのいずれも配設されない構成としてもよい。
10 車両構造
12H サイドメンバパネル(サイド部材)
12I フロントドア(サイド部材)
20 アッパフレーム
28A 前輪タイヤ(タイヤ)
28B 後輪タイヤ(タイヤ)
28X 前輪タイヤの前端位置(タイヤの車両前後方向外側の端部位置)
28Y 後輪タイヤの後端位置(タイヤの車両前後方向外側の端部位置)
24 キャビン
30 ロアフレーム
32 サイドフレーム
34 クロスメンバ
36 連結構造部(連結手段)
48 アッパフレームのロアフレームへの結合部
50 結合構造部(結合手段)
60 フロントサイドメンバ(サイドメンバ)
62 リヤサイドメンバ(サイドメンバ)
70 車両構造
72 連結構造部(連結手段)
80 車両構造
82 クラッシュボックス
84 クラッシュボックス

Claims (6)

  1. キャビンの骨格を構成するアッパフレームと、
    前記アッパフレームの下端部が結合されて車両下部に配置され、車両前後方向に沿って配設される左右一対のサイドフレームと、車両幅方向に沿って配設されて前記左右一対のサイドフレームを連結する前後一対のクロスメンバと、を備えたロアフレームと、
    前記サイドフレームの前端の車両前方側及び前記サイドフレームの後端の車両後方側に前記サイドフレームに対して所定の間隔を開けて配設されたタイヤと、
    前記サイドフレームと前記クロスメンバとを連結すると共に、前記ロアフレームに対して車両幅方向の一方側に車両幅方向の他方側よりも大きい所定値以上の荷重が入力された状態で前記サイドフレームに対して車両上下方向の軸回りに前記クロスメンバの相対回動を許容する連結手段と、
    を有する車両構造。
  2. 前記サイドフレームは、前記キャビンを形成して車両の両サイドに配設されるサイド部材よりも、車両平面視で車両幅方向外側に配設されている請求項1記載の車両構造。
  3. 前記クロスメンバは、前記サイドフレームの前端及び後端よりも車両前後方向内側に連結されている請求項1又は請求項2に記載の車両構造。
  4. 一方の端部が前記クロスメンバに結合されると共に他方の端部が前記クロスメンバの車両前後方向外側に配設されるサイドメンバを有し、
    前記サイドメンバの他方の端部は、前記タイヤの車両前後方向外側の端部位置よりも車両前後方向内側に配置されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両構造。
  5. 前記アッパフレームの前記ロアフレームへの結合部には、前記アッパフレームを前記ロアフレームへ結合すると共に、前記サイドフレームに対して前記クロスメンバが車両上下方向の軸回りに相対回動することによって荷重が付与されて前記アッパフレームの前記ロアフレームからの離脱を許容する結合手段が設けられている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両構造。
  6. 前記サイドメンバは、車両の左右に配設されると共に前記他方の端部には車両前後方向を軸方向とするクラッシュボックスがそれぞれ設けられており、
    車両幅方向の一方側の前記クラッシュボックスよりも、車両幅方向の他方側の前記クラッシュボックスは、軸圧縮荷重に対する耐力が高く設定されている請求項4記載の車両構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016222223A (ja) * 2015-05-27 2016-12-28 現代自動車株式会社Hyundai Motor Company 車体後部の補強構造

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