JP2011084118A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両エンジンの停止に伴う圧縮機の停止時に、車室内の冷房温度の上昇を簡単な構成により抑制できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】アイドルストップ時に車両エンジン3が停止すると、送風ファン14により導入された空気流が蒸発器8に結露した水滴を蒸発させ、湿度を高めながら流出し、冷却装置17に流入する。冷却装置17の吸熱材18は空気流に含まれる水分と接して反応し、吸熱作用を生じる。このため、空気流は冷風となって車室内に吹出され、車室内の冷房温度の上昇を抑制する。車室内への冷風の供給は吸熱材18の全てが溶解するまでの時間持続されるため、冷房運転の停止後も車室内の冷房環境は一定時間補完される。溶解した吸熱材18は冷房運転時に除湿された冷風によって乾燥される。吸熱材18は乾燥時に放熱するが、蒸発する水分の蒸発熱として全て使われるため、冷房運転に影響を与えること無く、再生することができる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、車室内の空調、特に冷房に使用される車両用空調装置に関する。
車両においては、環境保護を目的としてアイドルストップ等の技術手段を搭載し、車両エンジンの一時停止が推進されている。車両用空調装置は一般的に車両エンジンを駆動源として圧縮機を運転し、車室内の冷房を行なっている。従って、車両エンジンが停止すると圧縮機が停止し、冷房が行なわれないため、車室内の温度が急激に上昇するという不具合が生じる。このような不具合に対して、停止した冷房を補完する技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載された冷房補完技術は次のように構成されている。空調ケース内には、上流の送風機側から下流の吹出し口側に向かって順に、エバポレータ(蒸発器)、エアミックスドア、ヒータコアが配置され、また、エバポレータとヒータコアを通過する温風通路と、エバポレータを通過しヒータコアをバイパスする冷風バイパス通路と、温風及び冷風の合流するエアミックスチャンバーとが形成されている。エバポレータの下流側通路内には、風の流れに直交して配置された冷熱用蓄熱フィルターが設けられている。冷熱用蓄熱フィルターは潜熱蓄熱材としてパラフィン系素材を封入したカプセルを、メッシュ状の不織布をつづら折りにしたフィルター基材に織り込んだ蓄熱カプセル入りフィルターにより構成されている。
車両エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時には、コンプレッサの停止によりエバポレータ内の冷媒に蓄えられている熱エネルギーは短時間で消費されてしまう。しかし、蓄熱カプセル内のパラフィンは固相から液相への相変化により潜熱を吸収するため、冷熱用蓄熱フィルターを通過する風から熱が奪われる。このため、コンプレッサの停止後、車室内の冷房を所定時間補完することができる。
パラフィンの潜熱吸収機能は所定時間で消滅する。しかし、車両エンジンの始動に伴う圧縮機の運転により、冷房機能が再開されると、エバポレータから流出する冷風によりパラフィンが冷やされ、パラフィンは液相から固相への相変化により吸収した潜熱を放出する。従って、冷熱用蓄熱フィルターは冷熱を蓄積し、次の車両エンジン停止時に再使用することができる。
特開2008−120217号公報
特許文献1に開示される潜熱蓄熱材は、固相から液相へ相変化した時点で潜熱吸収機能が失われる。潜熱蓄熱材に再度潜熱吸収機能を持たせるには、潜熱蓄熱材を冷却し、液相から固相へ相変化させる必要がある。特許文献1に開示された技術は、圧縮機の運転による冷房機能を利用するもので、エバポレータにより冷却された冷風により潜熱蓄熱材を冷却している。
従って、圧縮機は潜熱蓄熱材を冷却するために余分な仕事をしなければならず、車両エンジンに余分な負荷が掛かりエネルギー消費を高めるという問題がある。また、潜熱蓄熱材の冷却時は液相から固相へ相変化する際の潜熱の放出により周囲の冷風を温めるため、車室内の冷房レベルを維持するために圧縮機にさらに余分な仕事をさせなければならず、車両エンジンに掛かる負荷はより大きなものとならざるを得ない。
本願発明は、車両エンジンの停止に伴う圧縮機の停止時に、車室内の冷房温度の上昇を簡単な構成により抑制できる車両用空調装置の提供を目的とする。
請求項1に記載の本願発明は、冷凍回路の一部を構成する蒸発器を空調ケース内の空気流通路に設置し、前記蒸発器よりも下流側空気流通路に車室内に開口する吹出し口を配設した車両用空調装置において、前記蒸発器と前記吹出し口とを繋ぐ前記下流側空気流通路に、空気流に含まれる水分と反応して周囲の熱を吸収する吸熱材からなる冷却装置を前記空気流の流通が可能なように設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の本願発明によれば、アイドルストップなどの車両エンジンの停止に伴う圧縮機の停止時に、温度上昇した空気流が蒸発器に結露している水分を蒸発させて取り込み、蒸発器から流出する現象を利用し、冷却装置の吸熱材を空気流に含まれる水分と反応させることにより空気流から熱を吸収し、冷却された空気流を吹出し口から車室内へ送風することができる。このため、簡単な構成の付加により車室内の冷房温度の急激な上昇を抑制することができ、冷房温度の低温時間を伸ばすことができる。また、吸熱作用後の吸熱材は冷房運転時の圧縮機に影響を与えること無く乾燥され、再利用することができる。
請求項2に記載の本願発明は、前記冷却装置は前記下流側空気流通路において前記蒸発器に隣接して設けたことを特徴とする。従って、冷房運転により冷やされた蒸発器からの流出直後の比較的温度の低い空気流を冷却することができるので、冷却効率を高めることができるとともに複数存在する吹出し口に対して冷却した空気流を流すことができ、最も簡単な構成とすることができる。
請求項3に記載の本願発明は、前記冷却装置は前記吸熱材の反応が順次進行するように前記空気流の流通方向に厚く構成したことを特徴とする。従って、吸熱材の反応が蒸発器と対向する側から順次生じるため、吸熱作用の持続時間を長くすることができ、冷却装置の厚みに応じて冷房温度の上昇の抑制時間を伸ばすことができる。
請求項4に記載の本願発明は、前記冷却装置は前記蒸発器から流出する空気流の断面積よりも大きい面積を有し、前記空気流と交差する方向にスライド可能に配設されていることを特徴とする。従って、冷却装置は吸熱材の吸熱作用の進行に伴い移動され、未作用の吸熱材を順次空気流に対向させることができるため、冷房温度の上昇の抑制時間をより高めることができる。
請求項5に記載の本願発明は、前記蒸発器から流出した空気流を前記冷却装置よりも狭い範囲に絞る流通孔形成部材を前記蒸発器と前記冷却装置との間に配設し、前記流通孔形成部材を前記空気流と交差する方向に移動可能に構成したことを特徴とする。従って、蒸発器から流出する空気流は流通孔形成部材の流通孔によって冷却装置の一部を流通するように絞ることができる。流通孔形成部材は冷却装置の吸熱作用状況に応じて移動され、空気流は順次未作用の吸熱材が存在する冷却装置の一部を流通するため、冷房温度の上昇の抑制時間をより高めることができる。
本願発明は、車両エンジンの停止に伴う圧縮機の停止時に車室内の冷房温度の上昇を簡単な構成により抑制することができる。
第1の実施形態における空調ケースの概略を拡大表示した車両用空調装置のシステム図である。 第2の実施形態を示す空調ケースの略図である。 第3の実施形態を示す空調ケースの略図である。 第4の実施形態を示す空調ケースの略図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態における車両用空調装置を図1に基づき説明する。図1の冷凍回路に示した圧縮機1はベルト2を介して車両エンジン3によって運転され、冷媒ガスの吸入、圧縮、吐出作用を行なう。圧縮機1から吐出された高温、高圧の冷媒ガスは凝縮器4に流入し、冷却ファン5から送風される外気により冷却され、凝縮される。凝縮器4で凝縮された冷媒はレシーバ6に流入し、冷媒の気液が分離される。レシーバ6の高圧の液冷媒は膨張弁7に流入し、断熱膨張により低温、低圧の霧状の冷媒にされ、空調ケース9内の空気流通路10に配置された蒸発器8に流入する。蒸発器8において空気流との間で熱交換作用を行い、蒸発器8から流出する冷媒ガスは圧縮機1に戻り、圧縮機1によって再び吸入、圧縮、吐出作用が繰り返される。
蒸発器8は多数列に配置された冷媒管路(図示せず)から構成され、空気流通路10を流れる空気流に対して対向するように配設されている。空気流通路10の上流側には、車室(図示せず)内の空気を取り入れる内気導入口11と車室外の空気を取り入れる外気導入口12とが設けられ、開閉板13によっていずれかに切り換えられ、空気を導入する。図1では開閉板13が内気導入口11を閉鎖し、外気導入口12から空気の取り入れが可能である。内気導入口11は開閉板13を実線位置から仮想線位置へ回動することにより空気取り入れが可能となる。
空気の導入は蒸発器8と内気導入口11及び外気導入口12との間の空気流通路10内に設けられた遠心式の送風ファン14によって行なわれる。なお、送風ファン14はモータ15によって駆動される。圧縮機1が運転中の場合、送風ファン14の回転により外気導入口12から空気流通路10内に取り込まれた空気流は、蒸発器8の冷媒管路(図示せず)の隙間を通過する間に蒸発器8の冷媒管路内を循環する冷媒により熱を奪われ、冷却される。
空気流通路10の蒸発器8よりも下流側となる下流側空気流通路の一部を構成する空気流通路16内には、蒸発器8に隣接して冷却装置17が配設されている。冷却装置17は不織布あるいは布等によって形成された空気の流通可能なフィルタに含有された又は織り込まれた吸熱材18から構成されている。吸熱材18としては、水分と反応して溶解する時、周囲の熱を吸収する機能(以下、必要に応じて吸熱作用と呼称する)を有する材料、例えば、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコール、尿素、あるいは他の吸熱作用が生じる材料を使用することができる。従って、蒸発器8から流出した空気流が冷却装置17を通過する時、空気流に水分が含まれていると、吸熱材18が水分を取り込んで反応し、空気流の熱を吸収する。このため、冷却装置17を通過した空気流は冷却される。なお、吸熱材18を備えたフィルタの形態はメッシュ状や間隔の狭いルーバー状に形成することができる。
冷却装置17は蒸発器8から流出する空気流の全領域をカバーする大きさを有し、一定の厚みWを有する形状に構成されている。冷却装置17に備える吸熱材18は溶解すると吸熱作用が消滅するため、冷風を持続する時間に応じて空気流の流通方向における厚みWを変更することが好ましい。例えば、厚みWを厚くすると、冷却装置17の吸熱材18は蒸発器8側から順に反応し、吸熱作用を生じるため、空気流の冷却時間を長くすることができる。
空調ケース9において、空気流通路16の下流側には、下流側空気流通路を構成するデフロスタ用空気流通路19A、乗員のフェイス用空気流通路20A及び乗員のフット用空気流通路21Aが形成され、それぞれデフロスタ用の吹出し口19、乗員のフェイス用の吹出し口20及び乗員のフット用の吹出し口21に連通している。また、デフロスタ用の吹出し口19、乗員のフェイス用の吹出し口20及び乗員のフット用の吹出し口21は、それぞれ車室内(図示せず)に開口している。また、各吹出し口19、20、21には、それぞれ開閉板22、23、24が設けられ、乗員の操作により各吹出し口19〜21を選択的に開閉することができる。
以上のように構成された第1の実施形態は以下のように作用する。
例えば、アイドルストップ時、車両エンジン3が停止すると、同時に圧縮機1が停止し、冷凍回路の冷媒運転が停止されるため、蒸発器8における熱交換作用が停止され、冷房が行なわれない。このため、車室内は圧縮機1の停止後、温度が急激に上昇する。
しかし、本実施形態では、送風ファン14の回転により外気導入口12から導入される比較的温度の高い空気流が冷房運転中に蒸発器8に結露した水滴を蒸発させ、湿度を高めながら蒸発器8から流出し、冷却装置17に流入する。冷却装置17では、吸熱材18が空気流に含まれる水分と接して反応し、空気流の持つ熱を吸収する。このため、冷却装置17を通過した空気流は冷風となって各吹出し口19〜21から車室内に吹出され、車室内の冷房温度の上昇を抑制し、車室内の快適環境を維持する。
冷却装置17における吸熱材18の吸熱作用は吸熱材18の溶解によって消滅するが、吸熱材18は反応が蒸発器8に隣接する側から順に進行していくため、車室内への冷風の供給は冷却装置17の厚みWに存在する吸熱材18の全てが溶解するまでの時間持続される。従って、圧縮機1による冷房運転が停止した後も空気流の冷却が一定時間持続されるため、車室内の冷房環境を一定時間補完することができる。なお、開閉板13を操作して内気導入口11を開口した場合、冷房停止後の車室内空気が導入されるが、外気よりは低温であるため、冷却装置17による冷却効果を高めることができる。
車両エンジン3が始動されると、圧縮機1の運転が再開され、冷凍回路による通常の冷房運転が開始される。即ち、送風ファン14によって導入された空気流は蒸発器8において熱交換作用を受けて除湿及び冷却され、冷風となって冷却装置17を通過し、吹出し口19〜21から吹出されて車室内を冷房する。冷却装置17では、吸熱材18が除湿された冷風によって乾燥され、吸熱作用により吸収した熱を放出する。
しかし、放出する熱は吸熱材18の乾燥によって蒸発する水分の蒸発熱として使われるため、蒸発器8によって冷却された空気流の温度に影響を与え難い。このように、冷却装置17の吸熱材18は圧縮機1による冷房運転中に冷却された空気流によって乾燥されるため、次回の車両エンジン3の停止時に再利用することができる。
前記した第1の実施形態は以下の作用効果を有する。
(1)冷凍回路の冷房中断時及び冷房運転時の双方において、蒸発器8から流出する空気流をそのまま利用し、冷却装置17における吸熱材18の吸熱作用による冷房中断時の冷房補完と冷房運転中における吸熱材18の乾燥、再生を行なうことができる。従って、冷却装置17を従来の空調ケース9内に配設するという簡単な構成によって車室内の冷房温度の上昇を抑制することができるとともに冷房運転に影響を及ぼすこと無く吸熱材18の乾燥を行なうことができ、吸熱材18を繰り返し再利用することができる。
(2)冷却装置17は蒸発器8の下流側に隣接して配設することにより、温まっていない比較的低温の空気流を冷却することができるので、冷却効率を高めることができる。
(3)冷却装置17の吸熱材18は吸熱作用が蒸発器8側から順に進行するため、厚みWを調整することにより、冷房温度の上昇の抑制時間を伸ばすことができる。
(第2の実施形態)
図2に示す第2の実施形態は、第1の実施形態における冷却装置17の配設位置を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第2の実施形態は、吹出し口19、20、21の上流側であるデフロスタ用空気流通路19A、フェイス用空気流通路20A及びフット用空気流通路21Aにそれぞれ冷却装置25、26、27を個別に設けた構成である。各冷却装置25〜27の構成は第1の実施形態における冷却装置17と同じ材料からなる吸熱材28、29、30によって構成されている。第2の実施形態では、吹出し口19〜21からの吹出し直前の空気流を吸熱材28〜30の吸熱作用によって冷却することができる。このため、車室(図示せず)内の冷房補完の効率を高めることができる。
(第3の実施形態)
図3に示す第3の実施形態は、第1の実施形態における冷却装置17の構成を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3の実施形態における冷却装置31は、第1の実施形態における冷却装置17と同様に蒸発器8の下流側に隣接して配設され、また吸熱材32は第1の実施形態における冷却装置17の吸熱材18と同じ材料によって構成されている。
第3の実施形態における冷却装置31は蒸発器8から流出する空気流の断面積に対してほぼ2倍以上の面積を有するように構成され、図3の矢印で示すように、適宜移動手段(図示せず)によって空気流と交差する方向にスライド可能に配設されている。なお、冷却装置31の面積は冷却装置31の移動方向に増大させた構成とすることが好ましい。
第3の実施形態では、蒸発器8から流出した空気流は冷却装置31の図における下側ほぼ半分の領域における吸熱材32の吸熱作用により冷却され、冷風が吹出し口19〜21から車室内へ吹出される。例えばタイマー等の手段を用いて、冷却装置31の下端側ほぼ半分の領域における吸熱材32の吸熱作用が失われる時間に、移動手段(図示せず)が作動され、冷却装置31は図の矢印方向へ仮想線位置まで移動される。
このため、冷却装置31は吸熱作用を失った吸熱材32Aが蒸発器8の位置から外され、空調ケース9外に移動されるとともに冷却装置31の図における上側の新しい吸熱材32が蒸発器8の下流に配置され、空気流に対する吸熱作用を継続する。従って、第3の実施形態では、冷房温度の上昇の抑制時間を第1の実施形態の場合に比して高めることができる。なお、吸熱材32、32Aの乾燥は、冷凍回路の冷房運転中に、冷却装置31を吸熱作用の場合と逆方向に移動させることにより行なうことができる。
(第4の実施形態)
図4に示す第4の実施形態は、第1の実施形態における吸熱作用の方法を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第4の実施形態は蒸発器8と冷却装置17との間に流通孔形成部材33を配設している。
流通孔形成部材33は冷却装置17のほぼ3分の1を占める面積に対応した流通孔34を有し、適宜移動手段(図示せず)によって空気流と交差する方向(図4の矢印方向)に移動可能に配設されている。流通孔形成部材33は初期の段階で空調ケース9の下方に突出された状態にセットされ、流通孔34は冷却装置17の下方側と対向している。蒸発器8から流出した空気流は流通孔形成部材33によって規制され、流通孔34からのみ冷却装置17に流入する。従って、冷却装置17は流通孔34に対応する下端側の吸熱材18のみが吸熱作用を行い、冷風を各吹出し口19〜21に供給する。
例えば、タイマー等の手段を用いて冷却装置17の下端側における吸熱材18の吸熱作用が消滅する時期になると、移動手段(図示せず)が作動され、流通孔形成部材33は冷却装置17のほぼ3分の1を占める面積に相当する距離だけ矢印方向に移動される。このため、流通孔34は仮想線34Aで示すほぼ中央の位置に移動し、蒸発器8から流出する空気流を冷却装置17のほぼ中央部における未作用の吸熱材18の位置に流入させ、吸熱作用を継続させることができる。
同様に、冷却装置17のほぼ中央部における吸熱材18の吸熱作用が消滅する時期になると、移動手段(図示せず)が再び作動され、流通孔34は仮想線34Bで示す上端側に移動する。このため、蒸発器8から流出する空気流は冷却装置17の上端部側に流入し、ここで未作用の吸熱材18により吸熱作用を受ける。従って、第4の実施形態では、吸熱作用を行なう時間を増加することができ、冷房温度の上昇の抑制時間をより高めることができる。なお、吸熱材18の乾燥は、冷凍回路の冷房運転中に流通孔形成部材33を前記した吸熱作用の場合と逆方向に3段階に分けて移動することにより、冷却装置17全体の吸熱材18を乾燥することができる。
本願発明は、前記した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)第1〜第4の実施形態において、吸熱材18、28、29、30、32は、蒸発器8と吹出し口19〜21との間の空気流通路16内で空気流と対向する形態であれば、どの位置に配設しても、どのような形状に構成しても構わない。
(2)冷却装置17、25、26、27、31を構成する吸熱材18、28、29、30、32を備えたフィルタの形態は、メッシュ状やルーバー状のものに限らず、空気流の通過が可能であり、空気流と接触する面積を確保できるものであればどのような形態でもよい。
(3)冷却装置17、25、26、27、31を構成する吸熱材18、28、29、30、32は、乾燥により繰り返し再利用が可能であるが、冷却装置17、25、26、27、31を空調ケース9に脱着可能に設けておくことにより、再利用が不可能になった場合、あるいは不具合が生じたような場合に簡単に交換することができる。
(4)第3の実施形態及び第4の実施形態において、冷却装置31及び流通孔形成部材33は間欠的に移動する例として説明したが、連続的に移動するように構成しても構わない。
(5)第3の実施形態と第4の実施形態とを組み合わせた構成も可能であり、このような構成は車室内における冷房温度の上昇の抑制時間をより高めることが可能である。
(6)第3の実施形態と第4の実施形態において、第2の実施形態のようにデフロスタ用空気流通路19A、フェイス用空気流通路20A及びフット用空気流通路21Aに対応する位置に個別に配設されていてもよい。
(7)第1〜第4の実施形態では、空気流通路16のみ又は、デフロスタ用空気流通路19A、フェイス用空気流通路20A及びフット用空気流通路21Aのみに冷却装置17、25、26、27、31が配設されていたが、これに限らず、蒸発器8と各吹出し口19、20、21との間の全ての下流側空気流通路(空気流通路16、デフロスタ用空気流通路19A、フェイス用空気流通路20A及びフット用空気流通路21A)に冷却装置を配置してもよい。
1 圧縮機
3 車両エンジン
8 蒸発器
9 空調ケース
10、16 空気流通路
14 送風ファン
17、25、26、27、31 冷却装置
18、28、29、30、32、32A 吸熱材
33 流通孔形成部材
34、34A、34B 流通孔

Claims (5)

  1. 冷凍回路の一部を構成する蒸発器を空調ケース内の空気流通路に設置し、前記蒸発器よりも下流側空気流通路に車室内に開口する吹出し口を配設した車両用空調装置において、
    前記下流側空気流通路に、空気流に含まれる水分と反応して周囲の熱を吸収する吸熱材からなる冷却装置を前記空気流の流通が可能なように設けたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記冷却装置は前記下流側空気流通路において前記蒸発器に隣接して設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記冷却装置は前記吸熱材の反応が順次進行するように前記空気流の流通方向に厚く構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記冷却装置は前記蒸発器から流出する空気流の断面積よりも大きい面積を有し、前記空気流と交差する方向にスライド可能に配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
  5. 前記蒸発器から流出した空気流を前記冷却装置よりも狭い範囲に絞る流通孔形成部材を前記蒸発器と前記冷却装置との間に配設し、前記流通孔形成部材を前記空気流と交差する方向に移動可能に構成したことを特徴する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
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