JP2011083698A - ノズル、塗布装置および部品の接着方法 - Google Patents

ノズル、塗布装置および部品の接着方法 Download PDF

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裕輝 小林
Takashi Kudo
崇 工藤
Kyohei Tonoyama
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Abstract

【課題】嫌気性UV樹脂を流通させても、流路内で嫌気性UV樹脂が固化せず、ノズル自体の消耗を防ぎ、部品の接着作業の生産性を向上させることができるノズル。
【解決手段】嫌気性UV樹脂が流通する流路内壁を有し、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されるノズル。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノズル、該ノズルを有する塗布装置、該ノズルを用いた接着方法、複合部品の製造方法に関する。
コイル部品は、例えば面実装型コイル部品として用いられ、プリント配線板等にリフローハンダ付け等で面実装された上で、携帯電話、ハードディスク装置、ノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器の電源回路に適用される。
コイル部品はドラムコアと外装コアからなり、従来より、ドラムコアと外装コアの接着には熱硬化性エポキシ樹脂が用いられていた。
しかし、熱硬化性エポキシ樹脂を用いた場合、塗布後、加熱に時間を要するため生産効率が悪いという問題があった。また、紫外線(UV)硬化樹脂は接着強度が低いため、ドラムコアと外装コアのような高い接着強度を要する部品の接着には用いることができない。
そこで、本発明者等は嫌気性UV樹脂によりドラムコアと外装コアを接着することを検討した。
嫌気性UV樹脂は、一般的に接着剤として使用され、優れた引っ張り強度、剥離強度、衝撃強度を有する。このため、高い信頼性が必要とされる分野で使用されている。
部品に嫌気性UV樹脂を塗布するための器具としては、ノズルが用いられる。ノズルは真鍮やステンレス鋼などの金属性材料により製造することが一般的であるが、特許文献1にはセラミックス製のノズルが例示されている。
しかし、このような真鍮やステンレス鋼などの金属性材料により製造されたノズルに嫌気性UV樹脂を流通させると、嫌気性UV樹脂がノズルの流路内で固化するという現象が生じる。このような現象は、ノズル自体の消耗および接着作業の生産性を低下させるという問題を招く。
なお、樹脂性ノズルならば嫌気性UV樹脂はノズルの流路内で固化しないが、樹脂性ノズルは硬度が低く、摩耗が激しいため耐久性に劣る。また、樹脂製ノズルは加工精度が低く、ノズルの吐出口の開口径の小さいものを作成することが困難であり、市販されている樹脂製ノズルでも最小のもので0.38mmである。このため、樹脂製ノズルではコイル部品のような小型部品に対して微量の接着剤を塗布することが困難である。
また、セラミックス製のノズルでも嫌気性UV樹脂の固化反応は生じないが、セラミックス製のノズルは高価でありコストがかかるという問題がある。
特開2003−144980号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、嫌気性UV樹脂を流通させても、流路内で嫌気性UV樹脂が固化しないノズルを提供することである。
本発明者等は、嫌気性UV樹脂がノズルの流路内で固化する現象について鋭意検討した結果、以下のような課題を見出し、本発明を完成させるに至った。
まず、嫌気性UV樹脂の固化の機構は以下のとおりである。嫌気性UV樹脂には一般的に、重合性モノマー、光重合開始剤および有機過酸化物が含まれている。前記光開始剤は主に紫外線(UV)を吸収してラジカルを生成する物質である。また、前記有機過酸化物は主に金属イオンとの酸化還元反応によりラジカルを生成する物質である。光重合開始剤および有機過酸化物から得られたラジカルは重合性モノマーに対して重合開始剤となり、重合性モノマーの重合が開始され、嫌気性UV樹脂は固化する。
ここで、嫌気性UV樹脂は、光重合開始剤と有機過酸化物を含むため、紫外線を照射することによってもラジカルが生成され、金属イオンと接触させることによってもラジカルが生成される。このような構成をとることにより、紫外線が行き届かない部分でも、有機過酸化物があることで、嫌気性UV樹脂の固化は均一に行われ、金属イオンと接触できない部分でも、光重合開始剤があることで嫌気性UV樹脂の固化は均一に行われる。
一方、金属製材料から製造されたノズルの表面には酸化被膜が形成されている。酸化被膜は金属製材料からなるノズル内壁が空気に触れることで形成されるものであり、厚さは数nm程度である。酸化被膜には、金属イオンが多数存在する。例えば、ノズルがステンレス鋼から製造されたものである場合には、酸化被膜には、2価マグネシウムイオン(Mg2+)、2価亜鉛イオン(Zn2+)、3価鉄イオン(Fe3+)などが存在し、この他、2価鉄イオン(Fe2+)なども存在する。また、ノズルが真鍮から製造されたものである場合には、酸化被膜には2価銅イオン(Cu2+)の他、1価銅イオン(Cu)も存在する。
本発明者等は嫌気性UV樹脂がノズルの流路内で固化する現象は、上記した嫌気性UV樹脂に含まれる有機過酸化物と、ノズル内壁に形成された酸化被膜中の金属イオンの接触が原因であることを見出した。
すなわち、ノズル内壁の酸化被膜に存在する2価鉄イオンや1価銅イオンなどの金属イオンは、さらに酸化された3価鉄イオンや2価銅イオンとしても安定に存在することができる。このため、2価鉄イオンや1価銅イオンなどの金属イオンと嫌気性UV樹脂に含まれる有機過酸化物との間では下記の化学式1に示す反応が起こりやすくなる。そして、この反応により、生成されたラジカルが重合開始剤となり、嫌気性UV樹脂がノズルの流路内で固化するという現象が生じる。
Figure 2011083698

ここで、RO−OHは有機過酸化物、MおよびMn+1は金属イオン、RO・はラジカルを表す。
このような、有機過酸化物からラジカルを生成し得る金属イオンとしては、2価鉄イオン、1価銅イオンの他、2価錫イオンなどがある。なお、上記したマグネシウムイオンや、亜鉛イオンは、1価よりも2価の方が安定であるため、化学式1のような反応は進行しにくい。
本発明者等はノズルの流路内で嫌気性UV樹脂が固化するという現象は、上記した機構が原因であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るノズルは、
嫌気性UV樹脂が流通する流路内壁を有し、
アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されるノズルである。
本発明に係るノズルは、流路内壁がアルミニウムまたはアルミニウムの合金で構成されることを特徴としている。アルミニウムまたはアルミニウム合金は、ステンレス鋼などの金属と同様に、空気に触れると酸化被膜を形成する。しかし、酸化被膜に存在するアルミニウムイオンは通常、空気中では3価のみが安定であるため、3価アルミニウムとしては存在するが、2価アルミニウムイオンとしてはほとんど存在しない。このため、酸化被膜に含まれるアルミニウムイオンと嫌気性UV樹脂に含まれる有機過酸化物との間では上記の化学式1に示す反応が進まない。したがって、流路内壁をアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成することで、ノズルの内壁と嫌気性UV樹脂との反応が抑制され、流路内での嫌気性UV樹脂の固化を防ぐことができる。
好ましくは、前記アルミニウム合金に含まれる銅と鉄の合計含有量が5.0wt%以下である。
好ましくは、前記アルミニウム合金に含まれる銅と鉄の合計含有量が3.0wt%以下である。
好ましくは、前記アルミニウム合金のビッカース硬度が150HV以上である。
好ましくは、前記ノズルの開口径が0.3mm以下である。
前記ノズルはニードルなどのような針状のノズルを含む概念で用いられる。
本発明に係る塗布装置は本発明に係るノズルを有する。
本発明に係る2以上の部品を接着する方法は、
本発明に係るノズルを用いて部品に接着剤として嫌気性UV樹脂を塗布する工程と、
塗布された前記嫌気性UV樹脂により2以上の部品を接着する工程と、を有する。
好ましくは、前記部品がコイル部品である。
好ましくは、前記嫌気性UV樹脂を塗布する工程において、
1以上の部品により形成された隙間の近傍に嫌気性UV樹脂を塗布し、
前記嫌気性UV樹脂が毛細管現象により前記隙間に充填される。
本発明に係る複合部品の製造方法は、
本発明に係るノズルを用いて部品に接着剤として嫌気性UV樹脂を塗布する工程と、
塗布された嫌気性UV樹脂により2以上の部品を接着する工程と、を有する。
好ましくは、前記複合部品がコイル部品である。
好ましくは、前記嫌気性UV樹脂を塗布する工程において、
1以上の部品により形成された隙間の近傍に嫌気性UV樹脂を塗布し、
前記嫌気性UV樹脂が毛細管現象により前記隙間に充填される。
本発明に係るコイル部品の製造方法は、
本発明に係るノズルを用いて外装コアに接着剤として嫌気性UV樹脂を塗布する工程と、
塗布された嫌気性UV樹脂により2以上の部品を接着する工程と、を有し、
前記嫌気性UV樹脂を塗布する工程において、
ドラムコアと外装コアにより形成された隙間の近傍に嫌気性UV樹脂を塗布し、
前記嫌気性UV樹脂が毛細管現象により前記隙間に充填される。
本発明に係るノズルによれば、嫌気性UV樹脂を流通させても、流路内で嫌気性UV樹脂が固化せず、ノズル自体の消耗を防ぎ、部品の接着作業の生産性を向上させることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るノズルの断面図である。 図2は、図1に示すノズルの先端部分Aを拡大した拡大断面図である。 図3は本発明の一実施形態に係るニードルの断面図である。 図4は本発明の一実施形態に係る塗布装置の概略斜視図である。 図5は本発明の一実施形態に係るコイル部品の断面図である。 図6は、図5に示すコイル部品の平面図である。 図7(A)は本発明の実施例における嫌気性UV樹脂の塗布試験の方法の説明図、図7(B)は図7(A)の続きの説明図、図7(C)は図7(B)の続きの説明図である。
ノズル
図1に示す本発明の一実施形態に係るノズル2は、嫌気性UV樹脂の塗布に用いられ、ノズルの内部に流路を有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されることを特徴とする。
ただし、ノズルが小型の場合には、ノズル全体をアルミニウムまたはアルミニウム合金とした方が製造が容易である。
アルミニウム合金に含まれる銅と鉄の合計含有量は、好ましくは5.0wt%以下であり、より好ましくは3.0wt%以下である。銅と鉄の合計含有量が多いと、ノズルの流路内壁に形成された酸化被膜に含まれる2価銅イオンや3価鉄イオンと、嫌気性UV樹脂に含まれる有機過酸化物との化学式1に示す反応の反応速度が速くなり、接着作業中に嫌気性UV樹脂がノズルの流路内で固化する現象が生じる。
また、アルミニウム合金としては、銅と鉄の合計含有量が3.0wt%であり、かつ、ビッカース硬度が150HV以上であることがさらに好ましい。アルミニウム合金がこのような特徴を有することにより、図2に示すノズル内壁に形成された酸化被膜に存在する金属イオンと嫌気性UV樹脂に含まれる有機過酸化物の反応を抑制することができる。
なお、本発明の一実施形態に係るノズル2は、吐出口6の開口径tが好ましくは0.3mm以下であり、より好ましくは0.05〜0.3mmである。本発明の実施形態に係るノズルはアルミニウムまたはアルミニウム合金製であるため嫌気性UV樹脂中の有機過酸化物とノズル内壁の酸化被膜に存在する金属イオンの反応は抑制される。これにより、ノズルの流路内で嫌気性UV樹脂が固化することによりノズルの流路が狭まらず、上記のように吐出口の開口径を狭くしても正常にノズルから嫌気性UV樹脂を部品に塗布することができる。また、アルミニウムまたはアルミニウム合金は加工性に優れる。このため、樹脂製のノズルでは0.38mmまでしか狭めることができなかった吐出口の開口径を上記の開口径tまで狭めることができる。
また、本発明の一実施形態に係るノズルは、図3に示すニードル12のような針状ノズルであってもよい。ニードル12は筒状の形態であり、その内径が、吐出口16の開口径と同程度である。
なお、本発明の一実施形態に係るニードル12の吐出口16の開口径t´も、前記のノズル2の開口径tと同様の理由から、好ましくは0.3mm以下であり、より好ましくは0.05〜0.3mmである。
嫌気性UV樹脂
本発明に係るノズルの流路内に流通させる嫌気性UV樹脂は、有機過酸化物と重合性モノマーとを含む。
前記有機過酸化物としては従来から嫌気硬化性組成物にて用いられているものであれば特に限定されず、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、その他、ケトンパーオキサイド類、ジアリルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。
有機過酸化物は金属イオンとの酸化還元反応により分解され、ラジカルが発生する。そして該ラジカルが後述する重合性モノマーに対して重合開始剤となり、重合性モノマーが重合し、嫌気性UV樹脂は固化する。嫌気性UV樹脂に含まれる有機過酸化物はこのように金属イオン存在下での重合を目的として含有されている。
しかし、嫌気性UV樹脂の塗布に用いるノズルの流路内壁に金属イオンが存在する場合には、接着させる箇所に嫌気性UV樹脂を塗布する前に、嫌気性UV樹脂がノズルの流路内で固化するという現象が生じる。本発明はこのよう現状に鑑みて、ノズルが2価イオンよりも3価イオンが安定なアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されることにより、嫌気性UV樹脂に含まれる有機過酸化物とノズル内壁に存在する金属イオンからラジカルが生成される反応を防ぐというものである。
前記重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーなどのアクリル酸、メタクリル酸等のビニル基を分子の末端に有する化合物もしくはこれらの誘導体が挙げられる。ビニル基を有することによりビニル基と、前記有機過酸化物の分解により得られるラジカルとが反応し重合反応が開始される。
嫌気性UV樹脂を構成する重合性モノマーの例を更に具体的に挙げると、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のモノエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類; エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多価エステル類が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、通常嫌気性接着剤の分野で使用されているものであればよい。これらの重合性モノマーは単独で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いてもよい。
本発明の一実施形態に係るノズルに用いる嫌気性UV樹脂は、上記した有機過酸化物および重合性モノマーの他、アクリル酸や、光重合開始剤、重合促進剤や重合安定剤を含んでもよい。なお、アクリル酸は接着性の向上に寄与し、光重合開始剤は紫外線を吸収してラジカルを生成する。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン誘導体などが挙げられる。また、重合促進剤としては、1−アセチル−2−フェニルヒドラジン、サッカリンなどが挙げられ、1−アセチル−2−フェニルヒドラジンは紫外線照射による重合反応を促進させる効果があり、サッカリンは金属イオンとの酸化還元反応による重合を促進させる効果がある。
塗布装置
本発明の実施形態に係る塗布装置は、上述したノズルを有する。塗布装置の形態は特に限定されないが、例えば図4に示す塗布装置20が挙げられる。以下では、図4に示す塗布装置20について説明する。
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る塗布装置は、先端に図1に示すノズル2を有する貯留容器22と照射ヘッド24とを保持する移動ヘッド26と、前記移動ヘッド26を移動テーブル28に沿って平面方向に移動させる移動機構とを有している。貯留容器22には、嫌気性UV樹脂を供給するための供給配管30が接続され、照射ヘッド24には電源につなぐための電線コード32が接続されている。
上記の構成を有する塗布装置20を操作することにより、平面上に配列された製品への嫌気性UV樹脂の塗布、および紫外線の照射を効率よく行うことができ、部品の接着作業の生産性を向上させることができる。
コイル部品
上述したノズル2を用いることにより、小型部品にも嫌気性UV樹脂を塗布することができ、塗布された前記嫌気性UV樹脂により2以上の小型部品を接着することで複合部品を得ることができる。複合部品の具体例としてはドラムコアと外装コアとからなるコイル部品、ベアリングと回転シャフトとからなるハードディスクドライブなどが挙げられる。以下では、コイル部品の一例を説明する。
図5および図6に示す本発明の一実施形態に係るコイル部品40は、胴部にワイヤ50が巻回してあるドラムコア42と、ドラムコア42の周囲に配置される一対の外装コア44とを有する。これらの外装コア44は、ドラムコア42に対して装着される。
ドラムコア42は、例えば、Ni−Cu−Zn系の磁性材料で形成され、外装コア44は、ドラムコア42と同様に、たとえば、Ni−Cu−Zn系の磁性材料で形成されてもよいし、その他の磁性材料で形成されてもよい。ワイヤ50は銅線にウレタン被膜などの絶縁膜を被覆したものである。また、ドラムコア42の周囲のうち外装コア44が配置されていない部分に電極52を有し、電極52とワイヤ50は接続されている。
各外装コア44は、その内周面は、ドラムコア42の円形状外周面に対して、隙間52を一定にするために、ドラムコア42の外周面に対応させた曲面状となっている。
コイル部品の製造方法
次に、本発明の一実施形態に係るコイル部品40の製造方法について説明する。
まず、図5および6に示すように、ワイヤ50が巻回してあるドラムコア42の外周に、一対の外装コア44を配置し、図4に示すように製品パレット34上に配列する。
次に、貯留容器22と照射ヘッド24を備えた移動ヘッド26を移動機構によりコイル部品40の上部に移動させる。塗布箇所の上部に貯留容器22が移動したら、貯留容器先端のノズルから嫌気性UV樹脂を部品に塗布するが、この際、外装コア44側に嫌気性UV樹脂を塗布することが好ましい。
その際には、ドラムコア42と外装コア44により形成された隙間52の近傍で、外装コア44に嫌気性UV樹脂を滴下することがより好ましい。これにより、前記嫌気性UV樹脂が毛細管現象により前記隙間52に充填される。隙間52の幅は100〜30μm、より好ましくは60〜40μmである。なお、外装コア44側に嫌気性UV樹脂を滴下することが好ましいのは、ドラムコア42に形成してある電極54の表面を嫌気性UV樹脂で被覆することを防ぐことができるためである。
その後照射ヘッド24により塗布箇所に紫外線を照射し、嫌気性UV樹脂を固化させ、ドラムコア42と外装コア44を接着する。
前記塗布装置20によれば、上記したドラムコア42と外装コア44の接着を効率よく行うことができ、コイル部品40の接着作業の生産性を高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々
に改変することができる。
たとえば、本発明の一実施形態に係る接着方法としては、上記の塗布装置20によるものに限定されず、種々に改変できる。また、本発明の一実施形態に係る複合部品としては、図示する実施形態に限定されず、種々に改変することができる。また、本発明の一実施形態に係るコイル部品も図示する実施形態の形状や構造に限定されない。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
嫌気性UV樹脂の塗布試験
ステンレス鋼およびアルミニウム合金に嫌気性UV樹脂を塗布した際の嫌気性UV樹脂の状態の経時変化を目視により観察した。
ステンレス鋼としてはSUS303を準備し、アルミニウム合金としては、Al(2024)、Al(6063)、Al(7075)準備した。各金属ごとに試料番号を付した。各金属の試料番号、組成およびビッカース硬度は表1に示すとおりである。また、各合金の名称はJIS規格によるものである。
Figure 2011083698
嫌気性UV樹脂としては、638UV(ヘンケルジャパン社製)、AS−585501(アセック社製)を準備した。これらの組成は表2および表3に示すとおりである。
Figure 2011083698
Figure 2011083698
まず、金属60aの上部両端部に105μmのスペーサー62を載せた(図7(A))。次に金属60aの上に嫌気性UV樹脂64を0.1mg載せ(図7(B))、さらに嫌気性UV樹脂64の上に前記金属60aと同種の金属60bを覆いかぶせた(図7(C))。
一定時間経過ごとに嫌気性UV樹脂64の状態を目視により観察した。結果を表4および表5に示す。
Figure 2011083698
Figure 2011083698
表4および表5より、主成分が鉄であり、アルミニウムを含有していない試料1は、放置後5分で嫌気性UV樹脂が固化していることがわかる。また、鉄と銅の含有量が4.6wt%を超える試料2も試料1ほどではないが、放置後1時間で固化している。これは、嫌気性UV樹脂に含まれる有機過酸化物と金属表面に形成された酸化被膜に含まれる2価鉄イオンや1価銅イオンが反応することによりラジカルが生成し、該ラジカルが嫌気性UV樹脂に含まれる重合モノマーの重合開始剤になるためである。
表4および5の試料1〜4より、鉄と銅の合計含有量が少ないほど嫌気性UV樹脂の固化が進行しない傾向にあることがわかる。
2… ノズル
4、4a… ノズルケーシング
6… 吐出口
8a… ノズル先端部
10a… 酸化被膜
12… ニードル
14… ニードルケーシング
16… 吐出口
20… 塗布装置
22… 貯留容器
24… 照射ヘッド
26… 移動ヘッド
28… 移動テーブル
30… 供給配管
32… 電源コード
34… 製品パレット
40… コイル部品
42… ドラムコア
44… 外装コア
46… 胴部
48… フランジ部
50… ワイヤ
52… 隙間
54… 電極
60a、60b… 金属
62… スペーサー
64… 嫌気性UV樹脂

Claims (14)

  1. 嫌気性UV樹脂が流通する流路内壁を有し、
    アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されるノズル。
  2. 前記アルミニウム合金に含まれる銅と鉄の合計含有量が5.0wt%以下である請求項1に記載のノズル。
  3. 前記アルミニウム合金に含まれる銅と鉄の合計含有量が3.0wt%以下である請求項1に記載のノズル。
  4. 前記アルミニウム合金のビッカース硬度が150HV以上である請求項1〜3のいずれかに記載のノズル。
  5. 前記ノズルの開口径が0.3mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載のノズル。
  6. 前記ノズルがニードルである請求項1〜5のいずれかに記載のノズル。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のノズルを有する塗布装置。
  8. 2以上の部品を接着する方法であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載のノズルを用いて部品に接着剤として嫌気性UV樹脂を塗布する工程と、
    塗布された前記嫌気性UV樹脂により2以上の部品を接着する工程と、を有する部品の接着方法。
  9. 前記部品がコイル部品である請求項8に記載の部品の接着方法。
  10. 前記嫌気性UV樹脂を塗布する工程において、
    1以上の部品により形成された隙間の近傍に嫌気性UV樹脂を塗布し、
    前記嫌気性UV樹脂が毛細管現象により前記隙間に充填されることを特徴とする請求項8または9のいずれかに記載の部品の接着方法。
  11. 2以上の部品からなる複合部品の製造方法であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載のノズルを用いて部品に接着剤として嫌気性UV樹脂を塗布する工程と、
    塗布された嫌気性UV樹脂により2以上の部品を接着する工程と、を有する複合部品の製造方法。
  12. 前記複合部品がコイル部品である請求項11に記載の複合部品の製造方法。
  13. 前記嫌気性UV樹脂を塗布する工程において、
    1以上の部品により形成された隙間の近傍に嫌気性UV樹脂を塗布し、
    前記嫌気性UV樹脂が毛細管現象により前記隙間に充填されることを特徴とする請求項11または12のいずれかに記載の複合部品の製造方法。
  14. ドラムコアと外装コアとを有するコイル部品の製造方法であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載のノズルを用いて外装コアに接着剤として嫌気性UV樹脂を塗布する工程と、
    塗布された嫌気性UV樹脂により2以上の部品を接着する工程と、を有し、
    前記嫌気性UV樹脂を塗布する工程において、
    ドラムコアと外装コアにより形成された隙間の近傍に嫌気性UV樹脂を塗布し、
    前記嫌気性UV樹脂が毛細管現象により前記隙間に充填されることを特徴とするコイル部品の製造方法。
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