JP2011083605A - 外科処置において使用する可撓性アクセス装置 - Google Patents

外科処置において使用する可撓性アクセス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】外科処置において使用するための可撓性アクセスアセンブリを提供すること。
【解決手段】組織を通して挿入する可撓性アクセス装置であって、第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体であって、該本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、該組織内の切開内において拡張し、該本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを有する、本体と、該本体内に配置され、該本体を通って延びている管腔であって、該管腔は、該凹形の受入凹部と該凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる、管腔とを備えている、装置である。
【選択図】図1

Description

(関連出願の引用)
本願は、米国特許出願第12/244,024号(2008年10月2日出願)の一部継続出願であり、この出願は、米国仮特許出願第60/075,867号(2008年6月26日、名称「SEAL ANCHOR FOR USE IN SURGICAL PROCEDURES」)、および米国仮特許出願第60/997,885号(2007年10月5日、名称「SEAL ANCHOR FOR USE IN SINGLE INCISION SURGERY」)の利益および優先権を主張し、各出願の全開示は、本明細書に参考として援用される。
(技術分野)
本開示は、外科処置において使用するための可撓性アクセスアセンブリに関する。さらに具体的には、本開示は、真っ直ぐな、不規則な、または曲がった細長いシャフトを有する外科器具を受容することが可能な1つ以上の管腔またはポートを有する可撓性アクセス装置に関する。
(関連技術の背景)
今日、患者への外傷および回復時間の両方を低減しようとの努力において、多くの外科処置は、従来の処置に一般的に必要とされるより大きな切開と比較すると、皮膚の小さい切開を通して実行される。このような処置の一部は、患者の腹部において実行されなければ、「内視鏡的」と呼ばれ、処置が患者の腹部において実行されれば、「腹腔鏡的」と呼ばれる。
一般的な最小侵襲性処置の間、外科用アクセス装置のような外科用物体(例えば、トロカールとカニューレとのアセンブリ、内視鏡、または他の器具)が、組織内の切開を通して患者の身体内に挿入される。患者の身体内への外科用物体の導入前に、通気ガスが目標の外科部位を囲む領域を拡大するために用いられて、より大きく、よりアクセス容易な作業領域を作り出す。従って、実質的に流体密なシールの維持が、通気ガスの漏出および拡大された外科部位の収縮または折り畳みを防ぐために望ましい。
この目的のために、様々なアクセス部材が、最小侵襲性処置の過程の間に使用され、それらは当該技術分野において周知である。しかしながら、組織内の切開内に直接挿入されることができるアクセス部材に対して継続したニーズが存在し、そのようなアクセス部材は、バルブとシールとを支持、または直接外科器具を受け取ることができ、そして、通気された作業空間の完全性を維持しつつ様々な外科用物体を収容することができるものである。真っ直ぐな、曲がった、または不規則な形状のシャフトを有する器具を収容することが望ましい。
従って、組織を通して挿入するための可撓性アクセス装置が提供される。可撓性アクセス装置は、第一の折り畳まれた構成および第二の弾力的に拡張した構成を有する圧縮可能な本体と、本体内に配置され、本体を通って延びる管腔とを含む。本体は、放射方向の寸法、および長手方向の寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、組織内の切開内において拡張する。本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端(trailing end)と、凹形の出口凹部を画定する先頭端(leading end)とを含む。管腔は、凹形の受入凹部と出口凹部とを連通することにより、直線でないシャフトを有する器具を受け入れる。本体は中央部分を含み得、後続端は設置部材を含み得る。本体の先頭端は、設置部材を含み得る。設置部材は、中央部分の直径よりも大きい直径を有し得る。本体は、パリレン、親水性、疎水性、生物薬剤、反感染と鎮痛性のうちの少なくとも1つのである被覆を含み得る。
腹腔にアクセスする方法も提供される。この方法は、腹壁を通して切開を生成するステップと、本体および該本体を通って延びる管腔を有する可撓性アクセス装置を提供するステップであって、該管腔は、該管腔内に配置される非直線の器具とのシールを形成する、ステップと、該本体が該切開を通して挿入され得るように、該本体を圧縮するステップと、該圧縮された本体を該切開を通して挿入するステップと、該圧縮された本体を解放するステップであって、それにより、該本体が元の形状に向かって戻ることを可能にする、ステップと、非直線の器具を該管腔を通過させるステップとを含む。方法は、さらに、非直線の器具を除去するステップをさらに含み得る。本体は、パリレン被覆を含む。
前下方切除を実行するキットも提供され得る。このキットは、組織に外科用ファスナーを適用する一対の顎部であって、一対の顎部は自由端と曲がった構成とを有する、一対の顎部と、可撓性アクセス装置とを有する。可撓性アクセス装置は、第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体であって、本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、組織内の切開内において拡張し、本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを有する、本体と、本体内に配置され、それを通って延びている管腔であって、管腔は、該凹形の受入凹部と該凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる、管腔とを備えている。キット内に含まれる外科用器具は、外科用ステープリングカートリッジを含み得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1A)
組織を通して挿入する可撓性アクセス装置であって、
第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体であって、該本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、該組織内の切開内において拡張し、該本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを有する、本体と、
該本体内に配置され、該本体を通って延びている管腔であって、該管腔は、該凹形の受入凹部と該凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる、管腔と
を備えている、装置。
(項目2A)
上記本体は、中央部分を有し、上記後続端は、設置部材を含む、上記項目に記載の可撓性アクセス装置。
(項目3A)
上記本体の上記先頭端は、設置部材を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の可撓性アクセス装置。
(項目4A)
上記設置部材は、上記中央部分の直径よりも大きい直径を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の可撓性アクセス装置。
(項目5A)
上記本体は、被覆を含み、該被覆は、パリレン、親水性、疎水性、生物薬剤、反感染と鎮痛性のうちの少なくとも1つのである被覆を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の可撓性アクセス装置。
(項目6A)
腹腔にアクセスするシステムであって、
腹壁を通して切開を生成する手段と、
本体および該本体を通って延びる管腔を有する可撓性アクセス装置であって、該管腔は、該管腔内に配置される非直線の器具とのシールを形成し、該本体は、該本体が該切開を通して挿入され得るように圧縮され、圧縮後に元の形状に戻るように構成されている、可撓性アクセス装置と、
該切開を通して該圧縮された本体を挿入する手段と、
非直線の器具を該管腔を通過させる手段と
を含む、システム。
(項目7A)
上記非直線の器具を除去する手段をさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目8A)
上記本体は、パリレン被覆を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目9A)
前下方切除を実行するキットであって、該キットは、
組織に外科用ファスナーを適用する一対の顎部を有する外科用器具であって、該一対の顎部は、自由端と曲がった構成とを有する、外科用器具と、
可撓性アクセス装置と
を備え、
該可撓性アクセス装置は、
第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体であって、該本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、該組織内の切開内において拡張し、該本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを有する、本体と、
該本体内に配置され、それを通って延びている管腔であって、該管腔は、該凹形の受入凹部と該凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる、管腔と
を備えている、キット。
(項目10A)
上記外科用器具は、外科用ステープリングカートリッジを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のキット。
(項目1B)
組織を通して挿入する可撓性アクセス装置であって、
第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体であって、該本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、該組織内の切開内において拡張し、該本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを有する、本体と、
該本体内に配置され、該本体を通って延びている管腔であって、該管腔は、該凹形の受入凹部と該凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる、管腔と
を備えている、装置。
(項目2B)
上記本体は、中央部分を有し、上記後続端は、設置部材を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の可撓性アクセス装置。
(項目3B)
上記本体の上記先頭端は、設置部材を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の可撓性アクセス装置。
(項目4B)
上記設置部材は、上記中央部分の直径よりも大きい直径を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の可撓性アクセス装置。
(項目5B)
上記本体は、被覆を含み、該被覆は、パリレン、親水性、疎水性、生物薬剤、反感染と鎮痛性のうちの少なくとも1つのである被覆を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の可撓性アクセス装置。
(項目6B)
腹腔にアクセスする方法であって、
腹壁を通して切開を生成するステップと、
本体および該本体を通って延びる管腔を有する可撓性アクセス装置を提供するステップであって、該管腔は、該管腔内に配置される非直線の器具とのシールを形成する、ステップと、
該本体が該切開を通して挿入され得るように、該本体を圧縮するステップと、
該圧縮された本体を該切開を通して挿入するステップと、
該圧縮された本体を解放するステップであって、それにより、該本体が元の形状に向かって戻ることを可能にする、ステップと、
非直線の器具を該管腔を通過させるステップと
を含む、方法。
(項目7B)
上記非直線の器具を除去するステップをさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目8B)
上記本体は、パリレン被覆を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目9B)
前下方切除を実行するキットであって、該キットは、
組織に外科用ファスナーを適用する一対の顎部を有する外科用器具であって、該一対の顎部は、自由端と曲がった構成とを有する、外科用器具と、
可撓性アクセス装置と
を備え、
該可撓性アクセス装置は、
第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体であって、該本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、該組織内の切開内において拡張し、該本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを有する、本体と、
該本体内に配置され、それを通って延びている管腔であって、該管腔は、該凹形の受入凹部と該凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる、管腔と
を備えている、キット。
(項目10B)
上記外科用器具は、外科用ステープリングカートリッジを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のキット。
(摘要)
組織を通して挿入する可撓性アクセス装置が提供される。可撓性アクセス装置は、第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体を含む。本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、組織内の切開内において拡張する。本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを含む。可撓性アクセス装置は、本体内に配置され、それを通って延びている管腔をさらに備えており、管腔は、凹形の受入凹部と凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる。
本開示の様々な実施形態が、図面を参照して以下に述べられる。
図1は、本開示の原理に従う外科用装置の正面斜視図であって、組織に対して配置されたシールアンカー部材を拡張状態で示している。 図2は、図1の線2−2に沿ってとられた図1のシールアンカー部材の断面図であって、それを通って長手方向に延びるポートを示している。 図3は、図2のポートの図であって、それを通して外科用物体が挿入されている。 図4は、図1のシールアンカー部材の斜視図であって、シールアンカー部材は圧縮状態で示され、組織内の切開の中に挿入される前である。 図5は、シールアンカー部材の正面斜視図であって、シールアンカー部材は拡張状態で示され、組織内の切開の中に挿入後である。 図6は、シールアンカー部材の長手方向に延びるポート内に挿入される例示的なカニューレの分解斜視図である。 図7は、図1の本開示の外科用装置の代替的な実施形態の正面斜視図であって、シールアンカー部材と膨張可能な流体膜とを示している。 図7Aは、流体膜の流体ポートの正面斜視図である。 図7Bは、開放状態の弁を有する図7Aの流体膜の流体ポートの正面斜視図である。 図8は、切開内に挿入前の圧縮状態にある外科用装置のシールアンカー部材の正面斜視図である。 図9は、凹状の近位および遠位のポートを有する図1のシールアンカー部材の代替的な実施形態の上面斜視図である。 図10は、図9のシールアンカー部材の側面図である。 図11は、図9のシールアンカー部材の上面図である。 図12は、図11の線12−12に沿ってとられた図9のシールアンカー部材の断面図であって、シールアンカー部材を通って軸方向に延びるポートを示している。 図13は、図10の線13−13に沿ってとられた図9のシールアンカー部材の断面図である。 図14は、凸状の近位および遠位のポートを有する図1のシールアンカー部材の別の実施形態の上面斜視図である。 図15は、図1のシールアンカー部材のさらに別の実施形態の上面斜視図であって、シールアンカー部材は、それを通って長手方向に延びるポートのうちの1つの中に挿入された外科用物体とともに拡張状態で示されている。 図16は、線16−16に沿ってとられた図15のシールアンカー部材の断面斜視図である。 図17は、図1のシールアンカー部材のなお別の実施形態の上面斜視図であって、シールアンカー部材は、それを通って長手方向に延びるポートのうちの1つの中に挿入された外科用物体とともに拡張状態で示されている。 図18は、線18−18に沿ってとられた図17のシールアンカー部材の断面斜視図である。 図19は、図1のシールアンカー部材の代替的な実施形態の上面図であって、シールアンカー部材は、それを通って各々長手方向に延びる入口ポートと出口ポートを含んでいる。 図20は、患者の組織内に設置された図19のシールアンカー部材の側面断面図である。 図21は、図19のシールアンカー部材の一実施形態の入口ポート内に挿入されるチューブアセンブリの側面斜視図である。 図22は、図19のシールアンカー部材と複数のカニューレ内に設置可能な複数の栓子とを含む本開示の原理に従うキットを図示する。 図23は、図22のキットの代替的な実施形態を図示する。 図24は、シールアンカー部材と通気/排気器具を含む外科用キットの別の実施形態を図示する。 図25は、図24のシールアンカー部材と外科用キットの通気/排気器具との上面図である。 図26は、図25の線26−26に沿ってとられたシールアンカー部材と外科用キットの通気/排気器具との側面断面図である。 図27は、図24−26の外科用キット内に組み込まれた付加的な器具類を図示する。 図28A−28Cは、図24−27の外科用キットの使用方法を示す。 図28A−28Cは、図24−27の外科用キットの使用方法を示す。 図28A−28Cは、図24−27の外科用キットの使用方法を示す。 図29は、本開示の可撓性アクセス装置の斜視図を示す。 図30は、図29の可撓性アクセス装置の上面図を示す。 図31は、図29の可撓性アクセス装置の断面側面図を示す。 図32は、図29−31の可撓性アクセス装置の斜視図であり、可撓性アクセス装置は、圧縮状態にあり、組織内の切開を通って挿入されるようとしている。 図33は、組織内の切開を通して設置されている図29−31の可撓性アクセス装置の斜視図である。 図34は、図29−31の可撓性アクセス装置の断面側面図であり、可撓性アクセス装置は、それを通して挿入されている曲がった部分を有する器具を含んでいる。 図35は、図29−31の可撓性アクセス装置の断面側面図であり、可撓性アクセス装置は、それを通して挿入された曲がった部分を有する器具を含んでいる。 図36は、図29−31の可撓性アクセス装置の一部断面側面図であり、可撓性アクセス装置は、組織を通して受け入れられ、それを通して挿入されている曲がったシャフトを有する器具を含んでいる。
以下の図および記載において、類似の参照番号は、同様の、または同一の構成要素を識別し、当該技術分野において慣例的であり、公知であるように、用語「近位の」は、使用中において臨床医に最も近い端を指し、用語「遠位の」は、臨床医から最も遠い端を指す。
図1−3を参照すると、例えば、最少侵襲性処置のような外科処置において使用する外科用装置10が、図示されている。外科用装置10は、シールアンカー部材100を含み、シールアンカー部材100は、長手軸「A」を画定し、それぞれの後続(近位)端および先頭(遠位)端102、104と、後続端102と先頭端104との間に配置される中間部分106とを有している。シールアンカー部材100は、1つ以上のポート108を含み、ポート108はそれぞれ後続端102と先頭端104との間を、シールアンカー部材100を貫通して長手方向に延びている。
シールアンカー部材100は、好ましくは、十分に追随性を有する好適な発泡性材料から形成されることにより、概して外科用物体「I」として示される(図3)1つ以上の外科用物体の周りにシールを形成し、組織との密閉関係も確立する。発泡体は、好ましくは、十分に追随性であることにより、外科用物体「I」の軸外の動作に適合する。一実施形態において、発泡体はポリイソプレン材料を含む。
シールアンカー部材の近位端102は、第一の直径Dを画定し、遠位端104は、第二の直径Dを画定する。シールアンカー部材100の一実施形態において、近位端102および遠位端104のそれぞれの第一の直径Dおよび第二の直径Dは、図1にみられるように、実質的に等しいが、直径D、Dが異なるシールアンカー部材100の実施形態も本開示の範囲内にある。図1に示されるように、近位端102および遠位端104は、実質的に平面である表面を画定する。しかしながら、近位端102および遠位端104のうちのいずれか一方または両方が、それぞれ実質的に円弧状の表面を画定し、それにより、切開のような、組織表面14によって画定され、組織「T」内に形成される組織路12の中にシールアンカー部材100を挿入することを支援する実施形態もまた本明細書において想定され、以下においてさらに詳細に議論される。
中間部分106は、放射方向の寸法「R」を画定し、近位端102と遠位端104との間を長手方向に延びることにより、軸方向の寸法または長さ「L」を画定する。中間部分106の放射方向の寸法「R」は、それの軸の寸法または長さ「L」に沿って変化する。従って、以下にさらに詳細に議論されるように、シールアンカー部材100は、それの長さ「L」に沿って変化する断面寸法を画定し、これは組織「T」内にシールアンカー部材100を定着させることを容易にする。しかしながら、シールアンカー部材100の実施形態であって、それの軸方向寸法「L」に沿って放射方向寸法「R」が実質的に一様なままである、実施形態もまた本開示の範囲内にある。
中間部分106の放射方向寸法「R」は、近位端102および遠位端104のそれぞれの直径D、Dよりもかなり小さく、それにより、シールアンカー部材100は、「砂時計」の形状または構成を画定して、組織「T」内にシールアンカー部材100を定着させることを支援し、このことは以下においてさらに詳細に議論される。しかしながら、代替の実施形態において、中間部分106の放射方向寸法「R」は、近位端102および遠位端104のそれぞれの直径D、Dに実質的に等しくあり得る。断面において、中間部分106は、例えば、実質的に円形、楕円形、長方形であるような任意の好適な構成を示し得る。
各ポート108は、外科用物体「I」を取外し可能に受け取るように構成される。外科用物体「I」の挿入前において、ポート108は、ポート108が第一または初期の寸法DP1を画定する、第一の状態にある。DP1が概して約0mmであることにより、外科用物体「I」が存在しない場合における通気ガスのシールアンカー部材100のポート108を通る漏出(図示せず)は、実質的に防止される。例えば、ポート108は近位端および遠位端102、104を通ってシールアンカー部材100の長手方向長さを延びるスリットであり得る。代替的に、ポート108は、初期の開放状態を有するシールアンカー部材100内の開口を画定し得る。外科用物体「I」を導入すると、ポート108は第二の状態に遷移し、この第二の状態において、外科用物体「I」の直径Dに実質的に近似している、第二のより大きい寸法DP2を画定することにより、実質的に流体密なシールが形成され、それによって、外科用物体「I」か存在する場合のシールアンカー部材100のポート108を通る通気ガス(図示せず)の漏出を実質的に防止する。D、従ってDP2は、概して約5mmから約12mmまでの範囲内にあり、その理由は、これらの寸法が、最少侵襲性処置の進行中に用いられる外科用物体の典型であるからである。しかしながら、シールアンカー部材100は、ポート108を含み、このポート108はそれの第二の状態において実質的により大きいか、より小さい寸法を呈することができるが、そのようなシールアンカー部材100は本開示の範囲を越えていない。さらに、シールアンカー100は、ポート108を欠いていてもよい。この構成については、外科用物体「I」の挿入中に、ポート108がシールアンカー部材100内に作り出される。この実施形態に従うと、シールアンカー部材100は、発泡材料(例えば、開放セルポリウレタン発泡体、熱可塑性エラストマー(TPE)、またはゲル)のような流動可能な、または十分に追随可能の材料から形成される。シールアンカー部材100の形成は、COまたは窒素のような不活性ガスが材料内に吹き込まれて発泡体構造を形成するようなプロセスを含み得る。シールアンカー部材100は、また、それを通る器具および/またはカニューレの挿入を容易にするために、パリレンNまたはC等の潤滑性被覆によって被覆され得る。
ここで図1および4を参照すると、シールアンカー部材100は、拡張状態(図1)から圧縮状態(図4)までの遷移に適合されることにより、組織「T」における組織路12内へのそれの挿入および固定を容易にする。拡張状態において、シールアンカー部材100は安定しており、中間部分106の放射方向寸法Rと同様に、シールアンカー部材100の近位端および遠位端102、104のそれぞれの放射方向寸法D、Dは、シールアンカー部材100を組織路12内に挿入できない程のものである。しかしながら、図4からわかるように、圧縮状態においては、シールアンカー部材100の近位端および遠位端102、104は、中間部分106と同様に、組織路12内への挿入に対して寸法設定される。
シールアンカー部材100は、生物適合性で圧縮可能な材料から形成され、その材料は、シールアンカー部材100の拡張状態と圧縮状態との間の弾力的でレシプロカルな遷移を容易にする。一実施形態において、圧縮可能な材料は、「記憶」発泡体である。外力「F」がシールアンカー部材100に適用されることにより、シールアンカー部材100は圧縮状態になる。外力「F」が内側に向けられ、シールアンカー部材100がその方向に従属させられると、すなわち、シールアンカー部材100が圧搾されると、シールアンカー部材100は、かなりの変形を受け、それによって圧縮状態へと遷移する。
図4に示されるように、シールアンカー部材100は、外力「F」の影響下で圧縮されると、外側に向けられ、力「F」に対向する内的な付勢力「FB1」が、シールアンカー部材100内で作り出される。内的な付勢力「FB1」は、シールアンカー部材100を拡張させ、それによって、シールアンカー部材100をそれの拡張状態まで戻そうとする。従って、シールアンカー部材100が外力「F」を受けている限り、シールアンカー部材100は圧縮状態のままである。しかしながら、外力「F」を除去すると、付勢力「FB1」はシールアンカー部材100を拡張状態に戻すように作用する。
シールアンカー部材100を構成する圧縮可能な材料は、また、その第一の閉鎖状態(図1−2)と第二の状態(図3)との間のポート108の弾力的な遷移を容易にする。上記で論じたように、外科用物体「I」を挿入する前において、ポート108は第一の状態にあり、その状態において、ポート108は第一または初期の寸法DP1を画定する。ポート108は、シールアンカー部材100の長手方向の長さを延びるスリットを組み入れ得る。この第一の状態において、ポート108は静止状態にあり、いかなる外力も受けない。しかしながら、図3に示すように、ポート108を通して外科用物体「I」を導入すると、外科用物体「I」は、ポート108に放射方向外側に向けられた力「F」を及ぼす。力「F」は、ポート108の寸法を拡大し、それによってポート108をポート108が第二のより大きい寸法DP2(寸法DP2は、外科用物体「I」の直径Dに実質的に近似している)を画定する第二の状態に遷移させるように動作する。結果として、放射方向内側に向けられ、力「F」に対向する内的な付勢力「FB2」が作り出される。内的な付勢力「FB2」力は、ポート108をポート108の内側寸法を減少させるように戻し、それによって、ポート108をそれの第一の状態にまで戻そうとする。内的な付勢力「FB2」は、外科用物体「I」上に作用させられ、それとの実質的に流体密のシール作り出すように作用する。外力「FB1」および「FB2」の意義が以下においてさらに詳細に論じられる。
図1を再び参照すると、1つ以上の設置部材114は、シールアンカー部材100の後続(近位)端102および遠位(先頭)端104のいずれか一方または両方と関連し得る。設置部材114は、少なくとも半弾力性である任意の好適な生物適合性材料から成り得、それにより、設置部材114は弾力的に変形させられ得、実質的に円形または楕円形のような任意の好適な構成を呈し得る。シールアンカー部材100の挿入前には、設置部材114はシールアンカー部材100のそれぞれの近位端および遠位端102、104と共に変形させられて、組織路12を通ってそれが前進することを容易にする(図4)。シールアンカー部材100の組織路12内への挿入に続いて、設置部材114の弾力性は、設置部材が標準の、実質的に円形の構成に戻り、それによって、それぞれの近位端および遠位端102、104のいずれか一方または両方の拡張を支援し、圧縮状態から拡張状態までのシールアンカー部材100の遷移を容易にすることを可能にする。設置部材114は、また、体腔を画定する壁に係合し得ることにより、シールアンカー部材100の身体組織内での固定をさらに容易にする。例えば、先頭端104における設置部材114は、内側の腹壁と係合し得、後続端102に隣接する設置部材114は、組織「T」内の切開12に隣接する外側の表皮組織と係合し得る。シールアンカー部材100の別の実施形態において、1つ以上の付加的な設置部材114が中間部分106と関連付け得る。
一般的な最小侵襲性処置の過程の間におけるシールアンカー部材100の使用および機能が議論される。最初に、腹膜腔(図示されず)が、例えば、COガスのような好適な生物学的適合性ガスによって通気されることにより、腔壁はその中に収容される内側の器官および組織から引き上げられ、持ち上げられて、それらへのより大きなアクセスを提供する。通気は、当該技術分野において一般的であるように、通気ニードルまたは同様の装置によって実行され得る。通気の前後のいずれかにおいて、組織路12が組織「T」内につくられ、それの寸法は、処置の性質に応じて変更され得る。
シールアンカー部材100の組織路12内への挿入前において、シールアンカー部材100は、拡張状態にあり、この拡張状態において、シールアンカー部材の寸法は、組織路12内へのシールアンカー部材100の挿入を妨げる。挿入を容易にするために、臨床医は、それに力「F」を適用することによって、例えば、シールアンカー部材100を圧搾することによって、シールアンカー部材100を圧縮状態に遷移させる。力「F」は、近位端および遠位端102、104の放射方向の寸法をそれぞれ、設置部材114を含めて(もし備えられているなら)D’、D’(図4)まで減少させ、中間部分106の放射方向の寸法をR’まで減少させるように動作することにより、シールアンカー部材100は、組織路12内に挿入され得る。図5に最もよく示されるように、その挿入に続いて、遠位端104、設置部材114(もし備えられているなら)および中間部分106の少なくとも1つの断面112は、組織「T」の下に配置される。シールアンカー部材100は、そこから力「F」を除去することによって、圧縮状態から拡張状態まで遷移させられる。
圧縮状態から拡張状態までの遷移の間、シールアンカー部材100の寸法、すなわち、近位端および遠位端102、104のそれぞれの放射方向の寸法D’、D’(図4)は、DおよびD(図5)まで増加させられ、放射方向の寸法R’はRまで増加させられる。遠位端104の拡張は、それが組織「T」の下に配置されると仮定すると、比較的拘束されない状態にあり、従って、遠位端104は、完全ではないとしても、
かなり拡張することが許容される。しかしながら、図5に見られるように、中間部分106の断面112の拡張は、組織路12を画定する組織表面14(図1)によって制限され、それによって、中間部分106は、内側に向けられた外力「F」にさらされる。上記で論じたように、このことは、外側に向けられ、組織表面14に作用させられる内的なバイアス力「FB1」を生じさせ、それによって、シールアンカー部材100と組織表面14との間の実質的に流体密なシールを生じさせ、シールアンカー部材100の周りおよび組織路12を通る通気ガスの漏出を実質的に防止する。
拡張状態において、近位端および遠位端102、104のそれぞれの放射方向寸法D、Dは、中間部分106の放射方向寸法Rよりも大きく、それにより、シールアンカー部材100に前述の「砂時計」の構成を付与する。挿入に続いて、遠位端104および設置部材114の放射方向寸法Dは、また、組織路12の寸法よりも実質的に大きい。結果として、シールアンカー部材100は、拡張状態において組織路12から除去され得ず、従って、シールアンカー部材100は、それが圧縮状態に戻されるまで、組織「T」内に固着されたままである。
シールアンカー部材100を患者の組織「T」内にうまく固着させた後に、1つ以上の外科用物体「I」がポート108を通して挿入され得る。図5は、ポート108の1つを通して導入された外科用物体「I」を示す。上で論じたように、外科用物体「I」の挿入前においては、ポート108は、ポート108が初期寸法DP1(この初期寸法はそのポート108において無視し得るが)を画定するそれの第一の状態にあり、一実施形態においては、長手方向のスリットである。従って、外科用物体「I」がない場合において、ポート108を通る通気ガスの漏出前においては、ポート108を通る通気ガスの漏出は極小であり、従って、通気された作業空間の完全性を保持する。
外科用物体「I」は、任意の好適な外科用器具であり得、従って、大きさが変化し得る。1つ以上のポート108内に導入されるべき好適な外科用物体「I」は、最少侵襲性の把持器具、鉗子、クリップアプライヤ、ステープラー等を含む。外科用物体は、図6に示される従来のカニューレ1000を含み得る。カニューレ1000は、ポート108内への取外し可能な挿入に対して構成され、それぞれの近位端および遠位端1002、1004と、それらの間に配置されたシャフトまたは細長部材1006とシール筺体1008とを含む。細長部材1006は、それを通って長手方向に延びている開口1010を画定し、この開口は、栓子のような外科用器具類(図示せず)の通過を可能にするような寸法にされている。器具シール1012がシール筺体1008内に配置され、この器具シールは、長手方向の開口1010内に挿入される外科用器具を受け入れるように適合されることにより、それとの実質的に流体密なシールを形成する。カニューレ1000は、閉鎖弁1014をさらに含み、この閉鎖弁は、閉鎖状態へと付勢されているが、長手方向の開口1010の中に外科用器具類が挿入されると開くように適合されていることにより、外科用器具類の通過を可能にする。閉鎖状態、すなわち外科用器具類が存在しない場合において、閉鎖弁1014は、通気ガスのそれを通る連通を防止する。
例えば、カニューレ1000のような外科用物体「I」を導入すると、ポート108は拡大され、それによって、ポート108が実質的に外科用物体「I」の直径Dに近似する第二の寸法DP2(図3)を画定するそれの第二の状態に遷移し、それによって外科用物体「I」との実質的に流体密のシールを作り出し、外科用物体「I」が存在する場合にシールアンカー部材100のポート108を通る通気ガス(図示せず)の漏出を実質的に防ぐ。
ここで図7−8を参照すると、シールアンカー部材200代替的な実施形態が開示されている。シールアンカー部材200は、発泡体またはその代わりにゲルのような弾力的で追随的な材料を備えている。シールアンカー部材200は、近位端および遠位端202、204、ならびにそれらの間に配置される中間部分206をさらに備えている。シールアンカー部材200は、内腔210を画定する拡張可能な膜208をさらに備えている。膜208は、例えば、構成が実質的に環状であるかドーナツ形であり得るが、任意の考え得る形が使用され得、シールアンカー部材200の発泡体またはゲル材料の周囲にまたはその中に固定されるか、取り付けられるか、または埋め込まれ得る。一実施形態において、膜208は発泡体またはゲル区画212を囲み、それによってシールアンカー部材200の周囲を画定する。一つ以上の流体ポート214が、膜208の内腔210、および、シールアンカー部材200の発泡体区画212を通して延びる一つ以上の長手方向のポート216と連通している。
膜208によって画定される内腔210は、流体をその中に保持するように構成される。膜208は十分に弾力的である生物適合性のものから形成され得ることにより、内腔210へのおよびからの流体の流れを許容してその伸縮を生じさせる。さらに、膜208を構成する材料は、流体に関して実質的に不浸透性であることにより、内腔へのおよび内腔からの流体の流れが流体ポート214だけを通して起こることを確実にする。
流体ポート214は、流体供給源218への接続に対して適合される。流体ポート214は、この意図された目的に対して好適な任意の部材または構造であり得る。単一の流体ポート214を含むように図示されるが、代替的な実施形態において、例えば、シールアンカー部材200は、近位端202および遠位端204の各々の上等に付加的な流体ポートを含み得る。流体ポート214は、また、開放位置(図7A)と閉鎖位置(図7B)との間に選択的に設置可能である弁220を含むことにより、流体ポート214を通して内腔210へのおよび内腔210からの流体の流れを管理し得る。
図1−6に関してシールアンカー部材100について論じたように、シールアンカー部材200は、拡張状態(図7)から圧縮状態(図8)までの遷移に適合される。圧縮状態(図8)において、シールアンカー部材200は、シールアンカー部材100(図1−5)に関して、上で論じられたのと同様の態様で、組織「T」内の組織路12内への挿入のために構成される。シールアンカー部材200は組織「T」内に設置され、シールアンカー部材200の発泡体区画212は、拡張状態を呈する。流体ポート214は、流体供給源216(図7)に接続され得、流体は膜208によって画定される内腔210に連通される。内腔210が流体で充填すると、内腔210および膜208の寸法は伸張させられ、それによって、シールアンカー部材200の外部表面を外側に押し、切開「I」内にシールを確立する。
ここで図9−13を参照すると、シールアンカー部材300の別の実施形態が開示される。シールアンカー部材300は、その中央点Cを通過する長手軸「A」に沿って延びる。シールアンカー部材300は、長手軸「A」に沿って測られる全軸方向寸法「H」を画定する。全体軸方向寸法「H」は、概して、実質的におよそ25mmからおよそ75mmまでの範囲内にあり、好ましくは50mmに等しい。しかしながら、本開示は、また、実質的により大きいか、より小さい全軸方向寸法「H」のいずれかを画定するシールアンカー部材300を想定する。
上記の実施形態の各々と同様に、シールアンカー部材300を構成する材料は、外科用の単数の物体または複数の物体「I」の軸外運動に十分に追随的であり、シールアンカー部材を通して挿入されるこの外科用物体「I」は、シールアンカー部材300が使用される最小侵襲性外科処置の過程の間に必要とされ得る。一実施形態では、シールアンカー部材300は、好適な発泡体から形成され、それは少なくとも部分的にポリイソプレン、ウレタンまたはシリコーン等から構成されてもよい。あるいは、シールアンカー部材300は、生物適合性のゲル材料から形成され得る。
前記の実施形態と同様に、シールアンカー部材300は、後続(または近位)302および先頭(または遠位)端部304と、それらの間に配置される中間部分306と、そして、近位端302および遠位端304との間を長手方向に、シールアンカー部材300を通って延びる1つ以上のポート308を含む。
シールアンカー部材300の近位端302は、第一の放射方向寸法Dと第一の軸方向寸法Hとを画定し、遠位端304は、第二の放射方向寸法Dと第二の軸方向寸法Hとを画定する。本開示は、実質的におよそ25mmからおよそ75mmまでの範囲内に概してある放射方向寸法D、Dと、実質的におよそ6mmからおよそ11mmまでの範囲内に概してある軸方向寸法H、Hとを画定する近位端302および遠位端304を有するシールアンカー部材300を想定している。しかしながら、好ましくは、シールアンカー部材300は、およそ50mmに等しい放射方向寸法D、D、およびおよそ8.5mmに等しい軸方向寸法H、Hとをそれぞれ有する近位端302および遠位端304を含むシールアンカー部材300を想定している。実質的により大きいか、より小さい放射方向寸法および軸方向寸法を画定する近位端102および遠位端104を有するシールアンカー部材300もまた本開示の範囲内にある。
図9−13に図示される実施形態において、シールアンカー部材300は、それぞれの近位端および遠位端302、304を含み、それらは、実質的に等しいそれぞれの第一の半径方向寸法Dおよび第二の半径方向寸法D有している。しかしながら、異なるそれぞれの第一の半径方向寸法Dおよび第二の半径方向寸法Dを有しているそれぞれの近位端302および遠位端304を含むシールアンカー部材300の実施形態もまた本明細書において想定される。
シール部材300の中間部分306は、実質的におよそ20mmからおよそ50mmまでの範囲内に概して存在する放射方向寸法「R」と、実質的におよそ10mmからおよそ40mmまでの範囲内に概して存在している軸方向の寸法「L」とを画定する。中間部分306の放射方向および軸方向の寸法「R」、「L」が、それぞれおよそ35mmおよび25mmに等しいことが望ましいが、実質的により大きいかより小さい放射方向寸法および軸方向寸法を画定する中間部分306を有するシールアンカー部材300は、本開示の範囲を越えてはいない。上記で論じたように、中間部分306の放射方向寸法「R」は、その軸方向寸法「L」に沿って実質的に一様または可変であり得、そして、近位端302および遠位端304のそれぞれの放射方向寸法D、Dに対して、かなりより少ないか、より大きいか、または等しくあり得る。
前記実施形態の各々と同様に、単数または複数のポート308の各々は、取外し可能に外科用物体「I」(図示せず)を受け入れるように構成され、外科用物体「I」の挿入の前において、各ポート308は初期寸法DP1を画定する。DP1は、概して、実質的におよそ0mmからおよそ13mmまでの範囲内にあり、望ましくは、およそ6.5mmに等しい。しかしながら、実質的により大きい初期の寸法DP1を画定するポート308を有するシールアンカー部材300は、本開示の範囲を越えていない。およそ0mmに等しい初期の寸法DP1を画定するポート308を使用するシール部材300の実施形態において、それを通る通気ガス(図示せず)の漏出は、外科用物体「I」がない場合に、実質的に防止され得る。
シールアンカー部材300は、長手軸「A」に関して対称的に配列されている複数のポート308を含み得る。各ポート308が、長手軸「A」から等距離に間隔を空けられ得ることがさらに想定される。一実施形態において、各ポート308は、長手軸「A」から距離「D」だけ間隔を空けられており、その距離は、実質的におよそ6mmから11mmの範囲内に概してあり、好ましくは、およそ8.5mmに等しい。しかしながら、代替の実施形態においては、シールアンカー部材300は、長手軸「A」からより大きいかまたはより小さい距離のいずれかの間隔を空けられたポート308を含み得る。ポート308は、ポート308が互いに等しく間隔を空けられているか、または代替的に、隣接するポート308の間の距離が変化し得るように、配列され得る。
シールアンカー部材300の近位端302および遠位端304のいずれか一方、または両方は、図9−13の中で見られるように、凹形のような、実質的に円弧状である表面を画定し、それにより、上記のような、組織表面14によって画定され、切開等の、組織「T」内に形成される組織路12(図1)内にシールアンカー部材300を挿入することを容易にする。凹形の配向は、例えば、ポート308のうちの1つに向かって外科器具を導くことを支援し得、そして、また、シールアンカー部材300の近位端302の外側境界線内に器具の先端を閉じ込め得る。代替において、近位端および遠位端302、304のいずれか一方、または両方が、図14に見られるように、凸形であり得る。
ここで図15−16を参照すると、シールアンカー部材400の別の実施形態が開示される。シールアンカー部材400は、それぞれの近位端402および遠位端404と、近位端および遠位端402、404の間に配置される中間部分406と、シールアンカー部材400を長手方向に通って近位端および遠位端402、404の間を延びるポート408aを画定する一つ以上の概して管状のポート区画408とを含む。シールアンカー部材400は、図1−5に図示されるシールアンカー部材100に実質的に類似し、従って、それの相違に関してだけ論じられる。
一実施形態において、図15−16に見られるように、シールアンカー部材400は、それぞれ、対応する近位のリム410および遠位のリム412を画定する。近位および遠位のリム410、412は、拡張状態(図15−16)から圧縮状態(図示せず)までのシールアンカー部材400の変形、およびシールアンカー部材400の組織内での固着を容易にし、これは、上記において図1−5に示されるシールアンカー部材100に関して論じられたのと同様である。
管状のポート区画408は、中間部分406に結合部材414によって固定されることにより、ポート区画408の長手方向の部分は、外科用物体「I」の挿入および除去の間、それぞれの近位のリム410および遠位のリム412に対して実質的に一定であり続ける。図15−16に示される実施形態において、結合部材414は中間部分406から内側に延び、それの中間点「M」においてポート408に取り付けられ、その中間点は、近位のリム410および遠位のリム412から等距離に間隔を空けられている。様々な実施形態において、結合部材414は、シールアンカー部材400を構成する同一の材料から成るか、代替的に、結合部材414が、実質的により硬度の高い材料から成り得ることにより、ポート408のうちの1つへのそれの挿入に続く外科用物体「I」の軸外運動を防止するか、または材料が実質的により硬度が低いことにより、外科用物体「I」の軸外運動を容易にする。
図15−16に示される実施形態において、ポート408は、シールアンカー部材400によって画定される長手軸「A」に沿って長手方向に延びることにより、ポート408の近位端416は、近位リム402と共平面であり、ポート408の遠位リム418は遠位リム404と共平面である。しかしながら、ポート408の近位端および遠位端416、418は、それぞれ、近位および遠位のリム402、404を越えて延びることにより、それらは中間部分406から少なくとも部分的に延びる実施形態、および、ポート408の近位端416および遠位端418が中間部分406内に全体的に画定される実施形態もまた本明細書内において想定される。
ここで図17−18を参照すると、代替の実施形態において、結合部材414は遠位リム412から内側に延び、ポート408の遠位端418においてポート408に取り付けられる。図に示すように、挿入時における外科用物体「I」の軸外運動をさらに制限するために、結合部材414は、実質的にポート408の長さに沿って延び得る。ポート408の近位端および遠位端416、418のうちのいずれか一方または両方は斜角を付けられ得、例えば、外科用物体「I」の挿入および除去を容易にする。
図19−20は、概して参照番号500によって参照される、シールアンカー部材の代替実施形態を図示する。シールアンカー部材500は、図9−14に関して上記で論じられたシールアンカー部材300に実質的に類似しており、従って、それとの相違に関してのみ論じられる。
シールアンカー部材500は、シールアンカー部材500を通って長手方向に延びる、入口ポート502と出口ポート504とを含む。入口ポート502は、シールアンカー部材500を通り、患者の組織「T」の下に位置する外科作業部位「W」内への流体の連通を容易にする。一実施形態において、入口ポート502は、取り外し可能にチューブアセンブリ600(図21)を受け入れるように構成され、寸法設定されることにより、外科作業部位「W」の通気を容易にする。対照的に、出口ポート504は、シールアンカー部材500を通って外科作業部位「W」の外への煙等の流体の連通を容易にする。外科作業部位「W」への、および外科作業部位「W」からの流体の連通を制限するために、入口ポートおよび出口ポート502、504は、それぞれ、ダックビル弁またはゼロ閉鎖弁のような一方向弁(図示せず)を含む。あるいは、入口ポート502および出口ポート504は、閉鎖状態へと通常は付勢され得る。
ここで、図22−23を参照すると、本開示に従うキットは、シールアンカー部材、一つ以上のカニューレ、一つ以上の栓子および取扱説明書「IFU」とを含む。一実施形態において、図19−20に関して上記で論じられたシールアンカー部材500と、それぞれが5mmの外径「D」を画定する3つのカニューレ800と、カニューレ800を通す取外し可能な挿入に対して構成される3つの栓子900とを含む第一のキット700が開示される。別の実施形態において、図22−23に関して上記で論じられたシールアンカー部材500と、それぞれが5mmの外径「DB1」を画定する2つのカニューレ800B1と、カニューレ800B1を通す取外し可能な挿入に対して構成される2つの栓子900B1と、12mmの外径「DB2」を画定する単一のカニューレ800B2と、カニューレ800B2を通す取外し可能な挿入に対して構成される単一の栓子900B2とを含む、第二のキット700が開示される。
キット構成要素は、一般に滅菌包装内に維持され、個々の構成要素は異なる滅菌容器内に一緒に、または別々に包装される。通常、別個の滅菌容器内に包装される場合においてさえも、キットのすべての構成要素は共通の容器内に一緒に設置される。取扱説明書「IFU」は、添付文書のような従来の別個の印刷シート上で提供され得るか、または、包装または装置自身の別の部分上の全体に、または一部に印刷され得る。
キット700、700が、シールアンカー部材500と特定寸法の対応する栓子を有する3つのカニューレとを含むように述べられてきたが、本開示に従うキットが、代替的に、任意の好適な寸法を示す任意の所望の数のカニューレおよび栓子と結合して、本明細書で上記されたシールアンカー部材のうちの任意のものを含み得ることが理解されるべきである。
図24−26は、外科用キットの別の実施形態を図示している。外科用キット1000は、シールアンカー部材1100と、シールアンカー部材1100内に設置可能な、流体の通気/排気等の流体送達器具1200を含む。シールアンカー部材1100は、シールアンカー部材1100を通って延びる複数の通路1102(例えば、4つが図示されている)を含む。通路1102は、一般に、長手軸「k」に対して平行な関係で延び得る。代替的に、通路1102は、長手軸「k」に対して傾斜した関係にあり得、その結果、特定の指向性能力をシールアンカー部材1100に提供することにより、器具は長手軸「k」に対して所定の角度配向で前進させられ得る。通路1102は、長手軸「k」に対してシールアンカー部材1100の周りに放射状に間隔を空けられてもよい。一つの局面において、通路1102は、シールアンカー部材1100内に導入される器具の間隔を対応して空けるのに十分な所定の距離で間隔を空けられる。この間隔設置は、挿入された器具の係合の可能性を実質的に最小にし、操作領域での運動の自由度を向上させ得る。通路1102は、シールアンカー部材1100内に画定された長手方向の孔であり得る。長手方向の孔は、初期状態および静止状態において開いた状態であり得る。代替において、通路1102は、スリットまたはゼロ閉鎖弁のような別個の弁であり得、それを通して挿入される物体が無い場合に、通常状態において閉鎖される。この実施形態において、通路1102は、外科用物体の通過を許容するように開いている。いずれの場合にも、外科用物体または器具の導入時において、通路1102を画定する内部表面が物体の周りに実質的な流体密なシールを確立する。
シールアンカー1100は、実質的に砂時計の構成を画定し、拡大された先頭および後続のフランジ区画1104、1106を組み込み、それにより、体腔内での保持を支援する。先頭および後続の端面1108、1110は、示されるように凹み、および/または任意の数または形状を含み、シールアンカー部材1100の圧縮性またはそれを通して挿入される任意の器具の運動の自由度を提供し得る。シールアンカー1100は、発泡体、ゲル等を含む前述の材料のうちの任意のものから製造され得る。
通気/排気器具1200は、少なくとも1つの通路1102内に位置するように適合される。通気/排気器具1200は、腹腔内に、流体を運ぶか、またはCO等の通気ガスを導入するように適合された任意の好適な器具であり得る。図示された実施形態において、通気器具1200は、筺体1202と、筺体1202から延びる細長い部材1204とを含む。筺体1202は、任意の好適な材料から製造され得、停止コック弁1206を組み込むことにより、それを通る通気ガスまたは煙などの流体の選択的な通過または中断を可能にする。筺体1202は、停止コック弁1206に隣接して第一および第二のポートまたはルアー継手1208、1210を含む。第一のルアー継手1208は、腹腔を通気するために使用されるCOのような通気供給源1212との結合に適合され得る。第二のルアー継手1210は、吸気またはガス(例えば、煙)吸引器1214への流体結合に適合され得る。停止コック弁1206は、開口1216を画定し得、この開口は、停止コック弁1206の選択的な回転を介して、ポートすなわちルアー継手1208、1210のいずれかと整列させられ、それによって、通気供給源1212または吸引器1214を選択的に流体的に結合する。第一および第二のルアー継手1208、1210は、互いに実質的に垂直である軸の周りに配置され得る。別の配向もまた想定される。
細長部材1204は、筐体1202に結合される第一の細長区画1216と、第一の細長区画1216から連続して延びている第二の細長区画1218とを含む。第一および第二の細長区画1216、1218は、概して、互いに一直線であり得る。代替において、第一および第二の細長区画1216、1218は、所定の角度で互いに対して角度を付けられ得る。一実施形態において、第一および第二の細長区画1216、1218は、互いに対して実質的に直角または垂直に配列される。この配列は、筺体1202および第一の細長区画1216の操作領域からの変位を容易にし、それによってシールアンカー部材1100および通気/排気器具1200の全体プロフィールを低減する。細長部材1204は、第一および第二の細長区画1216、1218を通って延び、停止コック弁1206と連通している流体導管を画定する。第一および第二の細長区画1216、1218は、互いに取外し可能に据え付けられ得る。
通気/排気器具1200は、通路1102のうちの1つの中に位置し得る別個の器具であり得る。代替において、シールアンカー部材1100および通気/排気器具1100は、事前にアセンブルされ得、それによって、通気/排気器具1100はシールアンカー部材1100に恒久的に結合され得る。一実施形態において、通気/排気器具1200の第二の細長区画1218は、第二の細長区画1218の周囲付近に据え付けられた外側アンカー1220a、1220bを含む。アンカー1220a、1220bは、通気/排気器具1200の第二の細長区画1218のシールアンカー部材1110内での保持を容易にし得る。アンカー1220a、1220bは、概して構成が環状であり、第二の細長区画1218から外向きに垂れ下がる別個のプロングから成り得る。アンカー1220a、1220bは、通気/排気器具を収容する通路1102を画定する内側表面内に埋め込まれるような寸法にされる。後続アンカー1220aは、それの近位端に隣接して拡大された寸法を画定し得、それにより、通気/排気器具1200の抜けまたは後方推進に抵抗し得る。先頭アンカー1220bは、それの遠位端に隣接して拡大された寸法を画定し得、それにより、通気/排気器具1200の挿入を防止する。
ここで、図27を参照すると、外科用キット1000内に組み込まれ得る付加的な器具が図示されている。外科用キット1000は、第一および第二のカニューレ1300、1302と、第一および第二のカニューレ1300、1302と共にそれぞれ使用するための第一および第二の栓子1304、1306とがさらに含まれ得る。第一のカニューレ1300は、直径5mm以下の器具を受け入れるように適合された5mmのカニューレであり得る。第一の栓子1304は、第一のカニューレ1300内に設置可能であることにより、第一のカニューレ1300のシールアンカー1100の通路1102を通る前進を容易にする。第二のカニューレ1302は、直径12mm以下の器具の受け入れに適合される12mmのカニューレであり得、同等に寸法設定される第二の栓子1306の使用によってシールアンカー部材1100内を前進させられる。第二のアンカーは、同一人に譲渡されたRacentに対する米国特許出願公開第2007/0197972号において開示される密閉システムのような密閉機構を組み込み得、その全内容は、参照により本明細書に援用される。外科用キット1000は、対応する栓子と共に3つ以上のカニューレを組み込み得る。カニューレおよび栓子の大きさについての任意の組合せが想定される。
図28A−28Cは、外科用キットの使用方法を開示する。切開が、腹の組織のような組織内に作られ、筋膜(facia)および腹膜を通る鈍い切開が公知の方法を介して達成される。おそらく、外科用クランプ1400の支援によってシールアンカー部材1100の先頭フランジおよび端面1104、1108が切開内(図28A)において操作される。切開内に適切に設置されると、シールアンカー1100は、先頭および後続のフランジ1104、1106によって、それぞれ腹腔内壁および外側真皮組織と隣接して切開の内側表面とぴったり係合する(図28B)。その後、カニューレ1300、1302の任意の組合せが、対応する栓子1304、1306の使用によってシールアンカー部材1100の通路1102内に導入され得る(図28C)。設置すると、栓子は除去され、それによって適切なカニューレ1300、1302を通るアクセスを外科処置を実行するため外科用器具の通過に提供する。カニューレ1300、1302は、操作領域上での運動の自由度を促進するように、シールアンカー1100に対して千鳥状であり得る。1つのカニューレ1300、1302の除去および別の大きさのカニューレ1300、1302による置換が容易に達成され得る。シールアンカー1100の通路1102が、初期状態(すなわち、器具が無い場合)において開いている場合、外科医は、カニューレの除去時に通路の上に指を置き得、第二のカニューレを通路内に導入するときに、指を除去し得る。通気および/または排気は、停止コック弁1204の使用によって処置の間中連続して有効にされ得る。
図29−31は、可撓性アクセス装置が概して参照番号1400によって参照されるさらに別の実施形態が図示されている。
可撓性アクセス装置1400は、側面から見られると実質的に砂時計の形状を画定し、後続(または近位)端1402および先頭(または遠位)端1404と、後続端1402と先頭端1404との間に配置された中間部分1406と、それぞれの後続端1402と先頭端1404との間を長手方向に、中間部分1406を通って延びる単一の管腔1408とを含む。設置部材1414は、後続端1402および先頭端1404のいずれか一方または両方と関連付けられ得る。設置部材1414は、切開「I」を通して受け入れられたときに、可撓性アクセス装置1400の長手方向の移動を防止するように構成される(図32)。示されるように、設置部材1414は、実質的に大きさおよび/または形状が類似している。しかしながら、設置部材1414は大きさおよび/または形状が異なり得ることが想定される。
図29−31をさらに参照すると、中間部分1406は、先頭端1414が腹腔内に受け入れられる間、後続端1402が身体の外部に維持されるのに十分な長さのものである。後続(または近位)端および先頭(または遠位)端1402、1404のいずれかまたは両方は、凹形または先細の受入凹部1402aおよび出口凹部1404aを画定し得る。凹部1402a、1404aは、それを通る器具の挿入を容易にするように構成される。可撓性アクセス装置1400の可撓性は、非直線の、または曲がったプロファイル等の不規則形状を有する器具が、それを通って受け入れられることを可能にする。可撓性のアクセス装置1400が、体腔の通気を必要とする処置において使用される場合、可撓性のアクセス装置1400は切開「I」付近の組織「T」およびそれを通して挿入される器具とのシールを形成するように構成される。あるいは、アクセスカニューレ(図示せず)が、ポート1408を通して挿入され得る。アクセスカニューレは、シールを含む場合か、または含まない場合がある。
可撓性アクセス装置1400は、例えば、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、発泡体、ゲル等のようなシールアンカー部材のための材料と類似する材料から形成され得る。可撓性アクセス装置1400は、放射方向および長手方向の寸法の両方において圧縮可能である単一体として形成される。この態様において、可撓性アクセス装置1400は、圧縮または圧搾され得、患者の身体の切開を通して挿入され得る。一実施形態において、可撓性アクセス装置1400は、COまたは窒素などの不活性ガスが吹き込まれて発泡体構造を形成するTPE材料を含む。可撓性アクセス装置1400は、全外部表面上に潤滑表面仕上げを生成するために、パリレンNまたはC等の潤滑剤によって被覆され得る。例えば、親水性、疎水性、生物薬剤、反感染性と鎮痛薬等の様々な別の被覆がまた使用され得、それにより、可撓性アクセス装置1400の特性を修正する。被覆は、可撓性アクセス装置1400の切開内への挿入およびそれを通る器具の挿入を容易にし得る。
管腔1408は、可撓性アクセス装置1400を通って延び、密閉態様で外科用器具を受け入れるように構成される長手軸を画定する。管腔1408は、可撓性アクセス装置1400の長さを延び、保護被覆またはスリーブ(図示せず)を含み得、それにより、外科用器具の挿入および除去の間において、可撓性アクセス装置1400の破断を防止する。スリーブまたは被覆は、また、外科用器具50の挿入および除去を容易にする。スリーブは、可撓性アクセス装置1400と一体的に形成され得るか、または接着剤、超音波溶接、または他の好適な手段を用いて可撓性アクセス装置1400にしっかりと固定され得る。
ここで図32−34を参照すると、可撓性アクセス装置1400の単一の切開外科処置における使用についてここで述べられる。可撓性アクセス装置1400が、身体器官を切除する処置に関連するものとして述べられるが、本開示の局面は様々な処置における使用に対して修正され得、本明細書で述べられる処置に限定されるものとして読まれるべきではない。
最初に図32を参照すると、一旦、切開「I」が身体組織「T」を通して形成されると、可撓性アクセス装置1400は圧搾または圧縮されて、切開「I」を通して挿入するために比較的より小さい直径まで可撓性アクセス装置1400を縮小する。本明細書の上記において言及されたように、可撓性アクセス装置1400は、可撓性アクセス装置1400が圧縮されることを可能にする可撓性材料から形成される。可撓性アクセス装置1400は、切開内に挿入される前に、単に図32に示される構成だけではない任意の好適な構成へと圧縮され得る。例えば、一実施形態において、挿入前に、可撓性アクセス装置1400は先頭端1402においてクランプされ、一方、後続端1404は本質的に非圧縮状態のままであり、そして、クランプされた後続端1404は切開「I」内に挿入される。別の実施形態において、挿入機構(図示せず)が切開「I」内に可撓性アクセス装置1400を挿入するために使用される。
図33を参照すると、一旦、可撓性アクセス装置1400が切開「I」を通して挿入されると、可撓性アクセス装置1400上への圧力は解放されて、可撓性アクセス装置1400が切開「I」内でのそれの初期の非圧縮状態に向かって戻ることを可能にする。一般に、切開「I」は、可撓性アクセス装置1400の初期の非圧縮状態の直径よりも小さい大きさを有するように形成される。この方法において、切開「I」内の適所にあるとき、可撓性アクセス装置1400は、切開「I」の内側表面に接触し、これを押圧し、それによって、開口を後退させ、密閉する。切開は、形成時には、しばしば、スリット形状であるので、切開「I」内に設置された可撓性アクセス装置1400の部分は、幾分楕円形状(上方から見られると)であり得る。本明細書の上記において言及されたように、可撓性アクセス装置1400は、設置部材1414を含むことにより、切開「I」を通る可撓性アクセス装置1400の移動を防止する。
図34および35に目を向けると、一旦、可撓性アクセス装置1400が標的部位の上方に設置されると、例えば、外科用ステープル50のような不規則なプロファイルを有する外科用器具が、管腔1408を通して直接挿入され得ることにより、外科部位において動作する。外科用ステープル50は、それぞれ、各々が自由端54a、54bそれぞれを有する曲がった第一の顎部52aおよび第二の顎部52bを含む。示されるように、曲がった第一の顎部52aは、外科用ステープリングカートリッジを含む。外科用器具50は、切開「I」を通して可撓性アクセス装置1400を挿入する前に、可撓性アクセス装置1400を通して受け入れられることが想定される。体腔は、実行される処置に応じて、通気されても、通気されなくてもよい。通気ガスは、管腔1408を通して挿入される器具を通して、または、その代わりに、例えば、カニューレ、トロカールおよび/または別の切開を通して挿入される他の通気ニードルのような代替のアクセス装置(図示せず)を通して、体腔に提供され得る。可撓性アクセス装置1400の可撓性に起因して、一旦、器具50が可撓性アクセス装置1400を通して挿入されると、器具50の近位端50aは、矢印「B」によって示されるように、任意の方向に操作され得る。こうして、シールアンカー部材1400は、外科医が標的部位に関する様々な場所において器具50を操作または配向することを可能にする。
処置が完了すると、器具50が可撓性アクセス装置1400の管腔1408から除去され、可撓性アクセス装置1400は、圧縮または、圧搾されることにより、切開「I」から除去され得る。可撓性アクセス装置1400は、器具50がそこから除去される前に、切開「I」から除去され得る。この方法において、器具50と可撓性アクセス装置1400は両方とも同時に除去される。切開「I」は、その後、従来の方法で閉鎖される。
本開示の例示的な実施形態が、添付図面を参照して本明細書において述べられてきたが、上記の記述、開示および図は、限定ではなく単に特定の実施形態の実例として解釈されるべきである。従って、開示がそれらのまさにその実施形態に限定されると理解されるべきではなく、そして、様々な他の変更および修正が、開示の範囲または精神から逸脱することなく当業者によってもたらされ得ることも理解されるべきである。
10 外科用装置
12 組織路
14 組織表面
100 シールアンカー部材
102 後続端
104 先頭端
106 中間部分
108 ポート
114 設置部材

Claims (10)

  1. 組織を通して挿入する可撓性アクセス装置であって、
    第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体であって、該本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、該組織内の切開内において拡張し、該本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを有する、本体と、
    該本体内に配置され、該本体を通って延びている管腔であって、該管腔は、該凹形の受入凹部と該凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる、管腔と
    を備えている、装置。
  2. 前記本体は、中央部分を有し、前記後続端は、設置部材を含む、請求項1に記載の可撓性アクセス装置。
  3. 前記本体の前記先頭端は、設置部材を含む、請求項2に記載の可撓性アクセス装置。
  4. 前記設置部材は、前記中央部分の直径よりも大きい直径を有する、請求項2に記載の可撓性アクセス装置。
  5. 前記本体は、被覆を含み、該被覆は、パリレン、親水性、疎水性、生物薬剤、反感染と鎮痛性のうちの少なくとも1つのである被覆を含む、請求項1に記載の可撓性アクセス装置。
  6. 腹腔にアクセスするシステムであって、
    腹壁を通して切開を生成する手段と、
    本体および該本体を通って延びる管腔を有する可撓性アクセス装置であって、該管腔は、該管腔内に配置される非直線の器具とのシールを形成し、該本体は、該本体が該切開を通して挿入され得るように圧縮され、圧縮後に元の形状に戻るように構成されている、可撓性アクセス装置と、
    該切開を通して該圧縮された本体を挿入する手段と、
    非直線の器具を該管腔を通過させる手段と
    を含む、システム。
  7. 前記非直線の器具を除去する手段をさらに含む、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記本体は、パリレン被覆を含む、請求項6に記載のシステム。
  9. 前下方切除を実行するキットであって、該キットは、
    組織に外科用ファスナーを適用する一対の顎部を有する外科用器具であって、該一対の顎部は、自由端と曲がった構成とを有する、外科用器具と、
    可撓性アクセス装置と
    を備え、
    該可撓性アクセス装置は、
    第一の折り畳まれた構成と第二の弾力的に拡張された構成とを有する圧縮可能な本体であって、該本体は、放射方向寸法および長手方向寸法の両方において圧縮可能であり、弾力的であることにより、該組織内の切開内において拡張し、該本体は、凹形の受入凹部を画定する後続端と、凹形の出口凹部を画定する先頭端とを有する、本体と、
    該本体内に配置され、該本体を通って延びている管腔であって、該管腔は、該凹形の受入凹部と該凹形の出口凹部とを連通することにより、非直線のシャフトを有する器具を受け入れる、管腔と
    を備える、キット。
  10. 前記外科用器具は、外科用ステープリングカートリッジを含む、請求項9に記載のキット。
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