JP2011082429A - キャビティ部を有する多層配線板とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子部品実装用のキャビティとなる貫通穴があいたフレーム基板とキャビティ底部となる面を構成する実装基板を有する多層配線板を、導電性粒子と硬化性樹脂を少なくとも含む導電性ペーストを充填したビアを所定の場所に有する接着シートにより接続する際の導電性ペーストによる配線板間の安定的な電気的接続と、接着シートの樹脂流動による配線板間の絶縁樹脂組成物内への空隙を発生させることのない安定的な物理的接続を両立させる多層配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】 電子部品実装用のキャビティとなる貫通穴があいたフレーム基板とキャビティ底部となる面を構成する実装基板を有する多層配線板であって、少なくとも片面側の基材表面および配線表面と接続端子表面の一部に絶縁樹脂組成物層が設けられ、該接続端子表面に設けられる絶縁樹脂組成物層の最大厚みを6μm以下とし、また、該接続端子上の絶縁樹脂組成物高さと基材上の絶縁樹脂組成物高さの差を5μm以下とした配線板を用いる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、各種の電子部品をその表面に搭載して電気的に接続することにより電子回路を形成することができるキャビティ部を有する多層配線板とその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型,高密度化に伴い、LSI等の半導体チップを高密度に実装できる多層配線板が強く要望されている。このような小型,高密度化に対応する為、多層配線板にキャビティを設けた構造の多層配線板を用いることが知られている。
以下にキャビティ部を有する多層配線板の形態について図1を用いて説明する。
図1に示す通り、キャビティ部を有する多層基板はキャビティ部6を設けたフレーム基板1と半導体チップを実装する実装基板2を有する基板である。
このようなキャビティ部を有する多層基板の製造方法として、図1において、キャビティ部6を設けたフレーム基板1と実装基板2とを接続層3を用い、キャビティ部6と接続端子7を位置合せし、加熱加圧し一体化する方法、例えば特許文献1が知られている。
特開2004−253774号公報
しかしながら、従来のキャビティ部を設けた多層配線板では、接続層3に一般的にプリプレグを用いることになるが、プリプレグでは織布,不織布などの芯材を含んでおり、導電性ペーストからなるビア4の形状保持には有効であるが、フレーム基板,実装基板表面に形成された配線パターン5の導体厚みが厚くなったり、配線パターン密度が高くなったりすると配線パターン間の樹脂の埋め込みが困難となり、フレーム基板と実装基板間に空隙が生じる場合があった。
また、接続層3に樹脂シート(芯材を含まない樹脂組成物からなるシート)を使用した場合、配線パターン5の埋め込みは、プリプレグと比較して容易になるが、導電性ペーストからなるビア4が流れて接続不良となったり、キャビティ部からの染み出し8量が多くなり部品実装が困難になったりする課題を有していた。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、キャビティ部を設けた多層配線板において、接続する配線板の配線パターンの導体高さ及びパターン密度に影響されず、キャビティ部からの染み出し量が抑制でき且つ信頼性に優れたキャビティ部を有する多層配線板を提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)電子部品実装用のキャビティとなる貫通穴があいたフレーム基板とキャビティ底部となる面を構成する実装基板を有する多層配線板であって、フレーム基板と実装基板の間に導電性粒子と硬化性樹脂を少なくとも含む導電性ペーストを充填したビアを有するビア付き接着層を有し、フレーム基板の接続端子と実装基板の接続端子がビア付き接着層の導電性ペーストを充填したビアにより接続されており、実装基板の導電性ペーストと接する接続端子は該接続端子表面の一部に絶縁樹脂組成物層が設けられ、該接続端子表面に設けられる絶縁樹脂組成物層の最大厚みd1が6μm以下である配線板である多層配線板。
(2)絶縁樹脂組成物層表面の最大高低差d2が5μm以下である(1)記載の多層配線板。
(3)接着層の熱硬化性樹脂組成物が樹脂及び無機充填材を含有する(1)又は(2)記載の多層配線板。
本発明によって、電子部品実装用のキャビティとなる貫通穴があいたフレーム基板とキャビティ底部となる面を構成する実装基板を、導電性粒子と硬化性樹脂を少なくとも含む導電性ペーストを充填したビアを所定の場所に有する接着シートにより接続する際の導電性ペーストによる配線板間の安定的な電気的接続と、接着シートの樹脂流動による配線板間の絶縁樹脂組成物内への空隙を発生させることのない安定的な物理的接続との両立を実施することができ、且つキャビティ部からの染み出し量が抑制可能となる。
従来のキャビティ構造を有する多層配線板示す断面図である。 本発明の片面に絶縁樹脂組成物層を有する場合の配線板の断面図である。 本発明の片面に絶縁樹脂組成物層を有する場合の配線板断面拡大図である。 本発明の一実施例になるキャビティ部を有する多層配線板の製造方法を示す断面図である。
本発明のキャビティ部を有する多層配線板としては図4に示すように、電子部品実装用のキャビティとなる貫通穴があいたフレーム基板とキャビティ底部となる面を構成する実装基板を有する多層配線板と、フレーム基板と実装基板の層間を接続するための導電ペーストが充填された貫通孔を有する接着シートで構成される。
本発明の実装基板、フレーム基板(以下、基板と記載する。)の断面構造について図2、3を用いながら以下に説明する。図2は基板の断面図、図3はその拡大図である。
本発明の基板は基材10の片面または両面に、接続端子7、配線(図示無し)および絶縁樹脂組成物層9等で構成される。本基板の基本的な構造は一般的な多層配線板と呼ばれるものであり、その層間接続はめっきによるものでも、導電性ペーストによるものでも良い。例えば、スルーホール配線板やビルドアップ配線板等である。
本発明の基板を構成する基材、接続端子、配線は、一般的な配線板で用いられる材料、形状のものでよい。
基材とは一般的な多層配線板に用いられる材料で例えば、織布もしくは不織布に熱硬化性樹脂組成物を含浸させ硬化させたもので、熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂等が使用でき、織布もしくは不織布としては、ガラス布、ガラス紙、アミド布、アミド紙等が使用できる。
接続端子とは、他の多層配線板や半導体素子と電気的に接続するための金属端子で、半田ボールや導電性ペースト等によって電気的に接続される。
配線とは接続端子を電気的に接続する導電体である。
本発明のキャビティ部を有する多層配線板の特徴の一つは、フレーム基板又は実装基板の少なくとも片面に絶縁樹脂組成物層を基材表面及び配線表面と接続端子表面の一部を覆うように設けたことにある。
本発明において、接続端子表面とは、端子の側面(基材に対して垂直または略垂直な面)ではなく、基材表面に対して平行または略平行な外部と接触する面を意味する。つまり、図2のように絶縁樹脂層9が接続端子7の上部を一部覆うように設けられていることを特徴とする。なお、この際、基材表面及び、配線表面(側面も含む)及び接続端子の側面は全て絶縁樹脂組成物層で覆われている。基材表面及び、配線表面(側面も含む)及び接続端子の側面は全て覆うように設けたことにより、接続層にプリプレグを用いた場合であっても空隙を生じることを防ぐことができる。
本発明の重要な特徴は、接続端子表面を覆う絶縁樹脂層の最大厚み(図3のd1)であり、d1を調整することにより導電性ペーストを充填したビアを所定の場所に有する接着シートを配し、加熱加圧により一体化して接続する配線板として使用した際に、接続性(電気的、物理的接続)に優れる配線板を提供できる。接続性は、接続する導電性ペーストの突出高さにも依存し、突出高さが大きい方が、接続信頼性は高くなる傾向がある。ただし、製造上の観点からは、突出高さが小さい方がよく、大きい場合には、離型性フィルムを剥離する工程などで、導電ペーストの突出部分がとれてしまう場合もある。現状では、接続信頼性も考慮し、導電ペーストの突出高さを20μm以上の高さが一般的であり、製造上の観点から、極端に大きくすることはできない。導電ペーストの突出高さが20μmの場合に良好な接続性を得ることができれば、突出高さがそれ以上の場合は充分に良好な接続性を得ることができ、導電性ペーストを充填したビアを所定の場所に有する接着シートを配し、加熱加圧により一体化して接続する配線板として、一般的な導電性ペーストを充填したビアを所定の場所に有する接着シートを使用する場合には、導電ペーストの突出高さに依存することなく使用することができる。
このような観点で鋭意検討を続けた結果、本発明者らは、この接続端子表面を覆う絶縁樹脂層の最大厚み(図3のd1)が6μm以下であることが必要であることを見出した。これにより、導電性ペーストを充填したビアを所定の場所に有する接着シートを配し、加熱加圧により一体化して接続する配線板として使用した際に、電気的、物理的接続に優れることを見出したのである。
更に、絶縁樹脂組成物層表面の最大高低差(図3のd2)が5μm以下であることが、物理的接続性向上の観点から好ましい。
d1やd2は、絶縁樹脂組成物層の形成に用いるフィルムやシートの厚みに依存しやすく、フィルム等の厚みが厚い場合はd1が大きくなり、また薄い場合にはd2が大きくなり、調整をしなければ、d1やd2が本発明の範囲にならない。
なお、d1、d2は、キャビティ部を有する多層配線板の切断面を観察することにより測定することができる。多層基板は複数の樹脂組成物の層を有している(接着シートも絶縁樹脂のシートである)が、本発明のd1、d2を規定している絶縁樹脂組成物層とは、フレーム基板及び/または実装基板と導電性ペーストが充填された貫通孔を有する接着シートを貼り合わせる前(または同時)にフレーム基板及び/または実装基板の表面に設けられた絶縁樹脂層である。切断面を観察する際には、基材表面、配線表面(側面も含む)及び接続端子の側面及び接続端子表面の一部を覆っている絶縁樹脂組成物層について、測定すればよい。
絶縁樹脂組成物層は、加熱,加圧時の樹脂フローが5000Pa・s以下の樹脂組成物からなることが好ましい。これにより、d1を6μm以下に調整することやd2を5μm以下に調節することが容易となる。また、例えば配線板の製造に用いられる感光性のソルダーレジストを用いることができる。感光性のソルダーレジストとしては、半導体素子搭載用パッケージ基板や配線板で一般的に使用されるものを用いることができる。このようなものとしては、ドライフィルムタイプのフォテックFZ−2500G(日立化成工業株式会社、商品名)が使用できる。絶縁樹脂組成物層を形成するシートは接続端子の厚み以上の厚みのものを使用することが好ましく、接続端子厚みよりも5μm程度厚いものを使用することが更に好ましい。例えば、接続端子厚みが20μmであれば、厚み25μmの絶縁樹脂組成物を用い、その形成方法としては、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストであれば真空ラミネーターを用い圧着させた後、一般的なソルダーレジスト加工工程である露光、現像、フルキュアを行い形成できる。なお、d1が6μm以上となった場合でもバフ研磨等を用い、表面を研磨することにより、d1を6μm以下、d2を5μm以下に形成することもできる。これにより、基板表面が平坦化されるので、この平坦化された面を導電性ペーストが充填された接着シートの側に配置することにより、接続端子厚みに影響されることなく、導電性ペーストが充填された接着シートにより容易に配線板間の電気的な接続と接着シートの樹脂流動による配線板間への絶縁樹脂組成物の物理的な接続とを両立させることができる。d1が6μmを超える場合には、導電性ペーストと接続端子表面との電気的な接続が不安定となる。また従来は、配線パターンを埋め込み、キャビティ部からの染み出しを抑制し、導電性ペーストが充填されたビアを流れにくくするため、最低溶融粘度が1000〜100000Pa・sの接着シートを用いていたが、表面が平坦化されることにより100000Pa・s以上の接着シートを用いる事が可能になる。
なお、実装基板を覆う絶縁樹脂組成物層は、ソルダーレジスト層であることが好ましい。一般的にキャビティ部を有する基板の場合、実装基板のキャビティ開口部内及び接着シートを配置しない側は電子部品を搭載するため、ソルダーレジストが塗布される。このため、接着シートと接する面のみ異なる組成の樹脂で絶縁樹脂組成物層を形成するよりも、全てソルダーレジストで形成する事により、コストを抑制し、リードタイムを短く出来る。また、実装基板の両面が同一組成のソルダーレジストで覆われる事により、そりやネジレも発生しにくくなる。
本発明の導電性ペーストが充填された貫通孔を有する接着シートは、エポキシやポリイミド系の多層化接着用の接着剤を用いることができ、プレスやラミネート等により複数の配線板を貼り合わせすることができる。このような接着材として、例えば、織布もしくは不織布に熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、加熱・乾燥し、半硬化状にしたプリプレグや、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に熱硬化性樹脂組成物を塗布し、加熱・乾燥してフィルム状にした接着シートを使用することができる。熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂等が使用でき、織布もしくは不織布としては、ガラス布、ガラス紙、アミド布、アミド紙等が使用できる。
また、接着材は、エラストマー材であることが好ましい。これにより、接着剤としてのエラストマー材が、複数の配線板の寸法挙動の差によって生じる歪みを吸収することができるので、貼り合わせた多層配線板の反りを抑制することが可能となる。特に、貼り合わせる複数の配線板の材料や厚みが異なる場合は、製造時や使用時の配線板の寸法挙動が異なるため、複数枚の配線板の貼り合わせに用いる接着剤としてエラストマー材を使用するのが有効である。また、キャビティ部への染み出し量の抑制も容易となる。このような接着剤としては、例えば、AS−2600W(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用することができる。
本発明の接着シートに設けられる導電性ペーストは、導電性成分として少なくとも1種類の導電性金属(例えば、金、銀、銅、パラジウム、錫およびニッケル等)とエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1つの熱硬化性樹脂から形成されることが望ましい。
本発明の接着シートは、織布もしくは不織布に熱硬化性樹脂組成物を含浸させたプリプレグ又は熱硬化性樹脂組成物を半硬化した樹脂シートの少なくとも片面に、プレスやラミネート等を用いて離型性フィルムを貼り合わせた状態で貫通孔を形成する。接着シートの厚さには特に制限はないが、30μm以上100μm以下であることが望ましい。30μmより薄い場合には、後に充填する導電性ペーストが離型性フィルム剥離時に貫通孔内から剥ぎ取られてしまう危険性が高い。また、100μmより厚い場合には、後に充填する導電性ペーストを貫通孔内に十分に充填することが困難となる。使用する離型性フィルムの厚みは、20μm以上である。厚みが20μm以下の場合には、d1を6μm以下に調整した場合でも、導電性ペーストの突出高さが低く、複数の配線板を貼り合わせる際の導電性ペーストの圧縮が不足し、電気的な接続が不安定になる可能性が高い。更に離型性フィルムの厚みは50μm以下が好ましい。50μm以上の場合には、離型性フィルムを接着シートから剥がす際、次工程で充填する導電性ペーストの一部が離型性フィルムと一緒に取られてしまい、複数の配線板を貼り合わせる際の導電性ペーストの圧縮が不足し、電気的な接続が不安定になる可能性がある。使用する接着シートの厚み、貫通孔の径により適正な厚みを選定することがさらに望ましい。また、このような離型性フィルムとしては、例えば、ファインピール500NC(株式会社麗光製、商品名)を使用することができる。貫通孔の形成は、特に制限はないが、炭酸ガスレーザーによって、離型性フィルムの貼られた側から行うのが望ましい。導電性ペーストの充填は、スクリーン印刷等により離型性フィルムの貼られた側から行う。これにより、接着シートに形成された貫通孔内のみに導電性ペーストを充填することができる。導電性ペーストの充填後、接着シート表面に貼り付けた離型性フィルムを除去することにより、貫通孔以外の箇所に導電性ペーストを付着させることがなく、且つ、接着シートの表面から離型性フィルムの厚み分だけ導電性ペーストが突出した形状の導電性ペーストを形成した接着シートを得ることができる。尚、配線板になった際には、接着シート,導電性ペーストは硬化し、導電性ペースト内の金属粉により接着シート上面下面の電気的接続が可能になる。
本発明の半導体素子搭載用パッケージ基板の製造方法を図4を用いながら以下に説明する。フレーム基板と接する面のビア付接着シートの離型性フィルムを剥離し図4(b)、フレーム基板ビア付接着シートを仮圧着する図4(c)。次にNCルータマシンやパンチング等の手段を用いてキャビティとなる部分をくり抜き図4(d)、実装基板と接する面のビア付接着シートの離型性フィルムを剥離し、実装基板とプレス等の手段を用いて加熱・加圧することにより図4(f)に示すようなキャビティ部を有する多層配線板を製造することができる。さらに、図4(f‘)に示すように、実装基板を挟み込むように2枚のフレーム基板を配置することにより、両面にキャビティを有する多層配線板を製造することができる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は本実施例に限定されない。
(実施例1)
[実装基板の作製]
厚さ5μmの銅箔を張合わせた厚さ0.1mmのエポキシ樹脂ガラス布銅張積層板であるMCL−E−679FG(日立化成工業株式会社製、商品名)にNCドリルマシンであるMARK−20(日立ビアメカニクス株式会社製、商品名)によって、貫通孔を明け、ついで、その孔のクリーニング処理を過マンガン酸ナトリウム水溶液に温度50℃で15分間の条件で行い、無電解銅めっきであるL−59(日立化成工業株式会社製、商品名)、硫酸銅10g/L、EDTA40g/L、ホルマリン10ml/L、PH12.2)に温度70℃、時間8hrの条件で孔内壁に15μmの銅めっきを行った。
さらに、基板表面に、紫外線硬化型エッチングレジスト用ドライフィルムH−9025K(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネーターで、圧力0.2MPa、温度110℃、速度1.5m/minの条件で仮圧着し、ついでその表面にネガ型マスクを張合わせ、紫外線で露光し、回路を焼付け、1%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、エッチングレジストを形成した後、そのエッチングレジストの無い銅部分をスプレー噴霧によって、塩化第二鉄、塩酸、硫酸過水の組成からなる塩化第二鉄エッチング液で圧力0.1MPa、速度4.3m/minの条件でエッチングを行った。
さらに3%水酸化ナトリウム水溶液を噴霧してエッチングレジストを除去し、配線を形成し、HIST−7300(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、スプレー圧力0.1MPa、速度4.0m/minで多層化接着用化学粗化を行った。
ついで、銅箔FWH−WS−12(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)/第1のプリプレグGEA−679FG(GSZPE)(日立化成工業株式会社製、商品名)/回路基板1/第2のプリプレグGEA−679FG(GSZPE)(日立化成工業株式会社製、商品名)/銅箔FWH−WS−12(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)を重ね合わせ、真空プレスを用いて、圧力3MPa、温度175℃、保持時間1.5Hrの条件で加圧加熱して積層一体化し、第1の多層板とした。
第1の多層板に紫外線硬化型エッチングレジスト用ドライフィルムH−9025K(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネーターで、圧力0.2MPa、温度110℃、速度1.5m/minの条件で仮圧着し、ついでその表面にネガ型マスクを張合わせ、紫外線で露光し、回路を焼付け、1%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、エッチングレジストを形成した後、そのエッチングレジストの無い銅部分をスプレー噴霧によって、塩化第二鉄、塩酸、硫酸過水の組成からなる塩化第二鉄エッチング液で圧力0.1MPa、速度4.3m/minの条件でエッチングを行い、さらに3%水酸化ナトリウム水溶液を噴霧してエッチングレジストを除去し、コンフォーマルマスクを形成した。
ついで、NCレーザーマシンMARK−20(日立ビアメカニクス株式会社製、商品名)によってアパーチャー径φ0.15mm、出力500W、パルス幅10μs、ショット数4ショットの条件で、レーザー孔を形成し、その孔のクリーニング処理を過マンガン酸ナトリウム水溶液に温度50℃で15分間の条件で行い、無電解銅めっきであるL−59(日立化成工業株式会社製、商品名)、硫酸銅10g/L、EDTA40g/L、ホルマリン10ml/L、PH12.2)に温度70℃、時間8hrの条件で孔内壁に15μmの銅めっきを行った。
さらに、紫外線硬化型エッチングレジスト用ドライフィルムH−9025K(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネーターで、圧力0.2MPa、温度110℃、速度1.5m/minの条件で仮圧着し、ついでその表面にネガ型マスクを張合わせ、紫外線で露光し、回路を焼付け、1%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、エッチングレジストを形成した後、そのエッチングレジストの無い銅部分をスプレー噴霧によって、塩化第二鉄、塩酸、硫酸過水の組成からなる塩化第二鉄エッチング液で圧力0.1MPa、速度4.3m/minの条件でエッチングを行い、さらに3%水酸化ナトリウム水溶液を噴霧してエッチングレジストを除去し、配線を形成し第2の回路基板とした。その際、接続端子のランド径をφ0.5mmとした。
第2の回路基板に、HIST−7300(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、スプレー圧力0.1MPa、速度4.0m/minで多層化接着用化学粗化を行い、ついで、紫外線硬化型ソルダーレジスト用ドライフィルムFZ−2500G(日立化成工業株式会社製、商品名)25μmを真空プレスラミネータであるMVLP−500(名機製作所製、商品名)を用い、温度80℃、圧力0.4MPa、時間30secの条件で圧着した。
ついでその表面にネガ型マスクを張合わせ、紫外線400mJで露光し、さらに1.5%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、紫外線1Jの照射により更なる硬化を行い、160℃で60分乾燥後、絶縁レジストを形成し、HIST−7300(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、スプレー圧力0.1MPa、速度4.0m/minで多層化接着用化学粗化を行った。その際、接続端子のソルダーレジスト開口径をφ0.4mmとした。
[フレーム基板の作製]
厚さ12μmの銅箔を張合わせた厚さ0.6mmのエポキシ樹脂ガラス布銅張積層板であるMCL−E−679FG(日立化成工業株式会社製、商品名)にNCドリルマシンであるMARK−20(日立ビアメカニクス株式会社製、商品名)によって、貫通孔を明け、ついで、その孔のクリーニング処理を過マンガン酸ナトリウム水溶液に温度50℃で15分間の条件で行い、無電解銅めっきであるL−59(日立化成工業株式会社製、商品名)、硫酸銅10g/L、EDTA40g/L、ホルマリン10ml/L、PH12.2)に温度70℃、時間8hrの条件で孔内壁に15μmの銅めっきを行った。
ついで、孔内部に永久穴埋めインクであるPHP−900IR−1(山栄化学株式会社製、商品名)を充填し、ついで、基板表面に、紫外線硬化型エッチングレジスト用ドライフィルムH−9025K(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネーターで、圧力0.2MPa、温度110℃、速度1.5m/minの条件で仮圧着し、ついでその表面にネガ型マスクを張合わせ、紫外線で露光し、回路を焼付け、1%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、エッチングレジストを形成した後、そのエッチングレジストの無い銅部分をスプレー噴霧によって、塩化第二鉄、塩酸、硫酸過水の組成からなる塩化第二鉄エッチング液で圧力0.1MPa、速度4.3m/minの条件でエッチングを行い、さらに3%水酸化ナトリウム水溶液を噴霧してエッチングレジストを除去し、配線を形成し第3の回路基板とした。
第3の回路基板に、HIST−7300(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、スプレー圧力0.1MPa、速度4.0m/minで多層化接着用化学粗化を行い、ついで、紫外線硬化型ソルダーレジスト用ドライフィルムFZ−2500G(日立化成工業株式会社製、商品名)25μmを真空プレスラミネータであるMVLP−500(名機製作所製、商品名)を用い、温度80℃、圧力0.4MPa、時間30secの条件で圧着し、ついでその表面にネガ型マスクを張合わせ、紫外線400mJで露光し、さらに1.5%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、紫外線1Jの照射により更なる硬化を行い、160℃で60分乾燥後、絶縁レジストを形成し、HIST−7300(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、スプレー圧力0.1MPa、速度4.0m/minで多層化接着用化学粗化を行った。
[ビア付接着シートの作製]
厚さが50μm、幅が518mm、長さ454mmの接着シートであるAS−2600W(日立化成工業株式会社製、商品名)の両面に厚さが21μm及び幅が520mm、長さ462mmのファインピール500NC離型性フィルム(株式会社麗光製、商品名)を真空プレスラミネータであるMVLP−500(名機製作所製、商品名)を用い、温度60℃、圧力0.5MPa、時間30secの条件で圧着し、接着シートの樹脂成分を溶融させて貼り付けた。ついでレーザー加工機でレーザー光照射面の離型性フィルム開口径が150μmとなる条件で所定の位置に貫通孔を形成した。次いでレーザー光照射面を上にした状態で導電性ペーストHCP−300A(日立化成工業株式会社製、仮称)を全面印刷し、貫通孔内に導電性ペーストを充填した。
[フレーム基板とビア付接着シートの仮圧着]
ビア付接着シートの片面の離型性フィルムを剥離し、フレーム基板/ビア付接着シートをピンラミネーション方式により位置合せを行い重ね合わせ、ついでビア付接着シート面に離型性フィルムを仮張り後、真空プレスラミネータであるMVLP−500(名機製作所製、商品名)を用い、温度70℃、圧力0.5MPa、時間30secの条件で仮圧着し、NCルータマシンであるMARK−10を用い、8.45mm×8.50mmのキャビティ孔を形成した。
[フレーム基板と実装基板の積層]
仮圧着後のフレーム基板のビア付接着シート側の離型性フィルムを剥離し、フレーム基板/実装基板をピンラミネーション方式により位置合せを行い重ね合わせ、初期温度30℃の加熱プレスの熱盤間にクッションボードを介し挿入し、真空中で温度200℃、圧力5MPaの条件で140分加熱加圧し、冷却後取り出した。
(実施例2)
[実装基板の作製]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板の作製]
紫外線硬化型ソルダーレジスト用ドライフィルムFZ−2500G(日立化成工業株式会社製、商品名)25μmを形成しない以外は実施例1と同様に作製した。
[ビア付接着シートの作製]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板とビア付接着シートの仮圧着]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板と実装基板の積層]
実施例1と同様に作製した。
(実施例3)
[実装基板の作製]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板の作製]
実施例1と同様に作製した。
[ビア付接着シートの作製]
接着シートにTCC―300(日立化成工業株式会社製、商品名)50μmを使用した以外は実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板とビア付接着シートの仮圧着]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板と実装基板の積層]
実施例1と同様に作製した。
(比較例1)
[実装基板の作製]
絶縁樹脂組成物層として、実施例1よりも5μm厚い30μmの紫外線硬化型ソルダーレジスト用ドライフィルムFZ−2500G(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板の作製]
実施例2と同様に作製した。
[ビア付接着シートの作製]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板とビア付接着シートの仮圧着]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板と実装基板の積層]
実施例1と同様に作製した。
(比較例2)
[実装基板の作製]
絶縁樹脂組成物層として、紫外線硬化型ソルダーレジスト用ドライフィルムPFR−800AUS402(太陽インキ株式会社製、商品名)25μmを用いた以外は実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板の作製]
実施例2と同様に作製した。
[ビア付接着シートの作製]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板とビア付接着シートの仮圧着]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板と実装基板の積層]
実施例1と同様に作製した。
(比較例3)
[実装基板の作製]
ソルダーレジストの開口径をφ0.6mmとした以外は実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板の作製]
実施例2と同様に作製した。
[ビア付接着シートの作製]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板とビア付接着シートの仮圧着]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板と実装基板の積層]
実施例1と同様に作製した。
(比較例4)
[実装基板の作製]
ソルダーレジストを塗布しなかった以外は実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板の作製]
実施例2と同様に作製した。
[ビア付接着シートの作製]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板とビア付接着シートの仮圧着]
実施例1と同様に作製した。
[フレーム基板と実装基板の積層]
実施例1と同様に作製した。
実施例及び比較例について、接続信頼性試験を行い、その後断面観察を行い、導体及び基材上絶縁樹脂組成物高さの測定,染み出し量の測定及びボイドの有無を確認した。
[接続信頼性試験]
実施例及び比較例で製作した基板を用い、125℃で2時間脱湿処理を行った後、260℃で10秒以上のリフロー処理を5回行い、基板接続抵抗を測定した。接続抵抗が初期値と比較し、20%以上増加したものを不合格とした。
[染み出し量の測定]
実施例及び比較例で製作した基板を用い、キャビティ部からの染み出し量を金属顕微鏡にて測定し、100μm以上の染み出し量を不合格とした。
表にその結果を示す。実施例では、初期抵抗値も小さく、接続信頼性もOKであった。比較例1、2では実施例と比較し、初期抵抗値が大きく、接続信頼性もNGであった。
Figure 2011082429
(参考例)
ビア付き接着シートを作成の離型フィルムを通常より薄く調整したものと銅箔を使用し、d1の値を検討した。
[ビア付接着シートの作製]
厚さが50μm、幅が518mm、長さ454mmの接着シートであるAS−2600W(日立化成工業株式会社製、商品名)の両面に厚さが11μm,幅が520mm、長さ462mmの離型性フィルムであるファインピール500NC(株式会社麗光製、商品名)または、厚さが14μm,幅が520mm、長さ462mmの離型性フィルムであるファインピール500NC(株式会社麗光製、商品名)を真空ラミネーターであるMVLP−500(株式会社 名機製作所製、商品名)を用い、温度60℃、圧力0.5MPa、時間30秒の条件で圧着し、接着シートの表面樹脂成分を溶融させて貼り付けた。次いで、レーザー加工機であるH・MARK−30L(日立ビアメカニクス株式会社製、商品名)を用いてレーザー光照射面の離型性フィルム開口径が150μmとなる条件にて所定の場所に貫通孔を形成した。次いで、レーザー光照射面を上にした状態で導電性ペーストを全面印刷し、貫通孔内に導電性ペーストを充填した。
[多層配線板の作製]
上記方法により作製したビア付接着シートの離型性フィルムを両面とも剥離し、これを挟み込むように2枚の銅箔ではさみ、厚さ1mmの金属板DP−2(太華工業株式会社製、商品名)で挟み、これを5段重ね合わせ、初期温度30℃の加熱プレスの熱盤間にクッションボードR−225RX(株式会社 金陽社製、商品名)を介し挿入し、真空中で温度200℃、圧力5MPaの条件にて140分間加熱加圧し、冷却後取り出した。次いで、基板両表面に、紫外線硬化型エッチングレジスト用ドライフィルムH−9025K(日立化成工業株式会社製、商品名)をロールラミネーターを用い、圧力0.2MPa、温度110℃、速度1.5m/minの条件で圧着し、次いでその表面にネガ型マスクを張り合わせ、紫外線を照射し、回路パターンを焼付け、1%の炭酸ナトリウム水溶液のスプレー噴霧によって現像し、エッチングレジストを形成した後、そのエッチングレジストの無い銅露出部分をスプレー噴霧によって、塩化第二鉄、塩酸、硫酸過水の組成からなる塩化第二鉄エッチング液で圧力0.1MPa、速度4.3m/minの条件でエッチングを行い、さらに3%水酸化ナトリウム水溶液の噴霧によってエッチングレジストを除去し、配線を形成した。
初期抵抗値及び初期抵抗値のバラツキを評価した。
Figure 2011082429
この結果、表1に示すように離型性フィルム2の厚みが14μmと比較し、11μmとなると初期抵抗値及びバラツキが大きくなる事が分かった。この事より、安定した電気的接続を確保する為には、ビア付接着シートから突出するビアの高さを、最低14μm確保する事が必要であることが分った。つまり、通常使用する離型性フィルム厚みが20μmまたはそれ以上であり、最低必要なビア突出高さが14μmであることを考慮すると、本検討の結果からもd1の最大値は6μmとなる。
1 フレーム基板
2 実装基板
3 接続層
4 ビア
5 配線パターン
6 キャビティ部
7 接続端子
8 接着層の染み出し
9 絶縁樹脂組成物層
10 基材
11 ビア付接着シート

Claims (3)

  1. 電子部品実装用のキャビティとなる貫通穴があいたフレーム基板とキャビティ底部となる面を構成する実装基板を有する多層配線板であって、フレーム基板と実装基板の間に導電性粒子と硬化性樹脂を少なくとも含む導電性ペーストを充填したビアを有するビア付き接着層を有し、フレーム基板の接続端子と実装基板の接続端子がビア付き接着層の導電性ペーストを充填したビアにより接続されており、フレーム基板または実装基板の少なくとも片面に導電性ペーストと接する接続端子は該接続端子表面の一部に絶縁樹脂組成物層が設けられ、該接続端子表面に設けられる絶縁樹脂組成物層の最大厚みd1が6μm以下である配線板である多層配線板。
  2. 絶縁樹脂組成物層表面の最大高低差d2が5μm以下である請求項1記載の多層配線板。
  3. 接着層の熱硬化性樹脂組成物が樹脂及び無機充填材を含有する請求項1又は2記載の多層配線板。
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