JP2011079254A - ハニカム成形体の搬送用受台、それを用いた搬送装置及び搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】搬送路に平行に当接するよう形成された底面6と、ハニカム成形体4の外周5の形状に合致するよう形成された支持面7とを有し、支持面7は、ショアD硬度Hsが40≦Hs≦70の多孔質ポリウレタン樹脂硬化物素材からなり、その輪郭度公差Cが、支持するハニカム成形体4の外周5の形状を基にした設計値を基準とした際に、C≦300μmとなり、その搬送方向両端部における底面6に最も近い2点を結んだ線の真直度公差Saが、底面6を基にした設計値を基準とした際に、Sa≦200μmとなるよう形成された搬送用受台1。
【選択図】図2
Description
アルミナ、シリカ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素等のセラミック材料を混練し、押出成形機より連続的に押し出して、円柱状のハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体を、図1に示すように、搬送用受台にて保持し、搬送路上を各工程へと搬送した。この時、搬送用受台としては、以下に示す実施例1〜21及び比較例1〜25の各受台を用いた。受台の支持面に載置され、搬送路の上を運ばれたハニカム成形体は、切断、乾燥、焼成等の各工程を経た後、最終製品であるハニカム構造体となった。得られたハニカム構造体について、表1〜6に示すA〜Jの各項目について判定を行い、該ハニカム構造体を搬送した搬送用受台の総合判定を行った。
搬送用受台の形状精度のばらつきにより生じるハニカム成形体の真円度不良等の接触不良を、オプティカルゲージを用いて計測した。具体的には、搬送用受台に載置された円柱状のハニカム成形体の斜め下45度付近、即ち、ハニカム成形体の外周のうち搬送用受台の支持面と当接している部分の左右斜め45度付近における接触不良を計測するために、得られたハニカム構造体をオプティカルゲージの回転テーブルに立てて載せ、非接触のレーザー変位計にて形状計測し、真円度評価を行った。但し、形状計測する箇所は、ハニカム成形体の下部180度の範囲とした。真円度が1mm以内の場合は良品、1mmを超える場合は接触不良品と判定し、200個のサンプル全体に占める接触不良品の割合を接触不良率とした。接触不良率が0.5%未満の場合は、良好な結果と判定し、表に「○」で示した。また、接触不良率が0.5%以上の場合は、表に「×」で示した。
ハニカム成形体のセルを区画するリブに生じる歪みや潰れ等の変形を、測定顕微鏡を用いて計測した。具体的には、搬送用受台に載置された際にハニカム成形体の最も下部を形成する部分について、得られたハニカム構造体のセルの貫通方向より観察し、リブ変形の程度を計測した。リブ変形量が0.2mm以上の場合は良品、0.2mm未満の場合はリブ変形不良品と判定し、200個のサンプル全体に占めるリブ変形不良品の割合をリブ変形不良率とした。リブ変形不良率が0.5%未満の場合は、良好な結果と判定し、表に「○」で示した。また、リブ変形不良率が0.5%以上の場合は、表に「×」で示した。
ハニカム成形体の外周のうち搬送用受台の支持面と当接している部分に、支持面との摩擦によって生じる肌荒れの有無を、得られたハニカム構造体を観察することによって目視にて確認した。肌荒れが目視にて確認できなかった場合は良品、確認できた場合は肌荒れ不良品と判定し、200個のサンプル全体に占める肌荒れ不良品の割合を肌荒れ不良率とした。肌荒れ不良率が0.5%未満の場合は、良好な結果と判定し、表に「○」で示した。また、肌荒れ不良率が0.5%以上の場合は、表に「×」で示した。
ハニカム成形体の外周のうち搬送用受台の支持面と当接している部分が、支持面と密着することにより、受台からの離型時にハニカム成形体に生じる変形や潰れ等の不良の有無を、得られたハニカム構造体を観察することによって目視にて確認した。離型不良が目視にて確認できなかった場合は良品、確認できた場合は離型不良品と判定し、200個のサンプル全体に占める離型不良品の割合を離型不良率とした。離型不良率が0.5%未満の場合は、良好な結果と判定し、表に「○」で示した。また、離型不良率が0.5%以上の場合は、表に「×」で示した。
搬送用受台の搬送時の変形により生じるハニカム成形体の受台変形接触不良を、上記接触不良判定(A)と同様の方法にて判定した。但し、形状計測する箇所は、ハニカム成形体の下部180度の範囲とした。真円度が1mm以内の場合は良品、1mmを超える場合は受台変形接触不良品と判定し、200個のサンプル全体に占める受台変形接触不良品の割合を受台変形接触不良率とした。受台変形接触不良率が0.5%未満の場合は、良好な結果と判定し、表に「○」で示した。また、受台変形接触不良率が0.5%以上の場合は、表に「×」で示した。
研削加工により搬送用受台を1個作製するのに要する時間を計測し、加工時間とした。加工時間が30分/個以下の場合は、表に「○」で示した。また、加工時間が30分/個を超える場合は、表に「×」で示した。
研削加工治具1本につき作製可能な搬送用受台の個数を数え、加工可能数が10個を超える場合は、表に「○」で示した。また、加工可能数が10個以下の場合は、表に「×」で示した。
ハニカム成形体内部の水分含有量の不均一により最終製品に生じる亀裂の有無を、得られたハニカム構造体を観察することによって目視にて確認した。亀裂が目視にて確認できなかった場合は良品、確認できた場合は亀裂不良品と判定し、200個のサンプル全体に占める亀裂不良品の割合を亀裂不良率とした。亀裂不良率が0.5%未満の場合は、良好な結果と判定し、表に「○」で示した。また、亀裂不良率が0.5%以上の場合は、表に「×」で示した。
搬送用受台の不安定性に起因する搬送時の振動により生じるハニカム成形体の衝撃接触不良を、上記接触不良判定(A)と同様の方法にて判定した。但し、形状計測する箇所は、ハニカム成形体の全周とした。真円度が1mm以内の場合は良品、1mmを超える場合は衝撃接触不良品と判定し、200個のサンプル全体に占める衝撃接触不良品の割合を衝撃接触不良率とした。衝撃接触不良率が0.5%未満の場合は、良好な結果と判定し、表に「○」で示した。また、衝撃接触不良率が0.5%以上の場合は、表に「×」で示した。
作製した各搬送用受台について重量を計測した。受台重量が2kg以下の場合は、作業性に優れると判定し、表に「○」で示した。また、受台重量が2kgを超える場合は、表に「×」で示した。
上記A〜Jの各判定項目につきすべて「○」の判定を得た場合には、好ましい実験例と判定し、表に「○」で示した。また、1項目でも「×」の判定を得た場合には、表に「×」で示した。
従来の受台素材である発泡スチロールを、エンドミルを用いて切削加工し、搬送する円柱状のハニカム成形体の外周形状と略同一形状の支持面を有する比較例1の搬送用受台を作製した。この時、支持面の輪郭度公差は500μm、真直度公差は700μm、ショアD硬度は30、算術平均高さは40μm、気孔率は75%、見かけ比重は270kg/m3であった。得られた比較例1の搬送用受台について、上記のハニカム成形体搬送実験を行い、項目別判定及び受台総合判定を行った。結果を表1〜6に示した。
ポリウレタン樹脂の硬化物素材を、エンドミルを用いて切削加工し、比較例1と同様の方法にて、実施例3の搬送用受台を作製した。この時、支持面の輪郭度公差は200μm、真直度公差は100μm、ショアD硬度は50、算術平均高さは20μm、気孔率は64%、見かけ比重は400kg/m3であった。得られた実施例3の搬送用受台について、比較例1の場合と同様に、ハニカム成形体搬送実験を行い、項目別判定及び受台総合判定を行った。結果を表1〜6に示した。
ポリウレタン樹脂の硬化物素材を、エンドミルを用いて切削加工し、実施例3と同様の方法にて、実施例1,2,4及び比較例2〜7の搬送用受台を作製した。この時、支持面の真直度公差を100μm、ショアD硬度を50、算術平均高さを20μm、気孔率を64%、見かけ比重を400kg/m3とし、輪郭度公差はそれぞれ表1の通りとした。得られた実施例1,2,4及び比較例2〜7の各搬送用受台について、実施例3の場合と同様に、ハニカム成形体搬送実験を行い、輪郭度を基準として、項目別判定及び受台総合判定を行った。結果を表1に示した。
ポリウレタン樹脂の硬化物素材を、エンドミルを用いて切削加工し、実施例3と同様の方法にて、実施例5及び比較例8〜11の搬送用受台を作製した。この時、支持面の輪郭度公差を200μm、ショアD硬度を50、算術平均高さを20μm、気孔率を64%、見かけ比重を400kg/m3とし、真直度公差はそれぞれ表2の通りとした。得られた実施例5及び比較例8〜11の各搬送用受台について、実施例3の場合と同様に、ハニカム成形体搬送実験を行い、真直度を基準として、項目別判定及び受台総合判定を行った。結果を表2に示した。
ポリウレタン樹脂の硬化物素材を、エンドミルを用いて切削加工し、実施例3と同様の方法にて、実施例6〜8及び比較例12〜15の搬送用受台を作製した。この時、支持面の真直度公差を100μm、算術平均高さを20μm、気孔率を64%、見かけ比重を400kg/m3とし、輪郭度公差及びショアD硬度はそれぞれ表3の通りとした。得られた実施例6〜8及び比較例12〜15の各搬送用受台について、実施例3の場合と同様に、ハニカム成形体搬送実験を行い、硬度を基準として、項目別判定及び受台総合判定を行った。結果を表3に示した。
ポリウレタン樹脂の硬化物素材を、エンドミルを用いて切削加工し、実施例3と同様の方法にて、実施例9〜11及び比較例16〜19の搬送用受台を作製した。この時、支持面の輪郭度公差を200μm、真直度公差を100μm、ショアD硬度を50、気孔率を64%、見かけ比重を400kg/m3とし、算術平均高さはそれぞれ表4の通りとした。得られた実施例9〜11及び比較例16〜19の各搬送用受台について、実施例3の場合と同様に、ハニカム成形体搬送実験を行い、算術平均高さを基準として、項目別判定及び受台総合判定を行った。結果を表4に示した。
ポリウレタン樹脂の硬化物素材を、エンドミルを用いて切削加工し、実施例3と同様の方法にて、実施例12〜16及び比較例20,21の搬送用受台を作製した。この時、支持面の真直度公差を100μm、ショアD硬度を50、算術平均高さを20μm、見かけ比重を400kg/m3とし、輪郭度公差及び気孔率はそれぞれ表5の通りとした。得られた実施例12〜16及び比較例20,21の各搬送用受台について、実施例3の場合と同様に、ハニカム成形体搬送実験を行い、気孔率を基準として、項目別判定及び受台総合判定を行った。結果を表5に示した。
ポリウレタン樹脂の硬化物素材を、エンドミルを用いて切削加工し、実施例3と同様の方法にて、実施例17〜21及び比較例22〜25の搬送用受台を作製した。この時、支持面の輪郭度公差を200μm、真直度公差を100μm、ショアD硬度を50、算術平均高さを20μm、気孔率を64%とし、見かけ比重はそれぞれ表6の通りとした。得られた実施例17〜21及び比較例22〜25の各搬送用受台について、実施例3の場合と同様に、ハニカム成形体搬送実験を行い、見かけ比重(密度)を基準として、項目別判定及び受台総合判定を行った。結果を表6に示した。
Claims (8)
- 金型から押出された粘土質のハニカム成形体を支持し、搬送路の上を次工程へと搬送するための搬送用受台であって、
前記搬送路に平行に当接するよう形成された底面と、
前記ハニカム成形体の外周の一部の形状に合致するよう形成された前記ハニカム成形体を支持する支持面とを有し、
少なくとも前記支持面は、ショアD硬度Hsが、40≦Hs≦70の範囲である多孔質ポリウレタン樹脂硬化物素材からなるハニカム成形体の搬送用受台。 - 前記支持面は、その輪郭度公差Cが、支持する前記ハニカム成形体の前記外周の一部の形状を基にした設計値を基準とした際に、前記ハニカム成形体の径方向の外側に向かってC≦300μmの範囲となるよう形成され、
その搬送方向両端部における前記底面に最も近い2点を結んだ線の真直度公差Saが、前記底面を基にした設計値を基準とした際に、Sa≦200μmの範囲となるよう形成された請求項1に記載のハニカム成形体の搬送用受台。 - 少なくとも前記支持面は、気孔率Poが、10%≦Po≦75%の範囲である前記多孔質ポリウレタン樹脂硬化物素材からなる請求項1又は2に記載のハニカム成形体の搬送用受台。
- 少なくとも前記支持面は、見かけ比重Dが、300kg/m3≦D≦1000kg/m3の範囲である前記多孔質ポリウレタン樹脂硬化物素材からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム成形体の搬送用受台。
- 前記支持面は、その算術平均高さRaが、10μm≦Ra≦30μmの範囲となるよう形成された請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム成形体の搬送用受台。
- 前記多孔質ポリウレタン樹脂硬化物素材は、ケミカルウッドである請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム成形体の搬送用受台。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム成形体の搬送用受台を用いた搬送装置であって、
前記ハニカム成形体を支持した前記搬送用受台を載置、運搬する搬送路と、
成形体搬送後の空の前記搬送用受台を回収する受台回収部と、
回収した前記搬送用受台を再び前記搬送路へと供給する受台供給部とを含み、
前記搬送路は、前記搬送路の受台載置面の幅方向の中心を通り搬送方向に伸びる線の真直度公差Sbが、前記金型の開口部の中心を通り水平方向に伸びる線に平行に設定された設計値を基準とした際に、Sb≦500μmの範囲となるよう位置決めされるハニカム成形体の搬送装置。 - 請求項7に記載のハニカム成形体の搬送装置を用いた搬送方法であって、
圧縮ひずみ2%時の圧縮応力が20〜30kPaのセラミック材料を、出口に前記金型を備えた押出成形機より連続的に押し出し、柱状の前記ハニカム成形体を得るハニカム成形体押出工程と、
押し出された前記ハニカム成形体を、前記受台供給部によって供給された空の前記搬送用受台にて支持する受台支持工程と、
前記搬送用受台に保持された前記ハニカム成形体を、前記ハニカム成形体の押出速度と略同一速度にて次工程へと搬送する搬送工程とを含むハニカム成形体の搬送方法。
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