JP2019104106A - R−t−b系焼結磁石の表面処理方法および製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の表面処理方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 錆の発生を抑制する、新たなR−T−B系焼結磁石の表面処理方法および製造方法を提供すること。【解決手段】 砥粒と液体とを含むスラリーをエアーの圧力で吐出させ、搬送されるR−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)の表面に当てることで表面処理するR−T−B系焼結磁石の表面処理方法であって、砥粒の粒径D50は60μm以上、130μm以下であり、スラリー中の砥粒の体積百分率は5vol%以上、15vol%以下であり、エアーの圧力は0.1MPa以上、0.4MPa以下であり、R−T−B系焼結磁石の送り速度は30mm/sec以上、90mm/sec以下であり、スラリーが吐出される方向は、搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向であるR−T−B系焼結磁石の表面処理方法。【選択図】図1

Description

本発明は、R−T−B系焼結磁石の表面処理方法および製造方法に関する。
R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)は優れた磁気特性を有していることから自動車や産業用機械、電子機器など様々な分野で使用されている。その使用量は電気自動車や電子機器の普及により増加が期待されている。また、R−T−B系焼結磁石は錆が発生しやすいため、表面に防錆処理を施して使用されてきている。
例えば、特許文献1に記載の防錆処理方法では、切断加工されたNd磁石素材をローラバレル装置により面取加工をした後、コーン状のウェットブラストバレル容器に入れ、エアーノズルから圧力空気とともにメディアを吐出させながらバレル容器を回転させることにより、Nd磁石素材の表面を凹凸状の表面に荒らすとともに面取加工工程で生じた粉塵を除去する表面処理を行い、その後、バレル塗装装置により樹脂防錆塗料を塗装している。
しかし、特許文献1のように表面処理において、Nd磁石素材(R−T−B系焼結磁石)の表面を凹凸状に荒らしてしまう(表面粗さを大きくしてしまう)と、細かい粉塵が除去し難くなるうえ、錆の原因となる酸素や水分に接触する面積が大きくなってしまうことから、除去しきれなかった粉塵が残っている箇所や、酸素や水分に接触する面積が大きい箇所に錆が発生しやすくなってしまう。
特開平11−238611号公報
そこで本発明は、錆の発生を抑制する、新たなR−T−B系焼結磁石の表面処理方法および製造方法を提供する。
上記の点に鑑みてなされたR−T−B系焼結磁石の表面処理方法は、例示的な態様1において、砥粒と液体とを含むスラリーをエアーの圧力で吐出させ、搬送されるR−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)の表面に当てることで表面処理するR−T−B系焼結磁石の表面処理方法であって、砥粒の粒径D50は60μm以上、130μm以下であり、スラリー中の砥粒の体積百分率は5vol%以上、15vol%以下であり、エアーの圧力は0.1MPa以上、0.4MPa以下であり、R−T−B系焼結磁石の送り速度は30mm/sec以上、90mm/sec以下であり、スラリーが吐出される方向は、搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向であるR−T−B系焼結磁石の表面処理方法である。
態様2において、スラリーが吐出される方向は複数方向であり、R−T−B系焼結磁石の一方の表面に向かって吐出する方向と、R−T−B系焼結磁石の一方の表面と対向する他方の表面に向かって吐出する方向である、態様1に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法である。
態様3において、スラリーが吐出される方向は複数方向であり、搬送方向の上流から下流に向かって吐出する方向と、搬送方向の下流から上流に向かって吐出する方向である、態様1または態様2に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法である。
態様4において、スラリーは、ノズルによって吐出されるものであって、R−T−B系焼結磁石の一方の表面に対して、搬送方向の上流から下流に向かって吐出する複数のノズルと、搬送方向の下流から上流に向かって吐出する複数のノズルと、R−T−B系焼結磁石の一方の面と対向する他方の表面に対して、搬送方向の上流から下流に向かって吐出する複数のノズルと、搬送方向の下流から上流に向かって吐出する複数のノズルと、を用いて表面処理する態様3に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法である。
態様5において、砥粒の形状は球状形状である態様1乃至態様4に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法である。
態様6において、砥粒はジルコニアである態様1乃至態様5に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法である。
態様7において、R−T−B系焼結磁石はローラによって搬送される態様1乃至態様6に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法である。
態様8において、液体は水である態様1乃至態様7に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法である。
上記の点に鑑みてなされたR−T−B系焼結磁石の製造方法は、例示的な態様9において、R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)を用意する工程と、砥粒と液体とを含むスラリーをエアーの圧力で吐出させてR−T−B系焼結磁石の表面に当てることで表面処理する表面処理工程であって、砥粒の粒径D50は60μm以上、130μm以下であり、スラリー中の砥粒の体積百分率は5vol%以上、15vol%以下であり、エアーの圧力は0.1MPa以上、0.4MPa以下であり、R−T−B系焼結磁石の送り速度は30mm/sec以上、90mm/sec以下であり、スラリーが吐出される方向は、搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向である、表面処理工程と、を含む、R−T−B系焼結磁石の製造方法である。
本発明によれば、錆の発生を抑制する、新たなR−T−B系焼結磁石の表面処理方法および製造方法を提供することができる。
表面処理装置の概略図を示す。 (a)はR−T−B系焼結磁石の形状が角柱形状の場合のローラのY−Z面断面図を示し、(b)はR−T−B系焼結磁石の形状が円柱形状の場合のローラのY−Z面断面図を示す。 (a)はR−T−B系焼結磁石の一方の表面に対してスラリーを吐出する場合のノズル配置のY−Z面概略図を示し、(b)は、R−T−B系焼結磁石の他方の表面に対してスラリーを吐出する場合のノズル配置のY−Z面概略図を示す。
本発明のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法は、砥粒と液体とを含むスラリーをエアーの圧力で吐出させ、搬送されるR−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)の表面に当てることで表面処理する表面処理方法であって、砥粒の粒径D50は60μm以上、130μm以下であり、スラリー中の砥粒の体積百分率は5vol%以上、15vol%以下であり、エアーの圧力は0.1MPa以上、0.4MPa以下であり、R−T−B系焼結磁石の送り速度は30mm/sec以上、90mm/sec以下であり、スラリーが吐出される方向は、搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法は、例えば、図1〜3に記載の表面処理装置1を用いて表面処理をおこなう。図面には、参考のため、互いに直交する-X−X軸、-Y−Y軸及び-Z−Z軸が模式的に示されている。Z軸が鉛直方向に平行である。図1に記載の表面処理装置1は、R−T−B系焼結磁石Mを搬送する搬送部2と、砥粒と液体とを含むスラリーSをエアーの圧力で吐出させ、搬送されるR−T−B系焼結磁石Mの表面M1に当てて処理するウェットブラスト処理部3と、ウェットブラスト処理を行ったR−T−B系焼結磁石Mを洗浄するための洗浄処理部4と、洗浄後のR−T−B系焼結磁石Mを乾燥させるための乾燥処理部5とを有している。なお、表面処理装置1は、ウェットブラスト処理部3を有していればよく、必ずしも洗浄処理部4および乾燥処理部5を表面処理装置1に有している必要はない。別の装置を準備して洗浄処理部4および乾燥処理部5の処理を行ってもよい。
搬送部2には複数のローラ21が設けられており、ウェットブラスト処理部3、洗浄処理部4、乾燥処理部5の順に、R−T−B系焼結磁石Mを連続して搬送できるように設けられている。また、図1の例では、ローラ21はR−T−B系焼結磁石MをZ軸方向に対向し、挟むように設けられており、Z方向側のローラ21をY軸方向を中心に反時計回りに回転させ、−Z方向側のローラ21を時計回りに回転させることでR−T−B系焼結磁石Mを搬送する。
Z方向側に配置されている複数ローラ21の間隔K1と−Z方向側に配置されている複数のローラ21の間隔K1は、R−T−B系焼結磁石Mの搬送方向の長さK2よりも短く、複数箇所で支持できる。好ましくは、ローラ21は等間隔となるように配置されている。ただし、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1にスラリーSを当てる位置については、当てる側のローラ21の間隔K1が広くなるように設け、R−T−B系焼結磁石Mを複数箇所で支持出来るように配置する。この様に設けることにより、R−T−B系焼結磁石Mを安定した状態で搬送しながらスラリーSを当てることが出来る。
また、ローラ21の形状は、円柱形状であっても良いが、図2(a),(b)に示すようにR−T−B系焼結磁石Mの形状に合わせて凹部が形成されていてもよい。図2におけるローラ21aおよび21bは、ローラ21のある実施形態を示す例である。また、図2(a)は、R−T−B系焼結磁石Mの形状が角柱形状の場合のローラ21aのY−Z面断面図を示し、図2(b)はR−T−B系焼結磁石Mの形状が円柱形状の場合のローラ21bのY−Z面断面図を示している。
図2(a)のローラ21aは、R−T−B系焼結磁石Mの角柱形状に合わせて、Z方向側のローラ21aと−Z方向側のローラ21aの中央にコの字状の凹部22aを設けたものである。凹部22aのY軸方向の幅K3は、R−T−B系焼結磁石MのY軸方向の幅と同じ幅であってもよく、クリアランスを持たせた幅であってもよい。また、Z方向側のローラ21aと−Z方向側のローラ21aのどちらか一方に凹部22aが形成されたものが配置されていてもよい。更に、凹部22aを中央に設けているが、どの様な位置に設けてもよく、R−T−B系焼結磁石Mを複数個ずつ搬送する場合は凹部22aが複数形成されていてもよい。このように凹部22aを設けることで、R−T−B系焼結磁石Mの搬送中にY軸方向にずれる力が生じても凹部22aがR−T−B系焼結磁石Mに接触するため、ローラ21aから落下することなく、安定して搬送する事が可能となる。
図2(b)のローラ21bは、R−T−B系焼結磁石Mの円柱形状に合わせて、Z方向側のローラ21bと−Z方向側のローラ21bの中央に弧状の凹部22bを設けたものである。凹部22bの曲率半径は、R−T−B系焼結磁石Mと同じ曲率半径であってもよく、クリアランスを持たせた大きい曲率半径であってもよい。また、Z方向側のローラ21bと−Z方向側のローラ21bのどちらか一方に凹部22bが形成されたものが配置されてもよい。更に、凹部22bを中央に設けているが、どの様な位置に設けてもよく、R−T−B系焼結磁石Mを複数個ずつ搬送する場合は凹部22bが複数形成されていてもよい。このように凹部22bを設けることで、R−T−B系焼結磁石Mの搬送中にY軸方向にずれる力が生じても凹部22bがR−T−B系焼結磁石Mに接触するため、ローラ21bから落下することなく、安定して搬送する事が可能となる。
ローラ21の材質は、特にスラリーSによる摩耗に対して耐久性のある材質がよく、例えばウレタン樹脂を用いるとよい。
ローラ21によるR−T−B系焼結磁石Mの送り速度は、30mm/sec以上、90mm/sec以下となるようにすると良い。送り速度が30mm/secよりも遅くなると、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1にスラリーSが当たる時間が長くなるため、砥粒により表面M1の表面粗さを大きくしてしまう可能性がある。また、送り速度が90mm/secよりも早くなると、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1にスラリーSが当たる時間が短くなるため、表面M1に付着した粉塵を十分に除去できず、また表面を均し難くなる。
図1に示すウェットブラスト処理部3は、ウェットブラスト処理をおこなうところであり、搬送部2によって搬送されるR−T−B系焼結磁石Mの表面M1に砥粒と液体とを含むスラリーSをエアーの圧力で吐出させるノズル31と、吐出されたスラリーSを貯留するスラリー貯留部32が設けられている。
ノズル31は、吐出されるスラリーSの方向が、R−T−B系焼結磁石Mの搬送方向(X方向)と直行する面(Y−Z面)に対して傾斜する方向となるように、ノズル31が傾斜して設けられている。より具体的には、Y−Z面からX軸方向に向かって25度〜35度傾斜して設けられている。この様にノズル31を傾斜して設けることにより、スラリーS中の砥粒がR−T−B系焼結磁石Mの表面M1に当たった際に発生する衝突エネルギーの一部が面方向に分散するため、付着した粉塵が除去しやすくなり、表面を均しやすくなる。
また、ノズル31はR−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1aと、一方の表面M1aと対向する他方の表面(一方の表面の裏面、あるいは一方の表面の背面ともいう)M1bとにスラリーSが当たるように、ノズル31が複数設けられている。言い換えると、搬送部2に対してZ方向側と−Z方向側にノズル31がそれぞれ設けられている。このようにノズル31を設けることで、効率よく粉塵を除去し、表面を均すことができる。
そして、ノズル31はR−T−B系焼結磁石Mの搬送方向の上流から下流に向かう方向と、搬送方向の下流から上流に向かう方向にスラリーSが吐出できるよう、ノズル31が複数設けられている。言い換えると、X方向にスラリーSを吐出するノズル31と、−X方向にスラリーSを吐出するノズル31が設けられている。このようにノズル31を設けることで、一方向では除去し難かった粉塵を除去でき、均し難かった表面を均らすことができる。
例えば、ノズル31はR−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1aに対して、上流から下流に向かって吐出するノズル31aと、下流から上流に向かって吐出するノズル31bと、他方の表面M1bに対して上流から下流に向かって吐出するノズル31cと、下流から上流に向かって吐出するノズル31dとがそれぞれ複数設けられている。また、ノズル31a〜31cは、それぞれ複数個であってもよく、例えば、それぞれ2つずつノズル31を設けた場合、合計8つのノズル31が設けられる。
なお、それぞれ2つずつノズル31を設ける場合、図3(a),(b)に示すように設けることが好ましい。図3(a)は、R−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1aに対してスラリーを吐出する場合のノズル31a,31bの配置を示すY−Z面の概略図であり、図3(b)は、R−T−B系焼結磁石Mの他方の表面M1bに対してスラリーを吐出する場合のノズル31c,31dの配置を示すY−Z面の概略図である。
図3(a)に示すように、R−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1aに対してスラリーを吐出する場合、ノズル31a,31bの一方は、X−Z面に対して傾斜し、Y方向に向かってスラリーを吐出できるように配置され、ノズル31a,31bの他方はX−Z面に対して傾斜し、−Y方向に向かってスラリーを吐出できるように配置される。また、R−T−B系焼結磁石MのZ軸方向の中心線Cに対して線対称となるように配置される。このように設けることにより、スラリー中の砥粒の衝突エネルギーの分散方向が増加し、一方の表面M1aの除去し難かった粉塵を除去することができ、表面を均らしやすくすることができる。
図3(b)に示すように、R−T−B系焼結磁石Mの他方の表面M1bに対してスラリーを吐出する場合、ノズル31c,31dの一方は、X−Z面に対して傾斜し、Y方向に向かってスラリーを吐出できるように配置され、ノズル31c,31dの他方は、X−Z面に対して傾斜し、−Y方向に向かってスラリーを吐出できるように配置される。また、R−T−B系焼結磁石MのZ軸方向の中心線Cに対して線対称となるように配置される。このように設けることにより、スラリーS中の砥粒の衝突エネルギーの分散方向が増加し、他方の表面M1bの除去し難かった粉塵を除去することができ、表面を均らしやすくすることができる。
なお、ノズル31a〜31dの数はR−T−B系焼結磁石Mの大きさや形状に合わせて設ける数を調整してもよく、1つだけ配置されているところや3つ以上配置されているところがあってもよい。
図1に示すノズル31から吐出されるスラリーSは砥粒と液体を含んでいる。砥粒の粒径D50は60μm以上、130μm以下のものを用いる。粒径D50が60μmより小さい場合、効率よく粉塵を除去し難くなり、また表面を均し難くなる。130μmよりも大きい場合、衝突エネルギーが大きくなるため表面が荒れやすくなる。なお、粒径D50は、流分散式レーザ解析法による測定で得られる体積中心値(体積基準メジアン径)のことを意味する。
砥粒の形状は球状形状のものがよい。球状形状である方が、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に砥粒が当たった際に衝突エネルギーを分散しやすいため、当たった場所の表面を均しやすく、分散したエネルギー方向にある粉塵を除去することができる。材質は、R−T−B系焼結磁石Mの硬度が高いことから、靭性が高く耐摩耗性の高いジルコニアを用いるとよい。なお、材質は硬度に合わせてセラミックス材料の中から適宜選択してよい。
スラリーSに用いる液体は水であることが好ましい。また、スラリーS中の砥粒の体積百分率は5vol%以上、15vol%以下となるようにするとよい。体積百分率が5vol%よりも低い場合、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に当たる砥粒の数が少なくなるため、効率よく粉塵を除去し難くなり、均し難くなる。また、体積百分率が15vol%よりも高い場合、ノズル31から吐出するスラリーSの飛散性が低くなり、効率よく粉塵を除去し難くなり、均し難くなる。なお、本発明の砥粒の体積百分率は、スラリーS中の砥粒を十分に沈殿させ、外観から見て測定した時の砥粒の体積と液体の体積の比率から導かれた値である。
ノズル31から吐出されるスラリーSは、エアー供給部33から供給されるエアーの圧力により吐出しており、各ノズル31とエアー供給部33はエアー供給菅33aを介して接続して設けられている。エアーの圧力は、0.1MPa以上、0.4MPa以下となるように調整されている。0.1MPaよりも低い圧力の場合、スラリーSの飛散性が低くなり、効率よく粉塵を除去したり凹凸状の表面を均すことが難しくなる。また、0.4MPaよりも高い圧力の場合、砥粒の衝突エネルギーが大きくなるため、表面が荒れやすくなる。
スラリー貯留部32は、搬送部2に対して−Z方向側に設けられており、R−T−B系焼結磁石Mに付着した粉塵や磁石くずや、砥粒(以降、粉塵、磁石くず、砥粒くずをまとめてスラッジと称する)を含んだスラリーSが貯留されている。そして、スラッジを含んだスラリーSは、第1のポンプP1によって排出され、ノズル31へと供給される。スラリーSは、本発明の砥粒の粒径D50およびスラリー中の砥粒の体積百分率の範囲になるように、スラリーSの一部または全部をスラッジと使用可能な砥粒とを分離するための分離部34に供給したのちに、ノズル31へ供給してもよく、スラリーSの一部または全部をスラリー濃度を調整するための濃度調整部35に供給したのちに、ノズル31へ供給してもよい。また、スラリーSの一部または全部は、分離部34および濃度調整部35の両方に供給されたのちにノズル31へ供給してもよい。また、分離部34および濃度調整部35に供給されたスラリーSの一部は、スラリー貯留部32内を攪拌するためにスラリー貯留部32内に戻してもよい。
ノズル31へ供給されるスラリーSは、第1のポンプP1とノズル31とを接続するスラリー供給菅32aによって供給される。
分離部34に供給されたスラリーSは、例えばサイクロン装置を用いてスラッジと使用可能な砥粒とを分離し、分離されたスラッジを含む液はスラッジ回収部36へと供給され、使用可能な砥粒を含む液はスラリー貯留部32内へと戻される。
濃度調整部35に供給されたスラリーSは、砥粒の体積百分率が5vol%以上、15vol%以下となるように調整しており、体積百分率が5vol%よりも低くなった場合は砥粒を供給して5vol%以上となるように調整している。
スラッジ回収部36は、分離部34で分離されたスラッジを含む液が供給され、スラッジ中の、粉塵や磁石くずと、砥石くずと液体を分離している。この様に分離することで、粉塵や磁石くずを原料として再利用することができる。
洗浄処理部4は、ウェットブラスト処理部3で付着したスラリーSや、スラッジを洗い落とすところであり、搬送部2によってウェットブラスト処理部3から搬送されたR−T−B系焼結磁石Mに向かって洗浄液Lを吐出する洗浄ノズル41と、吐出された洗浄液Lを貯留するための洗浄液貯留部42とが設けられている。
洗浄ノズル41は、吐出される洗浄液Lの方向が、R−T−B系焼結磁石Mの搬送方向(X方向)と直行する方向(Z軸方向)に吐出するように設けられている。また、洗浄ノズル41はR−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1aと他方の表面M1bに当たるように、洗浄ノズル41が複数設けられている。言い換えると、搬送部2に対してZ方向側と−Z方向側に洗浄ノズル41a,41bが設けられている。なお、洗浄ノズル41はウェットブラスト処理部3のノズル31と同様に傾斜させてもよい。
また、洗浄ノズル41はZ方向側と−Z方向側のそれぞれに複数設けていてもよい。例えば、搬送方向(X方向)に沿って一定の間隔をあけて設けてもよい。更に、必要に応じてY軸方向に沿って複数設けてもよい。
洗浄液Lは水であるが、目的に合わせて水以外の液体を用いてもよい。また、洗浄液Lは洗浄液供給部43から洗浄ノズル41に供給されている。
洗浄液貯留部42は、搬送部2に対して−Z方向側に設けられており、図1の例では、乾燥処理部5まで貫通して設けられている。また、洗浄液貯留部42内は、スラリーSや洗浄液L、乾燥処理部5で除去された洗浄液Lを貯留しており、適宜第2のポンプP2によって排出される。なお、洗浄ノズル41を搬送方向(X方向)に沿って間隔をあけて複数設けている場合、上流側に配置されている洗浄ノズル41から吐出された洗浄液Lはスラリー貯留部32に貯留されるように設け、下流側に配置されている洗浄ノズル41から吐出された洗浄液Lは洗浄液貯留部42に貯留されるように設けてもよい。
乾燥処理部5は、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した洗浄液Lをエアーで吹き飛ばして除去し、乾燥させるところであり、搬送部2によって洗浄処理部4から搬送されたR−T−B系焼結磁石Mに向かってエアーを送風する送風ノズル51を用いて乾燥させる。
送風ノズル51は、送風されるエアーの方向が、R−T−B系焼結磁石Mの搬送方向(X方向)と直行する方向(Z軸方向)に送風するように設けられている。また、送風ノズル51はR−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1aと他方の表面M1bに当たるように、送風ノズル51が複数設けられている。言い換えると、搬送部2に対してZ方向側と−Z方向側に送風ノズル51a,51bが設けられている。なお、送風ノズル51はウェットブラスト処理部3のノズル31と同様に目的に合わせて傾斜させてもよい。
また、送風ノズル51はZ方向側と−Z方向側のそれぞれに複数設けていてもよい。例えば、搬送方向(X方向)に沿って一定の間隔をあけて設けてもよい。更に、必要に応じてY軸方向に沿って複数設けてもよい。送風ノズル51から送風されるエアーは、送風エアー供給部52から供給される。乾燥処理部5は、必ずしもこのような実施形態に限定されない。例えば、ヒータによりR−T−B系焼結磁石Mを加熱することにより乾燥させてもよく、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した洗浄液Lを乾燥させることができればその方法は特に問わない。
次に、図1に記載の表面処理装置1を用いたR−T−B系焼結磁石Mの表面処理方法を説明する。まず、ウェットブラスト処理部3内で、搬送部2により搬送されるR−T−B系焼結磁石Mの表面M1のウェットブラスト処理をおこなう。
R−T−B系焼結磁石Mは公知のR−T−B系焼結磁石を用いることが出来る。例えば、原料を合金化して粉砕し、磁場中成形した後、焼結・熱処理し、切削加工されたものを用いる。なお、切削加工されたものに限られず焼結・熱処理後で表面に凹凸が形成される工程、例えば拡散処理後のものなどに対して、本発明の表面処理方法を用いてもよい。本発明の表面処理方法はR−T−B系焼結磁石の表面の粉塵を除去や、凹凸を均すための処理をさす。
R−T−B系焼結磁石Mは搬送部2により搬送され、送り速度は30mm/sec以上、90mm/sec以下となるように調整されている。また、スラリーSは搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向に吐出される。スラリーSの砥粒の粒径D50は、60μm以上、130μm以下のものを使用し、スラリー中の砥粒の体積百分率が5vol%以上、15vol%以下となるよう調整されている。スラリーSを吐出するためのエアーの圧力は、0.1MPa以上、0.4MPa以下となるように調整されている。このような条件でウェットブラスト処理をおこなうことで、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した粉塵を除去することができ、表面を均一に均らすことができる。その結果、錆の発生を抑制することが出来る。
ウェットブラスト処理が終わったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により洗浄処理部4に搬送され、ウェットブラスト処理部3で付着したスラリーSや、スラッジを洗浄液Lで洗い落とす。
その後、洗浄液Lで洗ったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により乾燥処理部5に搬送され、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した洗浄液Lをエアーで吹き飛ばして除去し、乾燥させる。
次に、図1に記載の表面処理装置1を用いたR−T−B系焼結磁石Mの製造方法を説明する。まず、R−T−B系焼結磁石Mを用意する。R−T−B系焼結磁石Mは、公知のR−T−B系焼結磁石を用いることが出来る。例えば、原料を合金化して粉砕し、磁場中成形した後、焼結・熱処理し、切削加工されたものを用意する。なお、切削加工されたものに限られず焼結・熱処理後で表面に凹凸が形成される工程、例えば拡散処理後のものを用意してもよい。
その後、ウェットブラスト処理部3内で、搬送部2により搬送されるR−T−B系焼結磁石Mの表面M1のウェットブラスト処理をおこなう。送り速度は30mm/sec以上、90mm/sec以下となるように調整されている。また、スラリーSは搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向に吐出される。スラリーSの砥粒の粒径D50は、60μm以上、130μm以下のものを使用し、スラリー中の砥粒の体積百分率が5vol%以上、15vol%以下となるよう調整されている。スラリーSを吐出するためのエアーの圧力は、0.1MPa以上、0.4MPa以下となるように調整されている。このような条件でウェットブラスト処理をおこなうことで、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した粉塵を除去することができ、表面を均一に均らしたR−T−B系焼結磁石Mを製造することができる。その結果、錆の発生を抑制しながら製造することが出来る。
ウェットブラスト処理が終わったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により洗浄処理部4に搬送され、ウェットブラスト処理部3で付着したスラリーSや、スラッジを洗浄液Lで洗い落とす。
その後、洗浄液Lで洗ったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により乾燥処理部5に搬送され、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した洗浄液Lをエアーで吹き飛ばして除去し、乾燥させる。
本発明の実施例1〜3では、図1に記載の表面処理装置1を用いて表面処理をおこなった。また、搬送部2のローラ21の形状は図2(a)のローラを使用した。
ウェットブラスト処理部3のノズル31は、搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向に配置した。より具体的には、R−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1aに対して、上流から下流に向かってスラリーSを吐出するノズル31aが2つと、下流から上流に向かってスラリーSを吐出するノズル32bが2つと、他方の表面M1bに対して上流から下流に向かってスラリーSを吐出するノズル31cが2つと、下流から上流に向かってスラリーSを吐出するノズル31dが2つの、合計8つのノズル31を使用し、図3(a),(b)に示すようにそれぞれ配置した。
洗浄処理部4の洗浄ノズル41は、搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向に配置した。より具体的には、R−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1a側に洗浄ノズル41aを3つ、他方の表面M1b側に洗浄ノズル41bを3つの、合計6つの洗浄ノズル41を設け、それぞれ搬送方向に沿って一定の間隔をあけて配置した。また、洗浄ノズル41は下流から上流に向かって洗浄液Lを吐出するように傾斜して設けた。
乾燥処理部5の送風ノズル51は、R−T−B系焼結磁石Mの一方の表面M1a側と他方の表面M1b側に1つずつ設け、搬送方向に対して直交するように設けた。
表面処理をおこなうR−T−B系焼結磁石Mは、原料を合金化して粉砕し、磁場中成形した後、焼結・熱処理し、四角柱形状に切削加工された状態のものを用いた。
また、錆の発生の有無を確認するため、乾燥処理後のR−T−B系焼結磁石Mを温度が23℃±3℃、湿度が50%±10%の環境下に168h放置し、表面M1の錆の発生有無を確認した。表1は、実施例1〜3の条件で表面処理を行い、錆の発生有無の結果を示している。
Figure 2019104106
実施例1
まず、ウェットブラスト処理部3内で、搬送部2により搬送されるR−T−B系焼結磁石Mの表面M1のウェットブラスト処理をおこなった。搬送部2の送り速度は、65mm/secとなるように搬送した。
ノズル31から吐出されるスラリーSは搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向に吐出させた。スラリーSの砥粒はジルコニアであり、粒径D50が120μmのものを使用し、液体は水を使用した。スラリー中の砥粒の体積百分率は、10vol%以上、15vol%以下となるよう調整した。スラリーSを吐出するためのエアーの圧力は0.15MPaとなるように調整した。
ウェットブラスト処理が終わったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により65mm/secの送り速度で洗浄処理部4に搬送し、ウェットブラスト処理部3で付着したスラリーSや、スラッジを洗浄液Lで洗い落とした。なお、洗浄液Lとして水を使用した。
そして、洗浄液Lで洗ったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により65mm/secの送り速度で乾燥処理部5に搬送し、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した洗浄液Lをエアーで吹き飛ばして除去し、乾燥後、錆の発生の有無を確認した。確認の結果、錆は発生していなかった。
実施例2
まず、ウェットブラスト処理部3内で、搬送部2により搬送されるR−T−B系焼結磁石Mの表面M1のウェットブラスト処理をおこなった。搬送部2の送り速度は、80mm/secとなるように搬送した。
ノズル31から吐出されるスラリーSは搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向に吐出させた。スラリーSの砥粒はジルコニアであり、粒径D50が60μmのものを使用し、液体は水を使用した。スラリー中の砥粒の体積百分率は、5vol%以上、10vol%以下となるよう調整した。スラリーSを吐出するためのエアーの圧力は0.3MPaとなるように調整した。
ウェットブラスト処理が終わったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により80mm/secの送り速度で洗浄処理部4に搬送し、ウェットブラスト処理部3で付着したスラリーSや、スラッジを洗浄液Lで洗い落とした。なお、洗浄液Lとして水を使用した。
そして、洗浄液Lで洗ったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により80mm/secの送り速度で乾燥処理部5に搬送し、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した洗浄液Lをエアーで吹き飛ばして除去し、乾燥後、錆の発生の有無を確認した。確認の結果、錆は発生していなかった。
実施例3
まず、ウェットブラスト処理部3内で、搬送部2により搬送されるR−T−B系焼結磁石Mの表面M1のウェットブラスト処理をおこなった。搬送部2の送り速度は、40mm/secとなるように搬送した。
ノズル31から吐出されるスラリーSは搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向に吐出させた。スラリーSの砥粒はジルコニアであり、粒径D50が90μmのものを使用し、液体は水を使用した。スラリー中の砥粒の体積百分率は、10vol%以上、15vol%以下となるよう調整した。スラリーSを吐出するためのエアーの圧力は0.2MPaとなるように調整した。
ウェットブラスト処理が終わったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により40mm/secの送り速度で洗浄処理部4に搬送し、ウェットブラスト処理部3で付着したスラリーSや、スラッジを洗浄液Lで洗い落とした。なお、洗浄液Lとして水を使用した。
そして、洗浄液Lで洗ったR−T−B系焼結磁石Mは、搬送部2により40mm/secの送り速度で乾燥処理部5に搬送し、R−T−B系焼結磁石Mの表面M1に付着した洗浄液Lをエアーで吹き飛ばして除去し、乾燥後、錆の発生の有無を確認した。確認の結果、錆は発生していなかった。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本発明は、錆の発生を抑制する、新たなR−T−B系焼結磁石の表面処理方法および製造方法を提供できる点において、産業上の利用可能性を有する。
1…表面処理装置
2…搬送部
3…ウェットブラスト処理部
4…洗浄処理部
5…乾燥処理部
21,21a,21b…ローラ
22a,22b…凹部
31,31a,31b,31c,31d…ノズル
32…スラリー貯留部
32a…スラリー供給菅
33…エアー供給部
33a…エアー供給管
34…分離部
35…濃度調整部
36…スラッジ回収部
41,41a,41b…洗浄ノズル
42…洗浄液貯留部
43…洗浄液供給部
51,51a,51b…送風ノズル
52…送風エアー供給部
M…R−T−B系焼結磁石
M1,M1a,M1b…R−T−B系焼結磁石の表面
S…スラリー
K1…ローラの間隔
K2…R−T−B系焼結磁石の搬送方向の長さ
K3…幅
C…中心線
P1…第1のポンプ
P2…第2のポンプ
L…洗浄液

Claims (9)

  1. 砥粒と液体とを含むスラリーをエアーの圧力で吐出させ、搬送されるR−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)の表面に当てることで表面処理するR−T−B系焼結磁石の表面処理方法であって、
    前記砥粒の粒径D50は60μm以上、130μm以下であり、
    前記スラリー中の前記砥粒の体積百分率は5vol%以上、15vol%以下であり、
    前記エアーの圧力は0.1MPa以上、0.4MPa以下であり、
    前記R−T−B系焼結磁石の送り速度は30mm/sec以上、90mm/sec以下であり、
    前記スラリーが吐出される方向は、搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向である、R−T−B系焼結磁石の表面処理方法。
  2. 前記スラリーが吐出される方向は複数方向であり、前記R−T−B系焼結磁石の一方の表面に向かって吐出する方向と、前記R−T−B系焼結磁石の一方の表面と対向する他方の表面に向かって吐出する方向である、請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法。
  3. 前記スラリーが吐出される方向は複数方向であり、搬送方向の上流から下流に向かって吐出する方向と、搬送方向の下流から上流に向かって吐出する方向である、請求項1または請求項2に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法。
  4. 前記スラリーは、ノズルによって吐出されるものであって、
    前記R−T−B系焼結磁石の一方の表面に対して、
    搬送方向の上流から下流に向かって吐出する複数のノズルと、
    搬送方向の下流から上流に向かって吐出する複数のノズルと、
    前記R−T−B系焼結磁石の一方の面と対向する他方の表面に対して、
    搬送方向の上流から下流に向かって吐出する複数のノズルと、
    搬送方向の下流から上流に向かって吐出する複数のノズルと、
    を用いて表面処理する請求項3に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法。
  5. 前記砥粒の形状は球状形状である請求項1乃至請求項4に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法。
  6. 前記砥粒はジルコニアである請求項1乃至請求項5に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法。
  7. 前記R−T−B系焼結磁石はローラによって搬送される請求項1乃至請求項6に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法。
  8. 前記液体は水である請求項1乃至請求項7に記載のR−T−B系焼結磁石の表面処理方法。
  9. R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)を用意する工程と、
    砥粒と液体とを含むスラリーをエアーの圧力で吐出させて前記R−T−B系焼結磁石の表面に当てることで表面処理する表面処理工程であって、
    前記砥粒の粒径D50は60μm以上、130μm以下であり、
    前記スラリー中の前記砥粒の体積百分率は5vol%以上、15vol%以下であり、
    前記エアーの圧力は0.1MPa以上、0.4MPa以下であり、
    前記R−T−B系焼結磁石の送り速度は30mm/sec以上、90mm/sec以下であり、
    前記スラリーが吐出される方向は、搬送方向と直交する面に対して傾斜する方向である、表面処理工程と、
    を含む、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
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