JP2011079164A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】1つのスキャン内の濃度ムラを低減し、バンド内における濃度ムラを抑制する。
【解決手段】吐出口、吐出口に連通する発泡室及び発泡室内に設けられた電気熱変換素子を含むノズルが主走査方向と垂直な向きに複数並べられてなるノズル列が、主走査方向に沿って複数配列され、隣接するノズル列の間に、それらノズル列を構成する複数のノズルのそれぞれに流路を介して連通する共通液室が設けられた記録ヘッドにおいて、各ノズルの吐出口の大きさは一定であり、各ノズルの電気熱変換素子は、ノズル列中央に位置するノズルの電気熱変換素子が最小であり、ノズル列端部に近いノズルの電気熱変換素子ほど大きく、各ノズルにおけるインク吐出方向の流抵抗と共通液室方向の流抵抗との比は、ノズル列中央に位置するノズルにおいて最大であり、ノズル列端部に近いノズルほど小さい。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドに関するものである。
一般的なインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドは、インク滴を吐出させるためのエネルギーの発生源によって2つに大別できる。一つは、吐出エネルギーの発生源としてヒーター等の電気熱変換素子を用いるものである。他の一つは、吐出エネルギーの発生源としてピエゾ素子等の圧電素子を用いるものである。いずれの記録ヘッドにおいても、電気信号によってインク滴の吐出を制御することができる。電気熱変換素子を用いる記録ヘッドは、電気熱変換素子に電圧を印加することにより、電気熱変換素子近傍のインクを瞬時に沸騰させ、沸騰時のインクの相変化により生じる発泡圧によってインク滴を吐出させる。一方、圧電素子を用いる記録ヘッドは、圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子を変位させ、この変位時に発生する圧力によってインク滴を吐出させる。
ここで、上記のいずれの方式の記録ヘッドを用いて画像を形成する場合であっても、普通紙などの低品位の記録媒体への記録においてはいわゆる低パス記録が行われ、光沢紙などの高品位の記録媒体への記録においてはいわゆる多パス記録が行われる。低パス記録とは、記録媒体上の同一の走査領域に対する記録を、例えば1〜4回の走査によって完成させる記録方式である。一方、多パス記録とは、記録媒体上の同一の走査領域に対する記録を、例えば4〜24回の走査によって完成させる記録方式である。多パス記録では、低パス記録に比べて同一の走査領域における走査回数が多くなるので、記録ヘッドが持っているバラツキが軽減され、画像品位が向上する。
しかし、近年フォトプリントの需要拡大により、高品位な記録媒体に対する記録においても、印刷の高品位化のみならず、印刷速度のさらなる高速化が求められている。かかる状況の下、高品位な記録媒体に対する記録においても、印刷速度が速い低パス記録方式の採用が求められている。
しかしながら、吐出エネルギーの発生源に電気熱変換素子を用いた記録ヘッドにおける低パス記録方式の採用にあたって、ヘッド昇温による濃度ムラに関する新たな課題が顕在化した。これまでも、ヘッドの昇温により、吐出量が増大し、濃度ムラが発生することはよく知られていた。例えば複数枚の連続印刷で、ヘッドの蓄熱が徐々に大きくなることによって発生するページ間の濃度ムラや、スキャンの書き出しと書き終わりでヘッド温度が異なることで、隣り合うバンド間の濃度ムラが発生することがしばしばあった。これらを解消するための手段としては、ヘッド温度を検知して、大ドットと小ドットの打ち込み比率を変える方法(特許文献1)や、吐出されるインク滴の数をカウントして電気熱変換素子への電圧印加時間を短く設定する方法(特許文献2)があった。
特開2005−280068号公報 特開平8−156258号公報
しかし、上記特許文献1、2に開示されている発明は、記録ヘッドの吐出面全体の温度がほぼ均一に上昇し、ヘッド全体(各色列)の吐出量がほぼ均一に多くなってしまう場合を想定した発明であった。
これに対し、本件発明者らは鋭意研究の結果、新たな課題を発見した。具体的には、1回のスキャンの間に記録ヘッドの温度がノズル列方向に分布を持つことにより、ノズル列内で吐出量に分布が発生し、結果、1回のスキャン内で濃度ムラが発生してしまう、とい課題である。以下、図を用いながらそのメカニズムについて順を追って説明する。
図1Aは、記録ヘッド60が記録媒体70上を走査(スキャン)する様子と印字される記録媒体70の様子を示したイメージ図である。また、図1Bは、記録媒体70をその裏面側から見た透視図であり、図1Aのような記録ヘッド60のスキャンによって行われる低パス記録(ここでは2パス記録)のイメージを示している。さらに、図1Bは、記録ヘッド60の表面のノズル配置の様子も併せて示している。
図1Bに示すように、ヒーター61、発泡室62、流路63、吐出口64からなるノズルを備えた記録ヘッド60が記録媒体70上を複数回スキャンすることで、いくつかのスキャンの重なりであるバンド80を形成しながら印字が行われる。このようにスキャンがなされるとき、スキャン前とスキャン後では発熱によりヘッド温度が異なることは従来から知られている。具体的には、スキャン後の方がスキャン前に比べてヘッド温度が高くなることが従来から知られている。
ここで新たに発見された課題は次のとおりである。低パス記録を行うことで、1回のスキャンにおいて打ち込むDUTYが多パス記録時と比べて多くなることで、スキャン中にノズル列中央の温度が高い温度分布が顕著に現れる。
この結果、図2に示すように、スキャン中に、ノズル列中央に対応する領域で濃度が高くなるような濃度分布が現れる。より具体的には、複数スキャン(図2では2スキャンを示す)で形成されるバンド(図2では2スキャンの重なり部を示す。)80の中で、ヘッドスキャン方向に対して垂直方向に濃度分布が発生する。これにより、バンド80のつなぎ部で濃度が薄い、白ムラなる新たな現象が発生する。
ここで、熱分布、濃度分布、ムラの発生メカニズムについてもう少し詳細に説明する。図3に示すように、断熱層である共通液室65(図1B)に挟まれたノズル列端部では、ノズル列配列方向およびノズル列方向へ熱が拡散して放熱されていく。これに対し、ノズル列中央では、ノズル列配列方向に断熱層である共通液室があるため、放熱が不十分で蓄熱されやすい。また図示はしていないが、上記の放熱に関して、ヘッドの平面方向だけでなく、深さ方向に対しても上記と同じことが言える。これらの結果、ノズル列中央の温度が相対的に高くなり、それに追従して濃度も、ノズル列中央において濃くなる。結果として、濃度分布をもつスキャンが重ね合わされるバンド内でムラが発生する。この傾向はノズル列の配列間隔が小さくなるほど顕著であることも分かっている。
ここで、従来から、印字スキャンを繰り返すと、ヘッドの中央(主にノズルを備えた基板ではなく、その下層の基板支持部材)に蓄熱され、ヘッド中央が熱くなり、濃度分布が発生するという類似の課題が報告されている(特許文献3)がある。しかし、この課題と、本願発明が解決しようとする課題とが決定的に異なるのは、1スキャン中という短時間の間に、しかも熱伝導性が極めて高いノズル基板が、吐出最中に瞬間的に熱分布を持つことが原因で(図2参照)、濃度分布が発生することである。逆に言うと、その基板の瞬間的な熱分布は、連続する2つのスキャンの間の吐出休止時間内で平面方向、深さ方向に十分に放熱(熱伝導)され、熱分布は大幅に緩和される。すなわち、次スキャン時の書き出しには濃度分布はほとんどなくなるということである。
吐出口と、前記吐出口に連通する発泡室と、前記発泡室内に設けられた電気熱変換素子とを含むノズルが主走査方向と垂直な向きに複数並べられてなるノズル列が、前記主走査方向に沿って複数配列され、隣接する前記ノズル列の間に、それらノズル列を構成する複数のノズルのそれぞれに流路を介して連通する共通液室が設けられた記録ヘッドにおいて、各ノズル列を構成している各ノズルの前記吐出口の大きさは一定であり、各ノズル列を構成している各ノズルの前記電気熱変換素子は、ノズル列中央に位置するノズルの電気熱変換素子が最小であり、ノズル列端部に近いノズルの電気熱変換素子ほど大きく、各ノズル列を構成している各ノズルにおけるインク吐出方向の流抵抗と共通液室方向の流抵抗との比は、ノズル列中央に位置するノズルにおいて最大であり、ノズル列端部に近いノズルほど小さいことを特徴とする。
本発明によれば、低パス記録時に発生するスキャン内の濃度ムラが低減され、バンド内における濃度ムラが抑制される。
記録ヘッドが記録媒体上を走査(スキャン)する様子と印字される記録媒体の様子を示す図である。 図1Aに示す記録ヘッドのスキャンによって行われる低パス記録の様子を示す図である。 スキャン中に、ノズル列中央に対応する領域で濃度が高くなるような濃度分布が現れる様子を示す図である。 記録ヘッドの発熱放熱メカニズムとスキャン中の記録ヘッドの温度分布を示す図である。 本発明に係る記録ヘッドを適用可能な記録装置の一例を示す斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの構成および該記録ヘッドのスキャン書き出し時の温度分布と画像イメージ、スキャン書き終わり時の温度分布と画像イメージを示す図である。 比較例である記録ヘッドの構成および該記録ヘッドのスキャン書き出し時の温度分布と画像イメージ、スキャン書き終わり時の温度分布と画像イメージを示す図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの構成および該記録ヘッドのスキャン書き出し時の温度分布と画像イメージ、スキャン書き終わり時の温度分布と画像イメージを示す図である。 実施形態3に係る記録ヘッドの構成および該記録ヘッドのスキャン書き出し時の温度分布と画像イメージ、スキャン書き終わり時の温度分布と画像イメージを示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態の一例について詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図4は、本発明のインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と称する。)が適用される記録装置の一例を示す概略図である。図示されている記録装置50は、シリアルスキャン方式の記録装置であり、記録ヘッド51と、その記録ヘッド51にインクを供給するインクタンク(不図示)が搭載されるキャリッジ52が軸53、54に沿って矢印A方向(主走査方向)に往復移動する。なお、記録ヘッド51とインクタンクは、インクジェットカートリッジを構成するものであってもよい。いずれの場合もキャリッジ52は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復駆動される。
記録媒体としての用紙Pは、記録装置50の前端部に設けられた挿入口55から挿入された後、その搬送方向が反転されてから、送りローラ56によって矢印B方向(副走査方向)に搬送される。記録装置50は、記録ヘッド51を主走査方向に移動させつつ、プラテン上の用紙Pのプリント領域に向かってインク滴を吐出させる記録動作と、その記録幅に対応する距離だけ用紙Pを副走査方向に搬送する搬送動作とを繰り返す。この記録動作と搬送動作の繰り返しによって、用紙P上に順次画像が記録される。
キャリッジ52の移動領域の一方の端部(図4では紙面左側の端部)には、キャリッジ52に搭載された記録ヘッド51の吐出口形成面と対向する位置に、回復系ユニット(回復処理手段)58が設けられている。回復系ユニット58には、記録ヘッド51の吐出口のキャッピングが可能なキャップと、そのキャップ内を負圧状態にするための吸引ポンプなどが備えられている。回復系ユニット58は、吐出口を覆ったキャップ内を負圧状態にすることにより、吐出口からインクを吸引排出させて、記録ヘッド51の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理を行う。また、キャップ内に向かって、吐出口からインクを吐出させることによって、記録ヘッド51の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理を行うこともできる。
以下、上記構造を有する記録装置50に適用することを前提として、本発明の記録ヘッドの実施形態についてさらに詳しく説明する。
(実施形態1)
本実施形態に係る記録ヘッドは、図4に示すように、基板1、ノズル列2、共通液室3、発泡室4、電気熱変換素子(ヒーター5)および流路6を有する。図4には、本実施形態に係る記録ヘッドのスキャン書き出し時の温度分布と画像イメージ、スキャン書き終わり時の温度分布と画像イメージを併せて示してある。
ノズル列2は、記録ヘッドの主走査方向と直交する第1の方向に沿って並べられた複数のノズルの集合である。各ノズル列2を構成している各ノズルは、吐出口7と、吐出口7が連通する発泡室4と、発泡室内に配置されたヒーター5と、発泡室4と共通液室3とを連通させる流路6とから構成されている。さらに、ノズル列2は、記録ヘッドの主走査方向と平行な第2の方向に沿って複数配列されている。換言すれば、ノズル列2は、第1の方向と直交する第2の方向に沿って複数配列されている。
共通液室3は、隣接するノズル列2の間に挟まれている。共通液室3は、それぞれの発泡室4に供給されるインクを貯留しておくための空間であって、各流路6を介して各発泡室4に連通している。それぞれの発泡室4内に配置されたヒーター5は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、インクに、該インクに発泡を生じさせるためのエネルギーを付与する。
ノズル列2を構成している吐出口7の開口面積は略一定(吐出量略一定)であるが、ヒーター5の面積(大きさ)は異なる。具体的には、各ノズル列2の中央から端部にかけてヒーター5の面積が段階的に大きくなっている。換言すれば、ノズル列中央に位置するノズルのヒーター5が最小であり、ノズル列端部に近いノズルのヒーター5ほど大きい。さらに、インク吐出方向の流抵抗(以下、「前方抵抗」とも称す。)と共通液室方向の流抵抗(以下、「後方抵抗」とも称す。)の比(=前方抵抗/後方抵抗)が、ノズル列2の端部ほど小さい。換言すれば、前方抵抗と後方抵抗との比は、ノズル列中央に位置するノズルにおいて最大であり、ノズル列端部に近いノズルほど小さい。
次に、上記構成により濃度ムラが解消されるメカニズムについて順を追って説明する。図6に、比較例とする従来の記録ヘッドの構成および該記録ヘッドのスキャン書き出し時の温度分布と画像イメージ、スキャン書き終わり時の温度分布と画像イメージを示す。この記録ヘッドでは、各ノズル列12を構成している吐出口17の開口面積は略一定(吐出量略一定)であり、ヒーター15の大きさも略一定である。さらに、前方抵抗と後方抵抗も略一定(=前方抵抗/後方抵抗=1)である。
図6に示すように、比較例では、スキャン書き出し時におけるノズル列方向の温度分布はほぼ均一である。しかし、スキャン中にノズル列方向中央の温度が端部に比べて相対的に上昇している。温度が上昇したノズル列方向中央ではインクの吐出量が増加し、画像イメージ中の対応領域の濃度が濃くなる。結果、図6に示すスキャン書き終わり時の画像イメージのような濃度ムラが発生する。この点は既に説明したとおりである。
上記のような課題に対する対策としては、大きく分けて次の2つの方法が考えられる。1つは、ノズル列中央の放熱経路を充実させるなどして、ノズル列中央の温度を下げることで、ノズル列中央の温度を端部の温度に近づける方法である。他の1つは、放熱経路はそのままで、ノズル列端部の熱を積極的に上昇させることで、ノズル列端部の温度を中央の温度に近づける方向である。
本発明は、上記2つの方法のうち、後者の方法に基づいてなされたものである。すなわち、図5に示すように、ノズル列端部のヒーター5をノズル列中央のヒーター5に比べて相対的に大きくすることによって、ノズル列端部の発熱量を積極的に上昇させるものである。換言すれば、放熱性に優れるノズル列端部において、その放熱に負けない発熱をさせることで、ノズル端部と中央の温度差を緩和するものである。その結果、図5のスキャン書き終わり時の画像イメージに示すように、ノズル列端部に対応する領域の濃度が濃くなり、全体的に均一な濃度分布を得ることができる。
しかし、ノズル列端部と中央でノズル形状を同じくしたまま、ノズル列端部のヒーター5を大きくすると、ノズル列端部だけ吐出速度が増大してしまう。結果、ノズル列端部のヒーター5を相対的に大きくすることで、ノズル列内におけるスキャン中の温度上昇を略均一に維持できたとしても、ノズル列端部の吐出口7から吐出されるインク滴の着弾ドット形状だけが異なり、スジやムラが発生する。これを防ぐためには、ノズル列端部に近いノズルほどその吐出効率を下げることが必要となる。すなわち、前方抵抗と後方抵抗の比(=前方抵抗/後方抵抗)を、ノズル列端部に近いノズルほど小さくする必要がある。
そのために、本実施形態に係る記録ヘッドでは、ノズル列端部ほど流路6の断面積を大きくすることで、後方抵抗を下げ、発泡時に流路方向へ発泡圧が逃げやすくなる構成とした。これにより、ノズル列端部ほど吐出効率が下がり、結果としてノズル列内における吐出速度が略一定に維持される。なお、図5には、流路6の幅を広げることで流路6の断面積を大きくした例を示してあるが、流路6の高さを高くして断面積を大きくしてもよい。
また、図示はしていないが、ノズル列2内のヒーター5の電気抵抗を均一にすると、列内のヒーター5に接続される配線を共通化でき、電気回路上シンプルな構成とすることができるため、シュリンクによるコストダウンをしやすい。そのため、サイズが大きいヒーター5ほどアスペクト比を小さくし、ノズル列2内の全てのヒーター5の抵抗値を同一することが好ましい。ここで、ヒーター5のアスペクト比とは、ヒーター5の第2の方向の長さと、第1の方向の長さとの比(第1の方向の長さ/第2の方向の長さ)を意味する。換言すれば、ヒーター5の主走査方向の長さと、ノズル列方向の長さとの比を意味する。
(実施形態2)
以下、本発明の記録ヘッドの実施形態の他例について説明する。もっとも、本実施形態に係る記録ヘッドの基本構成は、実施形態1に係る記録ヘッドのそれと共通である。そこで、重複する説明は極力省略し、実施形態1に係る記録ヘッドとの相違点についてのみ以下に説明する。
図7に、本実施形態に係る記録ヘッドの構成および該記録ヘッドのスキャン書き出し時の温度分布と画像イメージ、スキャン書き終わり時の温度分布と画像イメージを示す。
本実施形態に係る記録ヘッドにおいても、ノズル列端部のヒーター5を中央のそれに比べて大きくすることによって、全体的に均一な濃度分布が得られるようにしてある。
また、本実施形態に係る記録ヘッドについても、ノズル列端部ほど吐出効率を下げる必要がある。そのため、本実施形態に係る記録ヘッドでは、各ノズルの吐出口7の内周面7aを液体の吐出方向に沿って外広がりとなるテーパ面にすると共に、ノズル列端部に位置する吐出口7ほど、内周面7aのテーパ(傾斜)を小さくしてある。これにより、吐出方向の流抵抗が相対的に大きくなる。結果、ノズル列端部ほど、発泡時に吐出方向へ発泡圧が流れ難くなり、吐出効率が下がる。すなわち、ノズル列内の吐出速度、吐出量が略一定に維持される。なお、好ましいヒーター5のアスペクト比については、実施形態1で述べたとおりである。
(実施形態3)
以下、本発明の記録ヘッドの実施形態の他例について説明する。もっとも、本実施形態に係る記録ヘッドの基本構成は、実施形態1に係る記録ヘッドのそれと共通である。そこで、重複する説明は極力省略し、実施形態1に係る記録ヘッドとの相違点についてのみ以下に説明する。
図8に、本実施形態に係る記録ヘッドの構成および該記録ヘッドのスキャン書き出し時の温度分布と画像イメージ、スキャン書き終わり時の温度分布と画像イメージを示す。
本実施形態に係る記録ヘッドにおいても、ノズル列端部のヒーター5をノズル列中央のそれに比べて大きくすることによって、全体的に均一な濃度分布が得られるようにしてある。
また、本実施形態に係る記録ヘッドでは、各ノズルに、吐出口7を含む第1の吐出口部7bと、第1の吐出口部7bに段差をもって連続すると共に、第1の吐出口部7bの断面積より大きな断面積をもって発泡室4に連通する第2の吐出口部7cとを設けてある。
ここで、本実施形態に係る記録ヘッドについても、ノズル列端部ほど吐出効率を下げる必要がある。そのため、本実施形態に係る記録ヘッドでは、ノズル列端部ほど、第2の吐出口部7cを小さく形成してある。これにより、ノズル列端部ほど、発泡時に吐出方向へ発泡圧が流れ難くなり、吐出効率が下がる。結果、ノズル列内の吐出速度、吐出量が略一定に維持される。なお、好ましいヒーター5のアスペクト比については、実施形態1で述べたとおりである。
50 記録装置
51 ガイド軸
52 ガイド軸
53 キャリッジ
54 インクタンク
55 挿入口
56 送りローラ
57 プラテン
58 回復系ユニット

Claims (7)

  1. 吐出口と、前記吐出口に連通する発泡室と、前記発泡室内に設けられた電気熱変換素子とを含むノズルが第1の方向に沿って複数並べられてなるノズル列が、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って複数配列され、隣接する前記ノズル列の間に、それらノズル列を構成する複数のノズルのそれぞれに流路を介して連通する共通液室が設けられた記録ヘッドにおいて、
    各ノズル列を構成している各ノズルの前記吐出口の開口面積は一定であり、
    各ノズル列を構成している各ノズルの前記電気熱変換素子の面積は、ノズル列中央に位置するノズルの電気熱変換素子が最小であり、ノズル列端部に近いノズルの電気熱変換素子ほど大きく、
    各ノズル列を構成している各ノズルにおけるインク吐出方向の流抵抗と共通液室方向の流抵抗との比は、ノズル列中央に位置するノズルにおいて最大であり、ノズル列端部に近いノズルほど小さいことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 各ノズル列を構成している各ノズルにおける共通液室方向の流抵抗が、ノズル列中央からノズル列端部にかけて段階的に小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記流路の断面積が、ノズル列中央からノズル端部にかけて段階的に大きくなっていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 各ノズル列を構成している各ノズルにおけるインク吐出方向の流抵抗が、ノズル列中央からノズル列端部にかけて段階的に大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 各ノズル列を構成している各ノズルの前記吐出口の内周面は、液体の吐出方向に沿って外広がりとなるテーパ面であって、
    各ノズル列を構成している各ノズルのうち、ノズル列端部に近いノズルの前記吐出口ほど、前記テーパ面の傾斜が緩やかであることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記ノズルは、前記吐出口を含む第1の吐出口部と、前記第1の吐出口部に段差を持って連続すると共に、前記第1の吐出口部の断面積より大きい断面積をもって前記発泡室に連通する第2の吐出口部とを有し、
    各ノズル列を構成している各ノズルのうち、ノズル列端部に近いノズルほど前記第2の吐出口部の断面積が小さいことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 各ノズル列を構成している各ノズルの前記電気熱変換素子のアスペクト比(第1の方向の長さ/第2の方向の長さ)が、ノズル列中央からノズル列端部にかけて段階的に小さくなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
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