JP5451356B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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本発明は、複数の記録ヘッドにより異なる種類のインクをそれぞれ吐出させることにより、記録媒体上に高品質のカラー画像を得ることができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、低騒音、低ランニングコストに構成でき、装置の小型化およびカラー化が容易であることなどの理由からプリンタ、複写機、ファクシミリ等に広く利用されている。一般に、カラーインクジェット記録装置では、シアン、マゼンタ、イエローの3色のカラーインクに黒インクを加えた4色のインクを使用してカラー記録するのが通例である。カラーインクジェット記録装置では、1つの記録領域に対して1回の記録走査(1パス記録)、または複数回の記録走査(マルチパス記録)を行うことにより記録画像を形成する記録方法があり、より高画質を求める場合にはマルチパス記録を行う。ここで記録のパス数とは、1ラインを完成させるのに必要なキャリッジの走査回数のことである。マルチパス記録においても、高速化記録を実現するために、記録ヘッドの往復走査において記録を行うことで無駄な走査を無くす記録(双方向記録)が取り入れられている。
カラーインクジェット記録装置では、記録媒体に対するインクの打ち込み順序が画質を左右することがある。その1つに打ち込み順ムラがある。これは、異なるインクのノズル列が主走査方向に並列している場合に双方向記録を行うと、往路におけるインク打ち込み順序と復路におけるインク打ち込み順序とが異なるために、往路記録と復路記録において濃度差や色調差などが発生する現象である。これらの不都合は、1回の走査で画像を完成させてしまう1パス記録や、1回の走査で比較的多くのインク量を記録する少ないパス数のマルチパス記録において発生が顕著となる。
この点を回避するために、各インクの使用ノズル列の幅および位置をそれぞれ独立に制御する従来技術(特許文献1)を用いる方法がある。特許文献1による発明の一実施形態では、設定された記録条件を取得もしくは参照して、設定された記録条件に応じて、各ノズル列において使用する部分(使用ノズル部)の幅および位置をそれぞれ独立に設定するものとなっている。例えば、記録条件として画質の異なる複数の記録モードが設定可能な構成において、高品質な画像の記録を行う高画質記録モードが設定されている場合には、各記録領域のインク打ち込み順序が常に一定になるように使用ノズル幅および位置を設定している。また、画質よりも記録速度を重視した高速記録モードが設定されている場合には、各ノズル列における使用ノズル幅を可能な限り広い範囲に設定するようになっている。
高画質記録モードのように、各インクの使用ノズル列の幅および位置をそれぞれ独立に制御する従来技術(特許文献1)を用いる。これによって、各記録領域間のインク打ち込み順を一定にすることが可能になり、インク打ち込み順による色ムラ等を低減し、高画質な画像を得ることができる。
特開2002−307672号公報
しかしながら、インク打ち込み順序を一様に制御するために、各ノズル列を使用ノズル部分と不使用ノズル部分とに分離した記録モードを高頻度かつ長時間使い続けると、次のような不都合が生じる場合が確認されている。
基本的にインクジェット記録装置の記録ヘッドにあるインク吐出用ノズルは、使用時間および吐出回数により、吐出機構部(ヒーター等)の劣化が見られ、長期的な使用と共にインク吐出が正常ではなくなることが確認されている。これは、インク吐出量や吐出速度の低下の原因とされている。また、不使用ノズルにおいても、ノズル内のインクは吐出されずに長時間放置され続けるために、吐出口から水分のみが蒸発していき、特に吐出口付近の顔料濃度が上がってしまう現象が見られる。さらに周囲からの熱および湿度などの影響(外的ストレス)を受けると、インクの特性によっては、ノズル内で異物が発生して吐出口周辺やノズル内壁面に付着し、適正なインク滴の吐出を阻害してしまうものも確認されている。従って、ノズル列内において使用ノズル部分と不使用ノズル部分とに分離し、使用ノズル部分のみを高頻度かつ長時間使い続けると、使用ノズル部分と不使用ノズル部分との間で、ノズル内のインク濃度差やインクの吐出量や吐出速度の差が生じる場合がある。
使用ノズル部分と不使用ノズル部分との間でインク濃度差または吐出量や吐出速度の差が生じたノズル列において、ノズル列全域を使用する記録モード(高速記録モード)に切り替えて記録を行うとする。この場合、仮にノズル列全域で均等な打ち込み量で記録を行ったとしても、その前に選択されていた記録モード(高画質記録モード)において、使用されていたノズル部分と使用していないノズル部分との間で、記録画像濃度が均一にならずに濃度ムラが発生する。
このような画像欠陥は、最も記録速度が速い1パス記録のみならず、ある程度の高画質が求められる2パス以上のマルチパス記録においても発生することがあり問題となる。ここで高画質記録モードにおいて、例えば下流側3分の1のみ使用するように制御したシアン(C)用ノズル列にて、前述したような使用ノズル部の吐出不良が発生し、使用ノズル部のインク吐出量が不使用ノズル部のインク吐出量に比べて明らかに低下したとする。そしてその後に、ノズル列全域を使用する高速記録モードが選択された場合を例に説明する。以降は簡略化のために、シアンインクのみを単色で記録する場合で説明する。
図1(a)、(b)は、マルチパス記録による記録の様子を示した図である。図1(a)は2パス記録、図1(b)は4パス記録のマルチパス記録で、濃度が均一なシアンベタ画像を記録した場合の記録画像である。2パス記録および4パス記録の双方とも正常な濃度部とインク吐出不良による濃度低下部との境界が、毎回の主走査における記録領域の間に位置するため、それぞれ計2回あるいは計4回の主走査で完成される記録画像に濃度ムラが発生してしまう。結果として、濃度が均一な画像を記録したはずなのに、副走査方向に濃度の濃淡が連続した縞状のムラとなり、画像品質を低下させる。特に、記録速度よりも画質が重視される2パス以上のマルチパス記録は、高品質な画像を求められる記録モードであるが故に、濃度ムラの発生はことさら問題となる。
そこで本発明は、高画質記録モードにおける使用ノズルと不使用ノズルの間にてインク吐出状態が変わることによる記録濃度差が発生したとしても、濃度ムラの発生を防止し、高品質な画像を形成し得るインクジェット記録装置と方法を実現することを目的とする。
そのため本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出する複数のノズルが配列された記録手段を、搬送手段により搬送される記録媒体に対して走査させることにより前記記録媒体に画像を記録するように、前記記録手段および前記搬送手段を制御する制御手段を備えたインクジェット記録装置であって前記制御手段は、前記記録手段の連続する2回の走査において前記記録媒体を第1の量搬送し、前記複数のノズルのうち前記配列の方向に連続する第1の範囲に含まれるノズルを用いて、前記記録手段の少なくとも2回の走査により前記記録媒体上の所定領域に画像を記録するように前記記録手段および前記搬送手段を制御する第1記録モードと、前記記録手段の連続する2回の走査において前記記録媒体を前記第1の量以下である第2の量搬送し、前記複数のノズルのうち前記配列の方向に連続する前記第1の範囲よりも短い第2の範囲であって、前記第1の量の整数倍の量に対応する前記第2の範囲に含まれるノズルを用いて、前記所定領域に画像を記録するように前記記録手段および前記搬送手段を制御する第2記録モードと、に従って画像を記録するように制御することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、インクを吐出する複数のノズルが配列された記録手段を、搬送手段により搬送される記録媒体に対して走査させることにより前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって前記記録手段の連続する2回の走査において前記記録媒体を第1の量搬送し、前記複数のノズルのうち前記配列の方向に連続する第1の範囲に含まれるノズルを用いて、前記記録手段の少なくとも2回の走査により前記記録媒体上の所定領域に画像を記録するように前記記録手段および前記搬送手段を制御する第1記録工程と、前記記録手段の連続する2回の走査において前記記録媒体を前記第1の量以下である第2の量搬送し、前記複数のノズルのうち前記配列の方向に連続する前記第1の範囲よりも短い第2の範囲であって、前記第1の量の整数倍の量に対応する前記第2の範囲に含まれるノズルを用いて、前記所定領域に画像を記録するように前記記録手段および前記搬送手段を制御する第2記録工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によればインクジェット記録装置は、第2記録モードにおける、少なくとも1つのノズル列での記録幅が、同じ記録領域に対して少なくとも2回の走査で記録を行う第1記録モードにおける、記録媒体の搬送量の整数倍となっている。これによって、高画質記録モードにおける使用ノズルと不使用ノズルの間にてインク吐出状態が変わることによる記録濃度差が発生したとしても、濃度ムラの発生を防止し、高品質な画像を形成し得るインクジェット記録装置と方法を実現することができる。
(a)、(b)は、マルチパス記録による記録の様子を示した図である。 カラーインクジェット記録装置の構成を示す概略斜視図である。 図2に示した記録ヘッドの要部斜視図である。 インクジェット記録装置のブロック図である。 (a)はノズル設定切り替えシーケンスの一例を示すフローチャートであり、(b)は、本実施形態において選択され得る記録モードを示した表である。 (a)は、高画質記録モードのノズルの使い方を示した図であり、(b)は、画像記録時のインク打ち込み順を模式的に示した図である。 (a)から(c)は、吐出異常が発生した状態で記録を行った場合の、記録の様子と記録結果とを示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。
(基本的構成)
(カラー記録装置の説明)
図2は、本発明を適応可能なカラーインクジェット記録装置の一実施形態の構成を示す概略斜視図である。インクカートリッジ202は、である。この図では、4色のカラーインク(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)がそれぞれ入れられたインクタンクと、記録ヘッド201から構成されている。紙送りローラ103とで補助ローラ104とは、記録紙107を押さえながら図中の矢印方向に回転し記録紙107の給紙を行う。キャリッジ106は、4つのインクカートリッジを支持し、搭載するインクカートリッジ202および記録ヘッド201を記録とともに移動させる(記録行程)。このキャリッジ106は、不図示の駆動部によって駆動され、記録装置が記録を行っていないとき、あるいは記録ヘッド201の回復動作を行うときには、図の点線で示したホームポジション位置に待機するように制御される。
記録開始前、図の位置(ホームポジション)に位置するキャリッジ106は、記録開始命令がくると、x方向に移動しながら記録ヘッド201に設けられた記録素子を駆動して紙面上に記録ヘッドの記録幅に対応した領域の記録を行う。キャリッジの走査方向に沿って、紙面端部まで記録が終了すると、キャリッジは元のホームポジションに戻り、再びx方向への記録を行う。前回の記録走査が終了してから、続く記録走査が始まる前に紙送りローラ103が図に示した矢印方向へ回転して必要な幅だけy方向への紙送りが行われる。このように記録のための主走査と紙送りとを繰り返すことにより一紙面上への記録が完成する。記録ヘッドからインクを吐出する記録動作は、記録制御手段(不図示)からの制御に基づいて行われる。
また、記録速度を高めるため、一方向への主走査時のみ記録を行うのではなく、x方向への主走査の記録が終わりキャリッジをホームポジション側へ戻す際の復路においても記録を行う構成であってもよい。
また、回復動作を行う位置には、記録ヘッドの吐出口面をキャップするキャッピング手段(不図示)や、キャッピング手段によるキャップ状態で記録ヘッド内の増粘インクや気泡を除去する等のヘッド回復動作を行う回復ユニット(不図示)が設けられている。また、キャッピング手段の側方には、クリーニングブレード(不図示)等が設けられ記録ヘッド201に向けて突出可能に支持され、記録ヘッドの前面との当接が可能となっている。これにより、回復動作後に、クリーニングブレードを記録ヘッドの移動経路中に突出させ、記録ヘッドの移動にともなって記録ヘッド前面の不要なインク滴や汚れ等の払拭が行われる。
(記録ヘッドの説明)
次に、上述した記録ヘッド201について図3を参照して説明する。図3は、図2に示した記録ヘッド201の要部斜視図である。記録ヘッド201は、図3に示すようにそれぞれが所定のピッチで複数の吐出口300が形成されており、共通液室301と各吐出口300とを連結する各液路302の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための記録素子303が配設されている。また、吐出口300は図のように列状に設けられてノズル列を形成している。また、実際の記録ヘッド201では、このようなノズル列が複数配列されており、インクの色ごとに分けられている。記録素子303とその回路はシリコン上に半導体製造技術を利用して作られている。また、温度センサ(不図示)、サブヒータ(不図示)も同一シリコン上に半導体製造プロセスと同様のプロセスで一括形成される。これらの電気配線が作られたシリコンプレート308を放熱用のアルミベースプレート307に接着している。また、シリコンプレート上の回路接続部311とプリント板309とは超極細ワイヤー310により接続され記録装置本体からの信号は信号回路312を通して受け取られる。液路302および共通液室301は射出成形により作られたプラスチックカバー306で形成されている。共通液室301は、前述したインクタンク(図2参照)とジョイントパイプ304とインクフィルター305を介して連結しており、共通液室301にはインクタンクからインクが供給される構成となっている。インクタンクから共通液室301に供給されて一時的に貯えられたインクは、毛管現象により液路302に侵入し、吐出口300でメニスカスを形成して液路302を満たした状態を保つ。このとき、電極(不図示)を介して記録素子303が通電されて発熱すると、記録素子303上のインクが急激に加熱されて液路302内に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐出口300からインク滴313が吐出される。
(制御構成の説明)
次に、装置構成の各部の記録制御を実行するための制御構成(制御行程)について、図4に示すブロック図を参照して説明する。記録制御部500は、外部のインターフェース400と接続されるゲートアレイ400と、MPU401と、ROM402と、DRAM403とを備えている。ROM402は、MPU401が実行する制御プログラムを格納するプログラムROMであり、DRAM403は、各種データ(記録データ等)を保存しておくダイナミック型のRAM(DRAM)であり、記録ドット数や、記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。ゲートアレイ404は、記録ヘッドに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース400、MPU401、DRAM403間のデータの転送制御も行う。キャリッジモータ406は、記録ヘッドを搬送するためのキャリアモータ(CRモータ)であり、紙送りモータ405は、記録用紙搬送(搬送行程)のための搬送モータ(LFモータ)である。モータドライバ407、408は、夫々搬送モータ405、キャリアモータ406を駆動するモータドライバである。ヘッドドライバ409は、記録ヘッド201を駆動するヘッドドライバである。
(特徴的構成)
以下、本実施形態における特徴的な構成について説明する。本発明の実施形態では、プリンタドライバやプリンタ本体に設定された記録条件を取得もしくは参照して、設定された記録条件に応じて、各インクのノズル列において使用する部分(使用ノズル部)の幅および位置をそれぞれ独立に設定するものとなっている。例えば、記録条件として画質の異なる複数の記録モードが設定可能な構成において、高画質の記録モードが設定されている場合には、各記録領域間のインク打ち込み順序が常に固定されるように使用ノズル部の幅および位置を設定するようになっている。また、高速に画像を記録する記録モードが設定されている場合には、各インクとも使用ノズル幅を可能な限り広い範囲に設定された1パス記録または2パス以上の複数回走査によって記録を行うマルチパス記録が行われるように設定される。
本発明は、インク打ち込み順序が常に固定されるように、使用ノズル部の幅および位置が設定された高画質記録モードを多用する。これにより、少なくとも1種類のインクの使用ノズル部と不使用ノズル部の間に、インク濃度または吐出量または吐出速度等の差が発生しても、2パス以上のマルチパス記録における記録品質に影響が及ばないように高画質記録モードの使用ノズル部の幅を決定する。これについて、以下に具体的実施形態を説明する。
図5(a)は、本実施形態を実行するノズル設定切り替えシーケンスの一例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。まずノズル設定切り替えシーケンスが開始されると、ステップS001において記録するデータを読み込む。次に、ステップS002において記録データに付随しているヘッダ情報等から記録するべき記録モードの情報を入手する。次に、ステップS003において記録モードに応じた判別を行い、高速記録モードであればステップS004に移行して高速記録モード用のノズル設定を行い、高画質記録モードであればS005に移行して高画質記録モード用のノズル設定を行う。
図5(b)は、本実施形態において選択され得る記録モードを示した表であり、高速記録モードとしては2パス、4パス、8パスのマルチパス記録、高画質記録モードとしては12パスのマルチパス記録と計4種類の記録モードが設定されている。これらの記録モードは、パス数が少なくなるほどより高速に、パス数が多くなるほどより高画質になり、記録目的や要求画質に対し自由に設定できるようになっている。
図6(a)は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクを搭載したインクジェット記録装置における高画質記録モード(第2記録モード)(12パス記録)のノズルの使い方を示した図である。全長1インチである各ノズル列には1200個のノズルが等間隔に配置されており、3色分のノズル列が主走査方向に並んでいる。本実施形態のインクジェット記録装置は、各ノズル列の全域を使った高速記録モードも選択実行できるよう、各ノズル列のノズルは副走査方向に対して同じ位置に配置され、1走査あたり、副走査方向に最高1200dpiの解像度で記録が可能である。
高画質記録モード(12パス記録)の多用により、使用ノズル部と不使用ノズル部の間に、インク吐出量または吐出速度等の差による記録濃度差が発生する。そこで、そのような特性を持つことが分かっている(または予想される)インクについては、ノズル列中の使用ノズル部の幅を、高画質記録モード以外の記録モード(つまり、高速記録モード)での副走査1回分の長さ(記録媒体送り量)の整数倍とする。ここで高速記録モード(第1記録モード)は、2パス、4パス、8パスと3種類設定されているので、この場合は、使用ノズル部の幅をこれら2パス、4パス、8パスの最大公約数となるパス数、つまり2パス記録の副走査1回分の長さの整数倍にする必要がある。
ここで、シアンインクのみが記録濃度差が発生するインクだとすると、記録におけるシアンインクの使用ノズル幅は、「2パス記録」での副走査1回分の長さの整数倍としなければならない。2パス記録時の副走査1回分の長さ(記録媒体送り量)は、ノズル列長の2分の1(600ノズル分)となるので、600ノズル分の長さの整数倍として本実施形態ではノズル幅は、600ノズル分か1200ノズル分の長さの2パターンとなる。しかし、シアン用ノズルで全ノズル数にあたる1200ノズル分を使用ノズルとして設定すると、インク打ち込み順を制御できなくなってしまうので、この場合のシアン用ノズルにおける使用ノズル幅は、必然的に600ノズル分の長さと決定される。
使用ノズル部と不使用ノズル部の間で記録濃度差が発生しないマゼンタ(M)とイエロー(Y)については、シアン(C)の使用ノズル部とオーバーラップしないように、残り600ノズルを2分割した300ノズル分ずつ使用ノズル幅として使用することとする。しかし、互いの使用ノズル部がオーバーラップさえしなければ、マゼンタ(M)とイエロー(Y)の使用ノズル部については、図6(a)に示したような方法に限らない。
図6(b)は、図6(a)で決められた本実施形態における高画質記録モードのノズル使用法における画像記録時のインク打ち込み順を模式的に示した図である。これによると各記録領域は、まず下方600ノズル分の使用ノズルによって6パス記録によるシアン画像が形成され、次に中間300ノズル分の使用ノズルによって3パス記録によるマゼンタ画像が形成される。そして最後に上方300ノズル分の使用ノズルによって3パス記録によるイエロー画像が形成され、画像記録が完成される。つまり、全ての記録領域がシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順で画像形成が行われ、インク打ち込み順が一定となる。
ここで、本実施形態において、高画質記録モードが高頻度かつ長時間使われたために、シアンノズル列の使用ノズル部にのみ吐出異常が発生した場合を考える。この場合、高画質記録モード時の使用ノズル部と不使用ノズル部を同時に使った1パス記録にて、均一なベタ画像を記録しても、記録画像には使用ノズル部と不使用ノズル部の濃度差となって現れてしまう。なおここでは、使用ノズル部の記録画像が、不使用ノズル部の記録画像に比べて明らかに高明度になってしまう現象であるとする。
本実施形態の高画質記録モードにおけるシアンノズル列は、ノズル列の下方半分の600ノズルを使用ノズルとし、残り上方600ノズルは不使用ノズルとしている。そのため、使用ノズル部に吐出異常が発生したことで、記録結果にできる濃度差の境界線は、ノズル列の丁度半分の位置になる。
図7(a)から(c)は、ノズル列の半分の使用ノズル部に吐出異常が発生した状態で、ノズル列全域を使用してマルチパス記録を行った場合の、記録の様子と記録結果とを示した図である。図7(a)2パス記録、図7(b)4パス記録、図7(c)8パス記録による記録をそれぞれ示している。図7(a)から(c)のいずれのパス数の記録においても、使用ノズル部と不使用ノズル部の濃度差による境界線は、主走査毎の記録領域の境界線と合致する。つまり、2パス記録において1パス目で生じた濃度差による境界線は、2パス目の記録終端部に当たるため濃度ムラの発生はない。また4パス記録において1パス目で生じた濃度差による境界線は、3パス目の記録終端部に当たるため濃度ムラの発生はない。さらに8パス記録において1パス目で生じた濃度差による境界線は、5パス目の記録終端部に当たるため濃度ムラの発生はない。このように、いずれのパス数においても、完成された画像には濃淡の縞として現れる濃度ムラが発生しない。
このように、高画質記録モードにおける、少なくとも1つのノズル列での記録幅を、同じ記録領域に対して少なくとも2回の走査で記録を行う高速記録モードにおける、記録媒体の搬送量の整数倍とする。これによって、高画質記録モードにおける使用ノズルと不使用ノズルの間にてインク吐出状態が変わることによる記録濃度差が発生したとしても、濃度ムラの発生を防止し、高品質な画像を形成し得るインクジェット記録装置と方法を実現することが出来た。
(その他の実施形態)
上記実施形態で説明したインク構成、インク打ち込み順、設定された記録モードは一例に過ぎず、本発明の実施形態はこれらに限らない。記録モードを使用するに従い使用ノズル部と不使用ノズル部との間に記録濃度差が発生し、使用ノズル部と不使用ノズル部を同時に使用する他のマルチパス記録モードの記録の際に濃度ムラを発生させてしまう場合に本発明は有効となる。
また、本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用紙等、さらには金属などの記録媒体を用いる機器全てに適用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や、工業用生産機器などを挙げることができる。また、本発明は、大型の記録媒体に対して高速に記録を行う機器などに特に有効である。
106 キャリッジ
201 記録ヘッド
300 吐出口
500 記録制御部

Claims (6)

  1. インクを吐出する複数のノズルが配列された記録手段を、搬送手段により搬送される記録媒体に対して走査させることにより前記記録媒体に画像を記録するように、前記記録手段および前記搬送手段を制御する制御手段を備えたインクジェット記録装置であって、
    前記制御手段は、前記記録手段の連続する2回の走査の間に前記記録媒体を第1の量搬送し、前記複数のノズルのうち前記配列の方向に連続する第1の範囲に含まれるノズルを用いて、前記記録手段の少なくとも2回の走査により前記記録媒体上の所定領域に画像を記録するように前記記録手段および前記搬送手段を制御する第1記録モードと、前記記録手段の連続する2回の走査の間に前記記録媒体を前記第1の量以下である第2の量搬送し、前記複数のノズルのうち前記配列の方向に連続する前記第1の範囲よりも短い第2の範囲であって、前記第1の量の整数倍の量に対応する前記第2の範囲に含まれるノズルを用いて、前記所定領域に画像を記録するように前記記録手段および前記搬送手段を制御する第2記録モードと、に従って画像を記録するように制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1の範囲は、前記複数のノズルの全てのノズルを含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記第2記録モードにおいて前記所定領域に対して画像を完成させるために前記記録手段が走査する回数は、前記第1記録モードにおいて前記所定領域に対して画像を完成させるために前記記録手段が走査する回数よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. インクを吐出する複数のノズルが配列された記録手段を、搬送手段により搬送される記録媒体に対して走査させることにより前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記記録手段の連続する2回の走査の間に前記記録媒体を第1の量搬送し、前記複数のノズルのうち前記配列の方向に連続する第1の範囲に含まれるノズルを用いて、前記記録手段の少なくとも2回の走査により前記記録媒体上の所定領域に画像を記録するように前記記録手段および前記搬送手段を制御する第1記録工程と、
    前記記録手段の連続する2回の走査の間に前記記録媒体を前記第1の量以下である第2の量搬送し、前記複数のノズルのうち前記配列の方向に連続する前記第1の範囲よりも短い第2の範囲であって、前記第1の量の整数倍の量に対応する前記第2の範囲に含まれるノズルを用いて、前記所定領域に画像を記録するように前記記録手段および前記搬送手段を制御する第2記録工程と、を備えることを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 前記第1の範囲は、前記複数のノズルの全てのノズルを含むことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記第2記録工程において前記所定領域に対して画像を完成させるために前記記録手段が走査する回数は、前記第1記録工程において前記所定領域に対して画像を完成させるために前記記録手段が走査する回数よりも多いことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のインクジェット記録方法。
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