JP2011079039A - サブマージアーク溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定のギャップ31を備えて相対させた一対の鋼板1,2を立向き姿勢で溶接するサブマージアーク溶接方法であって、被覆部材32によって溶接箇所22の裏側を覆い、溶接箇所22の裏面に面してフラックスを滞留させる空間33を形成し、溶接箇所22の表面に供給するフラックスの一部を溶接箇所22の上方でギャップ31を通過させて当該空間33に供給しつつ、溶接トーチ12により溶接箇所22をアーク溶接する。
【選択図】図2
Description
特許文献1に記載された溶接方法では、溶接箇所を側方から袋状のフラックス受けで覆い、該フラックス受け内にフラックスを供給しながら溶接を行う。
裏波ビードの酸化の防止及び裏波形状を整える方法としては、溶接箇所の裏側に裏当て金を密着させる方法が知られている(例えば特許文献2、特許文献3)
また、溶接箇所の表側だけでなく裏側にもフラックスを供給しようとすると、立向き姿勢の溶接ではフラックスを溶接箇所に滞留させることが困難であるとともに、表側にフラックスを供給するフラックス供給手段とは別に裏当て金と溶接箇所との間にフラックスを供給するフラックス供給手段を設けなければならず、溶接装置が複雑化してしまう。
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、裏波ビードの酸化を防止するとともに裏波形状を整えることが容易に可能な立向き姿勢のサブマージアーク溶接方法を提供することを目的とする。
また、本発明の請求項3に係る発明では、請求項1において、被溶接物の溶接箇所には片側開先が施され、被覆部材は内部が凹んで形成され、少なくとも前記隙間を覆うように配置されることを特徴とする。
また、請求項4において、請求項1〜3のいずれかにおいて、被覆部材は、アルミテープにより形成されることを特徴とする。
また、表側に供給されるフラックスの一部がギャップを通過して裏側に供給されるので、裏側用のフラックス供給手段を新たに備える必要がなく、また溶接箇所の形状に合わせて密着するような専用の形状の裏当て金を用意する必要もないので、容易に溶接箇所の裏面の酸化防止及び裏波形状の安定化を図ることができる。
本発明の請求項3に係るサブマージアーク溶接方法では、被覆部材により溶接箇所の裏側に空間が形成されるので、片側開先、例えばV字形、U字形の開先であっても容易に溶接箇所の裏面を覆うフラックスを滞留させることができる。
本発明の請求項4に係るサブマージアーク溶接方法では、アルミテープにより被覆部材が形成されるので、安価にかつ容易に被覆部材を設けることができる。
図1〜4は、本発明に係るサブマージアーク溶接方法の一実施形態の説明図であり、図1は、溶接時の状態を示す側面図、図2はフラックスの供給状態を示す溶接部の縦断面図、図3は溶接部の斜視図、図4は溶接部の水平断面図である。
本発明に係るサブマージアーク溶接方法は、上下方向に延びる溶接箇所を側方から溶接する立向き姿勢によって行われる。
サブマージアーク溶接は、フラックスを溶接箇所の表面に供給して覆い、その中で行われるアーク溶接である。フラックスは、被溶接物および溶加材の酸化物等の有害物を除去し、被溶接物の表面を保護する粉状の材料である。
サブマージアーク溶接には、例えば特開2007−307570号公報に記載されているようなアーク溶接装置が用いられる。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、鋼板1、2の突き合わせ部分には、あらかじめX字形の開先30が施されている。開先30は、鋼板1、2の間の最狭部に5mm程度の隙間(ギャップ31)が設けられるように設定されている。そして、このギャップ31に溶接トーチ12から溶接ワイヤ23を延ばして溶接しつつ、溶接トーチ12を下方から上方に移動することで、ギャップ31に下方から初層ビードが置かれる。なお、図4に示すように、フラックス受け10は、少なくとも開先30を覆うように横幅が設定されている。
ところで、一般的に用いられる下向きのサブマージアーク溶接方法では、表(上面)側に供給するフラックスと、裏(下面)側に供給するフラックスとで異なる種類のものが使用されている。これは、裏側にのみ溶接ビードのたれを抑えるように溶融性の低いフラックスを用いる必要性があるためである。これに対し、本実施形態では立向き姿勢の溶接により、表側と裏側とに供給するフラックスを共通化することができる。したがって、裏側専用のフラックス供給装置を必要とすることなく、表裏両面に同一のフラックス供給装置11からフラックスを供給することができ、アーク溶接装置3全体の簡素化を図ることができる。
例えば、図5に示すH字形の開先35のような両側開先の場合には、上記X字形の開先30の場合と同様に、被覆部材32を用いて溶接を行えばよい。
図6は、片側開先の一例であるV字形の開先40の溶接時における溶接部の一実施形態の断面図である。
図6に示すように、本実施形態では、溶接部に表側が開口したV字形の開先40が施されており、最狭部で前述の実施形態と同様に5mm程度の隙間(ギャップ42)が設けられている。
本実施形態では、被覆部材41は、例えば銅板により形成され、裏側に突出した形状となっており、鋼板1、2の裏面に取り付けることでその内部に空間43が形成される。
なお、被覆部材41が布状の柔らかい材質であってもよい。この場合、溶接箇所22の裏側に空間が形成可能なように弛みを持って鋼板1、2に取り付けておけば、フラックスの流入により自然と膨らんで内部にフラックスを滞留させることができる。あるいは、フラックスの流入により被覆部材41が自動的に膨らみ難い場合には、例えばフラックス流入前に作業者が細棒を用いて被覆部材41の内側を突いて膨らませることで、フラックスが滞留する空間43をあらかじめ形成しておいてもよい。
また、図7に示すU字形の開先45のような片側開先の場合には、上記V字形の開先40の場合と同様に、被覆部材41を用いて溶接を行えばよい。
被覆部材の材質に関しては、上記実施形態のようなアルミテープ、銅板の他に、各種鋼材、セラミック等、溶接時の温度上昇に耐えうる材質であればよい。
被覆部材の材質や取り付け方法は、溶接部からの距離や入熱に応じて選択するとよい。例えば、V字形やU宇形のような片側開先の場合は、X字形やH字形のような両側開先の場合と比較して溶接部から被覆部材の取り付け部までの距離が短いので、アルミテープを用いると糊が熱により劣化する虞がある。したがって、片側開先の場合には、アルミテープではなく、上記のように鋼板やセラミックを選択するとよい。入熱については、鋼板1、2の板厚及び材質、溶接金属材質、開先形状、溶接条件により変化するので、これらの条件に基づいて入熱を推定し、被覆部材の材質や取り付け方法を選択すればよい。
3 アーク溶接装置
22 溶接箇所
30、35、40、45 開先
31、42 ギャップ
32、41、50、52 被覆部材
33、43、51 空間
Claims (4)
- 所定の隙間を備えて相対させた一対の被溶接物の溶接箇所の表面を覆うようにフラックスを供給しつつ、アーク溶接装置により側方から前記溶接箇所をアーク溶接する立向き姿勢のサブマージアーク溶接方法であって、
前記アーク溶接装置により溶接する側とは反対側である前記溶接箇所の裏側を被覆部材によって覆い、前記溶接箇所の裏面に面してフラックスを滞留可能な空間を形成し、
前記溶接箇所の表面に供給するフラックスの一部を前記溶接箇所の上方で前記隙間を通過させて前記空間に供給しつつ、前記アーク溶接装置により前記溶接箇所をアーク溶接することを特徴とするサブマージアーク溶接方法。 - 前記一対の被溶接物は前記溶接箇所において両側開先が施され、前記被覆部材は少なくとも前記溶接箇所の裏側の開先を覆うように配置されることを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接方法。
- 前記被溶接物の前記溶接箇所には片側開先が施され、
前記被覆部材は内部が凹んで形成され、少なくとも前記隙間を覆うように配置されることを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接方法。 - 前記被覆部材は、アルミテープにより形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサブマージアーク溶接方法
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102848057A (zh) * | 2012-09-27 | 2013-01-02 | 中国化学工程第三建设有限公司 | 一种铝及铝合金焊缝的返修方法 |
JP6122517B1 (ja) * | 2016-01-19 | 2017-04-26 | 東芝プラントシステム株式会社 | 配管のアンカプレートおよびその設置方法 |
CN109865924A (zh) * | 2019-04-08 | 2019-06-11 | 浙江国际海运职业技术学院 | 焊剂回收装置及橫焊埋弧焊装置及立焊埋弧焊装置 |
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2009
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