JP2011079013A - レーザマーキング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光源の故障の有無の検査に要するコストを削減することができるレーザマーキング装置を提供すること。
【解決手段】任意の2つ以上の光源2に対してレーザ光を所定時間出射させるための制御を順次択一的に行うことが可能とされた光源制御手段14と、光源制御手段14の制御の下でレーザ光を出射すべき光源2ごとに、受光手段17によって前記制御に対応する受光結果が得られたか否かに基づいて、光源2の良否を個別に判定する光源判定手段19と、光源判定手段19によって不良と判定された光源2ごとに、光源2が不良である旨の警告を個別に出力する警告出力手段20とを備えたこと。
【選択図】図2
【解決手段】任意の2つ以上の光源2に対してレーザ光を所定時間出射させるための制御を順次択一的に行うことが可能とされた光源制御手段14と、光源制御手段14の制御の下でレーザ光を出射すべき光源2ごとに、受光手段17によって前記制御に対応する受光結果が得られたか否かに基づいて、光源2の良否を個別に判定する光源判定手段19と、光源判定手段19によって不良と判定された光源2ごとに、光源2が不良である旨の警告を個別に出力する警告出力手段20とを備えたこと。
【選択図】図2
Description
本発明は、レーザマーキング装置に係り、特に、被加工物にレーザ光を照射することによって被加工物に所定のパターンをマーキングするのに好適なレーザマーキング装置に関する。
従来から、半導体レーザ(LD:Laser Diode)等のレーザ光源を備えた装置においては、レーザ光源から出射されたレーザ光をモニタするための受光手段を搭載し、この受光手段による受光結果に応じてレーザ光源の出力を制御することが行われていた。
例えば、特許文献1には、半導体レーザ素子の光出力をモニタするフォトダイオードを備えた半導体レーザモジュールが開示されている。
また、特許文献2には、ワット級ワンチップ半導体レーザの光出力の変動がフォトダイオードによってフィードバックされるレーザ加工装置が開示されている。
ところで、従来から、レーザ光を適用した技術の1つとして、レーザマーキングが知られている。レーザマーキングにおいては、被加工物の表面にレーザ光を照射して、該表面をレーザ光のエネルギによって瞬間的に改質(溶融、蒸発、変色等)させることにより、被加工物に対して文字、図形または記号等の所望のパターンをマーキング(刻印または印字)するようになっている。
このようなレーザマーキングを行うレーザマーキング装置においては、被加工物へのレーザマーキングを適正に行うために、レーザ光源の性能を管理することが重要となる。したがって、レーザマーキング装置に特許文献1等に示すようなレーザ光源から出射されるレーザ光をモニタする従来技術を適用して、レーザ光のモニタ結果に基づいたレーザ光源の性能の良否の検査を行うことには大いに意義がある。
しかしながら、従来は、レーザ光源ごとにレーザ光をモニタするための受光手段を設けていたため、従来技術をそのままレーザマーキング装置に適用した場合には、レーザマーキング装置の態様によってはレーザ光源の良否の検査に要するコストが過大となってしまう場合がある。
すなわち、従来から、レーザマーキング装置の中には、例えば、特開平09−156153号公報に示すように、複数の光ファイバを縦一列に並べて光学ヘッドを構成し、この光学ヘッドの各光ファイバによって複数のレーザ光源(半導体レーザの発光部)からそれぞれ出射されたレーザ光を伝送し、伝送されたレーザ光を被印字物に照射して印字を行うものもあった。そして、この種のレーザマーキング装置に従来技術をそのまま適用する場合には、各レーザ光源から出射されたレーザ光をモニタするためのレーザ光源と同数の受光手段を設けることが必要となり、受光手段の数に応じた費用が掛かってしまうことになる。
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、レーザ光源の良否の検査に要するコストを削減することができるレーザマーキング装置を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明に係るレーザマーキング装置は、レーザ光を出射する複数の光源と、これら各光源のそれぞれに対応する位置に設けられ、前記各光源からそれぞれ出射された前記レーザ光を伝送する複数の光ファイバと、これら各光ファイバの出射端が当該各出射端に対する前記レーザ光の出射側の位置に設けられた出光レンズとともにホルダ内に保持されてなり、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光を前記各出射端から前記出光レンズを介して被加工物に照射する光学ヘッドと、この光学ヘッドまたは前記被加工物を、前記出射端における光軸方向に直交する所定の方向に沿って移動させる移動手段とを備え、前記移動手段によって前記光学ヘッドまたは前記被加工物を移動させつつ、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光を前記光学ヘッドによって前記被加工物に照射することにより、前記被加工物に所定のパターンをマーキングするレーザマーキング装置であって、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光のそれぞれの一部を、前記光学ヘッドの内部または前記光学ヘッドの外部における前記光学ヘッドの近傍位置において受光可能とされた前記光源よりも少数の受光手段と、任意の2つ以上の前記光源に対して前記レーザ光を所定時間ずつ出射させるための制御を順次択一的に行うことが可能とされた光源制御手段と、この光源制御手段の順次択一的な前記制御の際に、前記制御の下で前記レーザ光を出射すべき前記光源ごとに、前記受光手段によって前記制御に対応する受光結果が得られたか否かに基づいて光源の良否を個別に判定する光源判定手段と、この光源判定手段によって不良と判定された前記光源ごとに、光源が不良である旨の警告を個別に出力する警告出力手段とを備えたことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、光源制御手段により、任意の2つ以上の光源に対してレーザ光を所定時間ずつ出射させるための制御を順次択一的に行うようにした上で、光源判定手段により、受光手段によって光源制御手段の制御に対応する受光結果が得られたか否かに基づいて光源の良否を光源ごとに個別に判定し、警告出力手段により、光源判定手段によって不良と判定された光源ごとに個別に警告を出力することができるので、光源と同数の受光手段を要することなく光源の良否を検査することができる。
また、本発明に係る他のレーザマーキング装置は、レーザ光を出射する複数の光源と、これら各光源のそれぞれに対応する位置に設けられ、前記各光源からそれぞれ出射された前記レーザ光を伝送する複数の光ファイバと、これら各光ファイバの出射端が当該各出射端に対する前記レーザ光の出射側の位置に設けられた出光レンズとともにホルダ内に保持されてなり、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光を前記各出射端から前記出光レンズを介して被加工物に照射する光学ヘッドと、この光学ヘッドまたは前記被加工物を、前記出射端における光軸方向に直交する所定の方向に沿って移動させる移動手段とを備え、前記移動手段によって前記光学ヘッドまたは前記被加工物を移動させつつ、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光を前記光学ヘッドによって前記被加工物に照射することにより、前記被加工物に所定のパターンをマーキングするレーザマーキング装置であって、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光のそれぞれの一部を、前記光学ヘッドの内部または前記光学ヘッドの外部における前記光学ヘッドの近傍位置において受光可能とされた前記光源よりも少数の受光手段と、前記各光源に対する前記レーザ光の出射の有無の制御を行う光源制御手段と、この光源制御手段の前記制御が行われた際に、前記受光手段の受光結果が前記制御が行われた際に前記受光手段において得られるべき受光量に相当する受光結果であるか否かに基づいて光源の良否を判定する光源判定手段と、この光源判定手段によって光源が不良と判定された場合に、光源が不良である旨の警告を出力する警告出力手段とを備えたことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、光源判定手段により、光源制御手段の制御が行われた際における受光手段の受光結果が、当該制御が行われた際に得られるべき受光量に相当する受光結果であるか否かに基づいて光源の良否を判定し、警告出力手段により、光源判定手段の判定結果に応じて警告を出力することができるので、光源と同数の受光手段を要することなく光源の良否を検査することができる。
さらに、前記出光レンズは、前記各出射端から出射された前記レーザ光をコリメートする第1のレンズと、この第1のレンズによってコリメートされた前記レーザ光を収束させる第2のレンズとからなり、前記受光手段は、前記ホルダの内部における前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間の位置に、前記第1のレンズによってコリメートされた前記レーザ光の前記第2のレンズへの入射を妨げない状態であって、前記各出射端から出射された前記レーザ光に起因する前記ホルダの内部の散乱光を受光可能な状態に配置されており、前記光源判定手段は、前記受光手段による前記散乱光の受光結果を、前記光源の良否の判定に用いるようにしてもよい。
そして、このような構成によれば、受光手段により、各光源から出射されたレーザ光のそれぞれの一部を散乱光として受光して光源の良否の判定に用いることができるので、簡易な構成によって光源の良否を検査することができる。
さらにまた、前記出光レンズは、前記各出射端から出射された前記レーザ光をコリメートする第1のレンズと、この第1のレンズによってコリメートされた前記レーザ光を収束させる第2のレンズとからなり、前記受光手段は、前記ホルダの内部における前記第1のレンズ面に対する前記レーザ光の入射側の位置に、前記各出射端から出射されて前記第1のレンズに入射した前記レーザ光のうちの前記第1のレンズによって反射された反射光を受光可能な状態に配置されており、前記光源判定手段は、前記受光手段による前記反射光の受光結果を、前記光源の良否の判定に用いるようにしてもよい。
そして、このような構成によれば、受光手段により、各光源から出射されたレーザ光のそれぞれの一部を第1のレンズからの反射光として受光して光源の良否の判定に用いることができ、また、被加工物からの戻り光がほとんど届かないような位置において反射光を受光することができるので、簡易な構成によって光源の良否を適正に検査することができる。
また、前記光学ヘッドの外部における前記光学ヘッドの近傍位置において前記各光ファイバにおける前記出射端の近傍部位を曲げた状態で保持する曲げ保持手段を備え、前記受光手段は、前記曲げ保持手段の近傍位置に、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光のうちの前記各光ファイバにおける前記曲げ保持手段による保持部位から前記各光ファイバの外部に漏れた漏れ光を受光可能な状態に配置されており、前記光源判定手段は、前記受光手段による前記漏れ光の受光結果を、前記光源の良否の判定に用いるようにしてもよい。
そして、このような構成によれば、受光手段により、各光源から出射されたレーザ光のそれぞれの一部を曲げ保持手段による保持部位からの漏れ光として受光して光源の良否の判定に用いることができるので、簡易な構成によって光源の良否を検査することができる。
本発明によれば、レーザ光源の良否の検査に要するコストを削減することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係るレーザマーキング装置の第1実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
以下、本発明に係るレーザマーキング装置の第1実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態におけるレーザマーキング装置1は、被加工物としてのワーク4に対するレーザマーキングに用いられるようになっている。なお、ワーク4としては、レーザマーキングが可能な種々の材質(例えば、金属やプラスチック等)からなるものを採用することができる。
レーザマーキング装置1は、図1におけるY軸方向(図2における紙面垂直方向)に等間隔を設けて整列配置された複数のレーザ光源2を有している。これら複数のレーザ光源2は、図1および図2におけるX軸方向(図1および図2における紙面横方向)のうちの一方(右方向)に向かってレーザ光Lをそれぞれ出射するようになっている。各レーザ光源2としては、CANパッケージ型または基板実装型の半導体レーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザもしくは固体レーザ等の種々のレーザ光源2を採用することができる。また、レーザ光源2の個数は、図示されている個数に限定されないことは勿論である。
また、図1および図2に示すように、各レーザ光源2のそれぞれに対するレーザ光Lの出射側の近傍位置(図1および図2における右方近傍位置)には、各レーザ光源2にそれぞれ対応するレーザ光源2と同数の複数のレンズ3が対向配置されている。これら複数のレンズ3は、その光軸をそれぞれに対応するレーザ光源2の光軸に一致させるようにして、レーザ光源2の整列方向と同方向に整列配置されている。各レンズ3には、それぞれに対応するレーザ光源2から出射されたレーザ光Lが入射するようになっており、これらの入射した各レーザ光Lは、各レンズ3によってそれぞれ収束された上でレーザ光源2からのレーザ光Lの出射方向と同方向へと出射されるようになっている。各レンズ3は、それぞれに対応するレーザ光源2とともに不図示のホルダ内に一体的に収容されていてもよい。
さらに、図1および図2に示すように、各レンズ3のそれぞれに対するレーザ光Lの出射側の近傍位置(図1および図2における右方近傍位置)には、各レンズ3および各レーザ光源2にそれぞれ対応するレンズ3およびレーザ光源2と同数の複数の第1の光ファイバ5が、その入射端をレンズ3側に向けるようにして配置されている。これら複数の第1の光ファイバ5は、その光軸(換言すればコアの中心軸)をそれぞれに対応するレンズ3の光軸に一致させるようにして、レンズ3の整列方向と同方向に整列配置されている。各第1の光ファイバ5の入射端には、各第1の光ファイバ5にそれぞれに対応するレンズ3から出射されたレーザ光Lが入射するようになっている。そして、これらの入射した各レーザ光Lは、各第1の光ファイバ5のコアとクラッドとの界面における全反射を繰り返しながら、各第1の光ファイバ5の出射端側に向かってコア内を伝送されるようになっている。なお、各第1の光ファイバ5における入射端側の部位は、レンズ3およびレーザ光源2を収容する図示しないホルダに設けられたファイバ挿入孔を介してホルダ内に挿入されていてもよい。
さらにまた、図1および図2に示すように、各第1の光ファイバ5の出射端側の部位には、各第1の光ファイバ5にそれぞれ対応する第1の光ファイバ5と同数の複数のファイバコネクタ6が、その入射側の端部(図1および図2における左端部)側を介して接続されている。これら複数のファイバコネクタ6における出射側の端部(図1および図2における右端部)側には、各ファイバコネクタ6にそれぞれ対応するファイバコネクタ6と同数の複数の第2の光ファイバ7が、その入射端側の部位を介して接続されている。そして、各ファイバコネクタ6は、それぞれに内蔵された図示しないフェルールによって、各第1の光ファイバ5の出射端とこれらにそれぞれ対応する各第2の光ファイバ7の入射端とを光学的に結合するようになっている。すなわち、各ファイバコネクタ6内において、各第1の光ファイバ5の出射端から出射されたレーザ光Lは、各第1の光ファイバ5にそれぞれ対応する各第2の光ファイバ7の入射端に入射するようになっている。さらに、これらの入射したレーザ光Lは、各第2の光ファイバ7のコアとクラッドとの界面における全反射を繰り返しながら、各第2の光ファイバ7の出射端7a側に向かってコア内を伝送されるようになっている。なお、ファイバコネクタ6としては、SCコネクタ、FCコネクタまたはLCコネクタ等の各種のコネクタを設計コンセプトに応じて適宜採用すればよい。
また、図1および図2に示すように、各第2の光ファイバ7は、その出射端(すなわち、第2の光ファイバ7のコアの出射側の端面)における光軸方向が図1および図2におけるZ軸方向に平行になるように、その出射端側の部位がZ軸方向における一方(図1および図2における下方向)に向かって屈曲されている。また、各第2の光ファイバ7の出射端7aのZ軸方向における位置は、互いに同位置とされている。さらに、各第2の光ファイバ7の出射端7aは、Z軸方向に直交し且つ各第2の光ファイバ7の出射端7aを含む仮想平面内に、Y軸方向に対して所定の鋭角をなすような所定の整列方向に等間隔を設けるようにして互いに近接した状態に整列配置されている。この近接した状態において、互いに隣位する第2の光ファイバ7同士は、そのクラッドの外周面における出射端側の部位が互いに接触した状態になっていてもよい。
さらに、図1および図2に示すように、各第2の光ファイバ7の出射端7aに対するレーザ光Lの出射側の位置(図1および図2における下方位置)には、出光レンズを構成する第1のレンズ8および第2のレンズ9が、Z軸方向に互いに間隔を設けて1つずつ配置されている。これら第1のレンズ8および第2のレンズ9の双方の光軸は、いずれもZ軸方向に平行とされているとともに、互いに一致したものとなっている。ここで、第1のレンズ8には、各第2の光ファイバ7の出射端7aから図1および図2における下方向に向かって出射されたレーザ光Lがそれぞれ入射するようになっている。そして、第1のレンズ8は、入射した各レーザ光Lを、それぞれコリメートした上で、図1および図2における下方向に向かってそれぞれ出射するようになっている。第2のレンズ9には、第1のレンズ8から出射された各レーザ光Lがそれぞれ入射するようになっている。そして、第2のレンズ9は、入射した各レーザ光Lを、それぞれ収束させた上で、図1および図2における下方向に向かってそれぞれ出射するようになっている。
さらにまた、図2に示すように、各第2の光ファイバ7における出射端7a、第1のレンズ8および第2のレンズ9は、ホルダ16内に一体的に収容されて保持されており、これら各出射端7a、第1のレンズ8、第2のレンズ9およびホルダ16によって、光学ヘッド10が構成されている。より具体的には、図3に示すように、ホルダ16は、円筒形状の胴部16aと、この胴部16aの図3における上部開口を遮蔽する円板状の蓋部16bとによって構成されている。胴部16aの内部における蓋部16aの近傍位置には、第1のレンズ8が、その外周面を胴部16aの内周面に接触させるようにして接着や圧入等の固定方法によって固定されている。また、胴部16aの内部であって、図3における下部開口の位置には、第2のレンズ9が、その外周面を胴部16aの内周面に接触させるようにして接着や圧入等の固定方法によって固定されている。さらに、蓋部16bには、この蓋部16bを図3における縦方向に貫通する長孔状の貫通孔16cが形成されている。この貫通孔16cには、各第2の光ファイバ7における出射端7a側の部位が、各出射端7aを蓋部16bの下面と同一面上に位置させる深さまで挿入されており、これら各出射端7a側の部位は、接着等の固定方法によって蓋部16bに固定されている。
図1および図2に戻って、光学ヘッド10に対するレーザ光Lの出射側の位置(図1および図2における下方位置)には、移動手段としてのワーク搬送装置11が配設されている。本実施形態におけるワーク搬送装置11は、ベルトコンベアとされ、ワーク4が載置された状態で搬送される無端のコンベアベルト12と、このコンベアベルト12を外周に巻回した図2に示す複数のローラ13とを有している。ローラ13は、モータ等の図示しない駆動源によって回転駆動されるようになっており、このローラ13の回転駆動にコンベアベルト12が従動することによって、コンベアベルト12のワーク載置面12a(図1および図2における上面)が、X軸方向における一方(図1および図2における右方向)へと移動するようになっている。また、図2に示すように、光学ヘッド10にZ軸方向において対向する位置には、ワーク載置面12a上に載置された状態で加工位置に搬送されたワーク4が、その被加工面4aを光学ヘッド10側に向けた状態で配置されるようになっている。このワーク4は、ワーク搬送装置11により、X軸方向に沿って図1および図2における右方向へと移動されることになる。
また、図2に示すように、各レーザ光源2には、光源制御手段としてのレーザ光源制御部14が電気的に接続されており、このレーザ光源制御部14は、各レーザ光源2に対してレーザ光Lの出射動作の制御を行うようになっている。なお、レーザ光Lの出射動作の制御には、レーザ光源2に対する図示しない電源からの電力の供給の有無を制御することによるレーザ光源2からのレーザ光Lの出射の有無の制御や、レーザ光源2によるレーザ光Lの出射周期または出射タイミングに関する制御等が含まれている。
さらに、図2に示すように、レーザ光源制御部14には、マーキング開始検出部15が接続されおり、このマーキング開始検出部15は、ワーク4がワーク搬送装置11による搬送にともなってマーキングの開始位置に到達したことを検出し、この検出結果をレーザ光源制御部14に入力するようになっている。そして、レーザ光源制御部14は、マーキング開始検出部15から前記検出結果が入力されると、マーキングすべきパターンの形状に応じるように各レーザ光源2からのレーザ光Lの出射を適宜開始させるようになっている。なお、マーキング開始検出部15は、例えば、マーキングの開始位置に到達したワーク4の所定の基準部位(例えば、ワーク4における前記ワーク搬送方向先頭側の端部)を検出するCCDカメラや、ローラ13の回転数がワーク4の搬送開始位置からマーキングの開始位置までのワーク4の搬送量に対応する所定の回転数に達したことを例えばローラ13の駆動源への電力の供給状態(例えば、駆動源としてのモータに印加される電圧のパルス数)を監視することによって検出する回転数検出手段等を備えたものであってもよい。
そして、このような構成により、ワーク搬送装置11によってマーキングの開始位置に到達したワーク4の被加工面4aに対して、各レーザ光源2から適宜出射されて第1の光ファイバ5および第2の光ファイバ7によって伝送されたレーザ光Lが、第2の光ファイバ7の出射端7aから出光レンズを介して照射されるようになっている。これにより、ワーク4の被加工面4aにおけるレーザ光Lの照射部位が、レーザ光Lのエネルギによって改質(溶融、蒸発、または変色等)され、この改質された部分に、第2の光ファイバ7の出射端の形状(例えば、円形)とほぼ同形状を呈するドットが形成されるようになっている。このドットは、レーザマーキング装置1によるマーキングの最小単位となる。そして、このようなドットの形成を、ワーク搬送装置11によってワーク4を図1および図2における右方向(以下、ワーク搬送方向と称する)に搬送(移動)させつつ連続的または間欠的に行うことによって、ドットの集合からなる所定のパターンを被加工面4aにマーキングすることができるようになっている。したがって、マーキングの進行方向(以下、マーキング進行方向と称する)(換言すれば、レーザ光Lの走査方向)は、前記ワーク搬送方向に抗する方向(図1および図2における左方向)となる。なお、このような構成に加えて、さらに、光学ヘッド10をY軸方向に移動させるアクチュエータを設けるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、ワーク搬送装置11によって複数のワーク4を順次搬送しつつ、各ワーク4に対して所定のパターンを順次マーキングすることができるようになっている。
なお、ワーク4にマーキングするパターンとしては、1次元バーコード、QRコード等の2次元コード、アライメントマークまたはバッドマーク等があり、特に、太線等の被加工面4a上の所定の領域を複数のドットで隙間無く塗り潰すようなパターン(塗り潰しパターン)のマーキングに本発明を好適に用いることができる。
そして、このようなレーザマーキングのための基本構成を備えた上で、更に、本実施形態においては、レーザ光源2の性能の良否を検査するための手段が講じられている。
すなわち、図3に示すように、ホルダ16の内部における第1のレンズ8と第2のレンズ9との間の位置には、受光手段としての1つの光センサ17が配置されている。より具体的には、ホルダ16の胴部16aの内周面における第1のレンズ8および第2のレンズ9から等距離の位置には、当該内周面の一部をホルダ16の径方向における外側に陥没させてなる凹部16dが形成されている。そして、この凹部16dには、光センサ17が、その受光面(センサ面)をホルダ16の径方向における内側に向けるようにして公知の固定方法によって固定されている。また、図3に示すように、光センサ17の受光面は、第1のレンズ8によってコリメートされたレーザ光Lに対してそのビーム径方向における外側の位置に配置されており、これにより、第1のレンズ8によってコリメートされたレーザ光Lの第2のレンズ9への入射が光センサ17によって妨げられないようになっている。
このように配置された光センサ17は、各第2の光ファイバ7によって伝送されたレーザ光Lのそれぞれの一部を、光学ヘッド10の内部において受光可能とされている。より具体的には、光センサ17は、各出射端7aから出射されたレーザ光Lに起因してホルダ16の内部に発生した散乱光LDを受光可能とされている。なお、ここでの散乱光LDには、第1のレンズ8に入射したレーザ光Lのうちのコリメートされなかった一部の光や、第2のレンズ9に入射したレーザ光Lのうちの第2のレンズ9によるフレネル反射によって反射された光等の種々の光が含まれるが、いずれも、各出射端7aから出射されたレーザ光Lが元となって発生したものである。そして、光センサ17は、その受光結果を電気信号に変換(光電変換)して出力するようになっている。なお、光センサ17としては、受光された光を電気信号に変換することが可能な種々のセンサを採用することができる。例えば、光センサ17としてフォトディテクタを採用してもよい。
また、本実施形態において、レーザ光源制御部14は、各レーザ光源2に対して、レーザ光Lの出射動作の制御として、任意の2つ以上のレーザ光源2に対してレーザ光Lを所定時間ずつ出射させるための制御(以下、第1の制御と称する)を順次択一的に行うことが可能とされている。
さらに、図3に示すように、光センサ17には、光源判定手段としてのレーザ光源判定部19が、ケーブル18を介して電気的に接続されており、このレーザ光源判定部19には、光センサ17によって出力された電気信号が入力するようになっている。なお、ケーブル18は、胴部16aに穿設された開孔16eを介してホルダ16の外部に引き出されている。また、図2および図3に示すように、レーザ光源判定部19は、レーザ光源制御部14にも電気的に接続されている。なお、光センサ17の駆動(電力の供給)は、レーザ光源判定部19が行うようにしてもよい。
そして、このようなレーザ光源判定部19は、レーザ光源制御部14によって順次択一的な第1の制御が行われた際に、光センサ17によって第1の制御に対応する受光結果が得られたか否かに基づいて、レーザ光源2の良否を判定するようになっている。ただし、ここでの光センサ17の受光結果は、第1の制御にしたがってレーザ光源2から出射されたレーザ光Lに起因する散乱光LDの受光結果である。このレーザ光源2の良否の判定は、第1の制御の下でレーザ光Lを出射すべきレーザ光源2ごとに順次かつ個別に行われるようになっている。
より具体的には、レーザ光源判定部19は、順次択一的な第1の制御の流れの中で、或る1つのレーザ光源2を対象とした第1の制御が行われた際に、光センサ17によって所定の規定値を超える信号値(例えば、電圧値)を示す電気信号が出力された場合には、その1つのレーザ光源2が良好であると判定するようになっている。
一方、レーザ光源判定部19は、順次択一的な第1の制御の流れの中で、或る1つのレーザ光源2を対象とした第1の制御が行われた際に、光センサ17によって前記規定値を超える信号値を示す電気信号が出力されなかった場合には、その1つのレーザ光源2が不良であると判定するようになっている。
このようなレーザ光源2の良否の判定は、レーザ光源2が所望の光量のレーザ光Lを出射しているか否かの判定ととらえることもできる。
なお、レーザ光源判定部19は、レーザ光源制御部14から第1の制御が行われたことを逐次検知して、その検知した時点ごとの光センサ17の受光結果(電気信号)を前記規定値と比較することによって前記判定を行うようにすればよい。また、前記規定値は、レーザマーキング装置1に搭載された図示しないメモリ内に、レーザ光源判定部19が読み出して前記判定に利用することが可能な状態に記憶させておけばよい。
さらに、図2および図3に示すように、レーザ光源判定部19には、警告出力手段としての警告表示処理部20が電気的に接続されており、この警告表示処理部20には、表示部21が電気的に接続されている。警告表示処理部20には、第1の制御の対象となったレーザ光源2ごとのレーザ光源判定部19の判定結果が順次入力されるようになっている。そして、警告表示処理部20は、入力された判定結果に基づいて、レーザ光源判定部19によって不良と判定されたレーザ光源2ごとに、レーザ光源2が不良である旨の警告を表示部21に個別に表示(出力)するようになっている。一方、警告表示処理部20は、レーザ光源判定部19によって良好と判定されたレーザ光源2については、警告を表示しないようになっている。
なお、光センサ17の駆動は、レーザ光源制御部14が第1の制御を行う期間に限定して行うようにすることが好ましい。また、第1の制御は、レーザ光源2の良否検査用の制御として、マーキングの開始前に行うようにしてもよい。
また、本発明における警告出力手段は、前述した警告表示処理部20のみに限定されるものではない。例えば、警告出力手段として、レーザ光源判定部19の判定結果が不良を示す場合にスピーカから警報音を音声出力する警報出力手段を設けるようにしてもよい。
(第1の変形例)
次に、図4は、本実施形態の第1の変形例として、図3とは異なる光センサ17の配置構成を示したものである。
次に、図4は、本実施形態の第1の変形例として、図3とは異なる光センサ17の配置構成を示したものである。
すなわち、図4に示すように、本変形例においては、光センサ17が、ホルダ16の内部における第1のレンズ面8に対するレーザ光Lの入射側の位置に配置されている。より具体的には、本変形例において、ホルダ16の蓋部16bの下面には、当該下面の一部を上方に陥没させてなる凹部16fが形成されており、この凹部16fには、光センサ17が、その受光面を第1のレンズ面8側(図4における下方)に向けるようにして公知の固定方法によって固定されている。また、光センサ17に接続されたケーブル18は、蓋部16bに形成された開孔16gを介してホルダ16の外部に引き出されている。
このように配置された本変形例の光センサ17は、各第2の光ファイバ7によって伝送されたレーザ光Lのそれぞれの一部として、各出射端7aから出射されて第1のレンズ8に入射したレーザ光Lのうちの第1のレンズ8によって反射された反射光LR(図4参照)を、光学ヘッド10の内部において受光可能とされている。
そして、本変形例のレーザ光源判定部19は、光センサ17から反射光LRの受光結果として出力された電気信号を用いてレーザ光源2の良否を判定するようになっている。
本変形例においては、光センサ17が、図3に示した構成よりもホルダ16における胴部16aの下部開口から遠い位置に配置されているため、被加工物4aからの戻り光が光センサ17にほとんど届かないようにすることができる。
(第2の変形例)
次に、図5は、本実施形態の第2の変形例として、図3および図4とは異なる光センサ17の配置構成を示したものである。
次に、図5は、本実施形態の第2の変形例として、図3および図4とは異なる光センサ17の配置構成を示したものである。
図5に示すように、本変形例においては、光学ヘッド10の外部における光学ヘッド10の図5における上部近傍位置に、曲げ保持手段としての曲げ保持ローラ22が配設されており、この曲げ保持ローラ22は、光学ヘッド10に取り付けられた直方体状の筐体23内に固定されている。そして、図5に示すように、各第2の光ファイバ7における出射端7aの近傍部位は、筐体23内に開孔23bを介して収容された状態で、曲げ保持ローラ22の外周に巻回されることによって曲げた状態に保持されている。さらに、図5に示すように、本変形例においては、光センサ17が、各第2の光ファイバ7における曲げ保持ローラ22による曲げ保持部位に図5における右方において対向する筐体23の壁部上の位置に、その受光面を曲げ保持部位側に向けるようにして固定されている。なお、光センサ17は、筐体23に形成された開孔23aの内周面に、そのケーブル18側の部位を筐体23の外部に露出させた状態で固定されている。
このようにして配置された本変形例の光センサ17は、各第2の光ファイバ7によって伝送されたレーザ光Lのそれぞれの一部として、各第2の光ファイバ7によって伝送されたレーザ光Lのうちの曲げ保持部位から各第2の光ファイバ7の外部に漏れた漏れ光LL(図5参照)を、光学ヘッド10の外部において受光可能とされている。
そして、本変形例のレーザ光源判定部19は、光センサ17から漏れ光LLの受光結果として出力された電気信号を用いてレーザ光源2の良否を判定するようになっている。
次に、図6は、本実施形態における実施例として、レーザ光源制御部14による順次択一的な第1の制御の制御内容(図6(a)〜(c))およびこの制御内容に対応する光センサ17の受光結果(図6(d)、(e))ならびにこの受光結果に応じたレーザ光源2の良否(図6(d)、(e))を示したものである。
ここで、図6(a)〜(c)は、各レーザ光源2を代表して、互いに隣位する3つの第2の光ファイバ7の出射端7aに対応する第1〜第3の3つのレーザ光源2に対するレーザ光源制御部14の第1の制御を示したタイムチャートである。ただし、図6(a)〜(c)において、各レーザ光源2に対する第1の制御は、各レーザ光源2に対する1パルス分の駆動パルス(例えば、レーザ駆動電流)の印加として行われるようになっている。なお、レーザ光源2に対する1パルス分の駆動パルスの印加は、レーザ光源2(但し、正常に駆動されるレーザ光源)に所定時間(例えば、1msec)のレーザ光Lの出射を行わせることに相当する。
図6(a)〜(c)に示すように、第1〜第3のレーザ光源2に対する駆動パルスの印加は、一定周期Tごとに行われており、また、1つのレーザ光源2に対する駆動パルスの印加が終了した後に、他の1つのレーザ光源2への駆動パルスの印加が開始されるようになっている。
そして、図6(d)は、図6(a)〜(c)のような駆動パルスが印加された場合における光センサ17から出力される電気信号(光センサ出力信号)の一例を示している。図6(d)の電気信号は、第1〜第3のレーザ光源2に印加された駆動パルスにそれぞれ時間的に対応するようなピーク値(H)を有するとともに、各ピーク値がいずれも規定値(V)を超えているため、第1〜第3のレーザ光源2が良好であることを示すものとなる。このような場合、レーザ光源判定部19は、第1〜第3のレーザ光源2がいずれも良好と判定し、警告表示処理部20は、警告を表示しないことになる。
一方、図6(e)は、図6(a)〜(c)のような駆動パルスが印加された場合における光センサ17から出力される電気信号の図6(d)と異なる一例を示している。図6(e)の電気信号は、第2のレーザ光源2に印加された駆動パルスに対応するピーク値(H)を有しないため、第2のレーザ光源2が不良であることを示すものとなる。このような場合、レーザ光源判定部19は、第2のレーザ光源2が不良と判定し、警告表示処理部20は、第2のレーザ光源2が不良であることを示す警告(例えば、第2のレーザ光源2が不良である旨の文字情報)を表示することになる。
本実施例の具体的な動作は、図7のフローチャートに示すように行われるようになっている。
すなわち、本実施例においては、レーザ光源2の良否の判定のための処理を開始した後、まず、図7のステップ1(ST1)において、レーザ光源制御部14により、順次択一的な第1の制御の対象となる第i(但し、iは自然数で初期値は1)のレーザ光源2への第1の制御の開始動作として、第iのレーザ光源2への駆動パルスの印加を開始する。
次いで、ステップ2(ST2)において、レーザ光源判定部19により、光センサ17の受光結果(電気信号)の読み取りを開始する。
次いで、ステップ3(ST3)において、レーザ光源制御部14による第iのレーザ光源2への駆動パルスの印加と、レーザ光源判定部19による光センサ17の受光結果の読み取りとを1msec継続させる。
次いで、ステップ4(ST4)において、第iのレーザ光源2への第1の制御の終了動作として、第iのレーザ光源2への駆動パルスの印加を終了する。
次いで、ステップ5(ST5)において、レーザ光源判定部19による光センサ17の受光結果の読み取りを終了する。
次いで、ステップ6(ST6)において、レーザ光源判定部19により、ステップ2(ST2)〜ステップ5(ST5)の期間において読み取られた光センサ17の受光結果が示す信号値が前記規定値を超えるか否かを判定する。そして、このステップ6(ST6)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ7(ST7)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ8(ST8)に進む。
ここで、ステップ7(ST7)に進む場合には、レーザ光源制御部14により、ステップ1(ST1)において第1の制御の対象となっていたレーザ光源2が、順次択一的な第1の制御が最後に行われるべき第Nのレーザ光源2であるか否か(すなわち、i=Nか否か)を判定する。そして、ステップ7(ST7)において肯定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了し、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ9(ST9)に進む。
一方、ステップ8(ST8)に進む場合には、警告表示処理部20により、第iのレーザ光源2が不良であることを示す警告を出力してステップ7(ST7)に進む。
最後に、ステップ9においては、iを1つインクリメント(i=i+1)し、第1の制御の対象を次のレーザ光源2に変更してステップ1(ST1)に戻る。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るレーザマーキング装置の第2実施形態について、第1実施形態との相違点に限定して説明する。なお、便宜上、本実施形態のレーザマーキング装置を説明するにあっては、第1実施形態と同様の符号を用いることにする。
次に、本発明に係るレーザマーキング装置の第2実施形態について、第1実施形態との相違点に限定して説明する。なお、便宜上、本実施形態のレーザマーキング装置を説明するにあっては、第1実施形態と同様の符号を用いることにする。
本実施形態におけるレーザマーキング装置1の第1実施形態との相違点は、主として、レーザ光源制御部14の制御内容およびレーザ光源判定部19の判定方法にある。
すなわち、本実施形態において、レーザ光源制御部14は、各レーザ光源2に対して、レーザ光Lの出射動作の制御として、各レーザ光源2に対するレーザ光Lの出射の有無の制御を行うようになっている。ただし、本実施形態において、当該レーザ光Lの出射の有無の制御は、任意の2つ以上のレーザ光源2からレーザ光Lを同時に出射させるための第2の制御とされている。この第2の制御は、全てのレーザ光源2にレーザ光Lを同時に出射させるための制御であってもよい。
さらに、本実施形態において、レーザ光源判定部19は、レーザ光源制御部14によって第2の制御が行われた際における光センサ17の受光結果、すなわち、第2の制御にしたがって任意の2つ以上のレーザ光源2から同時に出射された各レーザ光Lに起因する散乱光LDの受光結果に基づいて、レーザ光源2の良否を判定するようになっている。
具体的には、レーザ光源判定部19は、レーザ光源制御部14によって第2の制御が行われた際に、光センサ17の受光結果が第2の制御が行われた際に光センサ17において得られるべき受光量(ここでは散乱光LDの受光量)に相当する受光結果であるか否かに基づいて、レーザ光源2の良否を判定するようになっている。
より具体的には、レーザ光源判定部19は、第2の制御が行われた際における光センサ17の受光結果が、所定の閾値を超える信号値を示す電気信号となる場合には、レーザ光源2が良好であると判定するようになっている。一方、レーザ光源判定部19は、レーザ光源制御部14によって第2の制御が行われた際における光センサ17の受光結果が、閾値以下の信号値を示す電気信号となる場合には、レーザ光源2が不良と判定するようになっている。ここで、本実施形態においては、複数のレーザ光源2から同時にレーザ光Lが出射され、光センサ17によって得られる受光量が各レーザ光源2から同時に出射されたレーザ光Lのそれぞれの一部を合計した総受光量となるため、レーザ光源2の良否の判定は、レーザ光源2の個々を特定するまでには至らない。しかし、本実施形態においては、レーザ光Lを同時に出射させようとした複数のレーザ光源2のうちのいずれかが不良であれば、そのことを確実に検知することができる。
なお、前記閾値としては、シミュレーションや実験結果に基づいて好適な値を設定すればよい。この閾値は、第2の制御においてレーザ光Lを同時に出射させようとするレーザ光源2の数を可変とする場合には、レーザ光Lを出射させようとするレーザ光源2の数に応じて異なる値が自動的に選択されて設定されるようにすればよい。ただし、図3の構成を採用する場合には、光センサ17にワーク4側からの戻り光が入射する場合があり、この場合には、戻り光の光量も、電気信号の信号値に加算されることになる。そこで、このような場合におけるレーザ光源判定部19の誤判定を防止するためには、前記閾値として、戻り光が予め加味された値を設定することが望ましい。
そして、本実施形態において、警告表示処理部20は、レーザ光源判定部19の判定結果が不良となる場合には、レーザ光源2が不良である旨の警告を表示部21に表示し、判定結果が良好となる場合には、警告を表示しないようになっている。なお、本実施形態における警告表示処理部20は、レーザ光源判定部19によってレーザ光源2が不良と判定された場合に警告ランプを点灯させるものであってもよい。
さらに、本実施形態においても、第1実施形態における第1の変形例または第2の変形例を適用することができ、レーザ光源判定部19が、光センサ17による反射光LR(図4参照)または漏れ光LL(図5参照)の受光結果をレーザ光源2の良否の判定に用いるようにしてもよい。
次に、図8は、本実施形態における実施例として、レーザ光源制御部14による第2の制御の制御内容(図8(a)〜(c))およびこの制御内容に対応する光センサ17の受光結果(図8(d)、(e))ならびにこの受光結果に応じたレーザ光源2の良否(図8(d)、(e))を示したものである。
ここで、図8(a)〜(c)は、各レーザ光源2を代表して、図6と同様の第1〜第3の3つのレーザ光源2に対するレーザ光源制御部14による駆動パルスの印加状態を示したタイムチャートである。なお、駆動パルスの意義は図6と同様である。ただし、図8(a)〜(c)に示すように、本実施例においては、図6とは異なり、第1〜第3のレーザ光源2に対する駆動パルスの印加が同時に行われている。
そして、図8(d)は、図8(a)〜(c)のような駆動パルスが印加された場合における光センサ17から出力される電気信号の一例を示している。図8(d)の電気信号は、そのピーク値(H)が閾値THを超えているため、第1〜第3のレーザ光源2が良好であることを示すものとなる。この場合には、レーザ光源判定部19は、レーザ光源2が良好と判定し、警告表示処理部20は、警告を表示しないことになる。
一方、図8(e)は、図8(a)〜(c)のような駆動パルスが印加された場合における光センサ17から出力される電気信号の図8(d)と異なる一例を示している。図8(e)の電気信号は、そのピーク値(H)が閾値THよりも小さいため、第1〜第3のレーザ光源2のいずれかが不良であることを示すものとなる。この場合、レーザ光源判定部19は、レーザ光源2が不良と判定し、警告表示処理部20は、警告を表示することになる。なお、図8においては、便宜上、駆動パルスを同時に印加するレーザ光源2を3つにしているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、駆動パルスを同時に印加するレーザ光源2の数が図8よりも多くなれば、その数に応じて閾値THも高く設定されることになる。
本実施例における警告表示処理部20は、例えば、図9に示すような第1のNOR回路30と第2のNOR回路31とを備えることによって実現することができる。
図9に示すように、第1のNOR回路30には、レーザ光源制御部14から、第1〜第3のレーザ光源2に対する第2の制御の制御結果に対応するデジタル信号が入力されるようになっている。具体的には、駆動パルスを印加したレーザ光源2については信号「1」が、駆動パルスを印加しなかったレーザ光源2については信号「0」が、それぞれ入力されるようになっている。
第2のNOR回路31には、第1のNOR回路30から、その出力値としてのデジタル信号が入力されるとともに、レーザ光源判定部19から、レーザ光源2の良否の判定結果に対応するデジタル信号が入力されるようになっている。レーザ光源判定部19から入力されるデジタル信号は、光センサ17の受光結果が第2の制御に対応する閾値を超える場合(レーザ光源2が良好と判定された場合)には「1」の信号となり、当該受光結果が第2の制御に対応する閾値以下の場合(レーザ光源2が不良と判定された場合)には「0」の信号となる。
そして、警告表示処理部20の出力段32においては、第2のNOR回路31の出力値が「1」の場合には、警告を表示し、「0」の場合には、警告を表示しないようになっている。
以上述べたように、本発明によれば、レーザ光源判定部19により、レーザ光源制御部14による第1の制御または第2の制御が行われた際における光センサ17の受光結果に基いてレーザ光源2の良否を判定することができるので、レーザ光源2と同数の受光手段を要することなくレーザ光源2の良否を検査することができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。例えば、光センサ17の数は、レーザ光源2よりも少数であれば1個に限定されないが、コスト削減の観点からは、光センサ17はできるだけ少数であることが望ましい。
また、前述した実施形態においては、ワーク4をワーク搬送方向に搬送してレーザ光Lをマーキング進行方向に走査するようになっているが、第2の光ファイバ7の出射端7aをマーキング進行方向に移動させることによってレーザ光Lをマーキング進行方向に走査するようにしてもよい。この場合に、移動手段としては、光学ヘッド10をマーキング進行方向に移動させることが可能な各種の公知のアクチュエータを用いればよい。
1 レーザマーキング装置
2 レーザ光源
4 ワーク
7 第2の光ファイバ
7a 出射端
8 第1のレンズ
9 第2のレンズ
10 光学ヘッド
11 ワーク搬送装置
14 レーザ光源制御部
17 光センサ
19 レーザ光源判定部
20 警告表示処理部
2 レーザ光源
4 ワーク
7 第2の光ファイバ
7a 出射端
8 第1のレンズ
9 第2のレンズ
10 光学ヘッド
11 ワーク搬送装置
14 レーザ光源制御部
17 光センサ
19 レーザ光源判定部
20 警告表示処理部
Claims (6)
- レーザ光を出射する複数の光源と、
これら各光源のそれぞれに対応する位置に設けられ、前記各光源からそれぞれ出射された前記レーザ光を伝送する複数の光ファイバと、
これら各光ファイバの出射端が当該各出射端に対する前記レーザ光の出射側の位置に設けられた出光レンズとともにホルダ内に保持されてなり、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光を前記各出射端から前記出光レンズを介して被加工物に照射する光学ヘッドと、
この光学ヘッドまたは前記被加工物を、前記出射端における光軸方向に直交する所定の方向に沿って移動させる移動手段と
を備え、
前記移動手段によって前記光学ヘッドまたは前記被加工物を移動させつつ、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光を前記光学ヘッドによって前記被加工物に照射することにより、前記被加工物に所定のパターンをマーキングするレーザマーキング装置であって、
前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光のそれぞれの一部を、前記光学ヘッドの内部または前記光学ヘッドの外部における前記光学ヘッドの近傍位置において受光可能とされた前記光源よりも少数の受光手段と、
任意の2つ以上の前記光源に対して前記レーザ光を所定時間ずつ出射させるための制御を順次択一的に行うことが可能とされた光源制御手段と、
この光源制御手段の順次択一的な前記制御の際に、前記制御の下で前記レーザ光を出射すべき前記光源ごとに、前記受光手段によって前記制御に対応する受光結果が得られたか否かに基づいて光源の良否を個別に判定する光源判定手段と、
この光源判定手段によって不良と判定された前記光源ごとに、光源が不良である旨の警告を個別に出力する警告出力手段と
を備えたことを特徴とするレーザマーキング装置。 - レーザ光を出射する複数の光源と、
これら各光源のそれぞれに対応する位置に設けられ、前記各光源からそれぞれ出射された前記レーザ光を伝送する複数の光ファイバと、
これら各光ファイバの出射端が当該各出射端に対する前記レーザ光の出射側の位置に設けられた出光レンズとともにホルダ内に保持されてなり、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光を前記各出射端から前記出光レンズを介して被加工物に照射する光学ヘッドと、
この光学ヘッドまたは前記被加工物を、前記出射端における光軸方向に直交する所定の方向に沿って移動させる移動手段と
を備え、
前記移動手段によって前記光学ヘッドまたは前記被加工物を移動させつつ、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光を前記光学ヘッドによって前記被加工物に照射することにより、前記被加工物に所定のパターンをマーキングするレーザマーキング装置であって、
前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光のそれぞれの一部を、前記光学ヘッドの内部または前記光学ヘッドの外部における前記光学ヘッドの近傍位置において受光可能とされた前記光源よりも少数の受光手段と、
前記各光源に対する前記レーザ光の出射の有無の制御を行う光源制御手段と、
この光源制御手段の前記制御が行われた際に、前記受光手段の受光結果が前記制御が行われた際に前記受光手段において得られるべき受光量に相当する受光結果であるか否かに基づいて光源の良否を判定する光源判定手段と、
この光源判定手段によって光源が不良と判定された場合に、光源が不良である旨の警告を出力する警告出力手段と
を備えたことを特徴とするレーザマーキング装置。 - 前記出光レンズは、前記各出射端から出射された前記レーザ光をコリメートする第1のレンズと、この第1のレンズによってコリメートされた前記レーザ光を収束させる第2のレンズとからなり、
前記受光手段は、前記ホルダの内部における前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間の位置に、前記第1のレンズによってコリメートされた前記レーザ光の前記第2のレンズへの入射を妨げない状態であって、前記各出射端から出射された前記レーザ光に起因する前記ホルダの内部の散乱光を受光可能な状態に配置されており、
前記光源判定手段は、前記受光手段による前記散乱光の受光結果を、前記光源の良否の判定に用いること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザマーキング装置。 - 前記出光レンズは、前記各出射端から出射された前記レーザ光をコリメートする第1のレンズと、この第1のレンズによってコリメートされた前記レーザ光を収束させる第2のレンズとからなり、
前記受光手段は、前記ホルダの内部における前記第1のレンズ面に対する前記レーザ光の入射側の位置に、前記各出射端から出射されて前記第1のレンズに入射した前記レーザ光のうちの前記第1のレンズによって反射された反射光を受光可能な状態に配置されており、
前記光源判定手段は、前記受光手段による前記反射光の受光結果を、前記光源の良否の判定に用いること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザマーキング装置。 - 前記光学ヘッドの外部における前記光学ヘッドの近傍位置において前記各光ファイバにおける前記出射端の近傍部位を曲げた状態で保持する曲げ保持手段を備え、
前記受光手段は、前記曲げ保持手段の近傍位置に、前記各光ファイバによって伝送された前記レーザ光のうちの前記各光ファイバにおける前記曲げ保持手段による保持部位から前記各光ファイバの外部に漏れた漏れ光を受光可能な状態に配置されており、
前記光源判定手段は、前記受光手段による前記漏れ光の受光結果を、前記光源の良否の判定に用いること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザマーキング装置。 - 前記受光手段の数は、1つとされていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレーザマーキング装置。
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