JP2011078909A - エアフィルタ - Google Patents

Abstract

【課題】エアフィルタにおいて、フィルタ枠に対して濾材が着脱される保守作業及び洗浄作業の手間を省き、さらに洗浄性能も高めることができるようにする。
【解決手段】エアフィルタ１０は、ジグザグに折れ曲がった蛇腹状の濾材１２と、濾材１２を内部に着脱可能に固定するフィルタ枠１４とを有する。濾材１２は、折れ曲がり領域１６で分割された複数の濾材片１８と、濾材片１８と同じ材質で形成され、隣接する濾材片１８の隙間２０を塞いでこれらの濾材片１８を着脱可能に接続する接続部材２２とを有する。濾材１２は、濾材片１８と接続部材２２のみで構成されるので、保守作業の手間を省くことができる。さらに、洗浄作業においては、濾材１２を分割することで作業を容易にし、洗浄性能の向上を図ることができる。
【選択図】図１

Description

本発明はエアフィルタに関し、特にフィルタ枠に取り付けられる濾材の構造の改良に関する。

エアフィルタは、建物に設置される空調機器の一つであり、空気中の塵埃を捕集する機器である。エアフィルタは、塵埃を捕集する濾材と、濾材を内部に固定するフィルタ枠とを有する。このようなエアフィルタにおいては、濾材を蛇腹状に折り曲げた状態でフィルタ枠に取り付ける例がある。この構成により、濾材の濾過面積が大きくなるので、エアフィルタの外形と圧力損失を大きくすることなく、処理風量を増加させることができる。

下記特許文献１には、フィルタ枠と、このフィルタ枠に対して蛇腹状に折り曲げた状態で固定される濾材とを有する空調用エアフィルタが記載されている。この空調用エアフィルタに用いられる濾材は、フィルタ枠に対して着脱可能である。具体的には、分割枠に嵌められた濾材が、フィルタ枠にジグザグ状に複数配置され、これらの濾材はフィルタ枠から出し入れ可能である。この空調用エアフィルタの構成においては、フィルタ枠から分割枠付きの濾材をそれぞれ取り出して、これらの濾材から分割枠を取り外すことにより、濾材の洗浄または取り替え作業を行なうことできる。

特許第３０１６０２０号公報

上記特許文献１の空調用エアフィルタにおいては、濾材がフィルタ枠に対して着脱可能であるので、濾材を洗浄した後に再使用することができる。また、濾材を新規なものに交換する場合であっても、フィルタ枠についてはそのまま使用可能である。

しかしながら、上記特許文献１の空調用エアフィルタのような構造においては、保守作業時及び洗浄作業時に手間がかかるという問題がある。濾材を再使用する保守作業及び洗浄作業時を例に挙げ、具体的に説明する。

まず、作業員はフィルタ枠から分割枠付きの濾材を取り出す。そして、濾材から分割枠を取り外す。このとき、分割枠は複数の部材から構成されているので、これらの部材を分解しながら濾材から分割枠を取り外す。そして、濾材を洗浄した後に、この濾材に分割枠を取り付ける。このとき、上述したように分割枠は複数の部材から構成されているので、これらの部材を組み立てながら濾材に分割枠を取り付ける。そして、分割枠付き濾材をフィルタ枠に固定して、作業が終了する。上記特許文献１のフィルタ枠には、ジグザグ状に折れ曲がった数の濾材が固定されている。つまり、作業員は、これらの濾材全てについて上述の手順で作業しなければならないので、手間がかかってしまう。

本発明の目的は、フィルタ枠に対して濾材が着脱される保守作業の手間を省くとともに濾材を分割することで洗浄作業を容易にし、洗浄性能も高めることができるエアフィルタを提供することにある。

本発明は、ジグザグに折れ曲がった蛇腹状の濾材と、濾材を内部に着脱可能に固定するフィルタ枠と、を有するエアフィルタにおいて、濾材は、折れ曲がった領域で分割された複数の濾材片と、濾材片と同類の材質で形成され、隣接する濾材片の隙間を塞ぐとともにこれらの濾材片を着脱可能に接続する接続部材とを有することを特徴とする。

また、濾材片は、一つの折れ曲がり領域を有するＶ字状に形成されたＶ字状の濾材片を少なくとも一つ有し、Ｖ字状の濾材片と隣接する濾材片とが、フィルタ枠のエア流入側で接続部材により接続されることが好適である。

また、濾材片は、これの端面であって、固定時にフィルタ枠に接触する面に、濾材片と同類の材質で形成され、これらの隙間を封止するシール材を有することができる。

また、接続部材と濾材片とは、マジックテープ（登録商標）を介して着脱可能に接続されることが好適である。

本発明のエアフィルタによれば、フィルタ枠に対して濾材が着脱される保守作業の手間を省くとともに濾材を分割することで洗浄作業を容易にし、洗浄性能も高めることができる。

本実施形態におけるエアフィルタの構成を示す斜視図である。 フィルタ枠から濾材を取り外した時の状態を示す斜視図である。 図２のＡ部を示す詳細図である。

以下、本発明に係るエアフィルタの実施形態について、図を用いて説明する。図１は、本実施形態におけるエアフィルタ１０の構成を示す斜視図であり、図２は、フィルタ枠１４から濾材１２を取り外した時の状態を示す斜視図であり、図３は、図２のＡ部を示す詳細図である。

エアフィルタ１０は、ジグザグに折れ曲がった蛇腹状の濾材１２と、濾材１２を内部に着脱可能に固定するフィルタ枠１４とを有する。エアフィルタ１０は、図１に示す矢印方向から流入する空気中に含まれる塵埃を濾材１２で捕集して空気を清浄する。

濾材１２は、折れ曲がり領域１６で分割された濾材片１８を３個有する。このように、濾材１２を分割可能な構成にすることにより、運搬及び洗浄時の取り扱いが容易になる。

濾材片１８は、空気中の塵埃を捕集することができる多孔質の材質からなり、例えば不織布、紙、ガラス繊維、布巾、またはこれらを組み合わせたものからなる。特に、濾材１２は、比色法または計数法で評価される材質が好適である。

図２に示されるように、濾材片１８は、一つの折れ曲がり領域１６を有するＶ字状に形成される。互いに隣接する濾材片１８のＶ字の端部１８ａが連結されて、ジグザグに折れ曲がった蛇腹状の濾材１２が構成される。なお、本実施形態においては、濾材１２が３個の濾材片１８を有する場合について説明したが、この構成に限定されず、濾材１２が、２個の濾材片１８または４個以上の濾材片１８を有することもできる。また、蛇腹状に形成された濾材１２が適切に分割されるのであれば、濾材１２が、Ｖ字の一画のみからなる濾材片１８と、１個のＶ字状の濾材片１８とを連結して構成されてもよい。

また、図２に示されるように、濾材片１８は、フィルタ枠１４に固定されるときに、フィルタ枠１４に接触する面にシール材１８ｂを有する。シール材１８ｂは、濾材片１８と同類の材質で形成され、弾力性を有する。このシール材１８ｂは、濾材片１８がフィルタ枠１４に固定されるとき、これらの隙間を封止し、エアリークを防止する。ここで、濾材片１８と同類の材質とは、上述したような多孔質の材質のことであり、例えば不織布、紙、ガラス繊維、布巾、またはこれらを組み合わせたものである。シール材１８ｂは、濾材片１８の外周に設けられ、濾材片１８の型崩れを防止する機能を有するため、この同類の材質は、濾材片１８のものより強度が大きいものが好適である。

また、濾材１２の両端の端部１８ａには、固定板１８ｃが設けられている。固定板１８ｃは、剛性のある材質からなり、例えば木材、金属、プラスチックである。この固定板１８ｃがフィルタ枠１４の押え金具（図示せず）で押圧されることにより、濾材１２がフィルタ枠１４に固定される。

また、本実施形態の濾材１２は、折れ曲がり領域１６であって、隣接する濾材片１８の隙間２０（図１，２において破線で示す）を塞ぎ、これらの濾材片１８を着脱可能に接続する接続部材２２を有する。この接続部材２２の着脱行為のみにより、濾材１２を複数の濾材片１８に容易に分割し、かつ複数の濾材片１８を一体化して濾材１２に容易に組み立てることができるので、保守作業時及び洗浄作業時の手間を省くことができる。

接続部材２２は、濾材片１８と同類の材質で形成される。ここで、濾材片１８と同類の材質とは、上述したような多孔質の材質のことであり、例えば不織布、紙、ガラス繊維、布巾、またはこれらを組み合わせたものである。接続部材２２は、隣接する濾材片１８を接続して、その状態を保持する機能を有するため、この同類の材質は、濾材片１８の濾材片１８のものより強度が大きいものが好適である。

このように構成される接続部材２２により隙間２０が塞がれるので、エアフィルタ１０に流入する空気の一部が濾材片１８により濾過されずに隙間２０を通過してしまう、すなわちエアリークを防止することができる。また、図１及び２に示されるように、接続部材２２は、フィルタ枠１４のエア流入側で各濾材を接続することが好適である。フィルタ枠１４のエア流入側に作業スペースがあり、そこから接続部材２２を着脱するためである。また、いわゆる風上に設けることにより、接続部材２２が風圧で濾材片１８から外れてしまうことを防ぐためである。

さらに、本実施形態においては、接続部材２２が、濾過されない空気が隙間２０を通過することを単に防ぐだけではない。すなわち、接続部材２２が濾材片１８と同類の材質であるので、エアフィルタ１０に流入する空気の一部を接続部材２２で濾過させ、その後に隙間２０を通過させることができる。このように、本実施形態においては、単に隙間２０のエアリークを防止するのではなく、隙間２０も空気が通過する濾過面積の一部とすることで、濾材１２の濾過面積を増加させ、フィルタ性能を維持しつつ処理風量の増加を図ることができる。

図３に示されるように、互いに隣接する濾材片１８のＶ字の端部１８ａには、マジックテープ（登録商標）２４が設けられている。このマジックテープ（登録商標）２４を介して、接続部材２２と濾材片１８とは着脱可能に接続される。マジックテープ（登録商標）２４は、接続部材２２を濾材片１８に確実に固定することができるのであれば、端部１８ａに、これの長手方向の両端を結ぶように設けられても、複数に分割して設けられてもよい。本実施形態においては、濾材片１８と接続部材２２がマジックテープ（登録商標）２４により着脱可能に固定される場合について説明したが、この構成に限定されない。接続部材２２が濾材片１８に対して容易に着脱可能であれば、面ファスナなどの他の接着構造を用いることもできる。

フィルタ枠１４は、剛性のある材質からなり、例えば木材、金属、プラスチック、またはこれらを組み合わせたものからなる。本実施形態のフィルタ枠１４の外形寸法は、縦６１０ｍｍ×横６１０ｍｍ×奥行き２９０ｍｍである。しかし、この外形寸法に限定されず、設置場所などに応じて、縦、横、奥行きの寸法を適宜調整することができる。

図２に示されるように、フィルタ枠１４は、濾材１２を支持する濾材支持棒２６と、濾材１２をガイドするガイド２８とを有する。濾材支持棒２６は、フィルタ枠１４のエア流出側に所定の間隔を空けて設けられる。濾材支持棒２６は、濾材１２が風圧によりフィルタ枠１４から押し出されないように濾材１２を支持する。ガイド２８は、フィルタ枠１４の対向する内面と、濾材支持棒２６とにそれぞれ設けられる。フィルタ枠の対向する面に立設されるガイド２８は板状であり、濾材支持棒２６に設けられるガイド２８は、棒状である。ガイド２８は、フィルタ枠１４に対して濾材１２が出し入れされるとき濾材１２をガイドするとともに、フィルタ枠１４の内部において、濾材１２を蛇腹状に保持する。

次に、本実施形態のエアフィルタ１０における保守作業の手順について説明する。なお、保守作業は、一例として濾材１２を洗浄して再使用するための作業とする。

まず、作業員はフィルタ枠１４から濾材１２を取り出す（図２の状態）。そして、濾材１２から接続部材２２を取り外し、各濾材片１８に分割し、それぞれを洗浄する。洗浄後、濾材片１８を接続部材２２により接続して濾材１２を組み立てて、濾材１２をフィルタ枠１４に固定して、作業が終了する。

本実施形態によれば、従来技術のエアフィルタに比べ、濾材片１８を連結する部材の構成が簡略化されたので、保守作業時の手順が簡略化され作業効率の向上を図ることができる。また、洗浄作業時においては、濾材１２を濾材片１８に分割することで作業を容易にし、洗浄性能の向上を図ることができる。また、濾材片１８と、濾材片１８を連結する部材とを同類の材質にすることにより、濾材片１８間のエアリークを防止するとともに濾過面積の増大を図ることができる。さらに、上述のように同類の材質にすることにより、それらを廃棄する際の分別が容易になるという利点もある。

１０ エアフィルタ、１２ 濾材、１４ フィルタ枠、１６ 折れ曲がり領域、１８ 濾材片、２０ 隙間、２２ 接続部材、２４ マジックテープ（登録商標）。

Claims (4)

1. ジグザグに折れ曲がった蛇腹状の濾材と、
   濾材を内部に着脱可能に固定するフィルタ枠と、
   を有するエアフィルタにおいて、
   濾材は、折れ曲がった領域で分割された複数の濾材片と、濾材片と同類の材質で形成され、隣接する濾材片の隙間を塞ぐとともにこれらの濾材片を着脱可能に接続する接続部材とを有する、
   ことを特徴とするエアフィルタ。
2. 請求項１に記載のエアフィルタにおいて、
   濾材片は、一つの折れ曲がり領域を有するＶ字状に形成されたＶ字状の濾材片を少なくとも一つ有し、
   Ｖ字状の濾材片と隣接する濾材片とが、フィルタ枠のエア流入側で接続部材により接続される、
   ことを特徴とするエアフィルタ。
3. 請求項２に記載のエアフィルタにおいて、
   濾材片は、これの端面であって、固定時にフィルタ枠に接触する面に、濾材片と同類の材質で形成され、これらの隙間を封止するシール材を有する、
   ことを特徴とするエアフィルタ。
4. 請求項２に記載のエアフィルタにおいて、
   接続部材と濾材片とは、マジックテープ（登録商標）を介して着脱可能に接続される、
   ことを特徴とするエアフィルタ。

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