JP2011077533A - 太陽電池用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 太陽電池の保護材として一般に使われているEVA(エチレンービニルアセテート共重合体)に代表されるようなポリオレフィン系樹脂との接着性を改善したポリエステルフィルムを安価に製造し、太陽電池用として好適なフィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも片面に、有機シラン化合物を含有する塗布層を有するフィルムであり、当該塗布層がフィルム製膜時に設けられたことを特徴とする太陽電池用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも片面に、有機シラン化合物を含有する塗布層を有するフィルムであり、当該塗布層がフィルム製膜時に設けられたことを特徴とする太陽電池用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、太陽電池用に最適なポリエステルフィルムに関する。
尽きることのない太陽エネルギーを利用した太陽光発電は、近年、クリーンで、地球温暖化防止に役立つエネルギー源として着実に伸びており、今後も大量の発電が期待されている。この太陽光発電の代表として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等の半導体を使った太陽電池を挙げることができる。太陽電池は、半導体に太陽光が当たると電流を取り出せるという原理を実用化したものである。太陽電池が設置される場所は、家屋の屋根や、携帯発電装置、電卓や時計等であるが、何れも太陽があたる場所であり、かつ屋外で自然な状態に晒されている。太陽電池の心臓部に水分がおよぶとその性能が著しく低下するために、太陽電池には、強度や耐水性が過酷な自然環境に長時間耐えるパッケージが要求される。また、家屋の屋根に設置するため太陽電池の軽量化も要求される。
このような耐久性のあるパッケージからなる太陽電池の構成として、代表的なものとして、次のような構成が知られている。すなわち、ガラスやプラスチック等の高光線透過材とエチレンービニルアセテート共重合体(以下、EVAと略記する)とが積層されてなる表面材と背面保護フィルムとEVAとが積層されてなる部材とで、EVA面とEVA面を向けて連結して配置された太陽電池モジュールを挟み込むという構成である。ここでEVAの役割は、太陽電池モジュールを固定すると同時に、外界から特に水分から保護する役割である。
この背面保護フィルムや表面材には、水蒸気バリアー性が必要とされるが、バリアー材をポリエステルフィルムでラミした材料や、バリアー材をポリエステルフィルムに塗布した材料を使うことが、例えば、特許文献1〜4に提案されている。
特許文献4に、ポリエステルフィルムにEVAとの接着性を向上する層を設けておくことが提案されているように、表面材や背面保護フィルムにポリエステルフィルムを使った場合に、EVAとの接着性が弱く、接着性を改善することが求められている。特許文献4に記載されているような二軸延伸フィルムに設層方法では、有機溶剤を用いて塗布し、乾燥炉にて乾燥させており、乾燥炉の運転費用や、作業環境を良くするための換気設備等が必要であり、コスト高となる問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、接着性に優れ、太陽電池用のフィルムとして好適なフィルムを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも片面に、有機シラン化合物を含有する塗布層を有するフィルムであり、当該塗布層がフィルム製膜時に設けられたことを特徴とする太陽電池用ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、太陽電池の表面材や背面保護フィルムに好適なフィルムを提供することができ、本発明の興行的価値は高い。
本発明で言うオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン、あるいはジオレフィンを重合または共重合した重合体の総称であり、エチレンとビニルアセテート、アクリル酸エステルなど他のモノマーとの共重合体やアイオノマーなども含む。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/ビニルアセテート共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。中でも、広く使用されているのは、EVAという略称で呼ばれる、エチレンービニルアセテート共重合体である。EVAは、粘着剤や接着剤として塗工される場合や、シート状で使われる場合があるが、シート状で熱圧着して使われることが一般的である。そのシートの厚みは、0.2mmから5.0mm程度のものが代表的である。
本発明のポリエステルフィルムは、表面材としても背面保護フィルムとしても使用することができる。表面材として使用するに際しては、太陽光線の透過を良くするために透明なポリエステルフィルムであることが必要であり、また、太陽光によるフィルムの劣化を防止するために、ポリエステルフィルムに耐候剤を配合したり、ポリエステルフィルムの上を、紫外線を吸収する材料で覆ったりする等の対応が必要である。また、ポリエチレン−2,6−ナフタレートのような、耐候性の高いポリエステルフィルムを使うことも好ましい。一方、背面保護フィルムとして使用する際には、透明でもよいが、隠蔽性の高い白色フィルム、黒色フィルムでもよく、耐候剤を配合するとより好ましいが、なくても問題はない。
太陽電池の保護フィルムには、水蒸気バリアー性が必要であるが、本発明のフィルムと水蒸気バリアー性のある材料とを接着剤等を介して積層して使用することができる。代表的なバリアー材としてアルミ箔を挙げることができる。アルミ箔を用いる背面保護フィルムの例としては、本発明フィルム(例えば、厚み50μm)の塗布面の反対面に接着剤を介してアルミ箔をラミネートし、さらに接着剤を介して透明ポリエステルフィルムをラミネートする。透明ポリエステルフィルムとしては、12μm〜200μmの範囲が実用的である。バリアー材の別の例として、シリカやアルミナを二軸延伸ポリエステルフィルムに蒸着したフィルムや、塩化ビニリデン系樹脂や、アクリル系樹脂等を塗布したバリアー性の良い二軸延伸ポリエステルフィルムを挙げることができる。これらフィルムをアルミ箔の代わりに用いるものである。
バリアー性を持たせる方法として、本発明フィルムのEVAと接触する面の反対面に水蒸気バリアー層を蒸着や塗布する方法がある。蒸着する層としては、例えば、先のシリカやアルミナの蒸着層を挙げることができる。塗布層としては、例えば、塩化ビニリデン系樹脂や、アクリル系樹脂等を挙げることができる。蒸着層を設けた本発明フィルムの背面保護フィルムの例としては、本発明フィルムのシリカ層を設けた面に接着剤を介して白色ポリエステルフィルムをラミネートする。白色ポリエステルフィルムとしては、50μm〜200μmの厚み範囲のものが実用的である。
本発明のポリエステルフィルムに用いるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれに重合触媒を添加後減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
本発明のポリエステルとしては、代表的には、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられるが、その他に上記の酸成分やグリコール成分を共重合したポリエステルであってもよく、必要に応じて他の成分や添加剤を含有していてもよい。これらポリエステルには、フィルムの走行性を向上する等の目的で、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を含有させることができる。これら粒子の粒径や量は目的に応じ適宜決めることができる。隠蔽性が必要な場合には、多量の酸化チタンや硫酸バリウムやカーボンブラック等を加えることができる。また、適宜紫外線吸収剤、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を加えることもできる。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム製造時にポリオレフィン系樹脂との接着性に優れる塗布層を設けることによって得られる。本発明のポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルムであることがこのましい。
二軸延伸ポリエステルフィルムを得る製造方法としては、通常知られている製造法でよく、特に制限はない。例えば、押出機より溶融押し出して得た未延伸フィルムをまず、ロール延伸法により、60〜120℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得、次いで、テンター内で先の延伸方向とは直角方向に80〜130℃で2〜6倍に延伸し、さらに、150〜250℃で1〜600秒間熱処理を行なう逐次二軸延伸製造方法で良い。また、未延伸フィルムを縦、横に同時に延伸し、その後テンターにて熱処理する同時二軸延伸製造方法でよい。本発明の製造方法は、単層あるいは、複数台の押し出し機を使った多層フィルムであってもよい。
フィルム製造時に塗布層を設ける方法としては、例えば、逐次二軸延伸法においては、縦一軸延伸後のフィルムに塗布した後、横に延伸し、熱処理する方法、または、二軸延伸後にフィルムに塗布し乾燥する方法がある。方法に制約はないが、一軸延伸フィルムに塗布し、次いで横延伸し、熱処理する方法は、塗布層を均一に薄くできる等の特徴があり好ましい。また、同時二軸延伸法においては、延伸前の非晶フィルムに塗布し、同時二軸延伸し、その後熱処理する方法が好ましい。本発明のフィルムは、単層あるいは、複数台の押し出し機を使った多層フィルムであってもよい。
本発明の塗布層としては、水に溶解、乳化または懸濁する水性高分子が好ましく、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルピロリドンおよびこれらの共重合体等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
これらの化合物は、1種または2種以上を混合して使用できる。特に、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含有することが好ましい。
また、上記の塗布層には、その成分として架橋剤を使用することが好ましい。架橋剤としては、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、アミド系などの化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ポリイソシアヌレート、ブロックポリイソシアネート、オキサゾリン基含有水溶性ポリマー、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤が挙げられる。また、塗布液中には、塗布性を向上するために、本発明の効果を損わない範囲で、無機や有機の粒子、潤滑剤、帯電防止剤、消泡剤等を含有させてもよい。
本発明の塗布層として、有機シラン化合物を含有する塗布層であることを必須とする。有機シラン化合物としては、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等があり、これらの混合物や縮合反応物であっても良い。特に、分子内に有機官能機を持ったアルコキシシランが好ましい。その代表的な例としては、下記一般式で表される有機シラン化合物があり、これらは、シランカップリング剤として知られている。
XR2Si(OR1)3や(XR2)(YR3)Si(OR1)2
(ここで、R1はメチル基またはエチル基で代表されるアルキル基やメトキシアルキル基等の置換アルキル基であり、R2、R3はそれぞれ独立してプロピレン基等のアルキレン基、X、Yはそれぞれ独立して有機官能基である)
上記一般式において、XやYの有機官能基としては、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基およびグリシジル基が好ましい。また、有機官能基としては、N−β(アミノエチル)アミノ基のような置換アミノ基やポリエチレンイミンのように、置換されたものであってもよい。有機官能基を有するシランカップリング剤の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好ましく例示される。これらは一種または二種以上、および必要によっては、官能基を持たないアルコキシシランを含めた混合物や縮合物を用いることができる。
(ここで、R1はメチル基またはエチル基で代表されるアルキル基やメトキシアルキル基等の置換アルキル基であり、R2、R3はそれぞれ独立してプロピレン基等のアルキレン基、X、Yはそれぞれ独立して有機官能基である)
上記一般式において、XやYの有機官能基としては、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基およびグリシジル基が好ましい。また、有機官能基としては、N−β(アミノエチル)アミノ基のような置換アミノ基やポリエチレンイミンのように、置換されたものであってもよい。有機官能基を有するシランカップリング剤の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好ましく例示される。これらは一種または二種以上、および必要によっては、官能基を持たないアルコキシシランを含めた混合物や縮合物を用いることができる。
有機シラン化合物は、アルコール溶媒で希釈して用いることができるが、水系であることが好ましく、その際には、塗布性を改善する目的で各種の界面活性剤を配合することができる。また、必要に応じて先に挙げた水性高分子の1種もしくは2種以上を併用し塗布性の向上を図っても良い。また、本発明の塗布剤には、塗布面の滑り性確保する目的で、無機粒子や有機の粒子を加えても構わない。
本発明の塗布層の厚さとしては、通常0.003〜1.5μm、好ましくは0.005〜0.5μmが良い。薄いと接着性を発揮できず、厚いとポリエステルフィルム同士のブロキングが生じることがある。
ポリエステルフィルムに塗布層を塗布する方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター、バーコーター等のような技術が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、9〜200μmが好ましい。
本発明のフィルムを使って太陽電池を製造する例としては、ガラス/EVA(シート状)/太陽電池モジュール/EVA(シート状)/本発明のフィルムを使った背面保護フィルムの順に積層し、真空ラミネータにて加熱圧着する例を挙げることができる。この際、本発明の塗布層面がEVA(シート状)と接する面を向けて配置する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を示す。
<物性および評価方法、評価基準>
(1)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)の測定方法
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
(1)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)の測定方法
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
(2)収縮率の測定方法
フィルムを長さ方向および幅方向に35mm幅×1000mm長の短冊状にサンプルを切り出し無張力状態にて150℃に設定されたオーブン(タバイエスペック(株)製:熱風循環炉)中に30分間熱処理を行い、熱処理前後の長さを直尺により測定し、下記式にて熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100
(上記式中、aは熱処理前のサンプルの長さ(mm)、bは熱処理後のサンプルの長さ(mm)を表す)
フィルムを長さ方向および幅方向に35mm幅×1000mm長の短冊状にサンプルを切り出し無張力状態にて150℃に設定されたオーブン(タバイエスペック(株)製:熱風循環炉)中に30分間熱処理を行い、熱処理前後の長さを直尺により測定し、下記式にて熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100
(上記式中、aは熱処理前のサンプルの長さ(mm)、bは熱処理後のサンプルの長さ(mm)を表す)
(3)接着性の測定方法
厚さ560μmのEVAの両面にポリエステルフィルムの塗布層面を重ね、上下を温度130℃に加熱したヒートシラーにて、圧力0.16MPaにて、60秒間ヒートシールした。ヒートシールに際しては、ヒートシールをしない部分を残し、剥離試験を開始する部分とし、この部分から両面のポリステルフィルムを180度方向に、スピード0.5m/分で剥離し、剥離強度を測定した。接着性は、次の3段階の基準で評価した。
評価3:剥離強度が、3.5N/20mm幅以上
評価2:剥離強度が、1.0N/20mm幅〜3.4N/20mm幅
評価1:剥離強度が、1.0N/20mm幅未満
実用的には、評価3は全く問題なく使用でき、評価2も使用できる範囲と判断した。
厚さ560μmのEVAの両面にポリエステルフィルムの塗布層面を重ね、上下を温度130℃に加熱したヒートシラーにて、圧力0.16MPaにて、60秒間ヒートシールした。ヒートシールに際しては、ヒートシールをしない部分を残し、剥離試験を開始する部分とし、この部分から両面のポリステルフィルムを180度方向に、スピード0.5m/分で剥離し、剥離強度を測定した。接着性は、次の3段階の基準で評価した。
評価3:剥離強度が、3.5N/20mm幅以上
評価2:剥離強度が、1.0N/20mm幅〜3.4N/20mm幅
評価1:剥離強度が、1.0N/20mm幅未満
実用的には、評価3は全く問題なく使用でき、評価2も使用できる範囲と判断した。
参考例1:
通常の溶融宿重合法にて、平均粒径が2.5μmの非晶質シリカを0.08部含有する極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレートチップを得た。このチップを乾燥し、水分を50ppm以下としてから、295℃にて溶融し、冷却したドラム上に溶融押し出して無定型シートを得、次いで85℃〜100℃にて縦に3.5倍に延伸して縦一軸延伸フィルムを得た。このフィルムに下記の塗布液Aをグラビアコーターにて5μm塗布し、90℃〜120℃の雰囲気で横に4.0倍延伸し、次いで235℃にて熱処理して、フィルム厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムをロール状に巻き上げた。このフィルムの150℃で30分の熱収縮率は、縦1.0%、横0.3%だった。このフィルムの塗布面のEVAとの接着性は、4.0N/20mm幅で評価3だった。
通常の溶融宿重合法にて、平均粒径が2.5μmの非晶質シリカを0.08部含有する極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレートチップを得た。このチップを乾燥し、水分を50ppm以下としてから、295℃にて溶融し、冷却したドラム上に溶融押し出して無定型シートを得、次いで85℃〜100℃にて縦に3.5倍に延伸して縦一軸延伸フィルムを得た。このフィルムに下記の塗布液Aをグラビアコーターにて5μm塗布し、90℃〜120℃の雰囲気で横に4.0倍延伸し、次いで235℃にて熱処理して、フィルム厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムをロール状に巻き上げた。このフィルムの150℃で30分の熱収縮率は、縦1.0%、横0.3%だった。このフィルムの塗布面のEVAとの接着性は、4.0N/20mm幅で評価3だった。
・塗布液Aの組成
下記の化合物(1)〜(4)の固形分が下記部数となるように水を媒体とする塗布液(濃度10%)を調整した。
(1)大日本インキ化学工業社製ポリウレタンであるハイドラン AP−40(商品名)が60部
(2)三洋化成社製ポリウレタンであるパーマリン UA310(商品名)が10部
(3)大日本インキ化学工業社製ポリエステルからなるファインテックス ES−670が20部
(4)アルキロールメラミンが10部
下記の化合物(1)〜(4)の固形分が下記部数となるように水を媒体とする塗布液(濃度10%)を調整した。
(1)大日本インキ化学工業社製ポリウレタンであるハイドラン AP−40(商品名)が60部
(2)三洋化成社製ポリウレタンであるパーマリン UA310(商品名)が10部
(3)大日本インキ化学工業社製ポリエステルからなるファインテックス ES−670が20部
(4)アルキロールメラミンが10部
参考例2:
通常の重合法で、全く粒子を含有しない極限粘度0.70のポリエチレンテレフタレートのチップAを得た。このチップ60部に対して、粒径0.3μmのアナターゼ型酸化チタンを40部配合し、混練装置にて良く混練りし、押し出してチップBを得た。チップAを65部とチップBを35部配合し、実施例1と同様の方法で、塗布液Aを設層した厚み50μmの白色の二軸延伸ポリエステルフィルムをロール状に巻き上げた。このフィルムの150℃で30分の熱収縮率は、縦1.0%、横0.3%だった。このフィルムの塗布面のEVAとの接着性は、4.0N/20mm幅で極評価3だった。
通常の重合法で、全く粒子を含有しない極限粘度0.70のポリエチレンテレフタレートのチップAを得た。このチップ60部に対して、粒径0.3μmのアナターゼ型酸化チタンを40部配合し、混練装置にて良く混練りし、押し出してチップBを得た。チップAを65部とチップBを35部配合し、実施例1と同様の方法で、塗布液Aを設層した厚み50μmの白色の二軸延伸ポリエステルフィルムをロール状に巻き上げた。このフィルムの150℃で30分の熱収縮率は、縦1.0%、横0.3%だった。このフィルムの塗布面のEVAとの接着性は、4.0N/20mm幅で極評価3だった。
実施例1:
参考例2の塗布液をN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランの8%エタノール溶液に変更する以外は、参考例2と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの塗布面のEVAとの接着性は、1.0N/20mm幅で評価2だった。
参考例2の塗布液をN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランの8%エタノール溶液に変更する以外は、参考例2と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの塗布面のEVAとの接着性は、1.0N/20mm幅で評価2だった。
比較例1:
実施例1にて塗布層を設けない以外は同様にして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムのEVAとの接着性は、0.3N/20mm幅で評価1だった。
実施例1にて塗布層を設けない以外は同様にして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムのEVAとの接着性は、0.3N/20mm幅で評価1だった。
比較例2:
実施例1の塗布液を下記の塗布液Bとする以外は、実施例1と同様にして2軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムのEVAとの接着性は、0.3N/20mm幅で評価1だった。
・塗布液B
下記の化合物(1)および(2)の固形分が下記部数となるように水を媒体とする塗布液(濃度10%)を調整した。
(1)日本純薬社製ポリアクリルであるジュリマーM−918が70部
(2)大日本インキ化学工業社製ポリエステルからなるファインテックスES−670が30部
実施例1の塗布液を下記の塗布液Bとする以外は、実施例1と同様にして2軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムのEVAとの接着性は、0.3N/20mm幅で評価1だった。
・塗布液B
下記の化合物(1)および(2)の固形分が下記部数となるように水を媒体とする塗布液(濃度10%)を調整した。
(1)日本純薬社製ポリアクリルであるジュリマーM−918が70部
(2)大日本インキ化学工業社製ポリエステルからなるファインテックスES−670が30部
本発明のポリエステルフィルムは、例えば、太陽電池用フィルムとして好適に使用できる。
Claims (1)
- 少なくとも片面に、有機シラン化合物を含有する塗布層を有するフィルムであり、当該塗布層がフィルム製膜時に設けられたことを特徴とする太陽電池用ポリエステルフィルム。
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---|---|---|---|---|
JPS6229226A (ja) * | 1985-07-30 | 1987-02-07 | Nec Corp | 送信装置 |
JPS6399581A (ja) * | 1986-06-09 | 1988-04-30 | Toppan Printing Co Ltd | 太陽電池モジユ−ル |
JPH02113032A (ja) * | 1988-09-06 | 1990-04-25 | Hoechst Celanese Corp | 押出被覆可能なアミノ官能性シランプライマー塗布ポリエステルフィルムとその押出被覆ラミネート |
JPH05202214A (ja) * | 1992-01-24 | 1993-08-10 | Teijin Ltd | 易接着性ポリエステルフイルム |
-
2010
- 2010-11-16 JP JP2010255624A patent/JP2011077533A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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