JP2011077392A - ウエハの洗浄方法 - Google Patents

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隆博 蘆田
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Abstract

【課題】ワイヤソーで切断後のワークをウエハ間の隙間を維持した状態で洗浄工程に供し効率良くウエハの洗浄を行う。
【解決手段】切断後のワーク34のウエハ40間にワイヤ列を残した状態で、ワーク34の側面に沿って保持液ノズル70を進入させ、この保持液ノズル70から保持液36を噴射してワーク34の側面に保持液36を各ウエハ40間の隙間に介在させるように付着させてウエハ40間の隙間を保持液36により維持し、取り外されたワーク34をウエハ40側面と接触するブラシ部材45が設けられた下チャンバ76内に収納することにより、ウエハ40間の隙間にブラシ部材45を接触させてブラシ部材45を隙間に進入させ、この後、支持板30と貼付け台29とを剥離させ、続いて、洗浄液タンク54が接続された上チャンバ82を閉じて真空室を形成し減圧状態とした後、洗浄液83を真空室内に注ぎ込むことによりウエハを洗浄する。
【選択図】図8

Description

本発明は、ワイヤソーで切断された多数枚のウエハを洗浄する洗浄方法に関する。
従来より、シリコン、水晶、サファイア等の脆性材料で形成されたワークを複数のワイヤ列からなるワイヤソーで切断し、多数枚のウエハが切り出されている。このワイヤソーは、遊離砥粒をワイヤ列に供給しながらワイヤを一方向又は往復動させながら切断する遊離砥粒方式と、ワイヤにダイヤモンド等の砥粒が電着等で固定されたものを用い、加工液で冷却しながらワイヤを一方向又は往復動させて切断する固定砥粒方式のワイヤソーとが用いられている。
これらのワイヤソーでのワークの切断は、前記ワークにカーボン、ガラス、セラミックス等のダミー部材を支持板として貼り付け、この支持板にワーク加工台を貼り付けた後、前記ワーク加工台を適宜の固定手段でワイヤソーの加工テーブルに固定し、このワークを加工テーブルを移動させることによりワイヤ列に押し当てて行われる。
そして、このワイヤソーで切断されたワークはワイヤ列から抜き去られ、ワーク加工台にワークが固定された状態でワイヤソーから搬出され、ワーク加工台が取り外された後、洗浄工程で前記支持板が剥離され、枚葉状になったウエハを洗浄して収納容器に分離収納される(例えば特許文献1)。
特開平9−237770号公報
ところで、ワイヤソーで切断されたワークは多数枚のウエハが櫛状になって支持板に繋がっており、特に最近では、太陽電池に用いられるシリコンウエハを効率良く得るためにワイヤが細線化されるとともに、切断ピッチも細かいものになっている(例えば300μmピッチ)ため、ウエハ間の隙間はより細かいものになってきている。
上記のウエハは、ワイヤソーで切断後にワイヤ列から抜き去られると、櫛状になったウエハ同士が切削液の表面張力で貼り付いてしまい、そのまま洗浄に供してもウエハ間の隙間がなくなり、その隙間に洗浄液が進入できないため洗浄が不十分になる問題があった。このため、遊離砥粒方式であればウエハ間に砥粒が残留したり、固定砥粒方式においては切断屑や切削液がウエハに付着し、ウエハにしみ等が残って、結果、ウエハの表面を研磨等しなければ汚れが取り切れない問題があった。また、貼り付いてしまったウエハを無理に分離しようとすれば上記のようにウエハは非常に薄く形成されているので破損する問題もあった。
そこで、本発明の目的は、ワイヤソーで切断されたウエハの隙間を維持した状態で洗浄することでウエハを破損せずに効率良く洗浄できる洗浄方法を提供することにある。
そこで、請求項1の発明は、支持板に貼着されたワークを支持板を介して貼付け台に固定し、前記貼付け台をワイヤソーの加工テーブルに固定して前記ワークを複数のワイヤ列に押し当てながら切断することにより多数枚のウエハを形成し、前記ウエハを上下チャンバからなる真空室内に収納して洗浄するウエハの洗浄方法において、切断後のワークのウエハ間に前記ワイヤソーのワイヤ列を残した状態で、前記ワイヤ列と支持板との間のワークの少なくとも一側面に沿って保持液ノズルを進入させて、この保持液ノズルを前記ワークの側面に位置させ、この保持液ノズルから保持液を噴射して前記ワークの少なくとも一側面に保持液を各ウエハ間の隙間に介在させるように付着させてウエハ間の隙間を前記保持液により維持し、続いて、前記加工テーブルから取り外されたワークをウエハ側面と接触するブラシ部材が設けられた下チャンバ内に支持板を上面にして収納することにより、ウエハ間の隙間にブラシ部材を接触させてブラシ部材を前記隙間に進入させ、この後、前記支持板と貼付け台との接着境界部分に蒸気を噴射させるとともに貼付け台を貼付け台保持機構によって保持し支持板から離間させることで支持板と貼付け台とを剥離させ、続いて、洗浄液タンクが接続された上チャンバを閉じて真空室を形成し、この真空室を減圧状態とした後、前記洗浄液タンクから洗浄液を真空室内に注ぎ込むことにより、前記洗浄液でウエハを洗浄するようにしたウエハの洗浄方法である。
本発明は、ワイヤソーでのワークの切断後に、ワイヤ列のワイヤによりウエハ間の隙間が維持された状態で、ワークの少なくとも一側面を保持するようにしたので、ワイヤ列をワークから抜き去っても、ウエハ間の隙間が維持でき、その隙間を維持した状態で次の洗浄工程にウエハを供することができるので、効率良くウエハを洗浄でき、ウエハに汚れが残ったり、分離する際に破損したりすることがない。
また、ワイヤソーからウエハの隙間を維持した状態でワークを取り出した後、ワークを収納ボックスに収納する際にウエハ間の隙間に入り込むブラシ部材を設けたので、収納ボックスに収納後も、絶えずウエハ間の隙間を維持でき、効率良くウエハを洗浄できるので、ウエハに汚れが残ったり、分離する際に破損したりすることがない。
また、収納ボックスを真空室形成できるように構成し、ウエハ間の隙間を維持した状態で真空室内にワークを収納して減圧状態で洗浄液を真空室内に導入するようにすれば、ウエハ間の隙間に洗浄液が浸透し、効率良くウエハを洗浄できるので、ウエハに汚れが残ったり、分離する際に破損したりすることがない。
本発明の一実施形態を表す全体構成図である。 本発明のワーク取り出し工程を表す説明平面図である。 図2のA−A方向矢視図である。 本発明のワーク取り出し工程に用いるワーク取り出し装置の左側面図である。 図4の要部拡大説明図である。 (a)及び(b)は本発明のワーク取り出し工程の説明図である。 本発明のワーク取り出し工程の説明図である。 本発明のワーク取り出し工程の説明図である。 (a)及び(b)は本発明のワーク取り出し工程の説明斜視図である。 は本発明のワーク収納工程の説明斜視図である。 は本発明のワーク収納工程の説明斜視図である。 (a)乃至(c)は本発明の洗浄方法の説明図である。 (d)乃至(f)は本発明の洗浄方法の説明図である。 (g)は本発明の洗浄方法の説明図である。 (h)は本発明の収納工程の説明図である。 (a)及び(b)は本発明の洗浄工程の説明図である。 (c)は本発明の洗浄工程の説明図である。
以下に本発明の一実施形態について、図1乃至図11に基づいて説明する。
図1は本発明の洗浄方法に用いられるワイヤソー及び洗浄装置の全体構成を表すものであり、ワーク34を切断するワイヤソー1及び切断されたワーク34をワイヤソー1から取出して洗浄装置2に搬送する搬送台車3から構成される。なお、図1においてワイヤソー1は説明上、実際より小さく描いてある。
次に本発明の洗浄方法の全体工程を説明すると、前記のワイヤソー1で切断されたワーク34は、搬送台車3によってワイヤソー1から取り出されて洗浄装置2の支持板剥離部75に搬送されるとともに下チャンバ76内に収納される。続いて、ワーク34を固定した加工台31が取り外された後、支持板30と貼付け台29が支持板剥離機構47によって剥離され、ワーク34が枚葉状のウエハ40に分離される。そして、前記ウエハ40は下チャンバ76に収納された状態で下チャンバ76とともにウエハ洗浄部77に供される。
ウエハ洗浄部77には前記下チャンバ76上に上チャンバ82が設けられており、この上チャンバ82は支持枠88に設けられたシリンダ50とガイド51によって支持枠88に対して上下動するようになっている。この上チャンバ82は、支持板剥離部75から適宜の機構で搬送された下チャンバ76と合わさって真空室を形成するようになっている。
なお、ウエハ洗浄部77では、前記真空室を減圧する真空ポンプ53が電磁弁55及び真空アダプタ52を通じて上チャンバ82に接続されており、真空ポンプ53を作動させることで前記真空室内を減圧状態にするようになっている。
また、前記上チャンバ82には真空アダプタ52とは反対側に洗浄液アダプタ81が設けられ、その洗浄液アダプタ81には電磁弁56を介して洗浄液タンク54が接続され電磁弁56を開閉することにより、真空室内に洗浄液83が注がれるようになっている。
前記洗浄液タンク54は、電磁弁87を介して洗浄液ポンプ80が接続され、後述する回収された洗浄液83を洗浄液ポンプ80を駆動することにより、洗浄液タンク54に送り込むようになっている。
また、ウエハ洗浄部77には下チャンバ76を載置した際に下チャンバ76の両側面部下方に設けられた排出アダプタ46、46に接続する排出パイプ59、59が設けられており、この両排出パイプ59、59は電磁弁57、58を経由した後、1本の排出パイプ59となり、洗浄液ポンプ80に接続されている。これにより、洗浄後に排出された洗浄液83は排出アダプタ46から排出され洗浄液ポンプ80に送り込まれた後、この洗浄液ポンプ80によって洗浄液タンク54に回収した洗浄液83を送り込まれるようになっている。
上記のように洗浄されたウエハ40は下チャンバ76に収納された状態でウエハ収納部78に適宜手段で搬送され、吸着ハンド66乃至69により、収納カセット60に一枚ずつ収納される。
なお、本実施形態においては効率良くウエハ40を収納するためワーク34の両側からウエハ40を取出し、順次その両側左右に設けられた取出し機構61乃至64の吸着ハンド66乃至69によって4つの収納カセット60に収納していくようになっている。
次に、ワイヤソー1からのワーク34の取出しについて図2乃至図9に基づいて以下に説明する。
ワイヤソー1は、図2及び図3のように本体枠25の間に複数の溝が形成された溝ローラー26が水平に2本軸支され、これらの溝ローラー26、26間に例えばダイヤモンドが表面に電着等で固定されたワイヤ27が巻き回されて構成されている。前記ワイヤソー1は、両溝ローラー26、26を回転させてワイヤ27を往復動又は一方向に走行させ、このワイヤ27にシリコンインゴット等のワーク34を押し付けて図示しない適宜のノズルから加工液(界面活性剤等の添加された冷却水等)をワーク34やワイヤ27に掛けながらワーク34を多数枚のウエハ40に切断するようになっている。
図3及び図6(a)のように溝ローラー26、26の上方には加工テーブル28が上下動自在に設けられ、その加工テーブル28の下面には奥行き方向にテーパー状の溝が形成され、その溝に加工台31が摺動可能に装着されるようになっている。前記加工台31は、図1及び図10のようにその上面に開口部43と前記開口部43の両側に中央方向に向けて突出した加工台固定部42、42が形成されている。
前記加工テーブル28内には加工台31の加工台固定部42と対応する位置に2本の円柱状の固定ピン33、33が設けられ、この固定ピン33は圧縮バネ35によって上方に向けて付勢されるようになっており、加工台31を加工テーブル28の溝に挿入した際に加工台固定部42を固定ピン33で加工テーブル28側に引っ張って固定するようになっている。なお、加工台31の脱着時には、固定ピン33の上方に設けられた解除シリンダ41を駆動して圧縮バネ35の付勢力を解除するようになっている。
また、切断するワーク34は、接着剤によってセラミックス等の支持板(ダミー部材)30に接着され、続いて板状の貼付け台29に接着剤で接着固定された後、加工台31と貼付け台29がボルト等によって脱着可能に固定される。
ワイヤソー1での切断は加工台31に固定されたワーク34を加工テーブル28に装着固定し、図6(a)のように図示しない加工液を掛けながらワイヤ27を往復動又は一方向に走行させてワーク34をワイヤ27に押し付けることによって行われ、支持板30を一部切断するところまで切断を行う。
切断の終了したワーク34は、その後、ワイヤ27を抜き去ることになるが、本発明においては、図6(b)のようにワイヤ27がワーク34のウエハ間の一部に残る状態までワーク34を上昇させて停止させる。このようにワイヤ27がワーク34内のウエハ間に残った状態でワイヤ27の引き抜きを停止させることで、ワイヤ27の隙間を維持した状態にすることができる。
次に、図3乃至図5に基づいて、切断後のワーク34の取出しを行う搬送台車3の構成について説明する。
搬送台車3は、立設した支持枠4の下方に前輪6と後輪5が設けられて水平動自在になっており、本実施形態では手動でハンドル7を操作して、ワイヤソー1と洗浄装置2間を移動させるようになっている。
また、搬送台車3は、立設した支持枠4に沿って上方にレール8が設けられ、このレール8にスライダ9を介して支持枠10が適宜の上下機構により上下動可能に設けられており、この支持枠10には常温で固化する凍結チャック液等の保持液を送り出す図示しないタンク及び保持液ポンプ21が内蔵されている。
前記支持枠10は、その前方上方に昇降機構71が突出して設けられ、この昇降機構71から前方に取出しアーム16が昇降機構16から突出するように水平に設けられており、この取出しアーム16は、ワーク34をワイヤソー1から取出す際に加工台31に設けられた支持穴32に挿入されるようになっている。
また、前記支持枠10の前面で昇降機構71の両側にはレール11が設けられ、そのレール11と嵌合してスライダ12が設けられており、そのスライダ12にノズル支持板23が固定されて、このノズル支持板23の両側面にノズル保持枠17が前方に突出するように設けられている。
また、ノズル支持板23の中央部にはナット部材15が設けられ、前記昇降機構71の上部に設けられた昇降ハンドル13と接続されたボールネジ14と前記ナット部材15が螺合することによって、昇降ハンドル13を回転操作することでノズル保持枠17がレール11に沿って上下動するようになっている。
また、前記左右のノズル保持枠17、17に沿って冷却パイプ18と保持液パイプ19がそれぞれ上下に並設されて保持液ノズル70が形成され、図5のようにこの冷却パイプ18と保持液パイプ19はノズル保持枠17の内側に向けて複数の穴が形成されており、ワーク34のワイヤソー1からの取出し時に図示しない保持液タンクから保持液36を噴射するポンプ21と冷却風を保持液36に向けて噴射する冷却風ポンプ20が設けられている。
次に上記の搬送台車3によるワーク34のワイヤソー1からの取出し方法について図7乃至図9に基づいて説明する。
図7のように切断後のワーク34からワイヤ27を途中まで抜き去った状態で加工テーブル28を停止し、この状態で搬送台車3を操作してワイヤソー1内に進入させ、適宜の上下機構により取出しアーム16の上下高さを調整して加工台31の支持穴32内に取出しアーム16を挿入する。この挿入後、解除シリンダ41を作用させて圧縮バネ35の付勢を解除し、固定ピン33を解除して加工台31をスライド可能にする。
また、取出しアーム16が加工台31の支持穴32に挿入されると、昇降ハンドル13を操作してノズル保持枠17がワーク34の側面中央付近に位置するように高さを調整する。
次にワーク34のウエハ40間の隙間を保持する保持方法について以下に説明する。
上記のように取出しアーム16で加工台31を支持した状態で、保持液タンクから保持液ポンプ21を作用させてワーク34の少なくとも一側面に保持液36を噴射し、必要に応じ冷却風を冷却風ポンプ22の作用で保持液36に向けて噴射させる。このことにより、保持液36が固化し、ワーク34のウエハ40がワイヤ27の間隔を維持した状態で保持されることになる。
なお、保持液36には公知の常温で固化するシリコーン系の各種オイルが使用でき、この他、常温付近で固化するワックスや樹脂等も用いることができる。さらには、ジェル状で切断されたウエハ40の隙間に容易に入り込む部材や、接着テープ等でジェル状の部材が塗布されたものなども好ましく使用できる。この場合は、冷却風を使用せずに、公知の各種のテープ貼り機構でワーク34の少なくとも一側面に前記のテープを接着するようにすれば良い。
上記のようにワーク34のウエハ40間の隙間が保持液36によって保持された状態でワイヤソー1の加工テーブル28を上昇させて、ワイヤ27をワーク34から抜き去るようにする。このようにワーク34の少なくとも一側面を保持液36で保持した状態でワイヤ27を抜き去るので、ワイヤ27が抜き去られてもウエハ40間の隙間が維持された状態となる。
次にワイヤソー1の解除シリンダ41を作用させ、圧縮バネ35の付勢力を解除し、固定ピン33を下降させることにより、加工台31のワイヤソー1との固定が解除され、加工台31が加工テーブル28に対して前後方向にスライド可能になる。そして、搬送台車3のハンドル7を操作して搬送台車3をワイヤソー1から後退させてワーク34を加工台31と共に取出す。この時、ワーク34は重量があるので取出しアーム16が支持穴32から抜けることなくワーク34は搬送台車3で取出される。
次にワーク34の下チャンバ76への収納について以下に説明する。
取出されたワーク34は、支持板剥離部75に搬送され、下チャンバ76上に位置するようにする。下チャンバ76上に搬送されたワーク34は、図10乃至図12(a)のように下チャンバ76に収納されることとなるが、この時、下チャンバ76は上部の長手方向に沿って両側にガイドローラ44が回転自在に設けられており、ワーク34の側面をガイドするようになっている。また、両ガイドローラ44、44の下方には両ガイドローラ44と平行にブラシローラ45、45が設けられており、ワーク34が下降していく際にこのブラシローラ45のブラシがウエハ40間の隙間に入り込むようになっている。なお、このブラシはウエハ40に形成される隙間よりも細いものが好ましく利用でき、毛先の硬さも適宜選定できる。
次に、収納されたワーク34から加工台31が図12(b)のように取り外される。ここで、加工台31と貼付け台29はネジ止めされているだけであるので容易に取り外しができる。なお、加工台31と貼付け台29は下チャンバ76に収納する前に取り外すようにしても良い。この場合は、貼付け台29に持ち運び用のハンドルを設けておけば、搬送が容易となる。
次に支持板29を剥離する支持板剥離部76について説明する。
図12(c)のように支持板剥離部76に設けられた支持板剥離機構47によって支持板29が剥離される。この支持板剥離機構47のワーク34の固定機構は下チャンバ76の上部両側方に設けられ、ワーク34の上部を保持する水平動自在なワーク固定枠85と、このワーク固定枠85を上下に駆動するシリンダ90と、ワーク34と支持板30との間に向けて蒸気を噴射するノズル84とからなり、下チャンバ76に収納されたワーク34をワーク固定枠85で上部から押さえて保持すると共にノズル84から蒸気を噴射してワーク34と支持板30との間の接着剤を剥離させるようになっている。このワーク固定枠85はウエハ40を破損しないよう樹脂やゴム等の部材がワーク34と接する面に設けられている。
また、この支持板剥離機構47には上記の固定機構によって固定された状態で貼付け台29を上面から保持し、揺動させて剥離させる貼付け台保持機構48が設けられている。
このようにして支持板30が剥離されたウエハ40を収納した下チャンバ76は、ウエハ洗浄部77に適宜機構で搬送され、下チャンバ76の両側面に設けられた排出アダプタ46、46に排出パイプ59が接続される。
このウエハ洗浄部77でのウエハ40の洗浄について図13(d)乃至(f)及び図16乃至図17に基づいて説明する。
図13(d)の矢印aのように、まず下チャンバ76に上チャンバ82が昇降シリンダ50により下降して合わさって真空室を形成し、この状態で図13(d)の矢印b及び図16(a)のように真空ポンプ53を作用させて真空室内を減圧状態にする。
次に図13(e)及び図16(b)のように、電磁弁55、57、58を閉じた状態で電磁弁56を開放すると、減圧状態となった真空室内に洗浄液タンク54から界面活性剤等の洗浄液83が注ぎ込まれ、真空室内の少なくともウエハ40が浸漬するまで洗浄液83が満たされる。なお、真空室内は減圧状態となっているので、ウエハ40間の隙間にも効率良く洗浄液83が入り込み、さらにブラシローラ45によってウエハ40間の隙間が維持されたままの状態であるので、ウエハ40間の汚れ及び保持液36も洗浄除去される。また、この時、必要に応じて超音波発生装置や対流発生装置を下チャンバ76に設けておき、洗浄時に超音波や洗浄液83の対流を発生するようにすれば、さらに効率の良い洗浄が行なえる。
上記のように洗浄された後、図13(f)及び図17(c)のように、電磁弁57、58を開放するとともに電磁弁56を閉じることで洗浄液83が排出アダプタ46から排出され、この後、電磁弁87を開放し洗浄液ポンプ80を駆動することで、この排出された洗浄液83は、洗浄液タンク54内に回収される。このように洗浄液83で洗浄されたウエハ40はそれぞれ完全に枚葉状に分離される。
続いて、図14(g)のように上チャンバ82が開放されて上昇し、下チャンバ76は排出パイプ59が取り外されて、ウエハ収納部78に適宜な手段で搬送される。
次にウエハ40を一枚ずつ収納カセット60に収納する収納工程を説明する。図1及び図15(h)のように下チャンバ76の前後左右に設けられた取出し機構61乃至64に設けられた4つの吸着ハンド66乃至69によってウエハ40の両側のウエハ40が一枚ずつ4つの収納カセット60に振り分けて収納される。なお、ウエハ40を効率良く収納するために4つの取出し機構61乃至64を設けたが、収納する形態に応じて適宜取出し機構の数は増減すれば良い。
以上が、本発明の一実施形態であるが、発明の範囲内で適宜変更でき、例えば上述したがウエハ40の隙間を保持する保持工程における保持液36は液体に限定されず、柔軟でウエハ40の隙間に入り込んでウエハ40の隙間を維持できるものであれば各種利用でき、樹脂、ジェル状物、柔軟な粘着剤が塗布されたテープ等が好ましく利用できる。
また、ウエハ40の隙間を保持する位置も適宜変更でき、洗浄工程に至るまでの間、ウエハ40の隙間を保持できれば良い。
また、下チャンバ76に設けられたブラシローラ45もブラシ状の部材が各種利用できるとともに、ブラシ状でなくともウエハ40の隙間に入り込んでウエハ40を収納した状態でウエハ40間の隙間が維持できるものであれば各種のものが利用できる。
1 ワイヤソー
2 洗浄装置
3 搬送台車
4 支持枠
5 後輪
6 前輪
7 ハンドル
8 レール
9 スライダ
10 支持枠
11 レール
12 スライダ
13 昇降ハンドル
14 ボールネジ
15 ナット部材
16 取出しアーム
17 ノズル保持枠
18 冷却パイプ
19 保持液パイプ
20 冷却風ポンプ
21 保持液ポンプ
23 ノズル支持板
25 本体枠
26 溝ローラー
27 ワイヤ
28 加工テーブル
29 貼付け台
30 支持板(ダミー部材)
31 加工台
32 支持穴
33 固定ピン
34 ワーク(加工物)
35 圧縮バネ
36 保持液
41 解除シリンダ
42 加工台固定部
43 開口部
44 ガイドローラ
45 ブラシローラ(ブラシ部材)
46 排出アダプタ
47 支持板剥離機構
48 貼付け台保持機構
50 昇降シリンダ
51 ガイド
52 真空アダプタ
53 真空ポンプ
54 洗浄液タンク
55 電磁弁
56 電磁弁
57 電磁弁
58 電磁弁
59 排出パイプ
60 収納カセット
61 取出し機構
62 取出し機構
63 取出し機構
64 取出し機構
65 ガイドローラ
66 吸着ハンド
67 吸着ハンド
68 吸着ハンド
69 吸着ハンド
70 保持液ノズル
71 昇降機構
75 支持板剥離部
76 下チャンバ
77 ウエハ洗浄部
78 ウエハ収納部
80 洗浄液ポンプ
81 洗浄液アダプタ
82 上チャンバ
83 洗浄液
84 ノズル
85 ワーク固定枠
86 電磁弁
88 支持枠
89 洗浄部
90 シリンダ

Claims (1)

  1. 支持板に貼着されたワークを支持板を介して貼付け台に固定し、前記貼付け台をワイヤソーの加工テーブルに固定して前記ワークを複数のワイヤ列に押し当てながら切断することにより多数枚のウエハを形成し、前記ウエハを上下チャンバからなる真空室内に収納して洗浄するウエハの洗浄方法において、
    切断後のワークのウエハ間に前記ワイヤソーのワイヤ列を残した状態で、前記ワイヤ列と支持板との間のワークの少なくとも一側面に沿って保持液ノズルを進入させて、この保持液ノズルを前記ワークの側面に位置させ、
    この保持液ノズルから保持液を噴射して前記ワークの少なくとも一側面に保持液を各ウエハ間の隙間に介在させるように付着させてウエハ間の隙間を前記保持液により維持し、
    続いて、前記加工テーブルから取り外されたワークをウエハ側面と接触するブラシ部材が設けられた下チャンバ内に支持板を上面にして収納することにより、ウエハ間の隙間にブラシ部材を接触させてブラシ部材を前記隙間に進入させ、
    この後、前記支持板と貼付け台との接着境界部分に蒸気を噴射させるとともに貼付け台を貼付け台保持機構によって保持し支持板から離間させることで支持板と貼付け台とを剥離させ、
    続いて、洗浄液タンクが接続された上チャンバを閉じて真空室を形成し、この真空室を減圧状態とした後、前記洗浄液タンクから洗浄液を真空室内に注ぎ込むことにより、前記洗浄液でウエハを洗浄するようにしたことを特徴とするウエハの洗浄方法。
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