JP2014226742A - 接着剤除去機構及び加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】板状物を破損させることなく接着剤を容易に除去できる接着剤除去機構、及び当該接着剤除去機構を備えた加工装置を提供する。
【解決手段】第一板状物(13)と第二板状物(15)とが接着剤(19)を介して貼り合わせられた板状物(11)の第一面(11b)に付着した接着剤を除去する接着剤除去機構(2)であって、板状物の第二面(11a)側を回転可能に保持する保持テーブル(4)と、保持テーブルで保持された板状物の第一面に対面して配設された接着剤除去パッド(16)と、接着剤除去パッドを回転させる回転駆動源と、からなる接着剤除去手段(6)と、接着剤除去手段を保持テーブルに対して相対的に近接離反させ、保持テーブルで保持された板状物を接着剤除去パッドで押圧する作用位置と、板状物から離反した退避位置とに位置付ける位置付け手段(8)と、を備える構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、板状物の主面に付着した接着剤を除去する接着剤除去機構、及び当該接着剤除去機構を備えた加工装置に関する。
近年、小型軽量なデバイスを実現するために、シリコンやサファイア等の材料でなるウェーハを薄く加工することが求められている。ウェーハは、例えば、表面のストリート(分割予定ライン)で区画される各領域にデバイスが形成された後、裏面側を研削されることで薄化される。
ウェーハの剛性は厚みに依存するので、研削の進行によってウェーハが薄化されると、ウェーハの剛性も低下し、割れやクラック等の加工不良が発生し易くなる。そこで、ウェーハをキャリアウェーハ(サポートプレート)に貼り付けて研削する加工方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この加工方法によれば、ウェーハはキャリアウェーハで補強されるので、剛性の低下に伴う加工不良の発生を防止できる。
特開平4−263425号公報
ところで、上述の加工方法では、ウェーハとキャリアウェーハとを接着剤で貼り合わせるので、ウェーハとキャリアウェーハとの隙間から溢れ出た接着剤が、貼り合わせ後の板状物の主面に付着してしまうことがある。このように板状物の主面に接着剤が付着すると、適切な研削は困難になる。
例えば、接着剤が付着した板状物の一方側の主面を保持テーブルに吸引保持させる場合、保持テーブルの表面を基準とする板状物の他方側の主面の高さ位置は、接着剤が付着した領域と付着していない領域とで異なってしまう。よって、この状態で板状物の他方側の主面を研削しても、板状物の厚みを均一にできない。
そこで、研削の前処理として、板状物の主面に付着する接着剤をカッター等で削り取る接着剤除去ステップが実施されている。しかしながら、この接着剤除去ステップは手作業で行われるので、例えば、板状物の外周縁に沿って接着剤が広範囲に付着している場合等には長時間を要し非効率である。また、板状物をカッター等で破損させてしまう恐れもある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、板状物を破損させることなく接着剤を容易に除去できる接着剤除去機構、及び当該接着剤除去機構を備えた加工装置を提供することである。
本発明によれば、第一板状物と第二板状物とが接着剤を介して貼り合わせられた貼り合わせ板状物において、該貼り合わせ板状物の第一面に付着した該接着剤を除去する接着剤除去機構であって、該貼り合わせ板状物と同等以上の大きさの保持面を有し、該貼り合わせ板状物の該第一面の背面の第二面側を回転可能に保持する保持テーブルと、該保持テーブルで保持された該貼り合わせ板状物の該第一面に対面して配設された接着剤除去パッドと、該接着剤除去パッドを回転させる回転駆動源と、からなる接着剤除去手段と、該接着剤除去手段を該保持テーブルに対して相対的に近接離反させ、該保持テーブルで保持された該貼り合わせ板状物を該接着剤除去パッドで押圧する作用位置と、該貼り合わせ板状物から離反した退避位置とに位置付ける位置付け手段と、を備えたことを特徴とする接着剤除去機構が提供される。
また、本発明によれば、前記接着剤除去機構を備えた加工装置であって、前記貼り合わせ板状物の前記第一面側を保持して前記第二面側を露出させる保持手段と、該保持手段で保持された貼り合わせ板状物の該第二面側を切削する切削バイトと該切削バイトが装着される回転スピンドルとを備えた切削手段と、を備えたことを特徴とする加工装置が提供される。
また、前記加工装置においては、前記貼り合わせ板状物を回転可能に保持するスピンナテーブルと、該スピンナテーブルで保持された該貼り合わせ板状物を洗浄する洗浄手段と、を備え、前記保持テーブルは、該スピンナテーブルで兼用され、前記接着剤除去手段は、該スピンナテーブルに対面して配設されることが好ましい。
本発明の接着剤除去機構及び加工装置は、板状物を回転可能に保持する保持テーブルと、接着剤除去パッド及び回転駆動源を含む接着剤除去手段と、板状物を接着剤除去パッドで押圧する作用位置に接着剤除去手段を位置付ける位置付け手段とを備えるので、回転する板状物を回転する接着剤除去パッドで押圧して接着剤を容易に除去できる。
また、本発明では、接着剤の除去に接着剤除去パッドを使用するので、カッター等を使用する場合のように板状物を破損させることがない。このように、本発明によれば、板状物を破損させることなく接着剤を容易に除去できる接着剤除去機構、及び当該接着剤除去機構を備えた加工装置を提供できる。
図1(A)は、実施の形態1に係る接着剤除去機構で処理される板状物の構成例を模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、板状物の構成例を模式的に示す断面図である。 実施の形態1に係る接着剤除去機構の構成例を模式的に示す斜視図である。 実施の形態1に係る接着剤除去パッドの構成例を示す平面模式図である。 実施の形態1に係る接着剤除去ステップを模式的に示す斜視図である。 図5(A)は、実施の形態2に係る加工装置で処理される板状物の構成例を模式的に示す斜視図であり、図5(B)は、板状物の構成例を模式的に示す断面図である。 実施の形態2に係る加工装置の構成例を模式的に示す斜視図である。 実施の形態2に係る接着剤除去ステップを模式的に示す斜視図である。 実施の形態2に係る切削ステップを模式的に示す一部断面側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態では、ウェーハとキャリアウェーハとが接着剤で接着された板状物を例に挙げて説明するが、本発明の接着剤除去機構及び加工装置において処理される板状物はこれに限定されない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、接着剤除去機構について説明する。図1(A)は、本実施の形態に係る接着剤除去機構で処理される板状物の構成例を模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、板状物の構成例を模式的に示す断面図である。
図1(A)及び図1(B)に示すように、板状物(貼り合わせ板状物)11は、円盤状の外形を有するウェーハ(第一板状物)13を備えている。このウェーハ13の表面13a側には、ウェーハ13と等しい形状及び大きさのキャリアウェーハ(第二板状物)15が接着されている。
ウェーハ13は、例えば、シリコン等でなる半導体ウェーハであり、表面13a側にIC等のデバイス17を備えている。板状物11の主面(第二面)11aに相当するウェーハ13の裏面13bは、平坦になっている。
キャリアウェーハ15は、例えば、ウェーハ13と同じ半導体ウェーハであり、平坦な表面15a及び裏面15bを有している。このキャリアウェーハ15は、表面15a側をウェーハ13の表面13a側に向い合わせるように、ウェーハ13に貼り付けられている。すなわち、キャリアウェーハ15の裏面15bが、板状物11の主面(第一面)11bに相当する。
ウェーハ13とキャリアウェーハ15とは、樹脂材料でなる接着剤19で接着されている。例えば、ウェーハ13の表面13a側に、光や熱等の刺激で硬化する液状樹脂(硬化前の接着剤19)を塗布し、ウェーハ13の表面13aとキャリアウェーハ15の表面15aとを向い合わせるように配置する。その後、キャリアウェーハ15をウェーハ13に押し付け、液状樹脂を硬化させることで、ウェーハ13とキャリアウェーハ15とは接着剤19で接着される。
上述のように、接着の際には、キャリアウェーハ15をウェーハ13に押し付けるので、ウェーハ13とキャリアウェーハ15との隙間から液状樹脂が溢れ出て、板状物11の主面11a,11bに接着剤19が付着してしまうことがある(図1(A)及び図1(B)参照)。この場合、研削表面の高さ位置にばらつきが生じることになるので、板状物11の主面11a,11bに付着した接着剤19を除去しなければならない。なお、本実施の形態では、主面11bに付着した接着剤19を除去する例について説明する。
図2は、本実施の形態の接着剤除去機構の構成例を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、接着剤除去機構2は、板状物11を吸引保持する円盤状の保持テーブル4を備えている。
保持テーブル4は、ステンレス等の材料でなる筐体の上面中央部分に、保持面4aとなる多孔質部材が配置された構造を有し、モータ等の回転駆動源(不図示)によって保持面4aに垂直な回転軸の周りに回転する。
保持面4aは、板状物11と同等以上の大きさに形成されており、保持テーブル4の内部に形成された流路(不図示)を通じて吸引源(不図示)と接続されている。この保持面4aに吸引源の負圧が作用することで、板状物11は吸引保持される。
保持テーブル4の上方には、接着剤除去手段6が配置されている。接着剤除去手段6は、エアシリンダ(位置付け手段)8を介して支持部(例えば、図6の柱部68)に設置されており、上下方向に移動する。
接着剤除去手段6は、スピンドルハウジング10内において回転可能に支持されたスピンドル12を備えている。このスピンドル12は、保持テーブル4の保持面4aに対して垂直な回転軸の周りに回転する。
スピンドル12の下端側には、円盤状のパッドマウント14が接続されている。このパッドマウント14の下面14aには、板状物11に付着した接着剤19を除去する接着剤除去パッド16が装着されている。
スピンドル12の上端側には、モータ等を含む回転駆動源(不図示)が連結されている。パッドマウント14に装着された接着剤除去パッド16は、この回転駆動源から伝達される回転力で回転する。
図3は、本実施の形態に係る接着剤除去パッド16の構成例を示す平面模式図である。図2及び図3に示すように、接着剤除去パッド16は、アルミニウム、ステンレス等の金属材料で形成された円筒状の基台18を備えている。
基台18の円形状の下面18aには、中央部分に加工水供給用の供給孔18bが形成されており、この供給孔18bを囲むように、8個の接着剤除去部材20が等間隔に配置されている。供給孔18bは、配管(不図示)等を通じて加工水の供給源(不図示)と接続されている。接着剤除去部材20は、例えば、発泡ウレタン等であり、板状物11を破損させることなく接着剤19を除去できる。
各接着剤除去部材20は、同等の厚みを有する直方体状に形成されており、長手方向を下面18aの径方向に一致させるように放射状に配置されている。ただし、接着剤除去部材20の形状、数量、配置等は、図2及び図3に示す態様に限定されない。
基台18の上面18cは、パッドマウント14に接着剤除去パッド16を装着できるように、パッドマウント14の下面14aに対応した形状を有している。例えば、パッドマウント14の下面14aに基台18の上面18cを当接させて固定することで、図2に示すように、接着剤除去パッド16は接着剤除去機構2に装着される。
接着剤除去パッド16は、保持テーブル4の保持面4aと対面するように接着剤除去機構2に装着される。そのため、例えば、保持テーブル4に板状物11の主面11a側を吸引保持させると、接着剤除去パッド16は、板状物11の主面11bと対面する。なお、パッドマウント14と基台18との当接を解除すれば、接着剤除去パッド16を接着剤除去機構2から容易に脱離させることができる。
この接着剤除去機構2において、接着剤除去手段6は、エアシリンダ8によって保持テーブル4に接近され、又は保持テーブル4から離反される。これにより、接着剤除去パッド16を、保持テーブル4に保持される板状物11を押圧可能な下方の作用位置と、板状物11から離反された上方の退避位置とに位置付けることができる。
図4は、本実施の形態に係る接着剤除去機構2を用いた接着剤除去ステップを模式的に示す斜視図である。接着剤除去ステップにおいては、図4に示すように、接着剤除去機構2の保持テーブル4に、板状物11の主面11a側を吸引保持させ、保持テーブル4と接着剤除去パッド16とを回転させる。
例えば、保持テーブル4の回転数を10rpmとし、接着剤除去パッド16の回転数を25rpmとする。ただし、保持テーブル4及び接着剤除去パッド16の回転数は、これらに限定されない。
次に、エアシリンダ8を作動させて、退避位置に位置付けられている接着剤除去パッド16を作用位置に位置付けると共に、接着剤除去パッド16の供給孔18bから加工水を供給する。その結果、回転する板状物11の主面11bに、回転する接着剤除去パッド16の接着剤除去部材20が接触し、主面11bに付着している接着剤19は除去される。
なお、この接着剤除去ステップにおいて、接着剤除去パッド16は、所定の周期で逆回転される。このように、接着剤除去パッド16を周期的に逆回転させることで、接着剤除去パッド16を一方向のみに回転させる場合と比較して、接着剤19を適切に除去できる。
以上のように、本実施の形態に係る接着剤除去機構2は、板状物(貼り合わせ板状物)11を回転可能に保持する保持テーブル4と、接着剤除去パッド16及び回転駆動源を含む接着剤除去手段6と、板状物11を接着剤除去パッド16で押圧する作用位置に接着剤除去手段6を位置付けるエアシリンダ(位置付け手段)8とを備えるので、回転する板状物11を回転する接着剤除去パッド16で押圧して接着剤19を容易に除去できる。
また、本実施の形態に係る接着剤除去機構2では、接着剤19の除去に発泡ウレタン等でなる接着剤除去パッド16を使用するので、カッター等を使用する場合のように板状物11を破損させることがない。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上述した接着剤除去機構2を備える加工装置について説明する。図5(A)は、本実施の形態に係る加工装置で処理される板状物の構成例を模式的に示す斜視図であり、図5(B)は、板状物の構成例を模式的に示す断面図である。
図5(A)及び図5(B)に示すように、板状物(貼り合わせ板状物)21は、円盤状の外形を有するウェーハ(第一板状物)23を備えている。このウェーハ23の表面23a側には、ウェーハ23と等しい形状及び大きさのキャリアウェーハ(第二板状物)25が、表面25a側を向い合わせるように接着されている。
ウェーハ23は、表面23a側にデバイス27を備えている。また、ウェーハ23とキャリアウェーハ25とは、接着剤29で接着されている。なお、ウェーハ23、キャリアウェーハ25、デバイス27、接着剤29の構成は、実施の形態1に係るウェーハ13、キャリアウェーハ15、デバイス17、接着剤19の構成と同様である。
キャリアウェーハ25の裏面25bに相当する板状物21の主面(第二面)21aには、基材と基材上に形成された糊層とからなるテープ31が貼着されている。板状物21には、ウェーハ23とキャリアウェーハ25との貼り合わせに起因する厚みばらつきが存在するので、後の研削ステップでウェーハ23の仕上げ厚みを均一にするために、テープ31を切削し、テープ31が貼着された状態の厚みを均一にする必要がある。本実施の形態の加工装置は、このテープ31の切削に使用される。
図6は、本実施の形態に係る加工装置の構成例を模式的に示す斜視図である。図6に示すように、本実施の形態に係る加工装置22は、各種の構成が搭載されるハウジング24を備えている。ハウジング24は、直方体状の基部26と、基部26の後端において上方に伸びる壁部28とを含む。
基部26の上面の前端側には、開口26aが形成されており、この開口26a内には、加工対象の板状物21を搬送する搬送機構30が設けられている。また、開口26aの側方の領域には、板状物21を収容可能なカセット32a,32bが載置されている。
カセット32aが載置される載置領域の後方には、仮置きされた板状物21の位置合わせを行う仮載機構34が設けられている。例えば、カセット32aから搬送機構30で搬送され、仮載機構34に載置された板状物21は、仮載機構34で中心を位置合わせされる。
仮載機構34の後方には、板状物21を吸引保持して旋回可能な搬入搬出機構36が設けられている。搬入搬出機構36の後方には、開口26bが形成されている。この開口26b内には、X軸移動テーブル38、X軸移動テーブル38をX軸方向(前後方向)に移動させるX軸移動機構(不図示)、及びX軸移動機構を覆う防水カバー40が設けられている。
X軸移動機構は、X軸方向に平行な一対のX軸ガイドレール(不図示)を備えており、X軸ガイドレールには、X軸移動テーブル38がスライド可能に設置されている。X軸移動テーブル38の下面側には、ナット(不図示)が固定されており、このナットには、X軸ガイドレールと平行なX軸ボールネジ(不図示)が螺合されている。
X軸ボールネジの一端部には、X軸パルスモータ(不図示)が連結されている。X軸パルスモータでX軸ボールネジを回転させることで、X軸移動テーブル38はX軸ガイドレールに沿ってX軸方向に移動する。
X軸移動テーブル38上には、板状物21を吸引保持するチャックテーブル(保持手段)42が設けられている。チャックテーブル42は、モータ等の回転駆動源(不図示)と連結されており、チャックテーブル42の上面と垂直なZ軸の周りに回転する。
また、チャックテーブル42は、上述のX軸移動機構により、板状物21が搬入搬出される前方の搬入搬出位置と、板状物21(板状物21に貼着されたテープ31)が切削される後方の切削位置との間で移動される。
チャックテーブル42の上面は、板状物21を吸引保持する保持面となっている。この保持面は、チャックテーブル42の内部に形成された流路(不図示)を通じて吸引源(不図示)と接続されている。搬入搬出機構36で搬入された板状物21は、保持面に作用する吸引源の負圧でチャックテーブル42に吸引保持される。
壁部28の前面には、Z軸移動機構44を介してZ軸移動テーブル46が設けられている。Z軸移動機構44は、Z軸方向(上下方向)に平行な一対のZ軸ガイドレール48を備えており、Z軸ガイドレール48には、Z軸移動テーブル46がスライド可能に設置されている。
Z軸移動テーブル46の後面側(裏面側)には、ナット(不図示)が固定されており、このナットには、Z軸ガイドレール48と平行なZ軸ボールネジ50が螺合されている。
Z軸ボールネジ50の一端部には、Z軸パルスモータ52が連結されている。Z軸パルスモータ52でZ軸ボールネジ50を回転させることで、Z軸移動テーブル46はZ軸ガイドレール48に沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動テーブル46の前面(表面)には、切削手段54が設けられている。切削手段54は、Z軸移動テーブル46に固定されたスピンドルハウジング56を備える。スピンドルハウジング56には、スピンドル(回転スピンドル)58が回転可能に支持されている。
スピンドル58の下端側には、円盤状のバイトマウント60が接続されており、バイトマウント60には、例えば、単結晶ダイヤモンドからなる切削バイト62が装着されている。スピンドル58の上端側には、モータ等の回転駆動源64が連結されており、バイトマウント60に装着された切削バイト62は、回転駆動源64から伝達される回転力で回転する。
また、切削バイト62は、上述のZ軸移動機構44により、板状物21に貼着されたテープ31に接近され、又はテープ31から離反される。これにより、切削バイト62を任意の高さに位置付けて、テープ31を切削できる。
Y軸方向(左右方向)において搬入搬出機構36と隣接する位置には、板状物21を吸引保持して旋回可能な搬入搬出機構66が設けられている。搬入搬出機構66の前方、かつカセット32bが載置される載置領域の後方には、実施の形態1において示した接着剤除去機構2が配置されている。
接着剤除去機構2の接着剤除去手段6は、エアシリンダ8(図2参照)を介して柱部68に設置されている。保持テーブル4の上方には、保持テーブル4に吸引保持された板状物21に対して洗浄水を噴射する噴射ノズル(洗浄手段)70が配置されており、保持テーブル4は、板状物21を洗浄する際のスピンナテーブルとしても使用される。開口26aの前方には、研削条件等を入力するための操作パネル72が設けられている。
次に、加工装置22において実施される接着剤除去ステップ及び切削ステップについて説明する。図7は、本実施の形態に係る接着剤除去ステップを模式的に示す斜視図であり、図8は、本実施の形態に係る切削ステップを模式的に示す一部断面側面図である。
接着剤除去ステップにおいては、まず、カセット32aに収容された板状物21を搬送機構30で搬送し、仮載機構34に載置する。次に、仮載機構34で板状物21(板状物21の中心)の位置合わせを行い、搬入搬出機構36で板状物21をチャックテーブル42上に移動させる。この時、チャックテーブル42は、搬入搬出位置に位置付けられている。その後、搬入搬出機構66を用いて、チャックテーブル42に載置された板状物21を、接着剤除去機構2の保持テーブル4上に移動させる。
本実施の形態では、図7に示すように、テープ31を介して板状物21を保持テーブル4に吸引保持させる。保持テーブル4と接着剤除去パッド16とを回転させ、接着剤除去パッド16を退避位置から作用位置に移動させることで、ウェーハ23の裏面23bに相当する板状物21の主面(第一面)21bに付着した接着剤29が除去される。他の条件等は、図4に示す接着剤除去ステップと同様である。
その後、保持テーブル4上の板状物21を搬送機構30で搬送し、カセット32bに収容する。なお、板状物21の主面21bに付着する接着剤29を除去した後には、カセット32bに収容する前に板状物21を洗浄しても良い。この場合、スピンナテーブルとして兼用される保持テーブル4に板状物21を吸着保持させ、保持テーブル4を回転させた状態で、噴射ノズル70から洗浄水を供給すれば良い。
同様に、カセット32aに収容されている他の板状物21の主面21bに付着した接着剤29を除去する。カセット32aに収容されている全ての板状物21が処理されると、接着剤除去ステップは終了する。接着剤除去ステップの後には、切削ステップが実施される。
切削ステップにおいては、まず、接着剤除去ステップを経てカセット32bに収容された板状物21を搬送機構30で搬送し、仮載機構34に載置する。この時、テープ31が貼着された主面21a側が上方に位置付けられるように、板状物21を搬送機構30で反転させる。なお、板状物21の反転は、接着剤除去ステップにおいて板状物21をカセット32bに収容する際に実施しても良い。
仮載機構34で板状物21(板状物21の中心)の位置合わせを行った後、搬入搬出機構36で板状物21をチャックテーブル42上に移動させる。この時、チャックテーブル42は、搬入搬出位置に位置付けられている。その後、チャックテーブル42を、切削手段54の下方の切削位置に移動させる。
次に、図8に示すように、回転させた切削バイト62を、先端がテープ31の基材に切り込む高さ位置まで下降させ、板状物21をX軸方向に移動させる。これにより、テープ31の表面31a全体を切削バイト62で切削できる。なお、テープ31の切削は、切削バイト62の高さ位置を変えて複数回実施しても良い。
本実施の形態では、切削ステップの前に実施される接着剤除去ステップにおいて、板状物21の主面21bに付着した接着剤29が除去される。これにより、板状物21の主面21bを基準とするテープ31の表面31aの高さ位置が一定になるようにテープを切削できる。
その後、チャックテーブル42上の板状物21を搬送機構30等で搬送し、カセット32aに収容する。なお、テープ31を切削バイト62で切削した後には、カセット32aに収容する前に、噴射ノズル70から供給される洗浄水で板状物21を洗浄しても良い。
同様に、カセット32bに収容されている他の板状物21に貼着されたテープ31を切削バイト62で切削する。カセット32bに収容されている全ての板状物21が処理されると、切削ステップは終了する。この切削ステップの後には、板状物21の主面21b側を研削する研削ステップ等を適宜実施すれば良い。
なお、本記実施の形態では、カセット32aに収容された全ての板状物21に付着する接着剤29を除去した後に、テープ31を切削しているが、1枚の板状物21に対して、接着剤除去ステップと切削ステップとを連続的に実施しても良い。
この場合、例えば、接着剤除去ステップにおいて板状物21の接着剤29が除去された後に、板状物21を仮載機構34に載置し、切削ステップを実施する。つまり、この場合には、接着剤29が除去された板状物21をカセット32bに収容する必要はない。
本実施の形態で示す構成、方法等は、他の実施の形態に係る構成、方法等と適宜組み合わせることが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態の記載に限定されず、種々変更して実施できる。例えば、上記実施の形態では、スピンドル12及び回転駆動源を備えた接着剤除去機構2を示しているが、接着剤除去パッド16を回転させる手段はこれらに限定されない。例えば、接着剤除去パッド16をベルト駆動で回転させるようにしても良い。
また、上記実施の形態では、ステンレス等の材料でなる筐体と多孔質部材とを含む保持テーブル4を示しているが、例えば、吸引孔が形成された、アルミニウムやステンレス等の材料でなるテーブル等を用いても良い。
また、上記実施の形態では、ウェーハ13,23及びキャリアウェーハ15,25に同じ半導体ウェーハを用いているが、ウェーハ13,23及びキャリアウェーハ15,25の構成は特に限定されない。例えば、ウェーハ13,23の材質とキャリアウェーハ15,25との材質とを異ならせても良いし、キャリアウェーハ15,25をウェーハ13,23より大径としても良い。
また、ウェーハ13,23とキャリアウェーハ15,25との貼り合わせに係る方法等についても特に限定されず、例えば、キャリアウェーハ15,25側に接着剤19,29を塗布しても良いし、ウェーハ13,23をキャリアウェーハ15,25に押し付けるように貼り合わせても良い。
その他、上記実施の形態に係る構成、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 接着剤除去機構
4 保持テーブル
4a 保持面
6 接着剤除去手段
8 エアシリンダ(位置付け手段)
10 スピンドルハウジング
12 スピンドル
14 パッドマウント
16 接着剤除去パッド
18 基台
18a 下面
18b 供給孔
18c 上面
20 接着剤除去部材
22 加工装置
24 ハウジング
26 基部
26a,26b 開口
28 壁部
30 搬送機構
32a,32b カセット
34 仮載機構
36 搬入搬出機構
38 X軸移動テーブル
40 防水カバー
42 チャックテーブル
44 Z軸移動機構
46 Z軸移動テーブル
48 Z軸ガイドレール
50 Z軸ボールネジ
52 Z軸パルスモータ
54 切削手段
56 スピンドルハウジング
58 スピンドル(回転スピンドル)
60 バイトマウント
62 切削バイト
64 回転駆動源
66 搬入搬出機構
68 柱部
70 噴射ノズル(洗浄手段)
72 操作パネル
11,21 板状物
11a,21a 主面(第二面)
11b,21b 主面(第一面)
13,23 ウェーハ(第一板状物)
15,25 キャリアウェーハ(第二板状物)
17,27 デバイス
19,29 接着剤
31 テープ

Claims (3)

  1. 第一板状物と第二板状物とが接着剤を介して貼り合わせられた貼り合わせ板状物において、該貼り合わせ板状物の第一面に付着した該接着剤を除去する接着剤除去機構であって、
    該貼り合わせ板状物と同等以上の大きさの保持面を有し、該貼り合わせ板状物の該第一面の背面の第二面側を回転可能に保持する保持テーブルと、
    該保持テーブルで保持された該貼り合わせ板状物の該第一面に対面して配設された接着剤除去パッドと、該接着剤除去パッドを回転させる回転駆動源と、からなる接着剤除去手段と、
    該接着剤除去手段を該保持テーブルに対して相対的に近接離反させ、該保持テーブルで保持された該貼り合わせ板状物を該接着剤除去パッドで押圧する作用位置と、該貼り合わせ板状物から離反した退避位置とに位置付ける位置付け手段と、
    を備えたことを特徴とする接着剤除去機構。
  2. 請求項1に記載の接着剤除去機構を備えた加工装置であって、
    前記貼り合わせ板状物の前記第一面側を保持して前記第二面側を露出させる保持手段と、
    該保持手段で保持された貼り合わせ板状物の該第二面側を切削する切削バイトと該切削バイトが装着される回転スピンドルとを備えた切削手段と、
    を備えたことを特徴とする加工装置。
  3. 前記貼り合わせ板状物を回転可能に保持するスピンナテーブルと、
    該スピンナテーブルで保持された該貼り合わせ板状物を洗浄する洗浄手段と、を備え、
    前記保持テーブルは、該スピンナテーブルで兼用され、
    前記接着剤除去手段は、該スピンナテーブルに対面して配設されることを特徴とする請求項2に記載の加工装置。
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