JP2011077148A - 太陽電池モジュールの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュールの製造装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールを製造する作業が容易となる製造装置を提供する。
【解決手段】平板状の太陽電池セル7が所定の方向に複数枚並べられ当該所定の方向で隣り合う縁部7e,7e同士を重ねた状態で接合することにより得られる太陽電池モジュールMを製造する。複数枚の太陽電池セル7を並べて載せる組み立て用基台40は、太陽電池セル7の一方側の縁部7eをはみ出した状態として当該太陽電池セル7それぞれを載せる支持部41を複数有している。複数の支持部41は、はみ出した前記縁部7eが上となりこの縁部7eに隣り合う縁部が下となるように、これら両縁部7e,7eを上下で重ねた状態とさせるピッチPで、所定の方向に並んで設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数枚の太陽電池セルが接続されて構成される太陽電池モジュールの製造装置及び製造方法に関する。
近年、エネルギー問題に対する意識の向上から、太陽電池モジュールを用いた太陽光発電に対する期待が高まっており、太陽電池モジュールの需要が増加している。そこで、このような需要の増加に伴って、性能の良い太陽電池モジュールを製造するための技術開発が望まれている。
特許文献1に記載の太陽電池モジュールは、複数枚の太陽電池セル(太陽電池素子)を直列に接続することで実用的な電圧を得る構成となっている。このために、特許文献1に記載の太陽電池モジュールでは、短冊形状の太陽電池セルそれぞれの表面及び裏面に導電性を有する材料が設けられていて、隣り合う太陽電池セルの縁部同士を上下に重ね合わせることにより、電気的に接続させる構成が採用されている。
このような太陽電池モジュールの製造は、図7に示しているように、上面が水平である作業盤79上に、複数枚の太陽電池セル80を次々に並べることで行われるが、この際、作業盤79に置かれた(図7では右から二番目の)太陽電池セル80の縁部80a上に、(右端の)別の太陽電池セル80の縁部80aを重ね合わせながら並べる。そして、すべてを並べた状態とした複数枚の太陽電池セル80を、図外の加熱炉内に投入し、重ね合わせた縁部80a,80a間に介在している半田(接合金属)81を、前記加熱炉内で加熱して溶融し、その後冷却して凝固させ、電気的及び構造的に接続している。
特開2009−10355号公報(図9、図10参照)
しかし、前記製造方法の場合、太陽電池セル80は細長くかつ薄肉であることから、当該太陽電池セル80を、作業盤79上に所定の姿勢及び所定の位置に設ける作業は非常に手間を要する。また、縁部80aにフラックス及び半田81が設けられているが、この縁部80aに別の太陽電池セル80の縁部80aを重ねるために、当該太陽電池セル80を手間取りながらも位置調整しているうちに、当該太陽電池セル80が半田81に接触して半田81の位置がずれしてしまうおそれがある。この場合、再度、半田81を縁部80aに供給する必要があり、作業性が悪い。
このように、縁部80a,80a同士を上下に重ねた状態で接合することにより得られる太陽電池モジュールを製造する作業は、容易ではない。
そこで本発明は、太陽電池モジュールを製造する作業が容易となる製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明は、平板状の太陽電池セルが所定の方向に複数枚並べられ当該所定の方向で隣り合う縁部同士を重ねた状態で接合することにより得られる太陽電池モジュールを製造するための製造装置であって、複数枚の前記太陽電池セルを並べて載せる組み立て用基台を備え、前記組み立て用基台は、前記太陽電池セルの一方側の前記縁部をはみ出した状態として当該太陽電池セルそれぞれを載せる支持部を複数有し、複数の前記支持部は、はみ出した前記縁部が上となりこの縁部に隣り合う前記縁部が下となるようにこれら両縁部を上下で重ねた状態とさせるピッチで、前記所定の方向に並んで設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、組み立て用基台が有する複数の支持部それぞれは、太陽電池セルの一方側の縁部をはみ出した状態として当該太陽電池セルを載せることができ、これら支持部は、はみ出した縁部が上となりこの縁部に隣り合う縁部が下となるように、これら両縁部を上下で重ねた状態とさせるピッチで、所定の方向に並んで設けられている。このため、複数の支持部それぞれに太陽電池セルを載せると、所定の方向で隣り合う支持部上の太陽電池セルの縁部同士が上下で重なって、太陽電池セルが所定の方向に複数枚並べられた状態が得られる。この状態で縁部同士を接合すれば、縁部同士を重ねた状態で接合して得られる太陽電池モジュールを製造することができ、その作業は容易となる。
そして、この製造装置が用いられて実行される太陽電池モジュールの製造方法は、平板状の太陽電池セルが所定の方向に複数枚並べられ当該所定の方向で隣り合う縁部同士を重ねた状態で接合することにより得られる太陽電池モジュールを製造するための製造方法であって、前記所定の方向に並べて設けた複数の支持部それぞれに、前記太陽電池セルの一方側の前記縁部をはみ出した状態として当該太陽電池セルそれぞれを載せる際に、はみ出した前記縁部が上となりこの縁部に隣り合う前記縁部が下となるようにこれら両縁部を上下で重ねるようにして、当該支持部それぞれに当該太陽電池セルそれぞれを載せることを特徴とする。
また、前記製造装置において、複数の前記支持部それぞれは、前記太陽電池セルの前記一方側の縁部から他方側の縁部へと下方に傾斜させて当該太陽電池セルを載せる傾斜面を有し、前記支持部の前記傾斜面に載せられた前記太陽電池セルの前記他方側の縁部が接触する接触面が、当該支持部の隣りにある前記支持部に形成されているのが好ましい。
この場合、支持部の傾斜面に太陽電池セルを載せ、この太陽電池セルの他方側の縁部を、当該支持部の隣りにある支持部に形成されている接触面に接触させることで、この太陽電池セルを位置決めすることができる。
また、前記組み立て用基台は、前記太陽電池セルが前記支持部の上部に載った状態から、当該前記太陽電池セルの下面と当該支持部の上部とが離れた状態へと変化させるべく、当該支持部を駆動する駆動手段を有しているのが好ましい。
この構成によれば、太陽電池セルが支持部の上部に載った状態では当該太陽電池セルの姿勢は当該支持部によって拘束された状態にあるが、駆動手段が支持部を駆動し、太陽電池の下面と支持部の上部とが離れた状態に変化させると、当該太陽電池セルは支持部に拘束されない状態が得られる。この状態で、例えば縁部同士の重ね合わせ部を接合すれば、支持部の影響を受けないで、所定形状の太陽電池モジュールを製造することができる。
本発明によれば、複数の支持部それぞれに太陽電池セルを載せると、隣り合う支持部上の太陽電池セルの縁部同士が上下重なって、太陽電池セルが所定の方向に複数枚並べられた状態となるので、この状態で縁部同士を接合すれば、縁部同士を重ねた状態で接合して得られる太陽電池モジュールを製造することができ、その作業は容易となる。
太陽電池モジュールの一部を示す説明図である。 組み立て用基台及びその上のセルの概略構成を説明している図である。 組み立て用基台の一部を示している図である。 本発明の製造装置のブロック図である。 接合装置を説明している図である。 組み立て用基台の他の実施形態を説明している図である。 従来技術を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の太陽電池モジュールの製造装置によって製造される太陽電池モジュールの一部を示す説明図である。まず、太陽電池モジュールM(以下、単にモジュールMともいう)の構成について説明する。
このモジュールMは、複数枚の平板状である太陽電池セル7(以下、単にセル7ともいう)が所定の方向(矢印X方向)に並んで設けられていて、これら複数枚のセル7の両側に電極31が設けられている。これらセル7及び電極31は、その両面から封止部材32,33によって挟まれ、モジュールMは一体のシート状を成している。両面の封止部材32,33は、可撓性を有していて、さらに、この内の少なくとも上面側(太陽光が入射する側)は、太陽光を透過させるフィルム状の樹脂部材から成り、セル7及び電極31の表面及び裏面に密着した状態となっている。
各セル7は、導電性を有する導電性基板7a上に、下部電極層7b、半導体層7c及び上部電極層7dがこの順で積層されて構成されている。
隣り合うセル7,7同士は、その縁部7e,7eにおいて重ね合わされた状態にあり、この重ね合わされた縁部7e,7eにおいて電気的及び構造的に接続されている。なお、この重ね合わされた縁部7e,7eを、重ね合わせ部8と呼ぶ。縁部7e,7eを接合するために、本実施形態では、接合金属が介在していて、具体的には、接合金属は半田(半田ボール)5から成る。半田5は、縁部7eに沿って点在している。なお、本実施形態では、上側にあるセル7と半田5との間、及び、この半田5と下側にあるセル7との間には、導電膜9が介在しているが、導電膜9を介在させない場合であってもよい。
各セル7は、短冊形状(細長い薄板形状)を有していて、長尺側にある縁部7eによって前記重ね合わせ部8が構成される。そして、各セル7の短尺方向が、複数枚のセル7が並んで設けられる前記所定の方向とほぼ平行となり、各セル7の長尺方向が、当該所定の方向と直交する方向となって、複数枚のセル7は並べられている。そして、前記所定の方向で隣り合う縁部7e,7e同士が、重なった状態で半田5によって接合される。なお、両側のセル7それぞれは、電極31と電気的及び構造的に接続されている。
以上のような太陽電池セル7を複数枚有する太陽電池モジュールMを製造するためには、後にも説明するが、図2に示している組み立て用基台40上に、前記所定の方向(矢印X方向)に向かってモジュールMが長くなるように複数枚のセル7を順次並べることにより、隣り合うセル7,7の縁部7e,7e同士を重ね合わせた状態とさせ、全てのセル7においてこの重ね合わせた状態とさせる。
その後、温度に応じて固化する半田5によって、重ね合わせ部8それぞれの縁部7e,7e同士を接合すればよい。
図2は、組み立て用基台40及びその上のセル7の説明図であり、前記所定の方向(矢印X方向)に直交する方向に見た図である。なお、図2では、説明を容易とするために、セル7を、実際と厚さを変えて(厚くして)表現している。なお、図示している本実施形態では、前記所定の方向は左右方向である。
モジュールMを製造するための製造装置は、前記組み立て用基台40の他に、接続前のセル7の縁部7e上に半田5を供給する半田供給装置60(図4参照)を備えている。さらには、セル7の縁部7e,7e同士を接合する接合装置50、縁部7e,7e同士の接合を終えた複数枚のセル7を前記封止部材32,33(図1参照)が表裏から挟むようにして、封止部材32,33を取り付ける取り付け装置70を備えている。
半田供給装置60は、図2の組み立て用基台40上に、セル7を並べて置く作業の前に、各セル7の縁部7e上に半田(半田ボール)5を設ける装置である。この半田(半田ボール)5は、図示しないが、フラックス上に仮止めされた状態となる。半田5は、縁部7eの長手方向に沿って所定間隔を有して設けられる。
接合装置50は、前記半田5を加熱する加熱手段として、図5に示しているように、加熱炉51を有していて、さらに、この加熱炉51内の温度を制御する制御装置53を有している。
加熱炉51は、組み立て用基台40に並べて設けられた複数枚のセル7を、当該組み立て用基台40と一緒に収納する構成であり、炉内を所定の温度に昇温させるヒータ52a,52bを備えている。制御装置53がヒータ52a,52bによって、炉内を所定の温度とするように制御を行う。すなわち、加熱炉51が、複数枚のセル7を一度に加熱することで、各重ね合わせ部8にある半田すべてが加熱され、すべての半田5を溶融させる。そして、溶融させた半田5を冷却することにより、複数枚のセル7が前記所定の方向(矢印X方向)に配列された状態を維持して接合される。
取り付け装置70(図4参照)は、接合装置50によって接合された複数枚のセル7を、封止部材32,33(図1参照)によって表及び裏から覆うための装置である。この封止部材32,33が複数枚のセル7に取り付けられることにより、シート状の太陽電池モジュールM(図1参照)を得ることができる。
次に、組み立て用基台40について説明する。図2において、組み立て用基台40は、隣り合う縁部7e,7e同士を容易に上下重ねた状態とするために、セル7を複数枚並べて載せるための台である。
さらに、本実施形態の組み立て用基台40は、複数枚のセル7それぞれの上面及び下面を、所定の基準面に対して傾斜角度θで傾斜させた姿勢として載せることができる。なお、図2の実施形態では、前記基準面は水平面Aである。また、セル7が複数枚並べられる前記所定の方向(矢印X方向)は水平面Aに対して平行な方向である。
組み立て用基台40は、セル7が並べられる前記所定の方向に長い本体部42と、各セル7を下から支持する複数の支持部41とを備えている。複数の支持部41は、前記所定の方向に沿って直線的に並んだ状態として、本体部42に設けられている。また、後にも説明するが、支持部41は、本体部42に昇降可能として取り付けられている。
図3は、組み立て用基台40の一部を示している。図3(a)は、上昇位置にある支持部41にセル7を載せた状態の図であり、図3(b)は、支持部41が図3(a)の状態から下降した状態を示している。
全ての支持部41それぞれは同じ構成から成り、各支持部41は、その上面に設けられた傾斜面43と、一方側(図3(a)では左側)の側面に設けられた接触面44とを有している。
前記傾斜面43は、水平面Aに対して傾斜角度θで傾斜した面からなり、この傾斜面43にセル7を載せることで、当該セル7の一方側の縁部7e−1から他方側の縁部7e−2へと下方に傾斜させることができ、セル7の傾斜角度がθとなる傾斜姿勢とさせることができる。
また、傾斜面43は、前記所定の方向の一方側の縁部7e−1(図3(a)では左側の縁部7e−1)をはみ出した状態として、セル7を載せる大きさに設定されている。すなわち、傾斜面43の傾斜方向の長さは、セル7の短尺方向の長さよりも短く設定されている。
さらに、複数の支持部41は、図2に示しているように、所定のピッチPで前記所定の方向(矢印X方向)に並んで設けられている。このピッチPは、一つの支持部41に載ったセル7と、この一つの支持部41の左隣りにある別の支持部41に載ったセル7との関係において、当該一つの支持部41上ではみ出した縁部7e−1が上となり、このはみ出した縁部7e−1に隣り合う縁部7e−2が下となるように、これら両縁部7e−1,7e−2を上下で重ねた状態とさせる間隔である。
すなわち、図3(a)に示しているように、前記所定の方向で隣り合う支持部41,41の設置間隔となるピッチPは、当該所定の方向に傾斜姿勢で置かれる各セル7の当該所定の方向の寸法Q未満となる値に設定されている(P<Q)。なお、前記寸法Qは、セル7の短尺方向の寸法をBとした場合に、Q=Bcosθとなる。
前記接触面44について説明する。接触面44は、前記所定の方向(矢印X方向)に平行な仮想直線に交差(直交)する面であり、複数の支持部41それぞれに設けられているが、例えば、図3(a)の右側の支持部41(41R)の接触面44について説明すると、この接触面44は、左側の支持部41(41L)の傾斜面44に載せることで傾斜させた姿勢にあるセル7(7L)のうちの、低くなる側の縁部7e−2の端部10を接触させることができる面である。
この接触面44によれば、図3(a)において、セル7Lは傾斜した姿勢で支持部41Lに載せられており、滑り落ちようとする力が作用するが、このセル7Lの端部10が、右隣りにある支持部41Rの接触面44に接触することで、その滑り落ちが規制され、当該セル7Lを前記所定の方向に関して位置決めすることができる。
また、図2において、組み立て用基台40は、本体部42に対して支持部41を動かすための駆動手段45を備えている。本実施形態の駆動手段45は、複数の支持部41をまとめて駆動して降下させることにより、各支持部41の傾斜面43に一枚のセル7が載った状態(図3(a)の状態)から、当該支持部41の傾斜面43と当該セル7の下面とが離れた状態(図3(b)の状態)へと変化させることができる。
このために、各支持部41の下部には軸46が取り付けられ、これら軸46が共通する連結部材47に取り付けられている。駆動手段45は、図示しないが、例えばモータを有する電動アクチュエータや、エア等の流体によって動作する流体アクチュエータであり、このようなアクチュエータが前記連結部材47を本体部42に対して離反動作させる。すると、連結部材47に連動して各支持部41は、図3(b)に示しているように下方へ移動し、各支持部41の傾斜面43がセル7の下面から離反することができる。このような支持部41が退避する動作については、後にも説明する。
本実施形態では、支持部41は、本体部42の上面以下の高さまで下降することができ、支持部41は本体部42に隠れた状態となる。なお、図示しないが、支持部41の上部が本体部42の上面よりも上にある状態の高さ位置まで下降する構成であってもよい。
このような組み立て用基台40等を用いて行うモジュールMの製造方法を説明する。
先ず、半田供給装置60(図4参照)によって、半田5が各セル7の縁部7e上に設けられる。
そして、図2に示しているように、組み立て用基台40が有する複数の支持部41それぞれの上に、平板状のセル7を一枚ずつ左側から順に並べて置く。この際、支持部41のピッチPは、前記のとおり所定の関係(P<Q)で一定に設定されているため、セル7を一枚ずつ支持部41上に置けば、例えば図3(a)に示しているように、セル7Lの左側の縁部7e−1を、既に基台40上に置かれているセル7の右側の縁部7e−2に重ねた状態とすることができる。しかも、このセル7Lを支持部41Lの傾斜面43に置くと、当該セル7Lの端部10が、右隣りの支持部41Rの接触面44に自動的に接触することから、当該セル7Lは前記所定の方向に関して位置決めされた状態となる。これにより、隣り合うセル7L,7の縁部7e−1,7e−2同士が重ねられた状態が維持され、また、隣り合うセル7,7間全てにおいても、縁部7e,7e同士が重なる寸法を、一定値とすることができる。
このように一つの支持部41に対して一枚のセル7を載せることにより、各セル7の上面及び下面を水平面Aに対して傾斜させた姿勢で、かつ、当該セル7の縁部7eを、先に並べたセル7の縁部7eに重ね合わせた状態として、セル7を複数枚並べることができる。
なお、前記のとおり、前記セル7Lを支持部41Lの傾斜面43に載せ、支持部41Rの接触面44によって位置決めされることで、隣り合うセル7L,7の縁部7e−1,7e−2同士が重ねられた状態となるが、左端の支持部41に既に載った状態にあるセル7の縁部7e−2の表面にある半田5と、支持部41Lに新たに載せるセル7Lの縁部7e−1の裏面との間には、隙間gが生じる状態とするのが好ましい。この隙間gを生じさせるために、各支持部41(傾斜面43)の高さ位置及び形状が、セル7の厚さ及び半田5の高さ等に応じて、設定されている。
この構成によれば、新たにセル7Lを支持部41Lに載せても、当該セル7Lの縁部7e−1の裏面は、下にあるセル7の半田5と非接触の状態にある。
以上より、図2に示しているように、モジュールMを構成するために必要な複数枚のセル7が、前記所定の方向(矢印X方向)に沿って、組み立て用基台40上に載った状態となり、この状態のまま、図5に示しているように、組み立て用基台40を加熱炉51内に投入する。すなわち、組み立て用基台40上で、縁部7e,7e同士が重ね合わされた状態で並べて設けられた複数枚のセル7を、当該組み立て用基台40と一緒に、加熱炉51内に投入する。この際、支持部41は降下しておらず、セル7を支持したままの状態である。そして、加熱炉51内の温度を上昇させる。
なお、セル7と共に、組み立て用基台40を炉内に投入した後であって、半田5を溶融させる前に、前記駆動手段45によって、支持部41をまとめて降下させる(図5の破線の状態)。支持部41を降下させると、前記隙間g(図3(a)参照)が解消され、下側のセル7の半田5の上に上側のセル7の裏面が載った状態となる。すなわち、前記隙間gが無くなり、隣同士にあるセル7,7の縁部7e,7eは半田5を介して接触した状態で重なり合う。
そして、この状態で、加熱炉51内の温度を半田5の溶融温度を超えて加熱することで、半田5を溶融しその後冷却して凝固させ、セル7同士を縁部7e,7e間において電気的及び構造的に接続する(接合工程)。
このように、本実施形態によれば、駆動手段45が支持部41を降下させ、セル7の下面から支持部41の傾斜面43を離反させることで、当該セル7は、支持部41に姿勢が拘束されない状態となる。この状態で、縁部7e,7e同士の重ね合わせ部8が半田5によって接合されることで、支持部41(傾斜面43)の影響を受けないで、所定形状のモジュールMを製造することができる。
そして、半田5によって接合されたセル7は、加熱炉51から取り出され、組み立て用基台40から取り外され、取り付け装置70(図4参照)へ搬送される。この取り付け装置70は、接合した複数枚のセル7をまとめて、封止部材32,33(図1参照)によって表及び裏から覆う。この封止部材32,33が複数枚のセル7に取り付けられることにより、シート状の太陽電池モジュールMが得られる。
以上の製造装置及び製造方法によれば、組み立て用基台40の支持部41は、水平面Aに対して傾斜した形状である傾斜面43を上面に有していて、複数枚のセル7それぞれをこの傾斜面43に載せ、水平面Aに対して傾斜させた姿勢として下から支持することができる。すなわち、複数枚のセル7それぞれを所定の傾斜姿勢として組み立て用基台40に並べて載せるために、当該セル7を支持部41の傾斜面43に載せれば済み、従来のような作業の難しさはない。
そして、セル7は支持部41によって下から支持されているため、組み立て用基台40に並べて載せられたセル7の姿勢は従来よりも安定する。
なお、従来では、図7に示しているように、作業盤79上でセル80の縁部80aを重ね合わせた状態では、まだ半田81による接合は行われていないため、非常に不安定な状態にある。したがって、作業盤79上に複数枚のセル80を所定の姿勢及び所定の位置に並べ、作業盤79ごとを図外の加熱炉内へ移動させたとしても、重ね合わせた複数枚のセル80の全体形状が崩れてしまうおそれがある。この場合、複数枚のセル80の全体形状を再度整える必要があり、作業性が悪い。
しかし、前記のとおり、組み立て用基台40に並べて載せられたセル7の姿勢は、従来よりも安定するので、モジュールMを製造する作業が容易となる。
さらに、支持部41のピッチPは、前記のとおり所定の関係(P<Q)で一定値に設定されているため、セル7を一枚ずつ各支持部41上に置けば、隣り合うセル7,7の縁部7e,7e同士を、自然と重ねた状態とすることができる。さらに、セル7を支持部41の傾斜面43に置くと、当該セル7の端部10(図3(a)参照)が、隣りの支持部41の接触面44に自動的に接触することから、当該セル7は前記所定の方向に関して位置決めされ、縁部7e,7e同士が重ねられた状態が維持される。このため、セル7を並べる際に、従来のように手間取りながら位置調整する必要はなく、セル7を所定の方向に並べる作業が容易となる。
本発明は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。例えば、支持部41の構成は、図示した柱状の構成以外であってもよく、また、駆動手段45による移動方向も直線的な上下方向以外であってもよい。
例えば図6に示しているように、支持部141は、扇形断面を有した部材であってもよく、この場合、その上面に傾斜面143が形成され、円弧面が側面接触部144となる。そして、この支持部141は、駆動手段によって、扇形の中心を揺動中心として揺動運動することで、傾斜面143がセル7の裏面から離れることができる。
また、前記実施形態では、支持部41の上部の形状を傾斜面43として説明し、セル7の下面が支持部41の上面に面接触する場合を説明したが、面で接触するのではなく、支持部41の上部は、セル7の裏面に部分的に接触する構成であってもよい。すなわち、支持部41の上部は、図示しないが、複数の突起を有し、この突起の上端が、前記傾斜面43と同一の仮想傾斜面上に配置されたものであってもよい。
また、太陽電池セル同士を接合するための接合材を、本実施形態では、接合金属として半田5を用いた場合を説明したが、これ以外であってもよく、温度に応じて固化する材料であってもよい。例えば、導電性の良い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂とすることができる。
さらに、モジュールMに含まれるセル7の枚数は変更自在であり、その数に応じて支持部41の数も変更すればよい。
7:太陽電池セル、 7e:縁部、 7e−1:縁部、 7e−2:縁部、 10:端部、 40:組み立て用基台、 41:支持部、 43:傾斜面、 44:接触面、 45:駆動手段、 A:水平面(基準面) M:太陽電池モジュール、 P:ピッチ

Claims (4)

  1. 平板状の太陽電池セルが所定の方向に複数枚並べられ当該所定の方向で隣り合う縁部同士を重ねた状態で接合することにより得られる太陽電池モジュールを製造するための製造装置であって、
    複数枚の前記太陽電池セルを並べて載せる組み立て用基台を備え、
    前記組み立て用基台は、前記太陽電池セルの一方側の前記縁部をはみ出した状態として当該太陽電池セルそれぞれを載せる支持部を複数有し、
    複数の前記支持部は、はみ出した前記縁部が上となりこの縁部に隣り合う前記縁部が下となるようにこれら両縁部を上下で重ねた状態とさせるピッチで、前記所定の方向に並んで設けられていることを特徴とする太陽電池モジュールの製造装置。
  2. 複数の前記支持部それぞれは、前記太陽電池セルの前記一方側の縁部から他方側の縁部へと下方に傾斜させて当該太陽電池セルを載せる傾斜面を有し、
    前記支持部の前記傾斜面に載せられた前記太陽電池セルの前記他方側の縁部が接触する接触面が、当該支持部の隣りにある前記支持部に形成されている請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造装置。
  3. 前記組み立て用基台は、前記太陽電池セルが前記支持部の上部に載った状態から、当該前記太陽電池セルの下面と当該支持部の上部とが離れた状態へと変化させるべく、当該支持部を駆動する駆動手段を有している請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの製造装置。
  4. 平板状の太陽電池セルが所定の方向に複数枚並べられ当該所定の方向で隣り合う縁部同士を重ねた状態で接合することにより得られる太陽電池モジュールを製造するための製造方法であって、
    前記所定の方向に並べて設けた複数の支持部それぞれに、前記太陽電池セルの一方側の前記縁部をはみ出した状態として当該太陽電池セルそれぞれを載せる際に、
    はみ出した前記縁部が上となりこの縁部に隣り合う前記縁部が下となるようにこれら両縁部を上下で重ねるようにして、当該支持部それぞれに当該太陽電池セルそれぞれを載せることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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