JP2011076094A5 - - Google Patents

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反射屈折投影対物系
本発明は、3つの部分対物系を含む物体平面内の物体視野を像平面内の像視野上に結像するためのマイクロリソグラフィのための反射屈折投影対物系と、少なくとも1つの照明モードを設けるための照明系、及び3つの部分対物系を含む物体平面内の物体視野を像平面内の像視野上に結像するための反射屈折投影対物系を含むマイクロリソグラフィのための投影露光装置と、同じく少なくとも1つの照明モードを設けるための照明系、及び3つの部分対物系を含む物体平面内の物体視野を像平面内の像視野上に結像するための反射屈折投影対物系を含むマイクロリソグラフィのための投影露光装置を作動させる方法とに関する。
物体視野は、反射屈折投影対物系の第1の部分対物系を用いて第1の実中間像上に結像され、第1の中間像は、第2の部分対物系を用いて第2の実中間像上に結像され、第2の中間像は、第3の部分対物系を用いて像平面内の像視野へと最終的に結像される。第2の部分対物系は、厳密に1つの凹ミラー及び少なくとも1つのレンズを有する反射屈折対物系である。更に、反射屈折投影対物系は、2つの折り返しミラーを有し、第1の折り返しミラーは、物体平面から来る投影光を第2の部分対物系の凹ミラーの方向に偏向させ、第2の折り返しミラーは、第2の部分対物系の凹ミラーから来る投影光を像平面の方向に偏向させる。投影対物系は、厳密に2つの実中間像を有する。
この種の反射屈折投影対物系は、US2009/0059358A1から公知である。
投影対物系は、像平面内で1.0よりも大きい開口数を有する。
この種の反射屈折投影対物系は、例えば、US2009/0034061A1及びUS2005/0248856A1から公知である。
第2の部分対物系は、厳密に1つの凹ミラーを有するので、投影光は、第2の部分対物系のレンズを2度、正確には、最初は第1の折り返しミラーから凹ミラーへの射出経路(outgoing path)上で、2度目は凹ミラーにおける投影光の反射の後に凹ミラーから第2の折り返しミラーへの戻り経路(return path)上で通過する。この二重通過の結果として、投影光の射出経路上と戻り経路上の両方においてこれらのレンズの同一領域が投影光によって照射された場合には、これらのレンズの局所放射線負荷(radiation loading)は、単一通過と比較すると倍加する可能性がある。
この場合、放射線負荷は、光源の放射入力光パワーが大きい程、かつ投影光ビームの範囲が小さい程、益々高くなる。光源のパワーの増大、及び投影対物系の瞳付近の領域内の投影光ビームの範囲の縮小は、投影露光装置に見出される現時点での要求である。これは、光源の光パワーの増大が、マイクロリソグラフィ投影露光装置のスループットの増大を有することを意味する。解像度を高めるために、投影対物系の入射瞳は、入射瞳の範囲と比較して小さい瞳領域、いわゆる照明極内でのみ照明される。この場合、入射瞳内での照明光の強度分布は、照明モードを特徴付ける。照明極は、強度が最大強度の10%を下回らない入射瞳内の強度分布範囲内で連続する領域を表している。更に、これらの照明極は、通常は入射瞳の縁部に位置する。この場合、入射瞳は、投影対物系内に入射するビームの境界を定める仮想開口部又は実開口部である。それは、投影対物系の開口絞りによって構成され、開口絞りは、光方向にこの開口絞りの上流に置かれたレンズ又はミラーの屈折面又は反射面によって結像される。従って、入射瞳は、投影対物系の開口絞りの物体側の像を表している。照明光が回折される構造担持マスクが、投影対物系の物体視野に配置される場合、ゼロ次回折及び投影対物系の解像度限界付近の構造幅の場合では1次回折を除く高次回折によって特徴付けられる投影光分布が、その後の瞳平面内で発生する。この場合、ゼロ次回折における投影光分布は、入射瞳内の照明分布に対応する。従って、投影対物系の入射瞳内に生じるもののような照明極は、投影対物系のその後の瞳平面にも現れる。入射瞳に共役な瞳平面は、第2の部分対物系の凹ミラー上、又は少なくともこの凹ミラーの近くに置かれる。従って、投影対物系の入射瞳内に照明系によって生成されるもののような照明極による照明は、凹ミラー上、及び凹ミラーの近くに配置された第2の部分対物系のレンズ上にも存在する。その結果、解像度の増大は、凹ミラーの近くに配置されたレンズの局所放射線負荷の増大を招く。
投影光の波長を短くすることによっても解像度は増大する。従って、投影露光装置では、深紫外波長範囲、すなわち、例えば、248nm、193nm、又は157nmの波長を有するレーザ光源が用いられる。この波長範囲では、例えば、石英又はフッ化カルシウムのような一般的なレンズ材料は、照射に起因する損傷を示す。例えば、石英の場合には、材料の圧密化、材料の希薄化、これらによって誘起される応力、及び更にそれを原因とする応力複屈折が発生する可能性がある。同様に、偏光誘起の複屈折の影響も公知であり、この場合、材料の変質は、投影光の偏光状態に依存する。更に、照射は、色中心の形成に起因する伝達損失を招く可能性がある。上述の影響は、部分的に放射照度に非線形に依存し、従って、放射線負荷の倍加は、放射照度に線形に依存する影響の場合のものよりも有意に大きい損傷を招く可能性がある。
凹ミラーに隣接するレンズに対する二重通過、スループットを高めるための光源の光パワーの増大、入射瞳の及び従って凹ミラーに隣接するレンズの小さい範囲を有する照明極による照明、深紫外光の使用、及び放射線負荷に起因して損傷を受ける可能性があるレンズ材料の使用は、この種類の投影対物系の場合に、凹ミラーに隣接して配置された第2の部分対物系のレンズが、投影露光装置の作動によって損傷を受ける特に高い危険性にさらされるという影響を有する。
US2009/0059358A1 US2009/0034061A1 US2005/0248856A1 US2007/0165202A1 WO2009/080231A1 US7,551,261B2
次に、本発明の目的は、上述の境界条件にも関わらず、均一の品質を有する半導体構成要素のリソグラフィ製造を可能にする反射屈折投影対物系と、照明系及び反射屈折投影対物系を含む投影露光装置と、同じく照明系及び反射屈折投影対物系を含む投影露光装置を作動させる方法とを明示することである。
上記目的は、物体視野を第1の実中間像上に結像するための第1の部分対物系と、第1の中間像を第2の実中間像上に結像するための第2の部分対物系と、第2の中間像を像視野上に結像するための第3の部分対物系とを含む物体平面内の物体視野を像平面内の像視野上に結像するためのマイクロリソグラフィのための反射屈折投影対物系であって、第2の部分対物系は、厳密に1つの凹ミラー及び少なくとも1つのレンズを有し、投影対物系は、物体平面から来る放射線を凹ミラーの方向に偏向するための第1の折り返しミラー、及び凹ミラーから来る放射線を像平面の方向に偏向するための第2の折り返しミラーを有し、投影対物系は、厳密に2つの実中間像を有し、投影対物系は、像平面内で1.0よりも大きい開口数を有し、かつ凹ミラーのミラー面の光学的利用領域と、凹ミラーに隣接するレンズの凹ミラーに対面する面の光学的利用領域との間の最小距離は、10mmよりも大きいことを特徴とする投影対物系を用いて達成される。
ミラー面又はレンズ面の光学的利用領域は、物体視野の範囲に基づいて、最大に開かれた開口絞りの場合に可能な全ての光線の交点が位置する領域を意味するように理解される。それと比較して、レンズ又はミラーの物理的範囲は、製造公差及びレンズ又はミラーの機械的装着の必要性に起因して一般的に光学的利用領域よりも大きい。その距離は、凹ミラーのミラー面上における凹ミラーの光学的利用領域内の点と、凹ミラーに隣接するレンズの凹ミラーに対面する面上におけるこの面の光学的利用領域内の点との間で決定される。この場合、最小距離は、全ての可能な距離の値の最小値となる。
凹ミラーのミラー面と隣接するレンズ面との間の距離が小さい場合には、範囲の広い光ビームの光線が、射出経路上と戻り経路とにおいて一般的に重複する領域内でレンズ面を通過するのに対して、凹ミラーのミラー面と隣接するレンズ面との間の距離を大きくすると、この重複を回避することができる。この場合、凹ミラーに隣接して配置されたレンズは、依然として2度の通過を確かに受けるが、今度は空間的に分離した経路上で通過を受ける。その結果、放射線負荷は、いかなる領域内でも倍加されない。
凹ミラーへの射出経路上の光ビームと凹ミラーからの戻り経路上の光ビームとの空間的分離は、この種類の投影対物系が、軸外に配置された物体視野を有するということによって引き起こされる。すなわち、光軸と物体平面との交点は、物体視野の外側に位置する。従って、第1の中間像及び第2の中間像も軸外に、正確に言えば、光軸に対して反対側に配置される。その結果、第1の中間像と第2の中間像は、互いに空間的に分離する。それとは対照的に、瞳平面内及び従って瞳平面の近くに配置された第2の部分対物系の凹ミラー上での照明は、視野に依存せず、すなわち、物体視野の形状及び位置に依存しない。その結果、軸外に配置された中間像平面の領域内では、射出経路上の放射線ビームと戻り経路上の放射線ビームとは、空間的に分離した方式で進むが、凹ミラーの領域内では、射出経路上の放射線ビームと戻り経路上の放射線ビームとの重複、及び従って放射線負荷の倍加が発生する。
投影対物系の入射瞳内の照明極から出射する光線が、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内で凹ミラーに対面するレンズ面を通過するか否かということは、入射瞳内の照明極のいわゆるy方向における範囲に依存する。この場合、y方向は、投影対物系のそれぞれの光軸に対して垂直な直線に対して平行に延び、かつ投影対物系の対称平面に位置する。対称平面は、3つの部分対物系の3つの光軸により張られる。この場合、部分対物系の光軸は、それに対して部分対物系の光学要素の光学面が回転対称な数学的面記述を有する連続的な直線を表すが、これらの光学要素の境界は、この光軸に関して必ずしも回転対称に実施する必要はない。第1の光軸から第2の光軸への移行は、第1の折り返しミラーを通じて発生する。第2の光軸から第3の光軸への移行は、第2の折り返しミラーを通じて発生する。すなわち、y方向は、各折り返しミラーにおいて光軸の方向変化に従ってその方向を変化させる。この折り返し幾何学形状によると、物体視野は、対称平面に関して対称に配置されるが、第1の部分対物系の光軸に関してy方向に偏心して配置される。従って、第1の中間像及び第2の中間像も、光軸に関してy方向に偏心した方式で配置される。その結果、凹ミラーに隣接するレンズ面上での射出経路上の放射線ビームと戻り経路上の放射線ビームとの分離も、放射線ビームが、レンズ面と凹ミラーの間の距離に依存するy方向の範囲を超えない時にのみ発生する。この範囲は、その結果として、入射瞳内でのy方向の照明極の範囲に直接に依存する。
凹ミラーの光学的利用領域と、凹ミラーに隣接するレンズの凹ミラーに対面する面の光学的利用領域との間の最小距離が10mmよりも大きい場合には、例えば、y方向に瞳平面の瞳半径の1%の照明極範囲を有する投影光ビームは、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内を進む。
本発明の一実施形態では、上述の距離は、20mmよりも大きい。この場合、例えば、投影対物系の入射瞳内でy方向に瞳半径の2%の照明極範囲を有する投影光ビームは、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内を進む。
本発明の一実施形態では、上述の距離は、30mmよりも大きい。この場合、例えば、投影対物系の入射瞳内でy方向に瞳半径の4%の照明極範囲を有する投影光ビームは、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内を進む。
本発明の一実施形態では、上述の距離は、40mmよりも大きい。この場合、例えば、投影対物系の入射瞳内でy方向に瞳半径の5%の照明極範囲を有する投影光ビームは、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内を進む。
一般的に、この種類の投影対物系の場合には、凹ミラーは、像視野曲率の良好な補正の目的で隣接するレンズ面と比較して大きな曲げを有する。これは、凹ミラーと隣接するレンズ面との間の距離が、凹ミラーの縁部で最小であるという効果を有する。従って、射出経路上の光ビームと戻り経路上の光ビームとの空間的分離は、光ビームが凹ミラーの縁部を目標にする場合、すなわち、入射瞳の縁部にある照明極から発する場合には、隣接するレンズ面上では特に困難である。従って、照明極が入射瞳の縁部に配置され、y方向の照明極範囲が入射瞳の瞳半径の2%よりも大きい場合には、凹ミラーに隣接するレンズの凹ミラーに対面するレンズ面上の放射線負荷を低減するために、凹ミラーと凹ミラーに隣接するレンズとの間の距離は、入射瞳内の照明極から出射し、物体視野内の中心物体点において物体平面と交わる全ての光線が、レンズの凹ミラーに対面する面を凹ミラーに向う光路上と凹ミラーから離れる光路上とで空間的に分離した領域内で通過するように長く選択される。入射瞳において入射瞳の縁部から最大距離で瞳半径の5%の位置にある照明極が、照明極の最大強度に対して少なくとも10%の強度を有する場合に、照明極は、入射瞳の縁部に配置されている。y方向の照明極範囲は、y方向に沿って照明極の強度プロフィールを通る断面を取り、最大値から進んで、最大値に対して10%の値に低下する2つの10%点の間の距離を求めることによって求められる。この場合、y方向の照明極範囲は、この照明極における10%点の間の距離において可能な最大値を表している。中心物体点は、物体平面と対称平面との直線交線上に位置し、かつy方向に上側物体視野縁部からと下側物体視野縁部からとの同じ距離の位置にある物体点を意味するように理解される。
本発明の一実施形態では、それ以外の境界条件が同一であると、照明極のy方向の範囲は、入射瞳の瞳半径の5%よりも大きく、全ての光線は、依然として射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内で凹ミラーに対面するレンズ面を通過する。
本発明の一実施形態では、それ以外の境界条件が同一であると、照明極のy方向の範囲は、入射瞳の瞳半径の8%よりも大きく、全ての光線は、依然として射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内で凹ミラーに対面するレンズ面を通過する。
第2の部分対物系の凹ミラーは、像視野曲率の補正に有意な寄与をもたらす。この場合、この寄与は、凹ミラーの曲率が大きい程、益々大きくなる。凹ミラーの曲率は、光ビームに対して発散効果を作用する負の光学屈折力を有するレンズ、いわゆる負のレンズが光方向に凹ミラーの上流に配置された場合に更に増大する可能性がある。凹ミラーの直径を可能な限り小さく保つために、一般的に、負のレンズは、凹ミラーから僅かな距離の位置にある。この僅かな距離は、正確に言えば、一方で瞳平面に近い凹ミラーの配列に起因して凹ミラーの直径が投影対物系の開口数と共に増大するという理由から、他方で凹ミラーの曲率が像視野曲率の補正によってのみ与えられるという理由から、特に、像平面内の開口数が1.0よりも大きい時に必要である。従って、直径が増大するのと同時に、凹ミラーの開口、すなわち、頂点半径に対する半ミラー直径の比が増大し、1.0よりも大きい開口数では半球に近いミラー幾何学形状が生じる可能性がある。負のレンズと凹ミラーの間の有限の縁部距離を保証するためには、負のレンズと凹ミラーの間の面頂点距離を大きくする必要がある。半球形状の凹ミラーという極端な場合には、負のレンズは、曲率中心の近くに位置することになる。凹ミラーは、基本的には1:1の結像を引き起こすので、負のレンズは、結果として2つの中間像の近くに配置されることになる。この場合、凹ミラーと負のレンズの間の距離をそれ以上大きくすることはできない。それとは対照的に、1.0よりも小さい開口数の場合には、状況は大きく緩和される。像視野曲率の同じ補正に対して、ミラーは、有意に小さい開口を有し、それによって凹ミラーと負のレンズ間の長い縁部距離をより容易に得ることができる。1.0よりも大きい開口数の場合に像視野曲率の補正への凹ミラーの寄与を同時に低減することなく凹ミラーと隣接する負のレンズの間の距離を大きくした場合には、ミラー直径は増大し、凹ミラーは、半球形状を帯び、負のレンズは、中間像の近くに位置する。大きい直径及び半球形状を有する凹ミラーは、生産工学の観点から好ましくない。その結果、像平面内で1.0よりも大きい開口数では、像視野曲率の補正及び生産工学の理由から、凹ミラーと隣接するレンズの間の距離が小さいことが好ましい。この小さい距離と矛盾することが、投影光ビームを分離することによって放射線負荷を低減するために凹ミラーと隣接するレンズの間の距離を大きくするという要求である。従って、凹ミラーと隣接するレンズの間の距離は、一方で凹ミラーに隣接するレンズの放射線負荷を低減するのに必要であり、他方で適切な場合に投影対物系の他の光学要素からの像視野曲率の補正への付加的な寄与を有する像視野曲率の補正を依然として保証する範囲に限って増大される。
投影対物系は、3つの部分対物系を有し、厳密に2つの実中間像を有する。3つの部分対物系内にはいかなる更に別の中間像も存在しない。本発明の一実施形態では、第2の部分対物系のみが、厳密に1つの凹ミラーを有する反射屈折投影対物系として実施され、それに対して第1の部分対物系及び第3の部分対物系は純屈折方式で実施され、すなわち、いかなる結像ミラーも持たない。その結果、第2の部分対物系の凹ミラーが、像視野曲率の補正に不可欠な寄与を提供する。
本発明の一実施形態では、凹ミラーの面頂点と凹ミラーに隣接するレンズの面頂点との間の距離は、凹ミラーの頂点半径よりも短い。この場合、凹ミラーの頂点半径は、凹ミラーの面頂点における半径を規定する。そうでなければ更に別の実中間像が、凹ミラーと凹ミラーに隣接するレンズとの間に生じることになる。この場合、面頂点は、面と光軸の交点を表している。従って、面頂点の間の距離は、光軸に沿って測定される。
本発明の一実施形態では、凹ミラーの面頂点と凹ミラーに隣接するレンズの面頂点との間の距離は、凹ミラーの頂点半径の70%よりも短い。
本発明の一実施形態では、2つの折り返しミラーは、別々のミラーとして実施される。
本発明の別の実施形態では、2つの折り返しミラーは、モノリシック体、例えば、底面として三角形を有するプリズムの反射被覆側面として実現される。
本発明の一実施形態では、第2の部分対物系の凹ミラーは、200mmよりも小さい頂点半径を有する。凹ミラーは、rが凹ミラーの頂点半径である時に、2/rの負の寄与でペッツヴァル和に寄与する。ペッツヴァル和は、像視野曲率の尺度である。補正された像視野曲率では、ペッツヴァル和は消失する。正の屈折力を有するレンズはペッツヴァル和を増大させるので、像視野曲率の補正には、200mmよりも小さい頂点半径を有する凹ミラーが、その大きい負の寄与の理由から好ましく、正確に言えば、投影対物系が像平面内で1.0よりも大きい開口数を有する時には大きい正の屈折力が用いられるので、その場合には特に好ましい。
本発明の一実施形態では、第2の部分対物系の凹ミラーは、260mmよりも小さい光学的利用領域直径を有する。それによって達成されることは、妥当な経費で凹ミラーを製造してその品質を認定することができることである。
本発明の一実施形態では、凹ミラーに隣接するレンズは、石英から成る。石英は、高い放射線負荷の場合には上述の損傷を示す。この損傷は、石英から成るレンズの場合に、凹ミラーとこのレンズの間の距離が、y方向に小さい範囲を有する照明極の場合に射出経路上で照射される領域と戻り経路上で照射される領域とが互いに空間的に分離するような範囲まで増大されることを保証するという対処が行われた場合には回避することができる。
本発明の一実施形態では、投影対物系の全てのレンズは石英から成る。
本発明の一実施形態では、光方向に像平面の上流に配置されたレンズ以外の投影対物系の全てのレンズは、石英から成る。本発明の一実施形態では、光方向に像平面の上流に配置されるレンズは、石英よりも高く、特に、1.8よりも高い屈折率を有する材料から成る。本発明の一実施形態では、光方向に像平面の上流に配置されるレンズは、スピネルから成る。高い屈折率を有する材料の使用により、像平面内の開口数を1.4よりも大きい値に高めることができる。
2度の通過を受ける第2の部分対物系のレンズの放射線負荷の低減により、投影対物系の入射瞳を投影対物系の入射瞳の瞳半径の8%よりも小さいy方向の最大範囲を有する少なくとも1つの照明極で照明することを可能にする投影露光装置を提供することが可能になる。この場合、マイクロリソグラフィのための投影露光装置は、少なくとも1つの照明モードを設けるための照明系と、物体視野を第1の実中間像上に結像するための第1の部分対物系、第1の中間像を第2の実中間像上に結像するための第2の部分対物系、及び第2の中間像を像視野上に結像するための第3の部分対物系を含む物体平面内の物体視野を像平面内の像視野上に結像するための反射屈折投影対物系とを含み、第2の部分対物系は、厳密に1つの凹ミラー及び少なくとも1つのレンズを有し、投影対物系は、物体平面から来る放射線を凹ミラーの方向に偏向するための第1の折り返しミラー、及び凹ミラーから来る放射線を像平面の方向に偏向するための第2の折り返しミラーを有し、投影対物系は、厳密に2つの実中間像を有し、かつ投影対物系は、像平面内で1.0よりも大きい開口数を有する。この場合、照明系は、可能な照明モードのうちの1つにおいて、y方向に入射瞳の瞳半径の8%よりも小さい最大極範囲を有する少なくとも1つの照明極で投影対物系の入射瞳を照明するように構成される。
少なくとも1つの照明モードを設けるために、照明系は、例えば、適切な回折光学要素又は傾斜可能ミラーの2次元配列を有する。傾斜可能ミラーの2次元配列は、照明系の射出瞳内又は照明系に続く投影対物系の入射瞳内に望ましい照明モードが設けられるように照明光を操作する。この照明モードは、例えば、y方向に入射瞳の瞳半径の8%よりも小さい最大範囲を有する少なくとも1つの照明極を有する。
本発明の一実施形態では、照明系は、少なくとも1つの照明極が入射瞳の中心を照明するように構成される。この場合、入射瞳の中心は、第1の部分対物系の光軸と入射瞳平面との交点によって与えられる。入射瞳が、その中心に限って小さい範囲を有する単一の照明極で照明される場合の照明モードは、特に、位相シフトマスクが用いられる場合に用いられるいわゆるコヒーレント照明を引き起こす。
本発明の別の実施形態では、照明系は、全ての照明極が入射瞳の縁部に配置されるように構成される。照明極が入射瞳の中心の外側に配置される場合の照明モードは、照明極の個数に依存して二重極、四重極、又は多重極照明と呼ばれる。物体視野に配置された構造を有する像が、ゼロ次の回折次数と1次の回折次数との干渉の結果として発生する場合には、ゼロ次の回折次数と1次の回折次数が対物瞳の縁部で対物瞳の両側に置かれた場合に解像度限界に達する。これは、投影対物系の入射瞳が、入射瞳の縁部に配置された少なくとも1つの照明極で照明されることを前提とする。
本発明の一実施形態では、入射瞳は、入射瞳の中心に関して反対に位置する対になった照明極で照明される。投影対物系内でのゼロ次の回折次数と1次の回折次数とは異なる強度を有するので、入射瞳の中心に関して反対に位置する対になった照明極を有効光源として用いる構造の照明の結果として、投影対物系の像平面内で対称な露光条件が発生する。
2度の通過を受ける第2の部分対物系のレンズが、放射線負荷に起因して損傷を受けるか否かということは、レンズ面上に入射する最大面パワー密度に依存する。2度の通過を受ける第2の部分対物系のレンズのうちで、凹ミラーに隣接するレンズの凹ミラーに対面する面は、瞳平面に最も近く配置されるので、最も高い負荷を有する。この場合、発生する最大面パワー密度は、投影露光装置の照明系によって設けられる照明モードに依存する。特定の照明モードが、投影対物系の入射瞳内で光を再分布させることだけによって設定される場合には、その後の投影対物系内のレンズ面を照明する際の合計パワーは、照明モードには事実上依存せずに留まる。それとは対照的に、照明極の範囲が小さくなる時に、個々の照明極内の面パワー密度は増大する。従って、照明系は、全ての照明モードにおいて、凹ミラーに隣接するレンズの凹ミラーに対面する面上で最大面パワー密度が0.6W/cm2よりも低く、物体平面内の照明光の合計パワーが1.5Wよりも大きいように構成される。この構成は、例えば、上述のレンズ面上の最大面パワー密度が、所定の照明モードに起因して既知であり、最大面パワー密度が、所定の閾値よりも低い時にのみ照明モードを設定することができるということによって達成される。この場合、面パワー密度は、例えば、入射瞳の照明に基づく適切なシミュレーション計算を用いて事前に求めることができる。シミュレーション計算の結果は、例えば、投影露光装置の制御プログラムが望ましい照明モードに対してこの望ましい照明モードを設定することができるか否かを判断することを可能にする形態で、投影露光装置の中央コンピュータ内に記憶することができる。
本発明はまた、少なくとも1つの照明モードを設けるための照明系と、物体視野を第1の実中間像上に結像するための第1の部分対物系、第1の中間像を第2の実中間像上に結像するための第2の部分対物系、及び第2の中間像を像視野上に結像するための第3の部分対物系を含む物体平面内の物体視野を像平面内の像視野上に結像するための反射屈折投影対物系とを含み、第2の部分対物系が、厳密に1つの凹ミラー及び少なくとも1つのレンズを有し、投影対物系が、物体平面から来る放射線を凹ミラーの方向に偏向するための第1の折り返しミラー、及び凹ミラーから来る放射線を像平面の方向に偏向するための第2の折り返しミラーを有し、投影対物系が、厳密に2つの実中間像を有し、かつ投影対物系が、像平面内で1.0よりも大きい開口数を有するマイクロリソグラフィのための投影露光装置を作動させる方法に関する。本方法では、照明系は、照明モードによっては、異なる個数の照明極及び異なる形態の照明極で投影対物系の入射瞳を照明する。この場合、1つの照明モードでは、y方向の照明極範囲は、入射瞳の瞳半径の8%よりも小さいか又はそれに等しい。
本発明はまた、少なくとも1つの照明モードを設けるための照明系と、物体視野を第1の実中間像上に結像するための第1の部分対物系、第1の中間像を第2の実中間像上に結像するための第2の部分対物系、及び第2の中間像を像視野上に結像するための第3の部分対物系を含む物体平面内の物体視野を像平面内の像視野上に結像するための反射屈折投影対物系とを含み、第2の部分対物系が、厳密に1つの凹ミラー及び少なくとも1つのレンズを有し、投影対物系が、物体平面から来る放射線を凹ミラーの方向に偏向するための第1の折り返しミラー、及び凹ミラーから来る放射線を像平面の方向に偏向するための第2の折り返しミラーを有し、投影対物系が、厳密に2つの実中間像を有し、かつ投影対物系が、像平面内で1.0よりも大きい開口数を有するマイクロリソグラフィのための投影露光装置を作動させる方法に関する。本方法では、照明系は、凹ミラーに隣接するレンズの凹ミラーに対面する面上で最大面パワー密度が0.6W/cm2よりも低く、それに対して物体平面内の照明光の合計パワーが1.5Wよりも大きい時にのみ照明モードを提供する。
下記では、本発明の詳細内容を図に示す例示的な実施形態に基づいてより完全に説明する。
反射屈折投影対物系のレンズ断面を示す図である。 第1の照明モードに対する図1に記載の投影対物系のレンズ断面からの抜粋を示す図である。 第2の照明モードに対する図1に記載の投影対物系のレンズ断面からの抜粋を示す図である。 マイクロリソグラフィ投影露光装置の概略図である。 2つの照明極による入射瞳の照明を示す図である。 凹ミラーに隣接するレンズ面上の最大面パワー密度を図1に記載の投影対物系において照明極のy方向の照明極範囲の関数として示す図である。 反射屈折投影対物系のレンズ断面を示す図である。 従来技術の反射屈折投影対物系のレンズ断面を示す図である。 第1の照明モードに対する図8に記載の投影対物系のレンズ断面からの抜粋を示す図である。 第2の照明モードに対する図8に記載の投影対物系のレンズ断面からの抜粋を示す図である。
図1は、反射屈折投影対物系1のレンズ断面を示している。投影対物系1における光学データは、表1にまとめられている。用いられるレンズ材料は、像平面に隣接するレンズ以外の全てのレンズにおいて、193.306nmの波長でn=1.5603261の屈折率を有する石英(SiO2)であり、像平面に隣接するレンズでは、193.306nmの波長でn=1.91の屈折率を有するスピネル(MgAl24)である。非球面は、以下のサジッタ式によって記述することができる。
Figure 2011076094
この場合、pは、半径方向距離h[mm]の場合に非球面の頂点を通る光軸に対して垂直な平面からの非球面の軸線方向距離[mm]を表し、Rは、頂点半径[mm]を表し、Kは、円錐定数を表し、Ckは、次数kの個々の非球面定数[1/mm2k+2]を表している。
投影対物系1は、物体平面5内の物体視野3を像平面9内の像視野7上に結像する。投影対物系1は、物体視野3を第1の実中間像13上に結像する第1の部分対物系11、第1の中間像13を第2の実中間像17上に結像する第2の部分対物系15、及び第2の中間像17を像視野7上に結像する第3の部分対物系19を含む。第2の部分対物系15は、凹ミラー21及び3つのレンズを有する反射屈折対物系として実施される。この場合、レンズ23は、凹ミラーに隣接して配置される。レンズ23のレンズ面25は、凹ミラー21に対面する。第1の中間像13の領域内には、折り返しミラー27が配置され、この折り返しミラーは、物体平面5から来る投影光を凹ミラー21の方向に偏向させる。第2の中間像17の領域内には、折り返しミラー29が配置され、この折り返しミラーは、凹ミラー21から来る投影光を像平面9の方向に偏向させる。
第1の部分対物系11は、第1の光軸33を有し、第2の部分対物系15は、第2の光軸35を有し、第3の部分対物系19は第3の光軸37を有する。光軸33、35、及び37は、作図面と一致する対称平面に延びている。各部分対物系11、15、及び19では、y方向は、対称平面に位置する直線であり、それぞれの光軸33、35、及び37に対して垂直な直線に対して平行に延びるように定められる。
物体視野3内のy=−10mm及びy=−32mmにおける2つの物体点に関する各場合に、主光線及び2つの周辺光線を示している。主光線は、開口絞り31の領域内で光軸37と交わり、像平面9内ではテレセントリックに、すなわち、光軸37に対して平行に進む。周辺光線は、対称平面内で進み、開口絞り31の縁部によって定められる。
第1の部分対物系11は、面番号1から20を有する面によって形成され、第2の部分対物系15は、面番号22から34を有する面によって形成され、第3の部分対物系19は、面番号36から60を有する面によって形成される。面番号21及び35を有する折り返しミラー27及び29は、平面ミラーとして結像にはいかなる影響も持たず、投影光を偏向するだけであるから、これらの折り返しミラー27及び29は、3つの部分対物系11、15、及び19のいずれにも割り当てられない。折り返しミラー27及び29は、平面ミラーとして実施されるが、原理的には、これらのミラーは、補正面を有することができる。折り返しミラー27及び29は、別々のミラーとして実施することができ、又はこれらのミラーは、モノリシック体、例えば、底面として三角形を有するプリズムの反射被覆側面によって形成される。
投影対物系1は、像平面9内でNA=1.55の開口数を有する。作動波長は、193.306nmである。矩形の像視野7の範囲は、26.0mm×5.5mmである。像視野7は、光軸33から2.51mmの最小距離の位置にある。投影対物系1は、0.25という絶対結像スケール値を有する。投影対物系1は、液浸投影対物系であり、この場合、作動中に、最後のレンズ面と露光される物体との間に波長193.306nmで1.65という屈折率を有するデカリン(デカヒドロナフタレン)が液浸液として置かれる。
凹ミラー21の光学的利用領域と凹ミラー21に隣接して配置されたレンズ23のレンズ面25の光学的利用領域との間の最小距離は、44.6mmである。凹ミラー21の光学的利用領域は、250.6mmの直径を有し、レンズ面25の光学的利用領域は、199.8mmの直径を有する。凹ミラー21は、レンズ面25よりも大きい曲率を有するので、最小距離は、凹ミラー21の光学的利用領域の縁部とレンズ面25の光学的利用領域の縁部との間の対称平面内で発生する。
凹ミラー21の面頂点と凹ミラーに隣接するレンズ23の面頂点との間の距離は、72.9mmである。凹ミラー21の頂点半径は、175.7mmである。従って、頂点距離は、頂点半径よりも短く、特に、頂点半径の70%よりも短い。
凹ミラー21は、175.7mmの頂点半径、及び250.6mmの光学的利用領域直径を有する。従って、凹ミラー21のペッツヴァル和への寄与は、2/175.68mm-1=0.011mm-1である。
凹ミラーに隣接するレンズ23は、高い放射線負荷の場合に、例えば、材料の圧密化、材料の希薄化、及び偏光誘起の複屈折を示す石英から成る。
図2は、図1に記載のレンズ断面からの抜粋であるが、図1に例示しているものとは異なる光線を有するものを示している。この図は、凹ミラー21及び凹ミラーに隣接して配置されたレンズ23を示している。更に、この図は、投影対物系の入射瞳内の円形の照明極から出射するビームの境界を対称平面内で定め、かつ(x,y)=(0mm,−20.89mm)にある中心視野点において物体平面5と交わる2つの開口光線39及び41を示している。照明極は、入射瞳の中心に配置され、y方向に入射瞳の瞳半径の9.6%の範囲を有する。2つの開口光線39及び41は、表2に指定している光線座標を有する。
(表2)
Figure 2011076094
この場合、xf及びyfは、開口光線の物体平面5との交点を特定し、xp及びypは、投影対物系1の入射瞳内での開口光線の相対瞳座標を特定する。この場合、相対瞳座標は、投影対物系1の開口数NA=1.55によって定められる入射瞳の瞳半径に関連する。(xp,yp)=(0,0)では、開口光線は、主光線と一致することになる。(xp,yp)=(0,1)では、開口光線は、周辺光線になると考えられる。次に、開口光線は、開口絞り31の縁部を通過し、従って、像平面9内で主光線に対して投影対物系1の開口数に対応する角度を有する。2つの開口光線39と41によって境界が定められるビームは、第2の部分対物系15のレンズ内で、凹ミラー21に対する射出経路上と戻り経路上とで互いに完全に分離して進む。従って、ビームは、射出経路上では領域43内でレンズ面25を通過し、それに対して戻り経路上では領域43と重複しない領域45内でレンズ面25を通過する。射出経路及び戻り経路上でのビームの重ね合わせがないことに起因して、2度の通過を受ける第2の部分対物系15のレンズ内で放射線負荷のいかなる倍加も発生しない。すなわち、凹ミラー21とレンズ23の間の距離は、入射瞳の中心においてy方向に入射瞳の瞳半径の9.6%よりも小さい照明極範囲を有する照明極から出射し、かつ物体視野3内の中心物体点で物体平面5と交わる全ての光線が、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域43内と45内とにおいて面25を通過するように長く選択される。従って、入射瞳の中心においてy方向に入射瞳の瞳半径の8.0%よりも小さい照明極範囲を有する照明極から出射し、かつ物体視野3内の中心物体点で物体平面5と交わる全ての光線もまた、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内で面25を通過する。
図3は、図1に記載のレンズ断面からの図2のものと同じ抜粋であるが、ここでは、投影対物系の入射瞳内の2つの照明極から出射する2つのビームの境界を対称平面内で定め、かつ(x,y)=(0mm,−20.89mm)にある中心視野点において物体平面5と交わる4つの開口光線47、49、51、及び53を示している。2つの照明極は、入射瞳の縁部に入射瞳の中心に関して中心対称に配置され、y方向に入射瞳の瞳半径の8%の照明極範囲を有する。4つの開口光線47、49、51、及び53は、表3に指定している光線座標を有する。
(表3)
Figure 2011076094
開口光線47と49及び51と53それぞれによって境界が定められるビームは、凹ミラー21に対する射出経路上と戻り経路上とで完全に互いから分離して第2の部分対物系15のレンズ内を進む。従って、ビームは、射出経路上では、領域55及び59内でレンズ面25を通過し、戻り経路上では、領域55及び59と重複しない領域57及び61内でレンズ面25を通過する。射出経路上と戻り経路上とにおけるビームの重ね合わせの欠如に起因して、2度の通過を受ける第2の部分対物系15のレンズ内では放射線負荷のいかなる倍加も発生しない。この場合、凹ミラー21とレンズ23の間の距離は、入射瞳の縁部に入射瞳の中心に関して中心対称に配置されたy方向に入射瞳の瞳半径の8%よりも小さい照明極範囲を有する2つの照明極から出射し、かつ物体視野3内の中心物体点で物体平面5と交わる全ての光線が、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域55と57及び59と61それぞれの内部において面25を通過するように長く選択される。
図4は、半導体構成要素又は他の微細構造化構成要素を製造するように機能するマイクロリソグラフィのための投影露光装置401を略示している。投影露光装置401は、光源として193nmの作動波長を有するエキシマレーザ403を有するが、例えば、157nm又は248nmの作動波長を有する他のエキシマレーザも可能である。下流に配置された照明系405は、鮮明に境界が定められ、均一に照明され、同時にその角度分布に関して下流に配置された投影対物系413の要求に適合する照明視野を生成する。
照明系405は、少なくとも1つの照明モードを設けるためのデバイスを有し、それによって照明系405の射出瞳内、又は下流に配置された投影対物系413の入射瞳内に例えば可変の瞳フィル・ファクタσを有するいわゆる通常照明、輪帯照明、二重極照明、四重極照明、又は多重極照明を生成することができる。通常照明の場合には、投影対物系の入射瞳は、入射瞳の中心に関して中心位置方式で配置された理想的に円形の照明極によって照明され、入射瞳の瞳半径に対するこの照明極の半径は、瞳フィル・ファクタσとして特定される。この場合、y方向における照明極の照明範囲は、瞳フィル・ファクタσの2倍に対応する。輪帯照明の場合には、投影対物系の入射瞳は、入射瞳の中心に関して中心位置方式で配置された照明リングによって照明される。二重極照明の場合には、入射瞳は、入射瞳の中心に関して中心対称に配置された2つの照明極によって照明される。四重極照明の場合には、入射瞳は、入射瞳の中心に関して中心対称に対になった方式で配置された4つの照明極によって照明される。多重極照明の場合には、入射瞳は、入射瞳の中心に関して中心対称に対になった方式で配置された偶数個の照明極によって照明される。
少なくとも1つの照明モードを設けるためのデバイスは、例えば、US2007/0165202A1又はWO2009/080231A1から公知である。US2007/0165202A1又はWO2009/080231A1では、下流に配置された投影対物系の入射瞳内に可変照明を設けるために、個別に駆動可能なミラーの2次元配列が用いられている。傾斜可能ミラーの2次元配列を用いて光源の照明光を再分布させるに過ぎないので、各照明モードは、ほぼ同じ合計パワーを有する。従って、面パワー密度は、照明極の範囲が縮小された場合に照明極内でそれに対応して増大する。
代替的に、照明モードは、照明系内で回折光学要素を交換することによって設定することができる。回折要素は、フーリエレンズ配列により、下流に配置された投影対物系の入射瞳内の照明分布へと変換することができる角度分布を生成する。少なくとも1つの照明モードを設定するためのそのようなデバイスは、例えば、US7,551,261B2から公知である。回折光学要素を交換することによって光源の照明光を再分布させるに過ぎないので、各照明モードは、ほぼ同じ合計パワーを有する。従って、駆動可能ミラー配列を用いる時のものと類似の方式で、面パワー密度は、照明極の範囲が縮小された場合に照明極内で増大する。
光方向に照明系405の下流には、レチクル407を保持及び操作するためのデバイス409が配置される。マスクとも呼ぶレチクル407は、結像される構造を有する。デバイス409を用いて、レチクル407を走査目的で物体平面411内で走査方向に移動させることができる。
投影対物系413は、例えば、図1に例示している反射屈折投影対物系である。反射屈折投影対物系413は、レチクル407のうちで照明系405によって照明される部分をウェーハ415上に縮小方式で結像する。ウェーハ415は、投影光による照射時に露光される感光層を有する。
ウェーハ415は、レチクルの走査移動と同期してウェーハ415の平行移動を可能にするデバイス419によって保持される。また、デバイス419は、ウェーハ415を投影対物系413の像平面417内に最適に位置決めするマニピュレータを有する。デバイス419は、投影対物系の液浸使用に向けて設計される。デバイス419は、ウェーハ415を保持するために、浅い窪み又は凹部を有する保持ユニット421を有する。保持ユニット421は、液浸媒質425が流出するのを防ぐための周縁部423を有する。別の実施形態では、保持ユニットは、いかなる周縁部も持たない。この場合、投影対物系の最後の光学要素とウェーハとの間の光学的利用領域のみが液浸液で湿潤される。それによって液浸液を定期的に交換することが可能になる。
投影露光装置は、中央コンピュータユニット427によって制御される。
従って、投影露光装置401を用いて半導体構成要素及び他の微細構造化構成要素を製造するために、所定のパターンを有するレチクル407が、反射屈折投影対物系413の物体平面411内に設けられ、感光層を有するウェーハ415が、反射屈折投影対物系413の像平面に設けられ、レチクル407が、照明系405を用いて照明され、最終的に、レチクル407の照明領域が、反射屈折投影対物系413によってウェーハ415上に結像される。この場合、照明モードは、結像されるパターンに依存して選択され、照明系405によって設けられる。例示的に、実質的に平行線から成るパターンは、投影対物系413の入射瞳が二重極照明で照明される照明モードで照明される。物体平面411内の線がx方向に対して平行に延びる場合には、2つの照明極は、入射瞳のy軸上に配置されることになる。レチクルとして純位相マスクが用いられる場合には、位相マスクは、投影対物系413の入射瞳がコヒーレントな照明で照明される照明モードで照明される。
図5は、ある一定の照明モードに対して投影対物系の入射瞳の2つの照明極563及び565を有する二重極照明を示している。照明極は、入射瞳の縁部に入射瞳の中心567に関して中心対称に配置される。この入射瞳は、1.0に正規化された瞳半径569で例示したものである。照明極563及び565は、照明極内の強度が最大強度の100%、かつ照明極の外側の強度が0%であるような階段状強度プロフィールを有する。従って、y方向の範囲がy方向の境界線の間の最大距離を特定するように、更に10%の点が照明極の境界線上に位置する。照明極563及び565は、各々環状セグメントの形状を有する。セグメントは、30°の角度を取り囲み、y方向に入射瞳の瞳半径の8.5%の範囲を有する。2つの照明極563及び565の合計パワーは、1.5Wである。
照明系405は、照明モードに依存してy方向の照明極範囲を変更することができる。投影露光装置401のスループットが照明モードとは独立するように、照明モードは、事実上いかなる損失もなしに変更される。従って、照明モードが変更される時に、照明視野にわたって積分される合計パワーは、事実上一定のままに留まる。しかし、この場合、一定に留まる合計パワーは、y方向の照明極範囲が縮小する時に面パワー密度がそれに対応して増大するという効果を有する。図6は、図1に記載のレンズ面25における最大面パワー密度のプロフィール671を図5に例示しているもののような二重極照明におけるy方向の照明極範囲の関数として、y方向に入射瞳の瞳半径の8.5%の照明極範囲にわたって示している。
物体平面5内の照明視野は矩形であり、コーナ点(x=−52mm,y=−9.89mm)、(x=+52mm,y=−9.89mm)、(x=−52mm,y=−31.89mm)、及び(x=52mm,y=−31.89mm)を有する。物体平面5内の強度プロフィールは、x方向に一定であり、y方向には、y=−9.89mmとy=−20.89mmの間で最大強度に対して0%から100%への線形増大を有し、y=−20.89mmとy=−31.89mmの間で100%から0%への線形下降を有する。従って、強度プロフィールは、y方向において三角形である。照明視野にわたって積分される合計パワーは、1.5Wである。物体平面5とレンズ面25の間では、材料内の吸収損失、並びにレンズ面及び同じく平面ミラーのミラー面における反射損失に起因する強度損失は、ほぼ20%であり、従って、レンズ面25にわたって積分される合計パワーは、1.2Wである。曲線671の個々のデータ点における二重極照明は、y方向の照明極範囲においてしか異ならない。それ以外では、30°というセグメント角度、及び照明極が入射瞳の縁部に配置されるという事実は変更されない。最大面パワー密度のプロフィール671は、y方向の入射瞳の瞳半径の7.5%の照明極範囲の場合は、有意な低下を示している。この有意な低下は、射出経路上のビームと戻り経路上のビームとが、y方向の入射瞳の瞳半径の7.5%よりも小さい極範囲において分離し始めることによって引き起こされる。三角形を有する実線として例示しているプロフィール673は、2つの照明極に関連するビームの射出経路上の最大面パワー密度を示しており、破線として例示しているプロフィール675は、その戻り経路上の最大面パワー密度を示している。2つのプロフィールは、実際に互いに重なって位置する。曲線677は、これらの2つのプロフィールの和を表している。射出経路上と戻り経路上とでビームが重ね合わされる場合には、最大面パワー密度も、プロフィール671に示しているように、y方向の入射瞳の瞳半径の7.5%の照明極範囲に至るまでは加算される。y方向の入射瞳の瞳半径の5.5%よりも小さい極範囲においては、ビームは、射出経路上と戻り経路上とで完全に分離され、それによってプロフィール671は、プロフィール673及び675それぞれと一致する。y方向の入射瞳の瞳半径の7.5%の照明極範囲と5.5%の照明極範囲との間の滑らかな移行は、射出経路上のビームと戻り経路上のビームとを徐々にしか分離させない範囲の広い照明視野によって引き起こされる。これはまた、図3によると、y方向の入射瞳の瞳半径の8%の照明極範囲の場合に中心視野点に対して射出経路上のビームと戻り経路上のビームとが既に分離しているのに対して、範囲の広い照明視野の場合には、分離が、y方向の入射瞳の瞳半径の7.5%の照明極範囲の場合にしかはっきりしない理由も説明している。
面パワー密度のプロフィール671は、凹ミラー21と凹ミラーに隣接するレンズ23との間の距離を大きくすることにより、y方向に入射瞳の瞳半径の8%よりも小さいか又はそれに等しい極範囲を有する瞳照明において、レンズ面25上の面パワー密度をどれ程低減することができるかを示している。それによって最大面パワー密度が更に増大することなく、かつレンズ23に対する損傷が発生することなく、y方向の極範囲を更に縮小することができる。この手段によってのみ、投影対物系が放射線損傷を招くことになる危険性なく、照明系を用いてそのような照明モードを設けることが可能になる。
レチクルにおける照明光の合計パワーが1.5Wである場合には、y方向の2.1%の最小値までの全ての極範囲において、レンズ面23上の最大面パワー密度は、0.6%W/cm2よりも低く留まる。y方向の更に小さい極範囲では、合計パワーが非常に小さい照明極上に集中することに起因して、面パワー密度は、0.6W/cm2の値を超える。
図7は、更に別の例示的な実施形態の反射屈折投影対物系701のレンズ断面を示している。図7において図1に記載の要素に対応する要素は、図1のものと同じ参照符号に700という数だけ増したものを有する。これらの要素の説明に関しては、図1に関する説明を参照されたい。投影対物系701に関する光学データが表4にまとめられている。全てのレンズ材料として石英(SiO2)が用いられる。
第1の部分対物系711は、面番号1から22を有する面で形成され、第2の部分対物系715は、面番号24から32を有する面で形成され、第3の部分対物系719は、面番号34から64を有する面で形成される。
投影対物系701は、像平面709内でNA=1.2の開口数を有する。作動波長は、193.306nmである。矩形の像視野707の範囲は、22.0mm×5.0mmである。像視野707は、光軸733から4.2mmの最小距離の位置にある。投影対物系701は、0.25という絶対結像スケール値を有する。投影対物系701は、液浸投影対物系であり、この場合、作動中に最後のレンズ面と露光される物体との間に液浸液として超純水が置かれる。
凹ミラー721の光学的利用領域と凹ミラー721に隣接して配置されたレンズ723のレンズ面725の光学的利用領域との間の最小距離は、44.8mmである。この場合、凹ミラー721の光学的利用領域は、252.0mmの直径を有し、レンズ面725の光学的利用領域は、198.2mmの直径を有する。凹ミラー721は、レンズ面725よりも大きい曲率を有するので、最小距離は、凹ミラー721の光学的利用領域の縁部とレンズ面725の光学的利用領域の縁部との間の対称平面内で発生する。
凹ミラー721の面頂点と凹ミラーに隣接するレンズ723の面頂点との間の距離は、60.8mmである。凹ミラー721の頂点半径は、179.4mmである。従って、頂点距離は、頂点半径よりも短く、特に、頂点半径の70%よりも短い。
凹ミラー721は、179.4mmの頂点半径、及び252mmの光学的利用領域直径を有する。従って、凹ミラー721のペッツヴァル和への寄与は、2/179.4mm-1=0.011mm-1である。
凹ミラーに隣接するレンズ723は、石英から成る。
凹ミラー721とレンズ723の間の距離に起因して、入射瞳の中心でy方向に入射瞳の瞳半径の15.6%よりも小さい照明極範囲を有する照明極から出射し、かつ物体視野703内の(x=0mm,y=−26.8mm)にある中心物体点において物体平面705と交わる全ての光線は、射出経路上と戻り経路上とで空間的に分離した領域内で面725を通過する。
光線が、入射瞳の縁部に入射瞳の中心に関して中心対称に配置されてy方向に入射瞳の瞳半径の10%よりも小さい照明極範囲を有する2つの照明極から出射し、かつ物体視野703内の中心物体点において物体平面705と交わる場合には、これらの光線は、射出経路上と戻り経路上とで同様に空間的に分離した領域内で面725を通過する。
図8は、比較のために従来技術で公知である反射屈折投影対物系801のレンズ断面を示している。投影対物系801の光学設計は、2005年11月10日に公開されたOmura他による特許出願US2005/0248856A1から引用したものであり、この文献における図19に対応する。この設計の光学データは、US2005/0248856A1における表9及び表10に記載されている。従って、投影対物系1の光学設計のより詳細説明に関しては、US2005/0248856A1を参照されたい。
図8において図1に記載の要素に対応する要素は、図1のものと同じ参照符号に800という数だけ増したものを有する。これらの要素の説明に関しては、図1に関する説明を参照されたい。
投影対物系801は、像平面809内でNA=1.25の開口数を有する。作動波長は、193.306nmである。矩形の像視野7の範囲は、26.0mm×4.0mmである。像視野807は、光軸833から3.5mmの最小距離の位置にある。投影対物系801は、0.25という絶対結像スケール値を有する。
凹ミラー821の光学的利用領域と凹ミラー821に隣接して配置されたレンズ823のレンズ面825の光学的利用領域との間の最小距離は、僅か3.5mmである。
凹ミラー821の面頂点と凹ミラー821に隣接するレンズ823の面頂点との間の距離は、僅か26.2mmである。
凹ミラーに隣接するレンズ823は、高い放射線負荷の場合に、例えば、材料の圧密化、材料の希薄化、及び偏光誘起の複屈折のような効果を示す石英から成る。
図9は、図8に記載のレンズ断面からの抜粋であるが、図8に例示しているものとは異なる光線を有するものを示している。この図は、凹ミラー821及び凹ミラーに隣接して配置されたレンズ823を示している。更に、この図は、投影対物系の入射瞳内の円形の照明極から出射するビームの境界を対称平面内で定め、かつ(x,y)=(0mm,−22mm)にある中心視野点において物体平面805と交わる2つの開口光線839及び841を示している。照明極は、入射瞳の中心に配置され、y方向に入射瞳の瞳半径の2%の範囲を有する。2つの開口光線839及び841は、表5に指定している光線座標を有する。
(表5)
Figure 2011076094
以上により、2つの開口光線839と841によって境界が定められるビームは、通常照明の場合に、y方向の照明極範囲が入射瞳の瞳半径の2%よりも小さい時にのみ、第2の部分対物系815のレンズ内で凹ミラー821に対する射出経路上と戻り経路上とで互いに完全に分離して進む。それとは対照的に、y方向の照明極範囲が入射瞳の瞳半径の2%よりも大きい場合には、射出経路上のビームと戻り経路上のビームとは重ね合わさる。それによってレンズ面825上に倍加された最大面パワー密度が生じる。
図10は、図に記載のレンズ断面からの図9のものと同じ抜粋であるが、ここでは、投影対物系の入射瞳内の2つの照明極から出射する2つのビームの境界を対称平面内で定め、かつ(x,y)=(0mm,−22mm)にある中心視野点で物体平面805と交わる4つの開口光線847、849、851、及び853を示している。2つの照明極は、入射瞳の縁部に入射瞳の中心に関して中心対称に配置され、y方向に入射瞳の瞳半径の0.3%の照明極範囲しか持たない。4つの開口光線847、849、851、及び853は、表6に指定する光線座標を有する。
(表6)
Figure 2011076094
y方向に非常に小さい照明極範囲に起因して、2つのビームの境界を定める開口光線847と849及び851と853それぞれは、図10では解像することができず、互いに重なって位置する。その結果、開口光線847と849及び851と583それぞれによって境界が定められるビームは、二重極照明の場合に、y方向の照明極範囲が入射瞳の瞳半径の0.3%よりも小さい時にのみ、第2の部分対物系815のレンズ内で凹ミラー821に対する射出経路上と戻り経路上とで互いに完全に分離して進む。この場合、ビームは、射出経路上では領域855及び859内でレンズ面825を通過し、それに対して戻り経路上では、領域855及び859と重複しない領域857及び861内でレンズ面825を通過する。それとは対照的に、y方向の照明極範囲が入射瞳の瞳半径の0.3%よりも大きい場合には、射出経路上のビームと戻り経路上のビームとは重ね合わさる。その結果、レンズ面825上に倍加された最大面パワー密度が生じる。図8の従来技術で公知の投影対物系を図1の投影対物系又は図7の投影対物系と比較すると、y方向に入射瞳の瞳半径の8%と0.3%の間の範囲を有する照明極の場合の凹ミラーに隣接するレンズ面上の最大面パワー密度は、図8の投影対物系の場合には、図1の投影対物系の場合又は図7の投影対物系の場合のほぼ2倍高い。
本発明を特定的な実施形態に基づいて説明したが、当業者には、例えば、個々の実施形態の特徴の組合せ及び/又は交換を通じて数々の変形及び代替実施形態が明らかである。従って、当業者に対しては、そのような変形及び代替実施形態が同様に本発明によって含まれ、本発明の範囲が特許請求の範囲及びその均等物の意味の範囲内でのみ限定されることは言うまでもない。
(表1)
Figure 2011076094

Figure 2011076094

Figure 2011076094
(表4)
Figure 2011076094

Figure 2011076094

Figure 2011076094
1 反射屈折投影対物系
3 物体視野
5 物体平面
7 像視野
9 像平面
11 第1の部分対物系
13 第1の実中間像
15 第2の部分対物系
17 第2の実中間像
19 第3の部分対物系
21 凹ミラー
23 レンズ
25 レンズの面

Claims (14)

  1. 物体視野を第1の実中間像(13,713)上に結像するための第1の部分対物系(11,711)と、
    前記第1の中間像を第2の実中間像(17,717)上に結像するための第2の部分対物系(15,715)と、
    前記第2の中間像を像視野(7,707)上に結像するための第3の部分対物系(19,719)と、
    を含み、
    前記第2の部分対物系(15,715)が、厳密に1つの凹ミラー(21,721)及び少なくとも1つのレンズ(23,723)を有し、
    投影対物系が、物体平面から来る放射線を前記凹ミラーの方向に偏向するための第1の折り返しミラー(27,727)と、該凹ミラーから来る該放射線を像平面の方向に偏向するための第2の折り返しミラー(29,729)とを有し、
    投影対物系が、厳密に2つの実中間像(13,17;713,717)を有し、かつ
    投影対物系が、像平面(9,709)内で1.0よりも大きい開口数を有する、
    物体平面(5,705)内の物体視野(3,703)を像平面(9,709)内の像視野(7,707)上に結像するためのマイクロリソグラフィのための反射屈折投影対物系(1,701)であって、
    凹ミラー(21,721)のミラー面の光学的利用領域と、該凹ミラーに隣接するレンズ(23,723)の該凹ミラーに対面する面(25、725)の光学的利用領域との間の最小距離が、10mmよりも大きい、
    ことを特徴とする投影対物系。
  2. 物体視野を第1の実中間像(13,713)上に結像するための第1の光軸(33,733)を有する第1の部分対物系(11,711)と、
    前記第1の中間像を第2の実中間像(17,717)上に結像するための第2の光軸(35,735)を有する第2の部分対物系(15,715)と、
    前記第2の中間像を像視野(7,707)上に結像するための第3の光軸(37,737)を有する第3の部分対物系(19,719)と、
    を含み、
    前記第2の部分対物系(15,715)が、厳密に1つの凹ミラー(21,721)及び少なくとも1つのレンズ(23,723)を有し、
    投影対物系が、物体平面から来る放射線を前記凹ミラーの方向に偏向するための第1の折り返しミラー(27,727)と、該凹ミラーから来る該放射線を像平面の方向に偏向するための第2の折り返しミラー(29,729)とを有し、
    投影対物系が、厳密に2つの実中間像(13,17;713,717)を有し、かつ
    投影対物系が、像平面(9,709)内で1.0よりも大きい開口数を有する、
    物体平面(5,705)内の物体視野(3,703)を像平面(9,709)内の像視野(7,707)上に結像するためのマイクロリソグラフィのための反射屈折投影対物系(1,701)であって、
    凹ミラー(21,721)と該凹ミラーに隣接するレンズ(23,723)との間の距離が非常に大きく、従って、入射瞳内の照明極(563,565)から出射し、かつ物体視野(3,703)内の中心物体点において物体平面と交わる全ての光線(47,49,51,53)が、該レンズの該凹ミラーに対面する面を該凹ミラーに向う光路上及び該凹ミラーから離れる光路上で空間的に分離した領域(55,57,59,61)を通過し、 前記照明極は、強度が最大強度の10%を下回らない前記入射瞳の強度分布内の連続領域を表し、
    前記照明極(563,565)は、前記入射瞳の縁部(569)に配置され、
    y方向の前記照明極(563,565)の範囲が、前記入射瞳の瞳半径の2%よりも大きく、
    前記y方向は、第1の光軸(33,723)に垂直な直線に対して平行に延び、かつ対称平面内に位置し、
    前記対称平面は、前記第1の光軸(33,723)、第2の光軸(35,735)、及び第3の光軸(37,737)により張られている、
    ことを特徴とする投影対物系。
  3. 前記y方向の前記照明極(563,565)の前記範囲は、前記入射瞳の前記瞳半径の8%よりも小さいか又はそれに等しい、
    ことを特徴とする請求項2に記載の投影対物系。
  4. 前記凹ミラー(21,721)の面頂点と該凹ミラーに隣接する前記レンズ(23,723)の面頂点との間の距離が、該凹ミラーの頂点半径よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投影対物系。
  5. 前記凹ミラー(21,721)は、200mmよりも小さい頂点半径を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の投影対物系。
  6. 前記凹ミラー(21,721)の前記光学的利用領域は、260mmよりも小さい直径を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の投影対物系。
  7. 前記凹ミラーに隣接する前記レンズ(23,723)は、石英から成る、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の投影対物系。
  8. マイクロリソグラフィのための投影露光装置(401)であって、
    少なくとも1つの照明モードを提供するための照明系(405)と、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の反射屈折投影対物系(413,1,701)と、
    を含み、
    第1の部分対物系(11,711)が、第1の光軸(33,733)を有し、第2の部分対物系(15,715)が、第2の光軸(35,735)を有し、第3の部分対物系(19,719)が、第3の光軸(37,737)を有し、
    前記照明系(405)は、照明モードにおいて少なくとも1つの照明極(563,565)を用いて前記投影対物系(413,1,701)の入射瞳を照明するように構成され、
    前記照明極は、強度が最大強度の10%を下回らない前記入射瞳の強度分布内の連続領域を表し、
    前記照明モードの全ての前記照明極に対して、y方向の該照明極の最大範囲が、前記入射瞳の瞳半径の8%よりも小さいか又はそれに等しく、
    前記y方向は、前記第1の前記光軸(33,723)に垂直な直線に対して平行に延び、かつ対称平面内に位置し、
    前記対称平面は、前記第1の光軸(33,733)、前記第2の光軸(35,735)、及び前記第3の光軸(37,737)により張られている、
    ことを特徴とする投影露光装置。
  9. 前記照明系は、前記少なくとも1つの照明極が前記入射瞳の中心を照明するように構成される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の投影露光装置。
  10. 前記照明系は、全ての前記照明極(563,565)が前記入射瞳の縁部(569)に配置されるように構成される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の投影露光装置。
  11. 前記照明系は、前記入射瞳を該入射瞳の中心(567)に関して反対に位置する対になった照明極(563,565)を用いて照明するように構成される、
    ことを特徴とする請求項8又は請求項10に記載の投影露光装置。
  12. 前記照明系は、全ての前記照明モードに対して、凹ミラーに隣接するレンズの該凹ミラーに対面する面上で最大面パワー密度が0.6W/cm2よりも低く、物体平面内の照明光の合計パワーが1.5Wよりも大きくなるように構成される、
    ことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の投影露光装置。
  13. 少なくとも1つの照明モードを提供するための照明系(405)と、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の反射屈折投影対物系(413,1,701)と、
    を含み、
    第1の部分対物系(11,711)が、第1の光軸(33,733)を有し、第2の部分対物系(15,715)が、第2の光軸(35,735)を有し、第3の部分対物系(19,719)が、第3の光軸(37,737)を有し、
    前記照明系(405)が、前記照明モードに応じて、異なる個数の照明極及び異なる形状の照明極を用いて前記投影対物系の入射瞳を照明し、
    照明極が、強度が最大強度の10%を下回らない前記入射瞳の強度分布内の連続領域を表し、
    前記照明系が、y方向の前記照明極の最大範囲が前記入射瞳の瞳半径の8%よりも小さいか又はそれに等しい場合の照明モードを提供し、
    前記y方向が、前記第1の前記光軸(33,733)に垂直な直線に対して平行に延び、かつ対称平面内に位置し、
    前記対称平面は、前記第1の光軸(33,733)、前記第2の光軸(35,735)、及び前記第3の光軸(37,737)により張られている、
    マイクロリソグラフィのための投影露光装置(401)を作動させる方法。
  14. 少なくとも1つの照明モードを提供するための照明系(405)と、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の反射屈折投影対物系(413,1,701)と、
    を含み、
    第1の部分対物系(11,711)が、第1の光軸(33,733)を有し、第2の部分対物系(15,715)が、第2の光軸(35,735)を有し、第3の部分対物系(19,719)が、第3の光軸(37,737)を有し、
    前記照明系(405)が、前記照明モードに応じて、異なる個数の照明極及び異なる形状の照明極を用いて前記投影対物系の入射瞳を照明し、
    照明極が、強度が最大強度の10%を下回らない前記入射瞳の強度分布内の連続領域を表し、
    前記照明系が、凹ミラーに隣接するレンズの該凹ミラーに対面する面上で最大面パワー密度が0.6W/cm2よりも低く、物体平面内の照明光の合計パワーが1.5Wよりも大きい時にのみ照明モードを提供する、
    マイクロリソグラフィのための投影露光装置(401)を作動させる方法。
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